【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 被告人ら全員の弁護人岡林辰雄、同竹沢哲夫、同樋口幸子、同斎藤忠昭、同青木 正芳、被告人A、同Bを除くその余の被告人らの
主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人ら全員の弁護人岡林辰雄、同竹沢哲夫、同樋口幸子、同斎藤忠昭、同青木正芳、被告人A、同Bを除くその余の被告人らの弁護人島田正雄連名の上告趣意第一点について。 所論は、違憲をいう点もあるが、その実質は事実誤認、単なる法令違反の主張に帰し、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。 同第二点について。 所論中、憲法三七条一項違反をいう点は、右憲法の条項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは所論のような場合をいうものでないことは、当裁判所屡次の判例の示すところであつて(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年五月五日、同二二年(れ)第四八号同二三年五月二六日各大法廷判決、刑集二巻五号四四七頁、同五一一頁参照)、右違憲の主張は理由がなく、その余の論旨は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。 同第三点および第四点について。 所論は、違憲、違法をいうが、憲法は審級制度を如何にすべきかについては、その八一条において、最高裁判所は法律命令等が憲法に適合するか否かを決定する権限を有する終審裁判所である旨を定めているほか何ら規定するところがないから、この点以外の審級制度は立法をもつてこれを定めうるものであり、したがつて、事実審査を第二審限りとしても憲法に違反するものでなく、また、上告理由が刑訴法四〇五条により制限されている関係上、第一審の無罪判決を破棄自判により有罪とした第二審判決に対し上訴によつて事案誤認等を争う途が閉されているとしても、違憲といえないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二二年(れ)第四三号同二三年- 1 -三月一〇日宣告、刑集二巻三号一七五頁)の趣旨とするところである。また、刑訴法四〇〇条但書の規定は、控訴審がみずから事実の取調をする 、当裁判所大法廷判決(昭和二二年(れ)第四三号同二三年- 1 -三月一〇日宣告、刑集二巻三号一七五頁)の趣旨とするところである。また、刑訴法四〇〇条但書の規定は、控訴審がみずから事実の取調をするにおいては、第一審の無罪判決を破棄して有罪となしうる趣旨であつて、この場合に、憲法三一条、三七条二項の保障する被告人の権利を害さず、直接審理主義、口頭弁論主義の原則を害するものでないことは、これまた、当裁判所大法廷判決(昭和二六年(あ)第二四三六号同三一年七月一八日宣告、刑集一〇巻七号一一四七頁、同二七年(あ)第五八七七号同三一年九月二六日宣告、刑集一〇巻九号一三九一頁、なお昭和三三年(あ)第二〇八二号同三五年一二月八日第一小法廷判決、刑集一四巻一三号一八一八頁参照)の趣旨とするところであつて、本件につき、原審が自判に必要な事実の取調を行なつていることは、記録上明らかである。されば、所論憲法三一条、三二条、三七条二項、七六条一項、八一条並びに刑訴法四三条一項、三五一条一項、四〇〇条各違反の主張およびこれを前提とする憲法一四条違反の主張は、いずれも採用できない。所論は、さらに、憲法七六条三項違反をも主張するが、原審裁判官がその良心に反して裁判をしたと疑われるような証跡は存しないから、右違憲の主張は、前提を欠き、適法な上告理由に当らない。 同第五点ないし第八点および被告人ら本人の上告趣意について。 所論中には、違憲または判例違反をいう点もあるが、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張に帰し、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。 また、記録を調べても原判決に各所論の点について同四一一条一号または三号を適用すべきものとは認められない。すなわち、(一)まず、被告人Cを除くその余の被告人らにかかる各森林法違反の事実についてみるに、本件森林を包含するいわ に各所論の点について同四一一条一号または三号を適用すべきものとは認められない。すなわち、(一)まず、被告人Cを除くその余の被告人らにかかる各森林法違反の事実についてみるに、本件森林を包含するいわゆるa山に対する所有権が土地官民有査定処分以来転々して原判示Dの手に帰したものであり、右山林に対し大字a部落民が従前共有の性質を有しない入会権を保有していたが、仙台高等裁判所において成立した原判示調停の効力により、右部落民- 2 -は本件森林に対し入会権その他なんらの権原を有しないとした原審の認定判断は、挙示の証拠に照らして是認できる。弁護人並びに被告人らは、第一審以来、一部入会権者の参加漏れその他の事由を挙げて、右調停は不成立または無効である旨主張し、被告人らの原判示立木の伐採ないし運搬の各所為は入会権の行使またはこれに基づく適法行為であるというのであるが、所論が参加漏れであると主張するEおよびFの両名については、利害関係人Gがその代理人をも兼ねて調停の期日に出頭し、その成立に関与した事実は、調停調書の記載に徴し明白であり(右代理人としての出頭の点に関する同調書の記載の信用性を疑うべき証跡は存しない)、右Gが両名の代理人として調停に関与した行為が無権代理ではあるが、原判示の理由により各本人の追認があつたものとして、両名の調停参加の効力を認めた原判断は相当である。また、所論HおよびIの両名につき、入会権を有していたものとは認めがたいとして、同人らの調停不参加がその効力に影響を及ぼさないとした原審の認定にも誤りがあるとは認められない。その他、所論調停の不成立または無効を来すべき事由が存するものとは認められないとした原判示は、いずれもこれを首肯するに足り、事実誤認、理由不備などの違法があるとは認められない。されば、右調停が不成立または無効である 不成立または無効を来すべき事由が存するものとは認められないとした原判示は、いずれもこれを首肯するに足り、事実誤認、理由不備などの違法があるとは認められない。されば、右調停が不成立または無効であることを前提として本件森林法違反の罪責を否定する前記主張を排斥し、被告人らに対し同罪の成立を認めた原判決は、正当として是認しうる。(二)つぎに、被告人Cにかかる封印破棄、被告人J、同K、同Lにかかる窃盗、被告人Mにかかる窃盗、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の点に関する第一審判決判示の各事実は、原判決が同被告人ら並びに原審弁護人らの各控訴趣意に対する判断の項において説示するとおり、第一審判決挙示の関係証拠によりこれを肯認するに足り、その認定を支持した原判決に事実誤認、採証法則の違反があるとは認められない。 よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 - 3 -検察官玉沢光三郎公判出席昭和四一年一月二八日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 4 -
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