昭和47(ネ)897 貸金請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和48年4月26日 東京高等裁判所
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判決文本文2,771 文字)

主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は、控訴人の負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決中被控訴人関係部分を取り消す。被控訴人は控訴人に対し金三五〇万円及びこれに対する昭和三九年一月一日以降右金員支払いずみに至るまで年一割五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」旨の判決ならびに仮執行の宣言を求め、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上の主張ならびに証拠の提出、援用及び認否は、控訴代理人が当審における控訴人本人Aの供述を採用したことを附加するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する(但し、被告B関係部分を除く)。理由 一成立に争いのない甲第一号証、乙第一号証、原審証人B(一部)、原審及び当審における控訴人本人の各供述に弁論の全趣旨をあわせると、Cは、Dに対し昭和三七年四月二三日から同年六月二九日までの間に四回にわたり、いずれも利息月五分、弁済期昭和三八年一二月末日の約定で合計四〇〇万円を貸し渡し、右同額の貸金債権を有していたところ、控訴人に対し昭和四一年三月二三日右債権を譲渡し、同月二八日付内容証明郵便をもつて債務者たるDに対し右債権譲渡を通知し、右郵便はその頃Dに到達したこと、Dの夫であり、被控訴会社の代表取締役でもあつたBは、控訴人との間において昭和四一年四月二一日、前示Dの債務元本のうち三五〇万円を限度とし、Dと連帯して履行をする責に任ずる旨の連帯保証契約を、個人としてとともに被控訴会社を代表して、締結したことが認められる。原審証人Bの供述中右認定に反する部分はたやすく信用し難く、ほかにこれを動かすだけの証拠はない。そこで、Bが被控訴会社を代表してした前記連帯保証契約が 訴会社を代表して、締結したことが認められる。原審証人Bの供述中右認定に反する部分はたやすく信用し難く、ほかにこれを動かすだけの証拠はない。 帯して履行をする責に任ずる旨の連帯保証契約を、個人としてとともに被控訴会社を代表して、締結したことが認められる。原審証人Bの供述中右認定に反する部分はたやすく信用し難く、ほかにこれを動かすだけの証拠はない。そこで、Bが被控訴会社を代表してした前記連帯保証契約が 訴会社を代表して、締結したことが認められる。原審証人Bの供述中右認定に反する部分はたやすく信用し難く、ほかにこれを動かすだけの証拠はない。そこで、Bが被控訴会社を代表してした前記連帯保証契約が商法二六五条にいう取引として無効となるか否かにつき判断する。<要旨第一>控訴人は、右契約は控訴人と被控訴会社との間の取引であつて、被控訴会社とその代表取締役Bとの</要旨第一>間の取引でないから、商法二六五条にいう取引に該当しないと主張するが、同条にいう取引には取締役と会社との間の直接の取引に限らず、第三者と会社との間の取引で取締役個人の利益となり会社に不利益を与える行為をも包含されると解すべきであるところ、前認定事実のように妻の債務につき個人として保証をしようとするBにとつて被控訴会社がさらに保証をすることは会社の不利益において、利益を受けるものであること明らかであり、そうとすればBが被控訴会社を代表して控訴人と本件連帯保証契約を締結することは同条の取引に該当し被控訴会社取締役会の承認を必要とするといわなければならない。しかるに、前顕乙第一号証、原審証人B、原審における被控訴会社代表者E本人の各供述に弁論の全趣旨をあわせると、その頃被控訴会社取締役は、B、E、Fの三名であつたが、控訴人との本件連帯保証契約の締結につき被控訴会社取締役会の承認を受けた事実はないことが認められる。<要旨第二>もつとも、商法二六五条に違反する取引のうち取締役と会社以外の第三者との間の取引については、右第</要旨第二>三者が会社取締役会の承認を受けていないことにつき悪意または重過失があるときに限り、会社はその無効を主張することができると解するのが相当である。ところが、前認定事実に前顕乙第一号証、原審証人Bの証言、原審及び当審における控訴人本人尋問の結果ならびに 意または重過失があるときに限り、会社はその無効を主張することができると解するのが相当である。ところが、前認定事実に前顕乙第一号証、原審証人Bの証言、原審及び当審における控訴人本人尋問の結果ならびに弁論の全趣旨をあわせると、本件連帯保証契約締結当時控訴人は弁護士成毛由和に相談し、同弁護士立会の上でBと交渉したのであるが、Bのほかになお二名の取締役の在任することが登記簿上明白であるのに、とくに被控訴会社取締役会の承認を求めることもなかつたことが認められるが、それは右契約の締結が商法二六五条にいう取引には該当せず、従つて取締役会の承認は不要であるとの法律的見解によつたものと考えられる(現に本件で控訴人はそのように主張している)から、この点からして控訴人は、被控訴会社の連帯保証に取締役会の承認を得ていないことを知つていたかまたは知りうべかりしであつたのに重大な過失により知らなかつたと推認することができる。 会の承認を求めることもなかつたことが認められるが、それは右契約の締結が商法二六五条にいう取引には該当せず、従つて取締役会の承認は不要であるとの法律的見解によつたものと考えられる(現に本件で控訴人はそのように主張している)から、この点からして控訴人は、被控訴会社の連帯保証に取締役会の承認を得ていないことを知つていたかまたは知りうべかりしであつたのに重大な過失により知らなかつたと推認することができる。控訴人はBが会社側としては連帯保証につき内部的に異論も問題もないものとして本件契約をしたと主張するが、これを認めるだけの的確な証拠はなく、ほかに前記推察を妨げるに足る証拠はない。してみれば、本件連帯保証契約は、被控訴会社取締役会の承認を得ないで締結されたものであり、しかもこれにつき右契約の相手方である控訴人には悪意またはこれを知らなかつたことにつき重大な過失があるから、無効であるというべく、したがつて、右契約に基づく控訴人の被控訴会社に対する請求は失当であるといわなければならない。二よつて、本件請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は、理由がないから、民訴法三八四条一項に従いこれを棄却すべく、控訴費用の負担につき同法八九条、九五条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官吉岡進裁判官園部秀信裁判官森綱郎) 理由がないから、民訴法三八四条一項に従いこれを棄却すべく、控訴費用の負担につき同法八九条、九五条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官吉岡進裁判官園部秀信裁判官森綱郎)

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