令和7(わ)1126 贈賄

裁判年月日・裁判所
令和7年9月17日 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,274 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役1年に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、広告宣伝の情報媒体の企画制作及び販売等を目的とする株式会社Aの取締役として、同社の営業等に関する業務を統括していたもの、B(分離前の相被告人。)は、令和2年4月1日から令和6年3月31日までの間、名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹として、同年4月1日から令和7年3月31日までの間、同部担当課長として、同部が主管する観光客の誘致に係るプロモーションに関する業務につき、業務委託先の選定等の職務に従事していたものであるが、被告人は、前記プロモーションに関する業務に関し、前記Aが受注できるようにするなどの有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に、令和5年3月9日頃から令和6年12月6日頃までの間、名古屋市中区三の丸3丁目1番1号名古屋市役所本庁舎において、別表記載のとおり、11回にわたり、被告人から、直接又は前記観光交流部観光推進課職員等を介して、Bに対し、現金合計28万9795円を供与するとともに、Bに預けていた現金合計14万3325円の返還債務を免除して同金額相当の財産上の利益を供与し、もってそれぞれBの職務に関して賄賂を供与した。 (量刑の理由)本件は、広告宣伝企画等会社の営業担当取締役であった被告人による、名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹(後に担当課長)であったBに対する贈賄の事案である。 賄賂の金額は、現金及び債務免除を合わせて約43万円に上り、少額とはいえない。被告人は、Bから、名古屋市又はその委託先会 交流局観光交流部主幹(後に担当課長)であったBに対する贈賄の事案である。 賄賂の金額は、現金及び債務免除を合わせて約43万円に上り、少額とはいえない。被告人は、Bから、名古屋市又はその委託先会社に対する経費の請求金額を水増しすることを前提に、Bの私的な支出相当額の現金供与あるいは仮払金精算時の - 2 -債務免除を持ち掛けられ、代表取締役と相談した末、名古屋市の業務の受注実績という箔付け及び新規営業先開拓への好影響を期待してこれに応じ、約1年9か月間、11回にわたり、賄賂の供与を繰り返したもので、名古屋市の観光客誘致業務の公正さはもとより、同業務に関する支出手続及び使途の適正さ、それらに対する市民からの信頼を大きく損ねており、結果は重大である。 他方、本件各犯行はBの働き掛けが発端であり、請求書の水増し内容もBからの具体的提案に従っている。加えて、被告人が、公判では本件各犯行を認め、今後については代表取締役とも相談し、二度と犯罪に及ばない旨述べるなど、反省の態度を示していること、前科を有しないこと、そのほか同居する高齢の母親の存在等、被告人にとって酌むべき事情も認められるので、今回に限り、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 令和7年9月17日名古屋地方裁判所刑事第1部 裁判官森島聡

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