【DRY-RUN】主 文 原判決中被告会社に関する部分を破棄する。 被告会社を罰金四百万円に処する。 理 由 本件控訴の趣意は弁護人松原正交提出の控訴趣意書に記載され
主 文 原判決中被告会社に関する部分を破棄する。 被告会社を罰金四百万円に処する。 理 由 本件控訴の趣意は弁護人松原正交提出の控訴趣意書に記載されたとおり(但し、 第三点を除く)であるから、ここにこれを引用する。 右控訴趣意に対し判断するに先立ち、職権をもつて調査すると、原判決は、被告 会社の専務取締役であつて同会社社長Aに代り事実上同会社の業務全般を統轄して いた原審相被告人Bが、右Aと共謀の上、被告会社の業務に関し法人税を免れよう と企て、原判示の如き不正な方法によつて同判示第一及び第二の各事業年度におけ る各判示金額の法人税を夫々逋脱した事実を認定し、これを昭和四十年法律第三十 四号法人税法附則第十九条、同法による改正前の旧法人税法第五十一条第一項、第 四十八条第一項、第二十一条第一項、刑法第六十条に該当する一罪として処断して いるけれども、法人税は法人の事業年度を標準としてその<要旨>申告、課税、徴収 等が行なわれるもので、旧法人税法第四十八条第一項の逋脱罪は法定の納付期限ま でに納付</要旨>しないで不正行為により法人税を免れたとき直ちに既遂となるので あるから、法人税逋脱罪の罪数はもとより事業年度を標準としてこれを定めるべき であり、ひきつづき次の事業年度分の法人税を不正行為により逋脱した場合であつ ても、これを一罪とみるべきではなく、各事業年度ごとに逋脱罪が成立し、以上は 併合罪の関係にあるものと解しなければならない。されば、これを一罪と解した結 果刑法第四十五条前段、第四十八条第二項の規定を適用しなかつた原判決は、法令 の適用を誤つたものという外はなく(ちなみに、本件につき適用すべき昭和二十二 年法律第二十八号法人税法は、昭和三十七年法律第四十五号による同法の一部改正 の結果同法第五十二条の規定が削られ 判決は、法令 の適用を誤つたものという外はなく(ちなみに、本件につき適用すべき昭和二十二 年法律第二十八号法人税法は、昭和三十七年法律第四十五号による同法の一部改正 の結果同法第五十二条の規定が削られた後のものである。)、原判決は旧法人税法 第四十八条第一項のみによる所定罰金額の範囲内で量刑処断しているため、併合罪 加重をした場合に比べ明らかに処断刑に差異を来しているから、前記法令適用の誤 りは判決に影響を及ぼすことが明らかであつて、原判決中被告会社に関する部分は この点において破棄を免れない。 よつて、量刑不当の控訴趣意に対する判断を省略し、刑事訴訟法第三百九十七条 第一項、第三百八十条により原判決を破棄し、同法第四百条但書に従い当審におい て次のとおり自判することとする。 原判決の適法に確定した事実に法令を適用す ると、被告会社の判示第一、第二の各所為はいずれも法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)附則第十九条の規定によつて旧法人税法(昭和二 十二年法律第二十八号)第五十一条第一項、第四十八条第一項、第二十一条第一 項、罰金等臨時措置法第二条第一項に該当し、以上は刑法第四十五条前段の併合罪 であるから、同法第四十八条第二項により各罪につき定めた罰金の多額を合算した 金額の範囲内で量刑処断すべきところ、一件記録に現われている諸般の情状及び当 審における事実取調の結果を勘案して、被告会社を罰金四百万円に処することと し、主文のとおり判決する。 (裁判長判事 坂間孝司 判事 栗田正 判事 近藤浩武)
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