主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(一) 原判決中主文第2,第3項を取り消す。 (二) 被控訴人の予備的請求を却下する(被控訴人の予備的請求を棄却する。)。 (三) 訴訟費用は第1,第2審とも被控訴人の負担とする。 2 被控訴人主文と同旨第2 事案の概要及び争点 1 事案の概要本件は,被控訴人が平成13年6月20日控訴人に対し,自動車教習所の届出書(甲1)を提出したことをもって,道路交通法(平成13年6月20日法律第51号による改正前のもの。以下「道交法」という。)98条2項に基づく自動車教習所の届出を完了したとするのに対し,控訴人は,これを適法な届出には該当しないものとして,同年6月27日「不受理」とする旨を被控訴人に連絡したため,被控訴人が控訴人に対し,主位的に,これが届出の不受理処分に当たるとしてその取消しを求め,予備的に,実質的当事者訴訟として,被控訴人が同条所定の届出をした地位にあることの確認を求めた事案である。 2 前提となる事実(争いのない事実,掲記の証拠のほか,乙3,いずれも当審において尋問された証人aの証言及び被控訴人本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨により認める。)(一) 控訴人は,都知事の所轄の下に警察法38条1項の規定に基づき設置され,道路交通法上,免許証の交付,自動車教習所に対する指導,助言などの事務を行う行政委員会である。 (二) 被控訴人は,平成13年6月20日,警視庁運転免許本部教習所課(以下「教習所課」という。)を訪れ,対応したb警部補(以下「b警部補」という。)に対し,自動車教習所の届出書(甲1,以下「本件届出書面」という。)を2通提出し,届出の証明書の交付を求めた。 これに対し,b警部補は, いう。)を訪れ,対応したb警部補(以下「b警部補」という。)に対し,自動車教習所の届出書(甲1,以下「本件届出書面」という。)を2通提出し,届出の証明書の交付を求めた。 これに対し,b警部補は,届出には添付書類が必要であるとして,「添付書類」と題する参考書面(第三者の過去の届出に係る添付書類のリスト)の下部に「運転免許証の写し,住民票の写し」と手書きしたもの(甲4)及び「届出自動車教習所に対する指導要領の制定について・別冊」(甲5)の写しを被控訴人に交付し,添付書類は,届出にかかる教習所が道路交通法上の自動車教習所に当たるものであること及び被控訴人がその設置又は管理をする者であることの確認をするため必要な疎明であると説明したが,被控訴人は,本件届出書面の他に,法令上提出すべき書類はないはずだとしてb警部補と議論となった。しかし,持参していた住民票の写しは提示したので,b警部補はこれに基づき,本件届出書面に記載された被控訴人の本籍,住所等の確認をした。 b警部補とのやりとりの中で,被控訴人は,「自動車教習所の施設は一軒家だけだ。」,「ペーパードライバーに運転を教えるだけだ。」,「届出が受理されたら開業する。」,「職員はいない。」,「所内教習をするコースはない。」などと述べ,重ねて「控訴人には届出を受理すべき義務がある。」,「早く届出を受理した証明を出せ。」などと述べ,本件届出書面を置いて同課を立ち去った。 (三) 同年6月22日,被控訴人は教習所課を訪れ,応接したb警部補に対し,賃貸証明書副本を提出した。 b警部補が,疎明資料はこれだけかを尋ね,運転免許証の提示を求めると,被控訴人は,運転免許証の提示を拒否すると共に,疎明資料の提出根拠法規はないと述べ,届出を受理した証明書の交付を求めたので,b警部補は,(二)と同様の説明をしたが, ね,運転免許証の提示を求めると,被控訴人は,運転免許証の提示を拒否すると共に,疎明資料の提出根拠法規はないと述べ,届出を受理した証明書の交付を求めたので,b警部補は,(二)と同様の説明をしたが,被控訴人は「受理しないのならこれを置いて行く。」として審査請求書2通を置いて教習所課から出て行った。 (四) 教習所課の課長であるc警視は,同月27日被控訴人に電話で,被控訴人は自動車教習所を設置し,管理する者とは認められないとして,「本件届出を受理しない」旨連絡した。 3 本件争点は,原審以来,以下の点であり,この点に係る当事者双方の主張は,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」のうち「3 当事者双方の主張」欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 (一) 道路交通法98条2項の届出は,行政手続法2条7号の届出に該当するか。 (二) 控訴人が本件届出書面につき「本件届出を受理しない」旨連絡したことが行政処分としての不受理処分に当たるか。 (三) 本件届出書面をもってした届出が,道路交通法98条2項所定の自動車教習所の届出に該当するか。 4 原判決の判断原判決は,争点(一)につき,道交法上,自動車教習所の届出をすることにより,①公安委員会は,届出自動車教習所の設置者に対し,自動車の運転に関する教習の態様に応じて,必要な指導又は助言をするものなどとされていること(道交法98条3,4項),②届出自動車教習所の自動車教習生は,住所地のほか,届出自動車教習所の所在地において仮免許の運転免許試験を受験できるとされていること(道交法89条),③届出自動車教習所のみが指定自動車教習所の指定の対象となること(道交法99条)などの法的効果が直接発生することが規定されているから,これらは行政手続法2条7号の「自己の期待する一定の法律上の効果」に該当し 車教習所のみが指定自動車教習所の指定の対象となること(道交法99条)などの法的効果が直接発生することが規定されているから,これらは行政手続法2条7号の「自己の期待する一定の法律上の効果」に該当し,道交法98条2項の届出は,行政手続法2条7号の「届出」に該当する,争点(二)につき,当該届出が提出先の機関に到達することにより,届出の手続的義務は履践されたものとされる反面,道交法上,控訴人がその内容を審査して不受理,返戻できる旨の規定はないから,形式要件に適合しない場合及び届出内容が真正でない場合を除き,控訴人の「受理」という行為を経ることなく届出は直ちに効果を生ずるものと解され,控訴人のした「不受理」の連絡は,届出が無効である旨の控訴人の認識を事実上通知したに過ぎないものであって,行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当しない,争点(三)につき,被控訴人は,届出前に教習所用自動車に改造していること及び施設として駐車場8台分を含む借家を確保していたこと並びに被控訴人が自動車運転に関する技能及び知識について教習を行う意思を有していることから,被控訴人は自動車教習所を設置し,又は管理する者に該当し,本件届出書面をもってした届出は形式上の要件に適合したものである,として,不受理処分の取消しを求めた主位的請求を不適法として却下したが,道交法98条2項の届出をした地位にあることの確認を求める予備的請求を認容した。 控訴人は,原判決には,法令解釈の誤りがあり,事実の誤認もあるなどと主張して本件控訴を提起した。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,被控訴人の主位的請求は,行政事件訴訟法2条3項の行政庁の処分その他公権力の行使に当たらないものにつき処分の取消しを求めるものであって不適法であると判断するが,本件届出書面 判所の判断当裁判所も,被控訴人の主位的請求は,行政事件訴訟法2条3項の行政庁の処分その他公権力の行使に当たらないものにつき処分の取消しを求めるものであって不適法であると判断するが,本件届出書面をもってした届出は,道交法98条2項所定の届出として適法,有効と解すべきであり,したがって,この届出をした地位にあることの確認を求める予備的請求は理由があるものと判断する。 その理由は,以下のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第3当裁判所の判断」欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 控訴人は,原審以来,要旨,(一) ①公安委員会は,届出自動車教習所の設置者に対し,自動車の運転に関する教習の態様に応じて,必要な指導又は助言をするものなどとされていること(道交法98条3,4項),②届出自動車教習所の自動車教習生は,住所地のほか,届出自動車教習所の所在地において仮免許の運転免許試験を受験できるとされていること(道交法89条),③届出自動車教習所のみが指定自動車教習所の指定の対象となること(道交法99条)などの規定は,届出自動車教習所の設置者に対し,これにより新たな権利義務の発生や権限の付与を伴う法的効果を認めたものではないから,行政手続法2条7号の「自己の期待する一定の法律上の効果」に該当せず,道交法98条2項の届出は,行政手続法2条7号の「届出」に該当しないし,届出者に権利義務を付与するものでない以上,届出をした地位にあることの確認も,権利義務の確認を伴わないから確認の利益を欠く不適法なものである,(二) 控訴人は,自動車教習所の届出がされた場合には,当該届出を行った者が「自動車教習所を設置し,又は管理する者」に該当するか否かにつき審査をすべき義務があると解すべきところ,元来,自動車教習所とは,「自動車の運転に関する技 の届出がされた場合には,当該届出を行った者が「自動車教習所を設置し,又は管理する者」に該当するか否かにつき審査をすべき義務があると解すべきところ,元来,自動車教習所とは,「自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設」として規定されているのであるから,自動車教習所とは到底いい得ない教習所,実体のない教習所,設置者又は管理者が特定できない教習所など,道交法98条の趣旨を没却するようなものについては,審査のうえ届出の効力を認めないことが法制度上要求されているものと解される。そして,その審査のための疎明は必要不可欠であり,この疎明を提出しなかったことによって上記審査が不能に終わった以上,本件届出書面のみをもってする届出は,形式的要件を欠く不適法なものである,(三) 被控訴人は,b警部補とのやりとりの中で,「自動車教習所の施設は一軒家だけだ。」,「ペーパードライバーに運転を教えるだけだ。」,「届出が受理されたら開業する。」,「職員はいない。」,「所内教習をするコースはない。」などと述べ,届出当時,自動車教習所を設置,管理しておらず,届出が受理されてから自動車教習所を営業する旨明確に述べていたほか,上記申告によっても,教習所の施設としての実体がなく,または,相当性に欠け,教習内容も免許証の取得に向けての技能,知識に該当しないことも自認していたから,結局,被控訴人は,「自動車教習所を設置し,又は管理する者」に該当しないことは明らかであった,したがって,本件届出書面をもってした届出は効力を欠き,届出者たる地位にあることの確認は理由がない,などと主張する。 2 しかしながら,控訴人の(一)の主張については,原判決の説示するとおり,これらの①ないし③は,道交法上,明確に98条2項の届出に基づく法的効果として規定されており,このうち②(仮免許 主張する。 2 しかしながら,控訴人の(一)の主張については,原判決の説示するとおり,これらの①ないし③は,道交法上,明確に98条2項の届出に基づく法的効果として規定されており,このうち②(仮免許証の免許取得受験地の取得)は第一次的には当該教習を受けている教習生に対する効果であるということができるが,届出自動車教習所の教習を受けたことが要件とされ,届出自動車教習所の設置者は,届出自動車教習所であることを明示して,この点の利益を自身の利益として享受することができる。また,③(指定自動車教習所の指定を受けられる地位)は,職員,施設等に関する厳格な基準に適合することを要件とするものではあるが,届出自動車教習所でなければ指定を受けることができないとされている点で,これも届出に結びつけられた法的効果とみるべきものといえる。 確かに,控訴人指摘のとおり,これらの効果は,権利性が薄く,その他の要件の具備をも要するものもある点で,法的利益ないし期待権に止まるものということは,あながち否定できないことはそのいうとおりであろう。しかし,これらの①ないし③の効果を受けるためには,ともかく届出が必要で,届出のない場合にはこれらの利益を法的にはもとより,事実上も受けられないであろうことは容易に推察できる。これらの効果をもって,行政手続法上「自己の期待する一定の法律上の効果」(2条7号括弧書き)に該当しないと解する合理的理由を今のところ見い出し得ないというほかはないのである。よって,控訴人のこの点に係る主張は採用できない。 3 次に,控訴人の(二)の主張につき検討する。 自動車教習所の届出書が提出された場合,控訴人がいかなる事項,範囲につき審査権を有し,そのための資料の提出を求め得るかについては,届出自動車教習所制度の趣旨や関係法令上,書面提出が義務付けられた 自動車教習所の届出書が提出された場合,控訴人がいかなる事項,範囲につき審査権を有し,そのための資料の提出を求め得るかについては,届出自動車教習所制度の趣旨や関係法令上,書面提出が義務付けられた規定があるかなどの諸点を総合して検討すべきである。 関係法令の諸規定は原判決に包括的に掲記されている(原判決の「第2 事案の概要」の「1 法令の定め」欄。原判決2頁17行目から同5頁7行目まで)とおりであって,道交法98条2項及びこれを受けた道交法施行規則31条の5は,届出事項として,設置者が個人である場合にはその本籍又は国籍及び生年月日,管理者の住所,氏名,本籍又は国籍及び生年月日と定め,これを所定の様式に則って記載した届出書を提出して行うものとするが,その添付書類,資料の提出義務を定めた規定や,控訴人の審査権限,その内容につき定めた規定はない。 なお,公安委員会は,届出をした自動車教習所の設置者又は管理者に対し,自動車の運転に関する技能又は知識の教習を行う職員,施設並びに教習の科目,時間及び方法に関する事項につき報告書の提出を求めることができるとされているが,これは,公安委員会が自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保するための指導又は助言のためのものであるから,届出の審査における報告ないし資料提出とは直接の関連はなく,届出の段階で前倒し的にその提出を強制的に要求することはできないのではないかと解さざるを得ない。 届出自動車教習所の設置者又は管理者には,自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保する義務が生じ,これに対応して,控訴人の指導,助言を受けられるほか,届出自動車教習所の所在地には道交法89条の効果を伴う点に鑑みると,設置者又は管理者の住所,氏名,国籍及び生年月日並びに自動車教習所の所在地は,届出の必須記載要件であると共に, 言を受けられるほか,届出自動車教習所の所在地には道交法89条の効果を伴う点に鑑みると,設置者又は管理者の住所,氏名,国籍及び生年月日並びに自動車教習所の所在地は,届出の必須記載要件であると共に,その特定と実在は,届出要件というべきであって,控訴人がこれを形式的に審査することができるのは当然である。 他方,控訴人のこの点の審査権が肯定されながら,受付の段階で添付資料の提出を定める根拠規定が置かれていないことに関しては,一応以下のように解すべきである。 控訴人は,届出要件の確認のための資料として,届出者に対し,任意に協力を求め,または,行政指導の一環として,一定限度の書類の提出ないしその提示を求めることは許されるが,提出を求める根拠規定が存在しないことによれば,その提出ないし提示要求は,任意の協力要請又は行政指導の限度に止められるべきである。 この協力要請等に任意の意思で応じた届出者については,早期かつ容易に形式的書面審査により届出を有効なものと取扱われる運用を通じ,届出者の協力等を推奨する反面,この協力に応じなかった届出者に対し,そのことのみを理由として当該届出の効力を否定することはできない。 控訴人が「自動車教習所に対する指導要領の制定について・別冊」(乙1)により,被控訴人に要求していた添付書類は,所定の届書のほか,ア職員名簿,事務分掌及び組織図,イコースの敷地並びにコースの種類,形状及び構造を明らかにした図面,ウ建物その他の設備の状況を明らかにした図面,エ備えつけ教習車両及び教習用資器材の一覧表,オ教習計画書(教習の科目,時間,方法,路上教習コース,教習原簿等)というのであって,そのほか,カ住民票写し及びキ運転免許証の写しであり(甲4),これらの書類は,設置者又は管理者及び自動車教習所の実体を明らかにするに資する ,方法,路上教習コース,教習原簿等)というのであって,そのほか,カ住民票写し及びキ運転免許証の写しであり(甲4),これらの書類は,設置者又は管理者及び自動車教習所の実体を明らかにするに資するものであるが,そのすべてが上記の形式的届出要件の審査のために必要なものとは解されず,その提出は,法的に強制されるというよりは,任意の協力要請又は行政指導によって事実上されることが期待されたに過ぎないものであって,上記指導要領により提出が法的に義務付けられるものではないと解される。 そして,本件届出文書の記載は,被控訴人の住所地と実在につき,住民票の写しの提示により,教習所とされる施設の所在については,賃貸証明副本により,上記審査要件につき一応の疎明がなされていると認められる。 4 被控訴人は,b警部補とのやりとりの中の被控訴人の発言からすれば,被控訴人は届出当時,自動車教習所を設置,管理しておらず,届出が受理されてから自動車教習所を営業する旨明確に述べていたほか,上記申告によっても,教習所の施設としての実体がなく,または,相当性に欠け,教習内容も免許証の取得に向けての技能,知識に該当しないことも自認していたから,結局,被控訴人は,「自動車教習所を設置し,又は管理する者」に該当しないことは明らかであったとして,本件届出書面をもってした届出は効力を欠き,被控訴人の届出者たる地位にあることの確認は理由がない,と主張する。 確かに,被控訴人が,本件届出文書を提出した当時,営業をしていないかの言動をとっており,本件訴訟における訴状などの準備書面においても,「これから開業なので職員はいない」などの記載も認められるところである。しかし,被控訴人本人尋問の結果によれば,被控訴人は平成12年12月ころから屋号をDSとして,自動車運転の実技を教習させており,こ れから開業なので職員はいない」などの記載も認められるところである。しかし,被控訴人本人尋問の結果によれば,被控訴人は平成12年12月ころから屋号をDSとして,自動車運転の実技を教習させており,これによる相応の収入もあったと述べるところ,この事実を否定し得る証拠はない。また,被控訴人は,平成13年6月20日の直前の時点で路上教習用の届出自動車の車庫証明を取得し,補助ブレーキの改造なども行って(甲9,16,26),その頃教習所施設や資器材の準備なども行っていたことは否定することができない。 控訴人が,被控訴人を自動車教習所の設置者には該当しないとする理由は,前記の言動のほか,自動車教習所の備えるべき技術的,学術的水準,施設としての相当性,資器材の性状,具備など自動車教習所の備えるべき実体の欠落をいうものであり,控訴人のいうところの自動車教習所の実体を有しないものに係る届出は効力を有しないとするのは,届出に係る実質的審査権の存在を前提として,これをも審査の対象とすることができる,との前提に立つものという他はないが,その主張は,根拠規定に基づかず,自動車教習所の届出制度の本来の趣旨目的からすると,審査の範囲,内容を拡大しているものといわざるを得ない。 すなわち,自動車教習所の中には,一般的な技術的,学習的水準をもって教習を行える職員がいなかったり,施設としての相当性に問題があったり,資器材の性状,具備なども不十分なものも多々存在することは公知の事実であるが,届出自動車教習所の制度は,このような教習所も控訴人に届け出ることにより,その存在を認知され,控訴人の指導,助言の下に,自動車教習所としてよりふさわしい教習の適正な水準を確保させることによって,一般的な自動車教習所の水準の向上を図ろうとするものである。このような制度趣旨に鑑みれば,一般的 ,控訴人の指導,助言の下に,自動車教習所としてよりふさわしい教習の適正な水準を確保させることによって,一般的な自動車教習所の水準の向上を図ろうとするものである。このような制度趣旨に鑑みれば,一般的水準に達しない自動車教習所であっても,その届出自体はむしろ積極的に奨励されこそすれ,届出としての審査に関しては,この点を考慮して実質的審査に踏み込んだ内容,実態を視野に入れての要件の具備,不具備までをも判断してその受理,不受理を決することまでは許されないものと考える。 第4 結語よって,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第12民事部裁判長裁判官伊藤瑩子裁判官秋武憲一裁判官三代川俊一郎
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