平成13(う)605 強盗致死,死体遺棄被告

裁判年月日・裁判所
平成13年10月16日 大阪高等裁判所
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判決文本文8,534 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中140日を原判決の刑に算入する。 理由 本件控訴の趣意は弁護人三上陸作成の控訴趣意書に,これに対する答弁は検察官作成の答弁書に各記載のとおりであるから,これらを引用する。 第1 控訴趣意中,事実誤認の主張について論旨は,原判示第1の事実について,被告人のAに対する暴行は,同人の反抗を抑圧するに足りるものでなく,また,同人の死亡の原因となった被告人らの暴行は強盗とは無関係になされたものであるのに,強盗致死罪の成立を認めた原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある,というのである。 しかしながら,記録を調査,検討しても,原判決がその挙示する証拠により,被告人が,Aに対し,被告人の内妻Bのパンティを見たとか臀部に触れたなどと因縁を付けて暴行を加え,それまでにAが被告人を畏怖していたこととも相まって,極度に畏怖して反抗できなくなったのに乗じ,Aから金員を強取しようと企て,同人に300万円を支払う旨の念書を書かせた上,翌日から4日間,同人を普通乗用自動車に乗せて大阪府下及び和歌山県内等を連れ回すなどし,その途中,同人に「300万円どないかせえ。」などと語気を荒らげて脅迫するなどして,同人が消費者金融2社から借り受けた現金を強取し,その間及びその後,Aの運転態度や同人が指示に従わないことなどに憤激して,被告人に同行していたCやDと共謀の上,合計4度にわたり,Aに殴る蹴る等の暴行を加え,その一連の暴行により同人を死亡させた旨の原判示事実を認定した上,その事実が強盗致死罪に当たるとしているのは正当であり,また,その「争点に対する判断」の項で詳細に説示しているところも相当として是認できるのであって,当審における事実取調べの結果によっても,こ 上,その事実が強盗致死罪に当たるとしているのは正当であり,また,その「争点に対する判断」の項で詳細に説示しているところも相当として是認できるのであって,当審における事実取調べの結果によっても,この認定,判断は動かない。なお,所論にかんがみ,付言する。 1 強盗罪の成否について所論は,被告人はAがBのパンティを見たことや,同女の尻に触ったことから,Aに数回殴る蹴るの暴行を加えたが,この時はAから金員を奪取する意図などなかったし,また,その暴行の程度も強度のものではなく,その後,Aが被告人の求めに応じて300万円を支払う約束をして念書を書いたのは,被告人が「警察へ行こうか。」と言ったことから,内気で恥ずかしがりやのAが,もし警察沙汰になると自己の破廉恥な行為が表面化するのを畏怖したためであって,その時点で同人が反抗を抑圧されたことなどなかった,と主張する。 そこで,検討するに,まず,関係証拠によると,次の事実が認められる。 (1)Aは,平成12年2月12日から人材派遣会社の契約社員となって,富山県魚津市所在の同会社の寮に入居していたが,同月20日に被告人がその隣室に入居してから間もないころ,母親らに対し,「隣にやくざのようなやつが来て嫌や。会社が終わったら駅前で時間をつぶして,みんなが寝てから寮に帰って寝るようにしている。」と話しており,被告人のことを恐れていた。 (2)被告人は,同年2月25日,同じ寮に住む同僚のC及びDと共に,Aを誘ってマージャンをし,勝敗をごまかして,ルールをよく知らない同人が4万7000円負けたとして,同人にその負け金を支払うよう要求し,渋る同人に,「マージャンは賭やから払ろうてもらわなあかん。男らしく払えよ。」と怒鳴りつけ,1万5000円を払わせ,さらに,その残金についても,「2月26日に1万7000円を支払う 払うよう要求し,渋る同人に,「マージャンは賭やから払ろうてもらわなあかん。男らしく払えよ。」と怒鳴りつけ,1万5000円を払わせ,さらに,その残金についても,「2月26日に1万7000円を支払う。残りの1万5000円は3月10日に払う」旨の借用書を作成させた。 (3)そして,2月26日,被告人は,Aを連れて郵便局へ行き,同人にその口座から貯金のほぼ全額に当たる1万7000円を払い戻させて,これを取り上げ,マージャンの分け前としてCに渡した。 (4)それから,Aにレンタカーを借りさせ,ドライブをしながら,同人に消費者金融で融資を受けさせようとしたり,宝石店や電気店で商品をローンで購入させようとしたりしたが,いずれも店から断られるなどして失敗し,結局は,Aの両親が郵便口座に振り込んだ4万円を払い戻させ,そのうちの3万円を取り上げた。 (5)2月28日,被告人は,A,C及びDを自室に招き,夕食を振る舞った後,いわゆる王様ゲームをして遊んだが,そのゲームにかこつけて,Aの肩部,臀部等を殴ったり蹴ったりした。 (6)そして,そのすぐ後にも,被告人は,Aが寝室に干してあるBのパンティを見たと因縁を付けて,Aの背部,臀部,胸部及び腹部等を数回殴打,足蹴にし,また,被告人が同人の体を引っ張ったため,同人がよろけて,その手がBの臀部に触れたにすぎないのに,「おっさん,今,Bのケツ触ったな。何しとんねん。」などと怒号して脅迫し,同人の背部,臀部等をなおも数回足蹴にするなどの暴行を加えた。 (7)その際,被告人がC及びDに「お前らも見とったなあ。」と言って同調を求めると,同人らも,「見た。見た。」と話を合わせた。 (8)これに対し,Aは,「すいません。」と言って,正座してうなだれていたが,被告人が「すいませんで済むか。警察へ行こら。」と怒号すると,「いや,それはち ,同人らも,「見た。見た。」と話を合わせた。 (8)これに対し,Aは,「すいません。」と言って,正座してうなだれていたが,被告人が「すいませんで済むか。警察へ行こら。」と怒号すると,「いや,それはちょっと困る。」と言って嫌がった。 (9)被告人は,それまでのAとの付き合いから,同人が,気が弱く,どもって物事をはっきり言えず,自分が間違っていることをしていなくても,また,自分の思っていることと違っていても,相手の言うことを認めてしまうような人物であると考えており,この時も,上記のAのうなだれる様子等を見て,これは同人から金を巻き上げることができると思った。 (10)そこで,被告人は,レポート用紙に文案を作って,Aに「同じように書け。」と命じ,さらに,必要な箇所を口授して,同人に「むらむらしてBさんのお尻を触ってしまいました。300万円お支払いします」といった内容の念書を作成させた。 (11)その後,被告人は,Aに「おっさん,どないして払うんな。」と言うと,同人がうつむいて黙っていたので,同人に何度も「どないするんなよ。どないして払うてくれるんな。」と怒った口調で申し向け,遂には,「保険を解約し,銀行預金を下ろして払う。」と言わせるに至った。 (12)さらに,被告人は,Aから保険証書や預金通帳は両親が管理していることも聞き出し,Aに「そんなら明日親元へ行こう。」と申し向け,CやDに「お前らも明日付いていってくれ。証人として付いていってくれたらええ。300万入ったら,50万ずつやる。」と言って,同人らを誘った。 (13)こうして,被告人は,2月29日,C,D及びBと共に,Aを連れて,大阪市内の同人の両親の許に行き,300万円の支払いを求めたが,Aの両親から拒否されたため,和歌山県方面に向かう車中で,Aに「おっさん,300万円払うて書いたなあ。ど ,D及びBと共に,Aを連れて,大阪市内の同人の両親の許に行き,300万円の支払いを求めたが,Aの両親から拒否されたため,和歌山県方面に向かう車中で,Aに「おっさん,300万円払うて書いたなあ。どないするんよ。絶対払えよ。」などと何度も言い,翌3月1日,「お前,300万円払うて言うて,払えへんやないか。どないかせえ。サラ金で借らなしゃあないで。サラ金へ行こか。」と怒号して脅迫し,原判示F株式会社自動契約機設置所にAを連れて行き,同人に10万円を借り受けさせて,これを同人から受け取った。 (14)さらに,同日から3月2日にかけても,Aに種々金策をさせようとしたが,いずれも失敗した後,同人の手帳から同人と取引のある消費者金融の会社名を見つけ,大阪府松原市内の原判示株式会社G松原支店に同人を連れていき,同人に18万5000円を借り受けさせて,これを同人から受け取った。 以上の事実によれば,①Aはもともと気が小さく,自分の思ったことを口に出せない性格であり,しかも,被告人を平素から恐れていたところ,賭けマージャンで被告人に金を取られたことから,ますますその畏怖心を強め,被告人には抵抗できないという感情を抱くようになったこと,②程度はそれほど強くなかったものの,被告人から暴行を受け,脅迫されると,正座してうなだれ,被告人の言いがかりにすぎない非を認め,その求めるままに300万円といった多額の現金の支払いを約束し,黙ってその念書の作成にも応じていること,③その後は,実家に保険の解約や預金の払い戻しを頼むために行ったり,種々の金策を試みたりするなど被告人の言いなりになっていることの諸点が指摘できるのであって,Aは遅くとも被告人から暴行脅迫を受けて上記念書を作成した時点で,反抗を抑圧された状態に陥っており,また,被告人もそのことを認識したからこそ,A 言いなりになっていることの諸点が指摘できるのであって,Aは遅くとも被告人から暴行脅迫を受けて上記念書を作成した時点で,反抗を抑圧された状態に陥っており,また,被告人もそのことを認識したからこそ,Aに対し,およそ理不尽と思われる要求を執拗に続けていたものと認められる。確かに,Aには,被告人から暴行を受けた後,「警察に行こら。」と言われたことに畏怖している様子が見られるが,そもそもAの手がBの臀部に当たったのは,誰が見ても偶然の出来事にすぎず,およそこれが破廉恥な行為と受け取られるようなものではなかったから,所論のように,Aがその行為の表面化するのを畏怖したなどとはいえず,むしろ,Aが畏怖したのは,自分に暴行を加えてまでBの臀部を触ったことを認めさせようとする被告人が,CやDに「お前らも見とったなあ。」と言って同調させたように,同人らにうその目撃証言をさせるなどして,警察に対し,自分を犯罪者に仕立て上げることであったとみるべきであり,したがって,被告人が,警察に届ける意思もないのに,Aに「警察に行こら。」と言ったのは,それ自体が脅迫と考えられるのであって,たとえAがこれに畏怖したとしても,上記認定を何ら左右するものではない。所論は採用できない。 2 強盗致死罪の成否について所論は,Aの死亡の原因となった可能性のある暴行は,その目的がAの危険な運転行為を止めさせるために加えられたものであるところ,その時点では,Aの金策は尽きていて,金員をAから奪うことは不可能となっており,ただ,Aも含め皆で一緒に寮へ帰るために同行していたにすぎず,被告人も既にAから金員を奪う意思は放棄していたから,上記の暴行は,強盗の機会になされたものではない,と主張する。 そこで,検討するに,まず,関係証拠によると,次の事実が認められる。 (1)被告人は,平成12年 から金員を奪う意思は放棄していたから,上記の暴行は,強盗の機会になされたものではない,と主張する。 そこで,検討するに,まず,関係証拠によると,次の事実が認められる。 (1)被告人は,平成12年3月1日,AにF株式会社から10万円を借り受けさせて,これを受け取った後,大阪市泉佐野市内のH店で,プラチナのネックレスをローンで購入させようとしたが,ローン契約を拒否されて失敗した。 (2)その後,被告人らは,同店でボーリング等をした後,Aの運転で同店を出発したが,その運転の仕方が,ブレーキの踏み方が遅く,停止車両とぶつかりそうになったり,センターラインを越えて走行したり,また,スピードも遅かったりしたため,被告人,C及びDは,Aが嫌がらせをしているものと思い,同人に暴行を加えることを共謀した上,原判示のI若者広場でAを降ろし,同人に対し,約5分ないし10分間にわたって,その全身を殴る蹴るの暴行を加えた。 (3)3月2日,被告人は,CやDから富山に帰らないと勤務先を首になると言われたので,会社の事業所所長に電話をかけ,CとDをもう一日休ませてほしいと頼み,翌3日に出勤することを条件にこれを認めてもらった。被告人は,この電話の後,Dから「今日帰ろうや。」と言われたが,富山に帰るにしてもまとまった金が欲しいと考え,帰ろうとしなかった。 (4)そして,被告人は,Aの預金を払い戻させたり,保険を解約させたりして現金を手に入れようと考え,AにJ信託銀行に電話をかけさせたり,自らK生命保険相互会社に電話をしたりしたが,通帳や証書の紛失届けを提出して預金を払い戻し,保険を解約するには相当な日数がかかるとの回答を得たため,この方法はあきらめ,大阪府羽曳野市内のL羽曳野支店にAを連れていって,30万円を借り受ける申し込みをさせ,同店では断られたものの,同日午後6 険を解約するには相当な日数がかかるとの回答を得たため,この方法はあきらめ,大阪府羽曳野市内のL羽曳野支店にAを連れていって,30万円を借り受ける申し込みをさせ,同店では断られたものの,同日午後6時過ぎころ,前記のとおりG松原支店で18万5000円を借り受けさせることができ,これを受け取った。 (5)被告人は,Aからまとまった金が得られたので,富山にはすぐに帰らず遊んでいこうと思い,Cらに大阪府枚方市の遊園地に行くことを提案したが,一刻も早く富山に帰りたいとの同人らの反対にあった。 (6)その後,被告人らは,和歌山県橋本市内のイタリア料理店へ行って食事をし,同日午後9時ころ,被告人の運転で同店を出発した。そして,途中で運転をAと交替したところ,同人がまた危険な運転をしたことから,再度被告人と運転を交替した。 (7)そのことで,被告人,C及びDは,Aに暴行を加えることを共謀した上,同日午後10時ころ,原判示M公園に同人を連行し,同所で,約20分間にわたって,こもごもその全身を殴る蹴るの暴行を加えた。 (8)被告人らは,同日午後11時ころ,体調の悪いBを病院に連れていくなどした後,Aの運転で病院を出発したが,その際,被告人は,「Cが妊娠しているんや。 事故られたら困るさかい,ちゃんと運転してくれよ。」と,C及びDも,「おっちゃん,ちゃんと頼むで。帰らな首になるんやから。」などと言った。しかし,Aの危険な運転は改まらず,また,同人が「どうせ帰っても首や。」と言ったので,これらに憤激した被告人は,C及びDに,Aに暴行を加えることを提案し,3月3日午前2時ころ,原判示N広場先道路に同人を連行して,同所で,約20分ないし30分間にわたり,こもごもその全身を殴る蹴る,踏みつけるなどの暴行を加えた。 (9)そうした後で,被告人は,勤務先の営業所長等に電話をか ろ,原判示N広場先道路に同人を連行して,同所で,約20分ないし30分間にわたり,こもごもその全身を殴る蹴る,踏みつけるなどの暴行を加えた。 (9)そうした後で,被告人は,勤務先の営業所長等に電話をかけたところ,「被告人とBは解雇するが,C,D及びAは3月4日午前10時までに寮に戻ってくれば相談に応じる。」と言われた。 (10)その後,被告人は,知人のEに運転を依頼し,別の車を借りて富山に向けて出発したが,3月3日午後8時30分ころ,その車中で,CがAが窓のカーテンを開けて外を見たとか,たこ焼きの皿をひっくり返したといったことで,同人の胸部,肩部等を数回足蹴にし,被告人も,Aの胸部,肩部等を手拳で数回殴打,足蹴にする暴行を加えた。 (11)Aは,被告人らから上記一連の暴行を受けた結果,同日午後8時30分ころから午後11時30分ころまでの間に,走行中の車中で,全身打撲に基づく内出血により,失血死した。 以上の事実によれば,①本件強盗は,反抗を抑圧したAを車で連れ回して,同人に種々金策を試みさせ,それが成功したときはその現金を奪うという態様のものであって,その金策の試みも,消費者金融で借り受けさせようとしたり,商店で貴金属等をローン購入させようとしたり,更には,Aの預金の払い戻しや保険の解約をさせようとしたりなど,いずれも被告人の思いつくままになされていたこと,②Aは,被告人らから暴行を受けた時点でも,依然被告人に反抗を抑圧されたまま車で連れ回されている最中であり,その時は具体的な金策が予定されていなかったとしても,被告人がその方法を思いつきさえすれば,Aにそれを行わせることができる状況が続いていたこと,③被告人がAに約束させた300万円は未だ手にしていなく,それまでに同人から奪った金員で被告人が満足したような様子も見受けられないこと,④G ば,Aにそれを行わせることができる状況が続いていたこと,③被告人がAに約束させた300万円は未だ手にしていなく,それまでに同人から奪った金員で被告人が満足したような様子も見受けられないこと,④G松原支店前で現金を受け取ってから,約4時間後及び8時間後に暴行が行われており,強盗行為から時間もそれほど長くは経過していないことの諸点が指摘できるのであって,被告人らが暴行を加えた時,強盗の機会は未だ終了していなかったというべきである。そして,暴行の目的も,直接は,Aの運転態度に憤激してのものであるが,同人を連れ回す間の被告人らの意に沿わないAの行為について,同人に制裁を加えて,意に沿うようにしようというもので,同人に対する支配を強め服従させようとする点で,その反抗抑圧状態を維持することと軌を一にしているものとみられるから,決して強盗と無関係なものではなく,強盗の機会の暴行というべきである。この所論も採用できない。 その他所論にかんがみ,更に記録を調査,検討しても,原判決には所論のような事実の誤認はない。論旨は理由がない。 第2 控訴趣意中,量刑不当の主張について論旨は,原判決の量刑が重過ぎる,というのである。 そこで,記録を調査し,当審における事実取調べの結果を併せて検討すると,本件は,前記のとおりの強盗致死とその後の死体遺棄の事案であるが,原判決もその「量刑の事情」の項で詳しく説示するように,強盗やその機会になされた暴行,傷害及び死体遺棄のいずれの行為を見てもそれらの動機は身勝手かつ自己中心的なもので,酌量の余地がないこと,何ら落ち度のない被害者を金員強取のために連れ回し,その挙げ句,無抵抗の同人に対し,3人掛かりで何度もその全身を殴る蹴る,あるいは踏みつけるなどの激しい暴行を加えたという犯行態様も悪質かつ残忍であること,被害者を死に 者を金員強取のために連れ回し,その挙げ句,無抵抗の同人に対し,3人掛かりで何度もその全身を殴る蹴る,あるいは踏みつけるなどの激しい暴行を加えたという犯行態様も悪質かつ残忍であること,被害者を死に至らせた結果はまことに重く,同人の苦痛や無念さは察するに余りあること,突如,一人息子を失ったその父母の悲嘆の大きさも計り知れず,被害感情が峻烈であること,これら遺族に対する被告人からの慰謝の措置は全くなされていないこと,被告人は,本件の首謀者で,執拗な強盗に及んだ上,自ら積極的に被害者への暴行を加えていること,自首を決意した共犯者らを引き止めるなど,犯行後の行動も良くないこと,更には,被告人にあっては,平成10年12月に傷害,恐喝罪等で懲役2年2月,4年間刑執行猶予に処せられ,その猶予期間中でありながら本件犯行に及んでおり,粗暴性や規範意識の希薄さが顕著であることに照らすと,その刑責は重大といわざるを得ない。したがって,他方で,被告人が写経をするなど,被害者を死なせたことについて反省する態度も見られること,不遇な生い立ちには同情できるものがあること,年齢が23歳と若いことなど,被告人のために酌むべき事情を最大限考慮しても,酌量減軽の上被告人を懲役15年に処した原判決の量刑は相当であり,これが重過ぎて不当であるとはいえない。この論旨も理由がない。 よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却することとし,当審における未決勾留日数の算入につき刑法21条を適用して,主文のとおり判決する。 (第4刑事部裁判長裁判官白井万久裁判官増田耕兒裁判官磯貝祐一) 申し訳ありませんが、整形するテキストが提供されていないようです。もう一度テキストを送信してください。

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