-- 主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求被告が原告に対し平成15年1月24日付けでした別紙1物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という)に係る平成13年1月1日から同年12。 月31日までの取得分及び平成14年度保有分に係る特別土地保有税の納税義務を免除しない旨の各処分(以下これらを併せて「本件処分」という)をい。 ずれも取り消す。 第2事案の概要本件は,本件各土地を売買によって取得した原告が,本件各土地に係る特別土地保有税について,地方税法603条の2の2第1項による免除土地予定地に係る納税義務の免除を受けるために,本件各土地を免除土地として使用し,又は使用させようとすることについての認定を被告に申請し,その認定を受けて特別土地保有税の徴収を猶予され,その後,信託によって本件各土地の所有権を受託者に移転したところ,被告から,①本件各土地の所有権移転によって原告は同項の「土地の所有者等」でなくなったために同項の適用を受けなくなったこと,②原告による本件各土地の譲渡には平成14年法律第17号による改正後の地方税法附則31条の3の2による免除土地予定地のための譲渡に係る土地に係る納税義務の免除の特例の適用がないことを理由として,本件各土地に係る特別土地保有税の納税義務を免除しない旨の本件処分を受けたことから,①本件各土地は信託の委託者兼受益者である原告が実質的に所有するものであり,本件処分は地方税法603条の2の2第1項の解釈適用を誤った違法がある,②仮に本件各土地について同項の適用がないとしても,上記改正後の地方税法附則31条の3の2の適用がある,と主張して,本件処分の取消しを-- 求める事案である。 関係法令の定め本件に関係する法 に本件各土地について同項の適用がないとしても,上記改正後の地方税法附則31条の3の2の適用がある,と主張して,本件処分の取消しを-- 求める事案である。 関係法令の定め本件に関係する法令の定めは,別紙2のとおりである(同別紙記載の略語等は,以下においても適宜使用する。 。) 前提となる事実(証拠の付記のない部分は当事者間に争いがない)。 (1)本件信託等の経緯ア原告は,平成13年7月12日,株式会社Aから,本件各土地を買い受けた。 イ原告は,平成13年10月ころ,B株式会社から,本件各土地に係る不動産事業(本件各土地上に商業用ビルを建築し,これを第三者に賃貸した上で売却する事業)に参加したい旨の意向を受け,同社との間で,共同事業として進める手法について協議を行った(弁論の全趣旨。 )ウ原告は,平成13年12月28日,本件各土地上に事務所を用途とする建物を建築することについて建築確認を受け,平成14年2月18日,本件各土地上に「仮称)αビル」という建物(以下「本件建物」とい(う)の建築を開始した(甲6の1。 。 )エ原告とB株式会社は,平成14年3月29日,本件各土地に係る不動産事業の内容について,本件各土地上に主要な用途を事務所とし,鉄骨鉄筋コンクリート造10階建ての商業用ビルを建築し,当該ビルを第三者に賃貸し,また相当期間経過後に売却する事業と定め,当該不動産事業を共同事業として進める実施方法として信託手法を用いることとして,事業協定を締結した(甲7。 )オ原告は,平成14年3月29日,本件各土地につき,C銀行株式会社(以下「C」という)との間で,原告を委託者兼第1及び第2受益者,。 Cを受託者とする信託契約を締結し,信託を原因としてCへの所有権移転登記手続をした(以下これを「本件信託」という C銀行株式会社(以下「C」という)との間で,原告を委託者兼第1及び第2受益者,。 Cを受託者とする信託契約を締結し,信託を原因としてCへの所有権移転登記手続をした(以下これを「本件信託」という。この時点において,。)-- 本件建物はいまだ建築中であり,竣工していなかった。 カ原告は,平成14年4月4日,B株式会社に対し,本件信託に係る第2受益者の地位を譲渡した(甲5の1ないし7。 )キ平成15年5月20日,本件建物が竣工し,原告及びB株式会社は,同年5月30日,本件建物の引渡しを受けた(甲6の2。本件建物は,鉄)骨鉄筋コンクリート造陸屋根10階建,延床面積8720.09㎡の建物であり,法603条の2第1項1号に規定する「恒久的な利用に供される建物」に該当する。 ク原告は,平成15年6月16日,D株式会社に対し,本件建物の一部を賃貸した(甲13の1。 )ケ原告及びB株式会社は,平成15年7月1日,本件建物につき,信託を原因としてCへの所有権移転登記手続をした。これに伴い,前記クの賃貸に係る賃貸人の地位もCに承継された(甲13の2。 )(2)本件処分等の経緯ア原告は,平成14年3月1日,東京都知事の権限の委任を受けた被告に対し,本件各土地について,平成13年1月1日から同年12月31日までの土地の取得に対して課する特別土地保有税(以下「平成13年取得分保有税」という)の納付申告書を提出するとともに,本件各土地を免除。 土地として使用し,又は使用させようとすることについての認定を受けるため,特別土地保有税免除土地認定申請書を提出した。 イ被告は,平成14年3月6日,原告に対し,本件各土地について,前記アの申請に係る認定をするとともに,納税義務の免除に係る期間を平成14年2月28日から平成16年5月31日までと 請書を提出した。 イ被告は,平成14年3月6日,原告に対し,本件各土地について,前記アの申請に係る認定をするとともに,納税義務の免除に係る期間を平成14年2月28日から平成16年5月31日までと定め,その旨通知した。 ウ被告は,平成14年3月13日,原告に対し,法603条の2の2第3項(現2項。法601条3項を準用)及び東京都都税条例153条の2の2第3項(法と同じ内容の規定)に基づいて,平成14年3月1日から平-- 成16年5月31日までの間,本件各土地に係る特別土地保有税に係る徴収金の徴収を猶予することを決定した。 エ原告は,平成14年5月30日,被告に対し,本件各土地について,平成14年度の土地に対して課する特別土地保有税(以下「平成14年保有分保有税」という)の納付申告書を提出した。 。 オ被告は,平成15年1月24日,原告に対し,本件各土地に係る平成13年取得分保有税及び平成14年保有分保有税について,納税義務を免除しない旨の本件処分をした。 カ原告は,平成15年3月24日,東京都知事に対し,本件処分の取消しを求める審査請求をしたが,東京都知事は,平成16年9月29日,当該審査請求を棄却する旨の裁決をした。そこで,原告は,平成16年12月27日,本件訴訟を提起した。 争点及び当事者の主張(1)争点①(法603条の2の2関係)争点の第1は,法603条の2の2第1項による納税義務の免除の可否に関し,本件信託の後においてもなお,原告が同項にいう「土地の所有者等」に該当し「当該土地を免除土地として使用し,又は使用させ」たものとい,えるか否かである。 ア原告の主張(ア)本件信託は,原告が自らの事業を遂行する上で信託という法形式を借用したものにすぎず,実質的な所有権の移転はない。すなわち,本件信託においては ものとい,えるか否かである。 ア原告の主張(ア)本件信託は,原告が自らの事業を遂行する上で信託という法形式を借用したものにすぎず,実質的な所有権の移転はない。すなわち,本件信託においては,①委託者(原告)が自己の責任と負担をもって本件建物を建築・取得していること,②そのために受託者(C)は,本件建物を建築するために必要な範囲と時期において,原告に対して本件各土地の使用貸借を認め,本件信託の日に本件各土地を原告に引き渡していること,③受託者が,原則として,自らの裁量で行為するのではなく,受益-- 者の指図に従って行為するとされていること,④原告とCとの間で本件各土地に係る譲渡代金の授受がなされた事実はないこと,⑤本件各土地の値下がり等のリスクや本件各土地から生み出される収益等の経済的価値は依然として基本的には本件信託の受益者でもある原告に帰属していること,⑥本件各土地に課される公租公課等諸費用も原告が負担していること,⑦原告において固定資産である本件各土地について譲渡等の会計処理を何ら行っていないこと,等の諸事情にかんがみれば,原告が実質的な所有者として,本件各土地の占有を一度として放棄せず,自ら一貫して本件各土地の占有を維持継続して実効支配しつつ免除土地に向けての事業を自ら遂行し,完成させたことは明らかである。 一般的に信託譲渡について形式的な所有権移転が認められるとしても,特別土地保有税の納税義務を負担すべき「土地の所有者等」をいかに解すべきかという本件固有の問題に関しては,以上のような原告の事業主体性が高い本件信託の実態に着目すれば,当然に原告こそが法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」に該当すると解すべきことは明らかである。 (イ)仮に本件信託後は原告が「土地の所有者等」に該当しないとしても,「土地の に着目すれば,当然に原告こそが法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」に該当すると解すべきことは明らかである。 (イ)仮に本件信託後は原告が「土地の所有者等」に該当しないとしても,「土地の所有者等」であった本件信託前に原告が既に得ていた特別土地保有税に関する徴収猶予が取り消されるべきか否かという問題は別異に考え得る問題であり,以下に述べるとおり,信託に関する法の基本姿勢等にかんがみれば,原告は,本件信託によって形式的な所有権を喪失した後においても,それ以前に徴収猶予を受けた地位をそのまま継続し,最終的に法603条の2の2第1項における「当該土地を免除土地として使用し,又は使用させ」という要件を充足したと解すべきである。 まず,特別土地保有税の非課税を規定した法587条1項(法73条の7第3号)及び令54条の32第2項2号は,受託者による取得の直-- 前において非適用土地であった土地の取得がなされた場合には,取得課税のみならず(法587条2項,保有課税も行わないとしている。こ)の趣旨は,委託者の法的地位の承継を認めることにあるといえる。この点は,信託の受託者による不動産の取得につき不動産取得税を非課税とすることと同一線上にあるかのように見えながら,特別土地保有税の課税の趣旨が土地の投機的取引を抑制し有効利用を促進することにあるので,さらに一歩進めて,当該土地が前所有者(委託者)によって投機目的で取得されたものでないことが明らかな場合には,その後の形式的な移転により土地を取得した者(受託者)に対し,前所有者の法的地位の承継を認めたものと解される(このような趣旨に照らせば,政令で非課税とされるものが信託による取得の直前に非適用土地であった土地に限られていることは,非課税の要件を過度に厳しく規定するものと批判することも可能 たものと解される(このような趣旨に照らせば,政令で非課税とされるものが信託による取得の直前に非適用土地であった土地に限られていることは,非課税の要件を過度に厳しく規定するものと批判することも可能である。 。)次に,特別土地保有税の免税点を規定した法595条を受けた令54条の36第3項は,基準面積の判定において,信託財産たる土地は,その信託の委託者が所有するものとみなして,委託者に係る基準面積の判定を行うことを規定している。これは,特別土地保有税の納税義務は信託の場合にも受託者に移ることを前提としつつも,課税の必要性の判断に当たっては,信託による所有権の移転が形式的な所有権の移転にすぎないこと,土地に対する実質的な支配力が委託者に存するとみなすことが社会通念に合致することに着目して,委託者の土地利用の状況に着目して判断するべきことを明らかにした趣旨と理解すべきである。すなわち,これは,一般的に形式的な所有権移転を否定できないことを前提にしたうえで,法において,立法政策として委託者と受託者とを一体のものとみる考え方(委託者・受託者一体説)で特別土地保有税の制度を構築しようとするものにほかならない。 -- 以上のような信託に関する法の基本姿勢にかんがみれば,特別土地保有税においては,信託による所有権の移転があった場合について,土地の投機的取引を抑制し有効利用を促進するという特別土地保有税の課税の趣旨及び形式的な所有権の移転にすぎない信託に基づく所有権移転の特質を考慮して,場面に応じて委託者・受託者一体説の考え方が採用されているものと解され,かかる立法政策の採用は,明示的な規定がない場面の法の適用に関しても影響すると考えるのが自然である。そこで,法603条の2の2の文言解釈に当たっても,このような法における特別土地保有税に関す され,かかる立法政策の採用は,明示的な規定がない場面の法の適用に関しても影響すると考えるのが自然である。そこで,法603条の2の2の文言解釈に当たっても,このような法における特別土地保有税に関する信託の位置づけ(一体的把握)を反映させて解釈すべきであるところ,委託者が委託後においても自ら建物を完成させようとしている限りにおいて,委託者の自己所有の土地と扱うことこそが,上記の信託に関する法の基本姿勢に基づく自然な解釈というべきである。 信託を利用して建物を完成させ恒久的な用途に供しようとする委託者を,もはや「その所有する土地」に該当しないとして徴収猶予・免除規定の適用から排除することには,実質的な合理性を見出すことはできず,具体的な正義にもとるというべきであるし,現在は恒久的な利用に供されていないが,近い将来の利用開始は確実であるにもかかわらず,納税免除されないのは不合理であるとの納税者の意見に配慮したという法603条の2の2の制度趣旨に反するというべきである。 以上要するに,法603条の2の2の免除要件は,委託者が,対象土地を免除土地として使用し又は使用させようとする意図のもとに信託し,信託後においても委託者が対象土地に対する実質的な支配を失うことなく,免除土地として使用し又は使用させるに至った場合にもこれに該当すると解すべきである。そして,本件信託は,本件各土地の所有者である原告において,共同事業者であるB株式会社と共同して,本件各土地上に商業用ビルを建築し本件各土地を最終的に恒久的な建物の用に供す-- る土地として使用し又は使用させようとする意図のもとに設定されたものであり,原告は,本件信託後も本件各土地に対する実質的な支配を失うことなく,本件建物を完成させ,免除土地として使用し又は使用させるに至ったのであるから,原告は せようとする意図のもとに設定されたものであり,原告は,本件信託後も本件各土地に対する実質的な支配を失うことなく,本件建物を完成させ,免除土地として使用し又は使用させるに至ったのであるから,原告は,上記の免除要件を充足したと解すべきである。 (ウ)なお,原告が引用する最高裁判決は,土地の取得原因である売買契約が後に詐害行為として取り消された事案に関し,取消前に買主が当該土地を取得に引き続いて所有していた経過的事実そのものに着目して課税要件を失わせるものではないと判示したものであって,そもそも経過的事実において原告からCに対し実質的な所有権の移転の事実がない本件には当然にはその射程は及ばないと考えるのが相当である。また,同判決は,特別土地保有税の納税義務の発生を定める法585条1項に関するものであって,納税義務の免除を定めた法603条の2の2の解釈に直接関係するものではなく,それぞれの規定の趣旨・目的に照らした法令解釈をすべきである。 イ被告の主張特別土地保有税は,土地又は土地の取得に対し,当該土地の所有者又は取得者に課されるものであるところ(法585条1項,土地の取得に対)するものは,いわゆる流通税に属し,土地の所有権移転の事実自体に着目して課されるものであり,土地の所有に対するものは,いわゆる財産税に属し,取得に引き続いて土地を所有している事実自体に着目して課されるものであって,いずれも土地の取得者又は所有者が,その土地を使用,収益,処分することにより得られるであろう利益に着目して課されるものではない。そして,法585条1項にいう土地の取得とは,所有権移転の形式により土地を取得するすべての場合を含み,取得の原因となった法律行為が取消し,解除等により覆されたかどうかにかかわりなく,その経過的-- 事実に則してとらえた 土地の取得とは,所有権移転の形式により土地を取得するすべての場合を含み,取得の原因となった法律行為が取消し,解除等により覆されたかどうかにかかわりなく,その経過的-- 事実に則してとらえた土地所有権取得の事実をいうと解するのが相当であり,土地の所有についても同様に解するのが相当であるとされる(最高裁平成14年12月17日第三小法廷判決・判例時報1812号76頁。 )そうすると,法585条1項に基づく納税義務の発生を前提として納税義務の免除を定めた法603条の2の2第1項についても,土地の所有権が形式的に移転したか,実質的に移転したかということに着目して解釈するのではなく,原告が,所有権移転の形式により「土地を取得した」か否か,あるいは「土地を所有する」に至ったか否かに着目して解釈する必要が,ある。これを本件についてみると,平成14年3月29日,原告は本件信託により本件各土地の所有権をCに移転していることから,同日以降,原告は法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」に当たらないといわざるを得ない。 原告は,上記最高裁判決は特別土地保有税の納税義務の発生を定めた法585条1項に関する判決であるから,納税義務の免除を定めた法603条の2の2の解釈に直接関係するものではなく,同条の免除規定は同条の趣旨・目的を考慮し解釈されるべきであると主張する。しかしながら,法令の解釈においては,通則的な規定における用語の解釈が各論的な規定においても適用されることは解釈の基本である。そして,法令において,基本的な用法を排除する例外的な場合は,その旨を明らかにする明文の規定を設けることになる。これを本件についてみれば,法585条1項は,特別土地保有税の「第1款通則」の最初に置かれている規定であり,特別土地保有税の課税の原則について定めた規定 明らかにする明文の規定を設けることになる。これを本件についてみれば,法585条1項は,特別土地保有税の「第1款通則」の最初に置かれている規定であり,特別土地保有税の課税の原則について定めた規定である。他方,法603条の2の2は,各則である「第3款申告納付並びに更正及び決定等」に置かれている納税義務の免除に係る規定であり,既に発生した納税義務を前提としてその免除の要件を定めた規定である。また,法585条1項は「当該土地の所有者又は取得者(以下本節において「土地の所有者等」とい-- う」と規定し,法第3章第8節特別土地保有税のどの条文にも,これ。)を排除する特別の定めはない。以上のとおり,法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」は,法に特別の定めがない以上,通則における「土地の所有者等」に定義された用語であるから,その解釈と同様に解釈されなければならず,同条の解釈についての原告の主張は失当である。 また原告は,仮に本件信託により原告が法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」の地位を失うとしても,本件各土地を実質的に支配し使用しているのが原告であるという実態に照らせば,原告は徴収猶予を受けた地位をそのまま継続しており,原告が同項の「免除土地として使用し,又は使用させ」たものと評価することができると主張する。しかしながら,上述したとおり,同項においては,法585条1項と同様,所有権移転の形式により土地を取得した事実及び土地を所有する事実があることが免除要件なのであって,実質的に土地を支配しているのが誰であるかということは免除要件ではない。また,委託者から受託者に信託財産を移した場合にも,法603条の2の2第1項の免除要件との関係で,土地の使用実態等を考慮して委託者を依然として所有者とみなすとの明文の規定はない。 免 除要件ではない。また,委託者から受託者に信託財産を移した場合にも,法603条の2の2第1項の免除要件との関係で,土地の使用実態等を考慮して委託者を依然として所有者とみなすとの明文の規定はない。 免除規定は,課税の例外規定であるから厳格に解釈すべきものであって,みだりに類推解釈や拡張解釈をすべきではない。したがって,信託の委託者が実質的に土地を支配し使用している場合には徴収猶予を受けた地位がそのまま継続されるとする原告の主張は,法の規定のない免除事由を主張するものであって,立法論としてはともかく,法解釈としては,到底首肯し得ない主張である。 さらに原告は,法は,信託の場合,場面に応じて委託者と受託者とを一体のものとみる一体説を採用しているとの見解を展開して,法603条の2の2の徴収猶予・免除制度においても,その制度趣旨にかんがみ,一体説を採用することが相当であると主張し,その根拠として①法587条及-- び法73条の7第1項3号の非課税規定の存在,②信託財産である土地に係る基準面積の特例を定めた令54条の36第3項の存在を指摘する。しかしながら,法は,委託者と受託者とを一般的に一体のものとみる考え方をとっていない。①の点について,法587条が,信託財産である土地について,特別土地保有税を一般的に非課税としているのは,土地の取得に対するもののみであって(同条2項,土地に対して課する特別土地保有)税については,政令の定めがない限り,原則としてこれを課することとしており(同条1項,これに基づいて制定された令54条の32第2項2)号においても,信託財産である土地のうち,土地に対して課する特別土地保有税を課することができないものは,信託による取得の直前において非適用土地であった土地,すなわち,取得後10年を経過し法585条3項の規 ても,信託財産である土地のうち,土地に対して課する特別土地保有税を課することができないものは,信託による取得の直前において非適用土地であった土地,すなわち,取得後10年を経過し法585条3項の規定により適用除外となる土地等に限られている。これらのことからすれば,法は,信託財産である土地についても,信託前においては信託の委託者が,信託後においては信託の受託者が,それぞれ当該土地の「所有者」として,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担することを原則としている。したがって,法は,所有権を移転するという信託の法的性質に即して,信託の前後における「所有者」を明確に区別しているのであるから,委託者・受託者一体説なる考え方が,特別土地保有税の規定において一般的に採用されていると解することはできないし,特別土地保有税の納税義務を免除する場面で当然に適用すべきであると解することもできない。また②の点についても,基準面積の特例に関する令54条の36第3項の規定は,基準面積を満たすかどうかの判定の場面に限られた特則であるから,これによって,委託者・受託者一体説なる考え方が,特別土地保有税の納税義務の免除の場面における法の一般的な考え方であると解することはできない。 (2)争点②(法附則31条の3の2関係)-- 争点の第2は,平成14年法律第17号(改正法)による改正後の法(新法)附則31条の3の2第1項による納税義務の免除の可否に関し,同項の規定が,改正法施行日前に行われた本件信託による本件各土地の譲渡に対して適用があるか否か,適用があるとして,同条2項の申出がされていない本件において同条1項による納税義務の免除ができるか否かである。 ア原告の主張(ア)新法附則31条の3の2は「平成13年4月1日から平成15年3,月31日 として,同条2項の申出がされていない本件において同条1項による納税義務の免除ができるか否かである。 ア原告の主張(ア)新法附則31条の3の2は「平成13年4月1日から平成15年3,月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において,…納税義務を免除する」と規定しており,当該期間内の対象土地の譲渡について。 適用のあることは,その文言上明らかである。改正法の施行日は平成14年4月1日であるが,同条は,同日より1年前までの譲渡にまで遡って適用されるのである。 これは,最終的に有効利用される予定があれば課税しないという改正の趣旨を徹底させるために,対象となる譲渡時点については平成13年4月1日からとしたものである。このように免除規定を拡大する改正を過去の譲渡にも遡及させることは,納税義務者の利益となるものであるから,租税法律不遡及の原則との関係でも何ら問題はない。 改正法附則6条1項及び2項は,新法附則31条の3の2の適用に関しては,特別土地保有税の保有分及び取得分のいずれについても,課税対象年度に関する時的制限から除外している。これは要するに,新法附則31条の3の2は,その文言どおり,平成14年度分に係る特別土地保有税についてのみならず,平成13年度分に係る特別土地保有税についても納税義務を免除することを規定しているということにほかならない。 もし,新法附則31条の3の2の適用を,その施行日である平成14年4月1日以降の譲渡に限る趣旨であれば,改正法附則6条1項及び2-- 項において新法附則31条の3の2を除外しないか,あるいは新法附則31条の3の2の「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において」という文言を「平成14年4月1日から平成15年3月31日までの期間内に当該土地を 新法附則31条の3の2の「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において」という文言を「平成14年4月1日から平成15年3月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において」という文言に改めればよいところ,そのいずれもされることなく,平成13年4月1日以降の譲渡を明確に含む規定となっているのであるから,同条は,平成13年4月1日以降の譲渡についても納税義務を免除する規定であることは明らかである。 被告は,新法附則31条の3の2を遡及適用する旨の明文の規定がないと主張するが,これは,同条により当然に遡及効果が生じ,改正法附則で重ねて規定する必要がなかったためである。すなわち,過去の一定事実をとらえて,それに対してある法律効果を生じさせることを法の本則又は附則で規定した場合には,当該規定自体によって遡及適用の効果が生じるのであるから,このような場合に,その一定期日に遡って当該規定を適用する旨の規定を改正法附則に置く必要はない。新法附則31条の3の2は法文上適用対象が明らかであり,改正法附則に遡及適用する旨の確認的規定がなくとも何ら規定の一義性・明確性が害されることはない。 また,租税法律主義の下では,ある一定期間の譲渡について,納税義務の免除を認める規定が存する場合,その規定に基づき納税義務の免除の効果が生じるのが原則であり,その規定の適用を制限するには,法律の根拠が必要である。したがって,仮に被告主張のとおり,新法附則31条の3の2の「平成13年4月1日から」という文言が2年間の時限措置の枠組みが変わらないことを確認する規定にすぎず,平成14年3月31日以前の譲渡を要件緩和の対象から除外するのであれば,同文言により平成13年4月1日からの譲渡が適用対象となっている以上,平-- 成 変わらないことを確認する規定にすぎず,平成14年3月31日以前の譲渡を要件緩和の対象から除外するのであれば,同文言により平成13年4月1日からの譲渡が適用対象となっている以上,平-- 成14年3月31日以前の譲渡は要件緩和の対象から除外する旨の規定を置く必要がある。しかしながら,改正法附則6条16項は「旧法附,則31条の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,なお従前の例による」と。 規定しているところ,新法で初めて「非課税土地等予定地」に含められた免除土地予定地は「旧法附則31条の3の2第1項に規定する非課,税土地等予定地」には含まれていない土地であるから,免除土地予定地のための譲渡について,改正法附則6条16項により,旧法附則31条の3の2第1項を適用する余地はなく,他に免除土地予定地のための譲渡について新法附則31条の3の2の適用を制限する規定はない。なお,改正法附則6条16項は,平成13年4月1日時点において徴収猶予を受けていた者が,平成14年4月1日より前に非課税土地予定地又は特例譲渡予定地のための譲渡をした場合には,新法も旧法もいずれも適用の可能性があることから,このような場合について,手続の安定性等の観点から,旧法の規定によることを明確にしたものにすぎず,平成13年4月1日時点において徴収猶予を受けておらず,その後徴収猶予を受けた者が,平成14年4月1日より前に非課税土地予定地又は特例譲渡予定地のための譲渡をした場合には,新法附則31条の3の2の遡及適用によって,納税義務の免除を受けることができるのである。 さらに被告は,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内の免除土地予定地のための譲渡に対応する手続法の制定がないことをもって,原告主 って,納税義務の免除を受けることができるのである。 さらに被告は,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内の免除土地予定地のための譲渡に対応する手続法の制定がないことをもって,原告主張への反論のひとつとしているが,この反論は本末転倒というべきであって,法がそのような規定を置いていないのは,立法上の過誤にすぎない。 (イ)被告は,新法附則31条の3の2が遡及適用されるとしても,原告は被告に対し同条2項の申出をしていないのであるから,原告が同条3項-- の徴収猶予及び同条1項の納税義務の免除を受けることはできないと主張する。 しかしながら,新法附則31条の3の2は,平成14年4月1日に施行されており,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間に土地を譲渡した場合に,土地を譲渡する日までに申出をすることを求めるのは,納税者に不可能を強いることとなる。そして,課税要件法において厳格な租税法律主義が妥当するのに比較して,租税手続法においては,納税者と租税債権者との間の衡平や正義を基礎にした法の発見ないし創造が許容されるといえる。したがって,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地のための譲渡をした場合には,新法附則31条の3の2第2項の申出をしなくとも,同条1項の適用を主張できると解すべきである。 イ被告の主張(ア)新法附則31条の3の2は,以下に述べるとおり,平成14年3月31日以前の土地の譲渡に遡及適用されない。 新たに制定され,改正された法律はその制定前の事実に遡って適用されないのが原則であり,改正後の法律の一部のみを遡及適用したいときは,当該改正法附則に「この法律は,公布の日から施行し,この法律,による改正後の○○法第○条の規定は,○年○月○日から適用する」などの いのが原則であり,改正後の法律の一部のみを遡及適用したいときは,当該改正法附則に「この法律は,公布の日から施行し,この法律,による改正後の○○法第○条の規定は,○年○月○日から適用する」などの規定を置くのが通例である。特に,租税法の規定は,租税法律主義の見地から,一般に,一義的で明確でなければならず,みだりに拡張適用すべきものではなく,中でも特則・例外規定である非課税要件規定や納税義務の免除要件規定については,租税負担公平の原則から不公平の拡大を防止するため,解釈の厳格性が要請されるところ,租税法において法改正により改正された免除規定を遡及適用させる場合,規定の一義性・明確性,解釈の厳格性を担保するため,当該改正法附則に遡及適用-- を定める規定を置くのが通例である。しかしながら,本件の場合,改正法の施行日は,同法附則1条に平成14年4月1日と規定されているのみで,新法附則31条の3の2を施行日である平成14年4月1日から1年前の譲渡にまで遡及して適用するとの明文の規定はない。 新法附則31条の3の2は,平成13年の法改正(平成13年法律第8号による改正)により平成13年4月1日から平成15年3月31日までの2年間の時限措置として定められた他人に譲渡する土地に係る徴収猶予・免除制度について,平成13年4月1日から平成15年3月31日までの2年間の時限措置という制度の枠組みは変えずに,施行日である平成14年4月1日以降の譲渡についてのみ,徴収猶予を受けた時点要件の撤廃と対象範囲の拡大という要件緩和をし,一層の土地の有効利用の促進を図るものである。その改正の趣旨を明らかにするために,改正法附則1条が,同法の施行日を平成14年4月1日と定めたにもかかわらず,新法附則31条の3の2第1項は,旧法附則31条の3の2第1項と同様に 図るものである。その改正の趣旨を明らかにするために,改正法附則1条が,同法の施行日を平成14年4月1日と定めたにもかかわらず,新法附則31条の3の2第1項は,旧法附則31条の3の2第1項と同様に「土地の所有者等が,平成13年4月1日から平成1,5年3月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において」と規定し,譲渡の期間をあえて「平成14年4月1日から」とはせずに,従前どおり「平成13年4月1日から」としたのである。つまり,新法附則31条の3の2第1項の上記規定は,平成13年の法改正により2年間の時限措置として定められた他人に譲渡する土地に係る徴収猶予・免除制度の枠組みが変わらないことを明らかにするために確認的に置かれたにすぎす,遡及適用について定めたものではない。前記のとおり,改正後の法律の一部のみを遡及適用したいときは,当該改正法附則に遡及適用を定める規定を置くのが通例であり,このような規定を置かず,改正後の法律の本則自体によって遡及効果を生じさせるという立法技術は通常使われるところではなく,少なくとも地方税法においては,そのよ-- うな例は見当たらない。 改正法附則6条16項は,旧法附則31条の3の2で規定されていた非課税土地予定地及び特例譲渡予定地のための譲渡について,譲渡の時期が平成14年4月1日より前か後かで旧法と新法の適用を区別すべきことを明らかにするために置かれた規定である。そして「なお従前の,例による」とは,ある事項について旧法令又は改正前の法令の規定は失効しているが,当該事項についての法律関係は,包括的に,旧法令又は改正前の法令の規定によることを表現する語として用いるものとされており,この場合,当該法律関係は,新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用されるので ,旧法令又は改正前の法令の規定によることを表現する語として用いるものとされており,この場合,当該法律関係は,新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用されるのである。したがって,改正法施行前(平成14年3月31日以前)において,旧法附則31条の3の2第1項により,非課税土地予定地及び特例譲渡予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税の免除について,①平成13年4月1日時点で徴収猶予を受けていた者が,平成14年3月31日までに他人譲渡した場合にのみ,免除を認め,②平成13年4月1日時点で徴収猶予を受けていない者が,平成14年3月31日までに他人譲渡した場合には,免除を認めないとしていた法律関係は,改正法附則6条16項により,改正法の施行によっても変わることはない。この点からも,平成14年の法改正が新法附則31条の3の2の遡及適用を認める趣旨で行われたものではないことが分かる。 新法附則31条の3の2の規定によると,免除土地予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税について,同条3項の徴収猶予及び同条1項の納税義務の免除が認められるためには,同条2項により,手続要件として,譲渡日までに土地の所有者等が課税庁に対し同条1項の適用を受けたい旨の申出をすることが必要である。しかしながら,同条の規定が遡及適用されるとする原告の主張を前提とすると,免除土地予-- 定地の所有者等が,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの間に当該土地を譲渡した場合,同条1項の適用を受けようとしても,施行日が平成14年4月1日であることから,譲渡の日までに課税庁に対して同条2項の申出をすることができないという不都合が生じてしまう。したがって,仮に原告の主張のとおりであるとすれば,法律上必要とされる事 平成14年4月1日であることから,譲渡の日までに課税庁に対して同条2項の申出をすることができないという不都合が生じてしまう。したがって,仮に原告の主張のとおりであるとすれば,法律上必要とされる事前の申出をすることができないのであるから,法は,例えば「法附則31条の3の2第2項の規定にかかわらず,平成14年4月1日以降6か月以内に申出をした場合には,同項の申出があったものとみなす」というようなみなし規定を置き,手続上の不備がないよう手当。 てするはずであるが,法はそのような規定を置いていない。 原告は,改正法附則6条1項及び2項を援用して,新法附則31条の3の2は,平成14年度分に係る特別土地保有税についてのみならず,平成13年度分に係る特別土地保有税についても納税義務を免除することを規定したものであると主張する。しかしながら,改正法附則6条1項及び2項が「新法附則31条の3の2(及び31条の3の3)を除く」とするのは,新法附則31条の3の2が,数年度分にわたり納税義務の免除期間(徴収猶予期間)が設定されている土地の所有者等について,当該免除期間(徴収猶予期間)中に他人譲渡があった場合であっても,当該免除期間(徴収猶予期間)全体に係る納税義務の免除(徴収金の徴収の猶予)を認めるか否かを定めた規定であることから,当該免除期間(徴収猶予期間)のうち,施行日前の年度分と施行日後の年度分とで,旧法・新法の適用を区別する改正法附則6条1項及び2項の規定になじまないからである。したがって,原告の主張は原告独自の見解といわざるを得ない。 (イ)仮に新法附則31条の3の2が遡及適用されるとしても,これまで原告は被告に対し本件各土地の譲渡の日までに行うべきであった同条2項-- の申出をしていないのであるから,原告が同条3項の徴収猶予及び同条 附則31条の3の2が遡及適用されるとしても,これまで原告は被告に対し本件各土地の譲渡の日までに行うべきであった同条2項-- の申出をしていないのであるから,原告が同条3項の徴収猶予及び同条1項の納税義務の免除を受けることはできず,原告に本件各土地に係る特別土地保有税の徴収猶予・免除が認められることはない。 原告は,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地のための譲渡をした場合には,新法附則31条の3の2第2項の申出をしなくとも,同条1項の適用を主張できると主張する。 しかしながら,他人譲渡に係る特別土地保有税の徴収猶予・免除制度は,納税義務者からの申請を待って適用されるものであるところ,納税義務者が何ら法の規定する申請手続を行っていないにもかかわらず,課税庁に徴収猶予・免除を認めさせることは,租税法律主義の観点から無理がある。 第3当裁判所の判断 争点①(法603条の2の2関係)について(1)法585条1項は,土地に対して課する特別土地保有税は,当該土地の所有者に課するものと規定し,法587条1項は,土地の所有者が所有する土地で,その取得が,委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(法73条の7第3号)に該当するものに対しても,政令の定めがない限り,原則として,土地に対して課する特別土地保有税を課する旨を規定している。これらの規定を文理に忠実に解釈すれば,これらの規定にいう「土地の所有者」とは,信託財産である土地については,信託の受託者を指すものであり,信託の受託者は,その「所有する土地」である当該土地について,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担するということになる。 ところで,同じ法律中に同一の用語が用いられている場合には,特別の定めがあるか,又は他の規定 る土地」である当該土地について,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担するということになる。 ところで,同じ法律中に同一の用語が用いられている場合には,特別の定めがあるか,又は他の規定との関係で矛盾抵触を生じない限り,原則として,同一の意義を有するものと解するのが相当である。そうしたところ,法60-- 3条の2の2第1項にいう「土地の所有者等」については,法585条1項において,同項の「土地の所有者又は取得者」と同義であることが明確に規定されている。また,法603条の2の2第1項にいう「所有する土地」についても,法587条1項の「所有する土地」と異なる意義であることを定めた特別の規定は存在せず,これらの「所有する土地」という用語を同一の意義に解したとしても他の規定との関係で矛盾抵触を生じることはない。したがって,信託財産である土地について,これを「その所有する土地」であるとして法603条の2の2第1項の納税義務の免除を受けられる「土地の所有者等」とは,信託の委託者ないし受益者ではなく,信託の受託者であるというべきである。 なお,原告は「土地の所有者等」に該当しない者であっても,法603,条の2の2第1項の「当該土地を免除土地として使用し,又は使用させ」るとの要件を充足して同項による納税義務の免除を受けられる場合があるかのように主張する。しかしながら,同項の規定によれば,同項の規定による納税義務免除の対象者は「土地の所有者等」であり「当該土地,すなわち,」「その所有する土地」を「免除土地として使用し,又は使用させ」るとの要件も当該「土地の所有者等」において充足する必要のあることは文理上明らかであるから,原告の上記主張は当を得たものではない「当該土地を免除。 土地として使用し,又は使用させ」るとの要件の充足に関 の要件も当該「土地の所有者等」において充足する必要のあることは文理上明らかであるから,原告の上記主張は当を得たものではない「当該土地を免除。 土地として使用し,又は使用させ」るとの要件の充足に関する原告の主張(前記第2の3(1)ア(イ))も,その実質は「土地の所有者等」ないし「そ,の所有する土地」の解釈に関する主張とみるべきものである。 (2)原告は,法が,信託による所有権の移転があった場合の特別土地保有税について,同税の課税の趣旨及び信託に基づく所有権移転の特質を考慮して,場面に応じて「委託者と受託者とを一体のものとみる考え方」を採用していることからすると,明示的な規定のない法603条の2の2第1項の解釈にもこのような法の基本姿勢を反映させるべきであり,委託者が,対象土地を-- 免除土地として使用し又は使用させようとする意図のもとに信託し,信託後においても委託者が対象土地に対する実質的な支配を失うことなく,免除土地として使用し又は使用させるに至った場合には,同項の免除要件に該当すると解すべきであると主張する。そして,原告は,法が場面に応じて「委託者と受託者とを一体のものとみる考え方」を採用していることの根拠として,①受託者による取得の直前において非適用土地であった土地の取得がなされた場合には,特別土地保有税の取得課税のみならず(法587条2項,保)有課税も行わない(法587条1項,令54条の32第2項2号)とされていること,及び,②免税点に係る基準面積の判定において,信託財産たる土地は,その信託の委託者が所有するものとみなして,委託者に係る基準面積の判定を行う(令54条の36第3項)とされていることを指摘する。 そこで,まず①の点について検討すると,法587条が,信託財産である土地について,特別土地保有税を一般的に非 て,委託者に係る基準面積の判定を行う(令54条の36第3項)とされていることを指摘する。 そこで,まず①の点について検討すると,法587条が,信託財産である土地について,特別土地保有税を一般的に非課税としているのは,土地の取得に対するもののみであって(同条2項,前記のとおり,土地に対して課)する特別土地保有税については,政令の定めがない限り,原則としてこれを課税することとしている(同条1項。そして,これに基づいて制定されて)いる令54条の32第2項2号においても,信託財産である土地のうち,土地に対して課する特別土地保有税を課税することができないものは,信託による取得の直前において非適用土地であった土地,すなわち,取得後10年を経過し法585条3項の規定により適用除外となる土地等に限定されている。これらのことからすれば,法は,信託財産である土地についても,信託前においては信託の委託者が,信託後においては信託の受託者が,それぞれ当該土地の「所有者」として,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担することを原則としているものと解されるのである。つまり,法は,所有権を移転するという信託の法的性質に即して,信託の前後における「所有者」を明確に区別しているのであり,この場面における「委託者と受託者-- とを一体のものとみる考え方」は,信託に係る土地を委託者が非適用土地として保有していたという例外的な場合にのみ採用されているにすぎない(なお,原告は,政令で非課税とされる場合がこのような場合に限られていること自体,非課税の要件を過度に厳しく規定するものと批判することも可能であると主張するが,法585条1項は,特別土地保有税を土地及びその取得に対して一般的に課税することを原則とし,法587条1項は,法73条の7各号の形式的な所有 しく規定するものと批判することも可能であると主張するが,法585条1項は,特別土地保有税を土地及びその取得に対して一般的に課税することを原則とし,法587条1項は,法73条の7各号の形式的な所有権の移転等に該当する取得によって取得された土地に対しても土地に対して課する特別土地保有税を課税することを原則としているのであるから,法587条1項の委任を受けて課税の例外を定める令54条の32第2項2号の規定が,信託による取得の直前において非適用土地であった土地のみを非課税の対象としたこと自体が,明らかに法の委任の範囲を逸脱し,過度に制限的であるということはできない。 。)また,②の点についても,基準面積の特例に関する令54条の36第3項の規定は,基準面積を満たすかどうかの判定の場面に限られた特則であり(同条4項も同様,信託前においては信託の委託者が,信託後においては)信託の受託者が,それぞれ当該土地の「所有者」として,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担するという原則そのものに変更を加えるものではないから,これによって「委託者と受託者とを一体のものとみる,考え方」が法の基本姿勢であるとまで解することはできないものというべきである。 むしろ,特別土地保有税の課税の趣旨が,土地の投機的取引を抑制し土地の有効利用を促進するために特別の税を課することにあるとしても,そのためにどのような課税制度を具体的に設けるかは,立法政策の問題であるところ,前記のとおり,法及び令が,信託財産である土地について,信託の特殊性に応じた一般的な特則を設けるのではなく,特別土地保有税の非課税や基準面積,さらには税額の算定(令54条の39)に関して個別的に特則を置-- いていることからすると,個々の場面に応じて特例を設けるかどうかを定めるという ではなく,特別土地保有税の非課税や基準面積,さらには税額の算定(令54条の39)に関して個別的に特則を置-- いていることからすると,個々の場面に応じて特例を設けるかどうかを定めるというのが法の趣旨であると考えられる。原告の主張は,あるいは「場面に応じて」委託者と受託者とを一体のものとみる考え方を「使い分ける」というのが法の「基本姿勢」であるとする趣旨とも解されるが,前記のとおり,法及び令は,そのような「使い分け」の必要な場合には,明文での特則を置いているのであるから,明示的な規定のない場合にまでいわば解釈上の「使い分け」をすべきであるとする原告の主張には,論理の飛躍があるといわざるを得ない。法603条の2の2第1項の納税義務の免除に関しては,その要件である「土地の所有者等」ないし「その所有する土地」という用語の意義について,政令への委任を含め何らの特別の規定も置いていない以上,同項の適用に関しては,所有権の形式的な帰属に基づいて判断をするのが,法解釈としては素直であるというべきである。 (3)原告は,原告の事業主体性が高い本件信託の実態に着目すれば当然に原告こそが「土地の所有者等」に該当すると解すべきであり,信託を利用して建物を完成させ恒久的な用途に供しようとする委託者を徴収猶予・免除規定の適用から排除することには実質的な合理性がなく,具体的な正義にもとり,法603条の2の2の制度趣旨に反すると主張する(これは,前記(2)の解釈上の「使い分け」をすべきであるとの原告の主張の実質的な根拠であるとも解される。 。)しかしながら,前記のとおり,特別土地保有税の制度趣旨を実現するための具体的な法制度は一義的に決まるものではなく,どのような立法事実を取り上げてどのような要件の下に納税義務を免除するかはその時々の立法政策による 前記のとおり,特別土地保有税の制度趣旨を実現するための具体的な法制度は一義的に決まるものではなく,どのような立法事実を取り上げてどのような要件の下に納税義務を免除するかはその時々の立法政策によるのであって,本件信託の実態を強調し,これに徴収猶予・免除規定の適用を認めなければ制度趣旨に合致しないというだけでは,原告に法603条の2の2第1項を適用すべきであることの十分な根拠とはなり得ない。 (4)以上のことからすると,本件信託の委託者である原告にとって,もはや本-- 件各土地は法603条の2の2第1項にいう「その所有する土地」に該当せず,原告は「土地の所有者等」に該当しないものというべきであるから,本件各土地が同項の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は適法である。 争点②(法附則31条の3の2関係)について(1)新法附則31条の3の2第1項の施行日は平成14年4月1日であるが,同項は,その規定自体において,免除期間が定められている土地の所有者等が「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間」内に,非,課税土地等予定地(免除土地として使用し,又は使用させる予定であることにつき市町村長の認定を受けた土地を含む)のための譲渡に該当する土地。 の譲渡をしたときは,同項による納税義務の免除の特例の対象となる旨を定めている。 我が国の立法実務においては,過去の一定事実をとらえて,それに対してある法律効果を生じさせることを法令の本則で規定することがあり,この場合はその本則の規定自体によって遡及の効果が生ずるものであり,一定期日にさかのぼってその法律を適用する旨の規定を附則に置く必要はないとされている(林修三ほか著『例解立法技術(甲18)のであるから,新法附』)則31条の3の2第1項の文言のみを読む限 あり,一定期日にさかのぼってその法律を適用する旨の規定を附則に置く必要はないとされている(林修三ほか著『例解立法技術(甲18)のであるから,新法附』)則31条の3の2第1項の文言のみを読む限りにおいては,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地のための譲渡が行われた場合にも,施行日である平成14年4月1日以降においては,同項の規定が適用されるとの解釈も十分に成り立ち得るものというべきである。 この点被告は,改正法附則に遡及適用を定める規定を置かず,改正後の法律の本則自体によって遡及効果を生じさせるという立法技術は通常使われておらず,少なくとも地方税法においてはそのような例は見当たらないと主張する。しかしながら,まさに本件で問題となっている新法附則31条の3の2第1項について,その後の平成15年法律第9号による改正で,上記の-- 「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間」が「平成13年4月1日から平成17年3月31日までの期間」に改められ,この改正後の規定が平成15年4月1日から施行されているが,当該改正法の附則には,改正後の法附則31条の3の2第1項の遡及適用を定める規定も,施行日前の譲渡に改正前の規定を適用させる旨の規定もいずれも置かれていない。そうすると,被告の主張によれば,平成14年4月1日から平成15年3月31日までの期間内に行われた譲渡について,平成15年4月1日以降においては,改正前の規定も改正後の規定もいずれも適用されないこととなり,例えば同日前に非課税土地予定地であることの認定を受けていた譲渡者が,同日以後に譲受者が非課税土地として使用し,又は使用させたことについての確認の申請をしようとしても,確認申請のための根拠規定自体が存在せず,結局納税義務の免除を受けら との認定を受けていた譲渡者が,同日以後に譲受者が非課税土地として使用し,又は使用させたことについての確認の申請をしようとしても,確認申請のための根拠規定自体が存在せず,結局納税義務の免除を受けられないということになってしまうが,これはいかにも不当である。したがって,平成15年法律第9号による改正後の法附則31条の3の2第1項は,その規定の文言自体によって遡及効果を生じさせるものとして規定されたものと解するほかなく,地方税法にそのような立法例がないとする被告の主張は失当であるといわざるを得ない。 (2)もっとも,本件で問題となっている平成14年法律第17号による改正前後の法附則31条の3の2第1項の適用関係については,改正法附則6条16項に「施行日前にされた旧法附則31条の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,な。 。 お従前の例による」との規定が置かれており,これとの関係が問題となる我が国の立法実務において「なお従前の例による」とは,ある事項に対,する法律関係について,新法令又は改正後の法令の規定によることなく,新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用する場合に用いられる用語であるとされている(前田正道編『ワークブック法制執務(乙16。そうすると,改正法附則6条16項の規定は,』))-- 施行日である平成14年4月1日よりも前にされた非課税土地予定地のための譲渡及び特例譲渡のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,改正前の旧法附則31条の3の2第1項と同じ取扱いをすべきことを定めた規定ということになる。したがって,平成13年4月1日時点で免除期間の設定を受けていなかった土地の所有者等が,同日から平成14年3月3 の旧法附則31条の3の2第1項と同じ取扱いをすべきことを定めた規定ということになる。したがって,平成13年4月1日時点で免除期間の設定を受けていなかった土地の所有者等が,同日から平成14年3月31日までの期間内に非課税土地予定地のための譲渡又は特例譲渡のための譲渡をした場合には,新法附則31条の3の2第1項の規定は適用されないので,同項の規定による納税義務の免除を受けることはできず,また,旧法31条の3の2第1項の例によれば,免除期間設定時期の要件を充たさないので,これによる納税義務の免除を受けることもできないものと解される。この点原告は,改正法附則6条16項は,新法も旧法もいずれも適用の可能性がある場合について,手続の安定性等の観点から,旧法の規定によることを明確にしたものにすぎず,旧法の例によれば納税義務の免除を受けることができない場合でも,新法の遡及適用によって納税義務の免除を受けることができると主張する。しかしながら,新法の遡及適用があるのであれば,前述した平成15年法律第9号による改正の場合と同様に,特に経過規定を置く必要はなかったのであるから「なお従前の例による」との改正法附則6条,16項の規定は,むしろ,新法を遡及適用させないことに意義があるものと解すべきである。 以上の解釈を前提としても,改正法附則6条16項は「旧法附則31条,の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地のための譲渡」に係る土地に係る特別土地保有税について規定するものであり,文言上は免除土地予定地のための譲渡を含んだ規定にはなっていない。しかしながら,改正によって新たに納税義務免除の対象に含まれることとなった免除土地予定地のための譲渡について,免除期間の設定を受けた時期のいかんにかかわらず,施行日である平成14年4月1日よりも前の平成13年4月1 によって新たに納税義務免除の対象に含まれることとなった免除土地予定地のための譲渡について,免除期間の設定を受けた時期のいかんにかかわらず,施行日である平成14年4月1日よりも前の平成13年4月1日からの当該譲渡に-- ついて新法附則31条の3の2第1項の規定が適用され,納税義務の免除を受けることができるとすると,従前から納税義務免除の対象とされていた非課税土地予定地のための譲渡や特例譲渡のための譲渡について,平成13年4月1日時点で免除期間の設定を受けていなかった者が同日から平成14年3月31日までの期間内に当該譲渡を行った場合に,従前どおり納税義務の免除を受けることができないことと比較して,著しく均衡を失するものといわなければならず,改正法附則6条16項の制定に当たり,このような不均衡の生じる事態をあえて容認し,あるいは漫然と放置したものとは考え難い。 したがって,同項の措辞が適切であったかどうかはともかく「なお従前の,例による」とした同項制定の思想としては,免除土地予定地のための譲渡についても新法の遡及適用を認めない趣旨であったと解釈することも十分に可能であると考えられる。 なお,原告は,改正法附則6条1項及び2項が,新法附則31条の3の2の適用に関しては,特別土地保有税の保有分及び取得分のいずれについても,課税対象年度に関する時的制限から除外していることを指摘して,これが新法附則31条の3の2の規定の遡及適用を認めた規定であるかのように主張する。しかしながら,改正法附則6条1項及び2項は,特別土地保有税の課税対象となる土地について,その保有時期及び取得時期による適用規定の違いを規定したものであり,一旦取得し保有していた土地を他人に譲渡した場合の,当該譲渡時期による適用規定の違いを規定したものではないから,改正法附則 ついて,その保有時期及び取得時期による適用規定の違いを規定したものであり,一旦取得し保有していた土地を他人に譲渡した場合の,当該譲渡時期による適用規定の違いを規定したものではないから,改正法附則6条1項及び2項に掲げる適用規定の中に新法附則31条の3の2が含まれていないのは,土地の保有時期及び取得時期が違っていても同条の規定による納税義務の免除の取扱いに差異がないことを意味するにとどまり,土地の譲渡時期が違っていても同条の規定による納税義務の免除の取扱いに差異がないことまでを意味するものではない。したがって,この点に関する原告の主張は失当である。 -- (3)次に,改正法による改正前後の法附則31条の3の2第1項の適用関係について検討するに当たっては,同項の規定の改正にもかかわらず,同条2項の規定,すなわち,土地の所有者等が同条1項の規定の適用を受けようとする場合には「譲受者に対する土地の譲渡の日までに,同項の規定の適用,」を受けたい旨の申出をしなければならないことを定めた規定について,字句の改正や経過規定の設定を含め,何らの立法的手当も行われなかったということも重要な点である。 通常,法601条3項(法602条2項及び法603条の2の2第2項において準用する場合を含む)による徴収猶予を受けている者が他の者に土。 地を譲渡した場合には,法601条5項(法602条2項及び法603条の2の2第2項において準用する場合を含む。以下同じ)に該当し,徴収猶。 予が取り消され,猶予税額を直ちに納付しなければならないところ,法附則31条の3の2の規定は,このような場合に,譲渡者について徴収猶予を引き続き行い,最終的に納税義務を免除することができるように措置するものである。ところが,譲渡前に課税庁において譲渡者の譲渡が非課税土地等予 の2の規定は,このような場合に,譲渡者について徴収猶予を引き続き行い,最終的に納税義務を免除することができるように措置するものである。ところが,譲渡前に課税庁において譲渡者の譲渡が非課税土地等予定地のための譲渡に該当するか否かを把握していないと,同条が適用される前に,法601条5項により取り消された場合には,徴収猶予が継続できなくなってしまう。そこで,法附則31条の3の2第2項において,事前に課税庁に対して非課税土地等予定地のための譲渡を行う旨の申出をしなければならないこととし,同条3項において,当該申出があった場合には直ちに従前の徴収猶予を取り消して,新たな徴収猶予に切り替えることとして,徴収猶予が継続されるように手当をしたものである。 このように,法附則31条の3の2第2項の申出は,同条による徴収猶予及び納税義務免除の手続が開始される端緒となるものであり,また土地の所有者等に対する徴収猶予を土地の譲渡後にも継続させるためのものとして,重要な意義を有するものであるから,同条1項を改正し納税義務免除の対象-- を免除土地予定地のための譲渡にまで拡大することとされた段階で,改正後の新規定を施行日よりも前に遡及適用させることが想定されていたとすれば,必然的に譲渡後の申出とならざるを得ない同条2項の申出について,何らかの立法的手当が行われていてしかるべきである。にもかかわらず,この点についての何らの立法的手当も行われなかったということは,前述した改正法附則6条16項の規定と相まって,改正後の法附則31条の3の2第1項の規定を遡及適用させることはおよそ想定されていなかったことを推認させる事情ということができる。この点原告は,何らの立法的手当も行われなかったのは立法上の過誤にすぎないと主張するが,上記のような申出の重要性にかんがみれ ことはおよそ想定されていなかったことを推認させる事情ということができる。この点原告は,何らの立法的手当も行われなかったのは立法上の過誤にすぎないと主張するが,上記のような申出の重要性にかんがみれば,単なる立法上の過誤とは考え難い。 もっとも,納税義務免除の対象になっていなかった施行日前の免除土地予定地のための譲渡について,事前に新法附則31条の3の2第2項の申出をすることは不可能であり,施行日以後の時点まで当該申出が遅延したとしても,その申出の遅延に「やむを得ない理由がある」ことは明らかであるから,このような場合には,同条2項ただし書の適用によって救済し,既に徴収猶予の取消しにより徴収された特別土地保有税に係る徴収金がある場合には,最終的に納税義務が免除された段階でこれを還付することとすれば(同条4項において準用する法601条7項,新法附則31条の3の2第1項の規)定を遡及適用させることもできないことではない。しかしながら,もともと個別の事情を理由とする特別の救済規定にすぎない同条2項ただし書の規定を,施行日前の免除土地予定地のための譲渡に係る譲渡後の申出の救済規定として一般的に流用することが明らかに想定されていたと解することもまた困難であるといわざるを得ず,同条2項ただし書の規定の存在をもって,遡及適用の積極的な根拠とすることはできない。 (4)改正法による改正後の納税義務免除規定をおよそ施行日前に遡及適用させないというのであれば,2年間の時限措置という制度の枠組みが不変である-- ことを明らかにする趣旨であったとする被告の主張をひとまず措くと,純立法技術的には,新法附則31条の3の2第1項において「平成13年4月,1日から平成15年3月31日までの期間」内と規定するのではなく,端的に「平成14年4月1日から平成15 をひとまず措くと,純立法技術的には,新法附則31条の3の2第1項において「平成13年4月,1日から平成15年3月31日までの期間」内と規定するのではなく,端的に「平成14年4月1日から平成15年3月31日までの期間」内と規定すれば足りたというべきである。したがって,そのような規定とせずに,あえて「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間」内と規定した新法附則31条の3の2第1項の規定の趣旨を,遡及適用を認める趣旨と解釈する原告の主張にも,それなりの理由があるものということができる。 しかしながら,前述した改正法附則6条16項の趣旨や,法附則31条の3の2第2項の申出について何らの立法的手当も行われなかったことを併せ考慮した場合には,改正法を含めた法全体の体系の中で,新法附則31条の3の2第1項の規定が施行日前の譲渡についてまで遡及適用されるものと断定することには,なお躊躇せざるを得ない。 (なお,前述したように,平成15年法律第9号による改正後の法附則31条の3の2第1項が遡及適用されるとすると,これによって原告の納税義務が免除されることにならないかが問題となり得るが,平成14年法律第17号附則6条16項の「なお従前の例による」旨の規定は,改正後の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用するため,後に至ってこれを改正することは不可能であるとされており(前掲『ワークブック法制執務(乙16,平成15年法律第9号による改正にもかかわらず,平成1』))4年法律第17号附則6条16項の規定はなお有効に存続しているものと解されるから,同項の規定が免除土地予定地のための譲渡についても新法の遡及適用を認めない趣旨であると解されるときには,平成15年法律第9号による改正後の法附則31条の3の2第1項の遡及適用によっても されるから,同項の規定が免除土地予定地のための譲渡についても新法の遡及適用を認めない趣旨であると解されるときには,平成15年法律第9号による改正後の法附則31条の3の2第1項の遡及適用によっても,その効果は,平成14年3月31日以前の免除土地予定地のための譲渡にまでは及ばないものと解される)。 -- (5)以上のとおり,新法附則31条の3の2第1項の規定は,施行日前の譲渡については遡及適用されないと解するのが素直な解釈というべきであるが,仮に遡及適用が認められるとすると,前述したように,施行日前に土地の譲渡をした者に係る同項の適用を受けたい旨の申出については,同条2項ただし書が適用され「やむを得ない理由がある」申出として,施行日以後に速,やかに課税庁に対して申出をすれば足りるものと考えられる。この点原告は,施行日前に土地を譲渡した場合に,土地を譲渡する日までに申出をすることを求めるのは,納税者に不可能を強いることとなるなどとして,同条2項の申出をしなくとも同条1項の適用を主張できると解すべきであると主張するが,上記のとおり,同条2項ただし書による事後の申出であれば可能であり,また前述したように,同条2項の申出は,同条による徴収猶予及び納税義務免除の手続の端緒となり,また徴収猶予を土地の譲渡後にも継続させるものとして,重要な意義を有するものであるから,軽々にこれを不要のものと解することはできない。 ところが,原告は,平成14年3月29日の本件信託による本件各土地の譲渡について,改正法が平成14年4月1日に施行されたにもかかわらず速やかに法附則31条の3の2第2項の申出をせず,その後10か月近くを経過した平成15年1月24日の本件処分時においてもなお同項の申出をしていなかったというのであるから,本件処分時においてはもはや 速やかに法附則31条の3の2第2項の申出をせず,その後10か月近くを経過した平成15年1月24日の本件処分時においてもなお同項の申出をしていなかったというのであるから,本件処分時においてはもはや,原告の申出遅延に「やむを得ない理由」があったということはできず,原告が適法に同項の申出をする余地はなかったというべきである。 したがって,仮に新法附則31条の3の2第1項の規定が施行日前の譲渡について遡及適用されるものであるとしても,原告に対して同項の規定が適用されることはなかったというべきであるから,いずれにしても,原告に同項の規定が適用されないことを理由として本件各土地に係る特別土地保有税の納税義務を免除しないこととした本件処分の判断は適法である。 -- 第4結論以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部鶴岡稔彦裁判長裁判官古田孝夫裁判官潮海二郎裁判官-- (別紙1(略))(別紙2)関係法令の定め第1地方税法(以下「法」という)。 通則(法第3章第8節第1款)(1)納税義務者等(法585条)ア納税義務者特別土地保有税は,土地又はその取得に対し,当該土地所在の市町村(都の特別区の存する区域においては都。以下同じ。法734条1項)において,当該土地の所有者又は取得者(以下法第3章第8節において「土地の所有者等」という)に課する(法585条1項。 。 )イ非適用土地に対して課する特別土地保有税に関する規定は,土地の所有者が所有する土地で法599条1項の規定により申告納付すべき日の属する年の1月1日において当該土地の取得をした日以後 。 。 )イ非適用土地に対して課する特別土地保有税に関する規定は,土地の所有者が所有する土地で法599条1項の規定により申告納付すべき日の属する年の1月1日において当該土地の取得をした日以後10年を経過したものについては,適用しない(法585条3項。 )(2)非課税(法586条ないし587条の2)ア非課税土地等市町村は,法586条2項各号に掲げる土地又はその取得に対しては,特別土地保有税を課することができず(同項,法587条の2第1項に)定める土地に対しては,土地に対して課する特別土地保有税を課することができない(同項。 )イ形式的な所有権の移転等に対する非課税市町村は,土地の所有者が所有する土地で,その取得が法73条の7各-- 号の取得に該当するもののうち政令で定めるもの(後記第3の1)に対しては,土地に対して課する特別土地保有税を課することができず(法587条1項,土地の取得で法73条の7各号の取得に該当するものに対し)ては,土地の取得に対して課する特別土地保有税を課することができない(法587条2項。 )法73条の7は,形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税に関する規定であり,同条各号の取得として,委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(3号,委託者のみが信託財産の)元本の受益者である信託により受託者から元本の受益者に信託財産を移す場合における不動産の取得(4号,信託の受託者が更迭した場合におけ)る新受託者による不動産の取得(5号)がある。 課税標準及び税率等(法第3章第8節第2款)(1)課税標準(法593条)及び税率(法594条)特別土地保有税の課税標準は,土地の取得価額とし(法593条1項,)特別土地保有税の税率は,土地に対して課する特別土地保有税に 章第8節第2款)(1)課税標準(法593条)及び税率(法594条)特別土地保有税の課税標準は,土地の取得価額とし(法593条1項,)特別土地保有税の税率は,土地に対して課する特別土地保有税にあっては100分の1.4,土地の取得に対して課する特別土地保有税にあっては100分の3とする(法594条。 )(2)免税点(法595条)市町村は,同一の者について,当該市町村の区域(都にあっては,その特別区の区域。法737条2項)内において,法599条1項1号の特別土地保有税にあってはその者が1月1日に所有する土地(その土地に対して特別土地保有税を課することができない土地を除く)の合計面積が,同項2号。 又は3号の特別土地保有税にあってはその者が1月1日前1年以内又は7月1日前1年以内に取得した土地(その取得に対して特別土地保有税を課することができない土地を除く)の合計面積が,それぞれ法595条各号に定。 める面積(都の特別区の区域にあっては,2000㎡。以下法第3章第8節-- において「基準面積」という)に満たない場合には,特別土地保有税を課。 することができない。 (3)税額(法596条)ア法599条1項1号の特別土地保有税の税額法599条2項1号の課税標準額に法594条の税率を乗じて得た額から,当該額を限度として,同号の土地に対して市町村が課すべき当該年度分の固定資産税の課税標準となるべき価格に100分の1.4(固定資産税の標準税率。法350条1項)を乗じて得た額の合計額を控除した額とする(法596条1号。 )イ法599条1項2号又は3号の特別土地保有税の税額それぞれ,法599条2項2号又は3号の課税標準額に法594条の税率を乗じて得た額から,当該額を限度として,同項2号又は3号の土地の取得に対して道府県(都を 条1項2号又は3号の特別土地保有税の税額それぞれ,法599条2項2号又は3号の課税標準額に法594条の税率を乗じて得た額から,当該額を限度として,同項2号又は3号の土地の取得に対して道府県(都を含む。法1条2項)が課すべき不動産取得税の課税標準となるべき価格に100分の4(不動産取得税の標準税率。法73条の15)を乗じて得た額の合計額を控除した額とする(法596条2号。 )(4)政令への委任(法597条)法593条から596条までの規定の適用に関し必要な事項は,政令で定める(後記第3の2,3。 ) 申告納付等(法第3章第8節第3款)(1)申告納付(法599条1項)特別土地保有税の納税義務者は,次のアないしウの区分に応じ,それぞれの日までに,当該特別土地保有税の課税標準額及び税額その他の総務省令で定める事項を記載した申告書を市町村長(都の特別区の存する区域においては都知事。以下同じ。法734条1項)に提出するとともに,その申告した税額を当該市町村に納付しなければならない。 -- ア1月1日において基準面積以上の土地を所有する者に係る土地に対して課する特別土地保有税(法599条1項1号)その年の5月31日イ1月1日前1年以内に基準面積以上の土地を取得した者に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税(法599条1項2号)その年の2月末日ウ7月1日前1年以内に基準面積以上の土地を取得した者に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税(法599条1項3号)その年の8月31日(2)課税標準額(法599条2項)ア法599条1項1号の特別土地保有税の課税標準額法599条1項1号に規定する者が1月1日において所有する土地(その土地に対して特別土地保有税を課することができない土地を除く)の。 取得価額の合計額に 599条1項1号の特別土地保有税の課税標準額法599条1項1号に規定する者が1月1日において所有する土地(その土地に対して特別土地保有税を課することができない土地を除く)の。 取得価額の合計額による(同条2項1号。 )イ法599条1項2号又は3号の特別土地保有税の課税標準額それぞれ法599条1項2号又は3号に規定する者が当該各号に規定する期間内に取得した土地(その取得に対して特別土地保有税を課することができない土地及び土地の取得に対して課する特別土地保有税を既に申告納付した,又は申告納付すべきであった土地を除く)の取得価額の合計。 額による(同条2項2号,3号)(3)納税義務の免除等(法601条ないし603条の2の2)ア非課税土地予定地に係る納税義務の免除(法601条)市町村は,土地の所有者等が,その所有する土地を法586条2項の規定の適用がある土地(一部の土地を除く。以下本項において「非課税土地」という)として使用し,又は使用させようとする場合において,市。 町村長が当該事実を認定したところに基づいて定める日から2年を経過す-- る日までの期間(工場,事務所その他の建物若しくは構築物の建設又は農用地の造成その他の用地の造成に要する期間が通常2年を超えることその他その期間を延長することにつきやむを得ない理由があると市町村長が認める場合には,土地の所有者等の申請に基づき市町村長が定める相当の期間。以下本条において「納税義務の免除に係る期間」という)内に当該。 土地を非課税土地として使用し,又は使用させ,かつ,これらの使用が開始されたことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(納税義務の免除に係る期間に係るものに限る)に係る納税義務を免除するものとする(法601条1項。 始されたことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(納税義務の免除に係る期間に係るものに限る)に係る納税義務を免除するものとする(法601条1項。 。 )イ特例譲渡予定地に係る納税義務の免除(法602条)市町村は,土地の所有者等その他の所定の者が,国又は地方公共団体に対する土地の譲渡その他の所定の土地の譲渡をしようとする場合において,市町村長が当該事実を認定したところに基づいて定める日(以下本項において「事実認定日」という)から2年を経過する日までの期間(大規模。 な宅地の造成でその造成に要する期間が通常2年を超えることその他その期間を延長することにつきやむを得ない理由があると市町村長が認める場合には,納税義務者の申請に基づき市町村長が定める相当の期間とし,公共事業の用に供するため収用等された不動産に代わるものと市町村長が認める土地の譲渡で,当該土地の譲渡に係る事実認定日が移転補償金に係る契約をした日後の日であるものにあっては,当該事実認定日から移転補償金に係る契約をした日以後2年を経過する日までの期間とする。以下本項において「納税義務の免除に係る期間」という)内に当該土地の譲渡を。 し,かつ,当該土地の譲渡があったことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(納税義務の免除に係る期間に係るものに限る)に係る納税義務を免除するものと。 する(法602条1項。 )-- ウ免除土地に係る納税義務の免除(法603条の2)(ア)市町村は,土地の所有者等が所有する土地が次のa又はbの土地のいずれかに該当し,かつ,当該土地の利用が当該市町村に係る土地利用基本計画,都市計画その他の土地利用に関する計画に照らし,当該土地を含む周辺の地 ,土地の所有者等が所有する土地が次のa又はbの土地のいずれかに該当し,かつ,当該土地の利用が当該市町村に係る土地利用基本計画,都市計画その他の土地利用に関する計画に照らし,当該土地を含む周辺の地域における計画的な土地利用に適合するものであることについて市町村長が認定した場合には,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金に係る納税義務を免除するものとする(法603条の2第1項。 )a事務所,店舗その他の建物又は構築物で,その構造,利用状況等が恒久的な利用に供される建物又は構築物に係る基準として政令で定める基準(後記第3の4(1))に適合するものの敷地の用に供する土地(bに該当するものを除く(法603条の2第1項1号)。)b工場施設,競技場施設その他の施設(建物,構築物その他の工作物及びこれらと一体的に利用されている土地により構成されているものに限る。以下本項及び後記エにおいて「特定施設」という)で,そ。 の整備状況,利用状況等が恒久的な利用に供される特定施設に係る基準として政令で定める基準(後記第3の4(2))に適合するものの用に供する土地(法603条の2第1項2号)(イ)土地の所有者等は,法603条の2第1項の規定の適用を受けようとする場合においては,法599条1項の納期限までに市町村長に対して当該土地に係る特別土地保有税について法603条の2第1項の規定の適用があるべき旨の申請をしなければならない(法603条の2第2項本文。ただし,既に法603条の2第1項の認定又は法603条の2)の2第1項の確認を受けた土地について,当該認定又は確認に係る事情に変更がなく,かつ,当該土地の所有者に変更のないときは,この限りでない(法603条の2第2項ただし書。 )-- (ウ)法603条の2第1項の認定は,同 ついて,当該認定又は確認に係る事情に変更がなく,かつ,当該土地の所有者に変更のないときは,この限りでない(法603条の2第2項ただし書。 )-- (ウ)法603条の2第1項の認定は,同条2項本文の申請があった場合又は同項ただし書の規定に該当する場合に限り,するものとする(同条3項。 )エ免除土地予定地に係る納税義務の免除(法603条の2の2)市町村は,土地の所有者等が,その所有する土地を法603条の2第1項の規定に該当する土地(以下本項において「免除土地」という)とし。 て使用し,又は使用させようとする場合において,市町村長が当該事実を認定したところに基づいて定める日から2年を経過する日までの期間(当該認定に係る建物若しくは構築物の建設又は特定施設の整備に要する期間が通常2年を超えることその他その期間を延長することにつきやむを得ない理由があると市町村長が認める場合には,土地の所有者等の申請に基づき5年を超えない範囲内で市町村長が定める相当の期間。以下本項において「納税義務の免除に係る期間」という)内に当該土地を免除土地とし。 て使用し,又は使用させ,かつ,これらの使用が開始されたことにつき市町村長の確認を受けたときは、当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(納税義務の免除に係る期間に係るものに限るものとし,市町村長の確認を受けた日後の当該期間に係るものを除く)に係る納税義。 務を免除するものとする(法603条の2の2第1項。 )オ免除期間における徴収の猶予とその取消し(ア)市町村長は,法601条1項,法602条1項又は法603条の2の2第1項の認定をした場合には,納税義務の免除に係る期間を限って,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金の徴収を猶予するものとする(法601条3項前段を法6 2条1項又は法603条の2の2第1項の認定をした場合には,納税義務の免除に係る期間を限って,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金の徴収を猶予するものとする(法601条3項前段を法602条2項及び法603条の2の2第2項において準用。 )(イ)市町村長は,前記(ア)の徴収の猶予をした場合において,当該徴収の猶予に係る特別土地保有税についてそれぞれ法601条1項,法602-- 条1項又は法603条の2の2第1項の規定の適用がないことが明らかとなったとき,又は徴収の猶予の理由の一部に変更があることが明らかとなったときは,当該徴収の猶予に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金の全部又は一部についてその徴収の猶予を取り消さなければならない(法601条5項前段を法602条2項及び法603条の2の2第2項において準用。この場合において,徴収の猶予を取り消された)者は,直ちに当該徴収の猶予の取消しに係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金を納付しなければならない(法601条5項後段を法602条2項及び法603条の2の2第2項において準用。 ) 特別土地保有税の課税の停止(法附則31条)平成15年以後の各年の1月1日において土地の所有者が所有する土地に対しては,法第3章第8節の規定にかかわらず,当分の間,平成15年度以後の年度分の土地に対して課する特別土地保有税を課さず(法附則31条1項,)平成15年1月1日以後に取得された土地の取得に対しては,法第3章第8節の規定にかかわらず,当分の間,土地の取得に対して課する特別土地保有税を課さない(法附則31条2項。 ) 非課税土地等予定地のための土地の譲渡をした場合の納税義務の免除の特例(法附則31条の3の2(平成13年法律第8号による改正後のもので,平)成14年法 有税を課さない(法附則31条2項。 ) 非課税土地等予定地のための土地の譲渡をした場合の納税義務の免除の特例(法附則31条の3の2(平成13年法律第8号による改正後のもので,平)成14年法律第17号による改正前のもの。平成13年4月1日施行)(1)市町村は,平成13年4月1日において,法601条1項,法602条1項又は法603条の2の2第1項に規定する納税義務の免除に係る期間(以下本項において「免除期間」という)が定められている土地の所有者等。 (法585条1項に規定する土地の所有者等をいう。以下本項及び後記(2)において同じ)が,同日から平成15年3月31日までの期間(当該期間。 内に免除期間の末日がある場合には,平成13年4月1日から当該免除期間の末日までの期間)内に当該土地を譲渡した場合において,当該譲渡が非課-- 税土地等予定地(当該譲渡の日から2年を経過する日までの期間(工場,事務所その他の建物若しくは構築物の建設又は大規模な宅地の造成に要する期間が通常2年を超えることその他の政令で定める理由(後記第3の5(1))がある場合には,政令で定める期間(後記第3の5(2))とする。以下本項において「予定期間」という)内に,当該譲渡を受けた者(以下本項及び。 後記(2)において「譲受者」という)が,当該土地を法586条2項各号。 に掲げる土地(一部の土地を除く。以下本項において「非課税土地」という)として使用し,若しくは使用させる予定であること又は当該土地につ。 いて法602条1項所定の土地の譲渡(以下本項において「特例譲渡」という)をする予定であることにつき市町村長の認定を受けた土地をいう)。 。 のための譲渡に該当し,かつ,譲受者が,予定期間内に,当該土地を非課税土地として使用し,若しくは使用させ,又は当該土 渡」という)をする予定であることにつき市町村長の認定を受けた土地をいう)。 。 のための譲渡に該当し,かつ,譲受者が,予定期間内に,当該土地を非課税土地として使用し,若しくは使用させ,又は当該土地について特例譲渡をしたことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地の所有者等の当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(免除期間に係るものに限る。後記(3)において同じ)に係る納税義務を免除するものとする(法附。 則31条の3の2第1項。 )(2)土地の所有者等は,法附則31条の3の2第1項の規定の適用を受けようとする場合においては,譲受者に対する土地の譲渡の日までに,市町村長に対して当該土地に係る特別土地保有税について同項の規定の適用を受けたい旨の申出をしなければならない(法附則31条の3の2第2項本文。ただし,当該申出が遅延したことについてやむを得ない理由があると)市町村長が認める場合には,当該譲渡の日後に申出をすることができる(同項ただし書。 )(3)市町村長は,法附則31条の3の2第2項の申出があった場合には,直ちに当該申出に係る土地に係る法601条3項(法602条及び法603条の。 ,2の2において準用する場合を含む)の規定による徴収の猶予を取り消し-- かつ,当該徴収の猶予の取消しの日から法附則31条の3の2第1項の認定をする日までの期間(当該徴収の猶予の取消しの日から6月以内に同項の認定を求める旨の申請がないときは,当該徴収の猶予の取消しの日から6月を経過する日までの期間とし,同項の認定をしない旨の決定をしたときは政令で定める日(後記第3の5(3))までの期間とする,当該土地に係る特別。)土地保有税に係る地方団体の徴収金(既に徴収したものを除く)の徴収を。 猶予するものとする(法附則31 定をしたときは政令で定める日(後記第3の5(3))までの期間とする,当該土地に係る特別。)土地保有税に係る地方団体の徴収金(既に徴収したものを除く)の徴収を。 猶予するものとする(法附則31条の3の2第3項本文。ただし,当該土)地について,同条1項の規定の適用がないことが明らかである場合は,この限りでない(同条3項ただし書。 )(4)市町村長は,法附則31条の3の2第1項の認定をした場合には,当該認定の日から同項に規定する予定期間の末日までの期間を限って,同項に規定する当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(既に徴収したものを除く)の徴収を猶予するものとする(法附則31条の3の2第4項。 において準用する法601条3項前段。 )(5)市町村は,特別土地保有税に係る地方団体の徴収金を徴収した場合において,当該特別土地保有税について法附則31条の3の2第1項の規定により同項の土地の所有者等の当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(同項に規定する免除期間に係るものに限る。以下本項において同じ)に係る納税義務を免除したときは,当該特別土地保有税の納税義務者。 の申請に基づいて,当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金を還付するものとする(法附則31条の3の2第4項において準用する法601条7項。 )第2平成14年法律第17号(以下「改正法」という)。 法附則31条の3の2の改正規定(1)改正の内容-- 法附則31条の3の2第1項中「,平成13年4月1日において」を削り,「同日」を「平成13年4月1日」に「予定であること又は」を「予定で,あること」に改め「する予定であること」の下に「又は当該土地を法6,,03条の2第1項の規定に該当する土地(以下本項において「免除土地」 平成13年4月1日」に「予定であること又は」を「予定で,あること」に改め「する予定であること」の下に「又は当該土地を法6,,03条の2第1項の規定に該当する土地(以下本項において「免除土地」という)として使用し,若しくは使用させる予定であること」を加え「使。 ,用させ,又は」を「使用させたこと」に改め「したこと」の下に「又は,,当該土地を免除土地として使用し,若しくは使用させたこと」を加える。 (その他,4項についても一部改正が行われているが,1項と4項を除くその余の各項については改正が行われていない)。 (2)改正後の規定前記(1)の改正により,改正後の法附則31条の3の2第1項の規定は,次のとおりとなった(平成15年法律第9号による改正前のもの。 )市町村は,法601条1項,法602条1項又は法603条の2の2第1項に規定する納税義務の免除に係る期間(以下本項において「免除期間」という)が定められている土地の所有者等(法585条1項に規定する土地。 の所有者等をいう。以下本項及び前記第1の5(2)において同じ)が,平。 成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間(当該期間内に免除期間の末日がある場合には,平成13年4月1日から当該免除期間の末日までの期間)内に当該土地を譲渡した場合において,当該譲渡が非課税土地等予定地(当該譲渡の日から2年を経過する日までの期間(工場,事務所その他の建物若しくは構築物の建設又は大規模な宅地の造成に要する期間が通常2年を超えることその他の政令で定める理由(後記第3の5(1))がある場合には,政令で定める期間(後記第3の5(2))とする。以下本項において「予定期間」という)内に,当該譲渡を受けた者(以下本項及び前記第1。 の5(2)において「譲受者」という)が,当該土地を法5 合には,政令で定める期間(後記第3の5(2))とする。以下本項において「予定期間」という)内に,当該譲渡を受けた者(以下本項及び前記第1。 の5(2)において「譲受者」という)が,当該土地を法586条2項各号。 に掲げる土地(一部の土地を除く。以下本項において「非課税土地」とい-- う)として使用し,若しくは使用させる予定であること,当該土地につい。 て法602条1項所定の土地の譲渡(以下本項において「特例譲渡」という)をする予定であること又は当該土地を法603条の2第1項の規定に。 該当する土地(以下本項において「免除土地」という)として使用し,若。 しくは使用させる予定であることにつき市町村長の認定を受けた土地をいう)のための譲渡に該当し,かつ,譲受者が,予定期間内に,当該土地を。 非課税土地として使用し,若しくは使用させたこと,当該土地について特例譲渡をしたこと又は当該土地を免除土地として使用し,若しくは使用させたことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地の所有者等の当該土地に係る特別土地保有税に係る地方団体の徴収金(免除期間に係るものに限る。 前記第1の5(3)において同じ)に係る納税義務を免除するものとする。 。 施行期日(改正法附則1条)改正法中法附則31条の3の2の改正規定は,平成14年4月1日から施行する(改正法附則1条本文。 ) 特別土地保有税に関する経過措置(改正法附則6条)(1)別段の定めがあるものを除き,改正法による改正後の法(以下「新法」という)の規定(新法附則31条の3の2及び31条の3の3の規定を除。 く)中土地に対して課する特別土地保有税に関する部分は,平成14年度。 以後の年度分の土地に対して課する特別土地保有税について適用し,平成13年度分までの土地に対して課する特別土地保 の規定を除。 く)中土地に対して課する特別土地保有税に関する部分は,平成14年度。 以後の年度分の土地に対して課する特別土地保有税について適用し,平成13年度分までの土地に対して課する特別土地保有税については,なお従前の例による(改正法附則6条1項。 )(2)別段の定めがあるものを除き,新法の規定(新法附則31条の3の2及び31条の3の3の規定を除く)中土地の取得に対して課する特別土地保有。 税に関する部分は,平成14年4月1日(以下「施行日」という)以後の。 土地の取得に対して課すべき特別土地保有税について適用し,施行日前の土地の取得に対して課する特別土地保有税については,なお従前の例による-- (改正法附則6条2項。 )(3)施行日前にされた改正法による改正前の法(これを「旧法」という)附。 則31条の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,なお従前の例による(改正法附則6条16項。 )第3地方税法施行令(以下「令」という)。 信託等により取得した土地で土地に対して課する特別土地保有税を課することができないもの(令54条の32第2項)法587条1項に規定する土地で,その取得が法73条の7各号(6号を除く)の取得に該当するもののうち政令で定めるものは,当該土地のうち,当。 該取得の直前において非適用土地であった土地とする(令54条の32第2項2号。 )非適用土地とは,特別土地保有税が課されていた,又は課されるべきであった土地(法586条(非課税)及び595条(免税点)の規定の適用がなかったとしたならば特別土地保有税が課されるべきであった土地を含む)以外の。 土地をいう(令54条の32第2項1号。 ) 信託財産である土地に係る基準面積の特例(令54条 免税点)の規定の適用がなかったとしたならば特別土地保有税が課されるべきであった土地を含む)以外の。 土地をいう(令54条の32第2項1号。 ) 信託財産である土地に係る基準面積の特例(令54条の36第3項・4項)(1)信託の委託者に係る特例信託の委託者に係る法595条の規定の適用については,当該信託の受託者が所有する当該信託に係る信託財産である土地(当該土地のうち非適用土地を除く)は,当該信託の委託者が所有するものとみなす(令54条の3。 6第3項。 )(2)信託の受託者に係る特例信託の受託者が所有する土地のうちに信託財産である土地がある場合における当該信託の受託者に係る法595条の規定の適用については,当該信託-- の委託者について同条の規定を適用した場合において,その者の所有する土地(令54条の36第3項の規定によりその者が所有するものとみなされる土地を含む)の合計面積が基準面積に満たないときは,当該信託財産であ。 る土地は,基準面積の判定の基礎となる当該信託の受託者の所有する土地に含めないものとする(令54条の36第4項。 ) 信託の受託者に係る税額の算定の特例(令54条の39)信託の受託者が所有する土地のうちに信託財産である土地がある場合における当該信託の受託者に係る法596条1号の規定の適用については,当該信託の委託者について法595条の規定を適用した場合において,その者の所有する土地(令54条の36第3項の規定によりその者が所有するものとみなされる土地を含む)の合計面積が基準面積に満たないときは,当該信託財産であ。 る土地の取得価額は特別土地保有税の課税標準額に,当該信託財産である土地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格は特別土地保有税に係る固定資産税の課税標準となるべき価格に,それぞれ含めな 産であ。 る土地の取得価額は特別土地保有税の課税標準額に,当該信託財産である土地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格は特別土地保有税に係る固定資産税の課税標準となるべき価格に,それぞれ含めないものとする。 免除土地に係る建物等の基準(令54条の47)(1)建物又は構築物に係る基準法603条の2第1項1号に規定する政令で定める基準は,次に掲げるものとする(令54条の47第1項。 )アその構造及び工法からみて仮設のものでないこと。 イその利用が相当の期間にわたると認められること。 (2)特定施設に係る基準法603条の2第1項2号に規定する政令で定める基準は,次に掲げるものとする(令54条の47第2項。 )アその整備状況が同一又は類似の用途に供される施設について通常必要とされる整備の水準と同程度の水準に達しているものであること。 イその利用が相当の期間にわたると認められること。 -- ウその効用を維持するため通常必要とされる管理が行われると認められること。 予定期間の延長理由等(令附則15条の4)(1)予定期間の延長理由法附則31条の3の2第1項に規定する政令で定める理由は,工場,事務所その他の建物若しくは構築物の建設又は大規模な宅地の造成に要する期間が通常2年を超えることその他の事情により譲受者(同項に規定する譲受者をいう)が同項に規定する土地の所有者等から譲渡を受けた土地(以下本。 項及び後記(2)において「対象土地」という)を非課税土地(法附則31。 条の3の2第1項に規定する非課税土地をいう)として使用し,若しくは。 使用させ,対象土地について特例譲渡(同項に規定する特例譲渡をいう)。 をし,又は対象土地を免除土地(同項に規定する免除土地をいう。後記(2)において同じ)として使用し,若しくは使 し,若しくは。 使用させ,対象土地について特例譲渡(同項に規定する特例譲渡をいう)。 をし,又は対象土地を免除土地(同項に規定する免除土地をいう。後記(2)において同じ)として使用し,若しくは使用させるために要する期間が2。 年を超えることがやむを得ないものとして市町村長の承認を受けた理由とする(令附則15条の4第1項。 )(2)予定期間の延長期間法附則31条の3の2第1項に規定する政令で定める期間は,前記(1)の理由を勘案して市町村長が定める相当の期間(対象土地を免除土地として使用し,又は使用させる予定であることにつき市町村長が同項の認定をする場合にあっては,前記(1)の理由を勘案して5年を超えない範囲内で市町村長が定める相当の期間)とする(令附則15条の4第2項。 )(3)徴収の猶予期間法附則31条の3の2第3項に規定する政令で定める日は,市町村長が同条1項の認定を申請した者に対し同項の認定をしなかった旨の通知をする日とする(令附則15条の4第3項。 )-- 以上
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