平成13(わ)637 暴力的不良行為等の防止に関する条例違反

裁判年月日・裁判所
平成13年9月10日 神戸地方裁判所
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判決文本文2,243 文字)

判決平成13年9月10日神戸地方裁判所平成13年(わ)第637号暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件 主文 被告人を懲役3月に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,常習として,平成13年6月6日午後6時10分ころから同日午後6時50分ころまでの間,神戸市a区bc丁目d番e号所在のA株式会社B駅下りホームおいて,同所のベンチに着席中の女子高校生V(当時15歳)の隣席に座り,右手で同女の左太股を制服の上から繰り返し撫でるなどし,もって,公共の場所において,婦女に対して,不安を覚えさせるようなひわいな言動をしたものである。 (証拠の標目)-括弧内は証拠等関係カードにおける検察官請求証拠甲乙の番号(省略)(法令の適用)被告人の判示所為は公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年7月5日兵庫県条例第66号)10条2項(1項),3条2項に該当するところ,所定刑中懲役刑を選択し,その所定刑期の範囲内で,被告人を懲役3月に処し,刑法21条を適用して未決勾留日数中30日をその刑に算入することとする。 (弁護人の主張に対する判断)弁護人は,被告人が,本件を「常習として」犯したと認定すべき要件を欠いている旨主張するが,前記各証拠によると,被告人は,平成10年夏ころ,書店で立読みをしていて隣に立っていた女性の腕にたまたま触れて快感を覚えたことから,その後はわざと若い女性に触ることを繰り返し,平成11年5月には痴漢行為(書店で女性客の体に触ったもの)による条例違反の罪で罰金5万円に処せられ,平成12年1月には1件の強制わいせつの罪(電車内で女性客の乳房を弄ぶなどしたもの とを繰り返し,平成11年5月には痴漢行為(書店で女性客の体に触ったもの)による条例違反の罪で罰金5万円に処せられ,平成12年1月には1件の強制わいせつの罪(電車内で女性客の乳房を弄ぶなどしたもの)及び3件の常習痴漢行為(路上で女児2人の体に触ったり,電車内で女性客の体に触ったりしたもの)による条例違反の罪で懲役3年,3年間執行猶予の判決を受けたにもかかわらず,その判決後の,平成12年夏ころや同年秋ころにも,書店で女性客に触ろうとしたり触ったりの痴漢行為に及び,警察官から厳重注意を受けながら,またもや本件に及んだものであることが認められる上,被告人のいうところによれば,これまでにそのようにして触った女性の数は50人位にものぼるというのであって,被告人には,電車内,書店,路上といった公共の乗物や場所において女性の身体に手で触れる行為を反復累行する習癖のあることが明らかであり,本件犯行は,被告人のそのような習癖の発現として犯されたものであることに疑いを容れないから,被告人が本件を「常習として」犯したことは優にこれを肯認することができる。 弁護人の上記主張を採用することはできない。 (量刑の理由)本件は,被告人が,常習として,電車のホームのベンチに座っている女子高校生の太股を撫でるなどしたという,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の事案であるが,被告人は,自分勝手な性的快感を満たすために本件に及んだものであって,その動機に酌量の余地は存しないこと,被告人は,被害者の座席との間の物置台にリュックサックを置いて痴漢行為が目立たないようにしたり,通行人が近づくと痴漢行為を一旦中止して犯行が発覚しないようにしたりしながら,約40分間にも亘って断続的に痴漢行為を続けたものであって,犯行態様は巧妙かつ執拗であること,被害 立たないようにしたり,通行人が近づくと痴漢行為を一旦中止して犯行が発覚しないようにしたりしながら,約40分間にも亘って断続的に痴漢行為を続けたものであって,犯行態様は巧妙かつ執拗であること,被害者は,15歳という多感な時期に見知らぬ男性から執拗に痴漢行為をされたものであって,その屈辱感や精神的な傷は小さくないこと,被告人は,前示のとおり,同種の前科・前歴を有し,平成12年1月に強制わいせつの罪等により懲役3年,3年間執行猶予の判決を受けており,本件はその執行猶予期間中の犯行であって,被告人のこの種犯行の常習性は顕著であることなどを併せ考えると,被告人の刑事責任は軽くないといわざるを得ない。 してみると,被告人の側から被害者に対し10万円が支払われて示談が成立しており,その示談書には,被害者も被告人を許し,被告人に対する実刑判決までは求めない旨の記載があること,被告人も現在では本件犯行を反省していること,本件で服役することになると,執行猶予中の前記の刑も併せて,相当長期間服役しなければならなくなるであろうこと,被告人の両親も,今度こそ被告人に痴漢行為を繰り返させないようにするため,被告人の監督を約するとともに,その方途を考えていること,被告人は本件で約3か月間身柄拘束を受けていることなどの,被告人のために酌むべき事情を考慮しても,本件は再度の刑執行猶予の言渡しをなすべき情状に特に酌量すべきものがある事案とは認められず,主文の実刑はやむを得ないところである。 (検察官の科刑意見・懲役6月)よって,主文のとおり判決する。 平成13年9月10日神戸地方裁判所第12刑事係甲裁判官森岡安廣 日神戸地方裁判所 第12刑事係 甲裁判官 森岡安廣

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