令和6(ネ)10086 意匠権侵害差止等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和7年6月26日 知的財産高等裁判所 2部 判決 原判決一部取消 東京地方裁判所 令和3(ワ)20229
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判決文本文17,345 文字)

令和7年6月26日判決言渡 令和6年(ネ)第10086号意匠権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和3年(ワ)第20229号) 口頭弁論終結日令和7年4月24日判決 控訴人・被控訴人 八幡化成株式会社(以下「原告」という。) 同訴訟代理人弁護士 佐藤力哉 同 蕪城雄一郎 同 橋沙耶香 同補佐人弁理士 茜ヶ久保公二 被控訴人・控訴人 株式会社大創産業(以下「被告」という。) 同訴訟代理人弁護士 白木裕一 同補佐人弁理士 藤本昇 同 野村慎一 同 石井隆明 主文 1 被告の本件控訴に基づき、原判決中被告敗訴部分を取り消す。 2 上記の部分につき、原告の請求をいずれも棄却する。 3 原告の本件控訴を棄却する。 4 原告の当審における拡張請求を棄却する。 5 訴訟費用は、第1、2審とも原告の負担とする。 事実 及び理由(注)以下の本文中で用いる略語の定義は、本文中に別に定めるほか、次のとおりである。 原告意匠権:意匠に係る物品を「収納容器」とする意匠登録第1472070号の意匠権原告意匠 理由 (注)以下の本文中で用いる略語の定義は、本文中に別に定めるほか、次のとおりである。 原告意匠権:意匠に係る物品を「収納容器」とする意匠登録第147207 0号の意匠権原告意匠 :原告意匠権に係る意匠被告商品 :原判決別紙被告商品目録記載の商品被告意匠 :被告商品に係る意匠原告商品 :原告意匠の実施品である「バルコロール(balcolor e)」という名称の商品第1 当事者の求めた裁判 1 原告の控訴の趣旨⑴ 原判決主文3項及び4項を次のとおり変更する。 ⑵ 被告は、原告に対し、3639万9014円及びこれに対する令和3年9 月4日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え(原告は、当審において、原審における1440万3000円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める請求を、このように拡張した。)。 2 被告の控訴の趣旨主文1項、2項同旨 第2 事案の概要本件は、原告意匠権を有する原告が、被告による被告商品の販売等は原告意匠権を侵害すると主張して、被告に対し、意匠法37条1項及び2項に基づき、被告商品の販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに、意匠権侵害の不法行為に基づき、損害金1440万3000円(同法39条2項又は3項により算定される 損害額1140万3000円及び弁護士費用に係る損害額300万円)及びこれ に対する令和3年9月4日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審が、被告商品の販売等の差止め及び廃棄を求める請求を認容し、損害賠償請求を944万5358円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一部認容し、原告のその余の請求を棄却したところ、原告 原審が、被告商品の販売等の差止め及び廃棄を求める請求を認容し、損害賠償請求を944万5358円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一部認容し、原告のその余の請求を棄却したところ、原告及び被告が、それぞれそ の敗訴部分を不服として控訴した。 原告は、当審において、不法行為に基づく損害賠償請求を、前記第1の1⑵のように拡張した。 1 前提事実等前提事実、争点及びこれに関する当事者の主張は、原告の当審における拡 張請求を踏まえて原判決を以下のとおり補正し、後記2のとおり当審における当事者の補足的・追加的主張を加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中、第2の2、3及び第3(原判決2頁17行目から24頁11行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する(以下、引用文中の「別紙」は「原判決別紙」と読み替え、原告意匠と被告意匠の構成態様を示す別紙対比表及び原告 意匠権出願当時の公知意匠を示す別紙公知意匠目録は、本判決においても別紙として掲げる。)。 (原判決の補正)⑴ 4頁5行目冒頭から10行目末尾まで(第2の2〔前提事実〕⑹)を次のように改める。 「⑹ 被告商品の売上高及び限界利益ア被告商品の日本国内における売上高は5981万3900円であり、この金額に日本から海外への輸出に係る売上高を加えた売上総額は6358万8100円である。 イ前記6358万8100円から仕入総額2718万9086円を 控除した限界利益の額は3639万9014円である。」 ⑵ 18頁13行目冒頭から16行目末尾まで(第3の4〔争点4(損害の発生及び額)について〕の(原告の主張)⑴ア)を次のように改める。 「ア推定される損害額について被告商品の日本国内における売上げ及び海外への 頭から16行目末尾まで(第3の4〔争点4(損害の発生及び額)について〕の(原告の主張)⑴ア)を次のように改める。 「ア推定される損害額について被告商品の日本国内における売上げ及び海外への輸出に係る売上げに係る限界利益の額は3639万9014円であり、この金額が、意匠 法39条2項に基づき原告が受けた損害額と推定される。」⑶ 20頁3行目の「1140万3000円」を「3639万9014円」に、同頁22行目冒頭の「あって」を「ある。」に、それぞれ改め、同頁同行目の「、意匠法39条2項又は3項」から23行目末尾の「下回ることはない。」までを削除し、21頁2行目の「1440万3000円とな る。」を「3639万9014円を下らない。」に、同頁6行目から7行目の「被告商品の日本国内における売上げに係る限界利益の額である3423万9109円」を「被告商品の日本国内における売上げ及び海外への輸出に係る売上げに係る限界利益の額である3639万9014円」に、それぞれ改める。 2 当審における当事者の補足的・追加的主張⑴ 争点1(原告意匠と被告意匠の類否)について(被告の主張)ア原告意匠の構成態様原判決認定の原告意匠の構成態様のうち、具体的構成態様④(以下、 「2 当審における当事者の補足的・追加的主張」における「基本的構成態様」及び「具体的構成態様」は、特に断らない限り、原判決が認定した原判決別紙原告意匠目録及び同被告意匠目録記載のものを指す。)については、原判決認定の「正面視及び背面視において、収納容器本体の上辺は、両端から中央部に向かって緩やかに下方に湾曲した緩やかな 円弧を形成している。」ではなく、「正面視及び背面視において、収納 容器本体の上辺は、倒弓状に形 おいて、収納容器本体の上辺は、両端から中央部に向かって緩やかに下方に湾曲した緩やかな 円弧を形成している。」ではなく、「正面視及び背面視において、収納 容器本体の上辺は、倒弓状に形成されて、中央部は略平坦状に表されており、左端寄り及び右端寄りの曲率が次第に大きくなって、本体部の左右両端の上端付近との間が先尖り状に表されている。」と認定すべきである。 原告意匠権に係る無効審判の不成立審決(無効2022-880005、 甲27)及び同審決に係る審決取消請求事件判決(知財高裁令和5年5月31日判決(令和5年(行ケ)第10001号)、乙40)における認定は、被告の主張する前記内容と同様である。 また、原告も、審査段階において平成24年12月14日に提出した意見書(甲6)において、「本願意匠の開口部上端は、正面中央におい てやや平坦であり、左右各側面中央の最高位置に向かって滑らかに大きく立ち上がる曲線を形成」している点が、拒絶理由通知書(甲5)記載の公知意匠1(甲19の1に同じ)の単調な曲線からなるありふれた形状とは明らかに大きな差異があると主張している。 イ需要者の注意を惹く部分に係る公知意匠 (ア) 原告意匠の具体的構成態様④は、前記アのとおり認定すべきであるから、公知意匠(甲9、10、19の4、乙26、27の各意匠)にみられるありふれた形状ではなく、特徴的な新規の創作部分である。 (イ) また、具体的構成態様⑥は、前記アの本来認定されるべき具体的構成態様④とあいまって、収納容器本体の外観形状として、需要者の注 意を喚起せしめるものである。 ウ原告意匠の要部について意匠の類否判断における要部の認定は、意匠を全体として観察することを前提とし 容器本体の外観形状として、需要者の注 意を喚起せしめるものである。 ウ原告意匠の要部について意匠の類否判断における要部の認定は、意匠を全体として観察することを前提として、意匠に係る物品の性質、用途、使用態様、さらに公知意匠にはない新規な創作部分の存否等を参酌して、取引者・需要者の最も 注意を惹きやすい部分を意匠の要部として把握すべきである(東京高裁 平成10年6月18日判決・平成9年(ネ)第404号事件等参照)。 具体的構成態様④(前記ア)は、公知意匠にみられない特徴的な新規の創作部分であり、具体的構成態様⑥とあいまって需要者の注意を最も強く惹く部分である。 したがって、基本的構成態様①並びに具体的構成態様③、④及び⑥を 組み合わせた部分が原告意匠の要部であるとした原判決の認定は誤っており、原告意匠の要部は、具体的構成態様④及び⑥である。 エ原告意匠と被告意匠の類否(ア) 被告意匠は、正面視(背面視)、側面視とも、本体部の上辺は水平状に表されているため、原告意匠の要部である具体的構成態様④(正面 視(背面視)の形状)及び⑥(側面視の形状)において、明らかに相違する。 そして、両意匠を全体観察すると、原告意匠は「真ん中にかけてカーブする船のようなフォルムからなる船型形状」であるのに対し、被告意匠はありふれた「桶型形状」であって、需要者に与える審美感を全 く異にするものである。 (イ) 原判決は、原告意匠について、「収納容器の斜め上方から見下ろされることが想定されるため、上記部分(注:収納容器本体の上辺)の湾曲や弧状の凸状面として突設した形状は、際立ちにくい」と判示するが(原判決30頁9行目~11行目)、需要者(一般消費者)は、リ れることが想定されるため、上記部分(注:収納容器本体の上辺)の湾曲や弧状の凸状面として突設した形状は、際立ちにくい」と判示するが(原判決30頁9行目~11行目)、需要者(一般消費者)は、リ ビング等の床に置いて使用する時、棚の上などに置いて使用する時、取引時及び展示時において、通常、原告商品を斜め上方から見下ろすのではなく、正面、背面又は側面から観察し、インテリア商品としての見た目の美しさを感じていることが明らかである(甲31の3の1、乙15、20、46~49、53~55、60)。 したがって、原判決の観察手法は誤っており、全体の外形形状の評価 も誤っている。 (ウ) 原告意匠の要部が、原判決認定のとおり、基本的構成態様①並びに具体的構成態様③、④及び⑥を組み合わせた部分であるとしても、被告意匠は原告意匠の具体的構成態様④及び⑥を具備しないのであるから、原告意匠の要部を具備しないことになり、類似することはあり得ない。 (原告の主張)原判決の判示する意匠の類否の判断基準、原告意匠及び被告意匠の構成態様、公知意匠の参酌、要部の認定、類否の判断はいずれも正しく、被告の主張は、以下のとおり、いずれも理由がない。 ア原告意匠の構成態様の認定 原判決認定の具体的構成態様④と、被告の主張する「本来認定されるべき具体的構成態様④」は、表現に実質的な差異はない。 イ需要者の注意を惹く部分に係る公知意匠原判決は、被告の主張する公知意匠をすべて参酌した上で、「原告意匠の基本的構成態様①の一部、具体的構成態様③、④及び⑥については、 それぞれ類似する公知意匠が存在するとは認められるものの、それらの構成態様を全て兼ね備えた公知意匠は見当たらない。」 原告意匠の基本的構成態様①の一部、具体的構成態様③、④及び⑥については、 それぞれ類似する公知意匠が存在するとは認められるものの、それらの構成態様を全て兼ね備えた公知意匠は見当たらない。」(29頁11行目~14行目)と、正当な判断をしている。 ウ原告意匠の要部について「原告意匠の収納容器全体の形状及びその外形を特徴付ける部分の形態 である基本的構成態様①並びに具体的構成態様③、④及び⑥を組み合わせた部分がその要部である」との原判決の認定(29頁17行目~19行目)に誤りはない。 前記のとおり、具体的構成態様④の認定にも誤りはなく、同部分が公知意匠にみられない特徴的な新規の創作部分であるとはいえない。 エ原告意匠と被告意匠の類否 原判決は、差異点2(正面視、背面視及び側面視における収納容器本体の上辺の形状が異なっている点)の個別評価の一要素として、そもそも上辺を湾曲させることが公知意匠にもみられた部分であること、原告意匠の湾曲の程度がさほど大きくないことを認定した上で、意匠に係る物品の「使用態様」に関して、床等に収納容器を置いた場合において「収 納容器の斜め上方から見下ろされること」を想定した場合には、「上記部分の湾曲や弧状の凸状面として突設した形状は、際立ちにくい」(29頁25行目~30頁11行目)としたものであり、その評価に誤りはない。 ⑵ 争点4(損害の発生及び額)について (原告の主張)ア意匠法39条2項による損害額の算定について(ア) 対象とすべき売上高原告は、原告商品を海外に輸出しており(甲38の1~9)、被告の輸出行為がなければ原告が利益を得られたであろう事情があるから、 被告商品の海外販売分のうち、中国で製造後 対象とすべき売上高原告は、原告商品を海外に輸出しており(甲38の1~9)、被告の輸出行為がなければ原告が利益を得られたであろう事情があるから、 被告商品の海外販売分のうち、中国で製造後に日本に陸揚げされて輸出される分は、意匠法39条2項による損害額の算定において考慮すべきである。 (イ) 推定の覆滅業務態様等の相違(市場の非同一性、価格差)については、①被告商 品がなければ原告商品の購入を控えるほどの大きな価格差はないこと(甲12、39)、②原告商品は、売上げ実績(甲40の1~42の3)からみて、価格差とは関係なく訴求力があること、③意匠法39条2項は、価格差があっても侵害行為がなければ権利者は侵害行為者と同等の販売収支実績を達成することができたことを前提として損害 推定をするものであるから、そもそも価格差を覆滅事由とすることは、 同項の趣旨に悖ること、④原告は商品開発費用等を回収するため販売価格が高くなることは当然であり、価格差をもって損害額の推定の覆滅を認めると不当に原告の損害額を減額することになり不合理であることから、推定覆滅事由に当たらない。 被告の営業努力等については、①企業規模の大きさが推定覆滅事由に 該当する理由が不明であり、大企業による「侵害のし得」を認めることになること、②被告のブランドの知名度・評価は100円均一ショップであることが前提であって、価格差を二重に評価することになることから、推定覆滅事由に当たらない。 その他、原告商品との差異点が被告商品の売上に寄与したことを認め るに足りる事情は皆無である。 したがって、推定の覆滅は認められない。 イ意匠法39条3項による損害額の算定について本件においては、意匠開発に投資された時間と労力、競 を認め るに足りる事情は皆無である。 したがって、推定の覆滅は認められない。 イ意匠法39条3項による損害額の算定について本件においては、意匠開発に投資された時間と労力、競合関係の有無による実施許諾契約の可能性や、原告による侵害品防止の努力等を踏まえた 上で、意匠権を侵害した者に対する事後的なものとしての使用料率を定める必要があること等を考慮すると、使用料率は20%を下らない(被告の主張)ア意匠法39条2項による損害額の算定について(ア) 対象とすべき売上高 輸出分については、原告提出のインボイス(甲38の1~9)をみても原告商品の輸出数量は少なく、海外における購入・輸入ルートも不明であるから、被告商品と市場の同一性はなく、損害の発生はない。 (イ) 推定覆滅事由業務態様等の相違(市場の非同一性、価格差)については、被告商 品の購入者は、インターネット販売サイトでも1680円から230 6円もの価格である原告商品を購入することはなく、原告商品の需要者は、価格よりもデザイン、色彩を重視しているといえることや、被告商品が原告意匠の一部実施にすぎず、実施していない部分である具体的構成態様④が需要者の注意を最も強く惹く部分であること等を考慮すると、推定覆滅率は、少なくとも95%とすべきである。 イ意匠法39条3項による損害額の算定について①原告商品は、雑誌・テレビで大きく紹介されていないこと、②被告の企業規模・知名度の高さ、③被告商品は、原告意匠の一部である公知の形状に属する部分のみを使用しているにとどまること等からすると、使用料率が2%を上回ることはない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、争点1(原告意匠と被告意匠の類否)につい る公知の形状に属する部分のみを使用しているにとどまること等からすると、使用料率が2%を上回ることはない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、争点1(原告意匠と被告意匠の類否)について、被告意匠は原告意匠に類似するとは認められず、被告商品は原告意匠を実施するものとはいえないから、その余の点を判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、以下のとおりである。 2 類否判断の基準意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有しているところ(意匠法23条本文)、登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとされている(同法24条2項)。この類否の判断は、登録意匠に係る物 品の性質、用途、使用態様を考慮し、更には公知意匠にはない新規な創作部分の存否等を参酌して、当該意匠に係る物品の看者となる需要者の視覚を通じて最も注意を惹く部分(意匠の要部)を把握し、この部分を中心に、両意匠の構成を全体的に観察・対比して認定された共通点と差異点を総合して、両意匠が全体として美感を共通にするか否かによって判断するのが相当である。 3 原告意匠及び被告意匠に係る物品 原告意匠に係る物品は「収納容器」であり、意匠公報(甲8の2)の【意匠に係る物品の説明】には、「多目的の収納に用いられる。例えば、衣料、雑誌、新聞、おもちゃ、野菜、乾物などを収納するのに適している。」と説明されている。 被告意匠に係る物品である被告商品は、生活雑貨などの家庭用品を収納する 容器であり(甲15の1~6、弁論の全趣旨)、原告意匠に係る物品と同一である。 4 原告意匠及び被告意匠の構成⑴ 証拠(甲8の2、乙 物品である被告商品は、生活雑貨などの家庭用品を収納する 容器であり(甲15の1~6、弁論の全趣旨)、原告意匠に係る物品と同一である。 4 原告意匠及び被告意匠の構成⑴ 証拠(甲8の2、乙1)及び弁論の全趣旨によれば、原告意匠は別紙「原告意匠と被告意匠の構成態様の認定」(以下「別紙構成態様」という。)の 原告意匠欄記載のとおりの、被告意匠は別紙構成態様の被告意匠欄記載のとおりの、基本的構成態様及び各具体的構成態様をそれぞれ有していると認められる(原判決の認定と異なる箇所に下線を付した。以下、特に断らない限り、「基本的構成態様」及び「具体的構成態様」は、別紙構成態様記載のものを指し、別紙構成態様の左欄の番号に従って「基本的構成態様①」、「具 体的構成態様②」のようにいう。)。 ⑵ 認定の理由の補足ア原告意匠の本体の形状は、正確には、別紙構成態様の原告意匠欄の具体的構成態様②のとおりであると認定することができる。 イ原告意匠の収納容器本体の上辺の形状のうち、正面視及び背面視の形状 は、正確には、別紙構成態様の原告意匠欄の具体的構成態様④のとおりであると認定することができる。また、公知意匠の参酌や全体的な観察・対比に当たっては、立体である収納容器本体の上辺の構成態様を一体として捉えるのが相当であるから、原告意匠、被告意匠とも、正面視及び背面視のほか、側面視における上辺の形状をすべて合わせたものを具体的構成態 様④(原判決の具体的構成態様④及び⑥に相当する。)として認定する。 5 原告意匠の要部⑴ 登録意匠に係る物品の性質、用途、使用態様の考慮原告意匠に係る物品は、生活雑貨などの家庭用品を収納する容器であり、その需要者は個人消費者であると認められる。そうすると、取引者に 要部⑴ 登録意匠に係る物品の性質、用途、使用態様の考慮原告意匠に係る物品は、生活雑貨などの家庭用品を収納する容器であり、その需要者は個人消費者であると認められる。そうすると、取引者においても、需要者である個人消費者が重視する部分を重視するものと認められる。 そして、証拠(甲12、13の1~4、15の1~6、23、25(20頁の「添付書類の目録」(2)に掲記されているもの)、乙14、15、53~56、61)及び弁論の全趣旨によれば、原告商品及び被告商品の需要者(いずれも、原告意匠に係る物品の需要者といえる。)は、収納容器として家庭用品を収納し、これを持ち運ぶという基本的な用途、使用態様のほか、 物を収納した収納容器を、棚などの収納場所のみならず、室内の床やテーブルの上に置いて使用し、物を収納しない時も同様の場所に置いたり、複数の収納容器を重ねて保管したりするという態様で使用することもあり、このような使用態様においては、インテリアの一部としての外観も重視するものと認められる。 これらのうち、収納容器としての使いやすさや持ち運ぶ際の便利さの観点からは、収納容器全体の形状(基本的構成態様①)が需要者の注意を強く惹く部分であることは明らかである。 また、物を収納し又は収納することなく使用する際のインテリアの一部としての外観という観点からは、基本的構成態様①に加え、収納容器本体の外 形を特徴付ける部分の形状である「側面が一面の滑らかな面からなり、軟質の合成樹脂で一体に形成されたような外観」である構成(以下「具体的構成態様②-1」という。)、把手の形状である具体的構成態様③及び上辺の形状である具体的構成態様④が、需要者の注意を強く惹く部分であるといえる。 なお、具体的構成態様②-1が原告意匠 (以下「具体的構成態様②-1」という。)、把手の形状である具体的構成態様③及び上辺の形状である具体的構成態様④が、需要者の注意を強く惹く部分であるといえる。 なお、具体的構成態様②-1が原告意匠の外形を特徴付ける部分の形状の 一つであることは、これを有しない甲19の3・5、乙4から8までの各公 知意匠と原告意匠とを比較しても、明らかである。 以上によれば、登録意匠に係る物品の性質、用途、使用態様を考慮した場合に需要者の注意を惹く部分は、基本的構成態様①を前提にした具体的構成態様②-1、③及び④である。 他方、具体的構成態様②のうち収納容器本体の形状の比率に係る構成は、 基本的構成態様①を備えた上での具体的構成態様としては、需要者の注意を惹く部分とはいえない。 また、収納容器本体底面の小さな突起に係る具体的構成態様⑤も、需要者の注意を惹く部分とはいえない。 ⑵ 公知意匠の参酌 前記⑴の需要者の注意を惹く部分と認められる原告意匠の構成態様を中心に、公知意匠にはない新規創作部分の有無について、別紙公知意匠目録記載の公知意匠を踏まえて検討する。 ア基本的構成態様①について甲9、19の1、19の4、乙2、26及び27の各意匠は、「略楕円 形状で小判型の底面とこれより大きい略楕円形状で小判型の上面とからなる中空の逆略楕円錐台形状の上面が開口された形状をなす収納容器本体」の構成(以下「基本的構成態様①-1」という。)を有するが、「その収納容器本体の長手方向の両端上部に対向して設けられた縄紐からなる一対の把手」の構成(以下「基本的構成態様①-2」という。)を有していな い(乙26の意匠は、長手方向の両端上部に把手があるが「縄紐」ではなく、甲9、19の1、19の4、乙27の各意 からなる一対の把手」の構成(以下「基本的構成態様①-2」という。)を有していな い(乙26の意匠は、長手方向の両端上部に把手があるが「縄紐」ではなく、甲9、19の1、19の4、乙27の各意匠は、長手方向の両端上部に穴を開けて持ち手としており「縄紐からなる…把手」ではなく、乙2意匠の「縄紐からなる…把手」は短手方向に設けられている。)。 乙6から8までの各意匠は、基本的構成態様①-2を有しているが、こ れらの意匠の本体は箱状であり、基本的構成態様①-1を有していない。 その他、基本的構成態様①のすべてを有する公知意匠は見当たらない。 イ具体的構成態様②-1について甲9、10、19の1・2・4、乙2、3、26、27の各意匠は、いずれも側面が滑らかな面からなり、軟質の合成樹脂で一体に形成されたような外観であり、収納容器本体の形状に係る具体的構成態様②-1は、あ りふれた形状と認められる。 ただし、いずれの公知意匠も、前記アのとおり、基本的構成態様①の全部又は一部を有していないほか、具体的構成態様③も有していない(乙2意匠の縄紐からなる把手も「太さのある」とはいい難く、「止め結び」もない。)。 ウ具体的構成態様③について乙6から8までの各意匠は、具体的構成態様③を有しているか、少なくとも類似する構成を有していると認められる。 ただし、いずれの公知意匠も、前記アのとおり基本的構成態様①-1を有しないほか、具体的構成態様②-1、④も有していない。 エ具体的構成態様④について(ア) 甲9、10、19の4、乙26及び27の各意匠は、収納容器本体の上辺が、正面視及び背面視においては、両端から中央部に向かって緩やかに下方 ない。 エ具体的構成態様④について(ア) 甲9、10、19の4、乙26及び27の各意匠は、収納容器本体の上辺が、正面視及び背面視においては、両端から中央部に向かって緩やかに下方に湾曲した緩やかな円弧を形成し、かつ、側面視においては、中央部に向かって立ち上がり、全体が弧状の凸状面として突設 した形状を有し、全体として、長辺は中央部に向かって緩やかに下降し、短辺は中央部に向かって緩やかに上昇する曲線を描く形状であると認められる。 ただし、いずれの公知意匠も、前記アのとおり基本的構成態様①-2を有しておらず、具体的構成態様③も有していない。 (イ) 被告は、具体的構成態様④のうちの正面視及び背面視における上辺 の形状は、前記(ア)の公知意匠にみられるありふれた形状ではなく、特徴的な新規の創作部分であると主張する。 しかし、例えば、甲9の意匠に係る下記図面(甲9 の1・FIG3)を原告意匠の正面図と比較すると、これらの上辺の形状は、共通する構成態様におけるわずかな差異というべきである。前記(ア)の他の公知意匠に ついても、正面視及び背面視の図面はないが、正面視及び背面視におけるその上辺の形状は、具体的構成態様④のものと少なくとも類似すると認められる。 被告の主張は、採用することができない。 【原告意匠・正面図】 【甲9の1】 (ウ) したがって、前記(ア)の各公知意匠は、具体的構成態様④を有して いるか、少なくとも類似する構成を有していると認められる。 ⑶ 原告意匠の要部の認定以上のとおり、登録意匠に係る物品の性質、用途、使用態様を考慮すると、需要者の注意を惹く部分といえるのは基本 るか、少なくとも類似する構成を有していると認められる。 ⑶ 原告意匠の要部の認定以上のとおり、登録意匠に係る物品の性質、用途、使用態様を考慮すると、需要者の注意を惹く部分といえるのは基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③及び④であるが、公知意匠を参酌すると、いずれの構成態様も、そ れ自体を個別にみれば、いずれかの公知意匠に存在する構成であるから、公知意匠にない新規な創作部分ということはできない(したがって、仮に、原告意匠の構成態様のうち既存の公知意匠に存在する構成を除外するならば、原告意匠には何ら新規の創作部分がないことになる。)。 しかし、これらの構成態様を全て備えた公知意匠は見当たらないことを踏 まえると、結局、原告意匠の新規な創作部分は、これらの構成を組み合わせ、全体として統一的な美観を起こさせる構成とした点にあるというべきである。 すなわち、原告意匠は、その基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③及び④をすべて組み合わせた結果、新規な創作性が認められるのであるから、これらの各構成態様は、いずれも原告意匠の要部を構成するものと認めるこ とができるというべきである。 6 原告意匠と被告意匠の対比⑴ 共通点別紙構成態様のとおり、原告意匠と被告意匠は、基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③及び⑤が共通する。 ⑵ 差異点原告意匠と被告意匠は、次の各点において、具体的構成態様が異なる。 ア具体的構成態様②のうち、正面視及び背面視における収納容器本体の上辺の長さと下辺の長さと高さの比率、及び側面視における収納容器本体の上端部の幅と下端部の幅の比率が、別紙構成態様の原告意匠欄及び被告意 匠欄の各②欄記載のとおり異なる(以下「差異点1」という。)。 さの比率、及び側面視における収納容器本体の上端部の幅と下端部の幅の比率が、別紙構成態様の原告意匠欄及び被告意 匠欄の各②欄記載のとおり異なる(以下「差異点1」という。)。 イ収納容器本体の上辺の形状である具体的構成態様④について、別紙構成態様の原告意匠欄及び被告意匠欄の各④欄記載のとおり、原告意匠は、正面視、背面視及び側面視において同欄記載の曲線で表され、全体として、長辺は中央部に向かって緩やかに下降し、短辺は中央部に向かって緩やかに上昇する曲線を描く形状であるのに対し、被告意匠の収納容器本体の上 辺は、正面視、背面視及び側面視において水平な直線形状であり、全体としても水平な直線形状である(以下「差異点2」という。)。 ⑶ 共通点及び差異点の検討ア共通点のうち、基本的構成態様①、具体的構成態様②-1及び③は、前記⑴のとおり、具体的構成態様④とともに、原告意匠の要部を構成してい る部分である。 また、基本的構成態様①は、収納容器としての使いやすさや持ち運ぶ際の便利さという、意匠に係る物品の基本的な用途の観点から、需要者の注意を強く惹く部分でもある。 具体的構成態様⑤については、前記5⑴のとおり、需要者の注意を惹 く部分とはいえない。 イ差異点1は、前記5⑴のとおり、需要者の注意を惹く部分に係る差異とはいえない。 ウ差異点2は、原告意匠の収納容器の上部の形状に関するものであり、具体的構成態様④は、前記アのとおり、基本的構成態様①、具体的構成態様 ②-1及び③とともに、原告意匠の要部を構成する部分である。 この点、原告は、個人消費者が収納容器を観察する場合、斜め上方から見下ろすのが通常であり、その場合、収納容器本体の上辺の形状は需要者の印象に残り難いと主 告意匠の要部を構成する部分である。 この点、原告は、個人消費者が収納容器を観察する場合、斜め上方から見下ろすのが通常であり、その場合、収納容器本体の上辺の形状は需要者の印象に残り難いと主張する。 前記5⑴のとおり、需要者は、収納容器を室内の床やテーブルの上に置 いて使用することがあり、そのような使用態様においては、インテリアの 一部としての外観も重視するものと認められる。実際、原告商品を紹介する各雑誌記事等(甲13の3・4、甲23、乙55)や、原告商品を扱う楽天市場のウェブページ(乙48)には、そのような使用態様を前提に、斜め上方の様々な角度からの画像が多数掲載されている。 また、原告意匠の意匠公報(甲8の2)の各図面をみても、原告意匠 の上辺全体の形状を最も的確に把握することができるのは斜視図であるといえるし(垂直に近い角度から見下ろせば、より平面図に近い外観となって上辺の曲線は視認しづらくなるが、インテリアの一部としての外観を重視する需要者が、そのような視点からの外観を重視するとは認め難い。)、多数の収納容器を扱うAmazonのウェブページ(乙38 の1の1~3の2、乙60)をみても、ほとんどの商品が斜め上方からの画像で紹介されており、上辺全体を含め、「器」としての形状が分かりやすいものとなっていることが認められる。 そして、これらの画像をみると、確かに、収納物の状況如何では、収納容器の上辺の形状が分かりにくい場合もあるが、収納前の状態で斜め 上から見下ろしたときは、原告の主張とは異なり、上辺の形状、原告商品についていえば曲線を描く上辺全体の形状は、むしろ認識しやすいというべきである。 以上によれば、需要者が斜め上方からの外観を重視することは認められるが、これを考慮しても、 り、上辺の形状、原告商品についていえば曲線を描く上辺全体の形状は、むしろ認識しやすいというべきである。 以上によれば、需要者が斜め上方からの外観を重視することは認められるが、これを考慮しても、差異点2に係る原告意匠の具体的構成態様 ④は需要者の注意を強く惹く部分であり、美観に与える影響は大きいというべきである。 ⑷ 類否の判断前記5⑶のとおり、原告意匠の要部は、基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③及び④により構成されるから、具体的構成態様④に係る差異点 2がある被告意匠は、基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③が共通 するとはいえ、具体的構成態様④が一致しない以上、原告意匠の要部において異なることになる。 そして、差異点2に係る収納容器の上辺の形状である具体的構成態様④は、前記のとおり、それ自体としては公知意匠にも存在する構成であるが、「器」の外形的特徴を示すものとして需要者の注意を強く惹く部分の一つであり、 美感に与える影響は大きいということができる(なお、公知意匠にも存在する構成であることは、共通点に係る基本的構成態様①、具体的構成態様②-1、③も同様である。)。 原告意匠を全体的にみても、平面視で略楕円形の上面と底面からなる逆略楕円錐台形状(基本的構成態様①-1)、滑らかな側面(具体的構成態様② -1)及び長辺が中央部に向かって緩やかに下降し、短辺は中央部に向かって緩やかに上昇する曲線を描く上辺の形状(具体的構成態様④)からなる収納容器本体は、曲線的な柔らかい印象を与え、長手方向に設けられ、大きな止め結びをほつれた末広がり状とした太さのある縄紐からなる把手(基本的構成態様①-2、具体的構成態様③)とあいまって、全体的に自然で柔らか みのある統一的な印象を与えるのに対し けられ、大きな止め結びをほつれた末広がり状とした太さのある縄紐からなる把手(基本的構成態様①-2、具体的構成態様③)とあいまって、全体的に自然で柔らか みのある統一的な印象を与えるのに対し、上辺が水平な直線形状である被告意匠は、全体的にみると、他の構成が共通するにも関わらず、一部が平板で、原告意匠とは異なる美感を生じさせるものということができる。 以上を総合すると、原告意匠と被告意匠は、要部において差異があり、かつ、当該差異が需要者の視覚を通じて起こさせる美感に与える影響は大きく、 前記の共通点を考慮して全体的に考察してみたとしても、両者が需要者の視覚を通じて起こさせる美感を共通にするものということはできない。これに反する原告の主張は、これまで述べた理由により、いずれも採用することができない。 したがって、被告意匠は、原告意匠と類似するとは認められない。 7 結論 よって、原判決のうち原告の請求を一部認容した部分は相当ではなく、被告の本件控訴は理由があるから、原判決中被告敗訴部分を取り消した上で、同部分に係る原告の請求を棄却し、原告の本件控訴及び当審における拡張請求は、いずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水響 裁判官菊池絵理 裁判官頼晋一 別紙対比表 菊池絵理 裁判官頼晋一 別紙対比表 (別紙) 公知意匠目録 1 甲9(平成11年7月20日を特許日とする米国発行の公報(特許番号:意匠412,228)) 2 甲10(平成12年8月7日発行の意匠公報(意匠登録第1081783号)) 3 甲19の1(特許庁意匠課公知資料番号HA21006791) 4 甲19の2(特許庁意匠課公知資料番号HB08021684) 5 甲19の3(特許庁意匠課公知資料番号HC02033769) 6 甲19の4(特許庁意匠課公知資料番号HJ22079731) 7 甲19の5(特許庁意匠課公知資料番号HJ22050451) 8 乙2(平成21年6月3日公告(公開)の中国発行の公報(CN300935313D)) 9 乙3(個人ブログに掲載されていたもの) 10 乙4(平成18年1月19日公開の公開特許公報(特開2006-15015)に掲載されていたもの) 11 乙5(平成4年3月18日公開の公開実用新案公報(平4-33369)に掲載されていたもの) 12 乙6(個人ブログに掲載されていたもの) 13 乙7(「100円グッズ、かご、カラボ、スノコ、使える!アイデア収納」と題する書籍に掲載されていたもの) 14 乙8(個人ブログに掲載されていたもの) 13 乙7(「100円グッズ、かご、カラボ、スノコ、使える!アイデア収納」と題する書籍に掲載されていたもの) 14 乙8(個人ブログに掲載されていたもの) 15 乙9(インターネット上のショッピングサイトで掲載されていたもの) 16 乙26(平成20年9月10日公告(公開)の中国発行の公報(CN300826894D)) 17 乙27(平成23年12月28日公告(公開)の中国発行の公報(CN301774006S)) 以上(別紙)原告意匠と被告意匠の構成態様の認定(別紙構成態様)原告意匠被告意匠①略楕円形状で小判型の底面とこれより大きい略楕円形状で小判型の上面とからなる中空の逆略楕円錐台形状の上面が開口された形状をなす収納容器本体と、その収納容器本体の長手方向の両端上部に対向して設けられた縄紐からなる一対の把手とから構成されている。 原告意匠に同じ共通点【本体の形状】収納容器本体は、側面が滑らかな面からなり、軟質の合成樹脂で一体に形成されたような外観であり、【本体の形状】収納容器本体は、側面が滑らかな面からなり、軟質の合成樹脂で一体に形成されたような外観であり、共通点正面視及び背面視において、収納容器本体の上辺の長さと下辺の長さと高さの比率は、約10:7.4:7.4であり、また、側面視において、収納容器本体の上端部の幅と下端部の幅の比率は約6.7:5.2である。 正面視及び背面視において、収納容器本体の上辺の長さと下辺の長さと高さの比率は、イ号意匠では約10:8.1:7.7、ロ号意匠では約10:7.9:7.6、ハ号意匠では約10:8:7.5で、 る。 正面視及び背面視において、収納容器本体の上辺の長さと下辺の長さと高さの比率は、イ号意匠では約10:8.1:7.7、ロ号意匠では約10:7.9:7.6、ハ号意匠では約10:8:7.5で、側面視において、収納容器本体の上端部の幅と下端部の幅の比率は、イ号意匠では約6.8:5. 1、ロ号意匠では約6.8:5.2、ハ号意匠では約6.8:5.1であり、イ号意匠ないしハ号意匠の正面視及び背面視における収納容器本体の中央の高さと両端の高さの比は1:1である。 差異点1③【把手の形状】一対の把手は、二本の短い縄紐からなっており、収納容器本体の長手方向の両端上部の外周面に対向して穿設された左右一対の小さな透孔に太さのある縄紐の両端部を収納容器本体の外側からそれぞれ挿通し、縄紐の各端部に大きな止め結びを形成し、その止め結びの先の縄紐がほつれて末広がり状となっていて、その止め結びの存在が収納容器本体の上端の開口部から見えるようになっており、収納容器本体の外側に存在する縄紐はU字状に垂下して設けられている。 原告意匠に同じ共通点④【上辺の形状】収納容器本体の上辺は、正面視及び背面視において、倒弓状に形成されて、中央部は略平坦状に表されており、左寄り及び右寄りの曲率が次第に大きくなって、本体部の左右両端の上端付近との間が先尖り状に表されており、側面視において、中央部に向かって立ち上がり、弧状の凸状面として突設した形状であり、全体として、長辺は中央部に向かって緩やかに下降し、短辺は中央部に向かって緩やかに上昇する曲線を描く形状である。 【上辺の形状】収納容器本体の上辺は、正面視、背面視及び側面視において水平な直線形状であり、全体としても水平な直線形状である。 差異点2⑤【底部の突起】収納容器本体底面の長手方向両端の円弧状 【上辺の形状】収納容器本体の上辺は、正面視、背面視及び側面視において水平な直線形状であり、全体としても水平な直線形状である。 差異点2⑤【底部の突起】収納容器本体底面の長手方向両端の円弧状部には、その円弧の中央部とその両側に等間隔でそれぞれ三個の小さな突起が設けられている。 原告意匠に同じ共通点基本的構成態様具体的構成態様②

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