平成14年(行ケ)第59号特許取消決定取消請求事件(平成14年6月3日口頭弁論終結)判決原告松下電器産業株式会社訴訟代理人弁理士坂口智康同藤井兼太郎被告特許庁長官及川耕造指定代理人藤井俊明同藤井昇同簔輪安夫同高木進同山口由木同宮川久成 主文 特許庁が異議2001-70436号事件について平成13年12月11日にした決定を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告主文と同旨 2 被告原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 当事者間に争いのない事実等 1 特許庁における手続の経緯(1) 原告は、名称を「セラミック配線基板の製造方法」とする特許第3074728号発明(平成2年11月26日特許出願、平成12年6月9日設定登録、以下「本件発明」といい、この特許を「本件特許」という。)の特許権者である。 その後、本件特許につき特許異議の申立てがされ、同申立ては、異議2001-70436号事件として特許庁に係属したところ、原告は、平成13年9月7日、明細書の特許請求の範囲の記載を訂正する旨の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)をした。 同申立ては、異議2001-70436号事件として特許庁に係属したところ、原告は、平成13年9月7日、明細書の特許請求の範囲の記載を訂正する旨の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)をした。 特許庁は、同特許異議事件について審理した上、平成13年12月11日、「訂正を認める。特許第3074728号の請求項1及び請求項2に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、平成14年1月7日、原告に送達された。 (2) 原告は、本件決定の取消しを求める本訴提起後の平成14年2月5日、本件明細書の特許請求の範囲の記載を訂正する旨の訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2002-39030号事件として審理した上、同年3月18日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし、本件訂正審決は、同月28日、確定した。 2 特許請求の範囲の記載(1) 設定登録時の特許請求の範囲の記載【請求項1】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記ビア導体の乾燥を行った後に、前記フィルムをグリーンシートより剥離し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフエニレンサルファイドフイルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を ことを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記ビア導体の乾燥を行った後、グリーンシート面上に所定の配線パターンを形成し、その形成した配線パターンを乾燥し、然る後に前記フィルムを剥離したグリーンシートを積層し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 (2) 本件訂正請求に係る訂正後の特許請求の範囲の記載(注、訂正部分を下線で示す。)【請求項1】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記フィルムを貼り付けたまま前記ビア導体の乾燥を行った後に、前記フィルムをグリーンシートより剥離し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記フィルムを貼り付けたま 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記フィルムを貼り付けたまま前記ビア導体の乾燥を行った後に、グリーンシート面上に所定の配線パターンを形成し、前記フィルムを貼り付けたままその形成した配線パターンを乾燥し、然る後に前記フィルムを剥離したグリーンシートを積層し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 (3) 本件訂正審決に係る訂正後の特許請求の範囲の記載(注、訂正部分を下線で示す。なお、二重下線部分は、上記(2)との相違部分である。)【請求項1】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記フィルムを貼り付けたまま前記ビア導体の乾燥を行った後に、前記フィルムをグリーンシートより剥離し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体 かよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 【請求項2】表面にフィルムが配置されたグリーンシートを、前記フィルム側よりレーザー光を用いてビア孔を形成し、そのフィルム側よりビア導体を前記ビア孔に充填し、充填後に前記フィルムを貼り付けたまま前記ビア導体の乾燥を行った後に、グリーンシート面上に所定の配線パターンを形成し、前記フィルムを貼り付けたままその形成した配線パターンを乾燥し、然る後に前記フィルムを剥離したグリーンシートを積層し、焼成するようにしたセラミック配線基板の製造方法であって、前記フィルムは、100℃以上の熱処理を施した低収縮PETフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムのいずれかよりなることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 3 本件決定の理由本件決定は、本件訂正請求に係る訂正を認めた上、本件発明の要旨を同訂正後の特許請求の範囲の記載(上記2(2))のとおり認定し、本件発明は、特開昭64-9691号公報、特開昭61-270896号公報、特開平2-6126号公報及び特開平2-123138号公報に記載された各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであって、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)4条2項の規定により取り消されるべきものであるとした。 第3 当事者の主張 1 原告本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正請求に係る訂正後の特許請求の範囲の記載(上記第2の2(2))のとおり認定した点は、 より取り消されるべきものであるとした。 第3 当事者の主張 1 原告本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正請求に係る訂正後の特許請求の範囲の記載(上記第2の2(2))のとおり認定した点は、本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記第2の2(3)のとおり訂正されたため、誤りに帰したことになる。そして、この瑕疵は本件決定の結論に影響を及ぼすものであるから、本件決定は違法として取り消されるべきである。 2 被告本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは認める。 第4 当裁判所の判断本件訂正審決の確定により、特許請求の範囲の記載が上記第2の2(3)のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって、特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると、本件決定が、本件発明の要旨を、本件訂正請求に係る訂正後の特許請求の範囲の記載(上記第2の2(2))のとおり認定したことは、結果的に誤りであったことに帰し、これが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件決定は、瑕疵があるものとして取消しを免れない。 よって、原告の請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第13民事部裁判長裁判官篠原勝美裁判官岡本岳裁判官宮坂昌利 宮坂昌利
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