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主文 原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人下光軍二の上告理由二の3について。特定物引渡請求権を有する者も、債務者がその目的物を処分することにより無資力となつた場合には、民法四二四条により右処分行為を詐害行為として取り消すことができるものと解すべきことは、当裁判所大法廷判決(昭和三〇年(オ)第二六〇号、同三六年七月一九日言渡、民集一五巻七号一八七五頁)の示すところであつて、いまこれを変更する必要を認めない。本件において、原判決は、民法四二四条の適用を受ける債権者は、金銭の給付を目的とする債権を有する者であつて、特定物の引渡請求権を有する者を含まない、という見解のもとに、本件第一目録の物件の買主としてその引渡請求権に基づき被上告人両名間の右物件の売買契約を詐害行為としてその取消を求める上告人の請求を棄却しているが、右は前掲大法廷判決に牴触し、民法四二四条の解釈適用を誤つたものというべく、爾余の論点について判断を加えるまでもなく、この点において原判決は破棄を免れない。そして、詐害行為の要件の有無についてさらに審理を尽させるため、本件を原審裁判所に差し戻すのを相当とする。よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫裁判官斎藤朔郎裁判官長部謹吾- 1 - 郎裁判官長部謹吾
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