令和5(わ)264 偽造通貨行使未遂(変更後の訴因 通貨偽造・同公使・同公行使未遂)

裁判年月日・裁判所
令和6年5月8日 津地方裁判所
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判決文本文1,796 文字)

主文 被告人を懲役3年に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 津地方検察庁で保管中の偽造日本銀行E券1万円札9枚(令和5年津地領第285号符号1並びに同第286号符号1、符号3、符号5、符号8及び符号13)を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和5年8月29日頃、三重県北牟婁郡(住所省略)被告人方において、行使の目的で、金額1万円の日本銀行券の表面及び裏面の画像データを携帯電話機を操作して編集し、これをカラープリンターで白紙の表裏に印刷し、さらに、これを裁断するなどして、通用する金額1万円の日本銀行券9枚を偽造した上 1 同日午後11時35分頃、(住所省略)a店交換所において、古物取引業を営むbに対し、濡れた紙幣の交換を求め、前記偽造の金額1万円の日本銀行券4枚(令和5年津地領第286号符号5)を真正なもののように装って同人に手渡して行使した 2 同日午後11時51分頃、(住所省略)c店において、同店店員dに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年津地領第286号符号8)を真正なもののように装ってレジカウンター上のコイントレイに置き、同人にこれを受け取らせて行使した 3 同月30日午後零時13分頃、津市(住所省略)e店において、同店店員fに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年津地領第286号符号1)を真正なもののように装ってレジカウンター上のコイントレイに置き、同人にこれを受け取らせて行使した 4 同日午後1時31分頃、同市(住所省略)g店において、同店店員hに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年 津地領第286号符 け取らせて行使した 4 同日午後1時31分頃、同市(住所省略)g店において、同店店員hに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年 津地領第286号符号3)を真正なもののように装って同人に手渡して行使した 5 同日午後4時3分頃、三重県度会郡(住所省略)i店において、同店店員jに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年津地領第286号符号13)を真正なもののように装ってレジカウンター上のコイントレイに置き、同人にこれを受け取らせて行使した 6 同年9月1日午前9時24分頃、津市(住所省略)k店において、同店店長lに対し、商品購入代金の支払として、前記偽造の金額1万円の日本銀行券1枚(令和5年津地領第285号符号1)を真正なもののように装ってレジカウンター上のコイントレイに置き、同人にこれを受け取らせて行使しようとしたが、同人に偽造通貨であることを見破られたため、その目的を遂げなかったものである。 (量刑の理由)偽札の行使につき、途中で思いとどまることができたにもかかわらず、数日間のうちに6回も犯行を繰り返した点は、特に非難されるべきである。他方、偽造の方法は比較的単純で、偽札の出来栄えは、一見すると真正な1万円札らしい外観ではあるが、ホログラムや透かしがなく取り立てて精巧とまではいえない。実際に店で使われており、通貨に対する社会の信頼が害されているが、偽札が全て回収され、流通していないことから、信頼を害した程度は限定的といえる。このような犯情からすると、前科のない被告人に対しては、刑の執行を猶予するのが相当である。 以上に加え、若年の被告人が、事実を認め、実際に生じた損害を弁償した上、保釈中にギャンブルを辞めて建具の仕事に就き、両親に頼 すると、前科のない被告人に対しては、刑の執行を猶予するのが相当である。 以上に加え、若年の被告人が、事実を認め、実際に生じた損害を弁償した上、保釈中にギャンブルを辞めて建具の仕事に就き、両親に頼らずに借金を返済したい旨を述べるなど、反省して更生の意欲が見られること、同居の両親や職場の親族らによる監督やサポートが期待でき、更生に向けた環境がそれなりに整っていることも踏まえ、主文の刑期及び猶予期間を定めた。 (求刑懲役3年、主文掲記の没収) 令和6年5月8日 津地方裁判所刑事部裁判長裁判官西前征志 裁判官湯川亮 裁判官髙島菜緒

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