平成14(ハ)16322 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成15年10月22日 東京簡易裁判所
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判決文本文3,983 文字)

平成15年10月22日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成14年(ハ)第16322号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成15年9月17日判決 主文 1 被告らは,原告に対し,連帯して,39万9398円及びこれに対する平成12年5月6日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを10分し,その3を原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。 4 この判決は,1項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告らは,原告に対し,連帯して,73万2920円及びこれに対する平成12年5月6日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 請求原因の要旨平成12年5月6日午後11時34分ころ東京都杉並区ab丁目c番d号で発生した原告運転の普通自動二輪車(原告所有)と被告A株式会社(以下「被告会社」という。)が使用する被告B運転の普通乗用自動車(被告会社所有)との交通事故による原告所有車の修理代金55万2920円(車の損害額については,当事者間に争いはない。),弁護士費用18万円及び遅延損害金の連帯支払請求 2 争点事故の態様及び過失割合(原告の主張)信号機により交通整理の行われている交差点において,被告Bが,右折進行する際に,対向直進して来る原告車を見落として右折進行したため,被告車の左側面を原告車の前部に衝突させ原告車を損傷したものであるから,被告Bの一方的過失による事故である。 (被告らの主張)事故当時,原告車は速 来る原告車を見落として右折進行したため,被告車の左側面を原告車の前部に衝突させ原告車を損傷したものであるから,被告Bの一方的過失による事故である。 (被告らの主張)事故当時,原告車は速度違反を犯していたし,被告車は既右折の状態にあった。 また,原告は事故直前まで飲酒しており,酒酔い運転または酒気帯び運転をしていた。これらの事情を考慮すれば,原告の過失相殺率は,45~55パーセントである。 第3 争点に対する判断 1 証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1) 本件事故現場の青梅街道は片側3車線で,タクシー運転手である被告Bは,乗客Cを乗せて第3車線(追い越し車線)を新宿方面から田無方面に向かって走行して本件交差点に差しかかり,右折するために,前車に続き交差点内で停止し,先ず3台の対向直進車をやりすごした後,もう1台をやり過ごしてから,さらに対向直進車の有無を確認することなく,右折先の横断歩道の横断者等の有無を確認して,右折発進した直後に被告車の左フェンダー前部と原告車の前部が衝突して,双方の車が損傷した。 (2) 一方,原告は,本件事故当日,テニス仲間8人で午前10時ころから午後5時ころまでテニスの練習をした後,全員でe駅近くの焼鳥屋で飲食し,生ビールとワインを飲んで,午後9時過ぎに店を出た後,歩いて10分ほどのカラオケ店に5人で入り,ビールを飲み,カラオケ店を出たのが午後11時過ぎであった。その後,原告は原告車を運転して本件道路の第2車線を田無方面から新宿方面に向かって進行し,本件交差点にさしかかり,本件事故に遭った。(なお,原告は,テニスの練習を終えて焼鳥屋とカラオケ店に入った記憶はあるが,事故のショックが原因で,カラオケ店の途中から4日目までの 面に向かって進行し,本件交差点にさしかかり,本件事故に遭った。(なお,原告は,テニスの練習を終えて焼鳥屋とカラオケ店に入った記憶はあるが,事故のショックが原因で,カラオケ店の途中から4日目までの間の記憶がないと述べる。)(3) 本件衝突直後,原告は原告車から前方に投げ出されて被告車の屋根を飛び越えて路面に転落して,全治107日間を要する上腕骨骨折等の重傷を負った。 2 以上の事実によれば,本件事故の原因は,被告Bも検察官調書の中で自認しているように,交差点を右折しようとした被告Bが,対向直進車を数台やり過ごした後,他に直進車はないものと軽信して,さらにその後続車の有無を確認することなく,右折先横断歩道上の安全に気を取られて右折を開始したため,原告車に全く気付かなかった点にあるというべきである。 3 原告の過失の有無について以上に述べたとおり本件事故は主として被告Bの右折時における安全運転義務違反に起因するものと言えるが,被告らは,以下の点で原告にも過失があるとして過失相殺を主張するので検討する。 (1) 速度違反について乙3号証中の平成12年5月14日付け実況見分調書添付写真番号4,11~14,18,19,41,45の原告車及び被告車の損傷状況,原告の負傷の程度を考慮すると,事故当時,原告車は相当な速度で被告車と衝突したことが推測されること,被告車に客として後部左側座席に同乗していたCは,警察官調書の中で,「車が曲がり始めたと同時に対向からオートバイがすごいスピードで走ってくるのが見えた」と供述していること,また,C自身も頸椎を捻挫したこと,事故当時,買い物のため,原告車と同一方向の第1車線に停止していた車の助手席から,衝突直後の状況を目撃したDは警察官調書の中で,「前の方からドカーンという大きな音がした C自身も頸椎を捻挫したこと,事故当時,買い物のため,原告車と同一方向の第1車線に停止していた車の助手席から,衝突直後の状況を目撃したDは警察官調書の中で,「前の方からドカーンという大きな音がしたので前を見たところ,人が空を飛んでいるのを見た」と供述していること,原告も警察官調書で,「普段の走行速度は,平均時速60~70キロメートルで走っているので,事故当時もそれくらいの速度で走っていたと思う」と自認していること,以上の事情によれば,本件道路は制限速度時速50キロメートルであるところ,原告車は,その制限速度を相当程度超過する速度で走行していたことが推測される。 (2) 既右折の主張について被告らは,被告車が既に右折を完了していたところに,原告車が衝突したと主張する。しかしながら,前記実況見分調書添付写真番号11,53~56によれば,被告車の衝突部位は,被告車の左フェンダー前部であること,平成12年5月11日付け実況見分調書添付現場見取図によれば,衝突地点は原告車進行道路の第1車線と第2車線の境のほぼ延長線上よりやや第1車線寄りでの位置であること,交差点手前の自転車横断帯から衝突地点の直前の位置にかけて長さ約5.9メートルのスリップ痕が残っており,やや左にハンドルを切ったことが認められること,前述したとおり客のCは,「車が曲がり始めたと同時に」対向直進してくる原告車を発見していること,以上によれば,原告車が交差点に進入する時点において,被告車はまだ右折を完了しているか又はそれに近い状態にあったとは認められないと言うべきである。 (3) 原告の飲酒状況についてア原告と一緒に事故直前に焼鳥屋とカラオケ店で飲酒したテニス仲間のEは,警察官調書の中で,テニスの練習を午後5時ころに終えてテニス仲間8人で焼き鳥屋に入り,生 (3) 原告の飲酒状況についてア原告と一緒に事故直前に焼鳥屋とカラオケ店で飲酒したテニス仲間のEは,警察官調書の中で,テニスの練習を午後5時ころに終えてテニス仲間8人で焼き鳥屋に入り,生ビールの中ジョッキを一杯ずつ飲み,ワイン2本を8人で飲んで午後9時過ぎに店を出て,残った5人で歩いて10分くらいのカラオケ店に入り,ビールをピッチャーで2杯頼み,5人で飲んだ,カラオケ店を出たのは午後11時20分だったと述べる。なお,同人は,原告も飲んだが,皆より量は少なかったと思う,店を出た後,原告は別に酔っぱらっている様子はなかった,と述べる。 イ原告自身も,警察官調書で,焼鳥屋で生ビールを中ジョッキで1~2杯と皆でワインを飲んだ後,カラオケに行ってビールを1~2杯飲んだが,自分は幹事役だったし,バイクで来ているので焼鳥屋で飲んだアルコールを抜こうと思い余り飲まなかったと述べるが,飲酒したこと自体は自認している。 ウしかしながら,焼鳥屋にいた時間が少なくとも2時間以上あり,カラオケ店でも2時間以上いたこと,また,原告の治療に当たったF大学医学部付属病院の調査嘱託に対する回答(診断書)によれば,入院当時の原告の血中アルコール濃度は1å中189.4㎎であり,軽度の意識障害が認められたということから見ても,飲酒量はもっと多かったと推測されるから,二カ所での飲酒量についてのEと原告の供述は採用できない。 エ以上によれば,原告は,事故当時相当程度の酒気を帯びて運転していたことが認められるのであって,そのことが,原因で,速度超過を招き,また,右折を開始した被告車の発見を遅らせ,あるいは,急制動等の措置を遅らせた疑いも否定できないと言うべきである。 4 過失割合について以上の諸事情を総合すれば,本件事故における過失割合は また,右折を開始した被告車の発見を遅らせ,あるいは,急制動等の措置を遅らせた疑いも否定できないと言うべきである。 4 過失割合について以上の諸事情を総合すれば,本件事故における過失割合は,原告35%に対して被告Bの65%とするのが相当である。したがって,被告らは,原告車の修理代55万2920円の65%に相当する35万9398円を負担すべきであり,弁護士費用については,4万円の請求の限度で認容するのが相当であるから,被告らは合計39万9398円を連帯して負担すべきである。 東京簡易裁判所民事第2室 裁判官山中喜代志

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