令和7(わ)450 収賄被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年8月28日 福岡地方裁判所
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判決文本文1,462 文字)

主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 福岡県直方警察署で保管中の電動工具等17点(福岡地方検察庁令和7年領第1922号符号1、6、9、14ないし16、20ないし30)を没収する。 被告人から2167円を追徴する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和2年4月1日から令和7年6月16日までの間、直方市産業建設部建築管理課建築係主査として、同市が随意契約により発注する市有建物の設備修繕工事等における請負業者の選定等に関する職務に従事していたものであるが、同工事等における請負業者として管工事業等を業とするA株式会社を選定するなどの有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、別表記載(別表省略)のとおり、令和2年6月下旬頃から令和6年4月中旬頃までの間に、9回にわたり、福岡県直方市ab 番地c 所在の同社敷地内等4か所において、同社従業員であるBから、電動工具等合計18点(販売価格合計25万7756円)(福岡地方検察庁令和7年領第1922号符号1、6、9、14ないし16、20ないし30はその一部)の供与を受け、もって自己の職務に関して賄賂を収受した。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由) 被告人は、判示の職務に従事するに当たり、市役所内で他に市有建物の修繕に関する知識や技術を有する者が乏しかったことから、本件以前から、随意契約による設備修繕工事の発注先を事実上決定していた。かかる状況の下、懇意となった判示の業者から、本件各犯行以前に、被告人の依頼に係る代理購入物品の代 有する者が乏しかったことから、本件以前から、随意契約による設備修繕工事の発注先を事実上決定していた。かかる状況の下、懇意となった判示の業者から、本件各犯行以前に、被告人の依頼に係る代理購入物品の代金を支払わなくてよいと言われたことに味を占め、その後、判示のとおり、約3年10か月の間に9回にもわたり、その業者に対し、自ら進んで欲しい物品を求めるなどして、電動工具や文房具等(販売価格合計約25万円)の本件各賄賂を収受した。かかる本件各犯行は、常習的なものであって、公務員の職務の公正とそれに対する社会の信頼を著しく害し、悪質といえる。被告人は、公務員として自らの職務の公正等を意識して身を律すべきであったにもかかわらず、利欲目的から本件各犯行を繰り返しており、その動機・経緯に酌量の余地がないばかりか、自己の置かれた立場等に対する認識の甘さや規範意識の鈍麻は顕著というほかなく、厳しい非難を免れない。 以上によれば、被告人の刑事責任は軽くはない。 もっとも、被告人は、本件各犯行を認めて素直に供述し、反省の情を示している。 また、当然の結果ではあるが、本件により直方市から懲戒免職の処分を受けるなど、一定の社会的制裁を受けている。加えて、被告人に前科前歴はない。以上の被告人のために酌むべき事情も併せ考慮すると、被告人に対しては、主文の刑を科した上、今回に限りその刑の執行を猶予し、社会内更生の機会を与えるのが相当と判断した。 (求刑-懲役1年6月並びに主文同旨の没収及び追徴)令和7年8月28日福岡地方裁判所第3刑事部 裁判長裁判官森喜史 裁判官菅原光祥 裁判官髙橋宏一 官森喜史 裁判官 菅原光祥 裁判官 髙橋宏一

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