平成18(行ク)183等 訴訟参加申立事件(本案・当庁平成18年(行ウ)第212号 年金規約変更不承認処分取消請求事件)

裁判年月日・裁判所
平成18年10月23日 東京地方裁判所 その他
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判決文本文2,541 文字)

主文 申立人らの行政事件訴訟法22条1項に基づく参加申立てを許可する。 理由 第1申立ての理由及び相手方の参加についての意見の要旨申立人らの本件申立ての理由の要旨は、本案原告ら(以下「原告ら」という。)がした確定給付企業年金法6条による規約型確定給付企業年金の規約変更承認申請(以下「本件申請」という。)に対し、厚生労働大臣がこれを承認しない旨の処分(以下「本件不承認処分」という。)をしたところ、原告らは、本件不承認処分の取消しを求める本案訴訟(平成18年(行ウ)第212号)を提起したものであるが、申立人らとしては、本案訴訟事件について本件不承認処分の取消判決がなされると権利を害されることとなるので、行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)22条1項により訴訟参加を申し立てるというものである。 これに対して、当裁判所が、行訴法22条2項により当事者の意見を聞いたところ、本案被告(以下「被告」という。)は特段の意見がない旨述べたが、原告らは、「申立人らは訴訟の結果により権利を害される第三者に当たらない。」と主張している。 第2当裁判所の判断 本案訴訟の概要本件の本案訴訟は、Aグループ企業の原告らが、本件申請を行ったところ、厚生労働大臣が、本件申請は、加入者等の確定給付企業年金の額を減額することを内容とする規約の変更に当たるとした上で(同法施行令4条2号)、同法施行規則5条2号及び3号に定める給付減額の理由のいずれにも該当しないことを理由に本件不承認処分をしたことから、同処分を不服として、その取消しを求めた事案である。 当事者等 (1)申立人らは、原告らの規約型確定給付企業年金の受給者及び受給を据え置いている受給権者である。 (2)原告らは、確定給付企業年金法による規約型確定給付企業年金の事業者である。 申立 (1)申立人らは、原告らの規約型確定給付企業年金の受給者及び受給を据え置いている受給権者である。 (2)原告らは、確定給付企業年金法による規約型確定給付企業年金の事業者である。 申立人らが行訴法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」に当たるか行訴法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」とは、取消判決の結果、その効力によって権利を害される第三者をいうところ、この第三者には、取消判決の形成力によって直接権利を侵害される第三者ばかりではなく、取消判決の拘束力(行訴法33条)を通じて権利を害される第三者も含まれるものと解するのが相当である(最高裁平成8年11月1日第3小法廷決定・判例時報1590号144頁参照、東京高裁平成8年3月25日決定・判例時報1566号132頁参照)。 これを本件についてみるに、本件の本案訴訟において、本件不承認処分が取り消されたとしても、これ自体によっては、申立人らには何らの権利義務の変動も生じないから、申立人らは、取消判決の形成力によって直接その権利を害されることにはならない。しかし、当該取消判決が確定した場合、厚生労働大臣は、本件申請について改めて判断することになるが(以下、これを「第2次処分」という。)、その際には、取消判決の拘束力が働く結果、本件申請を承認する処分をする可能性は、相当高いことが認められる。そして、確定給付企業年金法6条の承認を講学上の認可と解し、それを得て初めて確定給付企業年金額変更の私法上の効力を生ずるとすると、第2次処分により、直接申立人らの受給権が減額され、権利を害される関係にあるということができる(なお、同条の承認を講学上の許可と解したとしても、承認を欠く規約変更は私法上も違法無効であると解する余地があり得ることからすれば、やはり、取 権が減額され、権利を害される関係にあるということができる(なお、同条の承認を講学上の許可と解したとしても、承認を欠く規約変更は私法上も違法無効であると解する余地があり得ることからすれば、やはり、取消判決の拘束力と申立人らの権利侵害との間には直接的な関係があるものというべきで ある。)。また、実質的にみても、申立人らは、第2次処分の取消訴訟において、厚生労働大臣が取消判決の拘束力にしたがって第2次処分をした場合には、これを違法ということはできないと解されるから(最高裁平成4年4月28日第3小法廷判決・民集46巻4号245頁参照)、本案訴訟において申立人らに行訴法22条による参加を認めて、共同訴訟的補助参加の地位を与える必要性があることも否定し難いところである。 相手方(原告ら)は、本件不承認処分が取り消され、厚生労働大臣が第2次処分をする場合でも、当該取消判決の拘束力に従って法律上当然に承認処分を行うことになるのではなく、第2次処分時を判断基準時として新たな処分を行うのであるから、申立人らは取消判決の拘束力を通じて権利を害される第三者に当たらないし、第2次処分の取消訴訟においては、取消判決の拘束力にかかわらず、第2次処分の違法を主張することができる旨主張する。しかし、拘束力の制度が、このような基準時の違いを前提としてもなお意義のあるものとして設けられていることは明らかなのであるから、大きな事情変更が予想される特段の事情が存する場合はともかくとしても、そのような事情のいかんにかかわらず、処分の判断基準時が異なることを理由に取消判決の拘束力を否定することは、およそ拘束力という概念を否定するものであり、失当というほかない。 したがって、申立人らは、行訴法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」に当たると認めるのが相当である。 することは、およそ拘束力という概念を否定するものであり、失当というほかない。したがって、申立人らは、行訴法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」に当たると認めるのが相当である。 第3 結論 よって、申立人らの行訴法22条に基づく参加の申出を許可することとし、主文のとおり決定する。 平成18年10月23日 東京地方裁判所民事第3部 鶴岡稔彦裁判長 裁判官古田孝夫 裁判官潮海二郎

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