令和5(行コ)127 公文書非開示決定処分取消等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和6年5月17日 大阪高等裁判所 棄却 和歌山地方裁判所 令和4(行ウ)3
ファイル
hanrei-pdf-93171.txt

判決文本文10,633 文字)

- 1 -令和5年(行コ)第127号公文書非開示決定処分取消等請求控訴事件令和6年5月17日大阪高等裁判所第8民事部判決 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。 2 上記部分につき、被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要以下で使用する略称は、特に断らない限り、原判決の例による。 1 本件は、被控訴人が、公文書開示条例5条に基づき、太地町教育委員会(処分行政庁)に対し、本件各開示請求をしたところ、本件各文書のうち原判決別 紙処分一覧表の「非開示部分」欄記載の情報が公文書開示条例6条1号、2号又は3号所定の非開示情報に当たるとして、同記載部分を非開示とし、その余を開示する旨の原判決別紙処分一覧表の「処分」欄記載の各決定(本件各処分)を受けたため、本件各処分のうち非開示とした部分の取消し及び非開示部分を開示する旨の決定の義務付けを求める事案である。 2 原審は、被控訴人の請求のうち、本件処分1及び本件処分3のうち非開示とした部分(ただし、本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を非開示とした部分を除く。)並びに本件処分2及び本件処分4の取消請求、本件文書1ないし本件文書3、本件文書5及び本件文書6の非開示部分(ただし、本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を除く。)並びに本件文 書4及び本件文書7を開示する旨の決定の義務付け請求を認容する一方、本件 - 2 -訴えのうち本件文書6の担当者の氏名が記載された部分を開示する旨の決定の義務付け請求に係る部分は不適法であるとして却下し、被控訴人のその余 の決定の義務付け請求を認容する一方、本件 - 2 -訴えのうち本件文書6の担当者の氏名が記載された部分を開示する旨の決定の義務付け請求に係る部分は不適法であるとして却下し、被控訴人のその余の請求(本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を非開示とした部分に係る取消請求)を棄却したところ、控訴人がその敗訴部分を不服として、本件控訴を提起した。 3 条例の定め公文書開示条例及び行政手続条例の定めは、次のとおり補正するほか、原判決別紙「条例の定め」のとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決22頁8行目の末尾に改行して次のとおり加える。 「2 3条(実施機関の責務) 実施機関は、町民の公文書の開示を求める権利が十分尊重されるようにこの条例を解釈し、運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。」(2) 原判決22頁9行目の「2」を「3」に、同頁14行目の「3」を「4」 に改める。 (3) 原判決23頁15行目の「(4号以下省略)」を次のとおり改める。 「(中略)(4) 開示することにより、人の生命、身体、健康、財産等の保護、犯罪の予防その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報 (6号)(後略)」 4 前提事実は、原判決3頁2行目の「太地町教育委員会」を「公文書開示条例の実施機関である太地町教育委員会」に改めるほか、「事実及び理由」欄第2の3(原判決2頁16行目から4頁17行目まで)に記載のとおりであるから、 これを引用する。 - 3 - 5 争点及び争点に関する当事者の主張は、原判決5頁23行目から同頁24行目にかけての「原 2頁16行目から4頁17行目まで)に記載のとおりであるから、 これを引用する。 - 3 - 5 争点及び争点に関する当事者の主張は、原判決5頁23行目から同頁24行目にかけての「原告によって当該取引業者の名誉が侵害され、事業活動に重大な支障が生じるおそれがある」を「当該取引業者の名誉が侵害されるおそれがあるばかりでなく、当該情報がインターネット等を介して世界中に拡散し、これに接した過激な反捕鯨団体等の標的とされ、事業活動に甚大な支障が生じる おそれがある」に改め、後記6で当審における当事者の主張を付加するほか、原判決「事実及び理由」欄第2の4(原判決4頁18行目から7頁18行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 6 当審における当事者の主張(控訴人の主張) (1) 公文書開示条例6条2号該当性についてア太地町内では過去において、反捕鯨団体等から捕鯨や鯨類の取引に関わる事業者宛てに脅迫文等が送付されたり、反捕鯨団体の関係者による器物損壊事件が発生したりするなど(乙6の1~6の11)、事業者が日常的に脅威に晒されている状況にあるところ、本件文書1ないし6につき控訴 人が公文書開示条例6条2号に該当するとして非開示とした情報が開示されると、事業者の生命にすら重大な危険が及ぶ蓋然性があり、事業活動に重大な支障が生じるおそれがあることは明らかである。したがって、上記情報は、開示することにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるものに該当する。 イ本件文書7は、くじらの博物館が飼育している鯨類等の生物の飼育状況等の情報が単に記載されているものではなく、同博物館自身や、同博物館と共同研究する外部の研究機関との間における長年の研究デー イ本件文書7は、くじらの博物館が飼育している鯨類等の生物の飼育状況等の情報が単に記載されているものではなく、同博物館自身や、同博物館と共同研究する外部の研究機関との間における長年の研究データの集積であって、現在も多数の外部の研究機関から共同研究の依頼等があり、それに応じる形で必要な範囲で飼育検査記録を提供し、共同研究を継続してい る状況にある。このことからすると、本件文書7が開示され、研究に供さ - 4 -れる原データが第三者に渡った場合には、同博物館が研究機関として同データを利用して初めに研究を行うことが妨げられるなど、研究機関としての権利、競争上の地位その他正当な利益を害することは明らかであって、本件文書7は公文書開示条例6条2号にも該当する。 (2) 公文書開示条例6条6号該当性について 本件文書1のうち請求者名義、振込先口座の情報、本件文書2のうち控訴人職員印の決裁印、販売先、本件文書3のうち買主の名称・住所、荷受人の名称・住所、捕獲者の名称、追込網漁の許可証の発行を受けた者の名称、本件文書4のうち契約当事者の名称・住所、本件文書6のうち死体処理を請け負った業者の名称、振込先口座の情報は、いずれも鯨類の捕獲や取引に関与 した公務員、捕獲者又は取引先業者に関する情報であるところ、これらの者は反捕鯨団体にとって格好の標的であり、一旦インターネット等を介して拡散すると、これらの者の生命に甚大な危険が及ぶことは明らかである。また、本件文書7のうちくじらの博物館において死亡した動物の写真は、視覚的にショッキングな印象を与えるものであり、当該写真のみがインターネット上 で拡散した場合、あたかもくじらの博物館において動物虐待がなされているがごとき虚偽の事実が吹聴される蓋然性が高く、同博物館の安全 キングな印象を与えるものであり、当該写真のみがインターネット上 で拡散した場合、あたかもくじらの博物館において動物虐待がなされているがごとき虚偽の事実が吹聴される蓋然性が高く、同博物館の安全と秩序の維持に支障が生じることはもとより、同博物館で勤務する職員の生命、身体に危険が及ぶことは明らかである。したがって、上記情報は、これを開示することにより、人の生命、身体等の保護、犯罪の予防その他の公共の安全と秩 序の維持に支障が生ずるおそれがある情報に該当する。 (被控訴人の主張)(1) 公文書開示条例6条2号該当性についてア控訴人の主張アについて公文書開示条例6条2号該当性が認められるのは、当該情報が開示され ることにより、競争上の地位その他正当な利益を害することが客観的に明 - 5 -らかな場合に限られる。しかるに、控訴人の主張する事業者の生命に対する危険性は、何らかの根拠のある具体的なものではなく、単に抽象的、一般的な危惧感をいうものにすぎず、上記該当性は認められない。 イ控訴人の主張イについて控訴人は原審において、本件文書7が公文書開示条例6条2号に該当す るとの主張を一切しなかったものであるが、同主張は、本来であれば原審においてすることができたものである。控訴人の上記主張は、故意又は重大な過失により時機に後れて提出されたものであり、これにより訴訟の完結を遅延させるものであるから、時機に後れた攻撃防御方法として却下されるべきである。 仮に控訴人の上記主張が時機に後れた攻撃防御方法に該当しないとしても、くじらの博物館は純粋な調査研究機関ではなく、むしろ資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な 当しないとしても、くじらの博物館は純粋な調査研究機関ではなく、むしろ資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、併せてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関であること(博 物館法2条1項)からすると、博物館の資料である本件文書7も本来的に公衆のものであり、広く公開されるべき性質のものであるから、公文書開示条例6条2号には該当しない。 (2) 公文書開示条例6条6号該当性について控訴人の主張は争う。 控訴人は原審において、本件文書1ないし5及び6のうち前記各情報が公文書開示条例6条6号に該当するとの主張を一切しなかったものであり、本来であれば原審において主張することができたものである。控訴人の上記主張は、故意又は重大な過失により時機に後れて提出されものであり、これにより訴訟の完結を遅延させるものであるから、時機に後れた攻撃防御方法と して却下されるべきである。 - 6 -第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件各処分の理由付記の瑕疵)について原判決「事実及び理由」欄第3の1(原判決7頁20行目から8頁5行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 2 争点(2)(本件各文書の非開示事由該当性)について(当審における当事者の 主張に対する判断を含む。)(1) 公文書開示条例6条1号該当性原判決「事実及び理由」欄第3の2(1)(原判決8頁7行目から同頁23行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 (2) 公文書開示条例6条2号該当性 ア原判決9頁8行目から同頁24行目までを次のとおり改めるほか、原判決「事実及び理由」欄第3の2(2)(原 載のとおりであるから、これを引用する。 (2) 公文書開示条例6条2号該当性 ア原判決9頁8行目から同頁24行目までを次のとおり改めるほか、原判決「事実及び理由」欄第3の2(2)(原判決8頁24行目から9頁24行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 「 公文書開示条例6条2号の要件は、「法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって」、「開示することにより」、 「競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」と規定しているから、その趣旨は、公文書に顕れる事業者の事業に関する情報につき、当該事業者の競争上の地位その他の正当な利益を保護する目的に出た規定と解されるが、非開示とされるためには、その規定に明らかなように害するおそれがあると認められるだけでは足らず、端的に害すると「認められ る」こと、具体的に害される蓋然性があることを要するものと解される。 そして、ここでの判断は開示された場合を仮定した判断であるから、その蓋然性は、具体的な事実関係に基づき公文書開示条例の制定目的(1条)に照らしても十分肯定できるだけの裏付けをもってするものでなければならない。 以上により本件についてみると、上記主張①については、本件文書1の - 7 -うち数量、単価、金額の部分、本件文書2のうち販売金額の部分、本件文書3のうち仕向地・経由地、鯨類の数量・単価の部分及び本件文書4が、これに該当することを抽象的に肯定し得るが、上記情報が外部へ流通することを想定していない重要なノウハウであるとする控訴人の主張は、一般論として主張されているにとどまり、これを具体的な事実関係に基づいて 認め得る証拠はないから、いかに鯨類の取引が限られた範囲でされているにすぎないとしても、その であるとする控訴人の主張は、一般論として主張されているにとどまり、これを具体的な事実関係に基づいて 認め得る証拠はないから、いかに鯨類の取引が限られた範囲でされているにすぎないとしても、そのことのみによって、これらが取引をする法人又は事業を営む個人についての情報であって、これを開示することによって競争上の地位その他正当な利益を害すると認めることは困難である。 上記主張②については、本件文書1のうち請求者名義の部分、本件文書 2のうち販売先の部分、本件文書3のうち買主の名称・住所、荷受人の名称・住所、捕獲者の名称、追込網漁の許可証の発行を受けた者の名称及び輸送貨物の写真等の部分、本件文書4が、これに該当することを抽象的に肯定し得るが、本件団体が、平成30年10月には台風によってくじらの博物館の飼育するイルカが死傷したことに関してくじらの博物館の館長を 動物の愛護及び管理に関する法律違反の事実で刑事告発し、令和元年2月には控訴人に対する鯨類追込網漁業の許可の取消しを請求する訴えを提起する等控訴人における鯨類の捕獲、飼育に反対する活動を行ったこと(乙1の1・2)、そして被控訴人が本件団体の代表者である(前提事実(1)イ)ことを踏まえても、上記情報が開示され、その情報がインターネット によって拡散され、上記取引に関与した事業者がくじら類の販売をビジネスとして不当な利益を得ているなどと吹聴され、当該事業者の名誉を侵害され、その事業活動に支障が生じるおそれは、飽くまで抽象的な可能性として認めることができるにとどまり、これによって、公文書開示条例6条2項にいう「正当な利益を害するものと認められる」とまではいうことが できない。 - 8 -本件文書1及び同6の振込先口座の情報の部分は、事業者の口座情 って、公文書開示条例6条2項にいう「正当な利益を害するものと認められる」とまではいうことが できない。 - 8 -本件文書1及び同6の振込先口座の情報の部分は、事業者の口座情報であるところ、当該口座情報は、くじらの博物館との取引のためにくじらの博物館に対して開示されたものと認められるが、当該口座がくじらの博物館との取引のために特別に開設された口座であるとか、くじらの博物館であるからこそ特別に開示した口座であるなどの特段の事情はうかがえず、 単に当該事業者が取引一般において取引相手に対して開示していた口座情報と認められる。そうすると、当該口座情報を開示したとしても、当該事業者の「正当な利益を害するものと認められる」ということができない。 控訴人は、本件文書5の非開示部分につき、鯨類の取引自体が極めて少ないことからすると、当該非開示部分を開示することで、開示済みの鯨類 の種類の情報と照らし合わせることによって、事業者にとって購入頭数という営業情報が推知される蓋然性が極めて高いから、公文書開示条例6条2号に該当する旨主張するが、そもそも本件文書1ないし4の上記情報も開示される以上、本件文書5の非開示部分の情報に限って公文書開示条例6条2号該当を肯定する余地はない。 イ控訴人は、当審において、捕鯨や鯨類の取引に関わる事業者は、反捕鯨団体等により日常的に脅威に晒されてきたものであり、上記情報が開示されると、事業者の生命にすら重大な危険が及ぶ蓋然性があり、事業活動に重大な支障が生じるおそれがあることは明らかである旨を主張し、過去に太地町の捕鯨関係者等に脅迫的な言動等がされてきたことを裏付ける証拠として、そ れらを示す報道の記事等(乙6の1ないし6の11)を提出する。 そこで検討するに、公文 ある旨を主張し、過去に太地町の捕鯨関係者等に脅迫的な言動等がされてきたことを裏付ける証拠として、そ れらを示す報道の記事等(乙6の1ないし6の11)を提出する。 そこで検討するに、公文書開示条例6条2号所定の非開示情報は「開示することにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」とされているところ、その文言等に照らせば、これに該当するというには、当該情報、すなわちこの関係では危険 が及ぼされる取引事業者を特定する情報である本件文書1のうち請求者名義 - 9 -の部分、本件文書2のうち販売先の部分、本件文書3のうち買主の名称・住所、荷受人の名称・住所、捕獲者の名称、追込網漁の許可証の発行を受けた者の名称及び輸送貨物の写真等の部分、及び本件文書4が想定されるが、その場合、補正の上引用した原判決「事実及び理由」欄第3の(2)(原判決8頁24行目から9頁24行目まで)において説示したとおり、上記利益が具 体的に害される蓋然性があることを要するものと解される。そうであるところ、上記各証拠によれば、過去において、控訴人のみならず、太地町漁業協同組合や同組合が運営する事業者に対して危害を加えるかのような書面が届いたり、太地町内で海外の反捕鯨団体の関係者による器物損壊事件等が発生したりしたことが認められるものの、上記書面はいずれも氏名不詳者からメ ール、ファクシミリ、封書によって単発的に届いたものであるし、過激な反捕鯨団体による活動も限定的なものにとどまっている。加えて、被控訴人が代表者を務める本件団体が反捕鯨等の目的のために犯罪行為も辞さないような団体であることをうかがわせる証拠も見当たらない。そうすると、上記情報が開示されたとしても、控訴人が主張するように事業 控訴人が代表者を務める本件団体が反捕鯨等の目的のために犯罪行為も辞さないような団体であることをうかがわせる証拠も見当たらない。そうすると、上記情報が開示されたとしても、控訴人が主張するように事業者の生命等に対して 危険が及ぶことにより、当該事業者の正当な利益が具体的に害される蓋然性があるとまで認めることは困難である。 したがって、控訴人の上記主張を斟酌しても、上記情報が公文書開示条例6条2号に該当しないとの前記判断は左右されない。 ウ控訴人は、当審において、本件文書7(飼育検査記録)は、くじらの博物 館や同博物館と共同研究する外部の研究機関との間における長年の研究データの集積であるなどとして、同文書が開示されると、研究機関としての競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる旨を主張する(なお、被控訴人は、控訴人の上記主張について、時機に後れて提出した攻撃防御方法に該当するとして却下を求めるが、上記主張により訴訟の完結を遅延させるこ ととなるとは認められないから、時機に後れたものとして却下しない。)。 - 10 -しかしながら、公文書開示条例6条2号は、法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を非開示情報とするものであるところ、同号括弧書きによれば、上記の「法人等」から国及び地方公共団体は除かれているのであって、太地町が設置する同町の一機関にすぎないくじらの博物館に関する情報がこれに該当しないことは明らかである。したがって、控訴 人の上記主張は採用できない。 (3) 公文書開示条例6条3号該当性原判決「事実及び理由」欄第3の2(3)(原判決9頁25行目から10頁11行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 (4) 公文書開示条例6条6号該当性 条例6条3号該当性原判決「事実及び理由」欄第3の2(3)(原判決9頁25行目から10頁11行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 (4) 公文書開示条例6条6号該当性 ア控訴人は、前記第2の6控訴人の主張欄(2)のとおり、当審において、①本件文書1のうち請求者名義及び振込先口座の情報の部分、本件文書2のうち被告職員(控訴人職員)の決裁印及び販売先の部分、本件文書3のうち買受人の名称・住所、荷受人の名称・住所、捕獲者の名称及び追込網漁の許可証の発行を受けた者の名称の部分、本件文書4のうち契約当事者の 名称・住所、本件文書6のうち死体処理を請け負った業者の名称及び振込先口座の名称の部分に係る情報につき、一旦インターネット等を介して拡散すると、これらの者の生命に甚大な危険が及ぶ、②本件文書7のうちくじらの博物館において死亡した動物の写真につき、当該写真のみがインターネット上で拡散すると、同博物館で動物虐待がなされているがごとき虚 偽の事実が吹聴される蓋然性が高く、同博物館の安全と秩序の維持に支障が生じるだけでなく、同博物館で勤務する職員の生命等に危険が及ぶなどとして、上記各情報が公文書開示条例6条6号に該当する旨を主張する(なお、被控訴人は、控訴人の上記主張について、時機に後れて提出した攻撃防御方法に該当するとして却下を求めるが、上記主張により訴訟の完 結を遅延させることとなるとは認められないから、時機に後れたものとし - 11 -て却下しない。)。 イ上記①の主張に係る情報は、いずれも鯨類の捕獲や取引に関与した公務員、捕獲者又は取引先業者を特定することができる情報である。そして、上記情報が開示された場合、これらの者が過激な反捕鯨団体等からの攻撃や嫌がらせ等の対象となり、何らか 鯨類の捕獲や取引に関与した公務員、捕獲者又は取引先業者を特定することができる情報である。そして、上記情報が開示された場合、これらの者が過激な反捕鯨団体等からの攻撃や嫌がらせ等の対象となり、何らかの危害が及ぶおそれが抽象的にあるこ とは否定できない。しかしながら、上記情報が開示されたとしても、その情報としての性質や前記(2)イで説示したところからすると、直ちにこれらの者の生命、身体等に危害等が及ぶ具体的なおそれがあるとまで認めるのは困難といわざるを得ず、これをもって「公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報」ということはできない。 また、上記②の主張に係る情報は、これが悪意をもって動物虐待と結び付けられ、インターネット上で拡散されるなどすれば、控訴人が主張するような危険が生じる可能性はあり得るものの、上記可能性は具体的なものとは認め難いのみならず、死亡した動物の写真は上記情報の開示によらずとも他の手段により容易に入手し得るものであることも踏まえると、これ を開示することにより、直ちにくじらの博物館の安全と秩序の維持に支障が生じたり、同博物館で勤務する職員の生命等に危険が及んだりするものとは認められず、これをもって「公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報」ということはできない。 したがって、控訴人の上記各主張はいずれも採用できず、上記各情報は いずれも公文書開示条例6条6号に該当しない。 (5) 以上検討したところによれば、本件各文書は、本件文書6の担当者の氏名が記載された部分を除き、いずれも公文書開示条例6条1号ないし3号及び6号が規定する非開示情報に該当しない。 3 争点(3)(権利濫用)について 原判決「事実及び理由」欄第3の3(原判決10頁16行目から1 除き、いずれも公文書開示条例6条1号ないし3号及び6号が規定する非開示情報に該当しない。 3 争点(3)(権利濫用)について 原判決「事実及び理由」欄第3の3(原判決10頁16行目から11頁11 - 12 -行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 4 以上のとおり、本件処分1及び本件処分3のうち非開示とした部分(ただし、本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を非開示とした部分を除く。)並びに本件処分2及び本件処分4はいずれも違法であるから取り消されるべきであり、また、実施機関である太地町教育委員会において上記部分につ き開示決定をすべきことは公文書開示条例6条の規定から明らかであるから、本件文書1ないし本件文書3、本件文書5及び本件文書6の非開示部分(ただし、本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を除く。)並びに本件文書4及び本件文書7を開示する旨の決定をすべきである。他方、本件各処分のうち本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を非開示とした 部分は適法であるから、被控訴人のその余の請求は理由がなく、また、本件訴えのうちその余の義務付け請求に係る部分(本件文書6の各文書の担当者の氏名が記載された部分を開示する旨の決定の義務付けを求める部分)は、行政事件訴訟法37条の3第1項2号の要件を満たさない不適法なものである。 5 以上によると、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却するこ ととして、主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第8民事部 裁判長裁判官 森崎英二 - 13 -裁判官 裁判長 裁判官 森崎英二 裁判官 奥野寿則 裁判官 渡部佳寿子は、転補につき、署名押印することができない。 裁判長 裁判官 森崎英二

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る