平成21(行ウ)98 行政文書不開示決定処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年11月11日 名古屋地方裁判所 情報公開
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判決文本文12,085 文字)

- 1 -主文 1 処分行政庁が平成21年11月26日付けで原告に対してした行政文書不開示決定(○A第○号)を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨主文同旨 2 請求の趣旨に対する答弁(本案前の答弁)本件訴えを却下する。 (本案の答弁)原告の請求を棄却する。 第2 事案の概要本件は,原告が,処分行政庁に対し,愛知県情報公開条例(平成12年愛知県条例第19号。以下「条例」という。)に基づいて,「発達障害等を有すると考える児童生徒に対する指導助言が記載されている文書」の開示を請求したところ,処分行政庁から,当該行政文書があるかないかを答えるだけで個人情報(条例7条2号)を開示することになるとして,条例10条に基づき当該文書の存否を明らかにしないで原告の開示請求を拒否する決定を受けたため,その取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め(1) 条例10条は,「開示請求に対し,当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,実施機関は,当該行政文書の存否を明らかにしないで,当該開示請求を拒否することができる。」と規定している。そのほか,本件に関係する条例の定めは,別紙Ⅰ記載のと - 2 -おりである。 (2) 愛知県公立学校処務規程(昭和29年愛知県教育委員会訓令第1号。以下「処務規程」という。)10条1項は,「校長は,次に掲げる事務を専決することができる。」と規定し,その4号において,「愛知県情報公開条例(平成12年愛知県条例第19号)第11条に規定する行政文書の開示の請求に対する決定等に関するこ ,「校長は,次に掲げる事務を専決することができる。」と規定し,その4号において,「愛知県情報公開条例(平成12年愛知県条例第19号)第11条に規定する行政文書の開示の請求に対する決定等に関すること。」を掲げている。 (3) 処分行政庁においては,情報公開の事務に関し,愛知県教育委員会情報公開事務取扱要領(平成17年3月31日付け16教総第732号教育長通知。以下「事務取扱要領」という。)を定めている。本件に関係する事務取扱要領の定めは,別紙Ⅱ記載のとおりである。 2 前提事実(証拠を掲げていない事実は,当事者間に争いがない。)(1) 原告は,平成21年11月16日,条例に基づき,処分行政庁に対し,「地区校長会を特別支援学校で開催しない地区高等学校に限る」という限定を付して「発達障害等を有すると考える児童生徒に対する指導助言が記載されている文書(H14年度から21年度まで)」を開示するよう求める行政文書開示請求を行った(以下,この請求を「本件開示請求」といい,本件開示請求に係る文書を「本件文書」という。)。 (2) 処分行政庁は,事務取扱要領第3の2(6)アに基づき,本件開示請求のうち愛知県立B高等学校(以下「B高校」という。)に関する部分をB高校に送付し,処務規程10条1項4号に基づくB高校長の専決により,平成21年11月26日付けで,上記部分につき,行政文書があるかないかを答えるだけで,個人情報を開示することとなるため,開示請求に係る行政文書があるともないとも答えることができないとして,条例10条に基づき,不開示決定(以下「本件処分」という。)を行い,原告に通知した(甲2,弁論の全趣旨)。 (3) 処分行政庁は,平成21年11月26日から同月30日までの間に,B高校以外の本件開示請求の対象となった愛知県立高等学校( 件処分」という。)を行い,原告に通知した(甲2,弁論の全趣旨)。 (3) 処分行政庁は,平成21年11月26日から同月30日までの間に,B高校以外の本件開示請求の対象となった愛知県立高等学校(67校)についても,本件 - 3 -処分と同様の手続で各校長の専決により,同一の理由により不開示決定をした(弁論の全趣旨)。 3 争点及びこれに関する当事者の主張(1) 原告は,本件訴えにつき,訴えの利益を有するか否か(本案前の争点)(被告の主張)原告は,処分行政庁が本件文書を保管していないことを理由に不開示決定をすべきであると主張し,本件文書が不開示とされた結論については争わず,本件処分の理由について不服をいうにすぎない。不開示決定の理由のいかんは,原告の法律上の利益の回復とは何ら関係がないから,原告には,本件処分の取消しによって回復すべき法律上の利益はなく,本件訴えは,訴えの利益を欠くものである。 (原告の主張)処分行政庁は,本件文書を保管していないはずであるので,原告は,本件訴訟において本件文書の開示を求めるものではないが,不開示の決定の変更が必要ない場合においても,不開示の理由が適法でない場合は,不開示理由を変更すべきであり,原告には,本件文書が不存在であることを理由とする不開示決定を受ける利益がある。 (2) 条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで開示を拒否したことが適法であるか否か(本案の争点)(被告の主張)ア知的な遅れのない発達障害も含め,特別な支援を必要とする生徒が在籍する愛知県立高等学校においては,特別な支援を必要とする生徒の存在や状態を確認する際に作成された記録やこれらの生徒に対する指導,助言の記録などの本件文書に該当すると考えられる文書が存在する。 しかし, 知県立高等学校においては,特別な支援を必要とする生徒の存在や状態を確認する際に作成された記録やこれらの生徒に対する指導,助言の記録などの本件文書に該当すると考えられる文書が存在する。 しかし,愛知県立高等学校において,保護者から届出のあった発達障害等により特別な配慮を要する生徒は,1校当たり1名又は2名若しくは数名が在籍しているにすぎないところ,発達障害等により特別な配慮を要する生徒は,その特有の行動 - 4 -や特徴により,他の生徒と容易に区別される。したがって,仮に,ある県立高等学校が本件文書を管理していることを明らかにした場合,その高等学校に発達障害等により特別な配慮を要する生徒が在籍していることが明らかになってしまうことから,たとえその氏名や人数を不開示としたとしても,生徒や保護者等の学校関係者にとっては,容易に当該生徒を特定できることにより,条例7条2号により原則として不開示情報とされている個人情報(以下「個人識別情報」という。)を開示したのと同様の結果を生じる。 イ処分行政庁の所管文書について,行政文書の開示請求がされた場合,その実施機関は処分行政庁であるが,処分行政庁は,処務規程10条1項4号により,行政文書の開示請求に対する決定等に関する事務を,校長の専決事項と定め,各県立高等学校に関する行政文書の開示請求については,原則として,校長が専決権者として決定することとしている。そして,処分行政庁は,事務取扱要領第3の2(6)アにおいて,地方機関が保有する行政文書について開示請求があった場合は,たとえ,本庁で開示請求を受け付けた場合であっても,当該開示請求書を総務課教育企画室から本庁主務課を経由して地方機関に送付することを定め,事務取扱要領第3の3(6)において,行政文書の開示決定等の決裁は,地方機関にあっては 受け付けた場合であっても,当該開示請求書を総務課教育企画室から本庁主務課を経由して地方機関に送付することを定め,事務取扱要領第3の3(6)において,行政文書の開示決定等の決裁は,地方機関にあっては当該地方機関で行うことを定め,事務取扱要領第3の4(1)において,地方機関が保有する行政文書については,当該地方機関の公開窓口で開示を実施することを定めている。 本件開示請求は,愛知県内の各県立高等学校(なお,地区校長会を特別支援学校で開催しない地区の高等学校は68校である。)に対する請求であり,本件文書は,各県立高等学校が保有しているから,本件処分については,処務規程及び事務取扱要領により,地方機関であるB高校の校長が専決したものである。 原告は,学校名を匿名にして開示決定をするべきであると主張するが,処務規程及び事務取扱要領により,各県立高等学校が開示,不開示の決定を行う場合には,決定通知書に当該学校名を記載しないことはできないので,学校名を匿名にすることはできない。また,原告は,処分行政庁の主務課が開示,不開示の判断をするこ - 5 -とがあると主張するが,本件開示請求の主務課である処分行政庁の事務局の高等学校教育課が本件文書を管理していないので,各高等学校において開示,不開示の判断をせざるを得ないものである。 ウしたがって,条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで不開示とした本件処分は適法である。 (原告の主張)ア処分行政庁においては,「発達障害」,「発達障害者」の定義が存在しないので,本件文書を保管していないはずであるから,本件文書が存在しないとの理由で不開示処分をしても,本来不開示情報とされるべき個人識別情報を開示したのと同様の結果を生じることはない。 イ被告は,本件文書を各県立高等学校が ないはずであるから,本件文書が存在しないとの理由で不開示処分をしても,本来不開示情報とされるべき個人識別情報を開示したのと同様の結果を生じることはない。 イ被告は,本件文書を各県立高等学校が保有しているとして,処務規程及び事務取扱要領により,学校名を匿名にして開示することができないと主張するが,各県立高等学校は本件文書を保有していないはずなので,校長の専決事項にはならない。また,処分行政庁の現実の取扱いにおいては,本庁の主務課が地方機関に開示請求された行政文書について開示,不開示の判断をしていることがあるので,学校名を匿名にした上で本件文書の存否等を明らかにすることはできるはずである。 ウしたがって,処分行政庁のした本件処分は,条例10条に該当しないのに該当するとした違法なものである。 第3 当裁判所の判断 1 本案前の争点(訴えの利益の有無)について条例は,① 何人も行政文書の開示を請求することができること(5条),②実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に条例所定の不開示情報が記録されている場合を除き,開示請求をした者(以下「開示請求者」ということがある。)に対し,当該行政文書を開示しなければならないこと(7条),③ 実施機関は,開示請求に係る行政文書の存否を答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,当該行政文書の存否を明らかにしないで,当該開示請求 - 6 -を拒否することができること(10条),④ 開示請求に対し,実施機関は当該行政文書の全部若しくは一部の開示決定又は全部不開示決定をし,それを速やかに開示請求者に通知すること(11条),⑤ 実施機関は,開示決定をしたときは,速やかに,開示請求者に対し,当該開示請求に係る行政文書を開示しなければならないこと(16条1項) 決定をし,それを速やかに開示請求者に通知すること(11条),⑤ 実施機関は,開示決定をしたときは,速やかに,開示請求者に対し,当該開示請求に係る行政文書を開示しなければならないこと(16条1項)を規定している。 これらの規定に照らすと,条例に基づき開示請求をした者は,条例の定めるところに従って,開示請求に係る行政文書の全部若しくは一部の開示又は全部不開示の決定を受ける手続上の権利が保障され,また,開示請求に係る行政文書につき全部又は一部の開示決定がされるべきであるときには,当該行政文書の開示を受ける実体上の権利が保障されているものということができる。そして,条例10条によれば,実施機関は,開示請求に係る行政文書の存否を答えるだけで不開示情報を開示することとなる場合に限って,当該行政文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができるのであるから,上記の場合に該当しないにもかかわらず,実施機関が開示請求に係る行政文書の存否を明らかにしないで不開示決定をしたときには,当該開示請求をした者は,条例の定めるところに従って開示又は不開示の決定を受ける手続上の権利を侵害されたことになるから,その権利を回復するために当該不開示決定の取消しを求める法律上の利益を有するというべきである。このことは,開示請求者が開示請求に当たり開示請求に係る行政文書を実施機関が管理していないと考えており,実施機関により当該文書を管理していないとして不開示決定がされると予期している場合であっても異なるところはない。以上と異なる趣旨をいう被告の主張は採用することができない。 したがって,原告において本件開示請求に対して処分行政庁が本件文書を管理していないことを理由とする不開示決定をするべきであると考えているとしても,条例10条に基づき本件文書の存否を明らか ない。 したがって,原告において本件開示請求に対して処分行政庁が本件文書を管理していないことを理由とする不開示決定をするべきであると考えているとしても,条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで不開示とした本件処分の取消しを求める訴えの利益がないということはできないから,本件訴えは適法である。 2 本案の争点(条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで開示を - 7 -拒否したことの適否)について(1) 前記前提事実のとおり,原告は,本件開示請求において,「地区校長会を特別支援学校で開催しない地区高等学校に限る」という限定を付して「発達障害等を有すると考える児童生徒に対する指導助言が記載されている文書(H14年度から21年度まで)」(本件文書)の開示を求めているところ,各県立高等学校を単位として本件開示請求に対し応答するとすれば,開示するか否かにかかわらず,当該県立高等学校において本件文書を管理しているか否かが判明することになり,当該県立高等学校において発達障害等を有すると考える生徒が在籍し又は在籍していたか否かが明らかになる。 そして,当該県立高等学校に発達障害等を有すると考えられる生徒が在籍し又は在籍していたか否かという情報は,それ自体では特定の個人を識別することができる情報とはいい難いが,当該県立高等学校に在籍し又は在籍していた発達障害等を有する生徒がごく少数である場合には,当該県立高等学校の他の生徒やその保護者等の関係者にとっては,特異な言動をする特定の生徒が存在すること等の他の情報と照合することにより,発達障害等を有するとして,指導助言を受け又は受けていた生徒を特定,識別することが可能になると考えられる。そうであるとすれば,各県立高等学校を単位として本件開示請求に対して応答し,本件文書の存 より,発達障害等を有するとして,指導助言を受け又は受けていた生徒を特定,識別することが可能になると考えられる。そうであるとすれば,各県立高等学校を単位として本件開示請求に対して応答し,本件文書の存否を明らかにしてしまうと,条例7条2号により不開示情報とされている個人識別情報(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるもの)を開示することになる場合に該当することになる。 他方,本件において,被告の主張によれば,地区校長会を特別支援学校で開催しない地区の愛知県立高等学校は68校あるというのであるが,それらの高等学校に在籍し又は在籍していた発達障害等を有すると考えられる生徒の人数が他の情報と照合することにより個人を識別できる程度にごく少数であることを示す証拠はなく,かえって,被告は,保護者から届出のあった発達障害等により特別な支援を要する生徒の数は,1校当たり1名又は2名若しくは数名であったと主張している。そう - 8 -だとすると本件文書に関係する68校の高等学校には合計すると相当数の発達障害等を有すると考えられる生徒が在籍し又は在籍していたことになるから,愛知県全体を単位として本件開示請求の当否を判断する場合には,本件文書の存否を明らかにすることにより,個人識別情報を開示することとなる場合には当たらないことになる。 (2) 被告は,処務規程及び事務取扱要領により,本件開示請求に対しては各高等学校別に開示,不開示の判断をせざるを得ないから,結局,本件文書の存否を明らかにすると不開示情報を開示することになってしまうので,本件開示請求は,条例10条により当該文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否できる場合に当たる旨主張する。そこで,以下,処分行政庁が処務規程及び事務取扱要領に従って本件開示請求を てしまうので,本件開示請求は,条例10条により当該文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否できる場合に当たる旨主張する。そこで,以下,処分行政庁が処務規程及び事務取扱要領に従って本件開示請求を処理したことの適否について検討する。 ア条例7条は,開示請求に対しては,開示請求に係る行政文書に同条所定の不開示情報が記録されている場合を除き開示しなければならない旨を定め,条例8条は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において部分開示が可能な場合には部分開示をすべきである旨を規定している。したがって,開示請求に対しては,可及的に開示することが条例の趣旨に合致し,条例1条の目的にも沿うものといえる。 処務規程及び事務取扱要領は,条例に基づき制定されたものではなく,前者は愛知県公立学校における事務分掌や職務権限を定めたものであり,後者は処分行政庁における情報公開事務の取扱いの要領を定めたものであり,いずれも処分行政庁内部の手続等を定めたものにすぎず,条例に基づき開示請求をした者と処分行政庁との関係を規律する性質のものであるとは認められない。したがって,処分行政庁が条例に基づく開示請求を処務規程及び事務取扱要領に従い処理したとしても,その手続や結果が条例の趣旨に反すると認められる場合には,当該処分は違法であるというべきである。 イこれを本件についてみると,本件開示請求については,前記(1)のとおり, - 9 -各県立高等学校を単位として応答するとすれば,条例10条に該当することになるが,原告は,本件開示請求において,各県立高等学校ごとの文書の開示を求めておらず,被告が管理している文書の開示を求めているのみであるのであるから,処分行政庁としては,本件開示請求の対象となる県立高等学校68校を一括して,その いて,各県立高等学校ごとの文書の開示を求めておらず,被告が管理している文書の開示を求めているのみであるのであるから,処分行政庁としては,本件開示請求の対象となる県立高等学校68校を一括して,その請求の当否を判断するのが相当であり,このように判断すれば,前記のとおり条例10条に該当することはないのである。 確かに,処務規程は,処分行政庁において校長が開示請求に対する決定等に関して専決することができるとしているが(処務規程10条1項4号),これはあくまでも内部規定であり,条例上,開示請求の当否を判断するのは実施機関(本件では処分行政庁)であるから,処分行政庁は各県立高等学校の校長に専決させることなく,自らが判断することができるのであって,本件開示請求については,その対象となる高等学校68校全部について一括してその当否を判断することに何ら支障があるとは認められない。 なお,被告は,本件開示請求の主務課である処分行政庁の事務局の高等学校教育課が本件文書を管理していないので,各高等学校において開示,不開示の判断をせざるを得ない旨主張するが,上記のとおり,開示又は不開示の決定は,条例上,実施機関が行うこととされているのであるから,実施機関である処分行政庁は,各高等学校の校長の判断を取りまとめて開示又は不開示の決定をすれば足りるのであって,これらの決定が各高等学校別にされなければならない理由はない。 ウそうすると,本件開示請求に対し各県立高等学校ごとに応答して条例10条の場合に該当するとすることは,開示請求に対しては可及的に開示するという条例の趣旨に反し,違法であるといわざるを得ないから,本件開示請求のうちB高校に関する部分につき,条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで不開示とした本件処分は違法というべきである。 3 結 趣旨に反し,違法であるといわざるを得ないから,本件開示請求のうちB高校に関する部分につき,条例10条に基づき本件文書の存否を明らかにしないで不開示とした本件処分は違法というべきである。 3 結論よって,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判 - 10 -決する。 名古屋地方裁判所民事第9部 裁判長裁判官増田 稔 裁判官鳥居俊一 裁判官杉浦一輝 - 11 -別紙関係法令等の定めⅠ 愛知県情報公開条例(平成12年愛知県条例第19号)1条この条例は,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,実施機関の管理する情報の一層の公開を図り,もって県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに,県民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な県政の推進に資することを目的とする。 2条1項この条例において「実施機関」とは,知事,議会,教育委員会,選挙管理委員会,人事委員会,監査委員,公安委員会,労働委員会,収用委員会,海区漁業調整委員会,内水面漁場管理委員会,公営企業管理者,病院事業管理者及び警察本部長並びに県が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)をいう。 2項(省略)5条何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,行政文書の開示を請求することができる。 7条実施機関は,開示請求があった 立行政法人をいう。以下同じ。)をいう。 2項(省略)5条何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,行政文書の開示を請求することができる。 7条実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求をしたものに対し,当該行政文書を開示しなければならない。 1号(省略)2号個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害する - 12 -おそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。 (以下省略)8条1項実施機関は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求をしたもの(第6条第1項ただし書の規定により開示請求書を提出しなかったものを除く。以下「開示請求者」という。)に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。 2項開示請求に係る行政文書に前条第2号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において,当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと 。)が記録されている場合において,当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は,同号の情報に含まれないものとみなして,前項の規定を適用する。 10条開示請求に対し,当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,実施機関は,当該行政文書の存否を明らかにしないで,当該開示請求を拒否することができる。 11条1項実施機関は,開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは,その旨の決定をし,速やかに,開示請求者に対し,その旨並びに開示を実施する日時及び場所その他開示の実施に関し実施機関の規則で定める事項を書面により通知しなければならない。 2項実施機関は,開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を管理していないときを含む。)は,開示をしない旨の決定をし,速 - 13 -やかに,開示請求者に対し,その旨を書面により通知しなければならない。 16条1項実施機関は,開示決定をしたとき,又は第6条第1項ただし書の規定により開示請求書の提出を要しない開示請求があったときは,速やかに,開示請求をしたものに対し,当該開示請求に係る行政文書を開示しなければならない。 2項行政文書の開示は,文書等については閲覧又は写しの交付により,電磁的記録についてはこれらに準ずる方法としてその種別,情報化の進展状況等を勘案して実施機関の規則で定める方法により行う。ただし,閲覧の方法による行政文書の開示にあっては,実施機関は,当該行政文書の保存に支障を生 てはこれらに準ずる方法としてその種別,情報化の進展状況等を勘案して実施機関の規則で定める方法により行う。ただし,閲覧の方法による行政文書の開示にあっては,実施機関は,当該行政文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは,その写しにより,これを行うことができる。 Ⅱ 愛知県教育委員会情報公開事務取扱要領(平成17年3月31日付け16教総第732号教育長通知)第3 行政文書の開示に係る事務1(省略) 2 公開窓口における開示請求書の受付等義務開示で対応すべきであると判断された場合においては,公開窓口は,次により事務を処理するものとする。 (1)ないし(5)(省略)(6) 受付後の開示請求書の取扱い開示請求書を受け付けた公開窓口においては,当該開示請求書に収受印を押印し,その写しを開示請求者に交付するとともに,次により事務を処理するものとする。 この場合,公開窓口に開示請求書が到達した日をもって受付日とし,条例第12条第1項の「開示請求があった日」として取り扱うものとする。 ア総合窓口で開示請求を受け付けた場合 - 14 -開示請求書を,総務課教育企画室(以下「教育企画室」という。)を通じて本庁の課又は地方機関へ(地方機関の行政文書に係る場合にあっては,本庁主務課を経由して)送付するとともに,開示請求書の写しを2部作成し,うち1部を控えとして保管し,他の1部を教育企画室を通じて県民生活部県民総務課(以下「県民総務課」という。)へ送付するものとする。 イ(省略) 3 本庁の課又は地方機関における開示請求書の処理(1)ないし(5)(省略)(6) 開示決定等の決裁行政文書の開示決定等は,本庁にあっては課長,地方機関にあっては当該地方機関の長 3 本庁の課又は地方機関における開示請求書の処理(1)ないし(5)(省略)(6) 開示決定等の決裁行政文書の開示決定等は,本庁にあっては課長,地方機関にあっては当該地方機関の長の専決事項であり(愛知県教育委員会事務決裁規程(平成15年愛知県教育委員会訓令第1号)第4条及び別表第1並びに第5条,別表第2及び愛知県公立学校処務規程(昭和29年愛知県教育委員会訓令第1号)第10条),開示決定等に当たっては,起案用紙を用いて回議するものとする。 この場合,起案文書には,開示請求書,決定通知書の案,第三者の意見書,必要に応じて開示請求に係る行政文書の写し等を添付するものとする。また,開示請求に係る行政文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否する場合及び開示請求に係る行政文書を管理していない場合における決定通知書は,行政文書不開示決定通知書(規則様式第4)によるものとする。 なお,行政文書一部開示決定通知書(規則様式第3)及び行政文書不開示決定通知書(規則様式第4)の「開示しないこととした根拠規定及び当該規定を適用する理由」欄は,次の記載例を参考にして記載するものとする。 [記載例](省略)(7)(省略) 4 開示の実施(1) 行政文書の搬入等 - 15 -担当する本庁の課又は地方機関の職員は,行政文書開示(一部開示)決定通知書に記載された日時までに,当該決定に係る行政文書を開示場所として指定された公開窓口へ搬入しておくものとする。 なお,開示に際しては,原則として担当課等の職員が立ち会い,必要に応じて開示請求者に行政文書の内容について説明するものとする。 (2)ないし(7)(省略) に応じて開示請求者に行政文書の内容について説明するものとする。 (2)ないし(7)(省略)

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