主文 被告人を懲役5年以上8年以下に処する。 未決勾留日数のうち260日を刑に算入する。 理由 (犯行に至る経緯1)被告人は,中学校卒業後に暴走族「A一家」に加入し,無免許で暴走行為を繰り返していたが,中等少年院送致の処分を受けたことをきっかけとして,いったんは暴走族から離脱した。しかし,平成12年10月ころには,同学年の仲間と共に再びA一家に加入し,週に数回行われる暴走行為に参加するようになった。そして,先輩らによってA一家の3代目総長に指名され,構成員を統率する立場となった。 平成13年7月30日,被告人は,A一家の初代総長であるBから暴走集会に参加するよう誘われたため,午後9時40分ころ,所有する自動二輪車を運転して自宅を出発し,集合場所の神奈川県小田原市a番地にある「小田原シティーモールb」に向かった。その際,被告人の自動二輪車の後部座席右側には,金属バット1本が積まれていた。午後10時ころ,被告人を含む総勢10名,自動二輪車6台が上記シティーモールbに集合し,午後10時20分ころ,暴走行為を開始した。その後間もなく,自動二輪車1台に乗車した2名と合流し,被告人らは,総勢12名,自動二輪車7台で暴走行為を続け,通称c街道を西進した上,右折して国道d号線を北進し,その後左折してe川に架かるf大橋を東から西に渡った。そして,午後10時41分ころ,B運転車両を先頭にして,神奈川県足柄上郡g町h先にあるhバス停前に差し掛かった。 (犯罪事実第1)被告人は,当時少年であったが,公安委員会の運転免許を受けないで,平成13年7月30日午後10時41分ころ,神奈川県足柄上郡g町h付近道路において,普通自動二輪車を運転した。 (犯行に至る経緯2)そのころ,神奈川県南 ったが,公安委員会の運転免許を受けないで,平成13年7月30日午後10時41分ころ,神奈川県足柄上郡g町h付近道路において,普通自動二輪車を運転した。 (犯行に至る経緯2)そのころ,神奈川県南足柄市内の寺院の副住職であったCが,婚約者と待ち合わせた場所へ行く途中,hバス停付近を自動車で通り掛かった。Cは,hバス停前に自動車を止めて降車し,東方から走行してくる被告人らA一家の車両の前方の道路中央付近に立った上,先頭になって走行してきたB運転車両に向けて足蹴りをした。Bのすぐ後方を走行していた被告人は,CがB運転車両に向けて足蹴りをしたのを目撃し,CがA一家に対していわゆる「潰し」を仕掛けてきたのだと思った。 そして,Cの横を通り過ぎてしばらく走行してから後方を振り返ったところ,被告人の幼なじみでA一家でも2年先輩のDが,自動二輪車から降車してCのそばにいるのを見た。被告人は,Dが体格の良いCに追い掛けられて後ずさりしているように見えたので,先輩で仲の良いDを助けなければならないと思い,また,潰しを仕掛けられたらやり返すということを以前からA一家の仲間うちで話していたことから,総長という立場上,自分が率先して潰しを仕掛けてきた相手に立ち向かわなければならないとも思って,自動二輪車から降車し,積んであった金属バットを持って,足早にCの背後に近付いた。 (犯罪事実第2)被告人は,当時少年であったが,平成13年7月30日午後10時45分ころ,神奈川県足柄上郡g町h先路上において,C(当時24歳)に対し,Cが死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,持っていた金属バットで背後からCの後頭部を1回殴打し,Cに後頭部挫創及び線状骨折の傷害を負わせた。後頭部を殴られたCは,一,二歩前に進んで少し前かがみになったが,倒れずに被告人の方を振 ら,あえて,持っていた金属バットで背後からCの後頭部を1回殴打し,Cに後頭部挫創及び線状骨折の傷害を負わせた。後頭部を殴られたCは,一,二歩前に進んで少し前かがみになったが,倒れずに被告人の方を振り向いた。Dは,被告人がCに暴行を加えたことに気付き,被告人に加勢してCに暴行を加えることを決意し,ここに被告人及びDの間において,傷害の範囲で共謀が成立した。そして,Dが,被告人の方を向いたCの前方に回り込み,Cの腹部を1回足蹴にしたところ,Cは,一,二歩後ずさりして少し前かがみになった。それを見た被告人は,Cが死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,持っていた金属バットでCの左顔面部を1回殴打し,Cの左顔面部に粉砕骨折を伴う挫裂創の傷害を負わせ,その結果,そのころ,その場において,Cを左顔面部の挫裂創に基づく外傷性くも膜下出血により死亡させて殺害した。 (証拠)略(事実認定の補足説明) 1 被告人及び弁護人は,犯罪事実第2につき,被告人には殺意はなかったと主張する。裁判所は,関係証拠を総合検討して,被告人には未必的な殺意があったと認定したので,その理由を補足的に説明する。 2 争いのない事実関係証拠によれば,以下の事実を認めることができ,これに反する証拠はない。 (1) 被告人がCを殴打した際に使用した凶器は,重量620グラム,長さ89センチメートルの金属製バット(以下「本件金属バット」という。)であり,十分な殺傷能力が認められる。 (2) 被告人は,暴走中に潰しを仕掛けられた場合に備えて,平成13年1月ころから,潰しを仕掛けてきた相手を脅したり殴り付けたりするために,所有する自動二輪車の後部座席右側に本件金属バットを積んでいた。また,被告人は,本件犯行以前に金属バットで殴られたことがあり,その経験から,金属バットで頭部 きた相手を脅したり殴り付けたりするために,所有する自動二輪車の後部座席右側に本件金属バットを積んでいた。また,被告人は,本件犯行以前に金属バットで殴られたことがあり,その経験から,金属バットで頭部を殴れば死亡するかもしれないことを認識していた。 (3) 犯行態様は,以下のとおりである。被告人は,本件金属バットを持って自動二輪車から降車し,Dと向かい合っていたCに背後から足早に近付いた上,Cに対し,本件金属バットを両手で握って手加減せずに上から振り下ろし,身体の枢要部である後頭部に命中させた。そして,DがCの腹部を足蹴りした後,被告人は,向かい合った状態のCに対し,本件金属バットを両手で握って手加減せずに右から左へほぼ水平に振り抜き,身体の枢要部である左顔面部に命中させた。 (4) 被告人の1回目の殴打行為により形成されたとみられるCの後頭部の損傷は,後頭部左側正中寄りに位置する接着長4.5センチメートルの挫創であり,挫創の内端部にあたる後頭骨正中部から上下方向に伸びる線状骨折を伴っている。一方,2回目の殴打行為により形成されたとみられる顔面左側の損傷は,左外眼角の上外方に位置する接着長4センチメートルの挫裂創であり,挫裂創部にあたる前頭骨から後方の蝶形骨に拡がる粉砕骨折(陥没骨折)を伴っている。2回目の殴打行為による顔面左側への打撲は,粉砕骨折に至るほどの高度な打撲であるから,直ちに意識を失って倒れ,比較的短時間で死亡した可能性が高いと考えられる程度のものである。また,1回目の殴打行為による後頭部への打撲も,人間の脳が前後方向の衝撃に弱いことを考え併せれば,その打撲単独で死に至った可能性も考えられる程度のものである。 (5) 被告人は,Cが被告人らの殴打行為の結果路上に転倒し,被告人自身,Cが負傷したことを認識したのに,その後,Cに対し 考え併せれば,その打撲単独で死に至った可能性も考えられる程度のものである。 (5) 被告人は,Cが被告人らの殴打行為の結果路上に転倒し,被告人自身,Cが負傷したことを認識したのに,その後,Cに対して何らの救命措置を取ることもなく,その場から立ち去っている。 3 被告人の供述状況被告人は,犯行の動機や犯行当時の認識等に関して,以下のとおり供述している。 (1) 捜査段階においては,「相手の男が土木作業員のような格好をしていたのと,体格が良かったことから,ヤクザであるとは思わなかったものの,とにかく私達集団に潰しを仕掛けてきた人間だと思っていました。また,私は,A一家の現役の総長でしたし,仲間で,しかも,先輩のDが相手にからまれているのであれば,その助けに行くのは当然だと思っていました。」,「私は,相手の男のガタイがかなり大きくて,素手ではかなわないと思いましたし,Dが相手から追い込まれているように見えたことから,武器を持って助けにいかなければならないと考えて,金属バットを持っていくことにしました。」,「(1回目の殴打行為について)もちろん,私は,金属バットがとても堅い道具であり,そんな道具で相手の頭を殴れば,相手が死ぬかもしれないということくらい十分に分かっていました。」,「私は,相手の後頭部を目がけて,金属バットを握った両手を伸ばして,力一杯殴り付けました。」,「(2回目の殴打行為について)もちろん,相手の頭を金属バットで殴れば相手が死ぬかもしれないことは,先ほどお話したとおり分かっていましたし,相手を殺さないように,相手の腕や足を狙うこともしませんでした。」,「私は,その相手の首から上の部分を狙って,今度は,野球のボールを打つように,右斜め上に振りかぶった金属バットを右から左へと振り抜きました。」などと,先輩のDを助けなければ ともしませんでした。」,「私は,その相手の首から上の部分を狙って,今度は,野球のボールを打つように,右斜め上に振りかぶった金属バットを右から左へと振り抜きました。」などと,先輩のDを助けなければならない,また,総長という立場上,潰しを仕掛けてきた相手に自分が対抗しなければならないといった心情や,Cの頭部を狙って攻撃を加えたこと,その際,Cの生命に危険性が及ぶことを認識していたことなどを供述している。 (2) 次に,公判調書中の供述部分(以下「公判供述」という。)をみると,「取りあえずDがまずいと思ってたんで,それを助けなきゃっていうのも思って,取りあえず素手で向かっても,それでとっさ的にもうバットを握ってました。」,「やっぱり,(Dとは)一番仲がよかったのもありますし,暴走族のリーダーとしての立場も感じてたんで,先輩もたくさんいて,やらなきゃっていうのも感じてました。」などと,犯行動機について捜査段階の供述に沿う内容の供述をしている。 その一方で,公判供述中には,「(Cを殴打した際,頭を)わざわざねらったつもりはありません。」,「(金属バットで頭部を殴ったら当然死んでしまうかもしれないということは、殴る瞬間には全然考えつかなかったのか,という問いに対して)はい。」,「(金属バットで頭部を殴ると)相手がどうなるかとか,そういうことも考えてませんでした。」などと,頭部を狙って殴打したことや殺意の存在を否定する内容の供述も存在する。 4 被告人の供述の評価(1) 被告人の捜査段階の供述について被告人の捜査段階の供述は,当時の心情を具体的かつ詳細に述べたもので,臨場感が備わっている上,その供述中には,「私は,まず相手を地面に倒し,その後で,仲間と一緒に相手を殴ったり蹴ったりして,痛め付けようと思っていました。」,「相手を殺すつもりは 詳細に述べたもので,臨場感が備わっている上,その供述中には,「私は,まず相手を地面に倒し,その後で,仲間と一緒に相手を殴ったり蹴ったりして,痛め付けようと思っていました。」,「相手を殺すつもりはありませんでした。」などと,それだけをみれば,殺意を否定する方向に働く内容の供述もあり,被告人の心情をありのままに録取しようとしたことがうかがえるから,信用性が十分認められる。 (2) 被告人の公判段階の供述について被告人は,金属バットを持って自動二輪車から降車し,足早にCの背後に近付いた上で殴打したのであり,とっさに反射的にCを殴打したわけではない。また,1回目の殴打行為はCの背後から,2回目の殴打行為はCと向かい合った状態で,それぞれ攻撃を加えており,殴打行為の直前にCが体を大きく動かした様子も認められないから,狙った部位と異なる部位に命中してしまったという可能性は少ないと考えられる。さらに,被告人がCを殴打した際,身体の枢要部を避けるなどの配慮をした形跡は全くなく,この点は被告人も公判で認めている。そして,前述の捜査段階の供述にも照らして勘案すれば,頭部を狙って殴打したことや殺意の存在を否定する被告人の公判供述は信用することができない。 5 以上に認定した凶器の形状や性能,これに関する被告人の認識,凶器の使用方法や攻撃の態様,本件の結果被害者に生じた傷害の部位・程度,犯行の動機,犯行後,被告人自身,被害者が負傷したことを認識したのに,その後,被害者に対して何らの救命措置を取ることもなく犯行現場から立ち去ったこと,さらに,犯行当時の認識に関する被告人の供述内容等を総合して勘案すれば,被告人がCを殴打した当時,被告人に殺意が存在したと認めるのが相当である。 しかし,本件は偶発的犯行であり,その動機も,被告人が,暴走族の総長という立場上 被告人の供述内容等を総合して勘案すれば,被告人がCを殴打した当時,被告人に殺意が存在したと認めるのが相当である。 しかし,本件は偶発的犯行であり,その動機も,被告人が,暴走族の総長という立場上,先輩のDを助けなければならないという気持ちが高じたもので,当面Cの攻撃を阻止することができれば被告人らの攻撃の目的を一応達成できるものであり,Cに未必的な殺意を抱くことが了解できる程度の合理的な理由は認められるが,その一方で,必ずしもCを殺害することを意欲するような強固な殺意があったとまでは認め難いこと,被告人が未成年であり,大柄で強そうな相手に攻撃を加えなければならない状況に置かれて,精神的に動揺して過剰な加害行為に及んだとしても不自然ではないこと,被告人は,捜査段階において,「相手が死んでしまうかもしれないとは思いましたが,相手を殺してしまおうという気持ちまではありませんでした。」,「金属バットで相手の頭を殴ることで,相手がどうなっても構わないという気持ちはありましたが,相手を殺そうという気持ちまではなかったのです。」などと供述していることなどを勘案すると,被告人の殺意は未必的なものにとどまるものと認めるのが相当である。 なお,弁護人は,被告人にCを殺害する深刻な動機がないことを根拠に,被告人に殺意がないと主張している。しかしながら,本件は,被告人が計画的にCを殺害しようとした事案ではなく,偶発的に発生した事態から,被告人が突然Cを殺害した態様の事案であって,元来,被告人に確定的にCを殺害する意図やCを確実に殺害する意欲が存在する事案ではないから,被告人にCを殺害する深刻な動機がないことは当然であり,そのことを根拠として被告人に未必的な殺意までなかったとみるのは相当でなく,この点についての弁護人の主張は採用できない。 (法令の適用) から,被告人にCを殺害する深刻な動機がないことは当然であり,そのことを根拠として被告人に未必的な殺意までなかったとみるのは相当でなく,この点についての弁護人の主張は採用できない。 (法令の適用)罰条第1 平成13年法律第51号(道路交通法の一部を改正する法律,以下「改正法」という。)附則9条,改正法による改正前の道路交通法118条1項1号,64条第2 刑法60条(ただし,傷害致死の範囲で),199条刑種の選択第1 懲役刑選択第2 有期懲役刑選択併合罪の処理刑法45条前段,刑法47条本文,10条,47条ただし書(重い第2の罪の刑に加重)不定期刑少年法52条1項未決勾留日数の算入刑法21条(量刑の理由)本件は,暴走族構成員であった被告人が,他の構成員らとともに集団暴走を行って無免許で自動二輪車を運転した上,暴走する被告人らの集団に足蹴りをしてきた被害者に対し,暴走に参加していた成人共犯者と傷害の範囲で共謀の上,未必の殺意をもって,金属バットで頭部を殴打するなどの暴行を加えて死亡させたという道路交通法違反及び殺人の事案である。 殺人の事案についてみると,被告人は,被害者が自分たちに潰しを仕掛けてきたと感じて,暴走族の総長という立場上,自分が潰しを仕掛けてきた相手に立ち向かわなければならない,あるいは,先輩である成人共犯者を助けなければならない,などという思いから,金属バットで被害者に攻撃を加えたものであり,このような暴走族特有の論理や虚栄心に基づく犯行の動機には酌量すべき余地は全くない。被害者は,被告人らの集団暴走を止めようとして,暴走する被告人らの自動二輪車に足蹴りをするなど不用意な面はあったが,被告人らから金属バットで殴り殺されるまでの落ち度はない。また,犯行の態様をみると,被告人は,金 告人らの集団暴走を止めようとして,暴走する被告人らの自動二輪車に足蹴りをするなど不用意な面はあったが,被告人らから金属バットで殴り殺されるまでの落ち度はない。また,犯行の態様をみると,被告人は,金属バットを用いて2回にわたって被害者の頭部を殴るという極めて危険で残忍な暴行を加えており,腹部を1回蹴っただけの成人共犯者と比べても,犯情ははるかに悪い。その結果,当時24歳の被害者は,医療的な救護措置を受けるいとまもなく,犯行現場で間もなく死亡し,尊い生命を奪われた。結婚を目前に控えて,被告人らの凶行により殺害された被害者の無念さは察するに余りある。また,突然の被害者の死を伝え聞いた遺族や婚約者らの心痛は誠に大きく,被告人らの厳重処罰を強く希望している。そして,暴走族による殺人事件として大きく報道された本件犯行が,付近住民に対して与えた恐怖感・不安感等や社会一般に与えた衝撃等の社会的な影響も大きかったと認められる。 さらに,道路交通法違反の事案についても,被告人は,無免許であるにもかかわらず,夜間に長時間にわたる暴走集会に参加し,その集会途中で行われた計画的な犯行であり,周辺の道路交通秩序に与えた影響も大きく,悪質というほかない。 被告人は,中学校卒業後間もなく暴走族に加入し,無免許で暴走行為を繰り返していたが,平成11年8月5日,傷害等保護事件により中等少年院送致の決定を受けたことをきっかけとして,一時は暴走族の活動から離れた生活を送っていた。しかし,平成12年1月5日に仮退院した後,しばらくして不良交友が復活し,平成12年10月ころには,同学年の仲間とともに再び暴走族に加入した。そして,先輩らによって総長に指名され,構成員を統率する立場となって暴走行為を繰り返し,本件各犯行を敢行するに至っており,その非行傾向には根深いものがある。 年の仲間とともに再び暴走族に加入した。そして,先輩らによって総長に指名され,構成員を統率する立場となって暴走行為を繰り返し,本件各犯行を敢行するに至っており,その非行傾向には根深いものがある。 これらによれば,被告人の刑事責任は重大である。 しかしながら,他方,殺人の事案については,前述したとおり,暴走する被告人らの自動二輪車に足蹴りをした被害者の行動が本件を誘発した面があったと認められる。また,被告人には確定的な殺意まではなかった上,当時満17歳の未成年であった被告人が,精神的に動揺して過剰な加害行為に及んでしまったという面もうかがわれる。被告人は,犯行後に自ら警察に出頭した上,殺意の点以外については捜査段階から一貫して事実を認めており,相当長期間の身柄の拘束を受けた上,家庭裁判所での鑑別,調査,審判手続を通し,犯した行為の重大性を受け止めて悔悟の念を深め,公判廷においても反省の態度を示している。そして,被告人は,弁護人らを通じて,被害者の遺族に対し,損害賠償金の一部として被告人の両親が拠出した300万円の支払を申し出ている。さらに,被告人の雇用主や母親が情状証人として出廷し,被告人の社会復帰後の指導監督を誓っている。これらの諸点は,被告人のために酌むことのできる事情である。 以上のような諸事情を総合考慮し,被告人の刑を定めた。 (検察官佐藤剛私選弁護人石渡稔各出席)平成14年7月12日横浜地方裁判所小田原支部刑事部裁判長裁判官田中優裁判官荒川英明裁判官戸苅左近 裁判官 荒川英明 裁判官 戸苅左近
▼ クリックして全文を表示