平成9(行ウ)29 公文書一部非公開決定取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成11年4月30日 京都地方裁判所 情報公開
ファイル
hanrei-pdf-16065.txt

判決文本文11,094 文字)

主文 一被告が原告に対し平成九年九月一九日付けでした公文書一部非公開決定(ただし、既に公開された部分を除く。)は、別紙目録1番号9の「住所」、同目録番号20の「住所、年齢、電話番号」、同目録番号35の「住所」及び別紙目録2番号32の「住所、年齢、電話番号」部分を除き、これを取り消す。 二原告のその余の請求を棄却する。 三訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第一請求被告が原告に対し平成九年九月一九日付けでした公文書一部非公開決定(ただし、既に公開された部分を除く。)を取り消す。 第二事案の概要一本件は、原告が、京都市公文書の公開に関する条例(平成三年七月一日京都市条例第一二号。以下「条例」という。)に基づいて、平成六年及び七年度分の飲食を伴う接遇に関する清掃局分の経費支出決定書の公開を請求したのに対し、被告が一部を非公開とする旨の決定(以下「本件処分」という。)をしたため、その取消しを求めた抗告訴訟である。 二争いのない事実等 1 当事者(一) 原告は京都市民であり、条例五条一項一号に基づき公文書の公開を請求することができる者である。 (二) 被告は条例二条一号の公文書の公開を実施する機関である。 2 本件処分(一) 原告は、被告に対し、平成九年八月六日、条例五条一項に基づき、「飲食を伴う接遇(茶菓のみ除く)に関する経費支出決定書平成六、七年度分」(清掃局分)の公開を請求した。 (二) これに対し、被告は、同年九月一九日付けで、右請求にかかる公文書を「経費支出について(九〇件)」と題する決定書(以下「本件支出決定書」という。)と特定し、そのうち別紙目録1及び2記載の文書の、(1)相手方の個人を識別できる部分等は、公開することにより当該個人のプライバシーを侵害するおそれがあると認められるので条例八 支出決定書」という。)と特定し、そのうち別紙目録1及び2記載の文書の、(1)相手方の個人を識別できる部分等は、公開することにより当該個人のプライバシーを侵害するおそれがあると認められるので条例八条一号に、(2)国、他の地方公共団体等の職員の氏名等は、公開することにより、当該団体等との協力関係又は信頼関係を損なうと認められるので条例八条四号に、(3)相手方の氏名等は、公開することにより、今後の京都市の清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認められるので条例八条七号に、それぞれ該当するとして、別紙目録1及び2記載の「非公開部分」を非公開とする決定(本件処分)をし、同日付けでその旨原告に通知した。 (三) 被告は、本訴提起後、本件処分で非公開とした部分の一部(支出理由の全部又は一部、相手方の肩書及び職名の全部又は一部〔団体名〕)を公開し、これにより、非公開部分は別紙目録3及び4記載の「非公開部分」のとおりとなった(乙一、二の各号)。 原告はこれに応じて、右公開された部分につき訴えを取り下げた。 3 条例が規定する非公開事由条例は、八条で(公開しないことができる公文書)として、「実施機関は、次の各号の一に該当する情報が記録されている公文書については、公文書の公開をしないことができる。」と規定する。 (一) 条例八条一号(プライバシー情報)個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で、個人が識別され、又は識別され得るもののうち、公開しないことが正当であると認められるもの(二) 条例八条四号(国等協力関係情報)本市と国、他の地方公共団体又はこれらに準じる団体(以下「国等」という。)との間における協議、協力、依頼等により行う事務に関して作成し、又は取得した情報で、公開することにより当該国等との協力関係又 本市と国、他の地方公共団体又はこれらに準じる団体(以下「国等」という。)との間における協議、協力、依頼等により行う事務に関して作成し、又は取得した情報で、公開することにより当該国等との協力関係又は信頼関係を損なうと認められるもの(三) 条例八条七号(行政運営支障情報)本市又は国等が行う許可、認可、試験、争訟、交渉、渉外、入札、人事その他の事務事業に関する情報で、公開することにより次のいずれかに該当するものア当該事務事業の目的が著しく損なわれると認められるものイ特定のものに不当に利益又は不利益を与えると認められるものウ関係当事者間の信頼関係が著しく損なわれると認められるものエアからウまでに掲げるもののほか、当該事務事業又は同種の事務事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認められるもの 4 非公開とした理由被告は、次の理由により本件公文書を一部非公開とした。なお、以下、別紙目録1及び2記載の番号により公文書を特定する。 (一) 別紙目録1番号1、7、13、23、26、28、39、別紙目録2番号3、7、14、15、18、20、25、43、45(これらの文書を以下「公文書分類①」という。)の条例八条一号、七号該当性これらの文書は、清掃局の既存もしくは計画中の施設等の地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。右協議懇談は、当該施設の稼働もしくは建設計画に関して、地元関係者と内密に個別折衝するために開催されたものである。 (1) 別紙目録1番号1、28、39、別紙目録2番号7、14、15、25についてこれらの文書は、建設工事が進行中である東部山間埋立処分地の地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。本件各協議は、右建設工事の工程、車両の通行ルート問題、その他の安全対策に関連して地元関係者と事前折衝したものであ 工事が進行中である東部山間埋立処分地の地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。本件各協議は、右建設工事の工程、車両の通行ルート問題、その他の安全対策に関連して地元関係者と事前折衝したものである。 清掃関係施設は、迷惑公共施設として地元住民から歓迎されないため、公式な説明会だけで地元住民の理解を得ることは極めて困難であり、建設事業の遂行に当たっては、京都市が信頼しうると判断した地元の有力者との事前の非公式な接触により地元住民の気持ちを汲み上げる必要がある。 地元関係者は、関係団体の代表者として本協議に出席したものではなく、京都市から個人的に指名され、個人として出席しているものであり、その肩書、氏名は個人に関する情報であるから、条例八条一号に該当する。 また、京都市が地元住民の誰と接触したかが判明すれば、他の地元住民から誤解による批判等がなされるおそれもあり、今後、地元関係者が接触を拒否することは必至である。したがって、相手方の肩書、氏名を公開すると、相手方との信頼関係を損ない、また、今後の清掃施設建設事業及び建設工事完了後の処分地事業の運営に地元住民の理解が得られなくなり、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるから、同条七号に該当する。 (2) 別紙目録1番号7、13、23、別紙目録2番号3、18、20についてこれらの文書は、現在操業中の東清掃工場、北清掃工場、南清掃工場、北清掃事務所の地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。本件各協議は、右各工場の建て替えを含めた整備改修計画、操業による環境問題等について、地元住民への説明を円滑に行うため、地元の有力者と内密に事前折衝したものである。 地元関係者は、本協議に個人として出席しているものであり、その肩書、氏名は個人に関する情報であるから、条例八条一号に該当する。 また、内 滑に行うため、地元の有力者と内密に事前折衝したものである。 地元関係者は、本協議に個人として出席しているものであり、その肩書、氏名は個人に関する情報であるから、条例八条一号に該当する。 また、内密協議の出席者の肩書、氏名を明らかにすると、今後の地元との折衝が困難となり、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるから、同条七号に該当する。 (3) 別紙目録2番号43について右文書は、山科地区のごみ収集の効率化を図るべく、定点片側収集を推進するために開催された地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。本件協議は、ごみ収集の定点決定について、地元住民に発表する前に、地元の有力者と内密に事前折衝したものである。 地元関係者は、本協議に個人として出席したものであり、その肩書、氏名は個人に関する情報であるから、条例八条一号に該当する。 また、内密協議の出席者の肩書、氏名を明らかにすると、今後の地元との折衝が困難となり、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるから、同条七号に該当する。 (4) 別紙目録1番号26、別紙目録2番号45についてこれらの文書は、現在建設中の東北部クリーンセンターの建設について地元住民らの理解を得るため開催された地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。 同センター建設には一部の地元住民らが反対意思を表明しており、建設工事の差止訴訟も提起されている。本件協議は、円滑な建設計画を進めるために、地元の有力者と内密に折衝したものである。 地元関係者は、本協議に個人として出席しているものであり、その肩書、氏名は個人に関する情報であるから、条例八条一号に該当する。 また、内密協議の出席者の肩書、氏名を明らかにすると、今後の地元との折衝が困難となり、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるから、同条七号に該当する。 ( 報であるから、条例八条一号に該当する。 また、内密協議の出席者の肩書、氏名を明らかにすると、今後の地元との折衝が困難となり、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるから、同条七号に該当する。 (二) 別紙目録1番号10、43、別紙目録2番号6、17、23、38(これらの文書を以下「公文書分類②」という。)の八条一号、七号該当性これらの文書は、清掃局の既存もしくは計画中の施設等の地元関係者との協議懇談経費の支出決定書である。右協議懇談は、清掃事業推進のため、当該施設の稼働もしくは建設計画等に関して、地元関係者の理解を得るために開催されたものであり、右協議を開催したことは地元住民らにも明らかにしている。 しかし、地元関係者の肩書、氏名は個人のプライバシーに属する情報であり、条例八条一号に該当する。 また、地元関係者は氏名等が公表されることを前提として参加していないので、その肩書、氏名を公開して誰と協議したかが明らかになると、相手方との信頼関係を著しく損なううえ、今後このような会合ができなくなって清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるから、同条七号に該当する。 (三) 別紙目録1番号3、5、6、8、12、14、19、24、31、33、34、38、40、41、42、別紙目録2番号9、10、11、16、24、26、27、29、30、33、35、37、40、47、49(これらの文書を以下「公文書分類③」という。)の条例八条一号該当性これらの文書は、清掃行政に関連する、民間企業の職員等との協議懇談経費の支出決定書である。 民間企業の職員の職名、氏名は個人のプライバシーに属する情報であり、条例八条一号に該当する。 (四) 別紙目録2番号12、21(これらの文書を以下「公文書分類④」という。)の条例八条四号該当性これらの文書は、清 職名、氏名は個人のプライバシーに属する情報であり、条例八条一号に該当する。 (四) 別紙目録2番号12、21(これらの文書を以下「公文書分類④」という。)の条例八条四号該当性これらの文書は、清掃事業の遂行に関する、国又は国に準じる機関との意見交換のための協議懇談経費の支出決定書である。 国等がどの職員を出席させたかということは、当該国等の内部情報であり、相手方の職名、氏名を公開すると、当該国等との協力関係、信頼関係を損なうから、条例八条四号に該当する。 (五) 別紙目録1番号4、11、15、16、17、21、22、25、27、29、30、32、36、37、41、別紙目録2番号1、2、4、5、8、13、19、22、28、29、31、34、36、37、39、41、42、44、46、48(これらの文書を以下「公文書分類⑤」という。)の条例八条四号該当性これらの文書は、他の地方公共団体又はこれに準じる団体との意見交換、調査、視察等の懇談経費の支出決定書である。 清掃業務の推進に当たっては、他の地方公共団体等との経験交流、施設見学、意見交換等の協力関係が必要であり、地方公共団体等がどの職員を出席させたかということは、当該団体の内部情報であり、相手方の氏名を公開すると、当該地方公共団体等との協力関係及び信頼関係を損なうから、条例八条四号に該当する。 (六) 別紙目録1番号35(以下「公文書分類⑥」という。)の条例八条一号該当性右文書は、京都市がごみ減量推進員として委嘱している市民との協議懇談経費の支出決定書である。 ごみ推進員の住所は、個人のプライバシーに属する情報であり、条例八条一号に該当する。なお、右推進員らの氏名は既に公開している。 (七) 別紙目録1番号9、20、別紙目録2番号32(これらの文書を以下「公文書分類⑦」という。) プライバシーに属する情報であり、条例八条一号に該当する。なお、右推進員らの氏名は既に公開している。 (七) 別紙目録1番号9、20、別紙目録2番号32(これらの文書を以下「公文書分類⑦」という。)の条例八条一号該当性これらの文書は、京都市が主催した清掃施設見学会開催経費の支出決定書である。 同見学会には一般参加者も参加しており、その氏名、住所、年齢及び電話番号は、個人のプライバシーに関わる情報であって、条例八条一号に該当する。 三争点接遇の相手方の職名、肩書、氏名等が条例八条一号、四号、七号所定の非公開事由に該当するか。 四争点に対する当事者の主張 1 被告事実及び理由第二の二争いのない事実等の4(非公開とした理由)に記載のとおり。 2 原告(一) 条例八条一号非該当性(公文書分類①②③について)公文書分類①は、協議の性質から、出席者のプライバシーは保護の対象とならない。 公文書分類②は、協議を開催したことを地元住民らに明らかにしているから、出席者の氏名等を非公開にする理由はない。 公文書分類③の出席者は、民間人であったとしても、京都市が費用を負担して主催する公的な会合に出席して接遇を受けたものであるから、その氏名は純粋に個人的な情報とはいえない。 (二) 条例八条四号非該当性(公文書分類④⑤について)公文書分類④⑤の会合はいずれも公的な会合であり、相手方は公務として出席したものである。また、出席者の氏名等を公開しても、発言内容等の協議内容は公文書に記載されておらず公開されないから、相手方との協力関係又は信頼関係を損なうことはない。 (三) 条例八条七号非該当性(公文書分類①②について)出席者の肩書、氏名を公開しても、そこでの発言内容等の協議内容が明らかになるわけではなく、また、右協議の開催は秘密にしなければな ことはない。 (三) 条例八条七号非該当性(公文書分類①②について)出席者の肩書、氏名を公開しても、そこでの発言内容等の協議内容が明らかになるわけではなく、また、右協議の開催は秘密にしなければならない性質のものではないから、これを公開しても、今後の京都市の同種の事務事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるとは考えられない。 (1) 公文書分類①について協議の相手方である地元の有力者を、京都市がどのような基準で選んでいるのか明らかでなく、協議を行う必要があるかも疑問である。民間人といえども、特定の者への買収工作といわれないためには相手方の氏名等を公開する必要がある。 また、かかる協議を内密に行っていること自体に地域住民らは反感をもっているから、その出席者の氏名を公開することは、公正かつ適切な清掃事業の執行につながるものであって、支障になることはない。 (2) 同②について説明会の開催を地元住民にも明らかにしている以上、そこへの出席が秘密にされる必要はないし、これらの文書には出席者の発言内容は記載されていないから、氏名が公開されたとしても、相手方との信頼関係を損なって清掃事業の執行に支障が生じることはない。 第三当裁判所の判断一条例八条一号該当性(公文書分類①②③⑥⑦について) 1 条例八条一号が「個人が識別され、又は識別され得る情報のうち、公開しないことが正当であると認められるもの」を非公開としている趣旨は、個人のプライバシーが情報の公開により侵害されないよう保護を与えるものであるが、他方、市民の知る権利との調和を図るため、通常他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報が記録されている公文書に限り非公開とすることを定めたものと解される。 2 相手方の職名、肩書、氏名、住所、年齢及び電話番号が、条例八条一号の 人に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報が記録されている公文書に限り非公開とすることを定めたものと解される。 2 相手方の職名、肩書、氏名、住所、年齢及び電話番号が、条例八条一号の「個人に関する情報で、個人が識別され又は識別され得るもの」に該当することは明らかである。 3 ところで、公という語は「表だったこと」との意味で、私という語は「表ざたにしないこと」との意味であるから、公事は公開し、私事は公開しないというのが言葉の本来の意味である。とすれば、私事に関わる行動はむやみに暴かれるべきではないが、公事に関わる行動は透明であるべきといえる。 そして、純粋に私的な会合に公費が支出されることはないから、公費を用いた会合への出席は、特段の事情が認められない限り、公人又は公人に準ずる立場でしたものと推認するのが相当である。 したがって、公費を用いた会合の出席者に関する情報は、特段の事情がない限り、公開しないことが正当とは認められないから、公開されるべきである。 4 公文書分類①②③について公文書分類①②は地元関係者との、同③は民間企業の職員等との協議懇談会に要した経費の支出決定書であり、条例八条一号により非公開とされたのはその出席者の肩書及び氏名である。 本件公文書はいずれも京都市の協議懇談経費の支出決定書であるから、相手方は、これらの協議会に、公人又は公人に準ずる立場で出席したものと推認することができる。そして、これらの協議会は清掃局の事務事業に関連するものであるから、右推認を覆す事情は認められず、出席者に関する情報の公開を阻む特段の事情はないというべきである。 この点、被告は公文書分類①②の地元関係者は、京都市から個人的に指名され、個人として出席しているものであると主張するが、本件協議会の目的が、信頼しうる地元の有力 段の事情はないというべきである。 この点、被告は公文書分類①②の地元関係者は、京都市から個人的に指名され、個人として出席しているものであると主張するが、本件協議会の目的が、信頼しうる地元の有力者と接触して地元住民らの意思を聴取することであることは被告の認めるところであり、とすれば、右地元関係者は、地元住民らの意見を代弁する者として、公人に準ずる立場で協議会に出席したとみるのが相当である。 したがって、公文書分類①②③の相手方の肩書及び氏名は、条例八条一号に該当しない。 5 公文書分類⑥について右文書は、京都市がごみ減量推進員として委嘱している市民との協議懇談経費の支出決定書であり、条例八条一号により非公開とされたのは同委員らの住所である。 同委員らは右協議懇談会に公人に準じる立場で出席したものというべきであるが、その住所は、個人の生活の平穏に関わるものであるから、通常他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる。 したがって、公文書分類⑥の住所部分は条例八条一号に該当するというべきである。 6 公文書分類⑦についてこれらの文書は、京都市が主催した清掃施設見学会開催経費の支出決定書であり、条例八条一号により非公開とされたのは、一般参加者の氏名、住所、年齢及び電話番号である。 一般参加者の氏名、住所、年齢及び電話番号は、同参加者らが施設見学会に参加したことを明らかにするものであるが、公募等によって右会合に参加したものであっても、右会合が公費を用いて開催されている以上、同人らは公人に準ずる立場で出席したものといわざるを得ない。したがって、参加者らの氏名は、条例八条一号に該当しない。 これに対し、同人らの住所、年齢及び電話番号は、個人の生活の平穏に関わる情報として通常他人に知られたくないと望むことが正当であると認めら 。したがって、参加者らの氏名は、条例八条一号に該当しない。 これに対し、同人らの住所、年齢及び電話番号は、個人の生活の平穏に関わる情報として通常他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるから、公文書分類⑦の住所、年齢及び電話番号部分は条例八条一号に該当するというべきである。 二条例八条四号該当性(公文書分類④⑤) 1 国、地方公共団体又はこれらに準じる団体の職員の職名及び氏名が、条例八条四号の「市と国等との間における協議等により行う事務に関して作成した情報」に該当することは明らかである。 2 しかし、被告は、相手方職員の職名及び氏名は当該団体の内部情報に該当するから条例八条四号に当たるとするのみで、公開することにより当該国等との協力関係又は信頼関係を損なうと認めるに足りる主張立証をしない。 3 したがって、公文書分類④⑤の相手方職員の職名及び氏名は、条例八条四号に該当しない。 三条例八条七号該当性(公文書分類①②) 1 条例八条七号は、京都市又は国等が行う事務事業の中には、入札予定価格、試験問題、用地買収計画、交渉の記録など、事務事業の性質上、公開することにより、その目的が損なわれたり、公正かつ適切な執行が妨げられるものがあるため、これらに関する情報を非公開とすることを規定したものである。 2 公文書分類①②は、地元関係者との協議に関するものであるが、証拠(甲二の一、二の六、二の九、二の一二、二の二一、二の二四、二の二六、二の三七、二の四一、三の三、三の六、三の七、三の一四、三の一五、三の一七、三の一八、三の二〇、三の二三、三の二五、三の三八、三の四三、三の四五、乙三、証人Aの証言)によれば、これらの文書は、京都市の清掃行政に関する協議懇談経費の支出決定書と認めることができるから、その出席者の肩書及び氏名は、京都市が行う事 五、三の三八、三の四三、三の四五、乙三、証人Aの証言)によれば、これらの文書は、京都市の清掃行政に関する協議懇談経費の支出決定書と認めることができるから、その出席者の肩書及び氏名は、京都市が行う事務事業に関する情報に該当する。 3 公文書分類①について(一) 被告は、これらは内密に行われた協議に関する文書であり、京都市がかかる協議を開催して地元住民の誰と接触したかが判明すれば、地元住民から誤解による批判等がなされるおそれもあり、今後、地元関係者が接触を拒否することは必至であるから、相手方の肩書及び氏名を公開すると、相手方との信頼関係を損なううえ、今後の清掃施設建設事業及び建設工事完了後の清掃事業の運営に地元住民の理解を得られなくなって、清掃事業の公正かつ適切な執行が困難となるとする。 しかし、相手方の肩書及び氏名を公開するとどのような誤解が生じるかは不明であるし、どのような批判等がなされるかも明らかでないから、これにより、今後、地元関係者が接触を拒否することが必至であるとはいい難い。 なお、別紙目録1番号26、別紙目録2番号45は、進行中の清掃施設の建設について、市が地元関係者と内密に折衝していたことを示す文書であり、確かに、右協議の内容を公開した場合、一部の地元住民らの反対によって、建設計画の遂行に支障が生じる可能性も考えられないではない。しかし、右文書には協議の具体的内容は記載されていないから、出席者の氏名等を公開しても、その発言内容や京都市の施策との関係が明らかになることはなく、かかる支障が生じるとは認め難い。 したがって、相手方の肩書及び氏名を公開することによって、相手方との信頼関係が著しく損なわれるということはできないし、また、清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認めることもできないから、条例八条七号に該当し 書及び氏名を公開することによって、相手方との信頼関係が著しく損なわれるということはできないし、また、清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認めることもできないから、条例八条七号に該当しない。 (二) なお、被告が、別紙目録1番号26の「支出理由」(相手方の氏名等が記載されていると思われる。)を非公開としたのも同じ理由に基づくものと考えられるが、これが条例八条一号、七号のいずれにも該当しないことは右説示のとおりである。 4 公文書分類②について(一) 被告は、地元関係者は氏名等が公表されることを前提として参加していないので、その肩書及び氏名を公開して誰と協議したかが明らかになると、相手方との信頼関係を著しく損なううえ、今後このような会合ができなくなって、清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるとする。 しかし、これらの協議を開催したことは地元住民らに広く明らかにされているのであるから、その出席者の肩書及び氏名を公開したとしても、出席者との信頼関係が著しく損なわれたり、清掃事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるとは考えられず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 したがって、公文書分類②の相手方の肩書及び氏名は、条例八条七号に該当しない。 (二) なお、被告が、別紙目録1番号43の「支出理由」の一部(相手方の氏名等が記載されていると思われる。)を非公開としたのも同じ理由によるものであると考えられるが、これが条例八条一号、七号のいずれにも該当しないことは右説示のとおりである。 四結論以上の次第で、本件処分(ただし、既に公開された部分を除く。)は、本件公文書のうち、別紙目録1番号9の「住所」、同目録番号20の「住所、年齢、電話番号」、同目録番号35の「住所」及び別紙目録2番号32の「住所、年齢、電話番号」に 既に公開された部分を除く。)は、本件公文書のうち、別紙目録1番号9の「住所」、同目録番号20の「住所、年齢、電話番号」、同目録番号35の「住所」及び別紙目録2番号32の「住所、年齢、電話番号」に関する部分を除き、違法として取消を免れないから、本訴請求を主文第一項の限度で正当として認容し、その余を失当として棄却することとし、主文のとおり判決する。 (口頭弁論終結の日平成一一年二月二四日)京都地方裁判所第三民事部裁判長裁判官大谷正治裁判官山本和人裁判官平井三貴子

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る