【DRY-RUN】主 文 原判決中昭和二六年五月八日執行の飽託郡a村長の決選投票による選挙 においてEの当選が有効であることを確認した部分を破棄する。 右部分に関する被上告人の訴を却下する。
主文 原判決中昭和二六年五月八日執行の飽託郡a村長の決選投票による選挙においてEの当選が有効であることを確認した部分を破棄する。 右部分に関する被上告人の訴を却下する。 爾余の部分に対する上告を棄却する。 訴訟の総費用は、補助参加人の参加によつて生じた部分は補助参加人の負担とし、その余の部分は上告人の負担とする。 理由 本件上告理由は別紙記載のとおりである。 上告人上告理由第一点、補助参加人代理人弁護士高野弦雄、能勢政世、樋口俊二の上告理由第一点について。 論旨は、原判決は公職選挙法二一五条、同法二〇七条一項の解釈を誤つた違法があるというのであつて、要するに、本件のように同法二一五条による出訴願裁決の要旨の告示が裁決書の訴願人に交付される以前に行われた場合においても、訴願人以外の者の同法二〇七条による出訴期間は右告示の日から計算すべきものであるというに帰する。 しかし、訴願裁決は裁決書を訴願人に交付することによつて効力を生ずるものと解すべく、裁決の要旨が告示されたからと言つて、裁決書の交付がなく、裁決の効力が生じない間に、告示の日から裁決に対する訴の出訴期間が進行するものと解することはできない。(昭和二七年一二月二三日第三小法廷判決参照)論旨は、最高裁判所の昭和二三年一二月一四日の判決を引用するけれども、右先例の場合は、告示が裁決書の交付前に行われた事実はなく、本件の先例として適切でない、通常の場合同法二一五条による告示は裁決書が訴願人に対し交付された後に行われるのであるから、告示が裁決書交付前に行われた事実の認められない以上、右先例のよう- 1 -に訴願人が出訴する場合には裁決書交付の日を訴願人以外の者が出訴する場合には告示の日を、それぞれ出訴期間の起算日と るから、告示が裁決書交付前に行われた事実の認められない以上、右先例のよう- 1 -に訴願人が出訴する場合には裁決書交付の日を訴願人以外の者が出訴する場合には告示の日を、それぞれ出訴期間の起算日とすべきであるけれども、本件のように告示が裁決書の交付前に行われた場合には、裁決書の訴願人に対する交付により裁決の効力を生じた日から出訴期間を計算すべく、そして、この点については訴を提起する者が訴願人であると訴願人以外の者であるとによつて区別をする理由はない。 以上説明のとおりであるから、原判決が本訴を適法な訴であるとしたのは正当であり、論旨は理由がない。(後述するように本訴は選挙の効力に関する訴訟と解すべく、従つて出訴期間については公職選挙法二〇七条を適用すべきではなく、二〇三条を適用すべきものであるがいずれにしても結果に変りはない。)上告人上告理由第二点、補助参加人代理人上告理由第三点について。 論旨は原判決が「Eの当選が有効であることを確定する。」としたのは違法であるというのである。 記録に徴するに、本件争訟の本訴に至るまでの唯一の争点は四月二三日の第一次選挙の投票の効力に関連して五月八日の第二次選挙を行うべき場合であつたかどうかの点であつて、第二次選挙の有効を前提としてEの当選が有効であるかどうかについては全く争われていないのである。換言すれば本件争訟は異議申立書、訴願書等の用語如何にかかわらず、その実質においては第二次選挙の効力に関する同法二〇二条及二〇三条の争訟である、(上告人がその訴願裁決で五月八日の選挙を無効としたのも本件訴願を選挙の効力に関する訴願と解したためと考えられる)被上告人は本訴においてEの当選が有効であることの確認を求めたのであるが、右Eの当選の効力については同法二〇六条による異議訴願は全く存在しない。そして同法 の効力に関する訴願と解したためと考えられる)被上告人は本訴においてEの当選が有効であることの確認を求めたのであるが、右Eの当選の効力については同法二〇六条による異議訴願は全く存在しない。そして同法二〇七条二項の準用する同法二〇三条二項によれば、異議の決定及訴願裁決を受けた後でなければ同法二〇七条の訴の提起はゆるされないのであるから、被上告人のこの部分に関する訴は不適法であると言わなければならない。しかるに原判決が之を- 2 -看過し被上告人の請求を容れEの当選が有効であることを確認する旨の判決をしたのは法令の解釈を誤つた違法があり破棄を免れず、そして、この部分の訴については、当裁判所において判決をするに熟するから民訴四〇八条により主文二項のとおり判決する。 上告人の上告理由第三点、補助参加人代理人上告理由第二点について。 論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。 論旨の引用する最高裁判所昭和二四年一二月二四日の判決は、本件と場合を異にし、これを適切な先例ということはできない。 以上説明のとおりであるから、原判決を一部破棄すべきものとしその他の上告は理由がないから民訴三九六条、三八四条に従いこれを棄却することとし訴訟費用について民訴九六条、八九条、九二条を適用して裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官井上登裁判官島保裁判官小林俊三裁判官本 上登裁判官 島保裁判官 小林俊三裁判官 本村善太郎
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