平成11(行ウ)1 損害賠償請求住民訴訟

裁判年月日・裁判所
平成16年2月26日 津地方裁判所
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判決文本文35,139 文字)

主文 1 被告自民党議員団は,三重県に対し,金1869万5172円及びこれに対する平成14年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告らの被告自民党議員団に対するその余の請求並びに被告A,被告B,被告県民連合,被告C,被告D及び被告Eに対する請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,原告らに生じた費用の6分の1と被告自民党議員団に生じた費用の10分の9を被告自民党議員団の負担とし,原告ら及び被告自民党議員団に生じたその余の費用とその余の被告らに生じた費用を原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨(1)ア変更前被告自民党議員団,被告A,被告B及び被告Eは,三重県に対し,各自693万円及びこれに対する被告自民党議員団及び被告Bについては平成11年1月17日,被告A及び被告Eについては同月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ変更後被告自民党議員団,被告A,被告B及び被告Eは,三重県に対し,各自2056万4689円及びこれに対する平成14年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 被告県民連合,被告C,被告D及び被告Eは,三重県に対し,各自646万8000円及びこれに対する平成14年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は被告らの負担とする。 (4) 仮執行宣言 2 本案前の答弁(1) 本件訴えを却下する。 (2) 訴訟費用は原告らの負担とする。 3 請求の趣旨に対する答弁(1) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は原告らの負 仮執行宣言 2 本案前の答弁(1) 本件訴えを却下する。 (2) 訴訟費用は原告らの負担とする。 3 請求の趣旨に対する答弁(1) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は原告らの負担とする。 第2 事案の概要本件は,三重県の住民である原告らが,県政に関する調査研究を行う目的で交付される調査研究費(以下「研究費」という。)が,本来の用途に使用されておらず,研究費の支出負担行為及び支出命令並びに概算交付後の確定手続が違法であるなどと主張して,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの,以下「地方自治法」という。)242条の2第1項4号に基づき,三重県に代位して,その交付を受けた三重県議会の会派である被告自民党議員団及び被告県民連合,当時各会派の代表者又は経理責任者であった被告A,被告B,被告C及び被告D,並びに当時三重県知事であった被告Eに対し,研究費の一部を不当利得又は損害賠償として支払うよう求めた住民訴訟である。 1 争いのない事実等(1) 原告らは三重県民である。 (2)ア被告自民党議員団は,自由民主党所属の三重県議会議員を中心とした県政推進を目的とする政策集団である。 その代表者(団長)は,平成9年4月1日当時は被告B,同年5月16日からは被告A,平成10年5月12日から平成11年4月29日までは被告Bである。 イ被告県民連合は,平成8年5月に三重県職員組合及び三重県教職員組合の推薦を受けた三重県議会議員により結成された県政推進を目的とする政策集団である(乙31)。 その代表者は,平成9年4月1日当時は被告Dであり,平成10年3月23日以降は被告Cである。 ウ被告Eは,平成15年4月まで三重県知事の職にあった者である。 (3) 三重県議会には,平成9年4月1日当時,三重県議会各会派県政調査研究費交付要綱( ,平成10年3月23日以降は被告Cである。 ウ被告Eは,平成15年4月まで三重県知事の職にあった者である。 (3) 三重県議会には,平成9年4月1日当時,三重県議会各会派県政調査研究費交付要綱(以下「本件要綱」という。)及び三重県議会各会派県政調査研究費交付要領(以下「本件要領」という。)があり,次のとおり定められていた(乙62)。 ア本件要綱1条三重県議会における,各会派の県政に関する調査研究の推進に資するため,この要綱の定めるところにより各会派に対し,調査研究費を交付するものとする。 2条調査研究費は,毎年度予算の範囲内において定める額を限度額として,各会派に属する議員の数に応じて交付するものとし,議員に対しては交付しないものとする。 3条調査研究費は,各会派の代表者の申請に基づき,各四半期毎に概算交付できるものとし,毎年度分を翌年度の4月30日までに精算するものとする。 2 前項によりがたい場合は,別に定める方法により概算交付できるものとする。 4条各会派は,調査研究費の処理を行わせるため経理責任者を,定めなければならないものとする。 イ本件要領1項調査研究費の交付申請書は,別紙第1号様式(省略)により申請すること。 2項交付請求書は,別紙第2号様式(省略)により申請すること。 3項調査研究費は,次の経費に充てるものとすること。 (1) 会議費(2) 研究研修費(3) 資料購入費(4) 事務費4項実績報告書(精算書)は,別紙第3号様式(省略)により報告すること。 5項各会派の所属議員数は毎月1日現在とし,議員数の増減を生じたときは,その増減に応じ翌月から月割計算により調整するものとする。 (4) 被告自民党議員団への平成9年度研究費の支出状況は次のとおりである(なお,以下,被告Eの支出負担行為及び支出命令 増減を生じたときは,その増減に応じ翌月から月割計算により調整するものとする。 (4) 被告自民党議員団への平成9年度研究費の支出状況は次のとおりである(なお,以下,被告Eの支出負担行為及び支出命令,出納長又は収入役による支出,被告Eの精算手続を併せて「支出(広義)」といい,出納長又は収入役による支出のみを「支出(狭義)」という。)。 ア被告自民党議員団は,平成9年4月1日,被告Bを代表者,Fを経理責任者,所属議員数を21名として,研究費の交付申請書を,三重県知事であった被告Eに提出した(甲3)。 その明細は,①会議費250万円,②研究研修費7812万円,③資料購入費114万円,④事務費140万円の合計8316万円であった。 イ三重県知事であった被告Eは,被告自民党議員団に対する研究費として8316万円の支出負担行為をした(乙57の1・2)。 ウ被告自民党議員団は,平成9年4月1日,交付請求額を2079万円(ただし,第1四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した(乙57の3)。 被告自民党議員団は,平成9年7月1日,交付請求額を2079万円(ただし,第2四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した(乙57の7)。 被告自民党議員団は,平成9年10月1日,交付請求額を2079万円(ただし,第3四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した(乙57の10)。 第4被告自民党議員団は,平成10年1月5日,交付請求額を2079万円(ただし,4-四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した(乙57の13)。 エ三重県知事であった被告Eは,平成9年4月16日,同年7月1日,同年10月7日及び平成10年1月7日,被 概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した(乙57の13)。 エ三重県知事であった被告Eは,平成9年4月16日,同年7月1日,同年10月7日及び平成10年1月7日,被告自民党議員団に対する研究費の概算払として各2079万円の支出命令をした(乙57の4・5・8・9・11・12・14・15)。 上記研究費は,平成9年4月24日,同年7月15日,同年10月15日及び平成10年1月14日,支出(狭義)された(乙57の4・5・8・9・11・12・14・15)。 オ被告自民党議員団は,平成10年4月30日,代表者を被告Aとして,研究費の精算書を三重県知事であった被告Eに提出した(甲4の1・2)。 その明細は,①会議費756万円,②研究研修費4284万円,③資料購入費1260万円,④事務費2016万円の合計8316万円であった。 カ三重県知事であった被告Eは,平成10年5月12日,上記精算書に基づき,被告自民党議員団の研究費を8316万円と確定した(甲5)。 キ被告自民党議員団は,平成10年8月31日,前代表者の被告A及び当時の代表者の被告Bの連名で,上記精算書に誤りがあったとして,「平成9年度県政調査研究費清算書(訂正分)」(以下「本件訂正書」という。)を提出した(乙40の2)。 その明細は,①会議費159万4562円,②研究研修費4199万6817円,③資料購入費217万8278円,④事務費3739万0343円の合計8316万円であった。 もっとも,三重県知事であった被告Eは,本件訂正書に基づく再度の被告自民党議員団の研究費の確定は行っていない。 (5) 被告県民連合への平成9年度研究費の支出状況は次のとおりである。 ア被告県民連合は,平成9年4月1日,被告Dを代表者,被告Cを経理責任者,所属議員数を14名として,研究 確定は行っていない。 (5) 被告県民連合への平成9年度研究費の支出状況は次のとおりである。 ア被告県民連合は,平成9年4月1日,被告Dを代表者,被告Cを経理責任者,所属議員数を14名として,研究費の交付申請書を,三重県知事であった被告Eに提出した(甲6)。 その明細は,①会議費253万5000円,②研究研修費3675万円,③資料購入費267万1500円,④事務費1348万3500円の合計5544万円であった。 イ三重県知事であった被告Eは,被告県民連合に対する研究費として5544万円の支出負担行為をした(乙57の1・2)。 ウ被告県民連合は,平成9年4月ころ,交付請求額を1386万円(ただし,第1四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した。 被告県民連合は,平成9年7月ころ,交付請求額を1386万円(ただし,第2四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した。 被告県民連合は,平成9年10月ころ,交付請求額を1386万円(ただし,第3四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した。 被告県民連合は,平成10年1月ころ,交付請求額を1386万円(ただし,第4四半期分概算払)とする研究費の交付請求書を,三重県知事であった被告Eに提出した。 エ三重県知事であった被告Eは,平成9年4月16日,同年7月1日,同年10月7日及び平成10年1月7日,被告県民連合に対する研究費の概算払として各1386万円の支出命令をした(乙57の4・5・8・9・11・12・14・15)。 上記研究費は,平成9年4月24日,同年7月15日,同年10月15日及び平成10年1月14日,支出(狭義)された(乙57の4・5・8・9・11・12・14・15)。 オ被告県民連 ・14・15)。 上記研究費は,平成9年4月24日,同年7月15日,同年10月15日及び平成10年1月14日,支出(狭義)された(乙57の4・5・8・9・11・12・14・15)。 オ被告県民連合は,平成10年4月30日,代表者を被告Cとして,研究費の精算書を三重県知事であった被告Eに提出した(甲7の1・2)。 その明細は,①会議費1176万円,②研究研修費3108万円,③資料購入費252万円,④事務費1008万円の合計5544万円であった。 カ三重県知事であった被告Eは,平成10年5月12日,上記精算書に基づき,被告県民連合の研究費を5544万円と確定した(甲8)。 (6) 本件要綱及び本件要領は,平成10年5月8日,次のとおり改正された(甲1,2,乙17)。 ア本件要綱5条議長は,必要があると認めるときは,各会派の経理責任者に対し,経理簿等の資料の提示を求め,検査することができる。 付則この要綱は,平成10年5月8日から適用する。 イ本件要領3項調査研究費は,次の経費に充てるものとすること。この場合において,調査研究費の使途は,別表(省略)の基準によること。 (1) 会議費(2) 研究研修費(3) 資料購入費(4) 事務費(7)ア原告ら及びGは,平成10年10月6日,三重県監査委員に対し,平成9年度研究費について,①総額2億0988万円にも上るのに,支出区分が会議費,研究研修費,資料購入費,事務費の4項目のみで,それ以上の明細が公開されていないのは納得できない,②2つの会派(被告自民党議員団及び被告県民連合を指すと解される。)については,所属議員1人当たりの支出や月平均の支出がすべて1万円未満の端数のないものになっていて不自然であり,実際の支出額であるか疑念がある(ただし,被告自民党議員団については,本件訂正書に 。)については,所属議員1人当たりの支出や月平均の支出がすべて1万円未満の端数のないものになっていて不自然であり,実際の支出額であるか疑念がある(ただし,被告自民党議員団については,本件訂正書による訂正前の金額を前提としたもの)などとして,①平成9年度研究費の実態を精査してその結果を県民に公開するとともに,不適正な支出があるときは三重県に返還させる処置を講じること,②実績報告書の内訳を県民が納得できる詳細なものにして,公開の対象とすることを三重県知事に勧告するよう求める住民監査請求を行った(乙2,以下「第1回監査請求」という。)。 イ三重県監査委員H及び同Iは,平成10年10月28日,第1回監査請求につき,個別的,具体的な財務会計上の行為の摘示がなく,また具体的な違法性又は不当性の主張もないとの理由で却下した(乙1)。 (8)ア原告ら及びGは,平成10年11月20日,三重県監査委員に対し,平成9年度研究費について,被告自民党議員団の資料購入費1260万円の半額630万円(ただし,被告自民党議員団については,本件訂正書による訂正前の金額を前提としたもの)及び被告県民連合の会議費1176万円の半額588万円は,常識的に考えて目的外支出であるとして,三重県への返還を求めることを三重県知事に勧告するよう求める住民監査請求を行った(甲10,以下「第2回監査請求」という。)。 イ三重県監査委員H及び同Iは,平成10年12月4日,第2回監査請求につき,具体的な違法性又は不当性の主張がないとの理由で却下した(甲11)。 (9) 原告らは,平成11年1月2日,本件訴訟を当裁判所に提起した(当裁判所に顕著である。)。 (10) 本件要綱及び本件要領は,平成11年4月1日,次のとおり改正された(甲18の1ないし10,乙18ないし20)。 ア本件要綱 日,本件訴訟を当裁判所に提起した(当裁判所に顕著である。)。 (10) 本件要綱及び本件要領は,平成11年4月1日,次のとおり改正された(甲18の1ないし10,乙18ないし20)。 ア本件要綱(所属議員数等)5条 4条の所属議員数は,毎月1日における各会派の所属議員数による。 2 月の途中において議員の任期満了・退職・死亡又は所属会派からの脱会もしくは議会の解散等による増減が生じた場合には,その月分の研究費の交付については,これらの異動がなかったものとみなす。 1つの会派が他の会派と合併し,又は解散した場合も同様とする。 ただし,これらの増減が1日にあった場合は,その月から変更をおこなう。 3 各会派の所属議員数の計算については,同一議員を重複してすることはできない。 (検査等)9条議長は必要があると認めるときは,各会派の経理責任者に対し,経理簿等の資料の提示を求め,検査することができる。 イ本件要領(ただし,「三重県議会各会派県政調査研究費取扱要領」と名称が改められた。)2項調査研究費の使途は次の項目とし,詳細は別表(省略)の基準によるものとする。 (1) 会議費(2) 研究・研修費(3) 調査費(4) 行動費(5) 資料整備費(6) 事務費4項知事は前項の申請があったときは,その内容を審査し,適当と認めたときは調査研究費の交付を決定し,当該申請をした者に交付決定通知書(様式第4号(省略))により通知するものとする。 7項各会派の代表者は,当該年度の事業実績報告書(様式第6号(省略))及び決算報告書(様式第7号(省略))を翌年度の4月30日までに知事に提出するものとする。 8項知事は,前項の報告書を受理した場合において,その報告を審査して交付すべき金額を確定し,各会派の代表者に交付金確定通知書(様式第8号(省 を翌年度の4月30日までに知事に提出するものとする。 8項知事は,前項の報告書を受理した場合において,その報告を審査して交付すべき金額を確定し,各会派の代表者に交付金確定通知書(様式第8号(省略))により通知するものとする。 9項各会派の代表者は,交付を受けた調査研究費について剰余金が生じたときは,当該年度終了後(会派の解散等により消滅したときは,消滅後)速やかに知事に返還しなければならない。 10項各会派の経理責任者は,調査研究費に関する使途を明らかにする帳簿,証票類等を事業完了の日の属する年度の翌年から5年間保存しなければならない。 11項帳簿は,出納簿,使途区分別支出明細簿,県政調査研究活動簿,その他関係書類とする。会派雇用職員のある場合は,給与台帳,給与支給明細票等を整備すること。 (11) 被告県民連合に所属していた県議会議員の大半13人は,平成12年5月12日,三重県議会の第2会派であった県政会に所属する県議会議員18人とともに,「新政みえ」という名称の会派を結成した(乙14,24,37の1ないし31)。 その後,新政みえに所属していた県議会議員のうち5名は,平成13年5月11日,「無所属・MIE」という名称の会派を結成した(乙54)。 2 被告らの本案前の主張(1) 被告県民連合の当事者能力について上記1(11)のとおり,被告県民連合所属の議員は,平成12年5月12日,県政会所属の議員とともに新会派「新政みえ」を結成した。そして,被告県民連合に所属していた議員は,同年12月21日,三重県議会議長室において解散会を行った(乙32)。 したがって,被告県民連合は,平成12年5月12日に消滅し,当事者能力を喪失しているから,同被告に対する訴えは不適法である。 (2) 被告自民党議員団の研究費に関する訴えの変更の可否について 32)。 したがって,被告県民連合は,平成12年5月12日に消滅し,当事者能力を喪失しているから,同被告に対する訴えは不適法である。 (2) 被告自民党議員団の研究費に関する訴えの変更の可否について原告らは,平成14年3月14日付け「請求の趣旨及び原因変更申立書」により,被告自民党議員団に交付された研究費のうち目的外支出があり違法であると主張するものを資料購入費から事務費に変更しているが,この訴えの変更は,請求の基礎に変更があるので,許されない。 (3) 監査請求前置の有無についてア住民訴訟を提起するためには,形式的に住民監査請求を行っただけでは足りず,適法な住民監査請求を経なければならない。 住民監査請求において,請求人が当該財務会計上の行為の違法性又は不当性を主張するに当たっては,監査請求の全体からみて,当該財務会計上の行為が具体的な理由によって法令に違反し,あるいは行政目的上不適当である旨,すなわち,違法又は不当と主張する財務会計行為について,なぜそれが違法又は不当であるとするのか,その理由や事実を客観的かつ明確に指摘しなければならない。 しかし,原告らは,自らが違法とする財務会計行為を具体的に,日時,行為者,金額等により特定していない。また,被告自民党議員団の資料購入費及び被告県民連合の会議費の半額が目的外の支出であると主張するが,それは原告らの主観的な判断や推測に基づき違法というにすぎない。 そのため,原告らの監査請求は,違法性又は不当性の主張に根拠がなく不十分であり,地方自治法242条の規定に照らし住民監査請求として不適格であると判断され,却下されているのである。 イまた,上記(2)で訴えの変更が認められる場合,被告自民党議員団に関して原告らの行った監査請求は,本件訂正書による訂正前の資料購入費1260万円の半額が目的外 判断され,却下されているのである。 イまた,上記(2)で訴えの変更が認められる場合,被告自民党議員団に関して原告らの行った監査請求は,本件訂正書による訂正前の資料購入費1260万円の半額が目的外支出であるとして返還請求を求めるものであって,本件訂正書に基づき事務費3739万0343円の半額が目的外支出であるとの指摘に関しては監査請求を経ていない。 ウしたがって,原告らは適法な監査請求を経ていないから,本件訴訟は不適法である。 3 被告らの本案前の主張に対する原告らの反論(1) 被告県民連合の当事者能力について上記1(10)のとおり,平成11年4月1日改正後の本件要綱5条2項2文には,解散と合併が並列的に規定されている。したがって,被告県民連合所属の議員と県政会所属の議員が新政みえを結成したことが,解散と合併のいずれに当たるかを検討する必要がある。 本件で,被告県民連合が解散によって消滅したか,合併によって存続し又は新政みえに承継されたかは,被告県民連合を支持し,又は反対する県民等にとって政治的に重要であるばかりか,被告県民連合と取引している利害関係人等にとっても極めて重大な影響を被る問題であるから,会派を結成する議員の主観や政治活動の内容のみによって決すべきではなく,取引の安全等を考慮して客観的に判断すべきである。 そして,被告県民連合と県政会の統一会派の結成は,ほぼ同数の議員を擁する会派同士であることなどを素直に解釈する限り,新しい綱領の下,対等の立場で新設合併し,被告県民連合の責任は新政みえに承継されたと考えるべきである。 被告県民連合は解散会を行ったと主張するが,それは解散したと主張する日から7か月以上経過後のことであるし,実際に解散会が行われたのかすらも全く不明である。 (2) 訴えの変更の可否について原告らは,事前に情 合は解散会を行ったと主張するが,それは解散したと主張する日から7か月以上経過後のことであるし,実際に解散会が行われたのかすらも全く不明である。 (2) 訴えの変更の可否について原告らは,事前に情報公開請求を行ったが,被告自民党議員団の作成した本件訂正書は開示されなかった。 のみならず,被告らは,平成10年8月31日に本件訂正書を作成したと主張しながら,平成11年3月4日付け答弁書,第四[請求の原因第三について]一項において,資料購入費が1260万円であることを概ね認めると答弁し,本件訂正書の存在については一切述べていなかったのである。そして,被告らは,平成13年5月16日付け準備書面(1)で初めて,本件訂正書の存在に言及したが,このように主張が遅れた理由は明らかにされていない。 被告自民党議員団らが訴えの変更は許されないと主張することは,本件訴訟の従前の経過に照らし,禁反言の法理に反するものであり,民訴法2条の信義誠実の原則に反し許されず,訴えの変更は認められるべきである。 (3) 監査請求前置の有無についてア第1回監査請求の適法性原告らの第1回監査請求は,理由又は事実を客観的かつ明確に主張している。 これに対して,被告らは,原告らの住民監査請求における違法性又は不当性の主張に根拠がなく不十分であると主張する。 しかし,研究費の交付を受けた会派が,それらを具体的にどのように使用したかは,当該交付を受けた被告Eを除く被告ら6名のみが知るところである。 三重県のように,交付申請書,実績報告書(精算書)に,会議費,研究研修費,資料購入費及び事務費の4項目の記載しか求めず,しかも,見積書,領収書及び帳簿の添付すら要求しない当時の運用の下においては,住民にはこれを知る手がかりは何もない。このような状況下では,住民が,被告自民党議員団及び被告県 4項目の記載しか求めず,しかも,見積書,領収書及び帳簿の添付すら要求しない当時の運用の下においては,住民にはこれを知る手がかりは何もない。このような状況下では,住民が,被告自民党議員団及び被告県民連合の人数,議員としての多忙さ,交付申請書,実績報告書(精算書)の内容等を総合的に考慮し,社会通念に照らして判断して理由又は事実を示した場合,十分に客観性が担保され,かつ明確というべきである。被告らが原告らの主張を真実と異なると主張するのであれば,見積書や領収書等を提出すべきである。 上記1(10)のとおり,平成11年4月1日に本件要綱及び本件要領が改正されたことは,第1回監査請求に根拠があったことを裏付けている。 イ第1回監査請求が却下された後,住民訴訟を提起せず第2回監査請求を経たことの適法性(ア) 原告らは,第1回監査請求が却下された後,監査請求の内容を監査委員の指摘する点等も踏まえて補正するなどした上,監査委員に再度の監査の機会を与えるため,第2回監査請求に及んだ。この場合,直ちに住民訴訟を提起せず,第2回監査請求を経たことが適法であることは,最高裁第3小法廷平成10年12月18日判決・民集52巻9号2039頁からも明らかである。 すなわち,住民監査請求制度は,まず監査委員に財務会計上の行為等の違法,不当を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正させることを目的としている。この目的からすると,監査委員が適法な住民監査請求の機会を与えられたにもかかわらず,これを却下し監査を行わなかったために当該財務会計上の行為等の違法,不当を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正する機会を失した場合には,当該請求をした住民に再度の監査請求を行わせることを認めることにより,監査委員に重ねて監査の機会を与えるべき 当を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正する機会を失した場合には,当該請求をした住民に再度の監査請求を行わせることを認めることにより,監査委員に重ねて監査の機会を与えるべきである。 また,監査委員が住民監査請求を不適法であるとして却下した場合,当該請求をした住民が,却下の理由に応じて必要な補正を加えるなどして,当該請求に係る財務会計上の行為等を対象とする再度の住民監査請求に及ぶことは,請求を却下された者として当然の行為である。 (イ) そうだとすると,当該請求をした住民が住民訴訟を提起せずに再度の住民監査請求を行った場合,第2回監査請求が第1回監査請求とその対象を同じくすることを理由に不適法であるとするのは,出訴期間等の点で当該住民から住民訴訟を提起する機会を不当に奪うことになり,著しく妥当性を欠く。 ウ第2回監査請求の適法性(ア) 「第1回監査請求」を「第2回監査請求」に読み替えるほかは,上記アに同じ。 (イ)a 本件では地方自治法が予定しない監査請求の却下という措置がとられており(地方自治法242条3項は,監査結果の内容としては請求に理由があるかないかの2種類しか認めていない),地方自治法242条の2第1項所定の「監査委員が同条第3項の規定による監査若しくは勧告を同条第4項の期間内に行わないとき」に該当する(最高裁第3小法廷平成2年6月5日判決・民集44巻4号719頁における園部逸夫裁判官の反対意見参照)。 b 住民監査請求は,地方公共団体の執行機関又は職員について,財務会計上の不正な行為等があることを住民が新聞記事その他何らかの情報により察知し,それが法的な観点からみて違法又は不当な疑いがあると考える場合に,そのような事実があるかどうかについて,監査委員に監査を求める制度である。すなわち,住民監査請求 記事その他何らかの情報により察知し,それが法的な観点からみて違法又は不当な疑いがあると考える場合に,そのような事実があるかどうかについて,監査委員に監査を求める制度である。すなわち,住民監査請求は,住民が監査委員の職権の発動を促すことを認めたものにすぎず,行政機関,職員又は私人等の特定の相手方に対して,具体的に何らかの請求をする当事者適格を認めたものではない。 住民監査請求を受けた監査委員は,請求に理由がないと認めるときは,理由を付して請求人に通知し,かつ,これを公表し,請求に理由があると認めるときは,関係の機関又は職員に対する所定の勧告をし,その内容を請求人に通知し,かつ,これを公表しなければならない(地方自治法242条3項)。つまり,住民監査請求制度には,行政不服審査法所定の不服申立てあるいは住民訴訟における請求の棄却又は認容という制度がそもそも存在せず,請求の棄却又は認容の前提となるべき争訟の対象の具体的特定という観念がそもそも存在しない。 同様に,住民監査請求には,請求要件の欠缺を理由とする却下の制度も定められていない。審査請求の場合には,審査庁又は処分庁による認容,棄却又は却下の意思表示の方法として,裁決又は決定の方式が定められているが,住民監査請求にはそのような方式も定められていない。 c したがって,住民監査請求においては,請求の趣旨も理由も全く不明瞭で監査請求書として受理することが困難な場合に限り,これを返戻することができるが,そうでない限り,要件を欠くということで直ちに却下することなく,可能な限り請求を受理して,その内容について監査をし,請求の理由の有無について判断した上,地方自治法242条3項の定める応答措置を行うべきである。 d しかるに,本件では,監査請求の却下が事実上行われているが,本件のように却下措置 について監査をし,請求の理由の有無について判断した上,地方自治法242条3項の定める応答措置を行うべきである。 d しかるに,本件では,監査請求の却下が事実上行われているが,本件のように却下措置を不服として提起された住民訴訟について,監査請求を経ていない,又は監査請求をしていないとみて,原告らの本件住民訴訟を却下することは許されない。 エ被告らの本案前の主張(3)イに対して原告らは,監査請求及び本件訴訟を通じて,被告自民党議員団の資料購入費の違法性を主張してきたが,これにより全体としての概算受領額,決算額及び精算額の違法性をも主張してきた。したがって,全体としての金額である8316万円の支出が違法ということになれば,事務費等についても間接的にではあるが,影響を受けないはずがない。 したがって,事務費等についても,既に住民監査請求を経たということができる。 4 本案についての原告らの主張(1) 被告自民党議員団への平成9年度研究費に関する支出(広義)(当該行為)の違法性についてア(ア) 総額1260万円の資料購入は,交付申請書の資料購入費の見込額114万円と大きくかけ離れていること,資料購入費の項目で支出できる経費は,図書,新聞,雑誌,ビデオの購入費等に限定されていること,被告県民連合の資料購入費が252万円にすぎないこと,その他諸般の事情を社会通念に照らして総合的に判断すると,資料購入費として適法と認められる金額は1260万円の2分の1の630万円である。 (イ) したがって,上記630万円を超える部分の630万円については,資料購入費の項目に反した目的外支出であり,当時の要綱の趣旨に反し,議員個人に交付された可能性を強く推認させる。 イ(ア) 被告自民党議員団の事務費総額3739万0343円を12か月で割ると311万5862円 の項目に反した目的外支出であり,当時の要綱の趣旨に反し,議員個人に交付された可能性を強く推認させる。 イ(ア) 被告自民党議員団の事務費総額3739万0343円を12か月で割ると311万5862円となる。 この項目で支出できる経費は,賃金,旅費,需用費,通信運搬費及び備品購入費に限定されている上,個々の単価は必ずしも高くないと思料されることなどから,月額311万5862円の支出を裏付ける合理性はない。さらに,事務費は,交付申請書では140万円と見込まれており大きくかけ離れていること,被告県民連合が被告自民党議員団の約4分の1の1008万円にすぎず,所属する議員の数をもってしても合理的に説明できないこと,その他諸般の事情を社会通念に照らして総合的に判断すると,事務費として適法と認められる金額は3739万0343円の約2分の1の1869万5171円である。 (イ) したがって,上記1869万5171円を超える部分の1869万5172円については,事務費の項目に反した目的外支出であり,当時の本件要綱の趣旨に反し,議員個人に交付された可能性を強く推認させる。 ウ概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令の違法性平成9年度交付申請書の項目は,わずか4項目に限定されており,いかなる支出がいかなる名目で行われるかについて,何らの判断材料を提供していない(甲3)。のみならず,支出の必要性を基礎付ける内訳書や前年度との比較といった資料の添付すらも要求していない。 概算交付された金額は,交付申請書に記載された金額そのままであり,その使途も不明であるのに,何らのチェックも行われた形跡がない。 したがって,上記ア,イの部分の概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令は違法である。 エ精算(確定)の違法性概算交付された金額が,そのまま確定されている(甲4の1・2 ックも行われた形跡がない。 したがって,上記ア,イの部分の概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令は違法である。 エ精算(確定)の違法性概算交付された金額が,そのまま確定されている(甲4の1・2,5)。とりわけ,実績報告書においては,交付申請書記載の金額と大きく異なったものもあるのに,これに対し,何らのチェックも行われた形跡がない。被告自民党議員団に関しては,確定後に本件訂正書(乙40の2)が提出されているにもかかわらず,確定に何らの影響も及ぼさないとしているが,このような結果は,4項目間での流用を認めるものであり,地方自治法に反し,違法である。 三重県議会においては,実績報告書に領収書や帳簿の添付を要求するとか,支出一覧の記載を義務付けるなど一切行っていないが,普通地方公共団体の中には,これらの提出や記載を義務付けているものも多数ある。このことは,県と市町村レベルの違いといったことでは説明できない。これは,三重県議会が市町村レベルより遅れている事実以外の何物でもない。かつ,その遅れは,制度を改善すれば容易に導入できるはずの領収書等の提出義務化を故意又は重大な過失により怠っていることに由来するものであり,このことは,地方自治法232条の2に反し,精算手続を違法ならしめる。 したがって,上記ア,イの部分の精算(確定)は違法である。 オ違法性の立証責任研究費の交付が違法であることについて,法的な立証責任が原告らにあることは認めるが,その立証責任は事実上緩和され,被告らにおいて不正受給の事実がなかったことを事実上証明すべきである。 被告らが提出した領収書等によって証明できる事実についてはまだしも,「被告らが保存義務がないため廃棄されてきた」と主張する証拠や事実については,原告らにはこれらを弾劾する証拠はないからである。また,これまで自ら た領収書等によって証明できる事実についてはまだしも,「被告らが保存義務がないため廃棄されてきた」と主張する証拠や事実については,原告らにはこれらを弾劾する証拠はないからである。また,これまで自らがチェック機能を果たしてくるべきであったのに,そうしてこなかった被告らに不正受給の事実がなかったことを立証させるのが公平である。 カ政治活動の自由との関係(ア) 被告自民党議員団に政治活動の自由が保障されていることはもちろんである。しかし,政治活動の自由といえども絶対無制約ではない。 例えば,我が国の政治資金規正法は,公開制を相当強化し,選挙管理委員会又は総務大臣に提出され,かつ,閲覧に供されるべき収支報告書の記載事項をかなり詳細に規定している。この制度は,とりわけ選挙民に情報を提供し,政治過程の腐敗を防止するという公共的利益の観点から正当化されている。 (イ) 研究費について,仮に領収書の添付を要求することとしても,政治活動の自由そのものが制限されるわけではない。既に行われた研究費の交付が目的どおり正当に支出されているか,目的外支出がないか,議員個人に渡っていないか等を判断するために必要な限度で政治活動の収支状況を明らかにすることを求めるものである。それは,三重県民に情報を提供し,県政における政治過程の腐敗,とりわけ地方公共団体の長と政策集団又は議員個人間における癒着を防止するという公共的観点から正当化される。 したがって,そのような腐敗を防止することが狙いである以上,目的外使用があった場合,住民によって直接選挙された長による返還命令の制度を認めることはむしろ当然である。これをもって,長に各会派への干渉を認めることになるとか,政治活動の自由が侵害されることになるなどの批判は当たらない。 まして,本件では,要綱により領収書の添付を義務付けら ることはむしろ当然である。これをもって,長に各会派への干渉を認めることになるとか,政治活動の自由が侵害されることになるなどの批判は当たらない。 まして,本件では,要綱により領収書の添付を義務付けられていたわけではなく,司法過程において領収書の提出を迫られているだけであるから,政治活動の自由が制約される度合いは,より希薄である。 (2) 被告県民連合への平成9年度研究費に関する支出(広義)(当該行為)の違法性についてア被告県民連合の会議費総額1176万円を12か月で割ると98万円となる。 一会派として県政に関する調査研究に資する会議を開催し,研さんに励むとしても,月平均100万円近い経費を要する会議の開催は,物理的にも労力的にも不可能である。会議費は,交付申請書では253万5000円と見込まれており大きくかけ離れていること,被告自民党議員団の会議費が756万円とされていること(しかも,159万4562円に修正されている。)との対比,その他諸般の事情を社会通念に照らして総合的に判断すると,会議費として適法と認められる金額は1176万円の2分の1の588万円である。 したがって,上記588万円を超える部分の588万円については,会議費の項目に反した目的外支出であり,当時の要綱の趣旨に反し,議員個人に交付された可能性を強く推認させる。 イ概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令の違法性平成9年度交付申請書の項目は,わずか4項目に限定されており,いかなる支出がいかなる名目で行われるかについて,何らの判断材料を提供していない(甲6)。のみならず,支出の必要性を基礎付ける内訳書や前年度との比較といった資料の添付すらも要求していない。 概算交付された金額は,交付申請書に記載された金額そのままであり,その使途も不明であるのに,何らのチェックも行われた 必要性を基礎付ける内訳書や前年度との比較といった資料の添付すらも要求していない。 概算交付された金額は,交付申請書に記載された金額そのままであり,その使途も不明であるのに,何らのチェックも行われた形跡がない。 したがって,上記アの部分の概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令は違法である。 ウ精算(確定)の違法性概算交付された金額が,そのまま確定されている(甲7の1・2,8)。とりわけ,実績報告書においては,交付申請書記載の金額と大きく異なったものもあるのに,これに対し,何らのチェックも行われた形跡がない。 三重県議会においては,実績報告書に領収書や帳簿の添付を要求するとか,支出一覧の記載を義務付けるなど一切行っていないが,普通地方公共団体の中には,これらの提出や記載を義務付けているものも多数ある。このことは,県と市町村レベルの違いといったことでは説明できない。これは,三重県議会が市町村レベルより遅れている事実以外の何物でもない。かつ,その遅れは,制度を改善すれば容易に導入できるはずの領収書等の提出義務化を故意又は重大な過失により怠っていることに由来するものであり,このことは,地方自治法232条の2に反し,精算手続を違法ならしめる。 したがって,上記アの部分の精算(確定)は違法である。 エ 「被告自民党議員団」を「被告県民連合」と読み替えるほかは,上記(1)オ,カに同じ。 (3) 被告Eが,同被告を除く被告らの不正受給を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求権又は精算をしないという債務不履行による損害賠償請求権の行使を怠る事実についてア被告Eを除く被告らの不法行為被告Eを除く被告らは,交付申請前から,目的外支出(議員個人への交付)をすることを目的として申請に及び,概算額の交付を受け,かつ全く精算をせず,概算受領額をそのまま精算額と Eを除く被告らの不法行為被告Eを除く被告らは,交付申請前から,目的外支出(議員個人への交付)をすることを目的として申請に及び,概算額の交付を受け,かつ全く精算をせず,概算受領額をそのまま精算額としたものであり,当初から補助金を不正に受給する意図をもって交付申請した。 そして,その金額を必要であると軽信した被告Eから調査研究費として概算額を受領し,その結果,精算を行わないことにより三重県に損害を与えた。 イ被告Eを除く被告らの債務不履行被告Eを除く被告らは,概算受領した平成9年度研究費を翌年度である平成10年4月30日までに精算する方法が可能であったのであり,精算を行って差額を三重県に返還すべきであったのに,精算を行わず,概算受領額をそのまま決算額及び精算額として三重県に返還しない。 ウ被告自民党議員団,被告A及び被告Bの上記不法行為又は債務不履行により,三重県が被った損害は次のとおりである。 (ア) 被告自民党議員団の事務費分のうちの1869万5172円(変更前は資料購入費分のうちの630万円)(イ) 弁護士報酬 186万9517円(変更前は63万円)住民訴訟を通じて三重県が被告自民党議員団,被告A,被告B及び被告Eから損害の填補を受けた場合は,原告訴訟代理人たる弁護士に報酬を支払う義務を負担しているところ,その弁護士報酬額は186万9517円(変更前は63万円)が相当である。 (ウ) 合計 2056万4689円(変更前は696万円)エ被告県民連合,被告B及び被告Dの上記不法行為又は債務不履行により,三重県が被った損害は次のとおりである。 (ア) 被告県民連合の会議費のうちの588万円(イ) 弁護士報酬 58万8000円住民訴訟を通じて三重県が被告県民連合,被告C,被告D及び被告Eから損害の填補を受けた場合は,原告訴訟代理人た 。 (ア) 被告県民連合の会議費のうちの588万円(イ) 弁護士報酬 58万8000円住民訴訟を通じて三重県が被告県民連合,被告C,被告D及び被告Eから損害の填補を受けた場合は,原告訴訟代理人たる弁護士に報酬を支払う義務を負担しているところ,その弁護士報酬額は58万8000円が相当である。 (ウ) 合計 646万8000円オそれにもかかわらず,被告Eは,上記不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権の行使を怠っている。 (4) 被告Eの責任ア当該行為についての責任被告Eは,三重県知事であり,研究費の交付を行い,実績報告及び精算報告を受け,必要とあれば,要綱及び要領等を改善し得る立場にあったにもかかわらず,交付申請書,報告書及び精算書の内容を改善し,その運用実態を点検することなどを怠り,わずか4項目と余りに包括的にすぎ,見積書,領収書及び帳簿の添付すら要求せずに,交付申請を行わせて調査研究費を交付し,報告(精算)を受けたから,被告Eは,被告自民党議員団及び被告県民連合への平成9年度研究費に関する支出(広義)(当該行為)につき過失がある。 イ怠る事実についての責任被告Eは,財務会計行為を行った三重県の長であり,被告自民党議員団及び被告県民連合らに対し,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求権を行使すべき立場にありながら,故意又は過失によりこれを怠っている。 (5) 被告Eを除く被告らの責任ア平成9年度研究費に関する支出(広義)(当該行為)の相手方としての責任被告自民党議員団及び被告県民連合への平成9年度研究費に関する支出(広義)は無効であるから,被告Eを除く被告らは,概算受領した平成9年度の研究費のうち目的外に支出された分(被告自民党議員団については事務費分のうちの1869万5172円又は資料購入費分のうちの630万円 )は無効であるから,被告Eを除く被告らは,概算受領した平成9年度の研究費のうち目的外に支出された分(被告自民党議員団については事務費分のうちの1869万5172円又は資料購入費分のうちの630万円で,被告県民連合については会議費分のうちの588万円である。)を不当利得として返還すべき義務がある。 イ怠る事実の相手方としての不法行為又は債務不履行の責任被告A,被告B,被告C及び被告Dは,代表者あるいは研究費交付事務に深く関与した者であるから,上記(3)ア,イの不法行為又は債務不履行の責任がある。 (6) よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,三重県に代位して,①被告Eに対しては,当該職員に対する損害賠償の請求として,被告自民党議員団,被告A及び被告Bに対しては,当該行為(被告自民党議員団に対する平成9年度の研究費の支出負担行為及び支出命令並びに概算交付後の確定)に係る相手方に対する不当利得返還の請求又は怠る事実(被告Eが不法行為又は債務不履行による損害賠償請求を怠っていること)に係る相手方に対する損害賠償の請求として,各自2056万4689円及びこれに対する請求の拡張がなされた日の翌日である平成14年3月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金(変更前は,各自693万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である被告自民党議員団及び被告Bについては平成11年1月17日,被告A及び被告Eについては同月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金)の支払を,②被告Eに対し,当該職員に対する損害賠償の請求として,被告県民連合,被告C及び被告Dに対し,当該行為(被告県民連合の平成9年度の研究費の支出負担行為及び支出命令並びに概算交付後の確定)に係る相手方に対する不当利得返還の請求又は怠る 害賠償の請求として,被告県民連合,被告C及び被告Dに対し,当該行為(被告県民連合の平成9年度の研究費の支出負担行為及び支出命令並びに概算交付後の確定)に係る相手方に対する不当利得返還の請求又は怠る事実(被告Eが不法行為又は債務不履行による損害賠償請求を怠っていること)に係る相手方に対する損害賠償の請求として,各自646万8000円及びこれに対する訴状送達日の後である平成14年3月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 5 本案についての原告らの主張に対する被告らの反論(1) 被告自民党議員団への平成9年度研究費に関する支出(広義)の適法性についてア被告自民党議員団は,本件訂正書により精算書を訂正した結果,資料購入費は217万8278円である。これは,議員21人が所属する会派としては少ないもので,違法な支出といえない。 イ(ア) 被告自民党議員団は三重県議会における会派であるが,研究費については,議員総会を開いて支出内容を取り決めている。 平成8年6月の議員総会で,議員1人当たり,事務費については16万円(調査研究に要する通信費を月額5万円,消耗品・印刷代その他を月額3万円,その他事務諸費を月額8万円),管内の調査費が8万円,合計24万円とする旨申し合わせた(平成8年8月から施行)。 管外会議費,資料購入費,管内研究研修費及び県外旅費は必要に応じて実績に基づき,各議員が請求することとした。 (イ) 上記のうち,定額の支給部分は,県政調査研究費交付金について予算上の制約があるので,被告自民党議員団所属の議員間で申合せをして,自発的に規制したものである。 a 調査研究に要する通信費(月額5万円)についてこれは,議員が県政調査活動に際して費消する電話代,ファクシミリ代,携帯電話代,切手,葉書等の郵便料等 で申合せをして,自発的に規制したものである。 a 調査研究に要する通信費(月額5万円)についてこれは,議員が県政調査活動に際して費消する電話代,ファクシミリ代,携帯電話代,切手,葉書等の郵便料等である。被告Bは津市を選挙区としており,比較的狭い選挙区であったが,2か所に事務所を設けて活動しており,毎月相当の通信費を要しており,月額5万円では不足していたが,被告自民党議員団所属の議員間での申合せにより,月額5万円の範囲内で請求できることとしたものである。 b 調査研究に要する消耗品,印刷代その他(月額3万円)についてこれは,議員が県政調査活動に際して費消する事務用消耗品,パソコンやコピー機の損料,リース代,コピー機のトナーの費用,用紙代等である。被告Bは志登茂川や安濃川の河川改修のための調査研究を活発に行っており,そのための資料のコピー等に費消している。月額3万円では到底不足するが,被告自民党議員団所属の議員間での申合せにより,月額3万円の範囲内で請求できることとしたものである。 c 調査研究に要するその他事務諸費(月額8万円)についてこれは,事務職員の賃金等の諸費用である。被告Bは津市内に事務所を2か所設置し,事務員2名(アルバイト)を雇用していたが,事務員1人の賃金として毎月10万円弱(800円×6時間×20日=9万6000円)を要しており,その賃金だけでも月額8万円を超えていたものである。 d 管内(選挙区内)調査費(月額8万円)についてこれは,議員が選挙区内の県政調査活動に際して費消するガソリン代,電車・バス代,タクシー代,車のリース料等である。ガソリン代は,三重県職員等の旅費に関する条例により平成9年度当時1キロメートル当たり37円のガソリン代等の費消が認められており,これを参考にしていたものである。 (ウ) 各議員は, ス料等である。ガソリン代は,三重県職員等の旅費に関する条例により平成9年度当時1キロメートル当たり37円のガソリン代等の費消が認められており,これを参考にしていたものである。 (ウ) 各議員は,毎月,会派の代表者である団長あてに請求し,団長及び経理責任者は,上記申合せに従い,請求内容項目等をチェックの上,支出していた。県政調査研究費で支出できない慶弔費,食事遊興費,レクリエーション等雑費,後援会援助費等には一切支出していない。 ウ三重県補助金等交付規則12条,13条は補助金の実績報告及び額の確定について,次のとおり規定している。 (実績報告)第12条補助事業者等は,補助事業等が完了したとき(補助事業等の廃止の承認を含む。)は,補助事業等実績報告書(第2号方式)に別に定める書類を添えて知事に報告しなければならない。補助金等の交付の決定に係る県の会計年度が終了した場合もまた同様とする。 2 前項後段の規定による補助事業等実績報告書には,翌年度以降の補助事業等の遂行に関する計画を附記しなければならない。ただし,その計画が当該補助金等の交付の決定の内容となった計画に比して変更がないときは,この限りでない。 (補助金等の額の確定)第13条知事は,補助事業等の完了又は廃止に係る補助事業等の成果の報告を受けた場合においては,報告書等の書類の審査及び必要に応じて行なう現地調査等により,その報告に係る補助事業等の成果が補助金の交付の決定の内容及びこれに附した条件に適合するものであるかどうかを調査し,適合すると認めたときは,交付すべき補助金等の額を確定するものとする。 2 第6条の規定は前項の確定した場合に準用する。 また,知事は,補助事業者等が,「2 第9条の規定に違反して補助金等を他の用途に使用したとき。3 第20条の規定に違反して承認を受け するものとする。 2 第6条の規定は前項の確定した場合に準用する。 また,知事は,補助事業者等が,「2 第9条の規定に違反して補助金等を他の用途に使用したとき。3 第20条の規定に違反して承認を受けないで補助事業等により取得し,又は効用の増加した財産を補助金等の交付の目的に反して使用し,譲渡し,貸付け,又は担保に供したとき。」は,補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる(同規則16条1項2号,3号)。 同規則17条は,補助金等の交付の決定を取り消した場合,補助金の返還を命ずるものとしている。 以上のとおり,三重県補助金交付規則は,補助金の書類審査や現地調査権,目的外使用の場合の補助金等の交付決定の取消し,返還命令について規定しているのである。 エ研究費が補助金に該当するとしても,その支出が公共性ないし公益性を有するものといえるかどうかは,究極には当該区域住民の民意に存立の根拠を置く当該地方公共団体の担任機関が,当該地方公共団体の置かれた地理的,社会的,経済的事情や特性,他の行政政策との関連等を総合的に考慮した上で判断することが,地方自治の精神に合致するものである。 したがって,その適法性の判断は当該地方公共団体の担任機関の裁量に委ねられているものというべきであり,その判断が著しく不合理で,裁量権を逸脱し又は濫用するものであると認められる場合にのみ違法となると解するのが相当である。 本件要綱が実績報告書に証票を添付することを要しないと定めていても,研究費の交付目的,政務調査研究活動の内容は成果を具体的に評価することが困難であり,政治活動の自由とも密接に関連するものであり,規則に違反しているとはいえない。 オ平成11年4月1日以降の本件要綱及び本件要領は,帳簿証票類等を5年間保存しなければならない旨規定しているが,それ以 政治活動の自由とも密接に関連するものであり,規則に違反しているとはいえない。 オ平成11年4月1日以降の本件要綱及び本件要領は,帳簿証票類等を5年間保存しなければならない旨規定しているが,それ以前はそれに相当する規定はなかったので,帳簿証票類等は,当該年度が終了し,交付額が確定すると,廃棄されている。 (2) 被告県民連合への平成9年度研究費に関する支出(広義)の適法性についてア(ア) 被告県民連合の会議費の内訳は,以下のとおりである。 各議員の管内,各種会議費480万2000円県内諸会議,会派総会の会議費388万4000円県外諸会議参加旅費211万5000円会派総会等会議に必要な茶菓子及び弁当代 66万7000円会場借上料,講師謝礼等29万2000円(合計)1176万0000円(イ) 被告県民連合は,毎年度4月中旬ころ,議員総会を開いて,各議員の所属委員会の決定や年度の方針を決め,研究費の支出の方針等についても取り決めている。 平成9年度については,平成9年4月中旬に議員総会を開き,会派としての年度方針,各議員の所属委員会を決め,県外視察先を原子力発電所の視察と東京方面(文部省,厚生省)視察と決め,県民連合の県政調査研究費から支出することと決めたものである。さらに,平成9年5月ころ,会派として,県政調査研究費交付金の支給基準を決め,「調査委託費支給基準」として各議員に配付した(乙78)。 この支給基準によれば,議員1人当たり,区内調査は月額7万円,印刷・調査事務用品費月額1万円,調査事務通信費月額5万円と決められている。本来ならば不足であるが,被告県連合所属の議員間の協議によりその他の費用は実費を領収書で確認して支出していたものである。 a 選挙区内調査費月額7万円各議員が,自分の選挙区内の日常活動 られている。本来ならば不足であるが,被告県連合所属の議員間の協議によりその他の費用は実費を領収書で確認して支出していたものである。 a 選挙区内調査費月額7万円各議員が,自分の選挙区内の日常活動において,県政について調査が必要と認められるガソリン代,タクシー代,バス代等交通費等を勘案の上,一括して7万円を請求できることとした。 選挙区内調査費を月額7万円としたのは,三重県職員についての職員等の旅費に関する条例を参考にしてガソリン車輌損料1キロメートルにつき37円で計算すると概ね調査活動費用としての旅費は月額7万円を上回ることは明らかであった。 ガソリン代や通信費は,選挙区によって異なるが,N議員(南牟婁郡選出)の一例から明らかなように,月額7万円を超えるのが通常であったので,申合せにより7万円を上限としたのである。 b 印刷・調査事務用品費月額1万円議員が県政の調査結果を報告するためのコピー代等印刷費として月額1万円を請求することができることとした。ただし,1万円を超えた場合は,領収書を付して請求できることとされた。 各議員は,毎月コピー機の用紙代,インク代,県政報告の印刷費等に多額の費用を要していたが,予算の都合により基本的に月額1万円に限定したものである。被告C自身も,平成10年2月18日に県政レポートの印刷費として13万2300円を要しているが,予算の都合上,月額1万円としていたものである。 c 調査事務通信費月額5万円各議員が県政調査のために使う電話(携帯電話も含む。),電報,レタックス,ファックス,葉書,切手等については,月額5万円を請求できることとした。毎月の通信費が5万円を超えることは明らかである。被告Cの場合,平成9年度の電話代,携帯電話代,郵便切手代の一部の領収書が発見されたので提出するが,通信費の一部分の領収書 円を請求できることとした。毎月の通信費が5万円を超えることは明らかである。被告Cの場合,平成9年度の電話代,携帯電話代,郵便切手代の一部の領収書が発見されたので提出するが,通信費の一部分の領収書にすぎない。 (ウ) 乙33の1ないし29,34の1ないし12,35の1ないし8,36の1ないし45のとおり,各議員は,毎月会派の経理責任者(平成9年度は被告C)に提出し,第1次的にはチェックを受け,更に会派代表(平成9年度は被告D)にチェックしてもらい,支出していた。 (エ) 原告らは,月平均100万円近い経費を要する会議の開催は,物理的にも労力的にも不可能であり,被告県民連合の会議は多額に過ぎる旨主張する。 しかし,本件要綱は,平成11年4月1日に改正される以前は,調査等の費用をどの分類に入れるかは不分明であったのであり,被告県民連合としては,それを会議費として分類し,集計していたのである。 イ上記(1)ウないしオに同じ。 (3) 被告らの責任に関する原告らの主張については,すべて否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 被告らの本案前の主張について(1) 被告県民連合の当事者能力上記第2,1(2)イ,(5)及び弁論の全趣旨によれば,被告県民連合は,三重県議会における会派であり,綱領を有し(乙31),代表者及び議員総会といった機関を置いていたこと,所属議員から会費を徴収し,それにより運営されていたこと(乙102の1),平成7年4月から平成12年5月まで5年間に渡って活動した実態があること(乙60),会派として三重県知事に対し研究費の交付を申請し,受領し管理していたことが認められるから,権利能力なき社団であるということができる。 ところで,上記第2,1(11)のとおり,被告県民連合に所属する議員は,平成12年5月12日,三重県議会における別 領し管理していたことが認められるから,権利能力なき社団であるということができる。 ところで,上記第2,1(11)のとおり,被告県民連合に所属する議員は,平成12年5月12日,三重県議会における別の会派県政会に所属する議員とともに「新政みえ」を結成しているから,被告県民連合は解散したと認められる。しかし,被告県民連合が不法行為若しくは債務不履行に基づく損害賠償債務又は不当利得返還債務を負担していると主張される場合は,それが存在しないことが確定しない限り,その範囲で権利能力が存続すると解するのが相当である(民法73条,商法116条参照)。 したがって,被告県民連合は当事者能力を有しているというべきであり,同被告に対する訴えは適法である。 (2) 訴えの変更の可否原告らが被告自民党議員団の関係で違法であると主張する財務会計行為は,①被告自民党議員団の平成9年度の研究費の支出負担行為及び支出命令並びに概算交付後の確定(被告Eの当該行為),②被告自民党議員団の平成9年度の研究費の交付に係る被告自民党議員団,被告A及び被告Bの不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権の行使を被告Eが怠る事実である。 しかるに,原告らは,当初,被告自民党議員団の研究費のうち資料購入費が著しく高額であるとして目的外支出の違法があると主張し,その後,事務費1869万5171円が目的外支出であるとしているが,資料購入費も事務費も研究費の一費目であり,当該行為の内訳を示すものにすぎないと考えられる。また,怠る事実に係る不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権も同一の不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権の一部であるともいえる。 そうとすると,上記変更は,請求の趣旨を拡張したのみであり,訴えの変更には当たらないから,その変更は許されないとの被告らの主張は失当である。 は債務不履行による損害賠償請求権の一部であるともいえる。 そうとすると,上記変更は,請求の趣旨を拡張したのみであり,訴えの変更には当たらないから,その変更は許されないとの被告らの主張は失当である。 (3) 監査請求前置住民監査請求の対象となる財務会計行為は,他の事項と区別して特定認識できる程度に個別的,具体的に特定,摘示されることを要すると解される(最高裁第3小法廷平成2年6月5日判決・民集44巻4号719頁参照)。 しかるに,第1回監査請求により対象とされた財務会計行為は,原告らが本訴で違法であると主張する財務会計行為(当該行為及び怠る事実)と同一であり,他の事項と区別して特定認識できる程度に個別的,具体的に特定,摘示されている上,その違法事由の指摘も目的外支出があると明確である。 そうとすれば,本訴においては,監査請求前置の要件は充足されているということができる。 確かに,第1回監査請求では,資料購入費や事務費等のどの部分に目的外支出があるか特定していないものの,上記(2)で説示したとおり資料購入費も事務費も研究費の一費目であり,当該行為の内訳を示すものにすぎないと考えられるし,怠る事実に係る不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権も同一の不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権の一部であるともいえるから,その不特定をもって,他の事項と区別して特定認識できる程度に個別的,具体的に特定,摘示していないとは解されない。 2 被告自民党議員団に対する研究費支出(広義)(当該行為)の違法性の有無について(1) 上記第2,1(3),(4),証拠(甲4の1・2,5,乙40の2,41,42の1ないし13,43の1ないし15,44の1ないし13,45の1ないし21,46の1ないし20,47の1ないし15,48の1ないし18,49の1ないし12,5 4の1・2,5,乙40の2,41,42の1ないし13,43の1ないし15,44の1ないし13,45の1ないし21,46の1ないし20,47の1ないし15,48の1ないし18,49の1ないし12,50の1ないし17,51の1ないし6,52の1ないし5,53の1ないし3,58の1ないし236,64,65,66の1ないし21,67の1ないし21,68の1ないし22,69の1ないし21,70の1ないし21,72の1ないし21,73の1ないし22,74の1ないし19,75の1ないし18,76の1ないし15,77の1ないし14,105,107の1ないし8,109の1ないし9,110の1ないし31,被告B本人)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 ア被告自民党議員団は,平成8年6月の議員総会で,三重県から概算交付を受ける研究費につき,議員1人当たり,事務費として16万円(調査研究に要する通信費を月額5万円,消耗品・印刷代その他を月額3万円,その他事務諸費を月額8万円),管内(選挙区内)調査費として8万円,合計24万円とし,管外会議費,資料購入費,管外研究研修費,県外旅費は必要に応じて実績に基づき,各議員が団長あてに請求する旨申し合わせた(平成8年8月から施行)。 上記の調査研究に要する通信費(月額5万円)とは,議員が県政調査活動に際して費消する電話代,ファクシミリ代,携帯電話代,切手,葉書等の郵便料等であり,消耗品・印刷代その他(月額3万円)とは,議員が県政調査活動に際して費消する事務用消耗品,パソコンやコピー機の損料,リース代,コピー機のトナーの費用,用紙代等であり,その他事務諸費(月額8万円)とは,事務職員の賃金等の諸費用であり,管内(選挙区内)調査費(月額8万円)とは,議員が選挙区内の県政調査活動に際して費消するガソリン代,電 トナーの費用,用紙代等であり,その他事務諸費(月額8万円)とは,事務職員の賃金等の諸費用であり,管内(選挙区内)調査費(月額8万円)とは,議員が選挙区内の県政調査活動に際して費消するガソリン代,電車・バス代,タクシー代,車のリース料等であるとされた。 イ各議員は,毎月,会派の代表者である団長あてに交付申請書に事務費と管内調査費を除いては領収書等を付して請求し(ただし,添付されていない場合もあった。),団長及び経理責任者は,上記申合せに従い,支出した。もっとも,平成9年度においては,他の費目の支出が多かったため,事務費名目の一部が各議員に支払われておらず,議員数が21名であるから本来事務費名目の支出の合計は4032万円となるところ,実際には3739万0343円にとどまった。 ウ被告A及び当時の経理責任者は,平成9年度の研究費の精算書(甲4の1・2)を作成し,被告Aは,被告自民党議員団代表者として,三重県知事であった被告Eに対し,平成10年4月30日,同精算書を提出した。 その精算書の明細は,①会議費756万円,②研究研修費4284万円,③資料購入費1260万円,④事務費2016万円の合計8316万円であった。 エ三重県知事であった被告Eは,平成10年5月12日,上記精算書に基づき,被告自民党議員団の研究費を8316万円と確定した(甲5)。 オその後,被告自民党議員団は,平成10年8月31日,前代表者の被告A及び当時の代表者の被告Bの連名で,上記精算書に誤りがあったとして,本件訂正書を提出した(乙40の2)。 その明細は,①会議費159万4562円,②研究研修費4199万6817円,③資料購入費217万8278円,④事務費3739万0343円の合計8316万円であった。 (2) そこで,まず,概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令の違 2円,②研究研修費4199万6817円,③資料購入費217万8278円,④事務費3739万0343円の合計8316万円であった。 (2) そこで,まず,概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令の違法性につき検討する。 「概算交付」とは,その支払うべき債務金額の確定前に概算をもって支出することをいい,その性質上事後において必ず精算を行い,過渡しについては返納を,不足については追加払いをすることを本質とするものである。 概算交付のかかる制度趣旨からすると,本件要項や本件要領が平成9年度交付申請書の項目を4項目に限定し,支出の必要性を基礎付ける内訳書や前年度との比較といった資料の添付を要求していないとしても,格別違法ではないというべきで,被告自民党議員団の本件要項及び本件要領に基づく平成9年度の研究費の交付申請及び交付請求により,被告Eが概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令をしたことが違法であるとはいえない。 (3) 次に,精算(確定)の違法性につき検討する。 概算交付後の精算に当たっては,原則として領収書等により支払うべき金額が確定されるべきものではあるが,議会の会派への研究費の交付は,政治活動の自由とも密接に関連するため,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されている限りにおいて,精算に当たっての実績報告書に領収書等の添付を要しないとすることも許容されるものと解すべきである。そして,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されている以上,研究費が目的外に使用されていることを窺わせる一般的,外形的な事情のない限り,その精算(確定)は適法であって,その研究費は本来の目的に使用されたものと推認されるというべきである。もっとも,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成 形的な事情のない限り,その精算(確定)は適法であって,その研究費は本来の目的に使用されたものと推認されるというべきである。もっとも,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されていないとか,研究費が目的外に使用されていることを窺わせる一般的,外形的な事情が存する場合には,原則どおり,領収書等で支払うべき金額が確定されなければならず,これにより確定できない部分については違法というほかない。 しかるに,被告自民党議員団においては,三重県から概算交付を受ける研究費につき,議員1人につき1か月当たり,事務費として16万円(調査研究に要する通信費を月額5万円,消耗品・印刷代その他を月額3万円,その他事務諸費を月額8万円),管内(選挙区内)調査費として8万円の合計24万円とし,管外会議費,資料購入費,管外研究研修費,県外旅費は必要に応じて実績に基づき,各議員が団長あてに請求する旨の申合せがあり,これにより,団長は概算交付を受けた研究費につき領収書等を徴求せずに,被告自民党議員団の各議員に月額24万円を交付していたものであるが,①団長が領収書等を徴求せずに被告自民党議員団の各議員に交付する研究費が月額24万円で,そのうち事務費名目分が月額16万円と高額であること,②定額分の金額について,これを算出した経緯や根拠が不明であること,③当初被告自民党議員団が提出し,三重県知事により精算(確定)を受ける前提となった実績報告書と本件訂正書とはその費目の数字に大きな隔たりがあること,④その隔たり,特に当初原告らが目的外支出の違法があると指摘していた資料購入費の額が5分の1程度に減少したことについての合理的な説明がないことなどからすると,実績報告書につき団長及び経理責任者による適正な審査があったとは認められない。 そして,原告ら主張のとお いた資料購入費の額が5分の1程度に減少したことについての合理的な説明がないことなどからすると,実績報告書につき団長及び経理責任者による適正な審査があったとは認められない。 そして,原告ら主張のとおり少なくとも被告ら主張にかかる事務費分合計3739万0343円(平成10年4月30日付け実績報告書においては,事務費2016万円のほか,他の費目の一部もこれに含まれていると解される。)のうちの1869万5172円分については領収書等でこれを裏付けることができていないから,その精算(確定)については違法というほかない。なお,被告らは,被告Bの平成9年当時の郵便料,タクシー代の領収書(乙107の1ないし8,109の1ないし9,110の1ないし31)を提出するが,これが県政調査研究のための支出であったことを裏付ける証拠がない上,これを合計した額も1869万5171円を超えるものではないから,採用の限りではない。 3 被告県民連合に対する研究費支出(広義)(当該行為)の違法性の有無について(1) 上記第2,1(3),(5),証拠(甲6,7の1・2,8,乙9ないし11,15,22の1ないし3,23,28の1ないし6,29の1・2,30の1ないし4,33の1ないし29,34の1ないし12,35の1ないし8,36の1ないし45,57の1・2・4・5・8・9・11・12,62,78,80の1ないし6,81,82,83の1ないし94,84の1ないし8,85の1ないし12,86の1ないし25,87の1ないし8,88の1ないし11,89の1ないし9,90の1ないし8,91の1ないし8,92,93,94の1ないし6,95の1・2,96の1・2,97の1・2,98,99の1・2,100,101,証人J,被告C本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア被告 ないし8,92,93,94の1ないし6,95の1・2,96の1・2,97の1・2,98,99の1・2,100,101,証人J,被告C本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア被告県民連合は,平成9年5月ころ,議員総会を開き,その中で,県外視察先を,原子力発電所と東京方面(文部省及び厚生省)と決めた。 また,被告県民連合は,同じころ,会派として研究費の支給基準を定め,これをまとめた「調査委託費支給基準」(乙78)を各議員に配付した。その内容は別紙のとおりである。 イ被告県民連合に所属していた議員は,毎月,前月に県政調査研究に要した費用を調査委託費請求伺書にまとめ,実費支給分については領収書を添付して,当時代表であった被告Dに提出した。そして,経理責任者であった被告Cは,調査委託費請求伺書及び領収書を確認し,被告Dの決裁を得て,各議員に研究費を支給し,調査委託費請求伺書及び領収書を返還していた。 これらの書類については,当時,本件要綱及び本件要領に保存義務を定めた規定がなかったことから,保存している者もいれば,処分する者もいた。 当時の本件要綱及び本件要領には,①会議費,②研究研修費,③資料購入費,④事務費の4項目の区分はあるものの,それ以上に詳細な分類規定は置かれていなかったことから,被告Cは,調査委託費請求伺書のうち,「1,調査旅費」内の県内選挙区外調査費,常任委員会等用務費,会派招集会議費,県・議会主催会議費及び「5,会議費」の各金額を会議費として集計していた。その集計方法に従うと,J議員の12か月分の会議費は59万9120円,K議員の8か月分の会議費は46万2630円,L議員の12か月分の会議費は65万4560円,M議員の12か月分の会議費は60万7446円,N議員の8か月分の会議費は105万0338円,O議員の1 ,K議員の8か月分の会議費は46万2630円,L議員の12か月分の会議費は65万4560円,M議員の12か月分の会議費は60万7446円,N議員の8か月分の会議費は105万0338円,O議員の11か月分の会議費は32万5450円,P議員の9か月分の会議費は24万7960円,Q議員の8か月分の会議費は80万3320円,R議員の8か月分の会議費は28万0600円で,以上の合計は503万1424円となるが,これ以外にも,前記議員の請求伺書の存在しない月の分やすべて記録の存在しない議員5名分の会議費,さらには会派としての直接の支出分が存在する。 ウ被告県民連合では,各議員の個別の会議費のほか,次のとおり会議費を計上した。 (ア) 平成9年5月19日から同月21日にかけて,文部省及び厚生省を視察し,地元選出のS議員と懇談し,さらに,埼玉県の特別養護老人ホームや障害者福祉施設を見学した。これにより,名古屋東京間の旅費として38万4800円,宿泊料として38万5580円,貸切バスの費用として18万5000円,日当として39万円を要した(乙22の1ないし3)。 (イ) 平成9年10月14日から同月15日にかけて,関西電力美浜原子力発電所を訪ね,地元住民や漁協関係者から意見を聴取するなどした。これにより,バス代及び宿泊代等の旅行費用として45万8810円,日当等として21万円を要した(乙23)。 (ウ) 平成10年1月22日から同月25日にかけて,N議員を鹿児島県で行われた全国教育研究集会に参加させた。これにより,航空運賃4万9200円,宿泊費2万9600円,日当等2万円,資料代ほか2010円を要した。 (エ) 県政会所属議員及び市町村議会議員との間で,新政策議員フォーラムを結成し,会合を開催していた。これにより,会費7万円を要した(乙95の1・2) ,日当等2万円,資料代ほか2010円を要した。 (エ) 県政会所属議員及び市町村議会議員との間で,新政策議員フォーラムを結成し,会合を開催していた。これにより,会費7万円を要した(乙95の1・2)。 (オ) 教育関係の会議を開催し,会場費として14万円を支出した(乙96の1)。 (2) そこで,まず,概算交付にかかる支出負担行為及び支出命令の違法性につき検討するに,これが違法といえないことは,上記2(2)の説示に同じである。 (3) 次に,精算(確定)の違法性につき検討する。 概算交付後の精算に当たっては,原則として領収書等により支払うべき金額が確定されるべきものではあるが,議会の会派への研究費の交付は,政治活動の自由とも密接に関連するため,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されている限りにおいて,精算に当たっての実績報告書に領収書等の添付を要しないとすることも許容されるものと解すべきである。そして,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されている以上,研究費が目的外に使用されていることを窺わせる一般的,外形的な事情のない限り,その精算(確定)は適法であって,その研究費は本来の目的に使用されたものと推認されるというべきである。 しかるに,被告県民連合においては,経理責任者である被告Cが,旅費,日当に相当する部分については調査旅費内訳書で確認し,それ以外の実費支給部分については調査委託費請求伺書に添付された領収書で確認し,被告Dの決裁後に各議員に返却していたから,被告県民連合が実績報告書のうち会議費として計上した部分は団長及び経理責任者による適正な審査を経たものと認められる。 そして,被告県民連合において研究費のうち会議費の部分が目的外に使用されていることを窺わせる一般的,外形的な事情は 費として計上した部分は団長及び経理責任者による適正な審査を経たものと認められる。 そして,被告県民連合において研究費のうち会議費の部分が目的外に使用されていることを窺わせる一般的,外形的な事情はないから,その精算(確定)は適法であって,研究費のうち会議費の部分は本来の目的に使用されたものと推認される。 この点,原告らは,月平均100万円近い経費を要する会議の開催は物理的,労力的に不可能であり,また,交付申請書とも大きくかけ離れているから,目的外支出が推認されると主張する。しかし,被告県民連合における会議費は,会場の借上料だけでなく,会議のための日当,旅費を含んだものであるし,議員によっては実際に多数の会議を開催又は参加していた者もいる(乙15)。また,交付申請書に記載の金額を大きく上回るのも,被告Cの上記集計方法が交付申請書を作成した当時に想定していたものと異なっている可能性があり,そうすれば交付申請時から大きく上回ることも十分にあり得るところである。したがって,原告らの同主張は採用できない。 4 被告Eが,同被告を除く被告らの不正受給を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求権又は精算をしないという債務不履行による損害賠償請求権の行使を怠る事実について(1) 原告らは,「被告Eを除く被告らは,交付申請前から,目的外支出(議員個人への交付)をすることを目的として申請に及び,概算額の交付を受け,かつ全く精算をせず,概算受領額をそのまま精算額としたものであり,当初から補助金を不正に受給する意図をもって交付申請した。」と主張するが,被告Eを除く被告らが,交付申請前から,目的外支出(議員個人への交付)をすることを目的として申請に及び,概算額の交付を受けたことを認めるに足りる証拠はない。 (2) また,原告らは,「被告Eを除く被告らは,概算受領 らが,交付申請前から,目的外支出(議員個人への交付)をすることを目的として申請に及び,概算額の交付を受けたことを認めるに足りる証拠はない。 (2) また,原告らは,「被告Eを除く被告らは,概算受領した平成9年度研究費を翌年度である平成10年4月30日までに精算する方法が可能であったのであり,精算を行って差額を三重県に返還すべきであったのに,精算を行わず,概算受領額をそのまま決算額及び精算額として三重県に返還しないのは債務不履行である。」と主張するが,被告自民党議員団及び被告県民連合はいずれも概算受領した平成9年度研究費につき翌年度である平成10年4月30日までに精算手続を行っている(被告自民党県議団についてはその精算手続が違法であったというにすぎない。)し,被告Eを除く被告らが三重県との間で精算手続が違法な場合に概算受領した分を返還するという契約を締結したとは認められないから,概算受領した分を返還しないことをもって債務不履行とはいえない(もっとも,精算手続が違法な場合には概算交付を受けた者が概算受領した分を不当利得として三重県に返還すべきものである。)。 (3) したがって,原告ら主張に係る被告Eが,不正受給を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求権又は被告Eを除く被告らの精算をしないという債務不履行による損害賠償請求権の行使を怠る事実はこれを認めることはできない。 5 被告自民党議員団の研究費の精算(確定)(当該行為)に関する被告Eの責任について三重県知事であった被告Eは,被告自民党議員団の研究費の精算に当たり,収入として交付金の額と支出として会議費,研究研修費,資料購入費,事務費の区分の各金額の記載しかない実績報告書の交付を受けただけで,見積書,領収書及び帳簿の添付を要求せずに,精算(確定)をしたものであるが,上記に説示のとおり して会議費,研究研修費,資料購入費,事務費の区分の各金額の記載しかない実績報告書の交付を受けただけで,見積書,領収書及び帳簿の添付を要求せずに,精算(確定)をしたものであるが,上記に説示のとおり,議会の会派への研究費の交付は,政治活動の自由とも密接に関連するため,各会派の代表者と経理責任者により適正に審査されて実績報告書が作成されている限りにおいて,精算に当たっての実績報告書に領収書等を添付するを要しないとすることも許容されるものと解し得るし,被告Eにおいて,精算(確定)に際し被告自民党議員団の団長及び経理責任者において適正に審査されていないことを窺わせる事情があったとも認め難いから,被告Eにおいて,被告自民党議員団の研究費の精算(確定)につき故意又は過失があったということはできない。 6 被告自民党議員団の研究費の精算(確定)(当該行為)の相手方としての被告自民党議員団,被告A,被告Bの責任について上記2で説示のとおり,被告自民党議員団の研究費の精算(確定)は違法であるから,被告自民党議員団は,研究費の精算(確定)の相手方として,1869万5172円の不当利得返還義務を負うと解される。 しかしながら,被告A及び被告Bについては,研究費の精算(確定)の相手方とは解されないから,上記の1869万5172円の不当利得返還義務は負わないというべきである。 7 結論以上によれば,原告らの被告自民党県議団に対する請求は,三重県に対し1869万5172円及びこれに対する平成14年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は棄却すべきであり,その余の被告らに対する請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。なお,仮執行宣言は相当でないからこれを付さ るからこれを認容し,その余は棄却すべきであり,その余の被告らに対する請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。なお,仮執行宣言は相当でないからこれを付さない。 津地方裁判所民事第1部裁判長裁判官内田計一裁判官後藤隆裁判官後藤誠

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