【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 本件控訴の趣意は、被告人及び弁護人福井正二の各控訴趣意書記載の通り
主文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 本件控訴の趣意は、被告人及び弁護人福井正二の各控訴趣意書記載の通りであるから、いずれも、これを引用する。 弁護人の控訴趣意一について。 論旨は、昭和二十八年七月十一日附起訴状記載の公訴事実第二の事実は、被告人の自首にかかるものであるに拘わらず、原審がこれを自首と認定しなかつたのは違法であるというにある。よつて案ずるに、原判決は、被告人及び弁護人のこの点に関する主張に対し、法律上の自首と認め難いとして、その主張を採用しなかつたことは、原判決に判示する通りであるが、訴訟記録を調査するに、昭和二十八年六月三十日附被告人の司法警察員に対する自首調書によれば、弁護人主張の起訴状記載の公訴事実第二の事実即ち原判示第二の事実については、被告人の自首にかかるものであることが認められる。 もつとも、右事実については、被害者Aより、被害の直後である昭和二十七年十二月十七日、警察官<要旨>署に被害届が提出されていることが明らかであるが、たとえ犯罪事実が既に官に発覚している場合でも、その</要旨>犯人が何人であるかが未だ官に発覚しない前に、犯人が自己の犯行である旨を申告する場合には自首に該当するものと解すべきである。本件はまさにこの場合に該当する自首と認むべきもので、右認定を左右する証拠は記録上存在しない。従つて、原判決が法律上の自首と認め難いと判示したのは法律の解釈を誤り、延いて自首であることを誤認したものといわなければならない。 然し、自首減軽をすると否とは裁判所の裁量に属するところであり、原審が自首減軽をしなかつたとしても何等法令の適用に誤はなく、右誤認は判決に影響を及ぼさないので、論旨は採用できない。 弁護人の控訴趣 然し、自首減軽をすると否とは裁判所の裁量に属するところであり、原審が自首減軽をしなかつたとしても何等法令の適用に誤はなく、右誤認は判決に影響を及ぼさないので、論旨は採用できない。 弁護人の控訴趣意二及び被告人の控訴趣意について。 論旨は、原判決の刑の量定の不当を主張するものであるが、本件犯行の動機、態様、回数、被害額、前科、家庭の状況、その他諸般の事情を綜合すれば、原判決の刑の量定が重きに失するとはいわれない。論旨は理由がない。 よつて、刑事訴訟法第三百九十六条に則り、本件控訴を棄却し当審において国選弁護人に支給した訴訟費用は、同法第百八十一条第一項に従い、被告人に負担させることとし、主文の通り判決する。 (裁判長判事河野重貞判事高橋嘉平判事山口正章)
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