昭和33(あ)2523 児童福祉法違反

裁判年月日・裁判所
昭和34年5月11日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人渡部繁太郎の上告趣意は、判例違反を主張する。  しかし、所論引用の各判例は、児童福祉法六〇条三項但書にいわゆる児童

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判決文本文1,586 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人渡部繁太郎の上告趣意は、判例違反を主張する。  しかし、所論引用の各判例は、児童福祉法六〇条三項但書にいわゆる児童の年令 を知らないことにつき過失がないというためには、単に児童本人の陳述または身体 の発育状況等の外観的事情のみによつて年令が満十八才以上であると判断しただけ では不十分であつて、その外に客観的資料として、例えば戸籍抄本、食糧通帳もし くは父兄等について正確な調査を講じ以つて児童の年齢を確認する措置を採るべき である旨判示したもので、すなわち、児童雇入れに際し、右のような客観的資料が 全然提供されていない場合における雇主の調査義務について判示したものである。 しかるに、本件原判決によれば、被告人は、原判示児童を接客婦として雇入れるに 当り、その実家を訪問し、直接、本人およびその両親について調査したのではある けれども、その際同人等の差し出した実は他人の戸籍抄本を、同人等の陳述のみに よつてたやすく児童本人のものであると軽信したというのであつて、そして原判決 は、かかる場合においては、児童又はその保護者において、その雇入を希望するの 余り、他人の氏名を詐称して年令を偽ること、殊に近頃のように年令確認の資料と して戸籍抄本が利用されるようになると他人の戸籍抄本を恰も児童本人のものであ るかのように使用することも当然ありうることとして容易に想像できるから、この ことをも考慮に入れて、先ずその差し出された戸籍抄本が児童本人のものであるか 否かを確むべきであり、それが為には、単に児童およびその両親の一方的な陳述だ けでたやすく軽信することなく、他の信頼すべき客観的資料に基ずいて調査をなす べきであるのに、被告人はこれが調査を怠つているのであるから、いまだ児童福祉 法六〇条三項但書にいわゆ の両親の一方的な陳述だ けでたやすく軽信することなく、他の信頼すべき客観的資料に基ずいて調査をなす べきであるのに、被告人はこれが調査を怠つているのであるから、いまだ児童福祉 法六〇条三項但書にいわゆる年令を知らないことにつき過失がない場合に該当しな - 1 - いと解するを相当とする趣旨を判示したものであつて、すなわち、原判決は、児童 およびその両親が、児童本人の氏名を偽り他人の戸籍抄本を恰も本人のものの如く 装つて提示した場合に関して、これを雇い入れんとする雇主の調査義務について判 示したものである。従つて、所論引用の各判例と原判決とは、両者その事案を異に し、原判決は引用各判例になんら相反する判断を示していないこと明白であるから、 所論判例違反の主張はその前提において失当である。のみならず、所論の実質は、 被告人が本件児童の年令を知らなかつたことにつき過失がないと解すべきに拘らず、 過失があると解した原判決は、児童福祉法六〇条三項但書の解釈適用を誤つた違法 があるとする単なる法令違反の主張(この点に関する原判決の判断は正当と認める。) に帰し、上告適法の理由に当らない。  また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。  よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお り決定する。   昭和三四年五月一一日      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    小   谷   勝   重             裁判官    藤   田   八   郎             裁判官    河   村   大   助             裁判官    奥   野   健   一 - 2 -  助             裁判官    奥   野   健   一 - 2 -

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