昭和47(う)2832 食糧管理法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和48年5月17日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。          理    由  本件控訴の趣意は弁護人樋渡洋三提出の控訴趣意書に記載されたとお

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判決文本文2,020 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 本件控訴の趣意は弁護人樋渡洋三提出の控訴趣意書に記載されたとおりであるからここにこれを引用する。 控訴趣意第一点について。 所論は、本件のうるち玄米は、食糧管理法の施行に関する件(昭和二二年一二月三〇日農林省告示第一九六号)三の(四)の統制外玄米である特定低品位米であるのに、原判決が本件のうるち玄米は未検査米であつたから、右告示三の(四)の例外規定の適用はないとして、右玄米が特定低品位米に当らないものとしたのは判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認をしたものであるというのである。 よつて検討してみるのに、右告示三の(四)の規定は、米穀類の購入券による売買に関する規定である食糧管理法八条の四についての例外を規定したものであるばかりではなく、くず米又は砕米の売渡し又は買受けがその例外に当るとはしているが、所論の特定低品位米が右例外に当るとはしていないのである。 しかしながら、食糧管理法九条、同法施行令七条、同法施行規則四〇条等の主要食糧の流通統制規定の例外として、前記告示九の二の(六)は、くず米、砕米又は特定低品位米を買い受ける場合を右の例外に当るとしている。 さて特定低品位米とは前記告示五の二の(三)によると、「農産物規格規程に規定する規程外の品位に格付された玄米(くず米又は砕米に該当するものを除く。)であつて、生産者が政府以外の者に売り渡すことにつき食糧事務所長の承認を受けたものをいう」とされている。そして米麦の生産者はその生産した米麦を売り渡す場合には先ず国の検査を受けなければならない(農産物検査法三条)のであつて、農産物検査官が右の検査を実施し、品位の格付を行いその結果を農産物の包装又は票 して米麦の生産者はその生産した米麦を売り渡す場合には先ず国の検査を受けなければならない(農産物検査法三条)のであつて、農産物検査官が右の検査を実施し、品位の格付を行いその結果を農産物の包装又は票せんに表示することになつており(同法一六条)、従つて特定低品位米であることは、国の検査による品位の格付け等があつてはじめて決定されるのであつて、未検査米は右の格付けがなされていないわけである。 本件うるち玄米が未検査米であることは、原判決挙示の証拠、当審の事実取調の結果によつて明らかであるから、原判決が被告人の本件玄米の買受け行為には所論のような特定低品位米の買受け行為等の法定の除外事由がないとしたのは正当である。所論は理由がない。 控訴趣意第二点について。 所論は要するに、現今、自由米流通は商業組織化され、配給米流通と融和して定着し、生産者および消費者の利益のために有機的に機能して社会的に正当行為として是認されているのに、原判決はこの自由米流通の実態と機能を誤認し、ひいて自由米流通の一環としてなされた被告人の本件所為に刑法三五条を適用しなかつた違法があるというのである。 <要旨>よつて、按ずるに、国による食糧の管理は、農家経済と消費者の家計に及ぼす影響の大きい国民経済上の重</要旨>要問題であるが、米穀の不足時代によくその機能を発揮した食糧管理制度も米穀の過剰時代を迎え、政府管理米のほかに自主流通米制度が認められたが、しかもなお余り米が生ずるなどの欠陥も露呈するに至つていることは公知の事実であり、ここにおいて現行の食糧管理制度について関係機関が種々の角度から検討中であるが未だ根本的な変革を加える段階に至らず食糧管理法規が厳存している以上、いわゆる自由米流通が所論のごとく商業組織化されているとしても、米穀の流通統制についての関係食糧管理法 種々の角度から検討中であるが未だ根本的な変革を加える段階に至らず食糧管理法規が厳存している以上、いわゆる自由米流通が所論のごとく商業組織化されているとしても、米穀の流通統制についての関係食糧管理法規が被告人の本件所為の如きはこれを違法としていること前段説示のとおりであるから、これを社会的に是認された正当行為であるとする所論は採用できない。原判決のこの点の判断も正当であつて、所論のような誤りはない。所論は理由がない。 控訴趣意第三点について。 量刑不当の所論であるが、記録、原審の取り調べた各証拠、当審の事実取調の結果によつて認められる本件犯行の経緯、動機、態様、罪質、被告人の年令、経歴等、とくに被告人は米穀業界においてA協同組合理事長の職にあつたこともある業歴を有していること等諸般の情状を検討すると、原判決の量刑は相当で、過重・不当とはいえない。所論は理由がない。 よつて、刑訴法三九六条により本件控訴を棄却し、当審における訴訟費用は刑訴法一八一条一項本文によりその全部を被告人の負担とし、主文のとおり判決する。 (裁判長判事田原義衛判事吉澤潤三判事中村憲一郎)

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