令和5(ワ)5749 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年2月13日 大阪地方裁判所
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令和7年2月13日判決言渡同日原本受領裁判所書記官令和5年(ワ)第5749号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和6年12月18日判決 原告株式会社アイ工務店同代表者代表取締役同訴訟代理人弁護士酒井康生 被告株式会社リズムホーム(以下「被告リズムホーム」という。)同代表者代表取締役M1 被告M1(以下「被告M1」といい、被告リズムホームと併せて「被告M1ら」という。)上記2名訴訟代理人弁護士古結誠 被告讃岐空間デザイン株式会社(以下「被告讃岐空間デザイン」という。)同代表者代表取締役M2 被告M2(以下「被告M2」といい、被告讃岐空間デザインと併せて「被告M2ら」という。)上記2名訴訟代理人弁護士長谷川洋平 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 被告らは、原告に対し、連帯して4758万2123円並びにこれに対する被告リズムホーム及び被告M2らについては令和5年7月1日から、被告M1については同月8日から、各支払済みまで年3パーセントの割合による金員(ただし、上記金額及び 58万2123円並びにこれに対する被告リズムホーム及び被告M2らについては令和5年7月1日から、被告M1については同月8日から、各支払済みまで年3パーセントの割合による金員(ただし、上記金額及びこれに対する同日から支払済みまで同割合による限度で連帯)を支払え。 第2 事案の概要等 1 本件は、いわゆるハウスメーカーである原告が、以下の(1)ないし(3)のとおり、被告らに対し、損害賠償金4758万2123円及びこれに対する訴状送達日の翌日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の連帯支払を求める(ただし、(3)は被告M1のみに対する請求)事案である。 (1) 主位的請求 被告M1(原告の元従業員)ないし同人が代表者を務める被告リズムホームは、原告の営業秘密である別紙営業秘密一覧表記載の顧客情報(以下、同別紙記載の番号ごとに「本件顧客情報①」などといい、これらを併せて「本件各顧客情報」という。また、当該各顧客のことを「本件顧客①」などといい、これらを併せて「本件各顧客」という。)を不正に取得してこれを使用し(不正競争防止法(以下「不競 法」という。)2条1項4号)、被告M2ないし同人が代表者を務める被告讃岐空間デザインは、上記不正取得の介在を知って、又は重大な過失により知らないで本件各顧客情報を取得してこれを使用した(同項5号)ものであり、被告らは、これらの不正競争行為を共同して行って別紙契約等一覧表記載の各契約(以下、同別紙記載の番号ごとに「本件契約①」などといい、これらを併せて「本件各契約」とい う。)を締結し、原告に損害を与えたものであるから、原告は、被告らに対し、不 競法違反による損害賠償金(不競法4条)につき、共同不法行為(民法709条、719条)として連帯支払を求める。 う。)を締結し、原告に損害を与えたものであるから、原告は、被告らに対し、不 競法違反による損害賠償金(不競法4条)につき、共同不法行為(民法709条、719条)として連帯支払を求める。 (2) 予備的請求①被告M1は、原告在職中に、原告に対する誠実義務(忠実義務)・競業避止義務に違反して本件各顧客情報を不正に取得し、本件各契約を締結して原告に損害を与 えたものであるところ、かかる不法行為につき、被告らの間には利益分配を前提とした密接かつ強固な関連性があるから、原告は、被告らに対し、共同不法行為(民法709条、719条)に基づく損害賠償金の連帯支払を求める。 (3) 予備的請求②被告M1は、原告との間の労働契約上の誠実義務(忠実義務)・競業避止義務に 違反し、原告の損害を与えたものであるから、原告は、被告M1に対し、債務不履行に基づく損害賠償金(民法415条)の支払を求める。 1 前提事実(争いのない事実並びに掲記の証拠(枝番号を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者 ア原告は、建築工事等の施工監理及び請負等を目的とする株式会社であり、原告の従業員数は、令和6年1月時点で1708人である(甲1、乙1)。 イ被告リズムホームは、令和3年4月26日に設立された、住宅の設計、監理、建設、販売等を目的とする株式会社である(甲2)。 ウ被告M1は、被告リズムホームを設立した同社の代表者であるが、原告に平 成27年7月27日に入社し、令和5年3月23日付けで原告を退職した。その当時、被告M1は原告の阪和支店の支店長であった。(甲2、乙4)エ被告讃岐空間デザインは、平成27年1月7日に設立された、不動産の賃貸、管理、売買及び仲介に関する業務 けで原告を退職した。その当時、被告M1は原告の阪和支店の支店長であった。(甲2、乙4)エ被告讃岐空間デザインは、平成27年1月7日に設立された、不動産の賃貸、管理、売買及び仲介に関する業務、建築工事業等を目的とする株式会社である(甲3)。 オ被告M2は、被告讃岐空間デザインの代表者である。また、被告M2は、被 告M1と旧知の関係にあり、被告リズムホームの設立時から令和5年3月22日まで、同社の取締役を務めていた。(甲2、丙1)カ M3 、M4 及びM 5 は、いずれも、被告M1が原告に在籍していた際の被告M1の部下であった(以下、M3、M4 及びM5を併せて「M3ら」という ことがある。)。 (2) 本件各契約の締結被告リズムホーム及び被告讃岐空間デザインは、令和2年12月から令和4年11月にかけて、別紙契約等一覧表記載のとおり、本件各顧客との間でそれぞれ住宅の新築工事請負契約(本件各契約)を締結した(甲6ないし13)。 (3) 原告における顧客情報の管理等原告においては、基幹業務システムにより顧客情報が管理されていたところ、本件各顧客情報は、少なくとも一定期間は同システムに登録されていたが、その後、被告M1又はM3らにより同システムの削除済みフォルダに移動された(争いのない事実、甲14)。 (4) 被告M1の懲戒解雇等原告は、本件各契約の締結に関し、社内調査の上で被告M1及びM3らに対するヒアリングを行い、令和5年3月23日付けで被告M1を懲戒解雇した。なお、M3も同日付けで懲戒解雇されたが、M5及びM4 は懲戒解雇まではされず、降格処分となった。(乙4、弁論の全趣旨) (5) グを行い、令和5年3月23日付けで被告M1を懲戒解雇した。なお、M3も同日付けで懲戒解雇されたが、M5及びM4 は懲戒解雇まではされず、降格処分となった。(乙4、弁論の全趣旨) (5) 関連規定等ア被告M1は、平成27年7月30日付けの「入社承諾書及び誓約書」を原告に提出した。同書面には、「貴社在職中に知り得た貴社の機密情報及び個人情報を機密保持に関する規定に従って、適切に取扱い、在職中はもとより退職後においても、それらを不正に使用しないこと、及び法令に認められる以外の場合に第三者に 開示また漏えい等しないこと」(第5項)を誓約する旨の記載がある。(甲19) イ原告の就業規則には、47条(遵守事項)として以下の規定がある(甲20)。 (ア) 1項従業員は、職場の秩序を保持し、業務の正常な運営をはかるため、次の事項を守らなければならない。 a 12号 会社の業務上の機密事項及び会社の不利益となるような事項を他に漏らさないことはもとより、従業員としての地位を失った後も、会社の書面による承諾がない限り、開示又は漏洩しないこと。 b 21号直接又は間接を問わず、会社の業務を妨げるような行為をしないこと。 c 23号許可なく他の会社の従業員となり、又は会社の利益に反するような業務に従事しないこと。 (イ) 5項(個人情報保護及び特定個人情報の保護)1号従業員は、会社及び取引先等に関する情報、個人情報(中略)等の管理に十分注 意を払うとともに、自らの業務に関係のない情報を不当に取得してはならない。 2 争点(1) 主位的請求(不競法に基づく請求)関係ア本件各顧客情報の営業秘密性(争点1)イ不正競争行為(不競法2条1項4号、5号)の該当性(争点2) 得してはならない。 2 争点(1) 主位的請求(不競法に基づく請求)関係ア本件各顧客情報の営業秘密性(争点1)イ不正競争行為(不競法2条1項4号、5号)の該当性(争点2) ウ被告らの責任(争点3)(2) 予備的請求①(被告らによる共同不法行為に基づく請求)関係ア被告M1の不法行為の成否(争点4)イ被告らの責任(争点5)(3) 予備的請求②(被告M1の債務不履行に基づく請求)関係 被告M1の債務不履行の有無(争点6) (4) 原告の損害の有無及び額(争点7) 3 争点に関する当事者の主張(1) 主位的請求関係ア争点1(本件各顧客情報の営業秘密性)について〔原告の主張〕 本件各顧客情報は、原告の基幹業務システム内に登録・保管されていたところ、各従業員に付与されたID及びパスワードがなければ同システムへはアクセスできない。さらに、本件各顧客情報は、顧客の個人情報であり、原告の営業社員等が展示場やコネクションにより多額の費用と労力をかけて集積してきた企業の肝ともいうべき情報であるから、その性質上当然に、外部に漏らしてはならない営業秘密で あると原告の従業員全員が認識していた。原告の就業規則においても、「従業員は、会社及び取引先等に関する情報、個人情報(中略)等の管理に十分注意を払うとともに、自らの業務に関係のない情報を不当に取得してはならない。」(47条5項1号)などと規定されている。したがって、本件各顧客情報には秘密管理性が認められる。 また、本件各顧客情報は、注文住宅の建築を希望している潜在的顧客を明らかにするものであり、予算等の営業情報も含まれるから、有用性が認められる。さらに、第三者に知られている情報ではないから、非公知性も認められ 件各顧客情報は、注文住宅の建築を希望している潜在的顧客を明らかにするものであり、予算等の営業情報も含まれるから、有用性が認められる。さらに、第三者に知られている情報ではないから、非公知性も認められる。 〔被告M1らの主張〕1700人余りもの原告の従業員が、基幹業務システムにID及びパスワードを 入力しさえすれば、社用パソコンからも私用のスマートフォンからも同システム内の情報を閲覧でき、紙媒体への印刷も可能であったこと、「部外秘」と示すような指導もなかったことなどからすると、同システム内に登録・保管された本件各顧客情報に秘密管理性は認められない。 また、本件各顧客情報は、元々原告に発注する意向がないか、又は予算が足りず に原告へは発注できない顧客の情報ばかりであったため、原告との成約見込みはな く、基幹業務システムから削除されたものであり、潜在的顧客の情報ですらないから、有用性も認められない。 〔被告M2らの主張〕被告M1らの主張と同様であるが、本件各顧客情報の非公知性についても争う。 イ争点2(不正競争行為(不競法2条1項4号、5号)の該当性)について 〔原告の主張〕被告M1らは、令和2年から令和4年にかけて、原告の基幹業務システムに登録・保管されていた本件各顧客情報を複数回にわたって不正に取得したものであるから、かかる行為は不競法2条1項4号に該当する。 また、被告M2らは、上記不正取得の介在を知って、又は重大な過失により知ら ないで本件各顧客情報を取得し、これを使用したものであるから、かかる行為は同項5号に該当する。 被告らは、互いに意思を通じ合って、原告の許可を取らずに基幹業務システムから本件各顧客情報を取得して使用したものであり、現に7件もの新築工事(本件各契約)を受注してい 為は同項5号に該当する。 被告らは、互いに意思を通じ合って、原告の許可を取らずに基幹業務システムから本件各顧客情報を取得して使用したものであり、現に7件もの新築工事(本件各契約)を受注していることに加え、同システムからの本件各顧客情報の取得に際し てそのデータを削除し、見込客一覧から外すという隠ぺい行為を行ったことからすれば、本件各顧客情報の不正取得・使用という不正競争行為は優に認められる。 〔被告M1らの主張〕否認ないし争う。被告M1らは、本件各顧客情報を基幹業務システムから入手したものではない。被告M1及びM3らが、知人等から本件各顧客を紹介された過程 又は本件各顧客と接する中で得た個人情報に基づき、本件各顧客につき原告との成約可能性はないと判断した後に、被告リズムホームにおいて本件各顧客との間で請負契約を締結したものであるから、被告M1らにつき不競法2条1項4号所定の不正競争行為は存在しない。仮に基幹業務システムからの本件各顧客情報の取得行為があったとしても、原告の従業員であれば誰でも同システムにアクセスできるため、 不正な手段による取得ではない。 なお、原告においては、基幹業務システムの運用として、原告を訪問したものの他社と成約した顧客や、成約の見込みがなくなった顧客についての情報は削除するという運用がされていたところ、本件各顧客情報もこれに従って削除した(削除済みフォルダに移動した)にすぎない。 〔被告M2らの主張〕 否認ないし争う。被告M2は、旧知の被告M1から、共同で住宅建築業を行うことを持ち掛けられたものであるが、具体的な業務は全て被告M1に任せており、その指示に基づいて下請業者等への支払を行ったことがあるのみであるから、不競法2条1項5号の悪意又は重過失が存在しない。 うことを持ち掛けられたものであるが、具体的な業務は全て被告M1に任せており、その指示に基づいて下請業者等への支払を行ったことがあるのみであるから、不競法2条1項5号の悪意又は重過失が存在しない。 ウ争点3(被告らの責任)について 〔原告の主張〕前記イの〔原告の主張〕のとおり、被告らは不競法2条1項4号ないし5号所定の不正競争行為を行ったものであり、故意も認められるから、不競法違反による損害賠償責任(不競法4条)を負う。また、被告ら間においては、利益分配を前提とした密接かつ強固な主観的・客観的関連性があるから、被告らは共同不法行為によ り連帯して損害賠償責任を負う。 〔被告M1らの主張〕前記イの〔被告M1らの主張〕のとおり、被告M1らにつき不競法2条1項4号所定の不正競争行為は存在しないから、不競法違反による損害賠償責任を負うものではない。 〔被告M2らの主張〕前記イの〔被告M2らの主張〕のとおり、被告M2らにつき不競法2条1項5号所定の不正競争行為は存在しないから、不競法違反による損害賠償責任を負うものではない。 (2) 予備的請求①関係 ア争点4(被告M1の不法行為の成否)について 〔原告の主張〕仮に不競法違反が認められないとしても、被告M1は、原告での勤務中(勤務時間内を含む。)に、原告の経営資源が投下された展示場等で取得した本件各顧客情報を盗用した上で、原告の顧客であった本件各顧客を被告リズムホーム等の顧客として勧誘し、原告のパソコン、プリンター、設計ソフト、交通費、下請業者、建材 等の仕入業者、原告の従業員(M3ら)といった経営資源を盗用し、M3らには1件当たり50万円という高額の歩合報酬を約束して営業行為等を行わせ、本件各契約の締結に至っ ト、交通費、下請業者、建材 等の仕入業者、原告の従業員(M3ら)といった経営資源を盗用し、M3らには1件当たり50万円という高額の歩合報酬を約束して営業行為等を行わせ、本件各契約の締結に至ったものである。原告の11期(令和2年7月1日から令和3年6月30日)及び12期(令和3年7月1日から令和4年6月30日)における被告M1、M3、M5及びM4 の各受注件数を比較すると、それぞれ顕著に減少しているこ とからしても、原告の顧客が被告リズムホームに横流しされていたことは明らかである。 被告M1は、原告との間の労働契約に付随する誠実義務(忠実義務)・競業避止義務を負うところ、上記の行為は背信的であり、これらの義務に違反するから(原告の就業規則47条1項12号、21号、23号参照)、原告に対する不法行為(民 法709条)を構成する。 〔被告M1の主張〕労働者が負うべき競業避止義務は、労働契約の存続中、使用者の利益に著しく反する競業行為を差し控えるべき義務であると解されるところ、本件各顧客は、原告において受注する可能性のない顧客であり、潜在的顧客ですらなかったから、本件 各顧客と被告リズムホームが取引を行ったとしても、原告の利益に著しく反するものではない。したがって、被告M1の上記取引行為は競業避止義務に違反しないし、同様の理由により、誠実義務(忠実義務)にも違反しない。 なお、被告M1が、被告リズムホームの事務作業を行うに当たって、原告のパソコンやプリンターを使用したことはあるが、原告の業務が終わった後の時間を利用 していたものであり、原告の利益に著しく反するものではないから、上記義務違反 は認められない。また、原告のような業態の会社の営業担当は、ある期において多数の顧客を獲得した場合、その後住 していたものであり、原告の利益に著しく反するものではないから、上記義務違反 は認められない。また、原告のような業態の会社の営業担当は、ある期において多数の顧客を獲得した場合、その後住宅を建築するまでの数か月から1年ほどの間は当該顧客の対応に時間を割かれることになり、新規顧客を獲得するための時間確保が難しくなるから、原告が指摘する営業成績の推移により、顧客の横流しという事情を読み取ることはできない。 以上のことに加え、被告M1は、原告を懲戒解雇されているところ、当該処分で評価し尽せないほど悪質な違法行為を行っていたとは認められないことからすると、被告M1の行為は不法行為を構成しない。 イ争点5(被告らの責任)について〔原告の主張〕 被告M1は、被告リズムホームの代表者であり、被告リズムホーム及び被告M2らと共同して前記アの〔原告の主張〕の行為を行ったものである。被告ら間においては、利益分配を前提とした密接かつ強固な主観的・客観的関連性があるから、被告らは連帯して共同不法行為責任(民法719条)を負う。 〔被告M1らの主張〕 前記アの〔被告M1の主張〕のとおり、被告M1について原告に対する不法行為は成立しないから、被告M1らが、原告に対し、共同不法行為に基づく損害賠償責任を負うことはない。 〔被告M2らの主張〕被告M1らが不法行為責任を負わないことは、上記〔被告M1らの主張〕のとお りであるし、被告M2は、被告M1の指示に基づき下請業者等への支払を行ったことはあるものの、本件各契約に係るその他の業務には一切関与していない。被告M2らは、被告リズムホームの設立前の時期に、被告M1に懇請されて、本件契約①につき被告讃岐空間デザインが受注する形を取ったにすぎないのであり、被告 契約に係るその他の業務には一切関与していない。被告M2らは、被告リズムホームの設立前の時期に、被告M1に懇請されて、本件契約①につき被告讃岐空間デザインが受注する形を取ったにすぎないのであり、被告M1らの行為について全く認識しておらず、意思も通じ合っていないから、共同不法行 為は成立せず、被告M2らが被告M1らとともに共同不法行為責任を負うことはな い。 (3) 予備的請求②関係-争点6(被告M1の債務不履行の有無)について〔原告の主張〕前記(2)アの〔原告の主張〕のとおり、被告M1は、原告との間の労働契約に付随する誠実義務(忠実義務)・競業避止義務に違反したものであるから、労働契約上 の債務不履行がある。 〔被告M1の主張〕争う。前記(2)イの〔被告M1の主張〕のとおり、被告M1は上記義務に違反したものではないから、労働契約上の債務不履行はない。 (4) 争点7(原告の損害の有無及び額)について 〔原告の主張〕ア被告らによる本件各顧客の横取り行為(本件各契約)がなければ、原告において受注できていた確度は極めて高いから、上記行為と原告の損害との間には因果関係が認められる。そして、原告の逸失利益の額は、本件各契約の請負代金合計額1億4515万5961円に、原告の粗利率29.8%を乗じた4325万647 6円である。これに、弁護士費用432万5647円を加えた合計4758万2123円が原告の損害額である。 イ仮に、前記アの逸失利益の額が認められなかったとしても、M4 が原告によるヒアリングに対して回答した、M6邸(工事代金1995万8107円)及びM7邸(同2321万1217円)の2件は原告において確実に受注することができた から、上記工事代金の合計額4316万93 ヒアリングに対して回答した、M6邸(工事代金1995万8107円)及びM7邸(同2321万1217円)の2件は原告において確実に受注することができた から、上記工事代金の合計額4316万9324円に原告の粗利率29.8%を乗じた1286万4458円は逸失利益として認められるべきであり、これに、弁護士費用128万6445円を加えた合計1415万0903円は原告の損害額として少なくとも認められるべきである。 〔被告らの主張〕 争う。本件各顧客は、原告との間で請負契約を締結する可能性はなかったから、 本件各契約の締結によっても原告に逸失利益は生じていない(因果関係がない。)。 また、被告リズムホーム及び被告讃岐空間デザインは、原告よりはるかに安価で新築住宅の建築工事を請け負っており、本件各契約についてもほとんど利益は生じていないから、建築業界の中でもかなり高い水準である原告の粗利率を本件各契約の請負代金額に乗じて原告の逸失利益を算出することは不適当であるし、必要な経費 を差し引く前の粗利率で損害を算定すること自体に無理がある。 さらに、原告が予備的に主張するM6邸及びM7邸の2件については、原告主張に係る不正競争行為の対象外であるから前提を欠くし、原告によるヒアリングに対するM4 の回答(甲26)は、可能な限り軽い処分にとどめてもらいたいとの思いから回答されたものであるとも考えられるから、信用性が乏しく、原告において上記 2件を受注できたことが立証されているとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実並びに証拠(後掲のほか、甲29、乙4、丙1、証人 M8 、被告リズムホーム代表者兼被告M1本人、被告讃岐空間デザイン代表者兼被告M2本人) 及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が 前記前提事実並びに証拠(後掲のほか、甲29、乙4、丙1、証人 M8 、被告リズムホーム代表者兼被告M1本人、被告讃岐空間デザイン代表者兼被告M2本人) 及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (1) 被告M1は、平成27年7月27日に原告と本件雇用契約を締結し、平成28年1月1日からは原告の大阪支店管内の営業所の所長として勤務し、その後、阪和支店長、大阪支店長を経て、令和4年7月からは再び阪和支店長として勤務していた。なお、原告においては、住宅の展示場ごとに営業所が配置され、支店が4つ ないし5つの営業所を束ねており、さらに、複数の支店を支社が束ねていた。 (2) 被告M1は、令和2年の夏頃、自分で会社を立ち上げて、原告よりも低い価格帯での注文住宅の受注を手掛けたいと考えるようになり、旧知の被告M2に対し、住宅建築業を一緒に経営する話を持ち掛けた。被告M2はこれに応じたが、住宅建築業の経験はなかったことから、主要な業務は被告M1が行い、被告M2は経理財 務関係の業務を行うこととなった。その時点では、両者の間では、同年末頃を目途 に被告M1が原告を退職するという話が出ていた。 (3) 被告M1は、令和2年の秋頃、前記(2)の考えにつき原告における上司に相談したが、同上司から、もうしばらくは原告での勤務を継続してはどうかと言われ、被告M1も、原告での勤務を継続する旨の回答をした。他方で、被告M1は、部下であったM3らに対しても前記(2)の考えを伝えたところ、賛同を得られたため、こ の頃から、被告M1及びM3らは、原告の業務を行う傍ら、原告の許可なく、被告M1が立ち上げた住宅建築業務に携わるようになり、同業務につき原告のパソコン、プリンター、設計ソフト等を使用したり、原告の勤務時間中に同業務に関 びM3らは、原告の業務を行う傍ら、原告の許可なく、被告M1が立ち上げた住宅建築業務に携わるようになり、同業務につき原告のパソコン、プリンター、設計ソフト等を使用したり、原告の勤務時間中に同業務に関する電話対応を行ったりすることもあった。そして、被告M1は、令和3年4月26日に被告リズムホームを設立し、同社の代表取締役に就任した。この設立に際しては、被 告M2も資本金100万円の半額である50万円を出資し、取締役に就任した。被告リズムホームから被告M2に対しては、1期目の途中から月額10万円の報酬が支払われたが、2期目以降は報酬は支払われなかった。(甲2)(4) 令和2年の秋頃、本件顧客①( M9 )からM3に対して住宅購入の相談があり、原告の泉佐野展示場において打合せが行われ、同顧客が原告の「見込客」 として基幹業務システムに登録されたが、その後、被告M1において受注を検討することとなった。もっとも、その時点では被告リズムホームは設立未了であったことから、被告M1の要望に被告M2が応じる形で、被告M2が代表者を務める被告讃岐空間デザインが請負人(契約者)となり、令和2年12月20日に本件契約①が締結された。契約締結に関する主要な業務は被告M1ないしM3が行い、被告M 2は下請業者等への支払の業務を行った。(甲7)(5) その後、令和4年11月までの間に、本件顧客②ないし⑦が原告の「見込客」として基幹業務システムに登録されたが、最終的には、上記各顧客と被告リズムホームとの間で本件契約②ないし⑦が成立した。本件契約①を含む本件各契約につき、顧客名、契約締結日、請負人(契約者)、請負金額、担当者、原告の基幹業務シス テムへの「見込客」としての登録日、削除日、原告における予定金額(別紙営業秘 密一覧表の む本件各契約につき、顧客名、契約締結日、請負人(契約者)、請負金額、担当者、原告の基幹業務シス テムへの「見込客」としての登録日、削除日、原告における予定金額(別紙営業秘 密一覧表の「総額金額予定」欄記載の額と同じ。)は、別紙契約等一覧表記載のとおりである。また、原告の基幹業務システムの備考欄には、本件各顧客に関する事情が記載されており、その内容は別紙営業秘密一覧表の「備考」欄各記載のとおりである。(甲5ないし14)(6) 令和5年1月頃、原告の従業員である被告M1及びM3らが被告リズムホ ーム等の業務を行っていることにつき、不正調査チームが組成され、同年3月には被告M1及びM3らに対するヒアリングが行われた。そして、被告M1及びM3は懲戒解雇処分となり(同月23日付け)、M5及びM4 は降格処分となった。また、被告M2は、同月22日付けで被告リズムホームの取締役を辞任した。(甲2、26ないし28) (7) 原告の基幹業務システムにおいては、「見込客」として登録された顧客情報は、IDとパスワードを入力して同システムにログインすれば原告の全従業員が閲覧可能であり(IDとパスワードは全従業員が知っていた。)、かかる閲覧は、原告の社用パソコンのみならず、従業員の私用パソコンやスマートフォンからも可能であった。また、基幹業務システムの入ったパソコンを外部のプリンターに接続し て印刷することは禁止されていたものの、物理的には顧客情報を紙媒体に印刷することも可能であった。なお、実際に契約した顧客の情報については、閲覧可能者は当該契約に関与できる従業員のみに制限されていた。(甲14、弁論の全趣旨)(8) 原告の基幹業務システムに「見込客」として登録された顧客情報は、成約見込みがないと判断された場合は、同シ 可能者は当該契約に関与できる従業員のみに制限されていた。(甲14、弁論の全趣旨)(8) 原告の基幹業務システムに「見込客」として登録された顧客情報は、成約見込みがないと判断された場合は、同システムから削除されることとなっていた。た だし、当該顧客の担当者が独断で削除することは基本的には認められておらず、支店長あるいはこれに準ずる立場の者に相談した上で、あるいはこれらの者からの指示により削除される扱いであった。 2 争点1(本件各顧客情報の営業秘密性)について(1) 不競法2条6項は、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の 事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものを 「営業秘密」と定義するところ、「秘密として管理されている」とは、当該情報に接した者が、これが秘密として管理されていることを認識し得る程度に秘密として管理されていることをいうと解すべきである。 (2) これを本件についてみるに、前記認定事実(4)、(5)及び(7)のとおり、本件各顧客情報は、原告における「見込客」の顧客情報として基幹業務システムに登録 されていたから、これが削除されるまでの間は、IDとパスワードを入力して同システムにログインすれば、原告の全従業員が閲覧可能な状態に置かれており、かかる閲覧は、原告の社用パソコンのみならず、従業員の私用パソコンやスマートフォンからも可能であったこと等、アクセスが極めて容易であった状況に置かれていたことが認められる。そして、原告の従業員数は、令和6年1月時点で1708人で あるところ(前記前提事実(1)ア)、これが令和2年頃と比較して大幅に変動したなどの事情はうかがわれないから、令和2年頃から令和4年頃までの間も、おおむね同程度の数の従業員が原告に所 8人で あるところ(前記前提事実(1)ア)、これが令和2年頃と比較して大幅に変動したなどの事情はうかがわれないから、令和2年頃から令和4年頃までの間も、おおむね同程度の数の従業員が原告に所属していたものと認められる。 このように、本件各顧客情報は、これが削除されるまでの間は、基幹業務システムにログインしさえすれば、1700人前後の多数の原告従業員がほぼ自由にアク セス可能な状態にあり、特段の秘密管理措置がとられていたことも認められないのであって(原告は、就業規則47条5項1号等の規定を指摘するが、かかる一般的な規定で秘密管理措置として足りるものではない。)、これらのことからすると、原告において、本件各顧客情報につき、当該情報に接した者が秘密として管理されていることを認識し得る程度に秘密として管理していたと認めることはできない。 したがって、本件各顧客情報は、秘密管理性の要件を欠くから、営業秘密性を備えるものとは認められない。 これに対し、原告は、自由競争を逸脱した取引を行っている被告らが秘密管理性の要件の欠缺を主張すること自体、信義則に反して許されない旨主張する。しかし、秘密管理性の有無は飽くまで原告における情報の管理体制等の問題であるから、原 告の主張は採用できない。 (3) 以上によれば、争点2及び3について判断するまでもなく、不競法違反を理由とする原告の主位的請求は認められない。 3 被告M1の不法行為の成否(争点4)について(1) 原告は、被告M1が、原告での勤務中に、原告の展示場等で取得した本件各顧客情報を盗用した上、本件各顧客を被告リズムホーム等の顧客として勧誘し、原 告の経営資源を盗用し、M3らには高額の歩合報酬を約束して営業行為等を行わせ、原告の顧客を被告リズムホー 得した本件各顧客情報を盗用した上、本件各顧客を被告リズムホーム等の顧客として勧誘し、原 告の経営資源を盗用し、M3らには高額の歩合報酬を約束して営業行為等を行わせ、原告の顧客を被告リズムホームに横流しする背信的行為を行ったとして、被告M1の上記行為は、原告との労働契約に付随する誠実義務(忠実義務)・競業避止義務違反の不法行為を構成する旨主張する。 (2) 労働契約を締結した被用者は、労働契約に付随する義務として、使用者に対 する競業避止義務を負うものと解され、また、被用者は、使用者の正当な利益を労使間の信頼関係に反するような態様で侵害してはならないとの信義則上の義務(誠実義務。労働契約法3条4項参照)を負うものと解される(原告においては、就業規則47条1項21号及び23号も参照。前記前提事実(5)イ)。 前記認定事実(3)のとおり、被告M1は、令和2年の秋頃から、原告の業務を行う 傍ら、原告の許可なく、自ら住宅建築業務に携わり、令和3年4月には被告リズムホームを設立し、上記業務につき原告の機器、物品等を使用したり、原告の勤務時間中に上記業務に関する電話対応を行ったりしたものであり、当該行為は、原告に対する競業避止義務及び誠実義務との関係上、問題がないとはいえない。 しかしながら、前記認定事実(4)及び(5)のとおり、本件各顧客は、原告の「見込 客」として基幹業務システムに登録されたものの、原告における予定金額と、実際に成立した本件各契約における請負金額との間には、本件顧客⑥( M10 )を除いては約700万円から最大2500万円弱の開きがあり、別紙「営業秘密一覧表」の「備考」欄記載の内容も踏まえると、本件各契約の成立段階で、原告との間での成約見込みがあったものとは認められない。また、本件顧客⑥( M10 )につ 500万円弱の開きがあり、別紙「営業秘密一覧表」の「備考」欄記載の内容も踏まえると、本件各契約の成立段階で、原告との間での成約見込みがあったものとは認められない。また、本件顧客⑥( M10 )につい ては、上記の開きは約150万円にとどまるが、元々の原告における予定金額が2 000万円と他の顧客と比べて低額であり、そこから更に減額することが困難であったとも考えられ、原告の基幹業務システムにおける「見込度」が最も低い「C」(当月確定確率30%未満)とされており、「プレゼン」が行われていないこと(甲5、14)も併せ考慮すると、本件契約⑥の成立段階で原告との間での成約見込みがあったものとは認められない。 そうすると、本件各顧客情報は、一旦は原告の基幹業務システムに登録されたものの、主として当該顧客の予算と原告における予定金額が合わず、成約見込みがないとされた顧客に関するものであり、被告リズムホーム又は被告讃岐空間デザインが本件各顧客との間で本件各契約の締結に至ったのは、原告よりも低予算での建築請負が可能であったとの理由にすぎないものと認めるのが相当である。 したがって、被告M1の前記行為によって、原告が本件各顧客との間で住宅の新築工事請負契約を締結できなかったとは認められないし、その他、原告における業務に具体的な支障が生じたり、原告の営業上の利益が害されたりしたことを認めるに足りる証拠はない。なお、本件各顧客情報が原告の基幹業務システムから削除された(削除済みフォルダに移動された)ことについては、上記のとおり、本件各顧 客との間で成約する見込みがなかったことから、阪和支店長又は大阪支店長であった被告M1の判断により削除されたものと認められるから、原告における取扱い(前記認定事実(8))に照らして問題があった 客との間で成約する見込みがなかったことから、阪和支店長又は大阪支店長であった被告M1の判断により削除されたものと認められるから、原告における取扱い(前記認定事実(8))に照らして問題があったとはいえない。 これに対し、原告は、原告の11期(令和2年7月1日から令和3年6月30日)と比較して12期(令和3年7月1日から令和4年6月30日)における被告M1 及びM3らの各受注件数が減少していることを捉えて、原告の顧客が被告リズムホームに横流しされていたことは明らかである旨主張する。しかし、期によって受注件数が変動する要因には様々なものがあり得るところ、11期と比べて12期の成績が悪化したことが被告M1の前記行為によるものであることを裏付ける証拠はなく、原告の顧客を被告リズムホーム等に横流ししていたことが原因であると認めら れるものではない。 (3) よって、被告M1の前記(2)の行為について、原告に対する不法行為を構成するほどの背信性があるとはいえないし、当該行為と相当因果関係のある原告の損害も認められないというべきである。 また、被告M1らと被告M2らとの間で共同不法行為が成立するとの原告の主張はその前提を欠くこととなるから、争点5について判断するまでもなく、共同不法 行為に基づく原告の予備的請求①は認められない。 4 被告M1の債務不履行の有無(争点6)について(1) 原告は、被告M1には、前記3(1)の行為により原告との労働契約に付随する誠実義務(忠実義務)・競業避止義務に違反した債務不履行がある旨主張する。 (2) 前記3のとおり、被告M1が、令和2年の秋頃から、原告の業務を行う傍ら、 原告の許可なく、自ら住宅建築業務に携わり、令和3年4月には被告リズムホームを設立し、上記業務につ 主張する。 (2) 前記3のとおり、被告M1が、令和2年の秋頃から、原告の業務を行う傍ら、 原告の許可なく、自ら住宅建築業務に携わり、令和3年4月には被告リズムホームを設立し、上記業務につき原告の機器、物品等を使用したり、原告の勤務時間中に上記業務に関する電話対応を行ったりした行為については、原告に対する競業避止義務及び誠実義務との関係上、問題がないとはいえないものの、被告M1の上記行為によって、原告が本件各顧客との間で住宅の新築工事請負契約を締結できなかっ たとは認められず、その他、原告における業務に具体的な支障が生じたり、原告の営業上の利益が害されたりしたことを認めるに足りる証拠はない。 また、被告M1は、令和5年3月23日付けで原告から懲戒解雇の処分を受けており、原告の服務規律に違反した点については既に制裁を受けているともいえる。 以上の事情から、被告M1の上記行為については、債務不履行が成立するほどの 背信性があるとは認められないし、仮に形式的には被告M1に競業避止義務違反ないし誠実義務違反が認められ得るとしても、上記行為と相当因果関係のある原告の損害が認められないというべきである。 (3) したがって、債務不履行に基づく原告の予備的請求②は認められない。 5 なお、原告は、争点7(原告の損害の有無及び額)において、M4 が原告によ るヒアリングに対して回答した、M6邸及びM7邸の2件は原告において確実に受 注することができたとして、これを前提とした損害を主張する。しかし、上記M6邸及びM7邸に係る顧客情報は、本件各顧客情報とは異なる上、原告は、上記M6邸及びM7邸に係る原告の顧客情報を被告らが利用して契約締結に至ったことにつき何ら主張していないから失当である。加えて、M4 のヒアリング結 る顧客情報は、本件各顧客情報とは異なる上、原告は、上記M6邸及びM7邸に係る原告の顧客情報を被告らが利用して契約締結に至ったことにつき何ら主張していないから失当である。加えて、M4のヒアリング結果(甲26)は原告からの聴取に対してM4が「アイでもいけた」などと答えたにすぎず、客観的にこれらの案件を原告が受注可能であったことを示す証拠はないから、原告の主張は認められない。 結論 よって、原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官 武宮英子 裁判官 阿波野右起 裁判官 西尾太一

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