昭和62(行ウ)119 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和63年10月25日 東京地方裁判所 住民訴訟
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【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一当事者の求めた裁判 一 請求の趣旨 1 被告らは、世田谷区に対し、各自金一三万五〇〇〇円及びこれに対す

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判決文本文6,048 文字)

- 1 -○ 主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 被告らは、世田谷区に対し、各自金一三万五〇〇〇円及びこれに対する昭和六二年一〇月一日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。 訴訟費用は被告らの負担とする。 二請求の趣旨に対する答弁主文同旨第二当事者の主張一請求原因 当事者原告は東京都世田谷区(以下、単に「世田谷区」という)の住民であり、昭和六一年六。 月三〇日から昭和六二年六月二九日までの間、被告A)は世田谷区長の職に、被告Bは世田谷区議会事務局次長の職に、それぞれあつた者である。 違法行為(一)地方自治法二〇三条三項は、地方公共団体の議会の議員は職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる旨規定し、同条五項は、その額及び支給方法は条例で定めなければならない旨規定しているところ、東京都世田谷区議会議員の報酬及び費用弁償(。)(「」。)等に関する条例昭和三一年東京都世田谷区条例第四一号以下本件条例という七条一項は、議長を含む議員が招集に応じて会議に出席したとき若しくは委員会に出席したとき又は公務のため旅行したときは、費用弁償として旅費を支給する旨規定し、同条二項は、議長を含む議員が招集に応じて会議に出常したとき若しくは委員会に出席したとき又は公務のため特別区の存する区域内を旅行したときは、日額旅費として六〇〇〇円を支給する旨規定している。 (二)他方、東京都世田谷区自動車の管理等に関する規程(昭和四〇年東京都世田谷区訓令甲第三八号)五条は「区長及び区議会議長は、乗用車を専用するものとする」と、。 規定しており、世田谷区議会議長は議会への出席等に専用の公用車を使うことが認められている。 (三) 都世田谷区訓令甲第三八号)五条は「区長及び区議会議長は、乗用車を専用するものとする」と、。 規定しており、世田谷区議会議長は議会への出席等に専用の公用車を使うことが認められている。 (三)Cは、昭和六一年六月三〇日から昭和六二年四月三〇日までの間、Dは、同年五月一九日から同年六月二九日までの間、それぞれ世田谷区議会議長の職にあつたところ、世田谷区議会本会議ないし所属の委員会に出席した日のうち別紙記載の日について、C議長は自宅と議会等との往復に、D議長は議会等から自宅への帰路に、それぞれ世田谷区の公用車を利用しながら、他方で本件条例に基づき、C議長は計二〇日分として一二万円の、D議長は計五日分として三万円の、各日額旅費の支給を受けた。 - 2 -()、、、四しかし本件条例による日額旅費の支給とは交通費の弁償に他ならないところ議長に公用車を利用させるのは交通費の現物支給であるから、更に費用弁償として日額旅費を支給するのは交通費の二重支給であり、違法である。したがつて、右(三)の別紙記載の日についてなされた日額旅費の支給のうち、C議長については往復公用車を利用していたので一二万円全額が、D議長については帰路のみ公用車を利用したので三万円のうち半額の一万五〇〇〇円が、それぞれ違法な支出である(以下、合わせて「本件支出」という。 。) 被告らの責任()、一世田谷区における議長を含む区議会議員の費用弁償に係る支出負担行為の権限は区長から区議会事務局長に委任されており、支出命令を行う権限は、区長から区議会事務局次長に委任されている。 (二)被告Aは、区長として会計を監督する責任があるところ、過去に世田谷区議会事務局長を務め、かねてから右2の(四)に述べた議長に対する費用弁償の違法を知つていたにもかかわらず本件 任されている。 (二)被告Aは、区長として会計を監督する責任があるところ、過去に世田谷区議会事務局長を務め、かねてから右2の(四)に述べた議長に対する費用弁償の違法を知つていたにもかかわらず本件支出を放置し、被告Bは、区議会事務局次長として重大な過失により違法を看過して本件支出に係る支出命令をした。 世田谷区の損害世田谷区は、本件支出によりその合計額一三万五〇〇〇円相当の損害を被つた。 監査請求原告は、昭和六二年六月三〇日、世田谷区監査委員に対し、地方自治法二四二条に基づき監査請求をしたところ、同監査委員は、同年八月二八日、原告に対し、原告の請求を容認できない旨の監査結果を通知した。 よつて、被告Aは不法行為に基づき、被告Bは地方自治法二四三条の二第一項に基づ、、、き連帯して世田谷区に対し本件支出による損害を賠償すべき義務があるところ原告は右の監査請求の結果に不服があるので、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、世田谷区に代位して、被告らに対し、本件支出相当額一三万五〇〇〇円の損害金及びこれに対する本件支出の日以後の本訴状送達の日の翌日である昭和六二年一〇月一日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を世田谷区に支払うことを求める。 二請求原因に対する認否 請求原因1(当事者)の事実は認める。 同2(違法行為)のうち、(一)ないし(三)の事実は認め(四)は争う。 、 同3(被告らの責任)のうち(一)の事実は認める(二)のうち、被告Aが過去、。 に世田谷区議会事務局長を務めたことは認め、その余は争う。 同4(損害)の事実は否認する。 同5(監査請求)の事実は認める。 同6は争う。 三被告の主張地方自治法二〇三条三項所定の費用弁償とは、その職務を行うために要する費用の弁償であるから 同4(損害)の事実は否認する。 同5(監査請求)の事実は認める。 同6は争う。 三被告の主張地方自治法二〇三条三項所定の費用弁償とは、その職務を行うために要する費用の弁償であるから、費用を要した都度その実費を計算してこれを支給することとしてももちろん差- 3 -し支えないが、通常はあらかじめ一定の基準を定めこれにより支給するという方法によつている。これは、実費弁償の原則を厳密に実行することは困難であることから、あらかじめ一定の事由又は場合を定め、それに該当するときに一定額を費用弁償として支給することとし、各個別の場合に実際に費消した費用がその額より多くても少なくてもそのような個別の事情を考慮しないこととして、事務の簡素化、合理化を図つているものである。このような取扱いは、反復して行われる職務の遂行のために費用を費やした者とその費用を支弁すべき地方公共団体との間の負担を調整する合理的な方法として是認されるべきものである。 国会議員に対して支給される派遣旅費、議会雑費も、同様に費用弁償の性格を有するものと考えられるが、これについても定額で定められており(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律八条、九条、国会議員の歳費、旅費及び手当等支給規程四条一項、地方)公共団体が議会の議員に対して支給する費用弁償についても、各議員毎、ケース毎の個別事情に応じて計算するか、定額方式によるかは、立法者(条例制定者)の合理的裁量に委ねられていると解される。 、(「」。)国家公務員の旅費についても国家公務員等の旅費に関する法律以下旅費法というは、冗費節約と行政事務の簡素化の要求に基づき、どちらかというと定額方式の建前をとつている。 本件条例も、このような考え方を前提として、議員の費用弁償について、特定の議員の住所地、具体的な職務 いうは、冗費節約と行政事務の簡素化の要求に基づき、どちらかというと定額方式の建前をとつている。 本件条例も、このような考え方を前提として、議員の費用弁償について、特定の議員の住所地、具体的な職務遂行地あるいは公用車の利用を含む旅行の手段、時間等を個別に問題、、にすることなく旅行の種類に応じた定額の費用弁償をすることを定めたものであるからC議長らの公用車の利用の有無にかかわらず、本件条例の規定に従つてなされた本件支出は適法である。 なお、原告は、本件条例による日額旅費の支給とは交通費の弁償に他ならないとしているが、本件条例における日額旅費は交通費だけではなく日当や議会活動に係る諸経費の弁償も含もものである。 また、区議会議長について公用車の利用が認められているのは、議長は、議会の日常的な、、事務を処理するため議員として費用弁償がなされる議会や委員会の開催日だけではなくほとんど毎日区役所(議会)に登庁しており、また、対外的に議会を代表してそれ以外の用務地に赴くなどの事務もあるためである。 四被告の主張に対する原告の認否争う。 第三証拠(省略)○ 理由 一請求原因1(当事者)の事実、同2(違法行為)の(一)ないし(三)の事実、同3(被告らの責任)の(一)の事実及び同5(監査請求)の事実についてはいずれも当事者間に争いがない。 二そこで検討するに、地方自治法二〇三条三項は、地方公共団体の議会の議員は職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる旨規定しているところ、右の費用の弁償- 4 -は、本来的には、現実に要した費用、すなわち実費を対象としてこれを弁償すべき性質のものということができる。しかし、費用の弁償の方法として、費用を要した都度その実費を計算してこれを支給すること(実額方式)は、実費を対象としてこれを弁償すると ち実費を対象としてこれを弁償すべき性質のものということができる。しかし、費用の弁償の方法として、費用を要した都度その実費を計算してこれを支給すること(実額方式)は、実費を対象としてこれを弁償するという費用の弁償の本来の建前には忠実であるものの、費用の中には実費の算定が困難なものもあり、また、個々の支出について旅行者に証拠書類の確保を要求し、事務担当者にもその確認の手数の負担を負わせることになつて、当該費用の額や支出の頻度によつてはいたずらに手続を煩雑にし、そのための経費を増大させることになりかねない。そこで、費用の弁償の方式としては、あらかじめ一定の事由又は場合を定め、それに該当するときに一定額を費用として弁償することとし、各個別の場合に実際に費消した費用がその額より多くとも少なくともそのような個別の事情は考慮しないこととする方式(定額方式)も考えられるところであり、右に述べた、実額方式を採る場合における手続の煩わしさ、経費の増大等といつたその短所を合せ考えると、右の定額方式も、それが社会通念上、実費を対象としてこれを弁償するとの費用弁償の本来の建前を損なうとはいい難いものである限り、地方自治法二〇三条三項の費用弁償の方法としてこれを採用することが許されるものと解すべきである。 したがつて、地方自治法二〇三条三項所定の費用弁償については、その方式として、実額方式を採るか、右に述べたような定額方式を採るかは条例制定者たる地方公共団体の議会の裁量に委ねられているものといつて差し支えないことになる。なお、同様に費用弁償の、、性格を有するものと解される国会議員に対して支給される派遣旅費議会雑費についても定額方式が導入されており(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律八条、九条、並びに国会議員の歳費、旅費及び手当等支給規程四条一項参照、ま れる国会議員に対して支給される派遣旅費議会雑費についても定額方式が導入されており(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律八条、九条、並びに国会議員の歳費、旅費及び手当等支給規程四条一項参照、また、費用弁償と同様)に実費弁償を本質とすると解される国家公務員の旅費等についても、定額方式が導入されている(旅費法参照)ことも、右見解を支持するものといつてよい。 本件条例によれば、右一に争いのない事実として判示したとおり、議長を含も議員が招集に応じて会議に出席したとき若しくは委員会に出席したとき又は公務のため特別区の存する区域内を旅行したときは、費用弁償として日額旅費六〇〇〇円が支給されることとなつており、この日額旅費については、地方自治法二〇三条三項所定の費用の弁償に当たるとともに、この弁償の方式として定額方式を採用したものであることは明らかである。ところで、本件条例七条一項、二項の規定によると、議長が議員として議会や委員会に出席すれば、定額六〇〇〇円の日額旅費が支給されるのであつて、右の出席の際に公用車の利用という事実があつたとしても、その支給が許されないものとはされていない。そして、右、、、の日額旅費の支給の対象となる職務の内容支給される金額等のほか右の日額旅費には交通費だけではなく少なくともいわゆる日当も含まれるものと解されること(旅費法二六条参照)に鑑みると、右の日額旅費は、右に述べたとおりに支給されるとしても、社会通念上、実費を対象としてこれを弁償するとの費用の弁償の本来の建前を損なうとはいい難いものというべきである。 原告は、費用弁償としての右の日額旅費を交通費のみの弁償と理解した上、公用車利用の場合に支給するのは二重支給であると論難するが、日額旅費が交通費のみであるという前提自体失当なことは右に述べたとおりである。のみ 用弁償としての右の日額旅費を交通費のみの弁償と理解した上、公用車利用の場合に支給するのは二重支給であると論難するが、日額旅費が交通費のみであるという前提自体失当なことは右に述べたとおりである。のみならず、仮に右の日額旅費が交通費の- 5 -みの弁償であるとしても、定額方式においては、何らかの事情で公用車を利用することなく、議会や委員会へ出席し、かつ、同日中に公務のため何箇所も特別区内を旅行し、交通費だけでも到底六〇〇〇円では賄えないような支出をした日であつても、同額しか支給されないのであり、他方、議会等に徒歩で登庁できる議員に対しても同額が支給されるのであるが、それでも長い間には全体として実額によつた場合と差異がなければ、議員にとつて不利益はなく、他方、費用弁償を行う区、ひいては区民にとつても、支給に伴う事務手続が簡便になる分だけ経費を節減できることになるのであり、全体としてみれば、必ずしも費用の弁償の本来の建前を損なうとはいえないのである。そうすると、原告の右主張はいずれにせよ到底採用し難いというほかはない。 そうすると、本件条例による日額旅費の支給は、公用車の利用の有無にかかわらず違法ではなく、したがつて、本件支出を違法とすることはできない。 三よつて、原告の請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官鈴木康之石原直樹佐藤道明)別紙(省略)

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