昭和38(オ)508 農地買収処分無効確認請求

裁判年月日・裁判所
昭和39年7月14日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人斎藤茂の上告理由(一)について。  原判決の認定したところによれば、

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判決文本文2,268 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人斎藤茂の上告理由(一)について。  原判決の認定したところによれば、上告人が本件畑地を譲り受けて以来、その宅 地化に努力したところは認めうるにもせよ、その土地全部にわたり、これを宅地に 造成したとまで認めうる事実はなく、従前から耕作地として存続する部分は、これ を細分して多数人に賃貸したため家庭菜園に類する様相を呈するに至ったものがあ るにしても、それも従来の土地利用状態を引き継いで維持したものにほかならず、 これを、すでに耕作目的の使用を廃止して宅地としたうえで一時的に本来の使用目 的でない耕作に供したものと認めるに足りる事情は存しない。その耕作地の区画の 狭小なことから、直ちにそれを耕作目的の土地と認めがたいとすることはできない し、また、その土地賃借人が賃借耕作地の売渡を受くべき農業経営者としての資格 のある者かどうかは、本件買収の要件ではない。原判決は、かような事実に基づい て、本件買収地はいまだかつて耕作の用途を廃止されたことのない農地として買収 の対象たりうるものと判定したのであって、その判断になんら違法は認められない。 論旨の援用する当裁判所判決も、一応宅地造成工事の完了したと推測できる土地に 関するものであって、本件事案にとって適切ではない。論旨は理由がないといわな ければならない。  同上(二)について。  本件農地買収令書は、昭和二二年一月上告人が本件土地についてなした分筆及び 地目変換以前の土地台帳の表示に基づき買収の対象及び範囲の地番、地目、地積を 表示し、かつ土地の一部買収であるのにかかわらず、その旨を摘要欄に付記するだ - 1 - けで、買収部分の図面等の添付がなく、その形式上の瑕疵が存することは明らかで ある。しか 範囲の地番、地目、地積を 表示し、かつ土地の一部買収であるのにかかわらず、その旨を摘要欄に付記するだ - 1 - けで、買収部分の図面等の添付がなく、その形式上の瑕疵が存することは明らかで ある。しかし、右令書の摘要欄の記載、買収面積の表求等から推せば、それが前記 分筆、地目変換前の地番によった本件土地を対象としたものであること及びその買 収面積中に本件賃貸耕作地の部分のすべてが含まれることは、関係当事者において 容易に看取できると認めうるものであるうえ、原判決によれば、その買収面積は、 村農地委員会において本件土地から建物敷地を除外して実測した面積であり、買収 計画書には、買収令書同様の記載のほかに買収範囲を示す実測図も添付されており、 ことに上告人は、本件買収計画に対する異議、訴願の結果行なわれた現地調査に立 ち会い、係員の説明を受け、買収の対象となった土地の範囲をすでに了知していた というのである。したがって、原判決が、これらの事実に基づき、右買収令書上の 表示の瑕疵は軽微で買収処分の無効原因にはあたらないとし、また、買収の対象及 びその範囲の特定を欠く違法は認めがたいとした判断を非難する論旨は、到底採用 することができない。  同上(三)、(四)について。  上告人の提出にかかる甲第一九号証は、係争土地の賃借人訴外D一外一五名が一 関区裁判所に申し立てた調停申立書及び同裁判所の上告人に対する呼出状であって、 その申立の内容は、上告人から賃貸地譲渡の申出を受けて承諾したが、価額を時価 とするといいながら折り合わないので、適正な時価で譲渡するよう調停を求める趣 旨のものである。論旨は、右書証をあげて、原判決が、本件買収計画の樹立に先き 立ち本件土地の買収の虞あることを察知した上告人においてこれを賃借人等に売り 渡そうとして拒絶された事実を認定したことを非難するが、この点 る。論旨は、右書証をあげて、原判決が、本件買収計画の樹立に先き 立ち本件土地の買収の虞あることを察知した上告人においてこれを賃借人等に売り 渡そうとして拒絶された事実を認定したことを非難するが、この点について原審の 採用した証人E、F、Gの各証言によれば、当時上告人から賃貸地返還の要求があ ったこと、返還できなければ相当の価額で買い取るよう要求され、結局資金がなく て買えなかった事実が認められ、これと上記書証を比照して考えれば、賃借人等は - 2 - その対策として右のような調停申立をしたものと推測できないわけではないから、 右書証の存在は、上告人が本件買収地を賃借人等に売り渡そうとして失敗したとい う認定を妨げるものではない。しかも、原判決は、上告人に本件買収を免れようと した諸工作のあった事実をそれぞれ証拠によって認め、その他右認定を妨げる証拠 はない旨を判示し、これら認定について証拠全般にわたり証拠判断をつくしている のであって、これに採証の法則違背は認めがたく、論旨は理由がないものといわな ければならない。  よって、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと おり判決する。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    横   田   正   俊             裁判官    石   坂   修   一             裁判官    柏   原   語   六             裁判官    田   中   二   郎 - 3 -

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