平成22(行ウ)216等 差押処分取消請求事件(甲事件)(乙事件),領置処分取消請求事件(丙事件)

裁判年月日・裁判所
平成26年2月5日 大阪地方裁判所 その他
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判決文本文45,570 文字)

- 1 -平成26年2月5日判決言渡平成22年(行ウ)第216号差押処分取消請求事件(甲事件)平成22年(行ウ)第218号差押処分取消請求事件(乙事件)平成22年(行ウ)第219号領置処分取消請求事件(丙事件) 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 甲事件証券取引等監視委員会証券取引特別調査官が原告P1に対し平成22年6月8日付けでした別紙2-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件(ただし,別紙2-1記載の番号8,21及び43の各物件については,それぞれ,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号8-①,21-①及び43-①の各物件を除いたもの。以下,別紙2~5の各1・2記載の各物件について,上記のとおり各「番号」欄記載の番号をもって表記する。)に係る差押えを取り消す。 2 乙事件証券取引等監視委員会証券取引特別調査官が原告P2に対し平成22年6月8日付けでした別紙3-1及び別紙4-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件(ただし,別紙3-1記載の番号4,7,8,10,13,20,44,49及び51の各物件並びに別紙4-1記載の番号1の物件については,それぞれ,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号4-①,7-①,8-①,10-①,13-①,20-①,44-①,49-①及び51-①の各物件並びに別紙4-2の「分割後」欄記載の番号1-①の物件を除いたもの。)に係る差押えを取り消す。 - 2 - 3 丙事件証券取引等監視委員会証券取引特別調査官が原告P3に対し平成22年6月8日付けでした別紙5-1の「品名」欄及びこれに の物件を除いたもの。)に係る差押えを取り消す。 - 2 - 3 丙事件証券取引等監視委員会証券取引特別調査官が原告P3に対し平成22年6月8日付けでした別紙5-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件(ただし,別紙5-2の「分割後」欄記載の番号20-①,24-①,26-①,27-①,31-①,33-①,33-②,34-①,40-①,42-①及び43-①の各物件を除いたもの。)に係る領置を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,金融商品取引法(以下「金商法」という。)158条(風説の流布,偽計,暴行又は脅迫の禁止)違反の犯則嫌疑事実により証券取引等監視委員会(以下「委員会」という。)の証券取引特別調査官(以下,単に「証券取引特別調査官」という。)から差押え又は領置(以下,差押え及び領置を併せて「差押え等」という。)を受けた原告らが,当該差押え等は,専ら別件・余罪の調査を目的とし,犯則嫌疑事実との間に関連性がなく,差押え等の合理的必要性がない物件に対してされたものであり,いずれも違憲,違法であるなどと主張して,既に還付を受けた物件を除く物件に対する差押え等について,それらの取消しを求める事案である。 2 金商法の定め別紙6「金商法の定め」のとおり 3 前提事実(顕著な事実,当事者間に争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 当事者等ア原告P1は,和洋菓子,惣菜の製造,販売等を目的とする昭和52年8月1日に設立された株式会社であり,代表取締役はP4及びP5である。 (甲A1)イ原告P2は,平成22年6月8日の時点で,大阪市α×番7-3101号に居住しており,普通乗用自動車(登録番号大阪○)を所有していた。 - 3 -ウ原告P3は,平成19年4月1 A1)イ原告P2は,平成22年6月8日の時点で,大阪市α×番7-3101号に居住しており,普通乗用自動車(登録番号大阪○)を所有していた。 - 3 -ウ原告P3は,平成19年4月19日に設立された,投資法人,ファンドに係る資産の運用,管理業務等を目的とする株式会社であり,代表取締役はP4である。(甲D1)エ P6株式会社(平成21年6月29日の商号変更前の商号は「P7株式会社」。以下,商号変更の前後を通じ,「P6」という。)は,ゴム製品の製造,販売等を目的とする株式会社である。P6の株式は,P8市場第二部に上場されている。(甲共1)オ P9株式会社(以下「P9」という。)は,平成19年4月16日に設立された,株式,社債等有価証券の取得,保有,利用,売却等を目的とする株式会社であり,代表取締役はP4である。(甲共2)カ P10は,タイ王国の法律に基づいて平成17年4月20日に設立された,投資,融資等を目的とする法人であり,日本における代表者はP4である。(甲共3)(2) 臨検・捜索・差押許可状の発付東京簡易裁判所裁判官は,平成22年6月7日,証券取引特別調査官の請求に基づき,犯則嫌疑法人をP6,犯則嫌疑者をP5,P11,原告P2,P4及びP12の5名とし,「犯則嫌疑事実の要旨」を別紙7記載のとおりとし(以下,この犯則嫌疑事実を「本件犯則嫌疑事実」という。),「差し押さえるべき物件」を別紙8記載の物件として,「臨検すべき場所,捜索すべき場所・身体又は物件」を①「大阪市β×番8号 P1株式会社事務所及び附属施設」,②「大阪市α×番7-3101号 P2方居室及び附属施設」及び③「普通乗用自動車登録番号大阪○」とする3通の臨検・捜索・差押許可状(以下,「臨検すべき場所,捜索すべき場所・身体又は物件」につ ,②「大阪市α×番7-3101号 P2方居室及び附属施設」及び③「普通乗用自動車登録番号大阪○」とする3通の臨検・捜索・差押許可状(以下,「臨検すべき場所,捜索すべき場所・身体又は物件」について,上記①とする許可状を「本件許可状A」,上記②とする許可状を「本件許可状C1」,上記③とする許可状を「本件許可状C2」といい,本件許可状A,本件許可状C1及び本件許可状C2を併せて「本件各許可状」と総 - 4 -称する。)を発付した。(乙A1,C1,3)(3) 証券取引特別調査官による捜索差押え及び領置ア証券取引特別調査官は,金商法211条1項,5項に基づき,平成22年6月8日午前9時6分から午後6時43分まで,大阪市β×番8号所在の原告P1の事務所(以下「本件捜索場所A」という。)において,捜索を実施し,別紙2-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件等を差し押さえた。(甲A2,乙A2)イ(ア) 証券取引特別調査官は,金商法211条1項,5項に基づき,同日午前7時45分から午後0時40分まで,大阪市α×番7-3101号所在の原告P2方居室において,捜索を実施し,別紙3-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件等を差し押さえた。(甲C1,乙C2)(イ) 証券取引特別調査官は,金商法211条1項,5項に基づき,同日午前10時40分から午前10時55分まで,普通乗用自動車(登録番号大阪○)において,捜索を実施し,別紙4-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件等を差し押さえた。(甲C2,乙C4)ウ証券取引特別調査官は,金商法210条1項に基づき,同日午後3時5分,大阪府東大阪市γ×番2号所在の○ビル107号室(以下「本件領置場所」という。)において,別紙5-1の「品名」欄 乙C4)ウ証券取引特別調査官は,金商法210条1項に基づき,同日午後3時5分,大阪府東大阪市γ×番2号所在の○ビル107号室(以下「本件領置場所」という。)において,別紙5-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件等を原告P1取締役P14(以下「P14」という。)が任意に提出したとして領置した。(甲D2,乙D1)(4) 還付前記(3)の差押え等がされた物件のうち,別紙2-1,3-1,4-1及び5-1の「品名」欄及びこれに対応する「数量」欄記載の各物件(ただし,別紙2-1記載の番号8,21及び43の各物件,別紙3-1記載の番号4, - 5 -7,8,10,13,20,44,49及び51の各物件並びに別紙4-1記載の番号1の物件については,それぞれ,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号8-①,21-①及び43-①の各物件,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号4-①,7-①,8-①,10-①,13-①,20-①,44-①,49-①及び51-①の各物件並びに別紙4-2の「分割後」欄記載の番号1-①の物件を除いたもので,別紙5-1記載の各物件については,別紙5-2の「分割後」欄記載の番号20-①,24-①,26-①,27-①,31-①,33-①,33-②,34-①,40-①,42-①及び43-①の各物件を除いたもの。)以外の各物件は,原告らに対し還付された(以下,この還付を「本件還付」といい,本件還付がされた物件を「本件還付物件」という。また,前記(3)の差押物件のうち還付された物件を除く物件に対する差押えを,本件許可状A,本件許可状C1,本件許可状C2に対応して,それぞれ「本件差押えA」「本件差押えC1」「本件差押えC2」といい,本件差押えA,本件差押えC1及び本件差押えC2を併せて「本件各差押え」と総称し 状A,本件許可状C1,本件許可状C2に対応して,それぞれ「本件差押えA」「本件差押えC1」「本件差押えC2」といい,本件差押えA,本件差押えC1及び本件差押えC2を併せて「本件各差押え」と総称し,本件差押えAに係る物件を「本件差押物件A」,本件差押えC1に係る物件を「本件差押物件C1」,本件差押えC2に係る物件を「本件差押物件C2」といい,本件差押物件A,本件差押物件C1及び本件差押物件C2を併せて「本件各差押物件」と総称する。さらに,前記(3)の領置物件のうち還付された物件を除く物件に対する領置を「本件領置」,本件領置に係る物件を「本件領置物件」という。加えて,本件各差押え及び本件領置を併せて「本件各差押え等」と総称し,本件各差押物件及び本件領置物件を併せて「本件各差押等物件」と総称する。)。(乙A3,27,C5~10,46,47,D2,16) 4 争点及び当事者の主張本件の争点及びこれに関する各関係当事者の主張は,以下のとおりである。 なお,原告P1及び原告P2は,下記各争点に関する主張のほか,本件各許可 - 6 -状の発付自体が違憲かつ違法である旨主張するが,後記第3の1のとおり,同主張については,被告の申立てに基づき,行政事件訴訟法7条,民訴法157条1項により却下するものとする。 (1) 本件領置が権限者から任意に提出されて行われたか(争点1・丙事件関係)(被告の主張)証券取引特別調査官は,P15株式会社の事務所を捜索した際,立会人のP14の申出を受けて,初めて,本件領置場所を把握し,P14の申出を受けて,本件領置場所の鍵の所在を把握するに至った。 そして,①P14が,P15株式会社の事務所を居室として使用している旨供述したこと,②P14は,自ら,同社の関係会社が倉庫代わりにしている場所がある旨申 本件領置場所の鍵の所在を把握するに至った。 そして,①P14が,P15株式会社の事務所を居室として使用している旨供述したこと,②P14は,自ら,同社の関係会社が倉庫代わりにしている場所がある旨申し出たこと,③P14は,同社の関係会社が倉庫代わりにしている場所として,証券取引特別調査官を本件領置場所に案内したこと,④P14は,本件領置場所の鍵を保管していたことから,本件領置は,P14が管理していた物件を,P14から任意に提出を受けて領置したものといえ,その実質が差押えであるとはいえない。 (原告P3の主張)本件領置は,証券取引特別調査官が,本件許可状Aに基づく原告P1の事務所(本件捜索場所A)の捜索中に,原告P1取締役のP14の机の引き出しの中から,原告P3の事務所の鍵を発見したことをきっかけに,原告P3の役員でも従業員でもない,P14の立会いの下で行われた。P14の上記机の引き出しの中から原告P3の事務所の鍵が発見されたのは,本来,P14において,原告P3に速やかに上記鍵を返却すべきであったのに,これを怠っていたためである。そして,証券取引特別調査官は,本件領置時,原告P3の関係者に任意提出の意思確認を一切取らなかった。したがって,本件領置物件は,権限のない者の承諾による捜索の結果,権限のない者から提出 - 7 -されたものである。 また,証券取引特別調査官は,本件領置時,P14に対し,差押えと領置の手続の違いを説明せず,あたかも原告P1を捜索場所とする本件許可状Aの効力が原告P3の事務所にも当然に及ぶかのようにP14に誤信させ,領置が任意の手続であることを認識できない状態で,本件領置場所を捜索し,本件領置物件の提出を実質的に強制した。 このように,本件領置は,形式上領置という手続が採られているが,原告P3が本件領 せ,領置が任意の手続であることを認識できない状態で,本件領置場所を捜索し,本件領置物件の提出を実質的に強制した。 このように,本件領置は,形式上領置という手続が採られているが,原告P3が本件領置物件を任意に提出したものではなく,実質的には差押えに当たり,憲法31条,35条,金商法210条,211条に反し,違憲,違法である。 (2) 本件各許可状に記載されていない物件が差し押さえられたか(争点2・甲事件及び乙事件関係)(原告P1及び原告P2の主張)証券取引特別調査官は,前記3(3)の各差押え時に,以下のとおり,本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載されていない物件を差し押さえたのであり,本件各差押えを含め,前記3(3)の各差押えは全体として金商法211条に反し,違法である。なお,以下の各物件は,前記3(3)の各差押え後にいずれも還付され(本件還付),原告P1及び原告P2は,これらの物件の差押えの取消請求に係る訴えを取り下げたが,令状に「差し押さえるべき物件」として記載されていない物件の還付がされた事実によって,上記違法性は左右されない。 ア本件許可状A関係映画のチケット4枚イ本件許可状C1関係(ア) 「P16」と題する新聞(イ) タイの住宅物件を紹介したパンフレット - 8 -(ウ) 「P17」と題する冊子(エ) チェンマイでのロングステイプロジェクトに関するパンフレット(オ) スパに関するパンフレットウ本件許可状C2関係(ア) 「P18」と題する書籍(イ) 平成22年5月13日付けP19新聞の記事のコピー(ウ) 「P16」と題する新聞(被告の主張)原告P1及び原告P2が本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載されていない物件であると主張するもの 3日付けP19新聞の記事のコピー(ウ) 「P16」と題する新聞(被告の主張)原告P1及び原告P2が本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載されていない物件であると主張するものについては,全て還付済みであり,原告P1及び原告P2は,当該物件に対する差押えの取消請求に係る訴えを取り下げているのであって,仮に,当該物件が本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載されていない物件であったとしても,当該物件と異なる物件に対する差押えも含めて差押え全体が違法となることはない。 また,前記3(3)の各差押え時に差し押さえた,前記(原告P1及び原告P2の主張)ア~ウ記載の各物件については,以下のとおり,本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載された物件に該当する。 ア本件許可状A関係映画のチケット4枚:「行動関係書類」又は「上記に準ずる物件」イ本件許可状C1関係(ア) 「P16」と題する新聞:「上記に準ずる物件」(イ) タイの住宅物件を紹介したパンフレット:「上記に準ずる物件」(ウ) 「P17」と題する冊子:「上記に準ずる物件」(エ) チェンマイでのロングステイプロジェクトに関するパンフレット:「上記に準ずる物件」ウ本件許可状C2関係 - 9 -(ア) 「P18」と題する書籍:「上記に準ずる物件」(イ) 平成22年5月13日付けP19新聞の記事のコピー:「上記に準ずる物件」(ウ) 「P16」と題する新聞:「上記に準ずる物件」(3) 本件各差押等物件は本件犯則嫌疑事実と関連性があるか(争点3)(被告の主張)ア本件各差押えについて調査の途中の段階においては,ある物件がどの程度犯則嫌疑事実と関連性を有するかが明確でないことが多く,調査の進展により収集した証拠資 か(争点3)(被告の主張)ア本件各差押えについて調査の途中の段階においては,ある物件がどの程度犯則嫌疑事実と関連性を有するかが明確でないことが多く,調査の進展により収集した証拠資料の対照,検討によって次第に関連性の有無が明らかになっていくのが通常である。また,差押えの現場において,限られた範囲内で収集された個々の物件について関連性の有無を厳密に判断して取捨選択することは相当困難であり,差押後の点検,検討によって関連性が明らかになることが多い。 したがって,捜査の現場において,犯則嫌疑事実と関連性を有しないことが一見明白な物件については,当該物件を差し押さえることは違法であるとしても,その場の状況から,犯則嫌疑事実と一応の関連性を有することが見込まれるのであれば,当該物件を差し押さえることは違法ではない。 そして,犯則嫌疑事案の全容を解明し適切な処理を行うためには,犯則嫌疑事実の有無はもとより,その経緯,動機,共謀の状況,責任追及すべき関係者の範囲,犯則嫌疑事実後の影響,隠蔽工作の有無・状況等を解明する必要があり,それらを解明し立証するために必要となる蓋然性が認められる物件については,犯則嫌疑事実と関連性を有するというべきである。 本件犯則嫌疑事実の内容等に照らすと,証券取引特別調査官が,本件各 - 10 -差押物件について,捜索の現場において,本件犯則嫌疑事実と関連性を有すると判断したことには,何らの誤りもない。 イ本件領置について本件領置が実質的に差押えに当たらないことは前記(1)の(被告の主張)記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。また,法令上,領置を行うに当たって,当該物件と犯則嫌疑事実とが関連性を有することは要求されておらず 記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。また,法令上,領置を行うに当たって,当該物件と犯則嫌疑事実とが関連性を有することは要求されておらず,委員会の職員は,犯則嫌疑事実を調査するために必要があるときは,犯則嫌疑者等が任意に提出するなどした物件を領置することができるというべきである。 (原告らの主張)差押物件と犯則嫌疑事実との間には具体的関連性が必要である。 そして,本件犯則嫌疑事実は別紙7記載のとおりであるから,本件犯則嫌疑事実と関連性のある物件として差押え等(前記(1)の(原告P3の主張)記載のとおり,本件領置は実質的には差押えに当たるし,仮にそうでないとしても,領置はいったんされると差押えと同様の効果が生じることから,差押えと同様に解すべきである。)が許されるのは,増資の前後にP9からP6に払い込まれた資金の流れを示す物件に限定されるはずであるところ,本件各差押等物件は,いずれも上記資金の流れを示すものではなく,本件犯則嫌疑事実との関連性を欠く。 したがって,本件各差押え等は,憲法31条,35条,金商法210条,211条に反し,違憲,違法である。 (4) 本件各差押等物件は差押え等の合理的必要性があるか(争点4)(原告らの主張)差押え等(前記(1)の(原告P3の主張)記載のとおり,本件領置は実質的には差押えに当たるし,仮にそうでないとしても,領置はいったんされる - 11 -と差押えと同様の効果が生じることから,差押えと同様に解すべきである。)の対象となる証拠物は,非代替的なものであることが必要であり,代替性があるものについて差押え等をする合理的必要性はない。本件各差押等物件はいずれも代替性があるところ,データの移管,書類等のコピーをするなどし る証拠物は,非代替的なものであることが必要であり,代替性があるものについて差押え等をする合理的必要性はない。本件各差押等物件はいずれも代替性があるところ,データの移管,書類等のコピーをするなどして代替物を作成して差押え等をすべきであったにもかかわらず,代替物を作成せずに差押え等をした。 また,原告P1及び原告P2は調査に全面的に協力しており,P14も本件領置物件を隠滅毀損する行動を取っていないことから,本件各差押等物件は隠滅毀損されるおそれがなかった。一方,本件各差押等物件には,契約書等,原告らの日常業務に必要不可欠なものが多数含まれており,本件各差押え等によって原告らが受ける不利益は甚大である。さらに,本件各差押等物件には,全く同一の書面が複数含まれているところ,同一の物件を複数差し押さえ,領置する必要はない。 したがって,本件各差押え等は合理的必要性がないものであって,憲法31条,35条,金商法210条,211条に反し,違憲,違法である。 (被告の主張)ア本件各差押えについてパーソナルコンピュータや携帯電話といった電子機器であっても,契約書等の紙媒体の資料であっても,犯則嫌疑者や関係者が捜索場所で所持,保管していた原物こそが非代替的な証拠資料として重要なのであり,技術的にデータの移管やコピーが可能な場合であっても,原物を差し押さえることが必要である。 イ本件領置について本件領置が実質的に差押えに当たらないことは前記(1)の(被告の主張)記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。また,本件領置物件の内容に照らせば, - 12 -証券取引特別調査官が本件領置物件を領置する必要があると認めたことに何らの誤りはない。 (5) 本件各 提とする原告P3の主張は失当である。また,本件領置物件の内容に照らせば, - 12 -証券取引特別調査官が本件領置物件を領置する必要があると認めたことに何らの誤りはない。 (5) 本件各差押え等は専ら別件・余罪の調査を目的として行われたものか(争点5)(原告らの主張)委員会の職員が専ら別件・余罪の証拠に利用する目的で差押許可状に明示された物を差し押さえること及び領置することは禁止されているところ,①証券取引特別調査官は,本件各差押え等の際,関連性のない物件を網羅的に差し押さえ,領置したこと,②本件各差押え等がされてから3年以上経過しても未だに告発がされていないこと,③委員会が本件犯則嫌疑事実とは別の犯則嫌疑事実に関する調査を開始したこと,④証券取引特別調査官が,別件の証人尋問において,別件・余罪の証拠に利用する目的で本件各差押え等を行っていたことを認めたこと(甲共7),⑤本件各差押え等の後,多数の者に対し長時間にわたり質問が行われた際に,本件犯則嫌疑事実である第三者割当増資に関する事項については全く聴取されなかった者も多く,また,本件犯則嫌疑事実とは無関係の事項について聴取された者もいること,⑥本件各差押等物件が検察庁に事実上引き継がれていることからすれば,本件各差押え等は本件犯則嫌疑事実について調査する目的ではなく,専ら別件・余罪の調査を目的として行われたものであって,憲法31条,35条,金商法210条,211条に反し,違憲,違法である。 (被告の主張)本件領置が実質的に差押えに当たらないことは前記(1)の(被告の主張)記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。 証券取引特別調査官は,本件各許可状に基づき,本件犯則嫌疑事実に関して,本件各許可状に の主張)記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。 証券取引特別調査官は,本件各許可状に基づき,本件犯則嫌疑事実に関して,本件各許可状に「差し押さえるべき物件」として記載された物件につい - 13 -て差し押さえたものであって,何ら違法ではない。原告らの主張は,何ら具体的な根拠を示しておらず,抽象的な憶測を述べるにすぎない。 (6) 本件差押えA,本件差押えC1及び本件領置は弁護士等との連絡を遮断してされたか(争点6)(原告らの主張)本件差押えA,本件差押えC1及び本件領置の立会人は,差押え又は領置の実施時,弁護士等,外部への連絡が遮断されており,差押えの際に許容される付随処分(金商法215条1項)の範囲を超える処分がされたものであって,本件差押えA,本件差押えC1及び本件領置は,憲法31条,35条,金商法210条,211条に反し,違憲,違法である。なお,前記(1)の(原告P3の主張)記載のとおり,本件領置は実質的には差押えに当たるし,仮にそうでないとしても,領置を行う際には,差押えと異なり,「錠をはずし,封を開き,その他必要な処分をすること」(金商法215条1項)すら許されないのであるから,領置に際して外部との連絡を遮断することは違法である。 (被告の主張)本件領置が実質的に差押えに当たらないことは前記(1)の(被告の主張)記載のとおりであり,本件領置が実質的に差押えに当たることを前提とする原告P3の主張は失当である。 本件差押えA,本件差押えC1及び本件領置の実施に当たり,証券取引特別調査官が立会人に対して外部連絡を遮断した事実はない。本件差押えAの際,証券取引特別調査官は,原告P1の役員らに対し,相手方及び用件を確認した上で外部との連絡を認め 領置の実施に当たり,証券取引特別調査官が立会人に対して外部連絡を遮断した事実はない。本件差押えAの際,証券取引特別調査官は,原告P1の役員らに対し,相手方及び用件を確認した上で外部との連絡を認めており,外部との連絡を禁止することはなかった。 なお,本件差押えA及び本件差押えC1の際,証券取引特別調査官は,原告P1の役員ら及び原告P2に対し,外部の者との連絡を控えるように要請 - 14 -したが,これは,外部の者と連携するなどして臨検・捜索・差押えに対する妨害行為や罪証隠滅行為をすることを未然に防ぎ,臨検・捜索・差押えの目的を達するための措置といえ,金商法216条の趣旨,目的からも当然に許される措置である。 (7) 本件各差押え等に係る物件目録が本件各差押等物件について適法な記載を欠くか(争点7)(原告らの主張)差押目録及び領置目録には,犯則嫌疑事実と各差押等物件との関連性を判断できる程度の記載をする必要があるところ,本件各差押え等に係る差押目録及び領置目録には,大量に押収された物件の一部の物件名のみが記載され,その余は全て「等」と記載されており,その内容及び数が全く判然とせず,本件犯則嫌疑事実と差押等に係る物件との関連性が判断できない。したがって,本件各差押え等は,領置又は差押えをしたときにその目録を作成することを求めている金商法220条の趣旨に反し,違法である。 (被告の主張)本件各差押え等に係る差押目録及び領置目録は,いずれも品名又は名称が具体的に記載されており,差押目録及び領置目録として十分な内容が記載されている。 第3 当裁判所の判断 1 本件各許可状の発付自体が違憲かつ違法であるとの原告P1及び原告P2の主張について原告P1及び原告P2は,平成25年10月4日の本件第4回口頭弁論期日におい いる。 第3 当裁判所の判断 1 本件各許可状の発付自体が違憲かつ違法であるとの原告P1及び原告P2の主張について原告P1及び原告P2は,平成25年10月4日の本件第4回口頭弁論期日において,本件各許可状は,そもそも本件犯則嫌疑事実が成立する余地がないのに発付されたものであり,しかも,「差し押さえるべき物件」を網羅的に記載するものであって,本件各許可状の発付自体が違憲,違法である旨主張した。 これに対し,被告は,同主張は時機に後れて提出されたものであるとして,行 - 15 -政事件訴訟法7条,民訴法157条1項に基づき却下を求めるので,以下,原告P1及び原告P2の上記主張が許されるかについて検討する。 まず,原告P1及び原告P2は,上記主張を,合計12回にわたる弁論準備手続期日を経て,証人及び本人の尋問が終了した後に初めて提出したことから,時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法に当たるというべきである。 また,これまで原告P1及び原告P2が本件各許可状の発付自体が違憲,違法であると主張したことはなかったことから,被告はこの点について反論する必要があるのであり,上記の審理経過に照らし,上記主張の提出により訴訟の完結を遅延させることとなると認められる。 そして,証拠(甲共6)によれば,原告ら訴訟代理人らは,本件各許可状における犯則嫌疑者であるP4,P5及びP12の代理人として,平成22年8月9日,委員会の委員長及び委員会事務局特別調査課特別調査指導官に対し,「意見書」と題する書面を発し,同書面の中で,本件犯則嫌疑事実が不存在である旨記載していることが認められるのであって,本件各許可状が,そもそも本件犯則嫌疑事実が成立する余地がないのに発付されたことからそれらの発付自体が違憲,違法であるとの主張は,本件訴訟においても早期にする 記載していることが認められるのであって,本件各許可状が,そもそも本件犯則嫌疑事実が成立する余地がないのに発付されたことからそれらの発付自体が違憲,違法であるとの主張は,本件訴訟においても早期にすることができたことは明らかである。また,被告は,本件各許可状の写し(乙A1,C1,3)を,平成23年3月30日の本件第2回口頭弁論期日に提出しているのであって,原告P1及び原告P2は,上記写しを検討することにより,本件訴訟において,本件各許可状が,「差し押さえるべき物件」を網羅的に記載するものであってそれらの発付自体が違憲,違法であるとの主張をより早期にすることができたことも明らかである。したがって,原告P1及び原告P2が,本件各許可状の発付自体が違憲かつ違法であるとの上記主張を時機に後れて提出したことには重大な過失があるというべきである。 よって,原告P1及び原告P2の上記主張は,被告の上記申立てに基づき,行政事件訴訟法7条,民訴法157条1項により却下することが相当である。 - 16 - 2 争点1(本件領置が権限者から任意に提出されて行われたか)について(1) 金商法210条1項は,委員会の職員は,犯則事件を調査するため必要があるときは,犯則嫌疑者又は参考人が任意に提出し又は置き去った物件を領置することができる旨規定する一方,同法211条1項及び2項は,委員会の職員が差押えをするには,裁判官があらかじめ発する許可状によることを要するものとしている。差押えと領置は,いずれも物件の占有を取得する処分であるが,領置について,差押えのように裁判官があらかじめ発する許可状によることが要求されていないのは,領置が,物件の占有を強制的に取得することをその内容とする処分である差押えとは異なり,犯則嫌疑者等から任意に物件の占有を取得することをそ 官があらかじめ発する許可状によることが要求されていないのは,領置が,物件の占有を強制的に取得することをその内容とする処分である差押えとは異なり,犯則嫌疑者等から任意に物件の占有を取得することをその内容とする処分であると解される。そうすると,領置の前提としての物件の任意による提出は,少なくとも,当該物件を占有している者(当該物件を自己の支配下に置きこれを所持していると認められる者)から受ける必要があるものと考えられる。 以下,本件領置物件を提出したとされるP14が,上記の占有者に当たるかについて,検討する。 (2) 証拠(乙D17,証人P20〔以下「P20」という。〕,証人P21〔以下「P21」という。〕)及び弁論の全趣旨によれば,以下のア~エの事実が認められる。 ア P20は,平成22年6月8日当時,証券取引特別調査官であったが,同日,他の証券取引特別調査官と共に,本件犯則嫌疑事実に関し,大阪府松原市所在のP15株式会社(以下「P15」という。)の事務所(以下「P15事務所」という。)を捜索するため,P15事務所を訪れた。 イ P14は,上記捜索の当時,東京に在住していたが,P15事務所を,原告P1の仕事をするために来阪した際の居室として利用しており,P20が他の証券取引特別調査官と共に捜索のためにP15事務所を訪れた時にもP15事務所にいたため,P20らは,P14を立会人として,同日午前7時 - 17 -40分頃から,P15事務所を捜索した。 ウ上記捜索時に,P14は,P20らに対し,原告P3が倉庫代わりに使っているマンションの住戸(本件領置場所。以下「東大阪マンション住戸」ともいう。)が東大阪にあり,そこには同社の関係書類が保管されており,その鍵を自分が持っている旨,その鍵は,P14がその場で所持していた鍵か, ョンの住戸(本件領置場所。以下「東大阪マンション住戸」ともいう。)が東大阪にあり,そこには同社の関係書類が保管されており,その鍵を自分が持っている旨,その鍵は,P14がその場で所持していた鍵か,原告P1の事務所(本件捜索場所A)の自分の机の引き出しに入れてある鍵のいずれかであるが,どちらであるかはっきりしない旨述べた。これを受けて,P20らは,本件各差押えを統括する者に対し,本件領置場所を把握しているかについて照会したところ,把握していないとの回答を得,本件領置場所にも検査に行くよう指示された。そこで,P20は,P14に対し,P15事務所については令状があるものの,P14が言う東大阪マンション住戸については令状がないので,任意に室内を検査することに協力してもらえないかと尋ねたところ,P14は,これを承諾した。 エ P15事務所での捜索の終了後,P20らは,ひとまずP14が所持していた鍵で本件領置場所の扉の解錠を試みることとし,同日午前11時頃,P14と共に,東大阪マンション住戸に赴いたが,P14の所持していた鍵では,東大阪マンション住戸の扉は解錠できなかった。そこで,P14は,原告P1の事務所(本件捜索場所A)に行って,P14の机の引き出しから鍵を持ち出し,本件領置場所に戻ったところ,本件領置場所の扉を解錠することができた。その際,P20は,P14に対し,令状はないが任意で室内に入らせてもらい,住戸内を確認することを告げた上,P14の了解の下,他の証券取引特別調査官と共に,住戸内に入り,段ボール箱が数十個山積みされている状態であるのを発見した。P20らは,各段ボール箱の内部を確認し,その中に入っていた書類等を見た上,P14に対し,それらの一部について任意で提出してもらえるか尋ねて,P14がこれを承諾したため,本件領置を実施した。 した。P20らは,各段ボール箱の内部を確認し,その中に入っていた書類等を見た上,P14に対し,それらの一部について任意で提出してもらえるか尋ねて,P14がこれを承諾したため,本件領置を実施した。 - 18 -オ上記事実認定の補足説明以上の認定に対し,原告P3は,本件領置に至る経緯について,証券取引特別調査官が,本件許可状Aに基づく原告P1の事務所(本件捜索場所A)の捜索中に,原告P1の取締役であるP14の机の引き出しの中から,原告P3の事務所の鍵を発見したことをきっかけに,原告P3の役員でも従業員でもない,P14の立会いの下で本件領置が行われた旨主張する。そして,原告ら訴訟代理人がP14から平成22年6月に聴取した事項を記載したとされる報告書(甲D101)には,原告P1の事務所(本件捜索場所A)で初めて東大阪マンション住戸の鍵の存在が証券取引特別調査官側に明らかになったかのような,上記主張に沿う記載がある。 しかしながら,上記報告書は,P14からの伝聞を記載したものであり,P14が本件領置に至る経緯をもれなく原告ら訴訟代理人に話したことについての裏付けはなく,他方,上記経緯に係る前記ウ,エの認定に沿うP20の証言や陳述書(乙D17)中の記載は,具体的かつ詳細であって,格別不自然なところはなく,いったん東大阪マンション住戸に赴き,その時点でP14が所持していた鍵で扉の解錠を試みたが,解錠することができなかったという前記認定の経緯について,あえて事実を創作,ねつ造したものとは考え難いことからすると,上記報告書中の記載は,原告P3の上記主張を裏付けるものとしては,直ちに採用することができず,他に,前記認定を左右するに足りる証拠はない。 (3) そして,前記認定のとおり,①P14は,原告P1の事務所の自己の机の引き出 P3の上記主張を裏付けるものとしては,直ちに採用することができず,他に,前記認定を左右するに足りる証拠はない。 (3) そして,前記認定のとおり,①P14は,原告P1の事務所の自己の机の引き出しの中に,東大阪マンション住戸(本件領置場所)の鍵を保管していたものであり,このような事実に加え,②P14は,P4が代表者を務める原告P1の取締役であること,③東大阪マンション住戸には,同じくP4が代表者を務める原告P3の関係書類が保管されていたこと,④P14は,上記(2)のP15事務所の捜索当時,東大阪マンション住戸に原告P3の関係書類が保管され - 19 -ていることを認識していたこと,さらには,⑤本件差押えAで差し押さえられた差出人を原告P3とする封筒(別紙2-1記載の番号39の物件)の中に,原告P1の金銭消費貸借契約書が在中していたこと(乙A24,弁論の全趣旨)は,上記のとおり代表者を同じくすることとも相俟って,原告P1と原告P3とが事業上も一定の関係を有することをうかがわせることを総合考慮すると,P14は,東大阪マンション住戸を管理し,その中に保管されていた関係書類等について,管理,占有していたものと推認することができる。 これに対し,原告P3は,P14は,本来,原告P3の事務所(東大阪マンション住戸)の鍵の所持権限はなく,これを返還すべきであったのに,その返還を怠っていたものであるから,東大阪マンション住戸が管理権限のないP14の承諾の下に捜索された上,本件領置物件について提出権限のないP14の同意の下に本件領置が行われた点で,本件領置は違法である旨主張する。そして,平成22年6月にP14から聴取した事項についての上記(2)オの報告書(甲D101)には,東大阪マンション住戸はP14が利用していたP15事務所よりもP14の 件領置は違法である旨主張する。そして,平成22年6月にP14から聴取した事項についての上記(2)オの報告書(甲D101)には,東大阪マンション住戸はP14が利用していたP15事務所よりもP14の職場に近かったため,2年程度前に東大阪マンション住戸に住む話が出たものの,空調設備等の問題があり,結局,そこには住まず,その当時から東大阪マンション住戸の鍵が原告P1の事務所のP14の机の引き出しにいれられたままになっていた旨,上記主張に沿う記載がある。 しかしながら,上記報告書の記載によれば,少なくとも,P14は,平成20年6月ころには東大阪マンション住戸の鍵を入手し,それ以降,その鍵を保持し続けていたというのであり,原告P3側から,返還を求められたことをうかがわせる証拠はなく,しかも,P14は,前記認定のとおり,東大阪マンション住戸内に原告P3の関係書類が保管されていることを認識していたことからすると,P14が東大阪マンション住戸の管理に全く関係していなかったとは考え難く,上記報告書の記載をもって,P14が東大阪マンション住戸やその中に置かれた関係書類等を管理,占有していなかったということはできず, - 20 -他に,前記推認を覆すに足りる反証はない。 (4) 以上のとおり,P14は,東大阪マンション住戸やその中に置かれた書類等の物件を管理,占有していたものであり,また,室内の調査や本件領置物件の領置等に当たっては,令状はなく,P14の任意の協力を得て行われるものであることについて説明されている(前記(2)ウ,エ)から,同人の承諾の下に行われた同住戸の室内の調査やそれに引き続いて行われた本件領置が何らかの違憲性,違法性を帯びるものとは考えられない(本件領置が,実質的に差押えに当たるものとも認められない。)。 3 争点2(本件各 われた同住戸の室内の調査やそれに引き続いて行われた本件領置が何らかの違憲性,違法性を帯びるものとは考えられない(本件領置が,実質的に差押えに当たるものとも認められない。)。 3 争点2(本件各許可状に記載されていない物件の差押えの有無)について前記第2の4(2)の(原告P1及び原告P2の主張)ア~ウ記載の各物件は,本件各許可状に基づき,前記第2の3(3)ア,イの各差押えの際に差し押さえられたが,その後,原告P1及び原告P2に本件還付がされたことについては,当事者間に争いがない。 このように,上記各物件は,本件各差押物件と可分であり,既に本件還付がされたのであるから,仮に,上記各物件が本件各許可状に記載された「差し押さえるべき物件」に該当せず差押えが違法であったとしても,上記各物件以外の本件各差押物件についてされた本件各差押えまでもが違法となることはなく,原告P1及び原告P2の主張は失当である。 4 争点3(本件各差押等物件の本件犯則嫌疑事実との関連性)及び争点4(本件各差押等物件の差押え等の合理的必要性)について(1) 本件各差押えに係る判断枠組みア一般に,金商法211条1項の差押えについては,差押物件と当該犯則嫌疑事実との間に関連性があることが必要となるものと解され,本件各許可状においても,「差し押さえるべき物件」は,別紙8のとおり,「本件に関係あると思料される」各物件とされていることから,本件各差押物件と本件犯則嫌疑事実との間には関連性があることが必要であるというべき - 21 -である。 ところで,上記の関連性がある物件とは,犯則嫌疑事実を直接証明するもののみならず,その動機,目的,経緯,背景事情等の間接事実,情状に関する事実等を証明するものも含まれると解するのが相当である。 そし で,上記の関連性がある物件とは,犯則嫌疑事実を直接証明するもののみならず,その動機,目的,経緯,背景事情等の間接事実,情状に関する事実等を証明するものも含まれると解するのが相当である。 そして,一般に,臨検・捜索・差押えは犯則事件の調査の初期の段階で行われることが多く,犯則事件の調査は,当該臨検・捜索・差押えの後も引き続いて継続され,進展する性質のものであって,調査の進展によって得られた資料と当該差押処分によって留置されている物件とを総合して分析,検討することによって,犯則嫌疑事実自体はもとより,その動機,目的,経緯,背景事情等が明らかにされ,当該犯則事件の全容が解明されて,告発するかどうかの判断(金商法226条1項)が可能となるのである。 したがって,調査の一過程である差押えの執行の段階において,委員会の職員が当該差押えをする場所で短時間のうちに犯則嫌疑事実と差し押さえようとする物件との間の関連性の有無を厳密に認定判断しなければならないとすることは,委員会の職員に事実上不可能を強いるものといわざるを得ず,また,上記の犯則事件の調査における差押えの位置付けに鑑みても妥当ではない。 よって,差押物件と犯則嫌疑事実との間の関連性については,差押えの執行の時点においては,差し押さえようとする物件につき,上記のような間接事実,情状に関する事実等を含めた犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められることで足り,仮に,その後の調査の進展等の結果,事後的に上記の関連性が認められないことが判明したとしても,当該差押えが違法になることはないものと解すべきである。 イ本件犯則嫌疑事実は,別紙7のとおり,犯則嫌疑者であるP5,P11,原告P2,P4及びP12の5名が共謀した上で,犯則嫌疑法人であるP6が第三者割当増資(以下 ことはないものと解すべきである。 イ本件犯則嫌疑事実は,別紙7のとおり,犯則嫌疑者であるP5,P11,原告P2,P4及びP12の5名が共謀した上で,犯則嫌疑法人であるP6が第三者割当増資(以下「本件増資」という。)をするに際して,P4 - 22 -が統括管理するP9が払い込む12億4500万円のうち少なくとも11億円につき,真実は,P6の資金として使用させることなく,それを間もなく出金し,同じくP4が統括管理する会社であるP10に還流させる意図であるのに,それを秘して,上記の本件増資に係る払込みを仮装した上,平成20年6月27日,適時開示情報伝達システムであるP22により,上記払込みが完了して適法に新株の発行が行われた旨の虚偽の事実を公表し,もって,有価証券の取引のため偽計を用いたというものである。このように,本件犯則嫌疑事実は,犯則嫌疑法人及び犯則嫌疑者が複数の大規模な経済事犯であり,事案が複雑であって,本件犯則嫌疑事実に係る犯則事件の全容を解明するためには,本件増資の事実そのもののみならず,P9(本件増資の割当先),P10(本件増資の払込金の還流先の疑いのある法人)やいわゆるP23グループの法人(原告P1,P6,株式会社P24〔以下「P24」という。〕,株式会社P25,P26,P27株式会社〔P28 PCL.〕等を指す〔乙共1,乙C13〕。以下同じ。)の財務状況,事業活動の内容,犯則嫌疑者を含めた役員等の役割分担,行動等の事情を解明する必要があるというべきである。そして,本件犯則嫌疑事実に係る犯則事件の全容を解明するためには,本件増資に至る経緯,本件増資後の状況を分析,検討しなければならないことは明らかであって,差押えによって収集すべき資料は,本件増資と近接している時期のものに限られず,本件増資より相当程度前の資料や 本件増資に至る経緯,本件増資後の状況を分析,検討しなければならないことは明らかであって,差押えによって収集すべき資料は,本件増資と近接している時期のものに限られず,本件増資より相当程度前の資料や,本件増資から相当程度経た後の資料についても,時間的近接性を欠くとの一事をもって上記の関連性がないということはできないというべきである。 ウところで,金商法211条1項は,委員会の職員は「犯則事件を調査するため必要があるとき」,裁判官があらかじめ発する許可状により差押えをすることができる旨などを定めているところ,犯則嫌疑事実の態様,軽重,差押物の証拠としての価値,重要性,差押物が隠滅毀損されるおそれ - 23 -の有無,差押えによって受ける被差押者の不利益の程度その他諸般の事情に照らし明らかに差押えの必要がないと認められる場合には,上記「犯則事件を調査するため必要があるとき」とはいえず,当該差押えは違法となると解すべきである(最高裁昭和44年3月18日第三小法廷決定・刑集23巻3号153頁等参照)。 しかし,差押えに係る物件につき,上記の関連性が認められれば,通常は,証拠としての価値,重要性が認められるのであって,上記諸般の事情に照らし明らかに差押えの必要がないと認められる特段の事情のない限り,差押えの必要性があるというべきである。 なお,原告P1及び原告P2は,差し押さえる物件は非代替的なものであることが必要であると主張するが,そのように解すべき法的根拠はないし,証拠としての価値,重要性は通常は原本,原物にあるのであって,それらの原本,原物が,代替的であるからといって差押えの必要性がないということはいえず,原告P1及び原告P2の上記主張は採用することができない。また,原告P1及び原告P2並びに関係者が委員会の調 ,それらの原本,原物が,代替的であるからといって差押えの必要性がないということはいえず,原告P1及び原告P2の上記主張は採用することができない。また,原告P1及び原告P2並びに関係者が委員会の調査に協力的であったとしても,そのような事情から直ちに,差押えの必要性が明らかにないということはできない。 エなお,仮に,本件還付物件について,犯則嫌疑事実との間の関連性又は差押えの必要性がなく差押えが違法であったとしても,本件還付物件以外の本件各差押物件についてされた本件各差押えまでもが違法となることがないことは,前記3と同様である。 オこのような観点から,以下,本件各差押物件について,本件犯則嫌疑事実との間の関連性及び差押えの必要性を検討する。 (2) 本件差押物件Aア別紙2-1記載の番号1の物件について証拠(乙A4)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,別紙2-1記 - 24 -載の上記番号に対応する「物件の内容等」欄記載の契約書等であり(なお,後記イ~ソ,(3),(4)及び(6)でいう「物件の内容等」欄の記載は,いずれも各物件の番号に対応する同欄の記載を指し,以下,その旨の断りは省略する。),いずれもP6とP9との間の平成20年6月26日付けの株式引受契約に関するものであることが認められる。 P6は本件犯則嫌疑事実における犯則嫌疑法人であり,P9は本件増資の割当先である上,その契約日付は,本件犯則嫌疑事実に示された増資払込仮装の日である同月27日に近接しているから,上記株式引受契約は,まさに本件増資に関する契約である蓋然性が高く,その内容等に関する資料と評し得る上記物件について,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められることは明らかである。 イ別紙2-1記載の 関する契約である蓋然性が高く,その内容等に関する資料と評し得る上記物件について,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められることは明らかである。 イ別紙2-1記載の番号2の物件について証拠(乙A5)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の資料等であり,その中の「P23事業系スタッフ情報共有ミーティングメモ」と題する資料については,「ミーティング実施日08年5月30日」と記載され,「P14さん」「P11さん」ほか5名の担当業務として「P29の経営再構築」「P29グループ予算資金管理・銀行対応」「P30グループ5社の経営全般」といったP23グループの法人における役割分担等が記載されており,その他の資料等は,信用保証や口座の開設に関連するものであることが認められる。 したがって,上記物件は,P23グループの法人の事業活動・財務状況や犯則嫌疑者を含めた役員等の役割分担・行動等に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ウ別紙2-1記載の番号3の物件について証拠(乙A6)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容 - 25 -等」欄記載の書面等であり,その中の「株式譲渡承認請求書」と題する書面は,P9の株主が,その所有株式をP4に譲渡することの承認をP9に対して求める平成21年1月28日付けの請求書であって,「P9株式会社株主名簿」と題する書面は,同年2月1日当時のP9の株主名簿であり,その他の書面等もこれらに関連するものであることが認められる。 したがって,上記物件は,P9の事業活動や本件犯則嫌疑事実における犯則嫌疑者であるP4の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事 の書面等もこれらに関連するものであることが認められる。 したがって,上記物件は,P9の事業活動や本件犯則嫌疑事実における犯則嫌疑者であるP4の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 エ別紙2-1記載の番号4の物件について証拠(乙A7)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の書面等であり,平成19年8月28日付けのP9の融資に関する書面や,平成20,21年頃に証券会社が作成したP9の取引残高報告書のほか,原告P1の金融機関等との取引に関連する資料であることが認められる。 したがって,上記物件は,P9やP23グループの法人の事業活動,財務状況に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 オ別紙2-1記載の番号6の物件について証拠(甲A3,4,乙A8)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のファイルであり,そこに綴られた書面は平成20年のP24の取締役会に関する資料であることが認められる。 したがって,上記物件は,P23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 カ別紙2-1記載の番号8~10の物件(ただし,番号8の物件について - 26 -は,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号8-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙A9~11)及び弁論の全趣旨によれば,上記各物件は,それぞれ,「物件の内容等」欄記載の各スケジュール帳及びこれに挟み込まれた書面であり,各スケジュール帳には平成19年から平成21年までのP14のスケジュールや行動 論の全趣旨によれば,上記各物件は,それぞれ,「物件の内容等」欄記載の各スケジュール帳及びこれに挟み込まれた書面であり,各スケジュール帳には平成19年から平成21年までのP14のスケジュールや行動等が記載され,また,挟み込まれていた書面は,P14が作成した書面やP24の取締役会等のスケジュール表であることが認められる。 P14はP23グループの法人の一つである原告P1の取締役であり,上記各物件は,P23グループの法人の事業活動やその役員の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 キ別紙2-1記載の番号13,20,23,25~28の物件について証拠(乙A12,14,16,18~21)及び弁論の全趣旨によれば,上記各物件は,それぞれ,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成17年,平成19年から平成22年までの原告P1の取締役会に関する資料であることが認められる。 したがって,上記各物件は,P23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ク別紙2-1記載の番号17の物件について証拠(乙A13)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のP9の総勘定元帳等であり,平成20年度のP9の仮払金等が記載された経理関係書類であることが認められる。 したがって,上記物件は,P9の財務状況に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が - 27 -一応認められる。 ケ別紙2-1記載の番号21の物件(ただし,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号21-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙 に関連性を有する蓋然性が - 27 -一応認められる。 ケ別紙2-1記載の番号21の物件(ただし,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号21-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙A15)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおり,電子メールをプリントアウトした書面であり,同書面は,平成22年にP11が原告P1の担当者に対し送信したものであって,借入金の返済に係る振込みについて「P10」からすべきところを誤って「P3」からした旨連絡するものであることが認められる。 したがって,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者であるP11の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 コ別紙2-1記載の番号24の物件について証拠(乙A17)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のファイルであり,そこに綴られた書面は,原告P1とP10との間の平成21年7月1日付けの金銭消費貸借契約書やこれに関連する書面であることが認められる。 したがって,上記物件は,P10やP23グループの法人の事業活動,財務状況に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 サ別紙2-1記載の番号29の物件について証拠(乙A22)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の出納帳であり,平成19年から平成21年までのP9の経理状況が記載されていることが認められる。 したがって,上記物件は,P9の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 - 28 - ていることが認められる。 したがって,上記物件は,P9の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 - 28 -シ別紙2-1記載の番号32の物件について証拠(乙A23)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のファイルであり,そこに綴られた書面は,「○」「○」等と書かれたメモ,P10とP9との間の平成22年4月9日付けの株式売買契約書及びこれらに関連するものであることが認められる。 上記の「○」「○」は,それぞれ,P23グループの法人である株式会社P25,P6を意味するものと推認され,上記メモは,P23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。また,P9は本件増資の割当先であり,P10は本件増資の払込金の還流先の疑いのある法人であって,上記株式売買契約書等も,P9やP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ス別紙2-1記載の番号39の物件について証拠(乙A24)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の原告P3の封筒とそれに入っていた書面であり,同書面は,原告P1を借主とする平成15年2月3日付けの金銭消費貸借契約書やこれに関連するものであることが認められる。 したがって,上記物件は,P23グループの法人の事業活動,財務状況やP4を代表者とする関連会社の相互関係等に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる(原告P1は,上記金銭消費貸借契約書の作成日付が本件増資の5年以上前であることを指摘して,関連性が否定され 得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる(原告P1は,上記金銭消費貸借契約書の作成日付が本件増資の5年以上前であることを指摘して,関連性が否定されるべき旨主張するが,前記(1)イで説示するところに照らし,上記指摘事情が上記判断を左右するものとは考えられないし,その点を措くとしても,上記契約書が上記封筒に在中していたことは,P4を代表者とする関連会社の相互関 - 29 -係等に関する資料として上記関連性の存在を基礎付けるものということができ,原告P1の上記主張は採用することができない。)。 セ別紙2-1記載の番号41の物件について証拠(乙A25)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,原告P1の平成19年7月1日から平成20年6月30日まで及び同年7月1日から平成21年6月30日までの法人税確定申告書等が綴られた「決算報告書」と題するファイル2冊であることが認められる。 したがって,上記物件は,P23グループの法人の事業活動,財務状況に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ソ別紙2-1記載の番号43の物件(ただし,別紙2-2の「分割後」欄記載の番号43-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙A26)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の取締役会の議案書とその添付資料であり,その議案書は,議長をP4として平成21年2月20日に開催された取締役会に関するものであって,同書面中には,「P24」「株式会社P25」等の記載があることが認められる。 P4は犯則嫌疑者であり,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関す 役会に関するものであって,同書面中には,「P24」「株式会社P25」等の記載があることが認められる。 P4は犯則嫌疑者であり,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 (3) 本件差押物件C1ア別紙3-1記載の番号1の物件について証拠(乙C11)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のスケジュール帳3冊及びノート1冊であり,上記各スケジュール帳は,原告P2が所持していた平成18年,平成20年及び平成2 - 30 -1年のものであって,また,上記ノートも,原告P2が所持し,そこには「P31」「投資家に返金したい」等の記載があることが認められる。 原告P2は本件犯則嫌疑事実における犯則嫌疑者であるし,「P31」の記載からは上記ノートがP23グループの法人に関連する事項を記載したものと推認されることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動やP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 イ別紙3-1記載の番号3の物件について証拠(乙C12)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の契約書等であり,「P32契約書」と題する書面,貸出金についての借主からの返済状況を記載したP4作成の平成17年1月24日付け及び同年4月22日付けの借主宛ての各書面のほか,それらに関連する書面であることが認められる。 P23グループの法人は,P4を中心として,東南アジア各国の不動産や東南アジアの株式等への投資案件により投資家等から資金を集め,企業買収を行うなどし それらに関連する書面であることが認められる。 P23グループの法人は,P4を中心として,東南アジア各国の不動産や東南アジアの株式等への投資案件により投資家等から資金を集め,企業買収を行うなどしてグループの拡大を図っており(乙共1,C13),「P32契約書」と題する書面やその関連書面はP23グループの法人の上記のような活動に関連するものと推認され,また,「P32」に関する匿名組合の事務局はP10に置かれている(乙C42)ことから,上記各書面はP10ないしP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。そして,P4は犯則嫌疑者であることから,P4作成の上記書面は犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ウ別紙3-1記載の番号4の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記 - 31 -載の番号4-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C13)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の資料であり,その資料は,表題が「2008年度上半期(1月1日より6月30日)実績」,日付が平成20年11月6日,作成名義人が原告P2と記載されているほか,「○」等の記載と共にファンドで集めた出資金の額や債権回収に関係する記載を含むことが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であり,上記の「○」の記載からは,P9,P10又はP23グループの法人であるP24との関連がうかがわれ,上記物件は,上記各社の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 エ別紙3-1記載の番号5の物件について証拠(乙C14)及び弁論の全趣旨によれば,上 資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 エ別紙3-1記載の番号5の物件について証拠(乙C14)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P10が平成19年1月31日作成した「P33匿名組合」の運用状況の報告書及び同匿名組合の契約書であることが認められる。 したがって,上記物件は,P10の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 オ別紙3-1記載の番号6の物件について証拠(乙C15)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,原告P3を営業者とする平成21年6月11日付けの「0906 P7 短期型投資組合契約書」であることが認められる。 原告P3の代表取締役は犯則嫌疑者であるP4であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであり,また,原告P - 32 -3は,その名称からP23グループの法人との関係もうかがわれることから,上記物件は,P23グループの法人の事業活動に関する資料とも評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 カ別紙3-1記載の番号7の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号7-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C16)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成21年7月30日付けのP10宛ての金銭の預かり証,同年8月31日を作成基準日とする原告P2のP24株式に関する取引の報告書,タイ語で書かれた証券取引の残高証明に係る書面,不当労働行為救済申立てに 21年7月30日付けのP10宛ての金銭の預かり証,同年8月31日を作成基準日とする原告P2のP24株式に関する取引の報告書,タイ語で書かれた証券取引の残高証明に係る書面,不当労働行為救済申立てに係る書面のほか,これらに関連する書面であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であり,上記物件が,いずれも原告P2方の居室内から押収されたものであること等をも併せ考慮すると,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 キ別紙3-1記載の番号8の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号8-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C17)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,「平成16年8月15日契約」と書き込みのある「P32契約書」と題する書面,平成16年8月15日付けの株式会社P34宛ての委任状,平成19年7月9日付けのP10による報告書,平成21年12月10日付けの原告P2を出資者,P10を営業者とする「第一期2009・12短期型投資組合」に関する契約書類,P35株式会社の労働契約書のほか,これらに関連する書面であることが認められる。 - 33 -「P32契約書」と題する書面は,前記イで説示したのと同様の理由から,P10ないしP23グループの法人の活動に関連するものと推認され,上記書面やこれに関連するものはP10ないしP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。また,P4及び原告P2は犯則嫌疑者であることから,P10による報告書及び原告P2を出資者,P10を営業者とするファンドに関する契約書やこれに関連する書面は,P10の 業活動に関する資料と評し得る。また,P4及び原告P2は犯則嫌疑者であることから,P10による報告書及び原告P2を出資者,P10を営業者とするファンドに関する契約書やこれに関連する書面は,P10の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得る。そして,証拠(乙C16,21)によれば,P4はP36株式会社の代表取締役であり,同社を含む「P37グループ」のCEOであることが認められる。さらに,P35株式会社は,その名称からP23グループの法人との関係がうかがわれる。したがって,上記委任状及び労働契約書やこれらに関連する書面は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ク別紙3-1記載の番号9の物件について証拠(乙C18)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のファイルであり,そこに綴られた書面のうち「0806短期案件状況報告」と題する書面には「○対応」等の記載があり,「○上場株式取得短期型投資組合0806」と題する書面には,「○」の記載のほか,投資家の氏名や投資金額,配当金額等の記載があることが認められる。 上記物件が原告P2の居宅から押収されたこと等からして,上記「○」「○」はいずれも原告P2を意味するものと推認され,上記物件は原告P2が担当者として対応した投資に関する資料であることがうかがわれる。 そして,原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得る。また,上記物件には,「○」の記載があることから,P23グループの法人の事業活動に関する資料とも評し得 - 34 -る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関 し得る。また,上記物件には,「○」の記載があることから,P23グループの法人の事業活動に関する資料とも評し得 - 34 -る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ケ別紙3-1記載の番号10の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号10-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C19)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,「平成16年7月14日契約」と書き込みのある「P32契約書」と題する書面,P10作成の平成20年8月29日付けの「第7期配当方針とお支払い額のお知らせ」と題する報告書のほか,これらに関連する書面であることが認められる。 「P32契約書」と題する書面は,前記イで説示したのと同様の理由から,P10ないしP23グループの法人の活動に関連するものと推認され,上記書面やこれに関連するものはP10ないしP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。また,P10作成の上記報告書やこれに関連するものは,P10の事業活動に関する資料と評し得る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 コ別紙3-1記載の番号12の物件について証拠(乙C20)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,「有限責任PARTNER」である原告P2と「基金会長」であるP36株式会社(代表取締役P4)との間の平成14年5月27日付けの「共同事業基金参加契約書」と題する書面及び「PARTNER」である原告P2と「P32」(会長P4)との間の平成16年5月20日付けの「P32契約書」と題する書面であることが認められる。 原告P2 共同事業基金参加契約書」と題する書面及び「PARTNER」である原告P2と「P32」(会長P4)との間の平成16年5月20日付けの「P32契約書」と題する書面であることが認められる。 原告P2及びP4は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑 - 35 -者の行動に関する資料と評し得る。また,「P32契約書」と題する書面は,前記イで説示したのと同様の理由から,P10ないしP23グループの法人の活動に関連するものと推認され,上記書面はP10ないしP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得る。 したがって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 サ別紙3-1記載の番号13の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号13-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C21)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載の資料やこれに関連するメモであり,上記資料にはP4がP36株式会社を含む「P37グループ」のCEOである旨記載されていることが認められる。 P4は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 シ別紙3-1記載の番号14~17の物件について証拠(乙C22~25)及び弁論の全趣旨によれば,上記各物件は,それぞれ,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,いずれも原告P2を出資者,P10を営業者とする投資契約に係る,平成20年8月25日付け「P38投資組合契約書」と題する冊子,同年12月22日付け「○債権回収会社投資ファンド契約書」と題する冊子,平成21年8月24日付け「P39社0908投資組合出資申込書」と題す 0年8月25日付け「P38投資組合契約書」と題する冊子,同年12月22日付け「○債権回収会社投資ファンド契約書」と題する冊子,平成21年8月24日付け「P39社0908投資組合出資申込書」と題する冊子,平成22年3月26日付け「201004短期型ワラント契約書」と題する冊子のほか,これらと同様の投資関連の契約書やこれらに関連する書面であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であり,上記各物件は,P10の事業活動や犯則 - 36 -嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ス別紙3-1記載の番号18の物件について証拠(乙C26)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,同別紙の上記番号に対応する「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P24を差出人とする封筒及びその中に入っていた原告P2が同社の株式を買い受ける旨の平成21年7月30日付けの株式売買契約書並びにP40株式会社を差出人とする封筒及びその中に入っていた同月頃の原告P2の証券総合口座開設に関する書面であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であり,P24はP23グループの法人であることから,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 セ別紙3-1記載の番号19の物件について証拠(乙C27)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成21年2月13日から同年5月11日までのP6の金銭出納帳及び同年頃のP6の株式の取引に関連する書面であることが認められる。 したがって,上記物件は,犯則嫌疑法人でありP23グル とおりであり,平成21年2月13日から同年5月11日までのP6の金銭出納帳及び同年頃のP6の株式の取引に関連する書面であることが認められる。 したがって,上記物件は,犯則嫌疑法人でありP23グループの法人でもあるP6の事業活動,財務状況に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ソ別紙3-1記載の番号20の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号20-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C28)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,原告P3の平成22年の原告P2に対する - 37 -仮払金について記載した補助科目内訳表及び平成19年頃から平成22年頃までの原告P2名義の海外の預金通帳であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであり,また,原告P3は,その名称や代表取締役が犯則嫌疑者であるP4であることに照らし,P23グループの法人との関係がうかがわれることから,上記の補助科目内訳表については,P23グループの法人の事業活動に関する資料とも評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 タ別紙3-1記載の番号21の物件について証拠(甲C10,乙C29)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成22年3月5日作成の依頼人を原告P2,受取人をP40株式会社とする2034万9475円の振込受付書の控えであることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に 株式会社とする2034万9475円の振込受付書の控えであることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる(なお,上記振込受付書の作成は,本件増資から1年半後にされているが,前記(1)イで説示するところに照らし,そのような事情が上記判断を左右するものとは考えられない。)。 チ別紙3-1記載の番号31及び32の物件について証拠(乙C30,31)及び弁論の全趣旨によれば,上記各物件は,それぞれ,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P10を営業者とする平成19年1月23日付け「P33匿名組合契約」に係る冊子4冊及びP10名義の平成18年10月1日付け「P33匿名組合契約重要事項説明書」と題する冊子4冊であることが認められる。 - 38 -したがって,上記各物件は,P10の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ツ別紙3-1記載の番号33の物件について証拠(乙C32)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P40株式会社作成の平成22年3月31日を作成基準日とする原告P2の取引残高報告書及びこれが入っていた封筒であって,上記報告書には,原告P2が同日の時点でP24の株式2964株をP40株式会社に預けている旨記載されていることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 テ別紙3-1記載の番号36の物件につい であることから,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 テ別紙3-1記載の番号36の物件について証拠(乙C33)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,「会長」から原告P2に対する業務に関する伝言を記載した書面,「P33匿名組合契約運用シミュレーション」と題する書面及びこれらに関連するファックス送信票であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であること,別紙3-1記載の番号31の「P33匿名組合契約」はP10を営業者とすること(前記チ)などに照らせば,上記物件は,P10の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ト別紙3-1記載の番号37の物件について証拠(甲C13,14,乙C34)及び弁論の全趣旨によれば,上記物 - 39 -件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,メモには「03インベストメントどれくらいの期間か?案件はどうするのか?文書が必要」と記載された付せんが貼られ,「タイ国内」等の記載があることが認められる。 上記物件が犯則嫌疑者である原告P2の居室内から押収されたこと,P10がタイ王国の法律に基づいて設立されたこと,前記のとおり,本件各差押えで押収された物件の中に,投資に関する書面が多数あることなどに照らせば,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ナ別紙3-1記載の番号38の物件について証拠(乙C35)及び弁 則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ナ別紙3-1記載の番号38の物件について証拠(乙C35)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P27株式会社(P28 PCL.)作成の平成22年3月及び同年4月の原告P2の各取引明細報告書並びにこれらが入っていた各封筒であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ニ別紙3-1記載の番号43の物件について証拠(乙C36)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のスケジュール帳であり,これは平成22年に原告P2が使っていたものであって,その中には,「○年始会」「株主総会 3/中旬○51%」「役員5名→3名を退任 ○から3名選出」等の記載があることが認められる。 上記物件が犯則嫌疑者である原告P2が使っていたものであること,上記「○」はP24を,「○」はP23グループの法人を,それぞれ意味す - 40 -るものと推認されることなどに照らせば,上記物件は,犯則嫌疑者の行動やP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる(なお,上記スケジュール帳は,本件増資から1年以上後に使用されていたものであるが,前記(1)イで説示するところに照らし,そのような事情が上記判断を左右するものとは考えられない。)。 ヌ別紙3-1記載の番号44の物件(ただし,別紙3-2の「分割後 に使用されていたものであるが,前記(1)イで説示するところに照らし,そのような事情が上記判断を左右するものとは考えられない。)。 ヌ別紙3-1記載の番号44の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号44-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C37)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,「P31 配当確認リスト」と題する書面や同様の投資に関連する書面であって,その書面中,契約者名としてP10の記載があることが認められる。 「P31 配当確認リスト」と題する書面は,その名称からP23グループの法人との関係もうかがわれること,上記投資関連書面には,契約者名としてP10の記載があること,別紙3-1記載の番号31の「P33匿名組合契約」はP10を営業者とすること(前記チ),上記物件がいずれも犯則嫌疑者である原告P2の居室内から押収されたことなどに照らせば,上記物件は,P10やP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ネ別紙3-1記載の番号45の物件について証拠(乙C38)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のメモであり,そこには「○ どうするのか?」「タイ配当450万×2」「タイ5回配当の理由」等の記載があることが認められる。 上記物件が犯則嫌疑者である原告P2の居室内から押収されたこと,上記「○」はP24を意味するものと推認されること,前記のとおり,本件 - 41 -各差押えで押収された物件の中に,投資に関する書面が多数あることなどに照らせば,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する 記のとおり,本件 - 41 -各差押えで押収された物件の中に,投資に関する書面が多数あることなどに照らせば,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ノ別紙3-1記載の番号46の物件について証拠(乙C39)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P24作成の平成21年12月28日付けの原告P2に対する期末配当金の計算書及び同日付け「期末配当金にかかる税金のご案内」と題する書面であることが認められる。 原告P2は犯則嫌疑者であり,上記物件は,P23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ハ別紙3-1記載の番号48の物件について証拠(乙C40)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,契約日を平成20年2月26日とする「P32パートナー申込書」と題するファイルであることが認められる。 「P32パートナー申込書」と題する書面は,前記イで説示したのと同様の理由から,P10ないしP23グループの法人の活動に関連するものと推認され,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ヒ別紙3-1記載の番号49の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号49-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C41)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであ 載の番号49の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号49-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C41)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成18年頃の原告P2からP10の日本における代表者であるP4に対する振込金の受取書の控え及びこれに関連 - 42 -する書面であることが認められる。 原告P2及びP4は犯則嫌疑者であることから,上記物件は,P10の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 フ別紙3-1記載の番号51の物件(ただし,別紙3-2の「分割後」欄記載の番号51-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C42)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,契約期間を平成19年3月27日から同年6月28日までとする「P32契約書」と題する書面や投資に関する資料である。 「P32契約書」と題する書面は,前記イで説示したのと同様の理由から,P10ないしP23グループの法人の活動に関連するものと推認されること,上記物件が犯則嫌疑者である原告P2の居宅から押収されたこと等に照らせば,上記物件はP10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,上記物件と本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 ヘ別紙3-1記載の番号54の物件について証拠(乙C43)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成22年3月30日から同年5月29日までのP41のログイン履歴をプリントアウトしたもの等であることが認められる。 上記 弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成22年3月30日から同年5月29日までのP41のログイン履歴をプリントアウトしたもの等であることが認められる。 上記物件が犯則嫌疑者である原告P2の居室内から押収されたことに照らせば,上記物件は,犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応 - 43 -認められる。 (4) 本件差押物件C2ア別紙4-1記載の番号1の物件(ただし,別紙4-2の「分割後」欄記載の番号1-①の物件を除いたもの。)について証拠(乙C44)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,平成22年5月31日付けのP10名義の「契約者のみなさまへのお知らせ」と題する書面,「P7」「P42」「P6」「完全に投資会社化する」等の記載があるノートのほか,投資に関連する書面であることが認められる。 上記物件の記載内容や上記物件が犯則嫌疑者である原告P2が使う自動車内から押収されたこと等に照らせば,上記物件は,P10ないしP23グループの法人の事業活動や犯則嫌疑者の行動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 イ別紙4-1記載の番号2の物件について証拠(甲C24,乙C45)及び弁論の全趣旨によれば,上記物件は,「物件の内容等」欄記載のとおりであり,P10を営業者とする「○債権回収会社投資ファンド契約書」と題する書面やその関連書面で構成される冊子2冊であることが認められる。 したがって,上記物件は,P10の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然 る書面やその関連書面で構成される冊子2冊であることが認められる。 したがって,上記物件は,P10の事業活動に関する資料と評し得るのであって,本件犯則嫌疑事実に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる(なお,上記書面中の「出資者」欄は空欄である〔甲C24,弁論の全趣旨〕が,そのような事情が上記判断を左右するものとは考えられない。)。 (5) まとめ以上のとおり,本件各差押物件については,いずれも,本件犯則嫌疑事実 - 44 -に関する事実との間に関連性を有する蓋然性が一応認められる。 そして,本件各差押物件について,明らかに差押えの必要がないと認められる特段の事情の存在を認めるに足りる証拠はない。 (6) 本件領置について領置については,犯則嫌疑者等が任意に提出し又は置き去った物件について行う処分であることから,提出することができる者(上記2(1))が任意に提出した以上,領置物件と犯則嫌疑事実との間の関連性は必要ないと解すべきである。 そして,前記(1)ウで差押えについて説示したところは領置に関する「犯則事件を調査するため必要があるとき」(金商法210条1項)についても妥当するものと解されるが,証拠(甲D46,乙D3~9,12~14)及び弁論の全趣旨によれば,本件領置物件の内容は,別紙5-1記載の「物件の内容等」欄記載のとおりであることが認められるのであって,その内容や本件犯則嫌疑事実の態様等に照らし,明らかに領置の必要がないとまでは認められない。 5 争点5(本件各差押え等は専ら別件・余罪の調査を目的として行われたものか)について(1) 本件各差押物件が本件犯則嫌疑事実と関連性があることは前記4のとおりであって,本件各差押えにおいて,証券取引特別調査官が,専ら本件犯則嫌疑事 査を目的として行われたものか)について(1) 本件各差押物件が本件犯則嫌疑事実と関連性があることは前記4のとおりであって,本件各差押えにおいて,証券取引特別調査官が,専ら本件犯則嫌疑事実と別の犯則嫌疑事実の証拠に利用する目的で,本件各許可状に明示された物件を差し押さえたと認めるに足りる証拠はない。 本件領置についても,証券取引特別調査官が,専ら本件犯則嫌疑事実と別の犯則嫌疑事実の証拠に利用する目的で,本件領置をしたことを認めるに足りる証拠はない。 (2) なお,仮に,本件各差押え等の後,犯則嫌疑者や参考人に対して質問(金商法210条1項)が行われた際に,本件犯則嫌疑事実に関する事項につい - 45 -ては全く聴取されなかった者や,本件犯則嫌疑事実とは無関係の事項について聴取された者がいたこと,委員会が本件犯則嫌疑事実とは別の犯則嫌疑事実に関する調査を開始したこと,本件各差押え等がされてから3年以上経過しても未だに告発がされていないことといった事実があったとしても,それらの事実から,証券取引特別調査官が,専ら本件犯則嫌疑事実と別の犯則嫌疑事実の証拠に利用する目的で,本件各許可状に明示された物件を差し押さえたり,本件領置をしたりしたものと推認することはできない。また,証券取引特別調査官が,別件の証人尋問において,別件・余罪の証拠に利用する目的で本件各差押え等を行っていたことを認めたこと,本件各差押等物件が検察庁に事実上引き継がれていることについては,これを認めるに足りる証拠はない(別件の証券取引特別調査官に対する尋問調書〔甲共7〕中の記載によっては,本件各差押等物件が検察庁に事実上引き継がれていることを認めるに足りないし,上記尋問において,上記証券取引特別調査官が別件・余罪の証拠に利用する目的で本件各差押え等を行って 7〕中の記載によっては,本件各差押等物件が検察庁に事実上引き継がれていることを認めるに足りないし,上記尋問において,上記証券取引特別調査官が別件・余罪の証拠に利用する目的で本件各差押え等を行っていたことを自認したものとも認められない。)。 6 争点6(本件差押えA,本件差押えC1及び本件領置における弁護士等との連絡の遮断の有無)について証拠(甲A10,C28,乙A28,29,C48,証人P49,証人P21,原告P2本人)及び弁論の全趣旨によれば,証券取引特別調査官は,本件差押えAの際,立会人である原告P1のP43及びP21に対し,携帯電話の使用は控えるように要請し,P43及びP21はこの要請に従ったが,少なくとも固定電話の受信は可能であったこと,証券取引特別調査官は,本件差押えC1の際,立会人である原告P2に対し,電話の使用は控えるように要請し,原告P2はこの要請に従ったことが認められる。 しかし,証券取引特別調査官が,本件差押えA及び本件差押えC1の際,上記の程度を超えて,立会人の電話を強制的に切ったり,立会人に対して強圧的 - 46 -な言辞を用いて発受信を禁止したりしたと認めるに足りる証拠はなく(原告P2は,本人尋問や陳述書〔甲C28〕において,証券取引特別調査官が原告P2に対して強圧的な言辞を用いて発受信を禁止した旨の供述,陳述をするが,そのような事実を否定する,本件差押えC1に関与した証券取引特別調査官であるP49の証人尋問における証言や陳述書〔乙C48〕中の記載に照らし,原告P2の上記供述等は直ちに採用することができない。),P43,P21及び原告P2が証券取引特別調査官から強制的に電話の使用を禁止されたとまではいえないことから,証券取引特別調査官が本件差押えA及び本件差押えC1の際に上記の要請を ことができない。),P43,P21及び原告P2が証券取引特別調査官から強制的に電話の使用を禁止されたとまではいえないことから,証券取引特別調査官が本件差押えA及び本件差押えC1の際に上記の要請をしたことは違法とはいえない。 また,証券取引特別調査官が,本件領置の際,P14に対し,外部と連絡しないよう要請した事実を認めるに足りる証拠はない。 なお,証拠(甲C1,28,乙C2,証人P49,原告P2本人)によれば,証券取引特別調査官は,前記第2の3(3)イ(ア)の差押えの際,本件許可状C1に基づき,原告P2所有の携帯電話を差し押さえたことが認められるが,上記携帯電話の差押えが適法である以上(上記携帯電話と本件犯則嫌疑事実との間の関連性及び上記携帯電話の差押えの必要性が認められることは明らかである。),差押えの結果,原告P2が上記携帯電話を使用できなくなったとしても,それは差押えという制度が想定しているものであって,そのことによって本件差押えC1が違法となるものとは考えられない。 7 争点7(本件各差押等物件に関する目録の記載の適法性)について委員会の職員は,差押え又は領置をしたときは,その目録を作成し,差押物件又は領置物件の所有者等にその謄本を交付しなければならない(金商法220条)が,その趣旨は,差押物件又は領置物件を特定して何を差し押さえ,領置したかを明らかにして,差押え又は領置を受けた者の財産権を保全し,差押え又は領置の手続の適正を確保するところにあると解される。このような趣旨に鑑みると,差押目録の差押物件又は領置目録の領置物件の記載については, - 47 -できる限り具体的であることが望ましいものの,差押え又は領置の現場においては,大量の物件を差し押さえ,領置することもあるのであって,あまりに具体的な記載を要求 の記載については, - 47 -できる限り具体的であることが望ましいものの,差押え又は領置の現場においては,大量の物件を差し押さえ,領置することもあるのであって,あまりに具体的な記載を要求すると,差押目録又は領置目録の作成及び謄本の交付が遅れ,かえって物件の差押え又は領置を受けた者にも不利益を与えることになるから,差押目録の差押物件又は領置目録の領置物件の記載については,ある程度包括的あるいは概括的な記載は許されるものと解される。 これを本件についてみると,証拠(甲A2,C1,2,乙A2,C2,4,D1)によれば,本件各差押え等に係る差押目録の本件各差押物件の記載及び領置目録の本件領置物件の記載は,別紙2-1,別紙3-1,別紙4-1及び別紙5-1の「品名」欄及び「数量」欄記載のとおりであり(なお,上記各別紙の「品名」欄の記載は,差押目録及び領置目録の「品名又は名称」欄の記載に対応する。ただし,別紙2-1記載の番号21の物件の差押目録上の「品名又は名称」欄の記載は「P4の印鑑登録証明書等」,別紙3-1記載の番号7の物件の差押目録上の「品名又は名称」欄の記載は「ベンツ購入支払い契約書と題する書面等」,同別紙記載の番号49の物件の差押目録上の「品名又は名称」欄の記載は「振込金受取書等(クリアーケース含む)」,別紙5-1記載の番号20の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「固定資産税1と標題のファイル等」,同別紙記載の番号27の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「秘密保持契約書(クリアファイル入り)等」,同別紙記載の番号31の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「必要資金表と標題のファイル等」,同別紙記載の番号34の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「P44銀行→アメリカへ送金と記載のメモ( 番号31の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「必要資金表と標題のファイル等」,同別紙記載の番号34の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「P44銀行→アメリカへ送金と記載のメモ(クリアファイル入り)等」,同別紙記載の番号43の物件の領置目録上の「品名又は名称」欄の記載は「履歴書(P45)等」である。),差押目録及び領置目録の「備考」欄に「総務部金庫」「P14机中」「P11」「P21」「総務部キャビネット1」「総務部キャビネット2」「総務部キャビネット3」「P14」「P - 48 -46仕事部屋書棚」「リビング」「手提げかばん内」「寝室」「P46仕事部屋」「トランクルーム内」といった記載があることが認められる。一方,本件各差押等物件の内容等は,それぞれ,別紙2-1,別紙3-1,別紙4-1及び別紙5-1の「物件の内容等」欄記載のとおりである(前記4)。 このように,差押目録及び領置目録の本件各差押等物件の記載は,代表的な物件の品名又は名称を一つ挙げ,必要に応じて「等」を付加するとともに,「1袋」「1綴」のように物件の単位を記載していること,差押目録及び領置目録の「備考」欄には,各物件が差押えや領置をした場所中のどこにあったかを示す記載があること,加えて,上記4(1)イにおいて説示したところからすると,本件犯則嫌疑事実に関する資料は,多岐にわたり,膨大な量になることが容易に想定され,実際にも,多数の物件について差押え,領置がされ,本件各許可状による臨検・捜索・差押えの手続それ自体に長時間を要しており(前記第2の3(3)ア,イ),本件各差押等物件の一つずつを差押目録又は領置目録に逐一特定して表示したならば,差押え又は領置の手続をいたずらに長引かせ,関係者にも不利益を及ぼすことになったものといえることなどに照らせ )ア,イ),本件各差押等物件の一つずつを差押目録又は領置目録に逐一特定して表示したならば,差押え又は領置の手続をいたずらに長引かせ,関係者にも不利益を及ぼすことになったものといえることなどに照らせば,上記記載をもって,金商法220条の趣旨に反する違法なものであるとまでは評価し難い。 8 結論以上によれば,原告らの請求はいずれも理由がないのでこれらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官西田隆裕 - 49 - 裁判官斗谷匡志 裁判官栢分宏和 - 50 -別紙6金商法の定め 1 風説の流布,偽計,暴行又は脅迫の禁止金商法158条は,何人も,有価証券の募集,売出し若しくは売買その他の取引若しくはデリバティブ取引等のため,又は有価証券等(有価証券若しくはオプション又はデリバティブ取引に係る金融商品(有価証券を除く。)若しくは金融指標をいう。)の相場の変動を図る目的をもって,風説を流布し,偽計を用い,又は暴行若しくは脅迫をしてはならない旨を定めている。 2 罰則(金商法第8章)(1) 金商法197条1項は,次の各号のいずれかに該当する者は,10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する旨を定めている。 1号~4号の2 (省略)5号金商法157条,158条又は159条の規定に違反した者(2) 金商法207条1項は,法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下同項及び同条2項において同じ。)の代表者又は法 商法157条,158条又は159条の規定に違反した者(2) 金商法207条1項は,法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下同項及び同条2項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務又は財産に関し,次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは,その行為者を罰するほか,その法人に対して当該各号に定める罰金刑を,その人に対して各本条の罰金刑を科する旨を定めている。 1号金商法197条 7億円以下の罰金刑2~6号 (省略) 3 犯則事件の調査等(金商法第9章)(1) 質問,検査又は領置等金商法210条1項は,委員会の職員は,犯則事件(金商法第8章の罪のうち,有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引等の公正を害するもの - 51 -として政令で定めるものに係る事件をいう。以下同じ。)を調査するため必要があるときは,犯則嫌疑者若しくは参考人(以下「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め,犯則嫌疑者等に対して質問し,犯則嫌疑者等が所持し若しくは置き去った物件を検査し,又は犯則嫌疑者等が任意に提出し若しくは置き去った物件を領置することができる旨を定めている。 (2) 臨検,捜索又は差押えア金商法211条1項は,委員会の職員は,犯則事件を調査するため必要があるときは,委員会の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により,臨検,捜索又は差押えをすることができる旨を定めている。 イ金商法211条2項は,同条1項の場合において急速を要するときは,委員会の職員は,臨検すべき場所,捜索すべき場所,身体若しくは物件又は差し押さえるべき物件の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可 の場合において急速を要するときは,委員会の職員は,臨検すべき場所,捜索すべき場所,身体若しくは物件又は差し押さえるべき物件の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により,同項の処分をすることができる旨を定めている。 ウ金商法211条3項は,委員会の職員は,同条1項又は2項の許可状(以下「許可状」という。)を請求する場合においては,犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならない旨を定めている。 エ金商法211条4項は,①同条3項の請求があった場合においては,地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官は,臨検すべき場所,捜索すべき場所,身体若しくは物件又は差し押さえるべき物件並びに請求者の官職及び氏名,有効期間,その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨,交付の年月日並びに裁判所名を記載し,自己の記名押印した許可状を委員会の職員に交付しなければならない旨を定めるとともに(同条4項前段),②この場合において,地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官は,犯則嫌疑者の氏名又は犯則の事実が明らかであるときは,これらの事項をも許 - 52 -可状に記載しなければならない旨を定めている(同項後段)。 オ金商法211条5項は,委員会の職員は,許可状を他の委員会の職員に交付して,臨検,捜索又は差押えをさせることができる旨を定めている。 (3) 責任者等の立会いア金商法217条1項は,委員会の職員は,人の住居又は人の看守する邸宅若しくは建造物その他の場所で臨検,捜索又は差押えをするときは,その所有者若しくは管理者(これらの者の代表者,代理人その他これらの者に代わるべき者を含む。)又はこれらの者の使用人若しくは同居の親族で成年に達した者を立ち会わせなければならない旨を定めて ときは,その所有者若しくは管理者(これらの者の代表者,代理人その他これらの者に代わるべき者を含む。)又はこれらの者の使用人若しくは同居の親族で成年に達した者を立ち会わせなければならない旨を定めている。 イ金商法217条2項は,同条1項の場合において,同項に規定する者を立ち会わせることができないときは,その隣人で成年に達した者又はその地の警察官若しくは地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない旨を定めている。 (4) 領置目録又は差押目録金商法220条は,委員会の職員は,領置又は差押えをしたときは,その目録を作成し,領置物件若しくは差押物件の所有者若しくは所持者又はこれらの者に代わるべき者にその謄本を交付しなければならない旨を定めている。 (5) 領置物件又は差押物件の返還等金商法222条1項は,委員会は,領置物件又は差押物件について留置の必要がなくなったときは,その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない旨を定めている。 (6) 委員会の告発等金商法226条1項は,委員会は,犯則事件の調査により犯則の心証を得たときは,告発し,領置物件又は差押物件があるときは,これを領置目録又は差押目録と共に引き継がなければならない旨を定めている。 以上 - 53 -別紙7犯則嫌疑法人P7株式会社(現P6株式会社)は,その発行する株券をP8市場第2部に上場し,ゴム製品の製造販売等を目的とする会社,犯則嫌疑者P4は,P23グループの主宰者として,同グループ各法人の業務全般を統括していたもの,犯則嫌疑者P5,同P11及び同P2は,同P4を補佐するもの,犯則嫌疑者P12は,犯則嫌疑法人の代表取締役として,その業務全般を統括していたものであるが,犯則嫌疑者5名は,共謀の上,犯則嫌疑者P4が統括管理するP9株式 11及び同P2は,同P4を補佐するもの,犯則嫌疑者P12は,犯則嫌疑法人の代表取締役として,その業務全般を統括していたものであるが,犯則嫌疑者5名は,共謀の上,犯則嫌疑者P4が統括管理するP9株式会社を割当先とする犯則嫌疑法人の第三者割当増資に際し,増資払込みを仮装して新株を発行しようと企て,同社の業務及び財産に関し,同社の新株を発行するため,真実は,P9株式会社が払い込む金額(12億4500万円)のうち少なくとも11億円については,犯則嫌疑法人の資金として使用させることなく,間もなく同社から出金して犯則嫌疑者P4が統括管理するP10株式会社に還流させる意図であるのに,その情を秘し,平成20年6月27日,12億4500万円をP9株式会社名義で払込取扱場所である千葉県柏市δ×番1号株式会社P47銀行P48支店に開設されたP7株式会社名義の普通預金口座に入金して増資払込みを仮装した上,同日,東京都中央区ε×番1号株式会社P8が提供する適時開示情報伝達システムであるP22により,12億4500万円の増資払込みが完了して適法に新株式1500万株の発行が行われた旨の虚偽の事実を公表し,もって,有価証券の取引のため,偽計を用いたものである。

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