昭和51(行ツ)45 銃砲刀剣類所持等取締法に基づく銃砲所持許可取消処分取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和52年5月27日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和49(行コ)35
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人山下卯吉の上告理由について  原審の認定した事実は、大要次のとおりで

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判決文本文2,238 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人山下卯吉の上告理由について原審の認定した事実は、大要次のとおりである。 (1) 被上告人は、原判示第一銃について銃砲刀剣類所持等取締法(以下「法」という。)による所持の許可を得ていたところ、昭和四六年一月同銃の保管義務違反及び不法所持教唆の罪を犯したとの理由で、昭和四七年七月二六日法一一条一項一号により上告人から右許可の取消処分を受けた。(2) 当時の上告人管内における事務処理慣行によれば、所轄警察署長が法所定の許可取消事由を発見しこれを取り消すべきものと認めたときは、その旨を上告人に上申し、上告人は右上申をまつて処分を決定することとされており、本件においても、被上告人の法違反事実を発見した鶴見警察署長からの上申(以下「本件取消上申」という。)に基づいて取消処分が行われたものである。(3) しかし、本件取消上申は、次のような瑕疵を帯びるものであつた。すなわち、右上申に先立つ昭和四七年四月、被上告人は別に原判示第三銃について上告人に所持の許可を申請したが、その許可を好ましくないとする鶴見警察署員から右申請を取り下げるよう指導されたのに対し、あくまでもこれに応ずることを拒んでいたところ、間もなく本件取消上申がされるに至つたものであつて、右上申は、実質的には、被上告人が第三銃の申請取下指導に従わなかつたことに対する報復的意図ないしは第三銃についての申請拒否事由(法五条一項四号参照)を作出する意図の介入により左右された疑いを否定しえず、公正な上申とは認められないものであつた。 原審は、以上の事実を認定したうえ、右事実関係のもとでは、本件取消上申にお- 1 -ける恣意介入の違法は、その上申を受けた上告人が独自の いを否定しえず、公正な上申とは認められないものであつた。 原審は、以上の事実を認定したうえ、右事実関係のもとでは、本件取消上申にお- 1 -ける恣意介入の違法は、その上申を受けた上告人が独自の立場で実質的に公正な判断をしたことをうかがわせるに足りる特段の事情が認められない限り、上告人の取消処分に承継されるものであり、本件において右特段の事情が存在したことについて適切、具体的な主張及び立証がないとして、結局、本件取消処分を違法と判断しているのである。 そこで考えるのに、法は銃砲等所持許可の取消を公安委員会の権限と定めているのであるから、上告人が所轄警察署長からの取消上申を受けた場合に、自ら当該事案における法違反事実の存否及びその取消相当性について審査することなく、専ら警察の判断に依存して取消を決定したとするならば、その取消処分は、実質的には処分権者の行つた処分とはいいがたいものとして違法とされなければならない。しかし、これと異なり、上告人において、右取消上申に左右されることなく、独自の公正な立場で取消の当否につき実質的な審査をしている場合には、たとえ右上申に原判示のような恣意介入の瑕疵があり、更にそれについて上告人が知つていたとしても、そのことのみによつて取消処分は当然には違法となるものではない、と解するのが相当である。上告人の前記事務処理慣行のもとにおける警察署長の取消上申は、許可の取消という行政作用の過程の一環を構成するものではあるけれども、あくまでも補助的機関の行為にすぎないからである。そして、法による許可の取消処分については、公安委員会において公開の聴聞が行われ(法一二条)、公安委員の合議によつて慎重に決定される建前であることをも考慮すると、事実上警察署長の取消上申が容れられることが多いからといつて、同委員会の判断が専ら警 委員会において公開の聴聞が行われ(法一二条)、公安委員の合議によつて慎重に決定される建前であることをも考慮すると、事実上警察署長の取消上申が容れられることが多いからといつて、同委員会の判断が専ら警察の判断に依存したものであるとの推定を安易に下すべきではなく、それぞれの事案における同委員会の事務処理の実態につき十分な審理をしたうえで具体的事実に基づき前記のいずれであるかを決することが必要であるといわなければならない。 以上の見地から本件をみるのに、記録によれば、原審においては、一審の認定と- 2 -は異なり本件取消上申が恣意によつたものであるとしながら、上告人自身の事務処理の実態についてはなんら具体的に明らかにされていない。しかし、そのいかんが本件の核心であることは右に述べたとおりであつて、原審の訴訟経過からしても、適切な釈明によりその点に関する事実関係につき当事者に更に主張、立証をさせ審理を尽くす余地のあつたことが容易にうかがわれるのである。これをすることなく前記のように判断した原判決には、ひつきよう、釈明権不行使、審理不尽の違法があるというほかなく、右違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。それ故、この趣旨を含むと解される論旨は理由があるから、原判決は破棄を免れず、更に審理を尽くさせるため本件を原審に差し戻すのが相当である。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官高辻正己裁判官天野武一裁判官江里口清雄裁判官服部高顯 裁判官天野武一裁判官江里口清雄裁判官服部高顯裁判官環昌一- 3 -

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