平成18(行ウ)13 ごみ処理計画差止請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年12月16日 岐阜地方裁判所 棄却
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判決文本文8,947 文字)

- 1 -平成21年12月16日判決言渡平成18年(行ウ)第13号山県市ごみ処理計画差止請求事件口頭弁論終結日平成21年11月18日主文 本件訴えのうち,「被告は,Aに対し,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の当該各行為に起因する支出相当額を支払うよう請求せよ。」,「被告は,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の当該意思決定をした職員に対し,当該行為に起因する支出相当額の賠償命令をせよ。」,「被告は,単独処理計画であるがゆえに起債が許可されなかった場合に,Aに対し,それに対応する市の単独支出の増加分相当額(現時点では算定不能)を支払うよう請求せよ。」との部分を却下する。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告は,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,公金を支出し,契約を締結もしくは履行し,債務その他の義務を負担し,又は起債手続を行ってはならない。 被告は,Aに対し,3538万6750円を支払うよう請求せよ。 被告は,Bに対し,567万5250円の賠償命令をせよ。 被告は,Cに対し,195万8250円の賠償命令をせよ。 被告は,Dに対し,1042万2000円の賠償命令をせよ。 被告は,Eに対し,1386万円の賠償命令をせよ。 被告は,Fに対し,2300万6500円の賠償命令をせよ。 - 2 - 被告は,Aに対し,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の当該各行為に起因する支出相当額を支払うよう請求せよ。 被告は,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の ・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の当該各行為に起因する支出相当額を支払うよう請求せよ。 被告は,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関して,1項の各行為がなされた場合の当該意思決定をした職員に対し,当該行為に起因する支出相当額の賠償命令をせよ。 被告は,単独処理計画であるがゆえに起債が許可されなかった場合に,Aに対し,それに対応する市の単独支出の増加分相当額(現時点では算定不能)を支払うよう請求せよ。 第2事案の概要本件は,山県市民である原告が被告に対し,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業に関する支出が違法であるなどとして,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,公金の支出等の差止め,同項4号本文に基づき,山県市長に対する損害賠償の請求及び山県市の職員に対する同法243条の2第1項の賠償命令を求めた事案である。 前提事実(1)原告及び選定者らは,いずれも各肩書住所地に居住する山県市民である。 被告は,山県市の執行機関である。 A(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「A」という。)は,平成15年度ないし平成19年度の山県市長であった。 C(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「C」という。)は,平成15年度及び同16年度の山県市の環境衛生課長(以下「事業担当課長」という。)であった。 E(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「E」という。)は,平成17年度ないし同19年度の山県市助役(平成19年度- 3 -に,役職名が「副市長」に変更されている。)であった。 B(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「B」という。)は,平成16年度ないし同17年度の山県市市民部長で,同18年度に山県市市民環境部長であった。 D(住 ている。)であった。 B(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「B」という。)は,平成16年度ないし同17年度の山県市市民部長で,同18年度に山県市市民環境部長であった。 D(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「D」という。)は,平成17年度及び同18年度の山県市事業担当課長であった。 F(住居所岐阜県山県市高木1000番地1山県市役所。以下「F」という。)は,平成19年度,同職にあった。 (2)山県市ごみ処理計画の経緯及び概要ア山県市(山県郡高富町,同美山町及び同伊自良村が平成15年4月1日に合併して成立した。以下,合併の前後を通じて「山県市」という。)は,山県郡環境衛生施設組合を設立し,山県郡環境保全センタ-ごみ焼却施設でごみ処理を行ってきたが,平成11年ころ,ダイオキシン類防止特別措置法等による平成14年12月からの新たな規制への対応するため,同施設の改善が必要となっていた。 イ山県市は,岐阜県が平成11年3月に策定した岐阜県ごみ処理広域化計画に従い,将来的には,岐阜市とともに広域的なごみ処理を行おうと計画していたため,山県郡環境保全センタ-ごみ焼却施設の改造を行わず,平成14年12月以降は,岐阜市にごみ処理を委託する方法で上記規制に対応することとした。 ウ山県市,岐阜市及び山県郡環境衛生施設組合は,平成12年11月22日,岐阜市へのごみ処理委託についての合意書(以下「本件合意書」という。)を取り交わし,次の基本的事項について合意した(甲14)。 ①山県市及び山県郡環境衛生施設組合から排出される可燃ごみは,岐阜県ごみ処理広域化計画に基づき,岐阜市,山県市及び山県郡環境衛生施設組合の議会の承認を得て,岐阜市が受諾し,岐阜市の所有するNプラ- 4 -ントにおいて焼却するものとする。( れる可燃ごみは,岐阜県ごみ処理広域化計画に基づき,岐阜市,山県市及び山県郡環境衛生施設組合の議会の承認を得て,岐阜市が受諾し,岐阜市の所有するNプラ- 4 -ントにおいて焼却するものとする。(1項)②岐阜市,山県市及び山県郡環境衛生施設組合は,将来予想されるNプラントの更新及びそれに伴う最終処分場の確保について,候補地の選定,施設の建設計画及び運営計画の構築,建設費用及び運営費用の負担をする等の協力をするものとする。(3項)③本合意書に定める事業の実現について,岐阜市,山県市及び山県郡環境衛生施設組合相互に協力し推進するものとする。(4項)エ山県市及び岐阜市は,本件合意書に基づく岐阜市へのごみ処理委託に関し,その具体的事項について定めた協議書を平成14年12月までに取り交わした。上記協議書において,岐阜市へのごみ処理委託期限は,平成22年3月31日とされた。 オ山県市は,平成15年8月ころ,岐阜市から,上記エの期限後である平成22年4月以降のごみ処理の方針についての回答を求められ,検討していたが,平成22年3月までにごみ処理施設を山県市単独で整備することとし,平成15年12月22日,岐阜市長に対してその旨回答し,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)6条1項,2項5号に基づき,山県市クリ-ンセンタ-整備・運営・維持事業計画(以下「本件単独事業計画」という。)を策定した。 (3)監査請求ア原告及び選定者らは,平成15年3月10日,地方自治法242条1項に基づき,山県市監査委員に対し,次の措置を講ずるよう請求した(甲1の1・2)。 (ア)単独計画にかかる具体的な直近の支出に関する措置a環境アセスメント事業費619万5000円を支出してはならない。 b山県市クリ-ンセンタ-整備計画仕様書 よう請求した(甲1の1・2)。 (ア)単独計画にかかる具体的な直近の支出に関する措置a環境アセスメント事業費619万5000円を支出してはならない。 b山県市クリ-ンセンタ-整備計画仕様書作成業務委託料2980万- 5 -円を支出してはならない。 (イ)将来の事業費の差止めの措置a本件単独事業計画にかかる施設建設費は20億円を超えて支出してはならない。 b本件単独事業計画にかかる20年間の維持費は29億円を超えて支出してはならない。 (ウ)財源における山県市の不利益にかかる損害の回復の措置a合併特例債が許可されなかった場合には,それに対応する山県市の単独支出額の増加分は,本件単独事業計画の意思決定に関与した職員らが山県市に賠償すべきこと。 b本件単独事業計画により交付金が得られなかった場合には,それに対応する山県市の単独支出額の増加分は,本件単独事業計画の意思決定に関与した職員らが山県市に賠償すべきこと。 (エ)支出が強行された場合の損害の回復の措置a上記(ア)a及びbについては,実際の支出額につき,職員らが連帯して山県市に賠償すべきこと。 b上記(イ)aについては,20億円を超えた支出額につき,職員らが連帯して山県市に賠償すべきこと。 c上記(イ)bについては,29億円を超えた支出額につき,職員らが連帯して山県市に賠償すべきこと。 イ同監査委員は,同年5月8日,本件単独事業計画にかかる将来の事業費を差し止める必要はなく,また,職員の山県市への賠償責任は認められないとして,上記監査請求を棄却した(甲2)。 (4)公金の支出アBが,平成16年度の本件単独事業計画に関し,財産処分承認申請書作成業務及び一般廃棄物処理基本計画策定業務につき81万3750円及び- 6 -114万4500円の支出負担行為の専 公金の支出アBが,平成16年度の本件単独事業計画に関し,財産処分承認申請書作成業務及び一般廃棄物処理基本計画策定業務につき81万3750円及び- 6 -114万4500円の支出負担行為の専決をし,Cが支出命令を専決し,同金額が支出された。 イBが,平成17年度の本件単独事業計画に関し,循環型社会形成推進地域計画策定業務及び山県市クリ-ンセンタ-汚染状況事前調査につき105万円及び151万2000円の支出負担行為の専決をし,Dが支出命令を専決し,同金額が支出された。 ウEが,平成17年度の本件単独事業計画に関し,山県市ごみ処理施設生活環境影響調査業務につき619万5000円の支出負担行為(但し,平成17年度及び同18年度2か年分の債務負担行為)の専決をし,Dが支出命令を専決し,同金額が支出された。 エBが,平成18年度の本件単独事業計画に関し,ごみ処理施設機種選定調査業務につき115万5000円の支出負担行為の専決をし,Dが支出命令を専決し,同金額が支出された。 オAが,平成18年度の本件単独事業計画に関し,山県市クリ-ンセンタ-整備計画見積発注仕様書作成業務につき1522万5000円の支出負担行為をし,Fが支出命令を専決し,同金額が支出された。 カEが,平成18年度の本件単独事業計画に関し,ダイオキシン類等調査検討業務につき451万5000円の支出負担行為の専決をし,Fが支出命令を専決し,同金額が支出された。 キDが,平成18年度の本件単独事業計画に関し,ごみ処理施設機種選定委員会委員謝礼(第1回ないし第4回分)につき合計51万円の支出負担行為の専決をし,Dが支出命令を専決し,同金額が支出された。 クEが,平成19年度の本件単独事業計画に関し,クリ-ンセンタ-工事発注仕様書作成業務につき315万円の支出負担行為の専決 万円の支出負担行為の専決をし,Dが支出命令を専決し,同金額が支出された。 クEが,平成19年度の本件単独事業計画に関し,クリ-ンセンタ-工事発注仕様書作成業務につき315万円の支出負担行為の専決をし,Fが支出命令を専決し,同金額が支出された。 ケFが,平成19年度の本件単独事業計画に関し,ごみ処理施設機種選定- 7 -委員会委員謝礼(第5回分)につき11万6500円の支出負担行為の専決をし,Fが支出命令を専決し,同金額が支出された。 コ山県市長Aは,平成19年9月7日,K株式会社岐阜事務所との間で,山県市クリ-ンセンタ-工事施工監理委託業務を目的とした委託業務契約を7560万円で締結した。 カ山県市長Aは,平成19年10月25日,山県市クリ-ンセンタ-建設工事の入札を執行し,翌11月1日,L株式会社O支社との間で,次のとおりの内容で,(仮称)山県市新クリ-ンセンタ-建設工事を目的とした請負仮契約を締結した。 (ア)工期契約確定の翌日ないし平成22年3月10日(イ)請負代金額37億6603万5000円(ウ)契約保証金3億7660万3500円(エ)上記工事について,地方自治法96条1項5号による山県市議会の議決のあったときは,請負契約を締結する。 争点及び争点についての当事者の主張別紙のとおり第3当裁判所の判断(請求の趣旨8ないし10項について)請求の趣旨8ないし10項にかかる訴えは,当該職員及び当該職員に損害賠償を求める金額自体が特定されていないから,不適法というべきである。 (請求の趣旨1ないし7項について) 山県市ごみ処理計画の経緯について証拠(甲5ないし33,46の1~3,乙1)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)環境庁が平成9年1月に「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止 山県市ごみ処理計画の経緯について証拠(甲5ないし33,46の1~3,乙1)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)環境庁が平成9年1月に「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」を示したことにより,岐阜市と山県市は,平成9年度から,広- 8 -域行政にかかる懇談会を行い,岐阜市・山県郡広域行政推進研究会を発足させ,平成10年度に,岐阜市・山県郡ごみ処理部会を設置した。 当時,山県市の焼却施設は,環境庁の提示した「健康リスク評価指針値」を大幅に超えており,平成14年12月までには,この指針値をクリアーする必要があった。また,岐阜市と山県市は,小規模な間欠運転炉を集約化し,全連続炉化をする必要があり,ごみ処理につき市町村を越えた広域処理をすることが望まれた。 山県市は,平成11年2月19日に岐阜市長に対し,山県市のごみ焼却について協力要請を行った。 岐阜市と山県市は,同年3月23日に第1回廃棄物処理部会を行った(甲17)。 岐阜市と山県市は,廃棄物処理部会やごみ処理広域化計画推進会議などの会議を行い,その中で,岐阜市の担当者は「Nプラントの地元との関係が非常に難しく,山県市のごみ搬入の同意が取れていない。」などと述べていた。しかし,岐阜市と山県市は,平成12年11月22日には本件基本合意書を取り交わすに至った。 岐阜市と山県市は,本件合意書に基づく岐阜市へのごみ処理委託に関し,その具体的事項について定めた協議書を平成14年12月までに取り交わした。上記協議書において,山県市の岐阜市へのごみ処理委託期限は,平成22年3月31日とされた。 (2)岐阜市と山県市は,平成13年度以降も廃棄物処理部会を開催したが,岐阜県が平成11年3月に岐阜県ごみ処理広域化計画を策定していたこともあって,岐阜県の岐阜地域振興局 2年3月31日とされた。 (2)岐阜市と山県市は,平成13年度以降も廃棄物処理部会を開催したが,岐阜県が平成11年3月に岐阜県ごみ処理広域化計画を策定していたこともあって,岐阜県の岐阜地域振興局(現岐阜振興局)環境課の担当者も出席することがあった。 岐阜市と山県市は,平成14年7月に廃棄物処理部会を開催した。その際,では,岐阜市担当者は,「Nプラントの稼動が平成22年3月までであ- 9 -り,更新は困難な状況で,岐阜県ごみ処理広域化計画に原点を置き,ごみ焼却施設及び最終処分場の確保について双方で協議していく必要がある。岐阜市・山県市のごみ処理広域化にかかる覚書を締結したい。」旨述べた。 岐阜市と山県市は,平成15年5月に岐阜市・山県市ごみ処理委託連絡会議を開催した。その際,岐阜市の担当者は,「Nプラントの耐用年数は30年で平成22年3月末がその最終年である。Nプラントの地元住民には,平成22年4月以降の話がしていない。平成15年度中に,新たなごみ焼却施設の方向を決めたい。本件基本合意書に基づき「焼却炉」と「最終処分場」の持分はフィフティ・フィフティでいかなければならない。」と述べた。当時,岐阜市は,既に「最終処分場」の整備計画を進めていたことから,岐阜市担当者の同発言は,山県市に焼却炉を建設することを前提とするものであった。 山県市長Aは,山県市の4倍以上のゴミを排出する岐阜市のごみを受け入れることは山県市住民の理解を得ることが困難であると考え,平成15年12月に山県市のごみ焼却処理を山県市単独で行うこと(本件単独事業計画)を決定し,平成16年12月の山県市議会全員協議会において平成22年4月以降の山県市のごみ焼却処理を山県市単独で行うことの承諾を得た上で,同月22日に岐阜市長に山県市のごみ焼却処理を山県市単独で行う旨文書で通知 16年12月の山県市議会全員協議会において平成22年4月以降の山県市のごみ焼却処理を山県市単独で行うことの承諾を得た上で,同月22日に岐阜市長に山県市のごみ焼却処理を山県市単独で行う旨文書で通知した。 山県市長Aは,平成17年5月に,岐阜市長に対し,広域処理はできない旨通知した。 岐阜市の担当者は,同年9月に岐阜市議会で,山県市との広域処理はしない旨説明した。 岐阜県と山県市は,同年11月17日,山県市のごみ焼却施殼建設計画についての協議を行った。その際,岐阜県の担当者は,「県ごみ処理広域化計画に従い,山県市が岐阜市と広域処理を行うことがよいと考えている。広域- 10 -処理の可能性について検討し,やむを得なく山県市が単独処理を行う場合は,その理由について,岐阜市と協議する必要がある。」と述べた(甲5)。 岐阜県,環境省中部地方環境事務所と山県市は,平成18年2月15日,山県市のごみ焼却施殼建設計画についての協議を行った。その際,環境省中部地方環境事務所の担当者は,「小規模な施設は建設コストばかりか,ランニングコストもかかり,公費の不効率な投入となる。環境省は,県のごみ処理広域化計画等に基づくごみ処理の広域化を要請してきており,特例を安易に認めることは,補助を行っている本来の主旨に沿わないと考える。」と述べた(甲7)。 岐阜県と環境省中部地方環境事務所は,平成18年2月22日,山県市のごみ焼却施殼建設計画についての協議を行った。その際,環境省中部地方環境事務所の担当者は,岐阜県の担当者に対し,「環境省としては,県のごみ処理広域化計画に沿った形で広域化施設に交付金を投入したいと考えており,岐阜市との広域処理を行うべきではないかと考えている。」との指示をした(甲8,10)。 岐阜県,岐阜市と山県市は,平成18年3月1日,山県市のごみ焼 た形で広域化施設に交付金を投入したいと考えており,岐阜市との広域処理を行うべきではないかと考えている。」との指示をした(甲8,10)。 岐阜県,岐阜市と山県市は,平成18年3月1日,山県市のごみ焼却施殼建設計画についての協議を行った。その際,岐阜県の担当者は,岐阜市と山県市の担当者に環境省中部地方環境事務所からの上記指示事項を伝えた(甲10)。 しかし,岐阜市と山県市は,広域処理はしないとの決定を変えることはなく,山県市は,本件単独事業計画を遂行することとなった。 そこで,争点1につき検討する。 上記1の認定事実からすると,岐阜市と山県市のごみ処理広域化に関する協議がごみ焼却炉の建設地をめぐって決裂したために,山県市が本件単独事業計画を遂行することとなったことが認められる。 - 11 -そうとすると,山県市が本件単独事業計画を遂行することが,廃掃法5条の2,5条の5,6条3項で定められた計画に反するものであったとしても,それが直ちに同法に反するものであるとは解されない。もともと,山県市が単独でごみ処理広域化をすることができないものである上に,ごみ処理広域化の協議が成立しなかったのが全く山県市の事情によるものであるとも言い難いことからすると,山県市においてごみ処理広域化の計画が実現できなかったこともやむを得ないというべきである。 また,山県市が岐阜市からごみ処理施設の提供を求められたために本件単独事業計画を遂行するに至ったことが直ちに信義則に反するとも解されない。 さらに,山県市が本件単独事業計画を遂行することにより,合併特例債と起債が許可されず,また,広域処理に比べ本件単独事業計画に多額の経費を要することになったとしても,岐阜市とのごみ処理広域化に関する協議が決裂した以上,それが地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反するとは解 れず,また,広域処理に比べ本件単独事業計画に多額の経費を要することになったとしても,岐阜市とのごみ処理広域化に関する協議が決裂した以上,それが地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反するとは解されない。 山県市が,財政が逼迫している中で本件単独事業計画を遂行したものであるとしても,本件単独事業計画が遂行されないままにごみ処理施設整備が遅滞すると市民生活に大きな支障が出ると予想されることからすると,それが地方財政法3条2項に違反するとは解されない。 山県市が本件単独事業計画を遂行することが地方自治法148条,149条,154条に違反するとも解されない。 したがって,山県市が本件単独事業計画の遂行に関し,公金を支出することが違法であるとは認められない。 (結論)以上によれば,本件訴えのうち請求の趣旨8ないし10項はこれを却下し,その余の請求はこれを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 - 12 -岐阜地方裁判所民事第2部裁判長裁判官内田計一裁判官永山倫代裁判官山本菜有子

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