平成15(行ウ)288 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成18年11月29日 東京地方裁判所 その他
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判決文本文40,323 文字)

- 1 -平成18年11月29日判決言渡平成15年(行ウ)第288号損害賠償請求事件(住民訴訟)判決主文 本件訴えのうち,以下の部分をいずれも却下する。 (別表は省略)(1)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約に関し,平成9年度から平成13年度までの契約の締結の全部,別表2(1)から(4)までに記載された支出命令及び支出(別表2において「支払い」とされているもの。以下,主文において「支出」というのはこのことを指す)の全部並び。 に別表2(5)に記載された支出命令及び支出のうち4月分から12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを理由として,被告補助参加人に対し損害賠償を請求するよう被告に求める部分(2)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約に関し,平成9年度から平成13年度までの契約の締結の全部,別表2(1)から(4)までに記載された支出命令の全部及び別表2(5)に記載された支出命令のうち4月分から12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを理由として,Aに対し損害賠償を請求するよう被告に求める部分(3)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約に関し,別表2(1)に記載された支出のうち7月分から3月分までのもの,別表2(2)から(4)までに記載された支出の全部及び別表2(5)に記載された支出のうち4月分から12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを理由として,Bに対し損害賠償を命令するよう被告に求める部分(4)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約のうち平成- 2 -9年度から平成11年度までのものに関し,その契約の締結の全部及び別表2(1)から(3)までに記載された支出命令の全部が財務会計法規に違反 た東村山市と被告補助参加人との間の契約のうち平成- 2 -9年度から平成11年度までのものに関し,その契約の締結の全部及び別表2(1)から(3)までに記載された支出命令の全部が財務会計法規に違反して違法であることを理由として,Cに対し損害賠償を命令するよう被告に求める部分(5)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約のうち平成12年度から平成14年度までのものに関し,平成12年度及び平成13年度の契約の締結,別表2(4)に記載された支出命令の全部並びに別表2(5)に記載された支出命令のうち4月分から12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを理由として,Dに対し損害賠償を命令するよう被告に求める部分(6)別表1に記載された東村山市と被告補助参加人との間の契約に関し,契約において定められた業務の一部を行わずに委託料を受領したとの被告補助参加人の東村山市に対する不法行為にA,B,C及びDが加担したことを理由として,Aに対し損害賠償を請求するよう,並びにB,C及びDに対し損害賠償を命令するよう被告に求める部分 原告らのその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告は,A及び被告補助参加人各自に対し,下記の各金員及びこれに対する平成15年7月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払うよう請求せよ。 記A3億3073万1537円被告補助参加人2億3430万円 被告は,B,C及びD各自に対し,下記の各金員及びこれに対する平成15- 3 -年7月10日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。 記B9762万5000円C1769万5125円D1002万7238円第2事案の概要 に対する平成15- 3 -年7月10日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。 記B9762万5000円C1769万5125円D1002万7238円第2事案の概要本件は,原告らが,地方自治法(以下「自治法」という)242条の2第。 1項4号に基づき提起した住民訴訟であり,原告らは,東京都東村山市(以下「東村山市」又は「市」という)が被告補助参加人(以下「補助参加人」と。 いう)との間で締結したごみ焼却施設の運転管理業務委託契約は自治法23。 4条2項に違反する随意契約であるなどと主張して,被告に対し,①契約締結当時市長の職にあった者に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき,補助参加人に対し,不法行為による損害賠償請求権又は不当利得返還請求権に基づき,それぞれ,損害額ないし利得額(ただし各自の責任に応じて割り振ったもの)及びこれに対する訴状送達の日以降支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を請求するよう求め,②市の収入役及び管財課長の職にあった者に対しては,自治法243条の2第4項に基づき,それぞれ,損害額(ただし各自の責任に応じて割り振ったもの)及びこれに対する訴状送達の日以降支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償を命ずるよう求めている。 前提事実((4)のうち訴え提起の事実は当裁判所に顕著であり,それ以外の事実はいずれも当事者間に争いがない)。 (1)当事者及び補助参加人等原告らは,平成15年以前から東村山市の住民である。なお,原告Eは,平成11年5月から平成15年4月まで東村山市の市議会議員であった。 Aは,平成7年4月以来東村山市の市長の職にある。Bは,平成9年8月- 4 -から平成15年3月まで市収入役の職にあった。Cは平成9年4月から平成 ら平成15年4月まで東村山市の市議会議員であった。 Aは,平成7年4月以来東村山市の市長の職にある。Bは,平成9年8月- 4 -から平成15年3月まで市収入役の職にあった。Cは平成9年4月から平成12年3月まで,Dは平成12年4月から平成15年3月まで,いずれも市管財課長の職にあった。 補助参加人は,東京都新宿区内に本店を置く株式会社であり「株式会社,F」が旧商号であったが,平成15年1月10日に現在の商号に変更した。 補助参加人は,全国各地においてごみ焼却施設運転管理業務を行っており,三多摩地域では,東村山市のほか,柳泉園組合,西多摩衛生組合等から同種の業務の委託を受けた実績がある。 (2)市と補助参加人との間の契約の締結ア市は,平成9年度から平成14年度までの間(各年度とも,4月1日に始まり翌年3月31日に終了する,別表1記載のとおり,各年度ごと。)に「契約締結日」欄記載の日に「契約金額」欄記載の委託料(消費税,,を含む)により,補助参加人との間でごみ焼却施設運転管理業務委託契。 約を締結した。これらの契約は,いずれも,市内a町b丁目c番地dに市が設置する「秋水園ごみ焼却処理施設(以下「本件ごみ焼却施設」とい」う)の運転管理業務を補助参加人に委託するというものであり,すべて。 随意契約の方法により締結された。その随意契約の方法は,平成9年度から平成13年度までは,契約の相手方を当初から補助参加人1社に絞り込んで行う「特命随意契約」の方法であったが,平成14年度は,補助参加人を含めた7社に見積書を提出させた上,最も見積額が低かった補助参加人を選択する「競争見積もり」の方法であった。 (以下,各年度の契約を特定する必要があるときは「本件平成9年度委託契約」などといい,総称するときは「本件各委託契約」という)。 イ平 かった補助参加人を選択する「競争見積もり」の方法であった。 (以下,各年度の契約を特定する必要があるときは「本件平成9年度委託契約」などといい,総称するときは「本件各委託契約」という)。 イ平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約は,夜間と休日の運転管理業務のみを委託する部分委託であった。すなわち,委託された業務は,本件ごみ焼却施設の運転,監視及び点検であり,時間は,午後5時か- 5 -ら(ただし,土曜日,日曜日及び祝日は午前8時45分から)翌日午前8時45分までであった。 本件平成14年度委託契約は,昼間も含めた全面委託であり,委託され,,,た業務は本件ごみ焼却施設の運転管理保守点検修理及び整備であって時間も全日とされた。 (3)委託料の支出本件各委託契約に基づき市が補助参加人に対して支払った委託料の具体的な金額,支出命令及び支出の時期並びに関係する市長その他の職員は,別表2の(1)から(6)までに記載したとおりである。 (4)住民監査請求と本件訴えの提起ア原告らは,平成15年2月3日,本件各委託契約に関し違法不当な支出があるとして,市監査委員に対して住民監査請求をした(以下「本件監査請求」という。 。)イ市監査委員は,本件監査請求について監査をしたが,同年4月7日,監査委員の間で合議が整わず監査結果を決定し得なかったとし,これをそのころ原告らに通知した。 ウ原告らは,同年5月7日,本件訴えを提起した。 関係法令等の定め(1)普通地方公共団体の契約の締結は,一般競争入札,指名競争入札,随意契約又はせり売りの方法によるものとされ(自治法234条1項,随意契)約は政令で定める場合に該当するときに限りこれによることができる同,,(条2項。これを受け,地方自治法施行令(以下「施行令」という)16 りの方法によるものとされ(自治法234条1項,随意契)約は政令で定める場合に該当するときに限りこれによることができる同,,(条2項。これを受け,地方自治法施行令(以下「施行令」という)16)。 7条の2第1項が,随意契約によることができる場合を挙げている。 このうち,本件に関係するのは同項2号であり,同号は随意契約によることができる場合として「不動産の買入れ又は借入れ,普通地方公共団体が,必要とする物品の製造,修理,加工又は納入に使用させるため必要な物品の- 6 -売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」と規定している。すなわち,本件各委託契約は同号にいう「その他の契約」に該当するので「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」であ,る場合に限り,随意契約によることができることになる。 (2)市は,施行令167条の2第1項を受け「東村山市契約事務規則(昭,」和42年3月31日規則第6号(以下「事務規則」という)において,)。 次のとおり定めている(乙1。 )ア契約担当者等(市長及び別に定めるところにより市長からあらかじめ契約に関する事務を処理する権限を委任された者)は,予定価格が施行令167条の2第1項1号(及び別表第5)の定める金額を超える契約を同項2号の理由により随意契約として行おうとする場合は,あらかじめ管財課長に協議しなければならない(事務規則31条の3,2条(3) 。 )イ契約担当者等は,随意契約によろうとするときは,契約条項その他見積もりに必要な事項を示して,なるべく3人以上の者から見積書を徴しなければならない。ただし,法令により価格の定められている物件を買い入れるとき,その他その必要がないと認めるときは,この限りでない(同規則32条1項。 ) 争点(争点に 以上の者から見積書を徴しなければならない。ただし,法令により価格の定められている物件を買い入れるとき,その他その必要がないと認めるときは,この限りでない(同規則32条1項。 ) 争点(争点についての当事者及び補助参加人の主張は別紙のとおり)(1)監査請求前置の遵守原告らは本件訴えについて監査請求を経ているといえるか。すなわち,本件監査請求と本件訴えとの間に同一性はあるか。 (2)監査請求期間経過の有無本件監査請求に自治法242条2項の規定は適用されるか。適用される場合,本件監査請求は同項本文の定める期間内に行われたか。 (3)監査請求期間経過の正当な理由の存否争点(2)において本件監査請求に自治法242条2項の規定が適用され,- 7 -かつ同項本文の定める期間を経過していると判断される場合,その期間経過に正当な理由はあるか。 (4)B,C及びDの賠償命令を受ける適格の有無B,C及びDは自治法243条の2の定める賠償命令の対象となり得る者か。 (5)本件各委託契約締結の適法性本件各委託契約は自治法234条2項,施行令167条の2第1項2号の規定により許される随意契約か。 (6)委託料支出の適法性本件各委託契約に基づく委託料の支出のうち,補助参加人が業務完了報告書を提出していないのに支出されたものとして違法となるものはあるか。 (7)Aの故意又は過失の有無争点(5)又は(6)において違法性が肯定される場合,そのような違法な契約締結行為又は支出命令に関し,Aに故意又は過失があったか。 (8)B,C及びDの故意又は重過失の有無,,争点(4)においてBC及びDが賠償命令の対象になり得る者と判断されかつ争点(5)又は(6)において違法性が肯定される場合,B,C及びDには賠償命令発令の根拠となる故意又は重過失があった ,,争点(4)においてBC及びDが賠償命令の対象になり得る者と判断されかつ争点(5)又は(6)において違法性が肯定される場合,B,C及びDには賠償命令発令の根拠となる故意又は重過失があったか。 (9)補助参加人の不法行為の成否及び損害額補助参加人は,本件各委託契約において定められた業務の一部を行わず,業務完了報告書も提出していないのに委託料の請求をして市に損害を負わせたとの理由で市に対する不法行為責任を負うか。 (10)A,補助参加人,B,C及びD各人の賠償額争点(5)から(9)までにおいて原告らの主張するA,B,C,D及び補助参加人の損害賠償責任が一部でも成立すると判断される場合,各人が市に対して負うべき賠償額はいくらか。 - 8 -(11)補助参加人の不当利得の有無及び不当利得額補助参加人は,本件各委託契約において定められた業務の一部を行っていないにもかかわらず,その分の委託料を受領したものとして市に対する不当利得返還債務を負うか。負う場合,その額はいくらか。 第3争点に対する判断 争点(1)(監査請求前置の遵守)について(1)原告らは,市が以下のAないしCとおりの実体法上の請求権を有しているにもかかわらず,それを行使しないことが自治法242条1項の規定する「財産の管理を怠る事実」になるとして,その是正を図るため,本件監査請求を経て本件訴えを提起したと主張している。 A自治法234条2項等の法令上の規定に違反して本件各委託契約を締結し(ただし,本件平成14年度委託契約の締結を除く,これに基づき。)委託料の支出命令をし,その支出をしたという不法行為及びこの不法行為に補助参加人が加担したことに基づく市の補助参加人,A,B,C及びDに対する損害賠償請求権(以下,この請求権不行使に係る「財産の管理を怠る事実」 令をし,その支出をしたという不法行為及びこの不法行為に補助参加人が加担したことに基づく市の補助参加人,A,B,C及びDに対する損害賠償請求権(以下,この請求権不行使に係る「財産の管理を怠る事実」を「怠る事実A」という)。 B補助参加人が本件各委託契約において定められた業務の一部を行わないにもかかわらず,それを行ったとして市に委託料を請求しこれを受領したという不法行為及びこの不法行為にA,B,C及びDが加担したことに基づく市の補助参加人,A,B,C及びDに対する損害賠償請求権(以下,この請求権不行使に係る「財産の管理を怠る事実」を「怠る事実B」という)。 C補助参加人が本件各委託契約において定められた業務の一部を行わないにもかかわらず,それを行ったとして市から委託料の支払を受け不当に利得したことに基づく市の補助参加人に対する不当利得返還請求権(以下,この請求権不行使に係る「財産の管理を怠る事実」を「怠る事実C」とい- 9 -う)。 これに対し,被告及び補助参加人は,怠る事実Bは本件監査請求の対象になっていないし,B,C及びDの行為は怠る事実A及び同Bのいずれの観点からも本件監査請求の対象となっていないなどと主張する。 「監査請求の対象として何を取り上げるかは,基本的には請求をする住民の選択に係るものであるが,具体的な監査請求の対象は,当該監査請求において請求人が何を対象として取り上げたのかを,請求書の記載内容,添付書面等に照らして客観的,実質的に判断すべきものである(最高裁判所第三」小法廷平成14年7月2日判決・民集56巻6号1049頁。本件監査請),「」(「」求の請求書は東村山市職員措置請求と題する書面以下当初請求書という)と「住民監査請求追加分」と題する補正のための追加書面(以。 ,下「追加請求 49頁。本件監査請),「」(「」求の請求書は東村山市職員措置請求と題する書面以下当初請求書という)と「住民監査請求追加分」と題する補正のための追加書面(以。 ,下「追加請求書」という)の2つの書面からなり,これらに加えて,原告。 ,(「」らの主張する怠る事実を証する書面として11通の書面以下証拠書面という)が監査委員に提出されていた(甲2。そこで,以下,これらの。 )書面に基づき検討する。 (2)怠る事実Aについて怠る事実Aのうち,A及び補助参加人の不法行為に基づく同人らに対する損害賠償請求権の不行使が本件監査請求の対象とされたことは,当事者間に争いがない(ただし,一方で,本件平成14年度委託契約の締結がこの観点,,から本件監査請求の対象とされていないことも当事者間に争いがなく結局契約の締結に関しては,対象とされたのは本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までのものということになる。 。)被告は,B,C及びDの行為は本件監査請求の対象となっていないと主張し,確かに,被告の主張のとおり,当初請求書においても,追加請求書にお,,。 ,「,いてもBC及びDに対する言及はないしかし住民訴訟においてはその対象とする財務会計上の行為又は怠る事実について監査請求を経ている- 10 -と認められる限り,監査請求において求められた具体的措置の相手方とは異なる者を相手方として右措置の内容と異なる請求をすることも,許されると解すべきである(最高裁判所第二小法廷平成10年7月3日判決・裁判集」民189号1頁)から,本件監査請求の請求書においてB,C及びDに対する言及がないことは,同人らに対する損害賠償請求を求める訴えを原告らが提起することの妨げとはならない。当初請求書には,市と補助 」民189号1頁)から,本件監査請求の請求書においてB,C及びDに対する言及がないことは,同人らに対する損害賠償請求を求める訴えを原告らが提起することの妨げとはならない。当初請求書には,市と補助参加人との間の本件ごみ焼却施設運転管理業務委託契約は施行令167条の2第1項2号の規定する「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当しないという趣旨の記載や,全面委託となった本件平成14年度委託契約の委託料よりも部分委託であったそれ以前の年度の本件各委託契約の委託料の方が多額であるのは不当であるとの趣旨の記載があり,本件各委託契約(ただし,本件平成14年度委託契約を除く)が違法な随意契約であったため,委託料。 が多額となり,過大な支出を強いられたことを原告らが問題視し,これに対する必要な措置を講じることを求めていたことが認められる。また,原告らは損害賠償請求権の行使を怠る事実を監査請求の対象としていたものの,この請求権は,支出負担行為(契約の締結,支出命令あるいは支出という財)務会計上の行為が違法であることにより発生する損害賠償請求権であるから,本件監査請求に対する監査委員の監査においては,この請求権の行使を怠る事実の存否のみでなく,これらの財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法かどうかも当然に対象となっているというべきである。そして,,,本件訴訟における原告らの主張によればBは収入役として支出権限を有しC及びDは管財課長として契約締結権限を有していたというのであるから,これらの者の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法かどうかの点も監査請求を経ているということができる。 したがって,被告の上記主張は採用することができず,怠る事実Aはすべて監査請求を経ていると認められる。 - 11 -(3)怠る事実Bについて どうかの点も監査請求を経ているということができる。 したがって,被告の上記主張は採用することができず,怠る事実Aはすべて監査請求を経ていると認められる。 - 11 -(3)怠る事実Bについて怠る事実Bについては,補助参加人に対する請求とA以下の市の職員に対する請求とを分けて考える必要がある。 まず,補助参加人に対する請求については,原告らは,当初請求書においては,確かに,怠る事実Bに関する主張をしていたとは認められないが,追加請求書においては,補助参加人が契約で定められた業務の一部を完了していないと主張している(甲2。また,証拠書面のうちの「ごみ焼却炉業務)管理委託問題」と題する書面(甲1)においては,本件ごみ焼却施設の運転状況として稼働していない期間が相当長期に及ぶことが指摘されていた具,(体的な表現は「土・日は,ほとんど稼働されていないと言いうる」とい,。 うものである。これらのことからすれば,原告らは,本件監査請求に当。)たり,補助参加人が契約で定められた業務の一部を完了していないことを問題視し,これに対する必要な措置を講じることを求めていたことが認められる。したがって,不法行為という言葉こそ用いられていないものの,怠る事実Bについても原告らは本件監査請求の対象とする趣旨であったといえるから,これについても監査請求を経ていると認められる。 次に,A以下の市の職員に対する請求については,原告らの主張は,これらの職員が補助参加人の上記不法行為に加担したことが市に対する不法行為になるということを前提としている。ところが,当初請求書においても,追加請求書においても,A,B,C又はDが補助参加人の上記不法行為に加担するという不法行為をしたという趣旨のことは全く述べられておらず,A以外については名前や役職すら言及されていな 求書においても,追加請求書においても,A,B,C又はDが補助参加人の上記不法行為に加担するという不法行為をしたという趣旨のことは全く述べられておらず,A以外については名前や役職すら言及されていない。そして,Aに対しても,少なくとも怠る事実Bについては,同人が不法行為をしたという観点からの言及ではない。追加請求書においても,専ら,補助参加人の行為の違法性ないし不当性のみが問題とされているのである。そうすると,細渕以下の市の職員が補助参加人の上記不法行為に加担する不法行為をしたという点について- 12 -は,本件監査請求の対象にはなっていないといわざるを得ず,上記A以下の市の職員の不法行為に基づく市の同人らに対する損害賠償請求権の行使を市が怠っているという事実は,監査請求を経ているとはいえない。 (4)怠る事実Cについて被告及び補助参加人は,怠る事実Cが監査請求を経ていることを積極的に争っていない。この点については,当初請求書においては明瞭ではないものの,追加請求書においては,補助参加人が契約で定められた業務の一部を完了していないことを指摘した上「余分に支払った分」を返還すべきである,という趣旨の記載があり,この記載からは,市が補助参加人に対して不当利得返還請求をすべきであると原告らが考え,これについて必要な措置を講じることを求めていることが読み取れる。 ,。 したがって怠る事実Cについても監査請求を経ていることが認められる(5)まとめ,,,以上によれば怠る事実A及び同Cについては原告らの主張するとおり監査請求を経ているといえるが,怠る事実Bについては,補助参加人の不法行為に基づく同人に対する損害賠償請求権の行使を怠っているという事実に関しては,監査請求を経ているといえるものの,A以下の市の職員の不法行為に基づく同人 るが,怠る事実Bについては,補助参加人の不法行為に基づく同人に対する損害賠償請求権の行使を怠っているという事実に関しては,監査請求を経ているといえるものの,A以下の市の職員の不法行為に基づく同人らに対する損害賠償請求権の行使を怠っているという事実に関しては,監査請求を経ているとはいえない。被告の主張はこの限りにおいて正当である。 よって,本件訴えのうち,A,B,C及びDが補助参加人の不法行為に加担するという不法行為をしたことに基づく損害賠償請求権の行使を市が怠っていることを理由に,Aに対しては賠償の請求を,B,C及びDに対して賠償の命令をすることを被告に求める部分は,その余の点について判断するまでもなく,監査請求前置を欠き不適法であり,却下を免れない。 争点(2)(監査請求期間経過の有無)について- 13 -上記1のとおり,原告らは怠る事実を本件監査請求の対象としている。怠る,(「」。)事実については自治法242条2項の規定以下期間制限規定というによる監査請求期間の制限がないのが原則である。しかし,怠る事実を対象としてされた監査請求であっても,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象とするものである場合には,当該行為が違法とされて初めて当該請求権が発生するのであるから,監査委員は当該行為が違法であるか否かを判断しなければ当該怠る事実の監査を遂げることができないという関係にあり,これを客観的,実質的にみれば,当該行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ず,法が監査請求に期間制限を設けた趣旨を没却しないためには,当該行為のあった日又は終わった日を基準として期間制限規定を適用すべきものである(最高裁 対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ず,法が監査請求に期間制限を設けた趣旨を没却しないためには,当該行為のあった日又は終わった日を基準として期間制限規定を適用すべきものである(最高裁判所第二小法廷昭和62年2月20日判決・民集41巻1号122頁参照。しかし,怠る事実について)は監査請求期間の制限がないのが原則であり,上記のようにその制限が及ぶというべき場合はその例外に当たることにかんがみれば,監査委員が怠る事実の監査を遂げるためには,特定の財務会計上の行為の存否,内容等について検討しなければならないとしても,当該行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にはない場合には,これをしなければならない関係にある場合と異なり,当該怠る事実を対象としてされた監査請求は,期間制限規定の趣旨を没却するものとはいえず,これに同規定を適用すべきものではない(最高裁判所第三小法廷平成14年7月2日判決・民集56巻6号1049頁参照。 )以下,これを踏まえて,各怠る事実ごとに検討するが,上記1における判断を前提にすれば,怠る事実Bについては,補助参加人の行為が不法行為に当たるとする部分のみを検討すれば足りることになる。 (1)怠る事実Aについて- 14 -怠る事実Aは,本件各委託契約につき,契約の締結(支出負担行為(た)だし,本件平成14年度委託契約を除く,これに基づく支出命令又はそ。)の支出が自治法234条2項等の財務会計法規に違反して違法であるからこそ発生する不法行為に基づく損害賠償請求権の不行使を対象とするものである。したがって,これらを客観的,実質的にみれば,原告らは,監査委員に対し,上記各財務会計上の行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものであったとみざるを得ないから,これらの行為の 象とするものである。したがって,これらを客観的,実質的にみれば,原告らは,監査委員に対し,上記各財務会計上の行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものであったとみざるを得ないから,これらの行為のあった日を基準として期間制限規定を適用すべきである。 そうすると,本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までのものの締結については,別表1にあるとおり,すべて,その契約締結日から本(),件監査請求の日平成15年2月3日までに1年以上が経過しているから期間制限規定の定める期間を経過していることになる。 次に,支出命令については,別表2の(5)にあるとおり,本件平成13年度委託契約の12月分の支出命令が平成14年1月15日であり,これ以前の支出命令は,すべて支出命令日から本件監査請求の日までに1年以上が経過しているから,これらの支出命令については期間制限規定の定める期間を経過していることになる。 支出についても,別表2の(5)にあるとおり,本件平成13年度委託契約の12月分の支出が平成14年1月25日であり,これ以前の支出は,すべて支出日から本件監査請求の日までに1年以上が経過しているから,これらの支出についても期間制限規定の定める期間を経過していることになる。 なお,繰り返し述べるとおり,怠る事実Aに関しては,本件平成14年度委託契約の締結が本件監査請求の対象となっていないことは当事者間に争いがないから,これについては期間制限規定の適用を検討するまでもない。 (2)怠る事実B(ただし,補助参加人の不法行為に係る部分に限る)につ。 いて- 15 -怠る事実Bを対象とする本件監査請求のうち,補助参加人に係る部分は,補助参加人が契約で定められた業務の一部を完了しないで委託料全額を市に請求し,これを市に支払わせたことは不法行為になるから -怠る事実Bを対象とする本件監査請求のうち,補助参加人に係る部分は,補助参加人が契約で定められた業務の一部を完了しないで委託料全額を市に請求し,これを市に支払わせたことは不法行為になるから,これに基づく損害を賠償させるべきであるにもかかわらず,その請求権の行使を市が怠っているという事実を監査請求の対象としている。この怠る事実について監査を遂げるためには,監査委員は,補助参加人について上記行為が認められ,それが不法行為上違法の評価を受けるものであるかどうか,これにより市に損害が発生したといえるかどうかなどを確定しさえすれば足りる。そうであるとすれば,当該不法行為の成否につき,A以下の市の職員が当該不法行為に加担したか否かを問わないものであって,補助参加人に対する損害賠償請求権は,これらの職員の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるからこそ発生するものではない。したがって,上記監査請求については,怠る事実についての原則どおり,期間制限規定の制限が及ばないと解すべきである。 (3)怠る事実Cについて怠る事実Cについても,上記(2)と同じことがいえる。監査委員は,監査を遂げるためには,補助参加人が契約に定められた業務の一部を完了していないかどうか,完了していないにもかかわらず委託料の支払を受けたことが不当利得を構成するものであるかどうか,これにより市に損失が発生したといえるかどうかなどを確定しさえすれば足りる。細渕以下の市の職員の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かを判断する必要はない。したがって,怠る事実Cを対象とする監査請求については,期間制限規定の制限が及ばないと解すべきである。 (4)まとめ以上の検討によれば,怠る事実Aについては,本件平成13年度委託契約にかかわる財務会計上の行為のう 実Cを対象とする監査請求については,期間制限規定の制限が及ばないと解すべきである。 (4)まとめ以上の検討によれば,怠る事実Aについては,本件平成13年度委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,同年度1月分から3月分までの支出命- 16 -令又は支出を違法とする部分,並びに,本件平成14年度委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,同年度4月分から12月分までの支出命令又は支出を違法とする部分(原告らは,本件第6回口頭弁論期日において,本件監査請求の対象となった財務会計上の行為は,平成14年度12月分の支出命令及び支出までであると述べた)は,期間制限規定が適用されるものの。 その定める期間を経過していないが,上記以外の財務会計上の行為にはすべて期間制限規定が適用され,かつその定める期間を経過している。怠る事実B(ただし,補助参加人の不法行為に係る部分に限る)及び同Cは,いず。 れも期間制限規定による制限を受けない。 ここまでの検討の結果を整理すると,次のようになる。 ア監査請求を経ていないことが当事者間に争いがないもの本件平成14年度委託契約の締結に関し,自治法234条2項等の財務会計法規違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る 事実 イ原告らは監査請求を経ていると主張するが,実際には経ていないと認定されるものA,B,C又はDが行った,補助参加人の不法行為に加担するという不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実ウ監査請求を経ているが,期間制限規定が適用され,かつその定める期間を経過しているもの平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,平成13年度までの契約の締結のすべて並びに平成13年度12月分以前の支出命令及び支出のすべてに関し,自治法234条2項等の財 から平成13年度までの本件各委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,平成13年度までの契約の締結のすべて並びに平成13年度12月分以前の支出命令及び支出のすべてに関し,自治法234条2項等の財務会計法規違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実エ期間制限規定が適用されるが,その定める期間内に監査請求が行われ,- 17 -監査を経たもの本件平成13年度委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,同年度1月分から3月分までの支出命令及び支出のすべて,並びに,本件平成14年度委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,同年度4月分から12月分までの支出命令及び支出のすべてに関し,自治法234条2項等の財務会計法規違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実オ期間制限規定による制限を受けないもの本件各委託契約に定められた業務の一部を行わずに委託料の支払を受けたとの補助参加人の不法行為に基づく同人に対する損害賠償請求権及び同人に対する不当利得返還請求権の行使を怠る事実 争点(3)(期間経過の正当な理由の存否)について(1)ここで検討すべきであるのは,上記2(4)のウ,すなわち,監査請求を経ているが,期間制限規定が適用され,かつその定める期間を経過しているものについて,期間経過にもかかわらず監査請求が許される正当な理由(以下単に「正当な理由」という)があるか否かである。具体的には,本件各委。 託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,平成13年度までの契約の締結のすべて並びに平成13年度12月分以前の支出命令及び支出のすべてについて検討を要する。 正当な理由があるか否かを検討するに当たっては,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に 支出命令及び支出のすべてについて検討を要する。 正当な理由があるか否かを検討するに当たっては,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在又は内容を知ることができなかった否かをまず判断すべきである。住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても上記の程度に財務会計上の行為の存在又は内容を知ることができなかった場合には,正当な理由の有無は,特段の事情のない限り,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ること- 18 -ができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(以上につき,最高裁判所第一小法廷平成14年9月12日判決・民集56巻7号1481頁参照。以下,この観点から検討す)る。 (2)証拠(掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実を認めることができる。 ア本件ごみ焼却施設の運転管理業務は,平成4年度までは市の職員のみがこれに当たっていたが,平成5年度に入って,夜間及び休日の業務を外部に委託する(部分委託)という方針が採用され,同年6月30日,市と補助参加人との間において,同年7月1日以降,本件ごみ焼却施設の運転管理業務のうち夜間及び休日の業務を補助参加人に委託するとの内容の委託,(,,)。 契約が特命随意契約の方式により締結された乙1011丙6の1契約内容は平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約の内容と同様である。以後,本件平成9年度委託契約が締結されるまで,市は,補助参加人に対し,特命随意契約の方式により部分委託を続けてきた。すなわち,平成5年7月1日以降,平成14年3月31日まで,同様の方式により,補助参加人との間で随意契約が行われてき れるまで,市は,補助参加人に対し,特命随意契約の方式により部分委託を続けてきた。すなわち,平成5年7月1日以降,平成14年3月31日まで,同様の方式により,補助参加人との間で随意契約が行われてきた。 イ平成5年度以降平成14年度まで,市の毎年度の予算書には「ごみ焼却施設運転管理業務委託料」として予算額が計上され,また,市の毎年度の主要な施策の成果の概要と題する書面決算書の付属書類にはご「」(),「み焼却施設運転管理業務委託料」として事業費が記載されており(乙2の1~10,3の1~10,12の1・2,13の1・2,市の住民は,)市立図書館においてこれらを閲覧すれば,本件ごみ焼却施設の運転管理業務が外部に委託されていることを知ることができた。 平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約に関し,各年度ごとの具体的な閲覧可能日は次のとおりである(乙35ないし50(枝番をす- 19 -べて含む。 。))(ア)平成9年度予算書平成9年3月21日決算書平成10年12月16日決算付属書類平成11年3月25日(イ)平成10年度予算書平成10年3月19日決算書及びその付属書類平成11年12月4日(ウ)平成11年度予算書平成11年3月25日決算書及びその付属書類平成12年12月6日(エ)平成12年度予算書平成12年3月29日決算書平成13年12月25日決算付属書類平成13年12月26日(オ)平成13年度予算書平成13年3月29日決算書及びその付属書類平成14年12月11日ウ平成5年9月24日に開催された市議会9月定例会において,市の助役は,本件ごみ焼却施設の運転管理業務のうち夜間及び休日の業務を外部に委託することにしたこと,自治法234条2項及び施行令 月11日ウ平成5年9月24日に開催された市議会9月定例会において,市の助役は,本件ごみ焼却施設の運転管理業務のうち夜間及び休日の業務を外部に委託することにしたこと,自治法234条2項及び施行令167条の2第1項2号の規定により補助参加人との間で随意契約の方式により委託契約を締結したこと,その契約内容等について説明をした(乙4の1・2。 )本件ごみ焼却施設の運転管理業務を外部に委託していることについては,平成6年3月25日開催の市議会3月定例会,同年12月8日開催の市議会12月定例会,平成7年3月20日開催の市議会3月定例会におい- 20 -ても説明が行われた(乙4の3~5。 )市議会の会議録は,議会終了後8か月以内に市議会事務局又は市立図書館で閲覧することが可能となり,上記各議会の会議録についても同様であった。 エ市議会議員であった原告Eは,平成11年11月4日開催の決算審査特別委員会,同月9日開催の同特別委員会,平成12年11月6日開催の決算特別委員会,平成14年3月14日開催の同特別委員会,同年11月1日開催の同特別委員会に委員として出席しているが,これらの場においても,本件ごみ焼却施設の運転管理業務を外部に委託していることの説明が行われている(乙4の6~10。また,このうち平成14年3月14日)開催の予算特別委員会においては,原告Eは,本件ごみ焼却施設運転管理業務委託料が増額となった経緯について質問をしている(乙4の9。 )オ平成14年11月27日,讀賣新聞及び毎日新聞は,千葉県八千代市長が,同市と補助参加人との間で随意契約の方式により締結されたごみ焼却施設運転管理業務委託契約を巡り,補助参加人の前社長から賄賂を受け取。 ,ったとの容疑で逮捕される見込みであるとの報道をした同月28日には両紙とも,八千代市長が 契約の方式により締結されたごみ焼却施設運転管理業務委託契約を巡り,補助参加人の前社長から賄賂を受け取。 ,ったとの容疑で逮捕される見込みであるとの報道をした同月28日には両紙とも,八千代市長が上記収賄容疑で,補助参加人の前社長等が贈賄容疑で,それぞれ逮捕されたとの報道をした(以上につき,甲90の1~。 5,92)カ原告Eは,平成14年11月28日の讀賣新聞の上記オの記事を読むなどして,補助参加人が市との間で締結している本件ごみ焼却施設運転管理業務委託契約についても徹底して調査をしなければならないと考えるに至り,同年12月6日,平成5年度から平成14年度までの本件ごみ焼却施設運転管理業務委託契約に係るすべての文書につき,市の情報公開条例に基づく公文書公開請求をし,同月20日,その開示を受けた(甲93。 )そして,同じく上記オの記事を読むなどしてこの問題について関心を持つ- 21 -に至ったその余の原告らとともに,平成15年2月3日,連名で,上記開示を受けた文書の中の一部を証拠書面として添付して,本件監査請求をした(甲2,95ないし97。 )キ原告Eが上記カにおいて開示を受けた文書の中には,本件平成10年度委託契約及び本件平成12年度委託契約の各締結に先立ち市内部で作成された起案書(契約用)が含まれており,ここには,平成5年7月1日以降特命随意契約の方式により補助参加人に対して本件ごみ焼却施設運転管理業務を委託している経緯とその理由が記載されている(甲4の1・2。 )ク市の情報公開条例は平成11年7月1日に施行されている(乙33,34。 )(3)前記前提事実及び上記(2)で認定した事実に基づき判断する。 ア契約の締結(支出負担行為)について市と補助参加人との間の本件ごみ焼却施設運転管理業務委託契約は,平成5年7月1 4。 )(3)前記前提事実及び上記(2)で認定した事実に基づき判断する。 ア契約の締結(支出負担行為)について市と補助参加人との間の本件ごみ焼却施設運転管理業務委託契約は,平成5年7月1日以降継続している。本件ごみ焼却施設の運転管理業務が外部に委託されていることは,毎年度の予算書及び決算付属書類を閲覧すれば知ることができた。そして,当初の平成5年の時点におけるこの契約の締結が特命随意契約の方式によって補助参加人との間で行われたことは,平成5年9月24日に開催された市議会9月定例会における助役の説明によって明らかになっており,この議会の議事録は,議会終了後8か月以内に閲覧可能となるであるから,遅くとも平成6年5月末ころには,上記助。 ,役の説明があった議会の議事録も閲覧可能となったと認められるさらに平成11年7月1日に市の情報公開条例が施行されており,市の住民は,同日以降,本件各委託契約にかかわる文書につき,この条例に基づく公開請求をすることができた。上記(2)カ及びキの事実に照らすと,公開請求をしてから実際に開示されるまでの期間も,長くても1か月はかかるものではないといえるし,開示がされれば,随意契約で契約を締結するに至っ- 22 -た経緯とその理由を知ることができたといえる。 以上の事実を前提に,本争点(争点(3))において検討すべき本件各委託契約のうち最も遅い本件平成13年度委託契約の締結につき,市の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができた時点を確定することとする。 まず,平成13年度の予算書は平成13年3月29日に閲覧が可能であるから,これを見ることにより,本件ごみ焼却施設運転管理業務が外部に委託されていることを知ることができる。契約の相手方及び ととする。 まず,平成13年度の予算書は平成13年3月29日に閲覧が可能であるから,これを見ることにより,本件ごみ焼却施設運転管理業務が外部に委託されていることを知ることができる。契約の相手方及び契約締結方法に関しては,平成5年9月24日に開催された市議会9月定例会の会議録は既にその時点で閲覧可能であるから,これを見ることにより,平成5年当時本件ごみ焼却施設の運転管理業務の委託を受けたのは補助参加人であること及び契約締結が随意契約の方式によるものであることを知ることができる。この事実は,平成13年度における委託契約も随意契約によるものではないかとの疑問を生じさせるものであるということができるから,次に,市の情報公開条例に基づく公文書公開請求をすることにより,平成13年度における委託契約の相手方及びその内容,随意契約であるか否かを知ることができる。この点について,市の担当職員は,本件平成13年度委託契約の締結が同年4月1日であったことからすれば,事務処理の都合,()。 上この契約書類の公開は同年6月1日ころになるとしている乙51以上の点を踏まえると,市の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしたとすれば,本件平成13年度委託契約が補助参加人との間で随意契約の方式により締結されたとの事実は,遅くとも同年6月中には知ることができたと認めることができる。そして,本件平成13年度委託契約の委託料は1億円を超える巨額のものである。自治法234条2項及び施行令167条の2第1項2号により,委託契約につき随意契約を締結することができるのは例外的な場合であるとされていることからすると,このような巨額- 23 -の契約につき随意契約の方式をとったということ自体,監査請求をするに足りる程度の重要な事実ということができる。したがって,市の住民は, 合であるとされていることからすると,このような巨額- 23 -の契約につき随意契約の方式をとったということ自体,監査請求をするに足りる程度の重要な事実ということができる。したがって,市の住民は,遅くとも平成13年6月末までには,本件平成13年度委託契約の締結につき監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができたと認められる。 以上の次第で,市の住民である原告らは,相当の注意力をもって調査をすれば,遅くとも平成13年6月末には,本件平成13年度委託契約の締結につき監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができたと認められる。一方,期間制限規定の定める期間の終期は平成14年4月1日であるから,約9か月もの時間的余裕があり,この期間内に監査請求をすることを要求しても不当とはいえない。そうすると,期間制限規定の制限を及ぼすことに問題はなく,この契約の締結を対象とする監査請求が平成15年2月3日であって期間制限規定の定める期間を経過していることにつき,正当な理由を肯定することはできないというべきである。 このように,本件平成13年度委託契約の締結についてすら正当な理由はないのであるから,それ以前の平成9年度から平成12年度までの本件各委託契約の締結に関して監査請求期間を経過したことにつき正当な理由がないことは明らかである。なお,原告Eは,平成11年5月以降市議会議員であり,一般の住民と比較すればより容易に調査を行うことができる立場にあったといえるが,一般の住民について上記のことがいえる以上,原告Eについて取り立てて検討を加える必要はない。 イ支出命令及び支出について支出命令及び支出についても,上記アで述べたことが妥当する。本件平成13年度委託契約に基づく委託料の支払につき,期間制限規定の定める期間を超えるもの 加える必要はない。 イ支出命令及び支出について支出命令及び支出についても,上記アで述べたことが妥当する。本件平成13年度委託契約に基づく委託料の支払につき,期間制限規定の定める期間を超えるもののうち最も新しいものは同年度12月分であり,その支出命令は平成14年1月15日,支出は同月25日である。市の情報公開- 24 -条例に基づく情報公開請求をすれば,これらの財務会計上の行為につき,遅くともこれより1か月程度経過した平成14年2月末までにはその存在及び内容を知ることができたと認められるから,期間制限規定の定める期間の終期である平成15年1月15日あるいは同月25日までには十分な時間的余裕がある。そうであるとすれば,期間制限規定の定める期間内に監査請求をすることを要求しても不当とはいえないから,期間制限を及ぼすことに問題はなく,これらの財務会計上の行為を対象とする監査請求が期間制限規定の定める期間を経過している場合,正当な理由を肯定することはできない。そうである以上,平成13年度11月分以前の支出命令及び支出について正当な理由がないことは明らかである。結局,平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約に基づく支出命令及び支出のうち,平成13年度12月分以前のもののすべてに関して,監査請求期間を経過したことにつき,正当な理由を肯定することはできず,期間制限規定の定める期間を徒過することにより監査請求は不適法になると解すべきである。 ウまとめ結論として,本件各委託契約にかかわる財務会計上の行為のうち,平成13年度までの契約の締結のすべて並びに平成13年度12月分以前の支出命令及び支出のすべてに関して,監査請求期間を経過したことにつき,正当な理由があるとはいえないから,本件訴えのうち,これらの財務会計上の行為が自治法234条2 て並びに平成13年度12月分以前の支出命令及び支出のすべてに関して,監査請求期間を経過したことにつき,正当な理由があるとはいえないから,本件訴えのうち,これらの財務会計上の行為が自治法234条2項等の財務会計法規に違反して違法であることを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実を前提とする部分は,監査請求期間を徒過してから監査請求がされたものとして不適法であり,その余の点について判断するまでもなく却下を免れない。 争点(4)(B,C及びDの賠償命令を受ける適格の有無)について原告らは,B,C及びDは自治法243条の2第1項の賠償命令の対象にな- 25 -,,。 り得る市の職員であると主張するのに対し被告はこれを争うので検討する(1)BについてBは市の収入役の職にあった者である(前記前提事実(1) 。公金の支出)は,支出負担行為及び支出命令がされた上で,支出がされることによって行われるものであり,このうち支出は,市においては収入役の権限事項である(,)。 ,,自治法170条2項1号232条の4第1項したがって収入役は自治法243条の2第1項3号に掲げる行為をする権限を有する職員であるから,同項に基づく賠償命令の対象になり得る。すなわち,Bは同賠償命令の対象になり得る職員である。 (2)C及びDについてC及びDは市の管財課長の職にあった者である(前記前提事実(1) 。上)記(1)のとおり,支出は収入役の権限事項である一方,契約の締結等の支出(,負担行為及び支出命令は市長の権限事項である自治法149条2号・6号232条の4第1項。そこで,C及びDが自治法243条の2第1項に規)定する賠償命令の対象になり得る地位にあったか否かを判断するに当たっては,市の管財課長が市長又は収入役の「権限 49条2号・6号232条の4第1項。そこで,C及びDが自治法243条の2第1項に規)定する賠償命令の対象になり得る地位にあったか否かを判断するに当たっては,市の管財課長が市長又は収入役の「権限に属する事務を直接補助する職員で普通地方公共団体の規則で指定したもの」に該当するか否かの観点から検討を加える必要がある。 市においては,事務規則64条及び別表第2において,契約事務の円滑かつ統一的処理を行うためとして,契約事務所管責任者,監督職員等の基準となる一般的分掌が定められている(乙1。これによれば,本件各委託契約)については,その契約金額に従い,市長が契約担当者(締結権者)であり,管財課長は,契約事務所管責任者である総務部長の補佐役であるとともに,入札事務所管責任者とされる。そして,実際に,本件平成10年度委託契約及び本件平成12年度委託契約の各締結に先立ち市の内部で作成された起案書(契約用)をみると,押印欄として「契約担当課長」という欄があり,そ- 26 -こには「C」という押印がされていて,これは当時管財課長であったCの押印であると推認されるから(甲4の1・2,本件各委託契約に関し,管財)課長であったC又はDは,契約事務の処理につき事務規則64条及び別表第2において定められたとおりの役割を果たしていたと認められる。そうすると,本件各委託契約について,管財課長は,市長の権限に属する契約事務を直接補助する職員で市の規則で指定したものということができるから,自治,。 ,法243条の2第1項1号に基づき賠償命令の対象になり得るすなわちC及びDは,いずれも,同賠償命令の対象になり得る職員である。 争点(5)(本件各委託契約締結の適法性)について争点(3)において検討したとおり,平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約の C及びDは,いずれも,同賠償命令の対象になり得る職員である。 争点(5)(本件各委託契約締結の適法性)について争点(3)において検討したとおり,平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約の締結が自治法234条2項等の財務会計法規に違反して違法であることを前提とする監査請求は,期間制限規定の定める期間を経過しており,正当な理由も認められない。したがって,本件訴えのうちこの点に係る請求に関する部分は,その余の点について判断するまでもなく不適法であって却下を免れない。また,本件平成14年度委託契約の締結が財務会計法規に違反して違法であるとの主張はない。よって,本件各委託契約締結の適法性について判断する必要はない。 争点(6)(委託料支出の適法性)について原告らは,本件各委託契約に基づく支出命令及び支出が違法となる理由として,その前提となる契約の締結,すなわち本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までのものの締結が自治法234条2項等の財務会計法規に違反して違法であることを挙げるほか,補助参加人から業務完了報告書が提出されず,完了検査を経ていないにもかかわらず,委託料の支出をしたこと自体が財務会計法規に違反して違法であることを挙げる。ここまでの検討によると,いずれの場合も,ここで判断の対象となるのは,適法な監査請求を経ていると認められるもの,すなわち,本件平成13年度委託契約に基づく支出命令及び- 27 -支出のうち1月分から3月分までのもの並びに本件平成14年度委託契約に基づく支出命令及び支出のうち4月分から12月分までのもののみであるから,この部分に限って判断する。 原告らの主張のうち,まず,本件平成13年度委託契約の締結が違法であることを根拠とするものについては,前記のとおり,本件平成13年度委託契約の締結が自治 のみであるから,この部分に限って判断する。 原告らの主張のうち,まず,本件平成13年度委託契約の締結が違法であることを根拠とするものについては,前記のとおり,本件平成13年度委託契約の締結が自治法234条2項等の財務会計法規に違反することを理由とする監査請求は期間徒過により不適法であるから,この契約締結が違法であることを前提とした判断をすることは許されない。したがって,この契約締結の違法を理由として平成13年度1月分から3月分までの支出命令及び支出の違法をいうこともまたできないというべきである。よって,これらの財務会計上の行為が違法であるということはできないから,この点に関する原告らの請求は棄却せざるを得ない。 補助参加人から業務完了報告書が提出されず,完了検査を経ていないにもかかわらず,委託料の支出をしたことが財務会計法規に違反して違法であるとの主張については,後記8(争点(9))において判断するとおり,原告らの主張する事実は認められず,したがって,財務会計法規違反も認められない。よって,この点に関する原告らの請求も棄却せざるを得ない。 争点(7)(Aの故意又は過失の有無)及び争点(8)(B,C及びDの故意又は重過失の有無)について本件訴えのうち,A,B,C及びDに対する請求ないし賠償命令を被告に求める部分は,既に検討したところにより,不適法として却下となるか,財務会計上の行為に違法があるとはいえないとして請求棄却となるかのいずれかである。したがって,これらの者の故意,過失ないし重過失について検討する必要はない。 争点(9)(補助参加人の不法行為の成否及び損害額)及び争点(10)(A,補助参加人,B,C及びD各人の賠償額)について- 28 -(1)前記前提事実,証拠(掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事 参加人の不法行為の成否及び損害額)及び争点(10)(A,補助参加人,B,C及びD各人の賠償額)について- 28 -(1)前記前提事実,証拠(掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実を認めることができる。 ア本件各委託契約の契約書及び契約約款によれば,その契約内容はいずれも次のとおりである(甲5,乙10,丙6の1~16。 )(ア)補助参加人は,契約で定められた委託料をもって履行期間内(各年度とも4月1日から翌年3月31日まで)に本件ごみ焼却施設運転管理業務を完了しなければならない(1条。 )(イ)補助参加人は,委託業務を完了したときは,遅滞なく市に対して業務完了報告書を提出しなければならない(9条1項。市は,この業務)完了報告書を受理したときは,その日から10日以内に当該委託業務の完了の検査を行わなければならない(同条2項。 )(ウ)検査に合格しないときは,市は1回に限り日時を指定して手直しを求めることができ,この場合,手直しの検査に合格したときをもって委託業務を完了したものとする(10条。 )(エ)契約金額は,完了検査に合格した後補助参加人の請求により30日以内に支払をする(13条1項本文。 )イ上記アの各契約書の前提となっている業務委託仕様書によれば,補助参加人は,運転操作上問題が生じた場合,直ちに市に報告し協議しなければならない,業務を遂行するに当たり支障が生じたとき及び機械機器等の設備の管理上異常が認められたときは,敏速に市に連絡し,その指示を受けなければならない,業務従事者は毎日各種業務日報を市に提出する,市は,必要があると認めるときは,補助参加人に対し業務の実施状況について調査をし,又は報告を求めることができる,- 29 -補助参加人は,異常又は事故が発生したときは,敏速に市に連 市に提出する,市は,必要があると認めるときは,補助参加人に対し業務の実施状況について調査をし,又は報告を求めることができる,- 29 -補助参加人は,異常又は事故が発生したときは,敏速に市に連絡しその指示を受けるとともに,その状況を記した書類を市に提出する,などとされており,補助参加人は,日常の業務の細かい事項についてまで市の監督に服するものとされている(甲7の1~6,乙10,丙5,6の1~16。 ),,「」,「」,「」,ウ補助参加人は毎日運転日誌クレーン作業日誌運転記録「共通項目・電気関係記録「機器点検項目1及び同2「1・2号炉」,」,」「」(「」。)運転記録及び炉別ごみ投入量計測記録以下作業日誌等というにより業務内容を詳細に記録して市に報告し,市はこれをもって本件各委託契約により作成が義務付けられた業務完了報告書として扱っていた。全面委託となった平成14年度においては,作業日誌等とは別に「月例報告書」も提出されるようになった。 ,,「」市環境部は毎月委託料を支出する際作業日誌等をもとに検査調書を作成し,収入役に提出していた。 (以上につき,甲69,70,73,75,乙6の1~12,7の1~13,11,15の1~12,28の1~4,29の1~3)エ市は,補助参加人に対し,本件各委託契約の委託料を,契約どおりの金額で契約どおり毎月分割して支払った。 (2)上記(1)の認定事実によれば,本件各委託契約につき,補助参加人は日常の業務の細かい事項についてまで市の監督に服する立場にあり,毎日の業務の状況につき作業日誌等を市に提出し,他方,市環境部も毎月委託料の支出をする際に「検査調書」を作成していたのであるから,補助参加人の業務内容が契約どおりのものであるのかどうかは 場にあり,毎日の業務の状況につき作業日誌等を市に提出し,他方,市環境部も毎月委託料の支出をする際に「検査調書」を作成していたのであるから,補助参加人の業務内容が契約どおりのものであるのかどうかは日々市によって確認されていたものということができる。そして,市は,契約どおりに委託料を支払っているのであるから,これらの事実関係によれば,補助参加人は契約に定められた- 30 -とおりの業務を完遂したものと推認することができる。 原告らは,補助参加人が業務完了報告書を提出しておらず,市の側も完了検査をしていないから補助参加人はすべきことをしていないと主張する。しかし,業務完了報告書の提出や完了検査が契約上要求されるのは,補助参加人が契約で定められたとおりの業務を遂行していることを確認するためであるから,これが確認できるのであれば「業務完了報告書」と題する書類の,提出や「完了検査」と称する検査が必ず行わなければならない理由はない。 要は,補助参加人が市の監督の下に定められた業務を遂行することであり,これが確保されているのであれば,書類の名目や検査の名称が多少異なっていても,契約に反することにはならない。補助参加人は,作業日誌等を毎日市に提出し,市の側も,この書類で確認するほか,毎月委託料の支出の際には「検査調書」を作成して業務状況を確認していたのであるから,契約上必要なことはすべて行われていたものということができる。原告らの上記主張は採用することができない。 原告らはまた,補助参加人の作業従事者のうち,本件ごみ焼却施設での作業に従事しているはずの者が,書類上,他のごみ焼却施設での作業にも従事していることとされていることがあったなどとも主張する(原告らのいう二重契約。しかし,証拠(乙25,27,28の1~4,29の1~3)に),,よれば ,書類上,他のごみ焼却施設での作業にも従事していることとされていることがあったなどとも主張する(原告らのいう二重契約。しかし,証拠(乙25,27,28の1~4,29の1~3)に),,よれば本件ごみ焼却施設での作業に従事する者として市に届けられた者は実際にそのとおりに作業に従事したことが認められるから,補助参加人が業務の履行を怠ったということはない。 原告らは,本件ごみ焼却施設は土曜日,日曜日に稼働しないなど,稼働日数が短すぎるという趣旨の主張もする。しかし,証拠(乙14,16の1~8)によれば,本件ごみ焼却施設は,年末年始及び点検整備が行われる短い期間を除いて毎日稼働していたことが認められるから,この原告らの主張も採用することができない。 - 31 -以上によると,補助参加人が,本件各委託契約につき,契約によって定められた業務の一部を行わなかったとの事実を認めることはできないから,その余の点について判断するまでもなく,原告らの主張する補助参加人の不法行為は成立しない(争点(9) 。 )(3)上述のとおり,原告らの主張する補助参加人の不法行為は成立せず,また,A以下の市の職員の不法行為については監査請求の対象となっていないから,各人の賠償額について判断する必要はない(争点(10) 。 ) 争点(11)(補助参加人の不当利得の有無及び不当利得額)について原告らが補助参加人の不当利得が成立するとして主張する事実関係は,補助。 ,参加人の不法行為が成立するとして主張する事実関係と同じであるすなわち補助参加人は,契約で定められた業務の一部を行っていないにもかかわらず契約で定められた委託料全額を受領しているから,不当利得が成立するというのである。 この事実関係については,争点(9)について検討したとおり(上記8)であり,補助参加 部を行っていないにもかかわらず契約で定められた委託料全額を受領しているから,不当利得が成立するというのである。 この事実関係については,争点(9)について検討したとおり(上記8)であり,補助参加人が契約で定められた業務の一部を行っていないという事実を認めることはできず,契約で定められたとおりの業務を遂行していたことが推認できる。よって,補助参加人が法律上の原因なく利得しているということはできず,その余の点について判断するまでもなく原告らの主張は理由がない。 結論 以上の各争点に対する判断を前提として,本件訴えにおける原告らの請求に対する当裁判所の判断を整理すると,次のようになる。 (1)補助参加人に対する請求を被告に求める部分は,本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までの契約の締結並びにこれに基づく委託料の支出命令及び支出のうち平成13年度12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを前提とするものは,いずれも訴えを不適法として却下すべきである。その余の部分はいずれも請求を棄却すべきである。 - 32 -(2)Aに対する請求並びにB及びDに対する賠償命令を被告に求める部分のうち,ア本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までの契約の締結並びにこれに基づく委託料の支出命令及び支出のうち平成13年度12月分までのものが財務会計法規に違反して違法であることを前提とするものイ本件各委託契約において定められた業務の一部を行わずに委託料の支払を受けたとの補助参加人の不法行為に上記Aらが加担する不法行為をしたことを前提とするものは,いずれも訴えを不適法として却下すべきである。 その余の部分は,いずれも請求を棄却すべきである。 (3)Cに対する賠償命令を被告に求める部分は,いずれも訴えを不適法として却下す を前提とするものは,いずれも訴えを不適法として却下すべきである。 その余の部分は,いずれも請求を棄却すべきである。 (3)Cに対する賠償命令を被告に求める部分は,いずれも訴えを不適法として却下すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部裁判長裁判官大門匡裁判官関口剛弘裁判官倉地康弘- 33 -(別紙)争点についての当事者及び補助参加人の主張第1争点(1)(監査請求前置の遵守)について 原告らの主張(1)本件監査請求と本件訴えは実質的には同一の内容である。被告の主張に対しては次のとおり反論する。 (2)本件監査請求は,その中の「住民監査請求追加分」と題する書面において,業務が完了していないにもかかわらず補助参加人に対して支払われた委託料の返還請求をすべきであるとしており,この部分も対象となっている。 (3)住民は,監査請求において求めた具体的措置の相手方と同一の者を相手方として住民訴訟を提起しなければならないわけではない。原告らは,本件監査請求において,最終的な責任の所在は市長にあると考えてそのほかの職員に対する措置を求めなかっただけであり,その内容からして,B,C及びDに対する請求に係る訴えも監査請求を経ているということができる。 (4)本件監査請求においては,本件平成14年度委託契約についても契約解除及びこれを前提とした補助参加人への損害賠償請求を求めているし,委託料のうち補助参加人が業務をしていなかった分の返還請求も求めている。すなわち,本件監査請求の監査請求書の記載からすれば,本件平成14年度委託契約を解除するか否か,契約を解除して残る期間についての委託料を請求するか否か,部分委託であった平成13年度までの本件各委託契約と全面委託となった本件平成14年度委託 らすれば,本件平成14年度委託契約を解除するか否か,契約を解除して残る期間についての委託料を請求するか否か,部分委託であった平成13年度までの本件各委託契約と全面委託となった本件平成14年度委託契約の金額を比較し,余分に支出した分を返還するか否かを判断するために,本件平成14年度委託契約も対象としていた。 被告及び補助参加人の主張(1)本件監査請求においては「補助参加人が仕事をしていないにもかかわ,- 34 -らず委託料が支払われたのは不法行為に該当する」との主張はされておら。 ず,この主張に基づく請求に係る訴えは,監査請求を経ていないものとして不適法である。 (2)本件監査請求は市長(A)以外の職員の行為を対象としていないので,中村,宮下及び久野に対する請求に係る訴えは,監査請求を経ていないものとして不適法である。 (3)本件平成14年度委託契約は本件監査請求の対象となっていない。すなわち,本件監査請求においては,本件平成14年度委託契約が違法との主張は全くなく,かえって,それ以前の年度とは異なり平成14年度は指名競争入札が行われたとの認識を示した上(実際は,指名競争入札ではなく競争見積もりによる随意契約であったが,指名競争入札となったために委託料が)安くなったとし,これを正しい契約締結の在り方として評価しているのであるから,本件平成14年度委託契約は本件監査請求において違法な随意契約であるとはされておらず,監査請求の対象となっていないのである。 原告らは,本件平成14年度委託契約についても契約解除と損害賠償を求めていたと主張するが,本件監査請求における契約解除と損害賠償請求の理由は,本件訴えにおける契約解除と損害賠償請求の理由,すなわち補助参加人が業務の一部を完了していないという理由とは根本的に異なり,補助参加 主張するが,本件監査請求における契約解除と損害賠償請求の理由は,本件訴えにおける契約解除と損害賠償請求の理由,すなわち補助参加人が業務の一部を完了していないという理由とは根本的に異なり,補助参加人の前社長が贈賄容疑で逮捕されたから契約解除等をせよというものであった。したがって,本件訴えと同一内容の監査請求があったということはできない。 第2争点(2)(監査請求期間経過の有無)について 原告らの主張(1)本件監査請求は,自治法242条1項にいう「怠る事実」を対象とするものであるから,同条2項の規定は適用されない。すなわち,本件監査請求は,後記争点(9)において原告らが主張する市の補助参加人に対する不法行- 35 -為に基づく損害賠償請求権あるいは後記争点(11)において原告らが主張する市の補助参加人に対する不当利得返還請求権の行使を市が怠っていることを監査請求の対象としていたのである。 (2)仮に本件監査請求に自治法242条2項の規定が適用されるとしても,本件平成14年度委託契約の締結及び本件平成13年度委託契約の1月分以降の委託料の支出に関しては,それぞれの財務会計行為のあった日から本件監査請求まで1年が経過していないので,同項の期間は遵守されている。 被告及び補助参加人の主張(1)本件訴えは,随意契約の締結という財務会計上の行為が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする監査請求を前提とするものであるから,本件各委託契約の締結日を基準として自治法242条2項の規定を適用すべきである。 (2)本件監査請求のうち,平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約についての監査請求は,各契約締結日から1年を経過した後にされたものであり,本件訴えのうちこれを前提とする部分はす である。 (2)本件監査請求のうち,平成9年度から平成13年度までの本件各委託契約についての監査請求は,各契約締結日から1年を経過した後にされたものであり,本件訴えのうちこれを前提とする部分はすべて不適法である。 (3)自治法242条2項の期間の始期につき,契約締結日だけでなく支出命令日又は支出日も基準にし得るとしても,本件平成13年度委託契約の12月分の委託料は平成14年1月25日に支出されているので,本件監査請求のうち,これ以前の月の分の委託料の支出及び支出命令についての監査請求は,各支出命令日及び各支出日から1年を経過した後にされたものであり,本件訴えのうちこれらを前提とする部分はすべて不適法である。 第3争点(3)(監査請求期間経過の正当な理由の存否)について 原告らの主張(1)市の平成9年度から平成13年度までの各予算書,決算書,決算付属書類や議会議事録の資料は,一般の閲覧に供されてはいたものの,これらを閲覧しただけでは,本件各委託契約が違法な随意契約として締結されたか否か- 36 -の判断をすることはできない。 (2)市と補助参加人の間の契約が随意契約であることは平成5年9月24日の市議会議事録に記載されているが,一般住民がこれを調査するのは容易なことではないし,随意契約であるということのみが分かったとしても,それだけでは,監査請求をするための情報としては不十分である。 (3)市議会議員であった原告Eは,市の監査委員による「平成11年度の環境部における財務に関する事務の執行の定期監査」の結果報告書(平成12年配布)に「随意契約方式選定について認識に欠ける起案書が多く見受け,られたのは,極めて遺憾である」などの指摘があるのを読み,平成12年。 9月の市議会において契約案件についての一般質問をしたが,2000件 「随意契約方式選定について認識に欠ける起案書が多く見受け,られたのは,極めて遺憾である」などの指摘があるのを読み,平成12年。 9月の市議会において契約案件についての一般質問をしたが,2000件を超える市の随意契約の中から補助参加人のかかわるものを選び出すようなことはできなかった。また,平成14年3月14日の市の予算特別委員会でごみ焼却施設運転管理業務委託料の件で質問をしたことはあるが,ここで質問したのは,前年度(平成13年度)に比して委託料が増額されていたことに関するものにすぎない。 (4)本件各委託契約が違法な随意契約であることを原告らが疑うことができるようになったのは,補助参加人の前社長から賄賂を受け取った容疑で千葉県八千代市長が警察の取調べを受けることになったとの報道がされた平成14年11月27日以降である。すなわち,原告らは,この報道を受けて,補助参加人と市との間の契約にも問題があるのではないかと考え,ことに原告,「」Eは随意契約方式選定について認識に欠ける起案書が多く見受けられたとの上記(3)に掲げた報告書の指摘を思い出して,調査を始め,同年12月1日ころ,本件各委託契約が随意契約として締結されたことを知った。市の一般住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に財務会計行為の存在及び内容を知ることができたのはこの時点である。それから65日後の平成15年2月3日にされた本件監査請求は,- 37 -相当な期間内に行われているといえるので,監査請求期間経過の正当な理由がある。 (5)被告及び補助参加人の主張を前提にしても,本件平成13年度委託契約に基づく平成13年度各月の支出についての決算は平成14年11月に行われるのであり,同月以降にならなければ一般市民としては市がどのような業 び補助参加人の主張を前提にしても,本件平成13年度委託契約に基づく平成13年度各月の支出についての決算は平成14年11月に行われるのであり,同月以降にならなければ一般市民としては市がどのような業者に対しどのような内容の契約に基づき支出をしたのかが分からないのであるから,この決算書を閲覧することができた時を基準にして正当な理由を判断すべきである。 被告及び補助参加人の主張(1)原告らが本件各委託契約に関心を持ったのは,八千代市長と補助参加人前社長の贈収賄事件の新聞報道がきっかけであり,原告らは,この贈収賄事件を契機として,市におけるごみ焼却施設運転管理業務委託契約に関心を持ち,情報公開によって調査をする中でたまたま随意契約を問題視するようになったのであるから,上記新聞報道を相当期間判定の基準日にすることはできない。 (2)市の予算書,決算書,決算付属書類にはごみ焼却施設運転管理業務委託料の記載があり,これらの文書は市立図書館で閲覧が可能であり,原告らはこれらを閲覧することにより本件各委託契約の存在及び委託料を知ることができた。 各年度ごとの具体的な閲覧可能日は次のとおりであった。 ア平成9年度予算書平成9年3月21日決算書平成10年12月16日決算付属書類平成11年3月25日イ平成10年度予算書平成10年3月19日- 38 -決算書及びその付属書類平成11年12月4日ウ平成11年度予算書平成11年3月25日決算書及びその付属書類平成12年12月6日エ平成12年度予算書平成12年3月29日決算書平成13年12月25日決算付属書類平成13年12月26日オ平成13年度予算書平成13年3月29日決算書及びその付属書類平成14年12月11日(3)市助役らは,本件 29日決算書平成13年12月25日決算付属書類平成13年12月26日オ平成13年度予算書平成13年3月29日決算書及びその付属書類平成14年12月11日(3)市助役らは,本件ごみ焼却施設に関する補助参加人との間の委託契約の内容について同市議会で説明をしており(随意契約であることについては,平成5年9月24日の議会で助役からの説明があった,市議会議事録は,。)議会事務局又は市立図書館で,議会終了後遅くとも8か月以内に閲覧が可能である。 (4)随意契約であることその他本件各委託契約の内容については,委託契約書及び起案書を情報公開制度により閲覧することが可能である。すなわち,平成11年7月1日から市の情報公開条例が施行されており,本件平成9年度委託契約から本件平成11年度委託契約までの各契約書及び起案書は,同日以降公開請求をすることにより閲覧が可能であった。また,本件平成12年度委託契約については平成12年6月1日以降,本件平成13年度委託契約については平成13年6月1日以降,それぞれ公開請求をすることにより閲覧が可能となっていた。 したがって,原告らは,公開請求をして契約書等を閲覧することにより,本件各委託契約の存在及び内容を知ることができたのである。 - 39 -(5)原告Eは,平成11年5月1日から平成15年4月20日まで市議会議員であり,決算特別委員会の委員であったから,平成10年度,平成11年度の決算額を知ることができた。市がごみ焼却施設運転管理業務を毎年委託していることは,議員であれば予算書から当然知ることができる。 第4争点(4)(B,C及びDの賠償命令を受ける適格の有無)について 原告らの主張市における支出の権限は収入役にあるから,収入役であったBは,本件各委託契約に基づく委託料につき,契 ができる。 第4争点(4)(B,C及びDの賠償命令を受ける適格の有無)について 原告らの主張市における支出の権限は収入役にあるから,収入役であったBは,本件各委託契約に基づく委託料につき,契約の締結(支出負担行為)が法令及び予算に違反せず,かつ契約内容に従った履行があったことを確認した上でなければ支出をすることができないが,Bは,契約の締結が違法であり,また業務報告書が提出されず,完了検査を経ていないにもかかわらず,支出をした。したがってBはこれらの支出について責任を負う。 管財課長であったC及びDは,本件各委託契約締結の権限を被告から内部委任されていた。したがって,契約の締結(支出負担行為)についての責任は,市長の職にあるAのほか,管財課長の職にあったC及びDにもある。 被告の主張本件各委託契約の契約担当者は市長であり,収入役及び管財課長は契約締結権限を有しないので,被告は,本件各委託契約の締結が違法であることを理由として,B,C及びDに対して賠償の命令をすることはできない。 なお,管財課長は,本件各委託契約の契約事務所管責任者ではあるが,事務規則の定める契約担当者(締結権者)ではなく,契約締結権限の委任を受けてもいない。本件各委託契約はいずれも金額が1億円を超えるものであり,管財課長が契約担当者となったり権限の委任を受けることはあり得ないのである。 第5争点(5)(本件各委託契約締結の適法性)について 被告及び補助参加人の主張(1)本件各委託契約のうち,平成13年度までのものの契約締結は,自治法- 40 -234条2項,施行令167条の2第1項2号の規定する「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当し,適法である。その理由は次のとおりである。 ア市は,それまで市が実施していた本件ごみ焼却施設の運転管理業務 行令167条の2第1項2号の規定する「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当し,適法である。その理由は次のとおりである。 ア市は,それまで市が実施していた本件ごみ焼却施設の運転管理業務の一(),部平日の午後5時から翌日の午前8時45分までと土日祝日の全日を平成5年7月以降,民間に委託することにした。部分委託という勤務の特殊性に対応できる業者は,三多摩地域では補助参加人1社のみであり,また,同社は本件ごみ焼却施設につき試運転業務及び指導業務を行った実績があったことから,市は同社と随意契約を締結した。なお,本件ごみ焼却施設を設計,施工した日本鋼管株式会社にも打診したが,部分委託は問題があるとして断られた経緯がある。 イ平成6年度以降も,三多摩地域で部分委託が可能な業者が補助参加人1社のみという状況に変化はなかった。 ,,,,ウごみ焼却施設の運転業務は迅速性継続性安定的遂行が重要であり当該施設の運転経験,熟練度,燃焼技術が必要とされる。運転を誤って有害物質を飛散させるリスクを回避すべき必要性も高い。この点も,平成6年度以降補助参加人との間で随意契約を締結した理由である。本件各委託契約の期間中,機器の故障等の報告はあったが,老朽化した施設が24時間稼働していることを考慮するならばやむを得ないところであり,補助参加人の人為的ミスで大規模に施設を破損させたものや,人身事故,あるいは有害物質により大気汚染を引き起こしたなどの例はない。 なお,原告らは,3人以上の者から見積書を徴求していない点で事務規則32条1項に違反するとも主張するが,市が補助参加人1社との間で特命随意契約の方式により契約を締結したのは,上記の各理由に基づき,同項の規定する「その他その必要がないと認めるとき」に該当すると判断したためであるから,原 も主張するが,市が補助参加人1社との間で特命随意契約の方式により契約を締結したのは,上記の各理由に基づき,同項の規定する「その他その必要がないと認めるとき」に該当すると判断したためであるから,原告らの指摘は当たらない。 - 41 -(2)本件平成14年度委託契約は,随意契約ではあるが,7社参加による競争見積もり中最低の価格を提示した補助参加人との間で締結したのであって,原告らも指摘するとおり,その実質は指名競争入札が行われたのと同じであり,何ら問題はない。なお,平成14年度において特命随意契約とせず競争見積もりをしたのは,この年度から部分委託をやめ全面委託に切り替えたからである。 (3)部分委託であった本件平成13年度委託契約までの委託料の決定については,補助参加人から参考見積もりを徴し,これを検証した結果を基に予算要求を行い,予算確定後,参考見積もりの内容を再度検証して予定価格を決定し,補助参加人から徴した契約見積もりと予定価格調書を照合して契約価格を決定するという手続を経ていた。補助参加人からは毎年度委託料値上げの要望があったが,市の財政事情が厳しいことを説明し,逆に委託料の減額を要請するなどの交渉を行っていた。 原告らの主張(1)本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までのものは,自治法234条2項及び施行令167条の2に違反する違法な随意契約である(本件平成14年度委託契約は,随意契約ではあるが,実質競争入札と同じであるから,契約締結に違法はない。その理由は次のとおりである。 。)ア被告が本件ごみ焼却施設の運転管理業務委託契約を補助参加人との間で初めて締結したのは平成5年度であり,以後毎年度契約をしている。そして,平成5年度から平成13年度までは夜間と休日のみの部分委託であった。これにつき,被告は, 転管理業務委託契約を補助参加人との間で初めて締結したのは平成5年度であり,以後毎年度契約をしている。そして,平成5年度から平成13年度までは夜間と休日のみの部分委託であった。これにつき,被告は,平成5年当時,部分委託という勤務の特殊性に対応できる業者は,三多摩地域では補助参加人1社のみであり,平成6年以降もその状況に変わりがなかったと主張するが,この主張に合理的な根拠はない。 まず,補助参加人自体が全国展開を図っており,他の業者も全国展開を- 42 -図っているのだから,殊更三多摩地域という限定をする理由がない。 三多摩地域においても,西多摩衛生組合(青梅市,福生市,羽村市,瑞穂町)では,遅くとも平成10年には,東村山市と同様に部分委託の形態であっても,競争入札で契約の締結が行われている。 被告は,平成5年の時点で日本鋼管株式会社に打診したが断られたとするが,それ以外の業者には問い合わせをしていないし,もちろん,入札の呼び掛けもしていない。平成6年以降も,他の業者に確認することなく,漫然と補助参加人との間で随意契約を続けているのであり,ずさんな行政処理といわざるを得ない。 イ被告はまた,本件ごみ焼却施設の運転管理業務にとっては迅速性,継続性及び安定的遂行が重要であり,運転経験や熟練度,燃焼技術が必要であることも,補助参加人と随意契約を締結した理由として挙げる。 しかし,本件平成14年度委託契約の締結に先立ち,補助参加人のほかに焼却炉メーカー系列のサービス会社6社から見積もりを取っていることからも分かるとおり,補助参加人以外にも運転技術を有する企業は存在するのであり,かつ,これらの焼却炉メーカー系列のサービス会社は,補助参加人が運転管理業務を行う前から運転管理業務を行っているのである。 したがって,運転技術は補助参加人を選択する理由に る企業は存在するのであり,かつ,これらの焼却炉メーカー系列のサービス会社は,補助参加人が運転管理業務を行う前から運転管理業務を行っているのである。 したがって,運転技術は補助参加人を選択する理由にはなり得ない。 さらに,補助参加人は,本件ごみ焼却施設の運転管理業務の過程で事故を5件も起こしており,市自身も,補助参加人の技術力に対しては低い評価をしていたのであるから,補助参加人の技術力は随意契約の理由にならない。 (2)随意契約とした結果,本件各委託契約は委託料の金額が過大となり,自治法2条14項,地方財政法4条1項にも違反することとなった。 現に,平成9年度から平成12年度までの本件各委託契約における委託料は,契約内容が部分委託であったにもかかわらず,全面委託となった本件平- 43 -成14年度委託契約の委託料よりも多額だったのである。 また,本件各委託契約は,事務規則32条1項本文の規定する見積書の徴求をしていない点でも違法であり,事務規則31条,13条の規定する予定価格の定め方にも不適正なところがあった。 第6争点(6)(委託料支出の適法性)について 被告及び補助参加人の主張補助参加人は,毎日「運転日誌「クレーン作業日誌「運転記録「共,」,」,」,通項目・電気関係記録機器点検項目1・21・2号炉運転記録炉」,「」,「」,「別ごみ投入量計測記録(以下「作業日誌等」という)により業務内容を詳」。 細に記録して市に報告し,市はこれをもって業務完了報告書としていた。全面委託となった平成14年度においては,作業日誌等とは別に「月例報告書」も提出するようになった。 市の本件ごみ焼却施設担当者は,作業日誌等に加え,頻繁に制御室に行き,作業状況を日々検査していたし,市環境部は,毎月委託料を支出する際,作業日誌等を とは別に「月例報告書」も提出するようになった。 市の本件ごみ焼却施設担当者は,作業日誌等に加え,頻繁に制御室に行き,作業状況を日々検査していたし,市環境部は,毎月委託料を支出する際,作業日誌等を基に「検査調書」を作成し,収入役に提出していた。 このように,補助参加人は,その業務の内容を毎日市に報告し,かつ,委託料の支払の前に市から完了検査を受けていた。これを前提として支出をしたのであるから,支出命令及び支出は適法である。 原告らの主張争点(5)において主張したとおり本件各委託契約の締結は違法であるし,契約の締結自体が違法でないとしても,これらの契約に基づく委託料の支出には次のとおりの違法がある。すなわち,本件各委託契約においては,補助参加人から業務完了報告書を受領し,業務完了検査をした後に委託料を支払うこととなっているが,実際には,補助参加人から業務完了報告書が提出されず,完了検査を経ていないにもかかわらず委託料の支出がされており,これは違法な支出である。 - 44 -第7争点(7)(Aの故意又は過失の有無)について 原告らの主張(1)本件各委託契約の締結(支出負担行為)について市長は本件各委託契約の契約担当者である。 契約担当者は,随意契約を締結する場合,競争入札の可能性の調査・検討を行う義務がある。平成5年に被告と補助参加人が本件ごみ焼却施設の運転管理業務委託契約を締結するに当たり,環境部が起案した起案書には「この条件で受託できる会社は補助参加人1社である。他社では希望するところがない」などと記載されていたが,争点(5)に関する原告らの主張において。 も述べたとおり,これは事実に反する。細渕は「他社では希望するところ,がない」との点について「どのように調べたのか」と聞きさえすればよ。 ,。 かったにもかかわらず する原告らの主張において。 も述べたとおり,これは事実に反する。細渕は「他社では希望するところ,がない」との点について「どのように調べたのか」と聞きさえすればよ。 ,。 かったにもかかわらず,これを怠った重大な過失により,補助参加人との間で随意契約を締結することとなった。 (2)支出命令について本件各委託契約においては,業務完了報告書を補助参加人が市に提出し,その検査を経て支出を行うこととなっていた。補助参加人が業務完了報告書を提出しなかったにもかかわらず,Aは,その提出を確認するといった基本的なことを怠り,重大な過失により,市長として支出命令をした。 被告の主張原告らの主張は争う。 第8争点(8)(B,C及びDの故意又は重過失の有無)について 原告らの主張(1)本件各委託契約の締結(支出負担行為)について管財課長は,市長と並び,本件各委託契約の契約担当者である。 争点(7)においてAについて主張したのと同様,C及びDは,調査・検討を怠った重大な過失により,補助参加人との間で随意契約を締結することと- 45 -なった。 また,事務規則31条,13条3項に基づき,管財課長は予定価格を定めなければならないが,C及びDは重大な過失により業界内の事情や価格を調べることを怠り,予定価格を定めずに契約締結をした。 (2)支出について本件各委託契約においては,業務完了報告書を補助参加人が市に提出し,その検査を経て支出を行うこととなっていた。補助参加人が業務完了報告書を提出しなかったにもかかわらず,収入役であったBは,委託料を支出するに当たり,その提出を確認するといった基本的なことを怠り,重大な過失により支出をした。 被告の主張原告らの主張は争う。 第9争点(9)(補助参加人の不法行為の成否及び損害額)について 原告 に当たり,その提出を確認するといった基本的なことを怠り,重大な過失により支出をした。 被告の主張原告らの主張は争う。 第9争点(9)(補助参加人の不法行為の成否及び損害額)について 原告らの主張補助参加人は,本件各委託契約につき,契約で定められた人数の人員を投入,,,することなく業務を行うなど契約に定められた業務の一部を行わずさらに業務完了報告書も提出せず,完了検査も受けないで,市に対して委託料の支払を請求してこれを受領するという不法行為をした。 被告及び補助参加人の主張原告らの主張する不法行為の成立は争う。 業務完了報告書を作成,提出せず,完了検査を受けていなかったとの原告らの主張に関しては,争点(6)に関する被告及び補助参加人の主張において主張したとおりである。 第10争点(10)(A,補助参加人,B,C及びD各人の賠償額)について 原告らの主張市に生じた損害は,違法な随意契約を締結したために委託料が過大となった- 46 -結果生じた損害と,補助参加人が契約に定められた業務の一部を行わないという不法行為をした結果生じた損害とに分かれる。 (1)違法な随意契約の締結による損害違法な随意契約の締結による損害の額は,競争入札をして契約を締結していた場合に決まったであろう委託料と,実際の委託料との差額であり,本件各委託契約のうち平成9年度から平成13年度までのものについて生じている。競争入札をした場合に想定される委託料としては,第1に,近隣の狭山市及び西多摩衛生組合における同種の契約を参考にした。この場合には別表3の1(1)の表に記載したとおりである。市長のAはこの全期間について責任を負い,管財課長であったC及びDは,それぞれの担当年度について責任を負う。その責任の重さと給与の額に応じて賠償額を割り振って算定 1(1)の表に記載したとおりである。市長のAはこの全期間について責任を負い,管財課長であったC及びDは,それぞれの担当年度について責任を負う。その責任の重さと給与の額に応じて賠償額を割り振って算定したものである。第2に,狭山市及び西多摩衛生組合における同種の契約との比較が妥当でないとしても,本件平成14年度委託契約は実質的には競争入札と同様にして委託料が決定されたから,これを参考にすることができるのであって,この場合は別表3の1(2)の表に記載したとおりである。各人についての賠償額の割り振りは同1(1)の表と同様である。 (2)補助参加人が契約に定められた業務の一部を行わなかった不法行為による損害補助参加人の不法行為による損害の額は,補助参加人が実際に行った業務に対して支払われたであろう委託料と,実際に支払われた委託料との差額である。本件ごみ焼却施設の焼却炉の稼働日数を基にこれを算出したのが別表3の2(1)の表である。このうち,補助参加人の欄の数字が損害の全体の額であるが,A及びBもこれについて賠償義務を負う。ただし,上記(1)の場合と同様,A及びBについては,その責任の重さと給与の額に応じて賠償額を割り振って算定したものである。 次に,補助参加人の負うべき賠償額について,より控えめな計算をしたも- 47 -のが別表3の2(2)の表である。この表のうち,上欄は,焼却炉の稼働日数を基に算出した損害額であり,下欄は,合計19人で勤務するといいながら実際には18人で勤務したことによる損害額である。 (本件訴えにおいてA,補助参加人,B,C及びDに対して被告が請求すべき金額として原告らが主張している金額,すなわち前記第1の「請求」欄の金,。 額は別表3の1(2)の表の金額と同2(1)の表の金額を合計したものである原告らは,この金額の範 に対して被告が請求すべき金額として原告らが主張している金額,すなわち前記第1の「請求」欄の金,。 額は別表3の1(2)の表の金額と同2(1)の表の金額を合計したものである原告らは,この金額の範囲内において請求が認容されるべきであると主張している)。 被告及び補助参加人の主張原告らの主張は争う。 第11争点(11)(補助参加人の不当利得の有無及び不当利得額)について 原告らの主張補助参加人は,本件各委託契約につき,契約に定められた業務の一部を行っていないのに,その分の対価を受領し,市の損失のもとに不当に利得した。この不当利得の金額は,争点(10)において原告らが主張した補助参加人の損害賠償額と同じである。 被告及び補助参加人の主張原告らの主張は争う。

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