平成15(あ)2619 殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反,傷害,暴行被告事件

裁判年月日・裁判所
平成19年4月19日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,181 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 理由 弁護人副島洋明,同田島浩の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法31条,36条違反をいう点は,その執行方法を含む死刑制度がこれらの規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,被告人が,現在の日本では自分の努力が正当に評価されず,不本意な生活を強いられているのに,大部分の日本人は努力もせずに享楽的な生活を送っているなどと思い込み,日本の社会に対して強い不満を抱いていたところ,快く思っていなかった職場の同僚からと推測されるいたずら電話を受けたことを切っ掛けに,うっ積した感情を爆発させ,日本の社会を構成する人間を無差別に殺害しようと決意し,あらかじめ凶器とする包丁と玄能を買い求めた上,白昼の繁華街で,突如周囲の通行人を次々と襲い,女性2名(当時66歳と29歳)の胸部や腰部をそれぞれ包丁で強く刺突して殺害し,男性(当時71歳)の頭部を玄能で殴打した上,包丁で切り付けるなどして重傷を負わせたほか,通行人7名に切り付- 2 -け,うち5名に傷害を与えたという事案である。白昼,目についた通行人を手当たり次第に襲った犯行の罪質は極めて悪質であり,動機に酌量の余地がなく,犯行の態様が冷酷,非情,残 人7名に切り付- 2 -け,うち5名に傷害を与えたという事案である。白昼,目についた通行人を手当たり次第に襲った犯行の罪質は極めて悪質であり,動機に酌量の余地がなく,犯行の態様が冷酷,非情,残忍である。被害者らには何一つ落ち度がなく,2名の尊い命を奪った結果は甚だ重大であり,遺族の処罰感情もしゅん烈である。また,無差別の通り魔事件として社会に与えた衝撃も大きい。 以上のような事情に照らすと,さしたる前科のないことなど,被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の罪責は誠に重大であり,被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官竹田勝紀公判出席(裁判長裁判官横尾和子裁判官泉徳治裁判官才口千晴裁判官涌井紀夫)

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