令和6(行ケ)10051 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年11月27日 知的財産高等裁判所 2部 判決 請求棄却
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令和6年11月27日判決言渡 令和6年(行ケ)第10051号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和6年9月18日判決 原告 株式会社バッファロー 同訴訟代理人弁理士 中村知公 同 前田大輔 同 伊藤孝太郎 同 朝倉美知 同 本田彩香 被告 特許庁長官 同 指定代理人 渡邉潤 同 山田啓之 同 須田亮一 同 阿曾裕樹 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が不服2023-4563号事件について令和6年4月23日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は、商標登録出願の拒絶査定に対する不服審判請求について、特許庁が請求不成立とした審決の取消しを求める事案である。争点は、出願に係る商標の商標法4条1項11号該当性である。 2 特許庁における手続の経過等 ⑴ 原告は、令和3月5月21日、「ラクレコ」の文字を標準文字で表してな 取消しを求める事案である。争点は、出願に係る商標の商標法4条1項11号該当性である。 2 特許庁における手続の経過等⑴ 原告は、令和3月5月21日、「ラクレコ」の文字を標準文字で表してなる 商標(以下「本願商標」という。)について、指定商品及び指定役務を第9類「電子計算機への接続機能と音声データ・画像データ・映像データの送信機能とを備えたディスクドライブ」等及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」等として商標登録出願(甲5)をした。 ⑵ 原告は、令和4年6月3日、指定商品及び指定役務を補正したが、同年1 2月9日付けで拒絶査定(甲10)を受けたことから、令和5年3月17日拒絶査定不服審判請求をし、同年5月8日付け手続補正書(甲12、13)により指定商品及び指定役務を第9類「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクドライブ」(以下「本願指定商品」という。)のみに補正した。 ⑶ 特許庁は、これを不服2023-4563事件として審理し、令和6年4 月23日、請求不成立の審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は同年5月7日原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和6年6月5日、本件審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 3 本件審決の理由の要旨 本願商標は、別紙「引用商標」記載の商標(甲7、14、登録第6434946号商標。令和3年8月27日設定登録。「ラクレコ」の片仮名を標準文字で表してなる。以下「引用商標」という。)と同一の商標であり、かつ、次のとおり、引用商標の指定商品に類似する商品について使用するものであるから、商標法4条1項11号に該当する。 ⑴ 本願指定商品(第9類「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクド ライブ」)は、電子計算機等とともに利用 品について使用するものであるから、商標法4条1項11号に該当する。 ⑴ 本願指定商品(第9類「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクド ライブ」)は、電子計算機等とともに利用されるものであり、電子計算機の周辺機器及び関連製品の製造者が生産し、電気店又は家電量販店で販売され、電子計算機等のデータ処理装置の利用者全般が需要者となり得る商品である。 引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「ウエイトトレーニング機械器具で測定された負荷重量・マシーンの変位量・回動数・回動スピードのうち いずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置、運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロリ・利用者の体重・歩数・歩幅・ピッチ・心拍数のうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置」(以下「引用商標データ処理装置」という。)も同様である。したがって、両者は生産部門及び販 売部門が共通又は近似し、音楽や映像データを処理する機器とともに利用されるもの又は電子データを処理する装置という用途において共通性を有し、本願指定商品の需要者である広く電子計算機等のデータ処理装置を利用する者全般は、引用商標データ処理装置の需要者と一致する場合もあると考えられるから、これらの指定商品に同一又は類似する商標が使用された場合には、 同一営業主の提供に係る商品と誤認されるおそれがあり、両者は類似の商品である。 ⑵ 本願指定商品(第9類「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクドライブ」)と、引用商標の指定商品及び指定役務中の第9類「ダウンロード可能なモバイル機器用のアプリケーションソフトウェア」(以下「引用商標 ソフトウェア」という。)も、同様に生産部門及び販売部門 イブ」)と、引用商標の指定商品及び指定役務中の第9類「ダウンロード可能なモバイル機器用のアプリケーションソフトウェア」(以下「引用商標 ソフトウェア」という。)も、同様に生産部門及び販売部門が共通又は近似し、音楽や映像データを処理する機器又は携帯情報端末等とともに利用されるという用途において共通性を有し、本願指定商品の需要者である広く電子計算機等のデータ処理装置を利用する者全般は、引用商標ソフトウェアの需要者と一致する場合がある。加えて、本願指定商品も含まれる「データの取 り込み・再生用ディスクドライブ」装置について、当該商品を機能させるた めに必要なコンピュータプログラムが存在し、ディスクドライブとは別にダウンロード形式で提供されている実情があると考えられるから、これらの指定商品に同一又は類似する商標が使用された場合には、同一営業主の提供に係る商品と誤認されるおそれがあり、両者は類似の商品である。 第3 審決取消事由に関する当事者の主張 1 原告の主張⑴ 本願指定商品と引用商標データ処理装置は、用途、生産部門、販売部門、需要者の範囲において一致せず、完成品と部品の関係もない。出所の誤認混同が生ずることはなく、両者は類似しない。 ア用途につき、本願指定商品は、光学ディスクに記録された音楽・映像に 関する電子データの読み取り・再生を、引用商標データ処理装置は、運動に関するデータを取り込み表示するためにデータ処理を、各用途とする。 イ生産部門につき、総務省日本標準産業分類(令和5年7月告示)では、本願指定商品であるディスクドライブは、情報通信機械器具製造業に属し、その生産部門は、電子計算機・同附属装置製造業中の外部記憶装置製造業 を営む者である。他方、引用商標データ処理装置のデ は、本願指定商品であるディスクドライブは、情報通信機械器具製造業に属し、その生産部門は、電子計算機・同附属装置製造業中の外部記憶装置製造業 を営む者である。他方、引用商標データ処理装置のデータ処理機は、業務用機械器具製造業に属し、その生産部門は、事務用機械器具製造業中のその他の事務用機械器具製造業を営む者である。複数の大手メーカーが両商品を製造する事実はあるが、それぞれを専門で製造する業者も多数存在する実情にある。 ウ販売部門につき、本願指定商品は、原告が運営管理する一般需要者向け直販サイト又は電気店若しくは家電量販店であり、引用商標データ処理装置は、企業間取引に対応する特定の専門業者や専門商社である。 エ需要者の範囲につき、本願指定商品は、ECサイトや電気店又は家電量販店を利用する最終消費者、かつ光ディスクの読み込み・再生作業を意図 する者であり、引用商標データ処理装置は、主に運動用機械の使用施設を 運営する専門的知見を持つ事業者や運動用機器の製造者である。潜在的顧客も、一般家電需要者と事業者向け機械を扱う専門的限定的顧客と異なる。 オ原材料及び品質につき、本願指定商品は、樹脂製・金属製の筐体・部材であり、引用商標データ処理装置は、樹脂製・金属製の筐体、データ測定部材・解析表示部材である。両商品とも品質は幅広く、比較できない。 カ本願指定商品及び引用商標データ処理装置は、ともに単独で商品として成立する。両商品は、相互に関連し組み合わせて利用される関係にはない。 ⑵ 本願指定商品と引用商標ソフトウェアは、用途、生産部門、販売部門、需要者の範囲において一致せず、完成品と部品の関係にあるかの観点からの対比は困難である。出所の誤認混同が生ずることはなく、両者は類似しない 指定商品と引用商標ソフトウェアは、用途、生産部門、販売部門、需要者の範囲において一致せず、完成品と部品の関係にあるかの観点からの対比は困難である。出所の誤認混同が生ずることはなく、両者は類似しない。 ア用途につき、本願指定商品と引用商標ソフトウェアは、データの読み取りという用途は共通するが、ディスクドライブとその動作のためのアプリケーションソフトは担う具体的な役割が異なる。 イ生産部門につき、総務省日本標準産業分類(令和5年7月告示)では、本願指定商品の生産部門は、前記のとおりであり、引用商標ソフトウェア は、情報サービス業に属し、ソフトウェア業を営む者である。生産工程も、後者は、完成したソフトウェアのデータを複製、収録し生産するか、ダウンロード方式等によりデータ自体を供給する。引用商標ソフトウェアは、独立した専門のシステム開発部門によって生産され、本願指定商品は、生産技術部門等の主導により、工場内で生産される。複数の大手メーカーが 両商品を製造する事実はあるが、専門で製造する業者が別個に存在する実情にある。 ウ販売部門につき、本願指定商品は、原告が運営管理する一般需要者向け直販サイト又は電気店若しくは家電量販店であり、引用商標ソフトウェアは、インターネットにおけるECサイトや各種ハードウェアの製造者のウ ェブサイト、電気店又は家電量販店(ただし、両商品の販売コーナーは異 なる。)、企業間取引に対応する専用メーカーである。 エ需要者の範囲につき、本願指定商品は、ECサイトや電気店又は家電量販店を利用する最終消費者、かつ光ディスクの読み込み・再生作業を意図する者であり、引用商標ソフトウェアは、広く一般消費者、特定分野の専門家又は事業者、かつ、個々のプログラムが持つ固有の 店又は家電量販店を利用する最終消費者、かつ光ディスクの読み込み・再生作業を意図する者であり、引用商標ソフトウェアは、広く一般消費者、特定分野の専門家又は事業者、かつ、個々のプログラムが持つ固有の用途・機能を用い てこれに対応する商品の利用を意図する者である。よって、両商品の需要者は一部共通しても一致はしない。 オ原材料及び品質につき、本願指定商品は、樹脂製・金属製の筐体・部材であり、引用商標ソフトウェアの価値は、無形のプログラム自体である。 両商品とも品質は幅広く、比較できない。 カ本願指定商品及び引用商標ソフトウェアは、ともに単独で商品として成立する。アプリケーションソフトウェアは、常に特定のハードウェアの一部構成を担い部品に準じるから、完成品と部品との基準は重視することができない。 ⑶ 本願商標と引用商標は、それぞれの指定商品の用途・利用領域に関連性が ないという実情にある上、保護すべき信用の有無、商標採択の機会の観点に照らし、商標「ラクレコ」が強い特別顕著性や周知・顕著性を持つものでないことを考慮すれば、本願指定商品と引用商標の指定商品は非類似と判断すべきである。 ⑷ よって、本願指定商品と引用商標の指定商品は類似せず、本願商標を商標 法4条1項11号に該当するとした本件審決の判断には誤りがある。 2 被告の主張⑴ 本願指定商品と引用商標データ処理装置は、同一の営業主により両商品が生産されており、製造業者(その関連会社を含む)が運営する販売用ウェブサイトのほか、様々な商品を扱う家電量販店だけでなく、電子計算機や周辺 機器を専門に扱う販売店においても扱われるなど同一の営業主により販売さ れている。また、いずれも電子計算機に関連する商品であって、共に電子データを利用す 販店だけでなく、電子計算機や周辺 機器を専門に扱う販売店においても扱われるなど同一の営業主により販売さ れている。また、いずれも電子計算機に関連する商品であって、共に電子データを利用することを目的とした商品であって、両商品の主な需要者は、広く一般の消費者を含んでいる。 ⑵ 本願指定商品と引用商標ソフトウェアは、同一の営業主により両商品が生産されており、製造業者(その関連会社を含む)が運営する販売用ウェブサ イトのほか、様々な商品を扱う家電量販店だけでなく、電子計算機や周辺機器を専門に扱う販売店においても扱われるなど同一の営業主により販売されている。また、いずれも電子計算機に関連する商品であって、共に電子データを利用することを目的とした商品であって、電子計算機等の電子機器は、ディスクドライブ又はコンピュータソフトウェアを用いることで必要な品質 (機能)・用途を実現するほか、両商品の主な需要者は、広く一般の消費者を含んでいる。 ⑶ よって、本願指定商品と引用商標の指定商品は、これらに同一又は類似の商標が付されたときは、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同を生じるおそれがある類似の商品といえる。そして、本願商標は、引用商標と 同一又は類似の商標であるから、商標法4条1項11号に該当するとした本件審決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 原告は、本願指定商品と引用商標の指定商品は類似しないから、これが類似するなどとして商標法4条1項11号該当性を認めた本件審決の判断には誤 りがあるなどと主張する。 指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情に 張する。 指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認さ れるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互い に誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、類似の商品に当たると解するのが相当である(最高裁判所昭和33年(オ)第1104号同36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁)。 そこで、判断枠組みを踏まえ、本願指定商品と引用商標の指定商品の類否について検討する。 2 検討⑴ 本願指定商品及び引用商標の各指定商品ア本願指定商品は「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクドライブ」である。 そして、ディスクドライブとは、HD、CD、DVDなどディスクを読 み書きするための装置の総称であり(乙1)、データのバックアップコピーの作成、音楽・動画等の再生、ソフトウェアのインストール等のために使われる電子計算機の周辺機器であるから(甲18、19、乙2、3)、本願指定商品は、音楽・映像データの取り込み・再生をするための電子計算機の周辺機器である。 イ他方、引用商標データ処理装置は「ウエイトトレーニング機械器具で測定された負荷重量・マシーンの変位量・回動数・回動スピードのうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置、運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロリ・利用者の体重・歩数・歩幅・ピッチ・心拍数のう ちいずれか一以上の値を受信して表示 、運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロリ・利用者の体重・歩数・歩幅・ピッチ・心拍数のう ちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置」である。 そして、データ処理とは、必要な情報を得るためにデータに対して行う一連の作業であって、例えば、コンピュータが大量の資料について集計・分類・照合・翻訳等の算術的・論理的処理を行うことを意味し、データ処理装置とは、電子計算機のことであるから(乙4)、引用商標データ処理装 置は、前記の情報を受信して表示するための電子計算機である。 ウまた、引用商標ソフトウェアは「ダウンロード可能なモバイル機器用のアプリケーションソフトウェア」である。 そして、モバイル機器とは、携帯型の情報処理機器(モバイル端末)を意味し(乙5、6)、ソフトウェアとは、電子計算機を動作させるためのプログラムのことであるから(乙7)、引用商標ソフトウェアは、モバイル端 末で使用される電子計算機を動作させるためのプログラムである。 エしたがって、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、いずれも電子計算機に関連する商品として、電子計算機による処理を行う際に通常用いられるという商品であるという意味において、共通性がある。 ⑵ 生産及び販売の実情ア本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアのようなディスクドライブ、電子計算機及びソフトウェアは、いずれも製造業の同一事業者が生産、販売している例が多く認められる。 すなわち、日本電気株式会社は、DVD-ROMドライブ等、ウェアラ ブルデバイスを活用したNEC感情分析ソリューション、ヘルスケア関連アプリケーション 生産、販売している例が多く認められる。 すなわち、日本電気株式会社は、DVD-ROMドライブ等、ウェアラ ブルデバイスを活用したNEC感情分析ソリューション、ヘルスケア関連アプリケーションソフトウェア等の開発及び製品の製造販売を行い〔乙8~11〕、株式会社日立製作所は、DVD-ROM・CD-R/RWドライブ、ウェアラブルデバイスによる作業動作の評価、プラットフォームソフトウェア等の開発、製品化及び販売を行い〔乙12~15〕、ELECOM 株式会社は、スマホ用CDレコーダ、スマートフォンアプリ連携のトレーニング製品、マウスのボタンに機能を割り当てるソフトウェア等の開発、製造、販売を行い〔乙16~19〕、Apple社は、CD・DVDの再生等ができるUSBSuperDrive、フィットネスに関する動きを記録するAppleWatch、ヘルスケアとフィットネス等のアプ リケーションソフトウェア等の開発、製造販売を行い〔乙20~24〕、パ ナソニックコネクト株式会社は、CD-ROMドライブ等機器、ソフトウェアの開発、製造、販売等を行い〔乙25、26〕、富士通クライアントコンピューティング株式会社は、パソコン、タブレット、ペリフェラル等、プラットフォーム、ソフトウェア等の開発、販売等を行い〔乙27~29〕、株式会社日本HPは、HP製USBスーパーマルチドライブや、HP製ソ フトウェアの製造販売等を行い〔乙30~32〕、株式会社アイ・オー・データ機器は、ポータブルDVDドライブのほか、電子帳簿保存法対応アプリケーション等の製造、販売等を行い〔乙33、34〕、パイオニア株式会社は、ポータブル外付け型ブルーレイドライブのほか、スマートフォンで使用できる各種アプリ等の製造、販売等を行っていることが認められる 〔 の製造、販売等を行い〔乙33、34〕、パイオニア株式会社は、ポータブル外付け型ブルーレイドライブのほか、スマートフォンで使用できる各種アプリ等の製造、販売等を行っていることが認められる 〔乙35、36〕。 また、家電量販店やパソコン及び周辺機器を扱う専門店(ビックカメラ. com、ヨドバシ.com、ヤマダウェブコム、エディオン公式通販、パソコン工房、TSUKUMO、ドスパラ、パソコンSHOPアーク〔乙37~44〕)においても、ディスクドライブ、電子計算機及びソフトウェア は、同一販売店において扱われていることが認められる。 したがって、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、同一営業主により製造及び販売され、又は、同一販売店により販売される実情にある。 イこの点について、原告は、本願指定商品と引用商標データ処理装置及び 引用商標ソフトウェアは、総務省日本標準産業分類において属する産業を異にするなどと主張する。しかしながら、引用商標データ処理装置は、電子計算機であるから、本願指定商品と同じ「(中分類)情報通信機械器具製造業」(甲25)に属するというべきであり、原告の主張する「(中分類)業務用機械器具製造業」「(細分類)その他の事務用機械器具製造業」(甲2 6)に属するものと解することはできない。 また、原告は、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、いずれも専門的に製造する業者が多数存在する実情があるので生産部門は共通しないとか、本願指定商品が一般需要者向けの直販サイト又は家電量販店等で販売されるのに対し、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、企業間取引に対応する特定の専門業者により 販売されるから、販売部門も共通しな 一般需要者向けの直販サイト又は家電量販店等で販売されるのに対し、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、企業間取引に対応する特定の専門業者により 販売されるから、販売部門も共通しないなどと主張する。しかしながら、前記のとおり、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、いずれもディスクドライブ、電子計算機及びソフトウェアという電子計算機に関連する商品として同一営業主により開発され、製造及び販売され、又は、同一販売店により販売される実情にあるから、営業主 の同一性を誤認させるような生産・販売形態における共通性があるものと認めるのが相当である。よって、原告の主張を採用することはできない。 ⑶ 用途ア前記のとおり、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、それぞれディスクドライブ、電子計算機及びソフトウェア であり、いずれも電子計算機に関連する商品である。 そして、本願指定商品と引用商標データ処理装置は、いずれも電子計算機に関連し、電子データを利用し、これを読み込み・再生し、又はこれを処理することを目的とするものである。 また、本願指定商品と引用商標ソフトウェアは、いずれも電子計算機に 関連し、本願指定商品は電子計算機を動作させて音楽・映像データの取り込み・再生を行う周辺機器として、引用商標ソフトウェアは電子データを利用し、電子計算機の周辺機器又は電子計算機を動作させるためのプログラムとして、それぞれ電子計算機の機能を実現させることを目的とするものである。 これらの点に照らすと、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引 用商標ソフトウェアは、それぞれ役割が異なるものの、いずれも電子計算機による処理又は電子データの利用を行うために用いら これらの点に照らすと、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引 用商標ソフトウェアは、それぞれ役割が異なるものの、いずれも電子計算機による処理又は電子データの利用を行うために用いられる商品という意味において、その用途に共通点があるということができる。 イこの点につき、原告は、本願指定商品の用途は、光学ディスクに記録された音楽・映像に関する電子データの読み取り・再生であり、引用商標デ ータ処理装置の用途は、運動に関するデータを取り込み表示するためのデータ処理であって用途を異にし、また、引用商標ソフトウェアは、データの読み取りという用途は、本願指定商品の用途と共通するが、ディスクドライブとその動作のためのアプリケーションソフトは担う具体的な役割が異なるなどと主張する。しかしながら、前記のとおり、本願指定商品、 引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、電子計算機による処理又は電子データの利用を行うために用いられる商品であるという共通点があり、およそ営業主の同一性誤認の可能性を否定するほど用途を異にするものということはできないから、原告の主張を採用することはできない。 ⑷ 需要者の範囲ア本願指定商品は「音楽・映像データの取り込み・再生用ディスクドライブ」であるから、電子計算機の周辺機器として、その需要者は、電子計算機の利用者全般である一般の消費者を含むものということができる。 他方、引用商標データ処理装置は「ウエイトトレーニング機械器具で測 定された負荷重量・マシーンの変位量・回動数・回動スピードのうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置、運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロ ーンの変位量・回動数・回動スピードのうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置、運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロリ・利用者の体重・歩数・歩幅・ピッチ・心拍数のうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置」であるから、 前記の情報を受信して表示するためのデータ処理装置(電子計算機)とし て、その需要者は、前記のウエイトトレーニング機械器具又は運動用トレッドミルの利用者である。そして、これらの運動用器具は、家庭用又は自宅利用のためにも販売され(乙45~47)、モバイル端末とともに利用される場合もあることからすると(乙17、21)、その需要者は、前記の運動用器具を利用する施設等の取引者のほか、一般の消費者を含むものとい うことができる。 また、引用商標ソフトウェアは「ダウンロード可能なモバイル機器用のアプリケーションソフトウェア」であるから、モバイル端末を動作させるためのプログラムとして、その需要者は、モバイル機器を利用する取引者のほか、一般の消費者を含むものである。 よって、本願指定商品、引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアの各需要者は、いずれも広く一般の消費者を含むものとして需要者の範囲において共通している。 イこの点につき、原告は、本願指定商品の需要者の範囲は、一般家電需要者であるのに対し、引用商標データ処理装置の需要者の範囲は、主に運動 用機械の使用施設を運営する専門的知見を持つ事業者等であるから共通せず、引用商標ソフトウェアの需要者の範囲は、広く一般消費者のほか特定分野の専門家又は事業者等であるから、一部共通しても一致しないなどと主張する。 しかしながら つ事業者等であるから共通せず、引用商標ソフトウェアの需要者の範囲は、広く一般消費者のほか特定分野の専門家又は事業者等であるから、一部共通しても一致しないなどと主張する。 しかしながら、引用商標データ処理装置が、専門的知見を持つ事業者に より利用されている実情があるとしても、前記のとおり、一般消費者においても利用されている実情にあるから、需要者の範囲に係る原告の主張は、利用態様の一部をいうにとどまる。また、引用商標ソフトウェアについては、原告においても、需要者の範囲に一般消費者が含まれることを認めるのであるから、本願指定商品の需要者の範囲と共通するものと認めるのが 相当である。そして、このように本願指定商品、引用商標データ処理装置 及び引用商標ソフトウェアの需要者にはいずれも一般消費者が含まれていると認められる以上、これらの商品やソフトウェアには需要者の共通性が認められるというべきである。原告の主張を採用することはできない。 ⑸ 完成品と部品の関係等本願指定商品と引用商標データ処理装置又は本願指定商品と引用商標ソフ トウェアは、いずれも完成品と部品の関係にはなく、需要者の範囲は共通している。その他、本願指定商品、引用商標データ処理装置又は引用商標ソフトウェアについて、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがないことを窺わせるような特段の事情も見当たらない。 ⑹ 小括 以上によれば、本願指定商品と引用商標データ処理装置及び引用商標ソフトウェアは、その生産・販売形態、用途、需要者の範囲において共通性があり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるというべきであるから、本 用途、需要者の範囲において共通性があり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるというべきであるから、本願指定商品と引用商標の指定商品は類似の商品に該 当すると認めるのが相当である。 そうすると、本願商標は、他人の登録商標である引用商標と同一の商標であって、引用商標の指定商品に類似する商品について使用するものであり、商標法4条1項11号に該当するものとして登録することはできないから、拒絶査定不服審判の請求を成り立たないものとした本件審決の判断に誤りは ない。 第5 結論したがって、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水響 裁判官菊池絵理 裁判官頼晋一 (190)日本国特許庁(JP)商標公報(111)登録番号6434946(T6434946)(450)発行日令和3年(2021)9月14日(151)登録日令和3年(2021)8月27日(210)出願番号商願2020-104904(220)出願日  令和2年(2020)8月25日(732)商標権者 515064043株式会社オカモトホールディングス北海道帯広市東4 (220)出願日  令和2年(2020)8月25日(732)商標権者 515064043株式会社オカモトホールディングス北海道帯広市東4条南10丁目2番地(740)代理人  100109553 弁理士工藤一郎法区分  平成23年改正審査官  木住野勝也(541)登録商標(標準文字)(561)称呼(参考情報) ラクレコ検索用文字商標(参考情報) ラクレコ(500)商品及び役務の区分の数(511)商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第9類測定機械器具,ウエイトトレーニング機械器具で測定された負荷重量・マシーンの変位量・回動数・回動スピードのうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置,運動用トレッドミルで測定されたローラーベルトの傾斜角度・走行距離・運動経過時間・平均走行速度・消費カロリ・利用者の体重・歩数・歩幅・ピッチ・心拍数のうちいずれか一以上の値を受信して表示するデータ処理装置,ダウンロード可能なモバイル機器用のアプリケーションソフトウェア第28類運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),ボディトレーニング用器具第41類技芸・スポーツ又は知識の教授,個人指導(フィットネストレーニング),ボディトレーニングの知識の教授及び指導,健康管理についての知識の教授及び指導,フィットネスの教授,エアロビクスの教授,ヨ トレーニング),ボディトレーニングの知識の教授及び指導,健康管理についての知識の教授及び指導,フィットネスの教授,エアロビクスの教授,ヨガの教授,スポーツの興行の企画・運営又は開催,フィットネス施設の提供第42類情報端末用アプリケーションプログラムの提供国際分類第11版類似群コード(参考情報)第9類 10C01、11C01第28類 24C01第41類 41A01、41F01、41J01第42類 42X11(別紙引用商標) 商願2020-104904(1)商願2020-104904( 編集形式:MP-021 )===== 経過情報 ====== 【名称】 ラクレコ 【出願番号】 2020-104904【出願日】 2020/08/25 【公報発行日】 2021/09/14【公開番号】 【公開日】 2020/09/08【公告番号】 【公告日】【登録番号】 6434946 【登録日】 2021/08/27【国際出願番号】 【国際公開番号】 【公表番号】【国際登録番号】 【国際公開番号】 【公表番号】【国際登録番号】 【国際登録日】 【出願人】株式会社オカモトホールディングス 【審査最終処分種別】 特許/登録【最終処分日】 2021/08/27 【査定種別】 登録査定【査定発送日】 2021/08/20【審査種別】 通常審査 【早期審査マーク】 早期審査対象外 【審査・異議記事】 【商標更新登録記事】< 出願番号 > < 出願日 > < 登録日 > < 査定日 > < 審決日 > < 類変更 > 【存続期間満了日】 2031/08/27 【閉鎖原簿移記】 【権利抹消識別】 抹消されていない 【審査記録】<中間コード&名称> <日付> <審判番号>出願日 2020/08/25A63 商標登録願 2020/08/25公開日 2020/09/08A131 拒絶理由通知書 2021/07/26A523 手続補正書 9/08A131 拒絶理由通知書 2021/07/26A523 手続補正書 2021/08/05A53 意見書 2021/08/05A971015 応対記録 2021/08/05A01 登録査定 2021/08/20A01 登録査定 2021/08/20A61 登録料納付 2021/08/25R100 設定納付書 2021/08/25登録日 2021/08/27R150 登録証 2021/09/07公報発行日 2021/09/14A861 ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書 2021/09/14 2021/09/14A861 ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書 2021/09/14

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