昭和22(れ)177 強盗

裁判年月日・裁判所
昭和22年12月9日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  弁護人大井静雄上告趣意第四点及び弁護人松本重夫上告趣意第一点について。  記録

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判決文本文1,746 文字)

主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  弁護人大井静雄上告趣意第四点及び弁護人松本重夫上告趣意第一点について。  記録を調査すると、原審公判において被告人の弁護人は所論のように心神耗弱の 主張をなし、その立証として証人の訊問及び被告人の精神鑑定の申請をしたに拘わ らず、原審裁判所は不心要としてその申請を全部却下した。そして、その判決理由 においては、「被告人は、昭和二二年三月私立A学院中学部を卒業して、上級学校 への入学試験を受ける準備中の者であつたが、他人を脅迫して金品を強奪しようと 考え、犯意を継続して云々」と本件犯罪の原因、動機に関する事実を判示し、原審 公判廷における被告人の供述によりこれを認定し、更に右弁護人の主張に対しては 「本件犯罪の動機、態様及び被告人の当公廷における供述態度等を綜合すると、被 告人は本件犯行当時正常の精神状況にあつて心神耗弱者であることは認めることが 出来ない」と説示しているのである。しかしながら、原判決は本件犯罪の動機とし ては、右のように単に「他人を脅迫して金品を強奪しようと考え」と抽象的に判示 しただけで、少しも具体的な判示がなく、またその証拠に供した原審における被告 人の供述によるも、その点に関する弁護人松本重夫の上告趣旨に述べられているよ うな供述記載があるのみで、右判示に該当する具体的な供述は存在しない。その他 全記録によるも、被告人が如何なる原因、動機により本件犯行をするに至つたのか、 殊に金銭に窮した事情があつたのか、新聞又は大衆小説その他により示唆を受けた のか等についても何等明確な証拠がない。また被告人の本件犯行後の行動、就中、 本件奪取の金品を如何なる場所に、如何なる目的を以て隠匿したのか、その金銭を 費消したのかしないのか、犯行直後父兄 唆を受けた のか等についても何等明確な証拠がない。また被告人の本件犯行後の行動、就中、 本件奪取の金品を如何なる場所に、如何なる目的を以て隠匿したのか、その金銭を 費消したのかしないのか、犯行直後父兄その他の者に会つたのか、直ちに臥床した - 1 - のか、翌朝何時に起き何をしたのか、等々の事実については原審審理において何等 触れるところがない。その点について一件記録によれば寧ろ犯行直後における本件 金品の処置に関しては常識に反し特殊異常の点あることを窺い知ることができる。 しかのみならず、本件弁護人の主張によれば被告人の祖父が精神病となり壮年にし て投身自殺した事実ありとして原審に証拠申請をしたもののごとくである。このよ うに本件で重要な関係にある犯罪の動機が判決において具体的に判示確定されてお らず、却つて異常な特殊事情が伏在する疑が濃厚である本件の場合に、この点に関 する証拠申請を全部却下してその審理をなさず、しかも犯行当時の精神状態を判断 説示するのに、前記のように只抽象的な犯罪の動機と犯行後数ケ月を経た原審公判 廷における被告人の供述態度等をもつて犯行当時正常の精神状態にあつたと認める 旨を説示した原判決は、審理不尽に基く理由不備の違法あるものと言わざるを得な い。従つて、本論旨は結局理由があることになるから、その余の上告趣意に対する 判断を省略し、なお右の違法は事実の確定に影響を及ぼすものと認めるから刑訴第 四四八条の二に従い主文のとおり判決する。  この判決は裁判官全員の一致した意見である。  検察官 安平政吉関与   昭和二三年一二月九日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    真   野       毅             裁判官    沢   田   竹 治 郎             裁判官    齋   藤   悠  一小法廷          裁判長裁判官    真   野       毅             裁判官    沢   田   竹 治 郎             裁判官    齋   藤   悠   輔             裁判官    岩   松   三   郎 - 2 -

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