平成20(あ)2064 銃砲刀剣類所持等取締法違反,殺人被告事件

裁判年月日・裁判所
平成23年12月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,617 文字)

- 1 - 主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人野崎研二の上告趣意は,量刑不当の主張であり,同福吉實の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論に鑑み記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,暴力団組長である被告人が,配下の組員であるA及び同じ傘下の暴力団の組長であるBと共謀の上,ファミリーレストランの店内及び同店前歩道付近において,けん銃2丁を使用して,いずれも他の暴力団の組長であるC(当時45歳)及びD(当時39歳)を射殺した事案である。被告人らは,Aが起こした飲食店の女性経営者に対する傷害事件に関して,Cの配下であるEが,所属する上部団体の名前を出し同経営者に対する慰謝料のみならず同団体の看板料の名目で高額の金銭を要求してくるなどしたことから,Cらがけんかを仕掛けてきた以上,被告人らの暴力団組織の体面を守らなければならないなどと考え,要求額の一部を支払うように装ってEやその背後にいるCらを誘い出して射殺することを企て,更には上記レストランに金員を受け取りに来た相手側関係者をけん銃で皆殺しにすることを決意したものである。このような暴力団特有の発想に基づく犯行動機に酌量の余地はない。被告人らは,上記のように相手方を誘い出した上,事前の打合せに基づき,Bが上記店内においてC及びこれに同道してきたDの面前で現金を数えて同人らを油断させつつ,Bの合図で,被告人及びAがテーブル越しに対面す- 2 -るC及びDに対して至近距離から立て続けに発砲し,さらに,逃げ出した両名を追い掛けて同店出入口付近及び同店前歩道付近において両名に発砲した。犯 の合図で,被告人及びAがテーブル越しに対面す- 2 -るC及びDに対して至近距離から立て続けに発砲し,さらに,逃げ出した両名を追い掛けて同店出入口付近及び同店前歩道付近において両名に発砲した。犯行態様は,計画的であるとともに強固な殺意に基づく残忍かつ執ようなものである。2名の生命が奪われた本件の結果は極めて重大であり,遺族らの処罰感情も厳しい。特に,本件は,飲食中の一般客17名及び店員5名が現在していた営業中のレストランにおいて敢行されたものであって,発射した弾丸の一部が,被害者両名の後方の一般客が着席していたテーブルに着弾し,その背後の仕切りガラスを破損させるという状況を現出している。同店の一般客等無関係の市民が巻き添えとなる危険性が甚だ高かった犯行であり,本件が社会に与えた衝撃や不安は極めて大きい。そして,被告人は,本件の謀議に積極的に加わり,実行役も自ら引き受け,被害者両名に発砲するなど,重要な役割を果たしている。 以上のような諸事情に照らすと,Cらにも,被告人らに対し不当な要求をした点で,本件を誘発した側面があること,被告人が本件犯行後間もない時期にけん銃1丁の所在を警察に通報し,約1年10か月逃亡した後とはいえ,自ら警察に出頭したこと,反省の情を示すとともに,被害者両名の遺族に対し,謝罪の意を表し,賠償金の支払を申し出ていることなど,被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても,被告人の刑事責任は極めて重大であり,被告人を死刑に処した第1審判決の量刑を維持した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官野島光博公判出席- 3 -(裁判長裁判官横田尤孝裁判官宮川光 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官野島光博公判出席- 3 -(裁判長裁判官横田尤孝裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子裁判官金築誠志裁判官白木勇)

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