昭和58(す)20 検察官がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告の申立

裁判年月日・裁判所
昭和58年4月28日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件申立を棄却する。          理    由  本件準抗告の趣旨及び理由は、別紙準抗告申立書記載のとおりである。  一件記録及び当裁判所の事実調の結果によると、申立人は

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判決文本文1,816 文字)

主    文      本件申立を棄却する。          理    由  本件準抗告の趣旨及び理由は、別紙準抗告申立書記載のとおりである。  一件記録及び当裁判所の事実調の結果によると、申立人は、昭和五八年一月五日 付の押収品還付請求書をもつて最高検察庁の検察官に対し、押収されている申立人 所有の現金三〇万円(一万円札三〇枚)及び皮サツク付印鑑一個(以下「本件押収 物」という。)の還付を請求したところ、右押収物は、申立人に対する爆発物取締 罰則違反幇助被告事件についての証拠として提出されることなく、右被告事件の第 一審裁判所である東京地方裁判所に対応する東京地方検察庁において保管され、押 収を継続されているものであり、検察庁における実務の取扱い上、当該押収物が第 一審裁判所に対応する検察庁において保管され、押収を継続されている場合には、 被告事件が上訴審に係属しているときであつても、右検察庁の検察官において還付 等の処分をすべきものとされているところから、最高検察庁の検察官は、右押収品 還付請求書を東京地方検察庁に回付し、同庁の検察官が、前記被告事件の第一審公 判担当検察官から還付不相当との処分意見を徴し、また、上訴審裁判所に対応する 東京高等検察庁及び最高検察庁の各検察官からいずれも右処分意見のとおり処理さ れたい旨の指示を受けた上で、本件押収物については申立人に還付しないこととし、 東京地方検察庁の担当事務官に指示し、同事務官において、申立人に対し、本件押 収物については最高検察庁の検察官の指示により全関連事件の確定時まで還付する ことができないので通知する旨記載した同事務官名義の書面を郵送してその旨通知 したところから、申立人において、本件押収物を還付しない旨の右処分を不服とし て、当裁判所に本件準抗告の申立をしたものであることが認められる。  ところで、検察官 同事務官名義の書面を郵送してその旨通知 したところから、申立人において、本件押収物を還付しない旨の右処分を不服とし て、当裁判所に本件準抗告の申立をしたものであることが認められる。  ところで、検察官が保管の責めに任じている公判不提出の押収物については、押 - 1 - 収及び還付等の処分の根拠及び手続等を規定する刑訴法その他これに基づく関係各 法令の趣旨に照らし、事柄の性質上、押収の基礎となつた被告事件がどの裁判所に 係属している場合であつても、特段の事情のない限り、現にその物の押収を継続し ている検察庁の検察官において還付等の必要な処分をすべきものと解される。した がつて、東京地方検察庁の検察官が現に保管の責めに任じ、押収を継続している本 件押収物に関しては、たとえ前記被告事件が当裁判所に係属しており、最高検察庁 の検察官が前記のような指示をし、申立人に対する前記通知書中にもその旨の記載 がされていたとしても、右指示は検察庁内部における事務処理上の手続としてされ たにとどまり、他に特段の事情も認められない本件においては、申立人に対し右押 収物を還付しない旨の処分をしたのは、東京地方検察庁の検察官であつて、最高検 察庁の検察官ではないというべきである。  してみると、右処分に対する刑訴法四三〇条一項所定の準抗告は、最高検察庁に 対応する当裁判所ではなく、東京地方検察庁に対応する東京地方裁判所が管轄裁判 所であつて、同法四三一条により同裁判所に対して申し立てるべきものといわなけ ればならず、管轄裁判所ではない当裁判所に申し立てられた本件準抗告は、不適法 というべきである。  よつて、同法四三二条、四二六条一項前段により、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり決定する。   昭和五八年四月二八日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    伊   藤  て、同法四三二条、四二六条一項前段により、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり決定する。   昭和五八年四月二八日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    伊   藤   正   己             裁判官    横   井   大   三             裁判官    木 戸 口   久   治             裁判官    安   岡   滿   彦 - 2 -

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