昭和33(オ)717 建物収去土地明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和35年3月8日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人国原賢徳の上告理由第一点について。  論旨は、上告人が本件土地をその

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判決文本文1,851 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人国原賢徳の上告理由第一点について。 論旨は、上告人が本件土地をその上に建物を所有することによつて占有して居るのであるから、その権原として、上告人に使用貸借上の権利あることを推定すべきものなるにも拘らず、原判決がその占有を不法であるとしたのは、民法一八八条の解釈を誤り、大審院判例に背き、違法であると主張する。 しかし、土地をその上に建物を所有して占有する者は、使用権を取得した法律上の原因の存在したことについても、推定を受け得られるものではない。したがつて使用貸借を原因とする使用権を主張して土地を占有する者から、その占有権原を争う者に対しては、使用貸借を原因とする使用権取得の推定を、主張し得ないものと解すべきである。この場合には一般原則にしたがつて、その権原存在の挙証責任を定むべきものであるから、本件土地につき使用貸借の成立したとの事実を主張する上告人において、これを立証すべき義務があるとせねばならない。論旨引用の判例は、本件につきこれを先例となし得ない。(大審院昭和四年(オ)第六五五号、同年一一月一八日民一部判決、大審院昭和五年(オ)第三二三八号、同六年五月三〇日民四部判決参照)而して原審は、本件土地につき上告人を借主とする使用貸借が成立したとの事実に対しては、立証がないと判断したのであるから、上告人の所論抗弁を排斥した原判決に所論の違法はない。 更に論旨は、上告人は本件土地の単なる使用貸借を主張したのに止まつて、その当事者、始期、期間、内容を特定しなかつたにも拘らず、原審は、上告人がこれを特定したものゝ如く錯誤して判断したのは、違法であると主張する。 - 1 -しかし、所論の如く主張することは、使用貸借 の当事者、始期、期間、内容を特定しなかつたにも拘らず、原審は、上告人がこれを特定したものゝ如く錯誤して判断したのは、違法であると主張する。 - 1 -しかし、所論の如く主張することは、使用貸借の主体その他所論事項のないことを自認すると異る所がないのであり、かゝる具体性のない無内容な法律関係を主張すること自体、無意味であつて、採るに足らない。 自余の論旨は、原判示に即しない独自の見解によつて原審の判断を非難するか或は原審の適法なる証拠判断、事実認定を非難するに外ならない。 論旨はすべて、理由がない。 同第二点について。 論旨は、縷々述べて居るけれども、その中、原判決に民法一八八条の解釈を誤り、同条に関する判例を看過した違法があるとする主張の理由ないことは、既に説明したる所により諒解すべきである。次に、原判決が第一審判決の判断を引用すると説明しながら、両者の判断が矛盾するから、原判決に理由齟齬の違法があるとの主張は、原判決を正解せぬ所から出て居る。両者は、所論の点につき何れも、上告人に本件土地の賃借権がないと、一致して判断して居るのであるから、その主張の理由ないこと明かである。更に、原審の証拠判断、事実認定に、実験則違背、理由齟齬のあることを前提として、原判決に違憲があるとする主張は、原審挙示の証拠による原判決の事実認定は相当であつて、所論の違法を認められないから、違憲の主張は、その前提をかくのであつて、採用の限りでない。自余の主張は、法令違背にも触れる所があるが、その実質において、原審の適法なる証拠の取捨判断を非難することの外に出ない。 論旨は、すべて理由がない。 同第三点について。 論旨は、被上告人等に権利の濫用があることを前提として、原判決の違憲を主張する。 しかし、かゝる権利濫用の事由は、原審において上告人の主張もな 論旨は、すべて理由がない。 同第三点について。 論旨は、被上告人等に権利の濫用があることを前提として、原判決の違憲を主張する。 しかし、かゝる権利濫用の事由は、原審において上告人の主張もなく判断もない。 - 2 -しかも、論旨によれば、被上告人等に権利の濫用があるとするのは、本件土地につき上告人に、適法にその土地を使用する権利の存することを前提として居るにも拘らず、原判決はその権利の存在を否定して居るのであつて、結局上告人の主張は凡てその前提をかくに帰する。 論旨は、理由がない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官石坂修一裁判官垂水克己裁判官高橋潔- 3 -

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