【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を新潟地方裁判所に移送する。 理 由 本件控訴の趣旨は末尾に添附してある弁護人小野謙三、同伴純共同作成名義の控 訴趣
主文 原判決を破棄する。 本件を新潟地方裁判所に移送する。 理由 本件控訴の趣旨は末尾に添附してある弁護人小野謙三、同伴純共同作成名義の控訴趣意書、同海野晋吉作成名義の控訴趣意書と各題する書面記載の通りである。これに対し当裁判所は左の如く判断する。 弁護人小野謙三、同伴純の論旨第一点及び弁護人海野晋吉の論旨第二点、第一点について。 法人税法第四十八条には「詐欺その他不正の行為により法人税を免れた場合において」と規定し右税を免れたというについて確定申告に不実の申告をなした場合は問題はないが、概算申告に不実の申告があつた場合にもなお税を免れたといい得るかについては所得税法第六十九条と異なり直接法文上これを窺知し得べきものはない。しかしながら概算申告は後日正確な確定申告のなされることを予想しているものであるから概算申告に不実の税額の記載があつたからというて直ちに税を免れたとするのは行過で右所得税法第六十九条とは文詞は異なるが法意は同様であると解するのが相当である、蓋し所得税法の予定申告というも法人税法の概算申告というも終局的確定的申告にあらざる点は同一でいずれも他日確定申告を予定するものであり、所得税法の予定申告において不実の記載があつても、これを以て直に税を免れたということができないとすれば法人税法の概算申告において不実の記載があつても直に税を免れたといい得ないものというべきである。然らざれば法の均<要旨>衡を失する、記録によると本件起訴状には被告人等が法人税の確定申告をなすに際して法人税を免れる為不実</要旨>の申告をして法人税を逋脱したものであると訴えているが原判決は右申告の性格については何ら判定を与えていない。従つて被告人等のなした申告が概算申告であるのか確定申告であるのか判文 免れる為不実</要旨>の申告をして法人税を逋脱したものであると訴えているが原判決は右申告の性格については何ら判定を与えていない。従つて被告人等のなした申告が概算申告であるのか確定申告であるのか判文上判明しない。これでは前記の理由によつて罪となるべき事実を示したということができないから、結局判決に理由を附せなかつたことになり論旨はいずれも理由がある。原判決は破棄を免れない。已にこの点において原判決を破棄する以上その余の論旨に対する判断は不必要であるから、これを省略し刑事訴訟法第三七八条第四号第四〇〇条本文の規定によつて主文の如く判決する。 (裁判長吉田常次郎判事保持道信判事鈴木勇)
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