- 1 -主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 処分行政庁が原告に対して平成16年4月27日付けでした同11年12月1日から同12年11月30日までの事業年度の法人税の更正のうち,所得金額2億5574万2515円,納付すべき税額7666万9100円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定(ただし,同16年6月29日付け変更決定により一部取り消された後のもの)を取り消す。 処分行政庁が原告に対して平成16年4月27日付けでした同12年12月1日から同13年11月30日までの事業年度の法人税の更正のうち,所得金額5億3767万9363円,納付すべき税額1億6125万1000円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。 処分行政庁が原告に対して平成16年4月27日付けでした同13年12月1日から同14年11月30日までの事業年度の法人税の更正のうち,所得金額2億5863万7674円,納付すべき税額7757万9800円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。 第2事案の概要本件は,処分行政庁が,原告と原告の国外関連者(租税特別措置法66条の4第1項参照)であるP1(以下「P1社」という。)及びP2(以下「P2社」という。)との間で行われた役務提供取引について,原告がP1社又はP- 2 -2社から支払を受けた対価の額が同条2項所定の独立企業間価格に満たないとして,同条1項の規定に基づき,同役務提供取引が独立企業間価格により行われたものとみなして計算した所得金額を基に,法人税の増額更正及び過少申告加算税賦課決定をしたことから,原告が,原告がP1社及びP2社から支払を受けた対価の額は独立企業間価格に満たないものではなく,被告が独立企業間価格である 所得金額を基に,法人税の増額更正及び過少申告加算税賦課決定をしたことから,原告が,原告がP1社及びP2社から支払を受けた対価の額は独立企業間価格に満たないものではなく,被告が独立企業間価格であると主張する金額は独立企業間価格ではない旨主張して,被告に対し,同更正のうち確定申告及び修正申告に係る所得金額及び納付すべき税額を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定(ただし,平成16年6月29日付け変更決定により一部取り消された後のもの)の各取消しを求める事案である。 関係法令等の定め( )平成14年法律第79号による改正前の租税特別措置法(以下「租税特別 措置法」という。)66条の4ア1項法人が,昭和61年4月1日以後に開始する各事業年度において,当該法人に係る国外関連者(外国法人で,当該法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の総数又は出資金額の100分の50以上の株式の数又は出資の金額を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める特殊の関係(以下この条において「特殊の関係」という。)のあるものをいう。以下この条において同じ。)との間で資産の販売,資産の購入,役務の提供その他の取引を行つた場合に,当該取引(当該国外関連者が法人税法第141条第1号から第3号までに掲げる外国法人のいずれに該当するかに応じ,当該国外関連者のこれらの号に掲げる国内源泉所得に係る- 3 -取引のうち政令で定めるものを除く。以下この条において「国外関連取引」という。)につき,当該法人が当該国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たないとき,又は当該法人が当該国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは,当該法人の当該事業年度の所得…(略)…に係る同法その他法人税に関する法令の規定の適用については,当該国 に満たないとき,又は当該法人が当該国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは,当該法人の当該事業年度の所得…(略)…に係る同法その他法人税に関する法令の規定の適用については,当該国外関連取引は,独立企業間価格で行われたものとみなす。 イ2項前項に規定する独立企業間価格とは,国外関連取引が次の各号に掲げる取引のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める方法により算定した金額をいう。 棚卸資産の販売又は購入次に掲げる方法(ニに掲げる方法は,イからハまでに掲げる方法を用いることができない場合に限り,用いることができる。)イ独立価格比準法(特殊の関係にない売手と買手が,国外関連取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階,取引数量その他が同様の状況の下で売買した取引の対価の額(当該同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階,取引数量その他に差異のある状況の下で売買した取引がある場合において,その差異により生じる対価の額の差を調整できるときは,その調整を行つた後の対価の額を含む。)に相当する金額をもつて当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。)ロ再販売価格基準法(国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関- 4 -係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(以下この項において「再販売価格」という。)から通常の利潤の額(当該再販売価格に政令で定める通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を控除して計算した金額をもつて当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。)ハ原価基準法(国外関連取引に係る棚卸資産の売手の購入,製造その他の行為による取得の原価の額に通常の利潤の額(当該原価の額に政令で定める通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を加算して計算した金額をもつて当該国外関連取 に係る棚卸資産の売手の購入,製造その他の行為による取得の原価の額に通常の利潤の額(当該原価の額に政令で定める通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を加算して計算した金額をもつて当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。)ニイからハまでに掲げる方法に準ずる方法その他政令で定める方法 前号に掲げる取引以外の取引次に掲げる方法(ロに掲げる方法は,イに掲げる方法を用いることができない場合に限り,用いることができる。)イ前号イからハまでに掲げる方法と同等の方法ロ前号ニに掲げる方法と同等の方法ウ9項国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は,法人が第7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提出しなかつた場合において,当該法人の各事業年度における国外関連取引に係る第1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要があるときは,その必要と認められる範囲内において,当該法人の当該- 5 -国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に質問し,又は当該事業に関する帳簿書類を検査することができる。 ( )平成14年法律第79号附則2条 この附則に別段の定めがあるものを除き,…(略)…第3条の規定による改正後の租税特別措置法(以下「新租税特別措置法」という。)の規定…(略)…は,法人(新法人税法第2条第8号に規定する人格のない社団等を含む。以下同じ。)の平成15年3月31日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税…(略)…について適用し,法人の同日前に終了した事業年度の所得に対する法人税…(略)…については,なお従前の例による。 ( )平成16年政令105号による改正前の租税特別措置法施行令(以下「租 税特別措置法施行令」という。)39条の12ア6項法第66条の4第2 人税…(略)…については,なお従前の例による。 ( )平成16年政令105号による改正前の租税特別措置法施行令(以下「租 税特別措置法施行令」という。)39条の12ア6項法第66条の4第2項第1号ロに規定する政令で定める通常の利益率は,同条第1項に規定する国外関連取引(以下この条において「国外関連取引」という。)に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,特殊の関係(法第66条の4第1項に規定する特殊の関係をいう。)にない者(以下この項及び次項において「非関連者」という。)から購入した者(以下この項において「再販売者」という。)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(以下この項において「比較対象取引」という。)に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額- 6 -に対する割合とする。ただし,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とする。 イ7項法第66条の4第2項第1号ハに規定する政令で定める通常の利益率は,国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,購入(非関連者からの購入に限る。),製造その他の行為により取得した者(以下この項において「販売者」という。)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(以下この項において「比較対象取引」という。)に係る当該販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸 関連者に対して販売した取引(以下この項において「比較対象取引」という。)に係る当該販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該原価の額の合計額に対する割合とする。ただし,比較対象取引と当該国外関連取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とする。 ウ8項法第66条の4第2項第1号ニに規定する政令で定める方法は,国外関連取引に係る棚卸資産の同条第1項の法人又は当該法人に係る同項に規定する国外関連者による購入,製造,販売その他の行為に係る所得が,当該棚卸資産に係るこれらの行為のためにこれらの者が支出した費用の額,使用した固定資産の価額その他これらの者が当該所得の発生に寄与した程度- 7 -を推測するに足りる要因に応じて当該法人及び当該国外関連者に帰属するものとして計算した金額をもつて当該国外関連取引の対価の額とする方法とする。 ( )平成16年政令105号附則19条 新令第3章の規定は,別段の定めがあるものを除くほか,法人(…(略)…)の施行日以後に開始する事業年度分の法人税…(略)…について適用し,法人の施行日前に開始した事業年度分の法人税…(略)…については,なお従前の例による。 前提事実本件の前提となる事実は,次のとおりである。証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる事実等は,その旨付記した。その余の事実は,当事者間に争いがない。 ( )当事者等 ア原告は,コンピューターソフトウェア製品の販売支援,マーケティング,製品サポート事業等を業とする株式会社である。 イP1社は,平成11年12月1日から同12年 争いがない。 ( )当事者等 ア原告は,コンピューターソフトウェア製品の販売支援,マーケティング,製品サポート事業等を業とする株式会社である。 イP1社は,平成11年12月1日から同12年11月30日までの事業年度(以下「平成12年11月期」という。)以降,原告の発行済株式等(租税特別措置法施行令38条の12第1項1号参照)の100%を保有しており,原告に係る租税特別措置法66条の4第1項所定の国外関連者である。 ウP2社は,平成13年12月1日から同14年11月30日までの事業年度(以下「平成14年11月期」という。)以降,P1社の発行済株式- 8 -等の100%を保有することによって,原告の発行済株式等の100%を間接的に保有しており,原告に係る租税特別措置法66条の4第1項所定の国外関連者である(以下,P1社とP2社を併せて「本件各国外関連者」という。)。 エ本件において課税の対象となった国外関連取引は,本件各国外関連者(平成12年11月期及び同12年12月1日から同13年11月30日までの事業年度(以下「平成13年11月期」という。)においてはP1社,平成14年11月期においてはP2社)が日本に在る卸売業者等に対して販売した,原告と本件各国外関連者との間の各業務委託契約書(以下,これらを併せて「本件各業務委託契約書」という。)記載のソフトウェア製品(以下,これらを総称して「P3製品」という。)に関し,原告が,本件各国外関連者に対し,本件各業務委託契約書によって締結された契約(以下「本件各業務委託契約」という。)に基づき,同卸売業者等に対する役務を提供し,その対価として本件各国外関連者から手数料(以下「本件手数料」という。)を受領するという取引である(以下,この国外関連取引を「本件国外関連取引」という。)。(乙 ,同卸売業者等に対する役務を提供し,その対価として本件各国外関連者から手数料(以下「本件手数料」という。)を受領するという取引である(以下,この国外関連取引を「本件国外関連取引」という。)。(乙9の1,9の2)( )処分の経緯等 ア処分行政庁が原告に対して平成16年4月27日付けでした平成12年11月期,平成13年11月期及び平成14年度11月期(以下,これらの事業年度を併せて「本件各事業年度」という。)の法人税の各更正(以下,平成12年11月期に係る更正を「平成12年11月期更正」,平成13年11月期に係る更正を「平成13年11月期更正」,平成14年1- 9 -1月期に係る更正を「平成14年11月期更正」といい,これらを併せて「本件各更正」という。)及び各過少申告加算税の賦課決定(以下,平成12年11月期に係る過少申告加算税の賦課決定を「平成12年11月期賦課決定」,平成13年11月期に係る過少申告加算税の賦課決定を「平成13年11月期賦課決定」,平成14年11月期に係る過少申告加算税の賦課決定を「平成14年11月期賦課決定」といい,これらを併せて「本件各賦課決定」という。また,本件各更正と本件各賦課決定とを併せて「本件各処分」という。)の経緯は,別表のとおりである。 イ原告は,東京国税局長に対し,平成16年6月25日,本件各処分につき異議申立てをしたところ,東京国税局長は,同年11月15日,同異議申立てを棄却する旨の決定をした。 ウ原告は,国税不服審判所長に対し,平成16年12月14日,本件各処分につき審査請求をしたところ,国税不服審判所長は,同17年12月9日,同審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をした。(乙27)エ原告は,平成17年5月12日,本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実) 争点 ( ) ,国税不服審判所長は,同17年12月9日,同審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をした。(乙27)エ原告は,平成17年5月12日,本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実) 争点 ( )本件手数料の額が独立企業間価格に満たないものであるか ( )本件各処分に質問検査権限の行使に係る違法事由があるか 当事者の主張の要旨( )争点( )(本件手数料の額が独立企業間価格に満たないものであるか)に ついて- 10 -(被告の主張)ア処分行政庁が本件各更正において本件国外関連取引の独立企業間価格を算定するに当たって用いた算定方法は,以下のとおりであり,これは,租税特別措置法66条の4第2項2号所定の算定方法のうち,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法に当たるものである。 (ア)すなわち,原告は,本件国外関連取引において,本件各国外関連者に対して,①我が国において,卸売業者を訪問して,P3製品の販売促進や新製品の紹介を行い,これを購入するよう顧客を誘導したり,②顧客からの質問やクレームに対応するなどのサポートサービスを行ったり,③P3製品の日本におけるマーケティングを行ったり,④本件国外関連者による日本でのP3製品の販売促進及び宣伝広告を支援したり,⑤卸売業者,ディーラー及びエンドユーザーに対し,P3製品の操作についてトレーニングを実施したりするという内容の役務を提供し,その対価を収受している。 原告が提供する上記①ないし⑤の役務の内容は,棚卸資産を仕入れて販売する取引(再販売取引)において再販売者が行っている活動と基本的に同様のものであるから,我が国におけるP3製品の販売において原告が果たしている機能は,仕入販売取引において再販売者が果たしている機能と同様に解することができる。 また,原告は,専ら役務 動と基本的に同様のものであるから,我が国におけるP3製品の販売において原告が果たしている機能は,仕入販売取引において再販売者が果たしている機能と同様に解することができる。 また,原告は,専ら役務提供を行う者であり,棚卸資産の在庫は保有しておらず,在庫リスクを負わないことになるが,在庫リスクを負わないことは,受注販売方式を採っている仕入販売業者(再販売者)におい- 11 -ても基本的に同様である。 同様の機能及びリスクを有する再販売者であれば,売上高に対する売上総利益(売上高から売上原価を控除した残額)の割合(売上総利益率)も,同等の水準となるのが通常であると考えられるところ,上記のとおり,原告が受注販売方式を採る再販売者と同様の機能及びリスクを有することを考慮すると,我が国におけるP3製品の売上高に対する通常の手数料の額の割合(以下「通常の手数料率」という。)は,受注販売方式を採る再販売者の売上総利益率と同等の水準となるものと解される。 したがって,本件国外関連取引において原告が受け取るべき通常の手数料の額(独立企業間価格)は,P3製品と同種又は類似のソフトウェアについて非関連者間で行われた受注販売方式の再販売取引を比較対象取引に選定した上で,その売上総利益率(必要な差異の調整を加えたもの)をP3製品の我が国における売上高に乗じることによって算定することが可能である。 (イ)このような独立企業間価格の算定方法は,本件国外関連取引において原告が果たしている機能及び負担しているリスクが,受注販売方式を採る再販売取引における再販売者の機能及びリスクと基本的に同様であることに着目したものである。そして,租税特別措置法66条の4第2項1号ロは,再販売取引について再販売価格基準法により独立企業間価格を算定することを認めているところ,この びリスクと基本的に同様であることに着目したものである。そして,租税特別措置法66条の4第2項1号ロは,再販売取引について再販売価格基準法により独立企業間価格を算定することを認めているところ,この方法は,主として再販売者の果たす機能や負担するリスクに着目するものである。このことは,同- 12 -法施行令39条の12第6項が,通常の利益率の算定において,「売手の果たす機能」等による差異の調整を求めていることからも裏付けられる。 したがって,本件国外関連取引について,原告が果たしている機能及び負担しているリスクという観点から,受注販売方式による再販売取引との類似性に着目し,その売上総利益率をもって通常の手数料の額(独立企業間価格)を算定しようとする前記算定方法は,「棚卸資産の販売又は購入」の場合における再販売価格基準法の考え方からかい離するものではなく,本件における原告の事業内容や本件国外関連取引の取引内容に適合した合理的な方法といえるから,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法に当たるというべきである。 イ(ア)租税特別措置法66条の4第2項2号は,「棚卸資産の購入又は販売」以外の取引の場合の独立企業間価格の算定方法につき,「次に掲げる方法」として,イにおいて,同項1号イからハまでに掲げる方法(以下「基本3法」という。)と同等の方法を掲げ,ロにおいて,基本3法に準ずる方法その他政令で定める方法と同等の方法を掲げている。もっとも,同号柱書きは,その括弧書きにおいて,「(ロに掲げる方法は,イに掲げる方法を用いることができない場合に限り,用いることができる。)」と規定しているから,「イに掲げる方法を用いることができ」る場合には,「ロに掲げる方法」(基本3法に準ずる方法等と同等の方法)を用いることはできないことになる。 そして,上記括 ることができる。)」と規定しているから,「イに掲げる方法を用いることができ」る場合には,「ロに掲げる方法」(基本3法に準ずる方法等と同等の方法)を用いることはできないことになる。 そして,上記括弧書きに規定された要件に係る立証責任の分配につい- 13 -ては,移転価格税制の適用に係る課税処分の取消訴訟においては,被告が,同号ロに掲げる方法(基本3法に準ずる方法等と同等の方法)により国外関連取引の独立企業間価格を算定したことを主張立証した場合には,これを争う納税者の側において,当該事案では同号イに掲げる方法(基本3法と同等の方法)を用いることができることを主張立証すべきものと解するのが相当である。 それにもかかわらず,原告は,本件において基本3法と同等の方法を用いることができることを具体的に主張立証しないから,処分行政庁が同号ロの方法のうち再販売価格比準法に準ずる方法と同等の方法を用いたこと自体に問題はないというべきである。 (イ)また,仮に,基本3法と同等の方法を用いることができないことの立証責任が被告にあるという解釈を採る場合であっても,例えば,課税庁において合理的な調査を尽くしても基本3法と同等の方法の適用対象となり得る比較対象取引を見いだすことができなかったことが立証されれば,これによって,基本3法と同等の方法を用いることができないことが事実上推定され,これを争う納税者の側において基本3法と同等の方法を用いることができることを具体的に主張立証すべきことになるものと解すべきである。 (ウ)これを本件についてみると,本件各更正処分に係る調査を担当したP4国税調査官(以下「P4調査官」という。)は,本件に基本3法と同等の方法を適用するために必要な比較対象取引が存在するか否かについて調査を尽くしたが,適切な役務提供取引は見いだ 係る調査を担当したP4国税調査官(以下「P4調査官」という。)は,本件に基本3法と同等の方法を適用するために必要な比較対象取引が存在するか否かについて調査を尽くしたが,適切な役務提供取引は見いだされず,あるいは,- 14 -役務提供取引を行っていても,関連者間の取引であったり,取引開始から日が浅いなどの理由により,比較対象取引とすることができず,その結果,基本3法と同等の方法の適用対象となり得る比較対象取引を見いだすことができなかったものである。 したがって,仮に,本件に基本3法と同等の方法を用いることができないことの立証責任が被告にあるとしても,本件においては,基本3法と同等の方法を用いるための比較対象取引の存否について,合理的な調査が尽くされたというべきであるから,本件に基本3法と同等の方法を用いることができないことが事実上推定されるべきである。 それにもかかわらず,原告は,本件に基本3法と同等の方法を用いることができることをいまだ具体的に主張立証していないから,本件は,租税特別措置法66条の4第2項2号柱書きの括弧書きにいう「イに掲げる方法を用いることができない場合」に当たるというべきである。 ウ(ア)本件国外関連取引において原告が受け取るべき通常の手数料の額(独立企業間価格)は,P3製品と同種又は類似のソフトウェアについて非関連者間で行われた受注販売方式の再販売取引を比較対象取引に選定した上で,その売上総利益率(必要な差異の調整を加えたもの)をP3製品の我が国における売上高に乗じることによって算定することが可能である。 そこで,処分行政庁は,P3製品と同種又は類似のソフトウェア(プロフェッショナル用グラフィックソフト)について,比較対象法人(以下「本件比較対象法人」という。)が非関連者との間で行った受注販売- 15 - 処分行政庁は,P3製品と同種又は類似のソフトウェア(プロフェッショナル用グラフィックソフト)について,比較対象法人(以下「本件比較対象法人」という。)が非関連者との間で行った受注販売- 15 -方式の再販売取引を比較対象取引(以下「本件比較対象取引」という。)に選定した。 すなわち,原告の平成12年11月期,平成13年11月期及び平成14年11月期に対応する本件比較対象法人の直近の事業年度は,それぞれ,平成12年度,平成13年度及び平成14年度であるところ,まず,平成12年11月期(平成12年度)については,本件比較対象法人が取り扱っている各種グラフィックソフトのうち,特定の主力商品に係る取引を比較対象取引に選定した。また,平成13年11月期(平成13年度)及び平成14年11月期(平成14年度)については,本件比較対象法人の各部門のうち,グラフィックソフトを取り扱っている部門の全取引を比較対象取引に選定した。 (イ)再販売価格基準法の場合,この方法が,主として再販売者の果たす機能や負担するリスクに着目するものであること,また,独立価格比準法のように,比較可能取引の価格自体を独立企業間価格とするものではなく,一定期間にわたる類似取引の利益率から独立企業間価格を算定するものであることから,独立価格比準法のように棚卸資産の厳密な類似性は必要とされず,同種又は類似の棚卸資産の再販売取引であれば,比較可能性のある比較対象取引となるものと解されている。 したがって,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法が適用される本件においても,本件比較対象取引が本件国外関連取引と比較可能な取引であるか否かを判断する際には,棚卸資産(グラフィックソフト)や提供される役務(販売促進等)の厳密な類似性までが要求されるもの- 16 -ではなく,主として原告 が本件国外関連取引と比較可能な取引であるか否かを判断する際には,棚卸資産(グラフィックソフト)や提供される役務(販売促進等)の厳密な類似性までが要求されるもの- 16 -ではなく,主として原告及び本件比較対象法人の果たす機能及び負担するリスクの観点から,本件国外関連取引と本件比較対象取引の類似性の有無を検討すべきである。 そして,原告が行った本件国外関連取引と本件比較対象法人が行った本件比較対象取引との間には,取扱商品等,本件比較対象法人が果たす機能及び負担するリスクという観点からみれば,十分な比較可能性があるものと認められる。 (ウ)この点につき,原告は,処分行政庁の比較対象取引の選定基準に合理性はなく,恣意的であって,かかる恣意的な選定基準により選定されした企業の取引は比較対象取引たり得ない旨主張する。 しかし,仮に,比較対象取引について,比較可能性の要件を離れて,当該取引の「選定基準」が「合理性」を有すること,あるいは「恣意的」でないことという新たな要件を設ける趣旨の主張であるとすれば,それは独自の見解というほかないから,この点において既に失当である。 仮にこの点をおくとしても,P4調査官は,合理的な手段を用いて本件比較対象法人を選定したのであり,その選定の基準及び過程に何ら恣意的な点は認められない。 エ(ア)再販売価格基準法において用いられる「通常の利益率」は,比較対象取引と当該国外関連取引に係る再販売取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とされている。 そこで,本件においても,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方- 17 -法を適用するに当たり,本件比較対象取引と本件国外関連取引とが売手(本件国外関連取引においては原告)の果たす機能そ いる。 そこで,本件においても,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方- 17 -法を適用するに当たり,本件比較対象取引と本件国外関連取引とが売手(本件国外関連取引においては原告)の果たす機能その他において差異がある場合には,本件比較対象取引の売上総利益率に,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合を通常の手数料率とすべきことになるが,このような差異の調整は,その差異が取引価格の差に表れていることが客観的に明らかであると認められる場合に限って行われるべきである。 そこで,処分行政庁は,売掛金回転率及び買掛金回転率の差異並びに債権回収リスクの差異が取引価格の差に表れていることが客観的に明らかであることから,当該差異を調整した。 (イ)これに対し,原告は,商品の受発注及び配送手配,仕入代金の入金管理等の機能に関する本件国外関連取引と本件比較対象取引の差異について,差異の調整をすべき旨主張するが,それらが取引価格の差に表れていることが客観的に明らかであるとはいえないから,原告の主張する上記差異の調整を行う必要性は認められない。 (原告の主張)ア(ア)本件各処分において処分行政庁が適用した独立企業間価格の算定方法は,「再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法」であり,これが基本3法そのものではないことは明らかであるところ,被告は,本件において基本3法を用いることができないことを立証していないから,基本3法以外の方法を用いてなされた本件各処分は違法である。 (イ)「基本3法が適用できないこと」の立証責任は被告にある。なぜな- 18 -ら,租税訴訟(取消訴訟)においては,原則として被告が課税根拠事実の立証責任を負うと解されているところ,「基本3法を用いることができない場合であること」は課税根拠事実であり,しかも,① - 18 -ら,租税訴訟(取消訴訟)においては,原則として被告が課税根拠事実の立証責任を負うと解されているところ,「基本3法を用いることができない場合であること」は課税根拠事実であり,しかも,①移転価格税制を適用した課税は,実際の取引価額に基づき算定される所得に対して課税するという法人税課税の原則の例外をなすものであって,納税者に不利な要件であること,②独立企業間価格の算定のための資料は法人内部には存在しないことが多く,独立企業間価格について被告よりも原告の方が証拠に近く容易に立証し得るとはいえないこと,③我が国の税法は納税者に文書化義務を課していないから,原告の支配領域内に証拠が存在するともいえないこと,④むしろ,課税庁には比較対象企業に対する質問検査権が一定の要件の下に認められていることから,被告の方が原告よりも独立企業間価格の立証が容易であるといえること,などからすれば,移転価格課税の取消訴訟において,上記原則を修正しなければならない特別な事情は認められないからである。 イ(ア)被告が主張する移転価格算定方法は,基本3法の考え方から乖離しかいない合理的な方法ではなく,独立企業原則に基づいた手法とはいえない。 なぜなら,同移転価格算定方法は,①役務提供取引への適用はなじまないと一般に考えられている再販売価格基準法に準ずる方法であり,②原告の役務提供取引について独立企業間価格を算定できない不合理な方法であり,③比較対象企業が役務提供取引だけでなく棚卸資産の売買を行っていることの差異調整を行っていない(行うことができない)方法であるからである。 - 19 -(イ)役務提供取引には原価基準法又は独立価格比準法を適用することに合理性が認められるのが一般であり,再販売価格基準法の適用は一般には想定できないということについて,移転 らである。 - 19 -(イ)役務提供取引には原価基準法又は独立価格比準法を適用することに合理性が認められるのが一般であり,再販売価格基準法の適用は一般には想定できないということについて,移転価格課税の世界では広くコンセンサスが形成されている。 (ウ)本来,役務提供取引について比較可能性があるかについては,その取引内容を詳細に検討し,役務の性質と程度を綿密に比較した上でなければ比較可能性があるとの判断はできないものである。しかしながら,被告は,役務の内容を極めて概括的にとらえて,極めて抽象的な主張しかしていない。概括的にとらえた場合に,一見内容が同じに見えたとしても,役務提供の対価は,その内容や程度によって異なるのである。 役務提供取引については,原価基準法が独立企業間価格算定方法として適している場合が多いことについて,一般的なコンセンサスが得られているということは,これを裏返して言えば,役務提供取引については,役務提供者の提供した役務の量(その指標が役務提供者の原価である)を基準として価格決定されるのが一般であるとのコンセンサスが背後にあるといえる。 (エ)役務提供取引の対価の決定方式に関して,原価に応じて決せられるもの(コストプラス)と原価とは無関係に決せられるものとを比較した場合,移転価格的な発想によれば,両者の差異は役務提供取引によるリスクを誰が負担するのかという観点からとらえられるのである。 原告が国外関連者と合意している手数料率は「コスト+日本におけるP3製品の純売上高の1.5%」であるから,原告は役務提供事業によ- 20 -って常に利益を確保できることが保証されているのであり,事業活動により損失を被るリスクを負担していない。したがって,かかるリスク負担との関係からも,リスク負担をしない事業者が採用している原価基 -って常に利益を確保できることが保証されているのであり,事業活動により損失を被るリスクを負担していない。したがって,かかるリスク負担との関係からも,リスク負担をしない事業者が採用している原価基準法が本件において適用する最も合理的な移転価格算定方法なのであって,被告の主張する移転価格算定方法は,本件においては不合理な方法である。 ウ(ア)本件比較対象法人の取り扱うソフトの輸入者は,日本におけるソフトウェアの流通経路の「ディストリビュータ」に該当し,本件比較対象法人は「他の2次卸」とともに「リセラー」に該当する企業である。本件比較対象法人は,「販売促進」,「マーケティング」及び「サポート」の活動を行っているが,これらの活動は本件比較対象法人自身のために行っているのであって,当該ソフトのメーカーのために,当該ソフトのメーカーから委託を受けて,これらの活動を行っているのではない。 なぜなら,本件比較対象法人が行う「販売促進」,「マーケティング」及び「サポート」の対象は,本件比較対象法人ないしは本件比較対象法人の系列小売店のエンドユーザーに限定されているのであって,日本における比較対象ソフトのエンドユーザー全般に対して提供されているのではないからである。 (イ)本件比較対象法人は,その潜在的エンドユーザーに対して製品のデモを行うだけでなく,本件比較対象法人の系列小売店のエンドユーザーに対しても本件比較対象法人の系列子会社とともに製品のデモを行っているが,後者のデモの結果比較対象法人の系列小売店からエンドユーザ- 21 -ーが比較対象ソフトを購入すれば,それはすなわち系列小売店に対する本件比較対象法人の比較対象ソフトの売上げに直接結び付くものであって,正に自己のための販売促進活動そのものである。本件比較対象法人のマーケティング活動も 購入すれば,それはすなわち系列小売店に対する本件比較対象法人の比較対象ソフトの売上げに直接結び付くものであって,正に自己のための販売促進活動そのものである。本件比較対象法人のマーケティング活動も,自己の潜在的なエンドユーザーに対して行うものであり,サポートも自己のエンドユーザーに対して行うのであるから,自己のための活動にすぎない。 (ウ)本件比較対象法人が行っているのと同様の活動は,原告ではなく,P3製品のリセラーが行っている活動と同種か又は類似するものである。 P3製品のリセラーは,他の製品のリセラーと同様,自己の潜在的エンドユーザーに対して製品デモを行い,各種イベントやセミナーを主催し,自己のエンドユーザーからの質問やクレームを受け付けて処理しているのである。 (エ)また,本件比較対象法人が果たしている①エンドユーザーとの価格交渉,②エンドユーザーへの商品の発送手配と引渡し,③エンドユーザーへの売買価格の請求,④エンドユーザーからの入金管理,⑤ディストリビュータへの発注,⑥ディストリビュータとの価格交渉,⑦ディストリビュータからの請求額の管理及び⑧ディストリビュータへの支払の機能は,P3製品のリセラーは果たしているが,原告は果たしていない。 (オ)さらに,原告が果たしている①ディストリビュータの販売員のトレーニング,②商品の内容を知らしめるためのメーカーとしてのソフトの広告宣伝及び③メーカーでなければ対応できないサポートの機能は,本件比較対象法人は果たしていない。 - 22 -(カ)以上のとおり,本件比較対象法人の活動は本件比較ソフトのメーカーのための活動とは到底言えず,機能面においても本件比較対象法人と原告とでは明白な著しい差異があることから,本件比較対象法人の取引と原告の役務提供取引との間に比較可能性がないことは明白 フトのメーカーのための活動とは到底言えず,機能面においても本件比較対象法人と原告とでは明白な著しい差異があることから,本件比較対象法人の取引と原告の役務提供取引との間に比較可能性がないことは明白であって,本件比較対象法人の取引を比較対象取引として独立企業間価格を算定することはできない。 エ被告が主張する移転価格算定方法には,原告が「役務提供」だけを行っているのに対し,本件比較対象法人は「役務提供+棚卸資産の売買」を行っており,その機能に明確な差異があるにもかかわらず,その差異調整を行っていない致命的な欠陥がある。 ( )争点( )(本件各処分に質問検査権限の行使に係る違法事由があるか)に ついて(被告の主張)ア原告は,租税特別措置法66条の4第9項の規定に基づく比較対象企業に対する質問検査権限の行使要件が充足されていない旨主張するが,これは,①原告以外の第三者の法益侵害をいうものであって,「自己の法律上の利益に関係のない違法」(行政事件訴訟法10条1項)を理由とするものである上に,②法人税の更正処分の処分要件に当たらない法令の違反をいうものにすぎず,③本件各更正に係る調査手続が「重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたとの評価を受ける」に足りる事実関係を主張するものでもないから,そもそも本件各更正の取消原因たり得ず,主張自体失当というべきである。 - 23 -イ上記のとおり,この点に関する原告の主張はそもそも主張自体失当であるが,本件において租税特別措置法66条の4第9項所定の比較対象企業に対する質問検査権限の行使要件は満たされている。 (原告の主張)ア本件各更正は,租税特別措置法66条の4第9項所定の要件を満たしていないのにシークレット・コンパラブルを用いてされた課税処分であり,違法であるから,取り 使要件は満たされている。 (原告の主張)ア本件各更正は,租税特別措置法66条の4第9項所定の要件を満たしていないのにシークレット・コンパラブルを用いてされた課税処分であり,違法であるから,取り消されるべきである。 イ比較対象企業に対する質問検査権限を認めると,その質問検査を受ける比較対象企業の利益が侵害されるだけではなく,シークレット・コンパラブル特有の問題としてシークレット・コンパラブルを用いた課税処分を受ける納税者の利益も侵害されることになる。そこで,課税当局,比較対象企業及びシークレット・コンパラブルを用いた課税処分を受ける納税者の三者の利益を調整する目的で,課税当局に比較対象企業に対する質問検査権限を認めるが,その権限の行使要件として,比較対象企業の法益を保護するために「独立企業間価格を算定するために必要があるときは,その必要と認められる範囲内において」という必要性の要件を規定するとともに,シークレット・コンパラブルを用いた課税処分を受ける納税者の法益を保護するために「法人が第項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく 提示し,又は提出しなかった場合」という不提出の要件を規定したものである。 租税特別措置法66条の4第9項に規定する「不提出の要件」と同一の要件は同条7項にも規定されており,同項が規定する「不提出の要件」に- 24 -ついては,推定規定による移転価格課税を受ける納税者の保護規定であることに疑いの余地がないことからすると,同条9項に規定された不提出の要件の目的もシークレット・コンパラブルを用いた課税処分を受ける納税者の保護規定であることは明らかである。 比較対象企業に対する質問検査を認めるに際して比較対象企業を保護するための要件を規定するためには,他の質問検査権に関する規定と同様に「調査について必要が 納税者の保護規定であることは明らかである。 比較対象企業に対する質問検査を認めるに際して比較対象企業を保護するための要件を規定するためには,他の質問検査権に関する規定と同様に「調査について必要があるとき」という必要性の要件を規定すれば十分なはずである。しかも,不提出の要件を規定しても,守秘義務の関係上,課税庁がどの法人がどの書類を遅滞なく提示又は提出しなかったから質問検査権を行使するのかについて比較対象企業に明らかにすることはあり得ないから,比較対象法人が不提出の要件が充足されていないことを理由に質問検査権の行使を拒むことはおよそ想定できない。したがって,不提出の要件を規定しても比較対象企業の保護には無意味である。 さらに,シークレット・コンパラブルを用いた課税には納税者からの反論が困難になるという根本的な問題があることから,シークレット・コンパラブルを用いた課税を行うべき必要性とかかる課税をされた場合の納税者の不利益とを調整するために設けられた要件が不提出の要件である。独立企業間価格の算定のために必要な納税者側の内部文書であり,提出しようと思えば提出できたのに提出を求められながら提出しなかった場合には,シークレット・コンパラブルを用いた課税を受けてもやむを得ない事情が納税者にあるといえることから,シークレット・コンパラブルを用いた課税をそのような要件が満たされた場合に限定することによって納税者を保- 25 -護するために,不提出の要件が設けられたのである。 ウ被告は,租税特別措置法66条の4第9項は法人税の更正の処分要件を定めた規定に当たらない旨主張する。 しかし,同項は,移転価格税制による更正処分に必要な情報を比較対象企業から入手することを目的とする規定であり,同条1項及び2項の規定を含む実体上及び手続上の課税要件を定めた諸 当たらない旨主張する。 しかし,同項は,移転価格税制による更正処分に必要な情報を比較対象企業から入手することを目的とする規定であり,同条1項及び2項の規定を含む実体上及び手続上の課税要件を定めた諸規定と一体となって機能する規定である。そして,前述のとおり,同条9項の不提出の要件はシークレット・コンパラブルを用いた課税処分を受ける法人の保護を目的とした要件であるから,同項はシークレット・コンパラブルを用いた移転価格課税の処分要件である。同項の要件を満たさないのに第三者に対して質問検査権を行使して違法に入手されたシークレット・コンパラブルを用いた課税処分は,調査対象法人(納税者)の利益を保障するために設けられた規定の趣旨を没却する重大な違反であり適正手続の原則に反する重大な違反であるからである。 エ原告は東京国税局が提出を求めた「独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類又はその写し」をすべて遅滞なく提出して,東京国税局からの事業内容の聴取等にも積極的に協力したのであって,租税特別措置法66条の4第9項に規定するいわゆる「シークレット・コンパラブルの調査」の要件は満たされていない。 第3当裁判所の判断 認定事実前記前提事実に加え,証拠及び弁論の全趣旨(各事実の後に付記する。)に- 26 -よると,以下の事実を認めることができる。 ( )原告とP1社との間の業務委託契約 原告は,P1社との間で,平成11年12月4日から効力が生ずる旨の業務委託契約書を作成して業務委託契約を締結した(以下,この業務委託契約書を「本件業務委託契約書1」といい,業務委託契約を「本件業務委託契約1」という。)。本件業務委託契約1の内容は,おおむね次のとおりである。 (乙9の2)ア前文(ア)P5は,P3製品を開発し所有するP6により, 契約書1」といい,業務委託契約を「本件業務委託契約1」という。)。本件業務委託契約1の内容は,おおむね次のとおりである。 (乙9の2)ア前文(ア)P5は,P3製品を開発し所有するP6により,日本を含む世界の特定地域でP3製品のマーケティング及び販売のライセンスを供与されている。 (イ)P1社は,P5により,日本のあらゆる場所でP3製品を販売し,サポートするライセンスを供与されている。 (ウ)原告は,日本において,P1社がP3製品を卸売業者,2次販売業者及びエンドユーザーにライセンス供与するのを支援し,それら卸売業者,2次販売業者及びエンドユーザーをサポートするトレーニングその他のサービスを提供することを望んでいる。 イ定義(ア)認定ディーラーとは,P1社が指名したディーラー又は認定卸売業者のうちP3製品をエンドユーザーに販売する者をいう。 (イ)認定卸売業者とは,P3製品を認定ディーラーに販売するためにP1社が指名した卸売業者をいう。 - 27 -(ウ)エンドユーザーとは,再販売の目的ではなく,通常の業務用途又は個人用途のために製品を取得した最終の購入者又はライセンシーをいう。 (エ)下請業者とは,原告が指名し,P1社が書面で承諾する第三者であって,本件業務委託契約1の条件に従い本件業務委託契約1に基づく原告の義務の全部又は一部を履行する権限を認められる者をいう。 ウサービス(ア)P1社は,本件業務委託契約1の条件に基づき,P3製品を対象とした日本における自己の非専属代理人として原告を指名する。 (イ)原告は,日本におけるP1社の代理人として,①P3製品の販売及びマーケティングを支援し,②P1社から要請された場合には,P3製品のマーケティング資料を提供し,③P3製品のサポートサービスを提供するか,下請業者に当 けるP1社の代理人として,①P3製品の販売及びマーケティングを支援し,②P1社から要請された場合には,P3製品のマーケティング資料を提供し,③P3製品のサポートサービスを提供するか,下請業者に当該サービスを提供させ,かつ,④両当事者が合意するこれらの責務を支援するその他の業務を行う責務を負う。 (ウ)本件業務委託契約1に基づき原告が提供するサービスの対価として,P1社は,原告に対し,次の方式で計算した手数料を支払うものとする。 a原告は,本件業務委託契約1の期間中,日本の純売上高の1.5%並びに原告のサービスを提供する際に生じた直接費,間接費及び一般管理費配賦額の一切に等しい金額の支払をP1社から受ける。 b売上高は,定義されている日本国内でのP3製品のライセンス販売額に相当する。 c直接費は,原告のサービスの履行の結果として直接に生じた費用である。サービス提供の際に生じたことが明確に特定できる正味トレー- 28 -ニング費用及び宣伝広告費がこれに含まれる。典型的な費用として,従業員の報酬,旅費,材料費,広告出稿費及び販売促進費が挙げられる。この費用は,本質的に売上げに応じて増加するものであり,本件業務委託契約1が終了した場合には全面的に排除することができる。 d間接費は,P3製品の販売にある程度は貢献するサービスを提供する際に生じた費用の配賦に相当する。この費用は,本質的に売上げに応じて増加するものではなく,原告のサービスが終了した場合でも必ずしも排除されない。典型的な費用として,費やされた労力に基づき原告に配賦されるマーケティング,コミュニケーション及び管理費用が挙げられる。 e一般管理費は,原告の業務全体を支えるために生じた事務所賃料,水道光熱費,電話料金,減価償却費,事務用品その他の建物関連費用である。 (エ) グ,コミュニケーション及び管理費用が挙げられる。 e一般管理費は,原告の業務全体を支えるために生じた事務所賃料,水道光熱費,電話料金,減価償却費,事務用品その他の建物関連費用である。 (エ)原告は,P1社がマーケティング資料を原告に提供する場合を除き,日本におけるマーケティング資料の作成を担当する。さらに,原告は,P1社による日本でのP3製品の販売促進及び宣伝広告を支援することに責任を負い,日本におけるP3製品のトレーニングコースも担当する。 原告は,全エンドユーザー契約の英語翻訳文及び英語以外の資料に記載されたその他の財産権表示をP1社に提供する。 (オ)P1社は,原告に対し,認定卸売業者,認定ディーラー及びエンドユーザーなどにP3製品のトレーニングコースを提供する権限を付与する。 - 29 -(カ)原告は,本件業務委託契約1に定めるか,両当事者が別段に合意する場合を除き,日本におけるP3製品のマーケティング及び販売サポートの全費用を負担する。 (キ)原告は,本件業務委託契約1の期間中いかなる時も,各P3製品のP3販売トレーニングプログラムを完了し,合格した者を少なくとも2名雇用しておくものとする。原告は,P1社が日本外で自己の卸売業者に提供するものと同等の水準の製品サポートを日本において自己の顧客に提供しなければならない。 (ク)原告又はその下請業者は,P3製品に関するエンドユーザーの質問に電話で回答する「ホットライン」サービスを通常の営業時間内に提供し,その質問に回答できるトレーニングを受けた人員を雇用しておく。 エ契約の期間及び終了(ア)本件業務委託契約1の当初期間は,平成11年12月4日に開始し,同12年12月1日まで有効に継続する。 (イ)本件業務委託契約1は,両当事者の書面による合意をもって,連続する 期間及び終了(ア)本件業務委託契約1の当初期間は,平成11年12月4日に開始し,同12年12月1日まで有効に継続する。 (イ)本件業務委託契約1は,両当事者の書面による合意をもって,連続する1年間ずつ更新することができる。 ( )原告とP2社との間の業務委託契約 原告は,P2社との間で,平成13年12月1日から効力が生ずる旨の業務委託契約書を作成して業務委託契約を締結した(以下,この業務委託契約書を「本件業務委託契約書2」といい,業務委託契約を「本件業務委託契約2」という。)。本件業務委託契約2の内容は,おおむね次のとおりである。 (乙9の1)- 30 -ア前文(ア)P5は,P3製品を開発し所有するP6により,日本を含む世界の特定地域でP3製品のマーケティング及び販売のライセンスを供与されている。 (イ)P2社は,P5により,日本のあらゆる場所でP3製品を販売し,サポートするライセンスを供与されている。 (ウ)原告は,日本において,P2社がP3製品を卸売業者,2次販売業者及びエンドユーザーにライセンス供与するのを支援し,それら卸売業者,2次販売業者及びエンドユーザーをサポートするトレーニングその他のサービスを提供することを望んでいる。 イ定義(ア)認定ディーラーとは,P2社が指名したディーラー又は認定卸売業者のうちP3製品をエンドユーザーに販売する者をいう。 (イ)認定卸売業者とは,P3製品を認定ディーラーに販売するためにP2社が指名した卸売業者をいう。 (ウ)エンドユーザーとは,再販売の目的ではなく,通常の業務用途又は個人用途のために製品を取得した最終の購入者又はライセンシーをいう。 (エ)下請業者とは,原告が指名し,P2社が書面で承諾する第三者であって,本件業務委託契約2の条件に従い本件業務委託契約2に 又は個人用途のために製品を取得した最終の購入者又はライセンシーをいう。 (エ)下請業者とは,原告が指名し,P2社が書面で承諾する第三者であって,本件業務委託契約2の条件に従い本件業務委託契約2に基づく原告の義務の全部又は一部を履行する権限を認められる者をいう。 ウサービス(ア)P2社は,本件業務委託契約2の条件に基づき,P3製品を対象と- 31 -した日本における自己の非専属代理人として原告を指名する。 (イ)原告は,その能力の及ぶ限りにおいて,P2社のために次のサービスを履行することに同意する。 a日本においてP2社がライセンス供与する既存のP3製品を販売促進するために,卸売業者を訪問し,顧客を誘導する。 b日本においてP2社がライセンス供与する新規のP3製品を紹介し,説明するために,卸売業者を訪問し,顧客及び戦略提携先を誘導する。 c卸売業者その他の顧客からP2社に直接発注され,原告に写しが送付された注文を引渡しまで追跡する。 d本件業務委託契約2の両当事者が合意したその他のサポートサービスを提供する。 (ウ)販売支援サービス提供の対価として,P2社は,原告に対し,次の方式で計算した精算費用及び手数料を支払うものとする。 a原告は,本件業務委託契約2の期間中,日本の純売上高の1.5%並びに原告のサービスを提供する際に生じた直接費,間接費及び一般管理費配賦額の一切に等しい金額の支払をP2社から受ける。 b売上高は,定義されている日本国内でのP3製品のライセンス販売額に相当する。 c直接費は,原告のサービスの履行の結果として直接に生じた費用である。サービス提供の際に生じたことが明確に特定できる正味トレーニング費用及び宣伝広告費がこれに含まれる。典型的な費用として,従業員の報酬,旅費,材料費,広告出稿費及び販売促進費 直接に生じた費用である。サービス提供の際に生じたことが明確に特定できる正味トレーニング費用及び宣伝広告費がこれに含まれる。典型的な費用として,従業員の報酬,旅費,材料費,広告出稿費及び販売促進費が挙げられ- 32 -る。この費用は,本質的に売上げに応じて増加するものであり,本件業務委託契約2が終了した場合には全面的に排除することができる。 d間接費は,P3製品の販売にある程度は貢献するサービスを提供する際に生じた費用の配賦に相当する。この費用は,本質的に売上げに応じて増加するものではなく,原告のサービスが終了した場合でも必ずしも排除されない。典型的な費用として,費やされた労力に基づき原告に配賦されるマーケティング,コミュニケーション及び管理費用が挙げられる。 e一般管理費は,原告の業務全体を支えるために生じた事務所賃料,水道光熱費,電話料金,減価償却費,事務用品その他の建物関連費用である。 (エ)原告は,P2社がマーケティング資料を原告に提供する場合を除き,日本におけるマーケティング資料の作成を担当する。さらに,原告は,P2社による日本でのP3製品の販売促進及び宣伝広告を支援することに責任を負い,日本におけるP3製品のトレーニングコースも担当する。 原告は,全エンドユーザー契約の英語翻訳文及び英語以外の資料に記載されたその他の財産権表示をP2社に提供する。 (オ)P2社は,原告に対し,認定卸売業者,認定ディーラー及びエンドユーザーなどにP3製品のトレーニングコースを提供する権限を付与する。 (カ)原告は,本件業務委託契約2に定めるか,両当事者が別段に合意する場合を除き,日本におけるP3製品のマーケティング及び販売サポー- 33 -トの全費用を負担する。 (キ)原告は,本件業務委託契約2の期間中いかなる時も,各P3製品の か,両当事者が別段に合意する場合を除き,日本におけるP3製品のマーケティング及び販売サポー- 33 -トの全費用を負担する。 (キ)原告は,本件業務委託契約2の期間中いかなる時も,各P3製品のP3販売トレーニングプログラムを完了し,合格した者を少なくとも2名雇用しておくものとする。原告は,P2社が日本外で自己の卸売業者に提供するものと同等の水準の製品サポートを日本において自己の顧客に提供しなければならない。 エ契約の期間及び終了(ア)本件業務委託契約2の当初期間は,平成13年12月1日に開始し,同14年11月29日まで有効に継続する。 (イ)本件業務委託契約2は,両当事者の書面による合意をもって,連続する1年間ずつ更新することができる。 ( )ア原告は,本件各国外関連者(平成12年11月期及び平成13年11月 期においてはP1社,平成14年11月期においてはP2社)が日本に在る卸売業者等に対して販売したP3製品に関し,本件各国外関連者に対し,本件各業務委託契約に基づき,同卸売業者等に対する本件各業務委託契約書記載の役務を提供し,その対価として本件各国外関連者から本件手数料を受領した。(前提事実)イなお,原告は,平成9年12月1日から同10年11月30日までの事業年度においては,P3製品のうちアップグレード分のみをP1社から仕入れて,日本の卸売業者等に販売するという仕入販売方式を採り,また,同10年12月1日から同11年11月30日までの事業年度(以下「平成11年11月期」という。)においては,すべてのP3製品について上- 34 -記仕入販売方式を採っていた。(弁論の全趣旨)( )本件比較対象取引の選定過程 ア東京国税局調査第一部国際情報第1部門国際情報専門官(後に同部第3部門国際税務専門官)であったP7( 34 -記仕入販売方式を採っていた。(弁論の全趣旨)( )本件比較対象取引の選定過程 ア東京国税局調査第一部国際情報第1部門国際情報専門官(後に同部第3部門国際税務専門官)であったP7(以下「P7専門官」という。)は,原告の移転価格調査を担当することとなり,平成13年4月9日,原告の社屋へ臨場して調査に着手した。(乙31)イP7専門官は,原告のビジネスオペレーションズコントローラーであるP8に対し,平成13年5月9日,同日付け「資料の依頼について」と題する書面を手交した。同書面には,原告の移転価格調査のために,「貴社が行った移転価格の検討資料(選定した独立企業間価格の算定方法,当該手法の具体的説明,当該手法を選定した理由等)。」が必要である旨記載されていた。(乙31)ウ原告は,前記依頼を受けて,P7専門官に対し,平成13年8月24日,会計事務所であるP9が原告の依頼を受けて作成した平成12年11月期ほかの移転価格分析報告書(以下,平成12年11月期の移転価格分析報告書を「本件報告書」といい,本件報告書とその他の移転価格分析報告書を併せて「本件報告書等」という。)を提出した。(乙23,31)エP7専門官は,P8に対し,平成14年5月24日,同日付け「貴社の経済分析について」と題する書面を手交した。同書面には,同13年8月24日に提出された本件報告書等が,平成12年11月期以降の原告を卸売業者として分析すべきであるにもかかわらず,コミッションエージェントとして分析をしていること,原告を卸売業者として分析した平成11年- 35 -11月期について,比較対象企業としてソフトウェアの輸入販売を行う法人を選定すべきであるにもかかわらず,OA機器や文房具等の販売を行う法人を選定していることなどを理由として,これらの移転価格分 -11月期について,比較対象企業としてソフトウェアの輸入販売を行う法人を選定すべきであるにもかかわらず,OA機器や文房具等の販売を行う法人を選定していることなどを理由として,これらの移転価格分析報告書が合理的なものとは認められない旨記載されている。 さらに,P7専門官は,平成14年6月20日,同日付け「貴社の経済分析について」と題する書面を手交した。同書面には,パソコンの卸売業者を比較対象企業とすることはできない旨記載されている。(乙31)オP4調査官は,本件に基本3法と同等の方法を適用するために必要な比較対象取引が存在するか否かについて,原告に対する調査開始時点で,他のパッケージソフトウェア販売業者に対する調査をしていたことから,当該調査で収集した情報から,比較対象取引となる役務提供取引があるかどうかを確認し,また,他のし好品の輸入販売会社に対する調査において把握していた販売促進等の役務提供取引を行う法人について情報収集を行い,さらに,人材派遣会社が販売促進業務を請け負う形態で役務提供取引を行っているという情報をインターネットで得たことから,人材派遣会社が行う取引のうち,販売促進業務を請け負う形態の取引について情報収集を行い,加えて,「外資系企業CD-ROM」というデータベースから,役務提供取引を行っているものと思料される外資系法人を選定し,申告書により利益水準の検討を行ったほか,後述する比較対象取引の選定過程において,手数料方式の取引があるかどうか確認するなどの調査をしたが,いずれの調査においても,適切な役務提供取引を見いだすことができないか,あるいは,役務提供取引を行っていても,関連者間の取引であったり,取- 36 -引開始から日が浅いなどの理由により,比較対象取引とすることができなかった。(乙33,証人P4)カ ができないか,あるいは,役務提供取引を行っていても,関連者間の取引であったり,取- 36 -引開始から日が浅いなどの理由により,比較対象取引とすることができなかった。(乙33,証人P4)カそこで,P4調査官は,主としてグラフィックソフトを販売している会社の中から比較対象法人を探すこととし,本件報告書等,「○○」と題するデータベース,「○○」と題するデータベース,ウェブ情報,業界紙,P10会社年鑑等を利用して,グラフィックソフトを販売している26社を把握した。 さらに,P4調査官は,上記26社のP10において付されている業種番号(○○コード)を検討したところ,「○○×××××」という業種番号(なお,この業種番号は,パッケージソフトウェア業を指すものである。)のものが6社と最も多かったことから,そこに最も適切な比較対象法人が存在するものと考えたものの,その余の20社についても確認したところ,当該20社はいずれも主力商品がパッケージソフトやグラフィックソフト以外のものであることが確認されたことから,結局,上記6社を抽出した。そして,P4調査官は,上記6社のうちの1社が関連者取引をしていることを既に認識していたことから,当該1社を除外し,残る5社を抽出した。 一方で,P4調査官は,○○を使用して「○○×××××」という業種番号の約360社を抽出し,さらにその中から,財務データが掲載されていない会社及び売上金額が3億円に満たない会社を除外し,さらに研究開発費が売上高の3%を超える会社は販売会社ということはできないとして,当該会社を除外した結果,約150社を抽出した。そして,P4調査官は,- 37 -当該約150社について,データベースやインターネットを用いてその取引内容を確認し,その中から3社を抽出したが,その結果,当該3社はいず ,約150社を抽出した。そして,P4調査官は,- 37 -当該約150社について,データベースやインターネットを用いてその取引内容を確認し,その中から3社を抽出したが,その結果,当該3社はいずれも上記5社の中に含まれていた。 そこで,P4調査官は,上記5社を実地に訪問して取引実態を把握する作業を行ったところ,そのうち2社については関連者取引を行っていたため,当該2社を除外し,さらに,残り3社のうち2社については通常の仕入販売を行っているため在庫リスクがあり,比較可能性が乏しいものと判断したため,当該2社を除外した。 そして,P4調査官は,残る1社については,調査の結果受注販売を行っており原則として在庫を有していないことが判明したため,在庫リスクがないものと判断し,この法人(本件比較対象法人)を比較対象法人に選定した。(乙17から20まで,証人P4)キ処分行政庁は,P3製品と同種又は類似のソフトウェアがプロフェッショナル用グラフィックソフトであるとして,これについて,本件比較対象法人が非関連者との間で行った受注販売方式の再販売取引を比較対象取引に選定することとした。 そこで,P4調査官は,本件比較対象法人に対し,平成15年3月7日付けで,「移転価格税制上の情報提供のお願い」と題する書面を送付して,同月10日及び同年4月17日に本件比較対象法人を訪問し,組織図,パンフレット,財務データ等の提供を受けた。 そして,P4調査官による上記調査の結果,原告の平成12年11月期,平成13年11月期及び平成14年11月期に対応する本件比較対象法人- 38 -の直近の事業年度は,それぞれ,平成12年度,平成13年度及び平成14年度であるところ,本件比較対象法人は,平成13年度及び平成14年度については,管理目的で社内の各部門ごとの財務データを作 8 -の直近の事業年度は,それぞれ,平成12年度,平成13年度及び平成14年度であるところ,本件比較対象法人は,平成13年度及び平成14年度については,管理目的で社内の各部門ごとの財務データを作成していたものの,平成12年度については,各部門ごとの損益を作成しておらず,商品別又はその仕入先別の財務データのみを作成していたことが判明したことから,処分行政庁は,平成12年11月期については,主力商品のグラフィックソフトに係る財務データを基に,平成12年度の比較対象取引の売上総利益率を算定し,平成13年11月期及び平成14年11月期については,本件比較対象法人の各部門のうち,平成13年度及び平成14年度のグラフィックソフトを取り扱っている部門の全取引を比較対象取引に選定することとした。(乙33,証人P4) 争点( )(本件手数料の額が独立企業間価格に満たないものであるか)につ いて( )租税特別措置法66条の4第2項2号ロ所定の方法により独立企業間価格 を算定することができるかア租税特別措置法66条の4第2項2号柱書きは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引の場合の独立企業間価格の算定方法につき,同号ロ所定の基本3法に準ずる方法その他政令で定める方法と同等の方法は,同号イ所定の基本3法と同等の方法を用いることができない場合に限り,用いることができる旨規定している。 そして,前記前提事実のとおり,本件国外関連取引は役務提供取引であり,棚卸資産の販売又は購入以外の取引であるところ,処分行政庁が同号- 39 -ロ所定の方法により独立企業間価格を算定したことについては,当事者間に争いがないことから,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するにつき,同号イ所定の基本3法と同等の方法を用いることができない場合であるといい得るかどう 価格を算定したことについては,当事者間に争いがないことから,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するにつき,同号イ所定の基本3法と同等の方法を用いることができない場合であるといい得るかどうか検討する。 イ(ア)租税特別措置法66条の4第2項1号及び租税特別措置法施行令39条の12は,基本3法について規定しているところ,その内容は次のとおりである。 a独立価格比準法特殊の関係にない売手と買手が,国外関連取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階,取引数量その他が同様の状況の下で売買した取引の対価の額(当該同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階,取引数量その他に差異のある状況の下で売買した取引がある場合において,その差異により生じる対価の額の差を調整できるときは,その調整を行った後の対価の額を含む。)に相当する金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。 b再販売価格基準法国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から通常の利潤の額を控除して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。 そして,この通常の利潤の額とは,当該再販売価格に通常の利益率を乗じて計算した金額をいい,また,この通常の利益率とは,当該国- 40 -外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,租税特別措置法66条の4第1項所定の特殊の関係にない者(非関連者)から購入した者(再販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(比較対象取引)に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額)の当該収入 た取引(比較対象取引)に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額)の当該収入金額の合計額に対する割合(ただし,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合)をいう。 c原価基準法国外関連取引に係る棚卸資産の売手の購入,製造その他の行為による取得の原価の額に通常の利潤の額を加算して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。 そして,この通常の利潤の額とは,当該原価の額に通常の利益率を乗じて計算した金額をいい,また,この通常の利益率とは,当該国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,非関連者からの購入,製造その他の行為により取得した者(販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(比較対象取引)に係る当該販売者の売上総利益の額の当該原価の額の合計額に対する割合(ただし,比較対象取引と当該国外関連取引とが売手の果たす機- 41 -能その他において差異がある場合には,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合)をいい,さらに,この売上総利益の額とは,当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。 (イ)租税特別措置法66条の4第2項2号イは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引について,棚卸資産の販売又は購入について適用される基本3法と同等の方法により独立企業間価格を算定する旨規定しているところ,こ 税特別措置法66条の4第2項2号イは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引について,棚卸資産の販売又は購入について適用される基本3法と同等の方法により独立企業間価格を算定する旨規定しているところ,この「同等の方法」とは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引において,それぞれの取引の類型に応じて,基本3法と同様の考え方に基づく算定方法を意味するものと解するのが相当である。 そして,本件国外関連取引のような役務提供取引の場合における基本3法と同等の方法といい得るには,比較対象取引に係る役務が本件国外関連取引に係る役務と同種(独立価格比準法)か,あるいは同種又は類似(再販売価格基準法及び原価基準法)であり,かつ,比較対象取引に係る役務提供の条件が本件国外関連取引と同様であることを要するものと解するのが相当である。 ウところで,被告は,課税処分の取消訴訟において,所得の存在について主張立証責任を負うものであるから,租税特別措置法66条の4第2項2号柱書き所定の基本3法と同等の方法を用いることができない場合に当たることについても,立証責任を負うものというべきである。 そこで検討するに,同項1号ニは,基本3法を独立企業間価格算定の基- 42 -本的な方法と位置付けつつ,実際に行われている取引の複雑性を考慮し,個々の取引の態様等により基本3法が適用できない場合であっても,基本3法の考え方から乖離しない限りにおいて,取引内容に適合した合理的な方法を採用し得る余地を残したものと解すべきであり(OECDの新移転価格ガイドラインもそのような方法自体を否定するものではない(乙5)。),同項2号ロも,これと同様の考え方に基づく規定であると解される。 そうすると,課税庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず,基本3法と同等の方法を用いることができない場合にあっては い(乙5)。),同項2号ロも,これと同様の考え方に基づく規定であると解される。 そうすると,課税庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず,基本3法と同等の方法を用いることができない場合にあっては,それでもなお,基本3法に準ずる方法と同等の方法を適用することができないとすると,同号ロを適用することは事実上困難となり,同号ロを規定した趣旨を没却するおそれが大きいといわざるを得ない。 したがって,国において,課税庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず,基本3法と同等の方法を用いることができないことについて主張立証をした場合には,基本3法と同等の方法を用いることができないことが事実上推定され,納税者側において,基本3法と同等の方法を用いることができることについて,具体的に主張立証する必要があるものと解するのが相当である。 エそこで,被告において,処分行政庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず,基本3法と同等の方法を用いることができないことについて立証したといい得るか否かを検討するに,前記認定事実のとおり,P4調査官は,本件に基本3法と同等の方法を適用するために必要な比較対象取引が- 43 -存在するか否かについて,①他のパッケージソフトウェア販売業者に対する調査で収集した情報から,比較対象取引となる役務提供取引があるかどうかを確認し,②し好品の輸入販売会社に対する調査において把握していた販売促進等の役務提供取引を行う法人について情報収集を行い,③人材派遣会社が行う取引のうち,販売促進業務を請け負う形態の取引について情報収集を行い,④データベースから役務提供を行っているものと思料される外資系法人を選定し,申告書により利益水準の検討を行ったほか,⑤比較対象取引の選定過程において,手数料方式の取引があるかどうか確認するなどの調査をした ベースから役務提供を行っているものと思料される外資系法人を選定し,申告書により利益水準の検討を行ったほか,⑤比較対象取引の選定過程において,手数料方式の取引があるかどうか確認するなどの調査をしたが,いずれの調査においても,適切な役務提供取引を見いだすことができないか,あるいは,役務提供取引を行っていても,関連者間の取引であったり,取引開始から日が浅いなどの理由により,比較対象取引とすることができなかったことが認められるのであって,上記認定を覆すに足りる証拠はなく,かえって,本件報告書(乙23)中には,「本分析にCPLM(原価基準法)を適用する場合の前提事項として,販売促進活動及び市場開拓等の,コミッションベースの販売代理活動を行う,外部の比較対象となるサービスプロバイダを特定するのは,極めて困難であることがある。」との記載があることを考慮すると,課税庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず,基本3法と同等の方法を用いることができないことについての被告の立証があったというべきである。 オしたがって,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するにつき,同号イ所定の基本3法と同等の方法を用いることができない場合であると認めるのが相当である。 - 44 -カなお,この点に関し,原告は,仮に被告が主張する本件比較対象取引が本件国外関連取引と比較可能性を有するのであれば,本件比較対象取引を比較対象取引として原価基準法と同等の方法を用いることができるから,基本3法と同等の方法を用いることができる旨主張する。 しかし,前示のとおり,基本3法と同等の方法といい得るには,比較対象取引に係る役務が本件国外関連取引に係る役務と同種か,あるいは同種又は類似であり,かつ,比較対象取引に係る役務提供の条件が本件国外関連取引と同様であることを要するものと解 法といい得るには,比較対象取引に係る役務が本件国外関連取引に係る役務と同種か,あるいは同種又は類似であり,かつ,比較対象取引に係る役務提供の条件が本件国外関連取引と同様であることを要するものと解されるところ,前記エのとおり,P4調査官は,基本3法と同等の方法を適用するために必要な比較対象取引を見いだすことができなかったことから,後述のとおり,日本におけるP3製品の売上高にその売上総利益率を乗じたものを独立企業間価格としているのであって,これは,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法を用いて独立企業間価格を算定したものである。 したがって,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するについて,本件比較対象取引を比較対象取引として原価基準法と同等の方法を用いることができるということはできないから,原告の主張を採用することはできない。 ( )本件において処分行政庁が用いた独立企業間価格の算定方法が再販売価格 基準法に準ずる方法と同等の方法といえるかア本件において処分行政庁が適用した独立企業間価格の算定方法は,P3製品と同種又は類似のソフトウェアについて非関連者間で行われた受注販売方式の再販売取引を比較対象取引に選定した上で,我が国におけるP3- 45 -製品の売上高にその売上総利益率(必要な差異の調整を加えた後のもの)を乗じて,本件国外関連取引において原告が受け取るべき通常の手数料の額(独立企業間価格)を算定するというものである(以下,この算定方法を「本件算定方法」という。)。 被告は,処分行政庁が適用した本件算定方法が再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法である旨主張していることから,以下,この点について検討する。 イところで,租税特別措置法66条の4第2項2号ロは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引について,基本3法に 法に準ずる方法と同等の方法である旨主張していることから,以下,この点について検討する。 イところで,租税特別措置法66条の4第2項2号ロは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引について,基本3法に準ずる方法と同等の方法により独立企業間価格を算定することができる旨規定しているところ,前示のとおり,基本3法に準ずる方法について規定した同項1号ニの趣旨が,基本3法の考え方から乖離しない限りにおいて,取引内容に適合した合理的な方法を採用し得る余地を残したものと解され,同項2号ロは,これと同様の考え方に基づく規定であることからすると,この「準ずる方法」とは,取引内容に適合し,かつ,基本3法の考え方から乖離しない合理的な方法をいうものと解するのが相当である。 そして,前示のとおり,「同等の方法」とは,それぞれの取引の類型に応じて,基本3法と同様の考え方に基づく算定方法を意味するものであると解されることからすると,結局,基本3法に準ずる方法と同等の方法とは,棚卸資産の販売又は購入以外の取引において,取引内容に適合し,かつ,基本3法の考え方から乖離しない合理的な方法をいうものと解するのが相当である。 - 46 -ウそうすると,本件算定方法が,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法であるというためには,取引内容に適合し,かつ,再販売価格基準法の考え方から乖離しない合理的な方法であることを要するところ,再販売価格基準法は,取引当事者の果たす機能や負担するリスクが重要視される算定方法であることから(乙7,租税特別措置法施行令39条の2第6項,租税特別措置法(法人税法関係)基本通達66の4( )-3( )( )参照), この機能やリスクの点から検討することが有益であると解される。 そこでまず,P3製品の販売において原告が果たす機能について検討 (法人税法関係)基本通達66の4( )-3( )( )参照), この機能やリスクの点から検討することが有益であると解される。 そこでまず,P3製品の販売において原告が果たす機能について検討すると,前記認定事実のとおり,原告は,既存のP3製品の販売促進並びに新規のP3製品の紹介及び説明のために,卸売業者を訪問し,顧客等を誘導していたこと,P3製品のマーケティングの費用を負担し,マーケティング資料を作成して,マーケティングを行っていたこと,本件各国外関連者による日本でのP3製品の販売促進及び宣伝広告を支援していたこと,卸売業者,ディーラー及びエンドユーザーに対しP3製品のトレーニングコースを提供していたこと,顧客に対しサポートサービスを提供していたことが認められるところ,これらの役務の内容は,再販売取引において再販売者が行う活動内容と類似しているということができるから,P3製品の販売において原告が果たす機能は,再販売取引において再販売者が果たす機能と類似しているということができる。 次に,P3製品の販売において原告が負担するリスクについて検討すると,原告は,前示のような役務を提供しているのであって,P3製品の在庫を保有しておらず,在庫リスクを負担していないところ,受注販売方式- 47 -の再販売取引における再販売者も,在庫リスクを負担していないから,P3製品の販売において原告が負担するリスクは,受注販売方式を採る再販売取引における再販売者の負担するリスクと,在庫リスクを負担していないという点において類似しているということができる。 以上のとおり,P3製品の販売において原告が果たしている機能及び負担しているリスクが,受注販売方式を採る再販売取引における再販売者の機能及びリスクと類似しているということができるから,受注販売方式を 上のとおり,P3製品の販売において原告が果たしている機能及び負担しているリスクが,受注販売方式を採る再販売取引における再販売者の機能及びリスクと類似しているということができるから,受注販売方式を採る再販売取引に係る売上総利益率をもって独立企業間価格である通常の手数料の額を算定しようとする本件算定方法は,取引内容に適合し,かつ,再販売価格基準法の考え方から乖離しない合理的な方法であるということができる。 エこれに対し,原告は,役務提供取引には再販売価格基準法はなじまないと一般的に考えられているのであって,本件国外関連取引について,原価基準法に準ずる方法と同等の方法により独立企業間価格を算定すべきであるから,本件算定方法は基本3法の考え方から乖離しない合理的な方法であるということはできない旨主張する。 しかし,そもそも,租税特別措置法66条の4第2項2号ロ及び同項1号ニの規定上,再販売価格基準法に準ずる方法と同様の方法と,原価基準法に準ずる方法と同様の方法との間に適用の優先順位は設けられておらず,役務提供取引に関し,原価基準法に準ずる方法と同様の方法を,再販売価格基準法に準ずる方法と同様の方法よりも優先的に適用すべきであるとする規定は存在せず,また,役務提供取引に再販売価格基準法に準ずる方法- 48 -と同様の方法を適用することを否定する規定も存在しない。 また,確かに,役務提供取引の場合,一般的には,再販売価格基準法にはなじみにくいと考えられているものの,これは,役務提供取引については,当該役務の提供を受ける者が更に当該役務を第三者に再販売するという取引形態を通常想定し難いからであると解される。 これに対し,本件算定方法は,前示のとおり,P3製品の販売において原告が果たしている機能及び負担しているリスクが,受注販売方式を採る再販売 するという取引形態を通常想定し難いからであると解される。 これに対し,本件算定方法は,前示のとおり,P3製品の販売において原告が果たしている機能及び負担しているリスクが,受注販売方式を採る再販売取引において再販売者が果たしている機能及び負担しているリスクと類似していることに着目して,再販売価格基準法に準ずる方法として,本件比較対象取引の売上総利益率にP3製品の売上高を乗じたものを通常の手数料額(独立企業間価格)として算定するというものであり,そこに一定の合理性を認めることができるのであるから,このような場合においてまで,役務提供取引に再販売価格基準法に準ずる方法と同様の方法を適用することができないということはできない。このことは,P9が作成した本件報告書(乙23)中に,再販売価格基準法に準ずる方法をも適用して独立企業間価格を算定しようとしていることがうかがえることからも,裏付けることができる。 したがって,本件算定方法が再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法であることを理由に,直ちに本件各処分が違法であるということはできない。 オさらに,原告は,原告が本件各国外関連者から受け取る手数料は,コスト及び日本におけるP3製品の純売上高の1.5%であるから,役務提供- 49 -取引によるリスク負担の観点からすれば,原価基準法が採られるべきである旨主張する。 しかし,原価基準法は,前示のとおり,原価の額に通常の利益率を乗じて計算した通常の利潤の額を当該原価の額に加算して独立企業間価格を算定する方法であるところ,原告が本件各国外関連者から受け取る手数料の額の算定方法は,前記認定事実のとおり,日本における純売上高の1.5%を直接費,間接費及び一般管理費配賦額の一切に相当する金額に加算するというものであるから,これが原価基準法と同じ考え方に 手数料の額の算定方法は,前記認定事実のとおり,日本における純売上高の1.5%を直接費,間接費及び一般管理費配賦額の一切に相当する金額に加算するというものであるから,これが原価基準法と同じ考え方に基づくものとは直ちにいい難く,また,原告の役務提供によりP3製品の日本における売上高が増減すれば,それだけ原告の受け取る手数料額も増減するのであるから,役務提供取引によるリスクの負担を原告が負っていないとまで評価することもできない。 したがって,原告の前記主張を理由に,直ちに本件算定方法が不合理であるということはできない。 カ以上のとおり,本件算定方法は,再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法に当たるというべきである。 ( )本件比較対象取引に比較可能性があるか ア国外関連取引の独立企業間価格の算定に当たって比較対象取引を用いる場合には,当該比較対象取引が当該国外関連取引と比較可能であることを要するところ,比較可能か否かの判断については,棚卸資産の種類及び役務の内容等,取引段階,取引数量,取引条件,取引時期,取引主体の果たす機能,取引主体の負担するリスク,取引主体の使用する無形資産,取引- 50 -主体の事業戦略,取引主体の市場参入時期,政府の規制,市場の状況等を考慮するのが相当である(租税特別措置法(法人税関係)基本通達66の4( )-3参照)。 そして,再販売価格基準法の場合,一定期間にわたる類似取引の利益率から独立企業間価格を算定するものであるから,比較対象取引と国外関連取引との間に,厳密な類似性は要求されず,同種又は類似の取引であれば足りるものと解すべきであり(租税特別措置法施行令39条の2第6項参照),また,前示のとおり,再販売価格基準法は,取引当事者の果たす機能や負担するリスクが重要視される算定方法であることから であれば足りるものと解すべきであり(租税特別措置法施行令39条の2第6項参照),また,前示のとおり,再販売価格基準法は,取引当事者の果たす機能や負担するリスクが重要視される算定方法であることから,比較可能性の判断においても,この機能やリスクを中心に検討することが有益であると解される。 イ(ア)そこで検討すると,前示のとおり,原告は,既存のP3製品の販売促進及び新規のP3製品の紹介及び説明のために,卸売業者を訪問し,顧客等を誘導していたこと,P3製品のマーケティングの費用を負担し,マーケティング資料を作成して,マーケティングを行っていたこと,本件各国外関連者による日本でのP3製品の販売促進及び宣伝広告を支援していたこと,卸売業者,ディーラー及びエンドユーザーに対しP3製品のトレーニングコースを提供していたこと,顧客に対しサポートサービスを提供していたことが認められる。 また,前示のとおり,原告は在庫リスクを負担しておらず,顧客からの債権回収リスクも負担していない。 (イ)一方,証拠(乙33,証人P4)によれば,本件比較対象法人は,- 51 -グラフィックソフトの卸売及び小売を行っているが,卸売取引について,卸売先の業者と共に潜在顧客先や小売店に赴いて製品のデモンストレーションをするなどの販売促進活動をし,エンドユーザーからの質問やクレームを受け付けて処理をするというサポート活動をし,業界紙,ダイレクトメール及びウェブ上の広告等の広告活動を行っており,また,本件比較対象取引は,仕入販売取引であるが,受注販売方式を採っており,在庫リスクはほとんどなく,売掛先が大企業等の信用の高い顧客が多く,貸倒れのリスクが小さいことが認められる。 (ウ)そして,証拠(乙33,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,本件国外関連取引と本件比較対象取引 ほとんどなく,売掛先が大企業等の信用の高い顧客が多く,貸倒れのリスクが小さいことが認められる。 (ウ)そして,証拠(乙33,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,本件国外関連取引と本件比較対象取引とを対比すると,別紙1記載のとおりであり,相当程度の同種性又は類似性があることが認められる。 ウ(ア)これに対し,原告は,エンドユーザーに対するサポートを行っていたことを否定しているものの,原告自身,エンドユーザーからの質問及びクレーム等に対応する役務を提供していた旨自認しており(原告準備書面( )),また,証人P11も,外注先であるコールセンターからエ ンドユーザーからの質問に関する問い合わせがあれば,原告がコールセンターに対し回答をし,それをコールセンターがエンドユーザーに対し回答する旨証言していることからすると,原告がエンドユーザーに対するサポートを行っていたというべきであるから,原告の主張をにわかに採用することはできない。 (イ)また,原告は,原告がいわゆる1次卸であるのに対し,比較対象法人はいわゆる2次卸であるから,本件比較対象取引には比較可能性がな- 52 -い旨主張する。 確かに,原告が主張するとおり,本件比較対象法人は,グラフィックソフトを輸入業者から仕入れ,これを日本に在る小売業者やエンドユーザーに受注販売の方法により販売している業者であり,原告とその取引形態を異にする部分もあるが,前示のとおり,本件国外関連取引と本件比較対象取引とは,取引当事者の果たす機能や負担するリスクを初め,共通する部分が多々存在していることからすると,当該取引形態の相違点があることをもって,本件比較対象取引に比較可能性がないということはできない。 (ウ)さらに,原告は,本件比較対象法人は,原告と異なり,自己の売上げ増大のためにマーケティン ,当該取引形態の相違点があることをもって,本件比較対象取引に比較可能性がないということはできない。 (ウ)さらに,原告は,本件比較対象法人は,原告と異なり,自己の売上げ増大のためにマーケティング活動等をしているとして,本件比較対象取引に比較可能性がない旨主張する。 しかし,前記認定事実のとおり,原告は,本件各業務委託契約に基づき,日本におけるP3製品の純売上高の1.5%並びに原告のサービスを提供する際に生じた直接費,間接費及び一般管理費配賦額の一切に相当する金額の支払を本件各国外関連者から受けるのであって,原告のマーケティング活動等によりP3製品の日本における売上高が増加すれば,原告の受け取る手数料額もそれだけ増加するのであるから,これを自己の売上げの増大のための活動と評価できないということはできない。 したがって,この点に関する原告の主張を採用することはできない。 (エ)以上に加えて,原告は,本件比較対象取引に比較可能性がないことについてるる主張しているが,このような原告の主張によっても,本件- 53 -比較対象取引に比較可能性がないということはできない。 エ以上のことからすると,本件比較対象取引は,本件国外関連取引と同種又は類似の取引であるということができるから,比較可能性があるというべきである。 ( )本件比較対象取引の選定過程について ア原告は,処分行政庁の比較対象取引の選定基準に合理性がなく,恣意的であることを理由に,本件比較対象取引を比較対象取引とすることはできない旨主張する。 イしかし,比較対象取引の選定に当たって,選定基準が合理性を有するか否かということは,結局,当該選定基準によって選定された当該比較対象取引が比較可能性を有するか否かということに帰するのであって,選定基準が合理性を有するか否かによって直 ,選定基準が合理性を有するか否かということは,結局,当該選定基準によって選定された当該比較対象取引が比較可能性を有するか否かということに帰するのであって,選定基準が合理性を有するか否かによって直ちに比較対象取引とするか否かを決することができるものではない。 そして,本件比較対象取引に比較可能性があることについては,前示のとおりであるから,原告の主張を採用することはできない。 ウなお,仮にこの点をおくとしても,本件比較対象取引の選定の経緯は,前記認定事実のとおりであり,そこに不合理な点を見いだすことはできないから,結局,原告の主張を採用することはできないといわざるを得ない。 ( )差異の調整について ア前示のとおり,再販売価格基準法について定めた租税特別措置法施行令39条の2第6項は,通常の利益率につき,比較対象取引と当該国外関連取引に係る再販売取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場- 54 -合には,その差異により生じる割合につき必要な調整を加えた後の割合とする旨規定しているところ,当該調整は,当該差異が取引価格の差に表れていることが客観的に明らかであると認められる場合に限って行われるべきものと解するのが相当である。 イ証拠(乙33,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,処分行政庁が行った差異の調整の内容は,次のとおりであることが認められる。 (ア)売掛金及び買掛金に含まれる金利相当額の調整本件国外関連取引と本件比較対象取引の間で売掛金回転率又は買掛金回転率に差異がある場合には,本件国外関連取引に係る通常の手数料率の算定に当たり,当該差異についての調整が必要であるところ,処分行政庁は,本件各更正において,本件比較対象取引の売掛金回転率又は買掛金回転率を本件国外関連取引の売掛金回転率又は買掛金回転率に合わせるべ 定に当たり,当該差異についての調整が必要であるところ,処分行政庁は,本件各更正において,本件比較対象取引の売掛金回転率又は買掛金回転率を本件国外関連取引の売掛金回転率又は買掛金回転率に合わせるべく調整し,その結果,本件比較対象取引に係る売上総利益率に加減算を行った。その内容は,別紙2の1から5まで記載のとおりである。 (イ)債権回収リスク前示のとおり,原告は役務提供取引を行っており,債権回収リスクを負担していない一方,本件比較対象取引は仕入販売取引であり,販売先は大企業等の信用の高い顧客が多いものの,一定の債権回収リスクを負っているから,本件比較対象取引は,それだけ高い売上総利益率を得ているものと考えられる。そして,実際に本件比較対象取引において貸倒損失が発生している場合には,その損失額の有無による差異が取引価- 55 -格の差に表れていることが客観的に明らかであるといえることから,当該差異を調整するために,貸倒損失が発生した平成14年11月期について,本件比較対象取引に係る貸倒損失の額の売上げに対する割合(0. 83%)を,本件比較対象取引の売上総利益率から減算した。 ウこれに対し,原告は,本件比較対象法人が卸売業者であるから,商品の受発注や配送手配等の機能について差異が生じているにもかかわらず,当該差異の調整がされていないから,処分行政庁が適用した売上総利益率は不合理である旨主張する。 しかし,証拠(乙33,39,証人P4)によれば,本件比較対象法人は,飽くまでソフトウェアの販売業務を中心的業務として行っていたのであり,商品の受発注や配送手配等はその付随的業務として行っていたところ,本件比較対象取引において,その売上高に対する商品の輸送費の割合は,平成13年度において0.09%,平成14年度においては0.16%であること 注や配送手配等はその付随的業務として行っていたところ,本件比較対象取引において,その売上高に対する商品の輸送費の割合は,平成13年度において0.09%,平成14年度においては0.16%であることが認められ,原告が主張する商品の受発注や配送手配等に係る費用の割合が上記輸送費の割合に比して特に大きいとは認め難いことからすると,商品の受発注や配送手配等に係る差異が取引価格の差に表れていることが客観的に明らかであるとまで認めることは困難といわざるを得ない。 したがって,原告の主張を採用することはできない。 ( )小括 以上のとおり,本件算定方法は再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法に当たり,本件比較対象取引に比較可能性があり,適正な差異の調整が行- 56 -われていることが認められる。 したがって,処分行政庁が算定した通常の手数料の額(独立企業間価格)は,別紙3記載のとおりであり,本件手数料の額がこれに満たないものであることは明らかである。 争点( )(本件各処分に質問検査権限の行使に係る違法事由があるか)につ いて( )租税特別措置法66条の4第9項は,比較対象法人に対する質問検査権限 について規定しているところ,原告は,処分行政庁の職員が同項所定の要件に該当しないにもかかわらず,上記質問検査権限を行使したことを理由に,本件各処分が違法である旨主張する。 ( )ア租税特別措置法66条の4第9項は,国税庁の当該職員又は法人の納税 地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は,法人が同条7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合において,当該法人の各事業年度における国外関連取引に係る同条1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要があるときは,その必要と認められる範囲内において,当 なく提示し,又は提出しなかった場合において,当該法人の各事業年度における国外関連取引に係る同条1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要があるときは,その必要と認められる範囲内において,当該法人の当該国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に質問し,又は当該事業に関する帳簿書類を検査することができる旨規定しているところ,これは,移転価格税制が大量かつ頻繁に行われている関係会社間の取引価格の妥当性を問題とする税制であり,同種の事業を営む者からの情報収集が不可欠であるところ,法人税法所定の検査権限に関する規程によっては,取引関係のない者に対する調査権限が認められないことから,税務職員による比較対象法人に対する情報収集に- 57 -法的根拠を与えたものと解される。 イこのように,租税特別措置法66条の4第9項は,税務職員による比較対象法人に対する質問検査権限を創設した規定であって,当該質問検査に係る手続要件自体が課税処分の要件となるものではないから,当該質問検査に係る手続が違法であることを理由に,直ちに課税処分が違法であるということはできず,当該質問検査に係る手続が刑罰法規に抵触し,又は公序良俗に反するような重大な違法がある場合に初めて,当該処分の取消事由となるものと解するのが相当である。 ウこれに対し,原告は,租税特別措置法66条の4第9項所定の要件が課税処分の要件であり,同項所定の要件を満たすことなくされた質問又は検査の結果得られた資料に基づき課税処分がされた場合には,直ちに重大な違法がある旨主張する。 確かに,原告が主張するとおり,同項所定の質問検査権限の行使の結果得られた非公開情報については,公務員の守秘義務等を理由に,納税者側が十分な検証を行うことができない場合があるが,そのことから直ちに,同項所定の要件が課税処 おり,同項所定の質問検査権限の行使の結果得られた非公開情報については,公務員の守秘義務等を理由に,納税者側が十分な検証を行うことができない場合があるが,そのことから直ちに,同項所定の要件が課税処分の要件であり,同項所定の要件を満たすことなくされた質問又は検査の結果得られた資料に基づき課税処分がされた場合に,直ちに重大な違法があると解することはできないといわざるを得ない。 エそして,本件において原告が主張している事実は,原告が処分行政庁の職員が提出を求めた独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類又はその写しをすべて遅滞なく提出して,処分行政庁の職員からの事業内容の聴取等にも積極的に協力したにもかかわらず,租税特別措置法- 58 -66条の4第9項に基づき本件比較対象法人に対する質問検査権限を行使し情報を収集したというものであるから,原告の上記主張をもってしても,処分行政庁がした当該質問検査に係る手続に重大な違法があるということはできない。 ( )したがって,その余の点について判断するまでもなく,処分行政庁の職員 が同項所定の要件に該当しないにもかかわらず,上記質問検査権限を行使したことを理由に,本件各処分が違法であるとする原告の主張を採用することはできない。 本件各処分の適法性( )本件各更正処分の適法性 ア平成12年11月期更正前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,別紙4記載1のとおり,平成12年11月期の原告の所得金額は,16億6544万5169円であり,納付すべき税額は4億9958万円であって,これらはいずれも平成12年11月期更正における所得金額及び納付すべき税額と同額であるから,平成12年11月期更正は適法である。 イ平成13年11月更正前記1から3までの事実及び弁論の全趣 って,これらはいずれも平成12年11月期更正における所得金額及び納付すべき税額と同額であるから,平成12年11月期更正は適法である。 イ平成13年11月更正前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,別紙4記載1のとおり,平成13年11月期の原告の所得金額は,18億936万9601円であり,納付すべき税額は5億4275万8000円であって,これらはいずれも平成13年11月期更正における所得金額及び納付すべき税額と同額であるから,平成13年11月期更正は適法である。 - 59 -ウ平成14年11月更正前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,別紙4記載1のとおり,平成14年11月期の原告の所得金額は,13億208万7006円であり,納付すべき税額は3億9061万4800円であって,これらはいずれも平成14年11月期更正における所得金額及び納付すべき税額と同額であるから,平成14年11月期更正は適法である。 ( )本件各賦課決定処分の適法性 ア平成12年11月期賦課決定前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,平成12年11月期の過少申告加算税の額は,別紙4記載2のとおり,5960万円であり,これは平成12年11月期賦課決定(ただし,平成16年6月29日付け変更決定により一部取り消された後のもの)の額と同額であるから,平成12年11月期賦課決定は適法である。 イ平成13年11月期賦課決定前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,平成13年11月期の過少申告加算税の額は,別紙4記載2のとおり,4916万円であり,これは平成13年11月期賦課決定の額と同額であるから,平成13年11月期賦課決定は適法である。 ウ平成14年11月期賦課決定前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合する 4916万円であり,これは平成13年11月期賦課決定の額と同額であるから,平成13年11月期賦課決定は適法である。 ウ平成14年11月期賦課決定前記1から3までの事実及び弁論の全趣旨を総合すると,平成14年11月期の過少申告加算税の額は,別紙4記載2のとおり,4310万1500円であり,これは平成14年11月期賦課決定の額と同額であるから,- 60 -平成14年11月期賦課決定は適法である。 第4 結論 よって,原告の請求はいずれも理由がないから,これらをいずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官杉原則彦裁判官松下貴彦裁判官小田靖子- 61 -(別表)本件各処分の経緯(単位:円)事業年度処分等年月日所得金額納付すべき税額過少申告加算税平成年月期確定申告平成年月日― 255,742,51576,669,100 1,665,445,169499,580,00063,436,500更正処分及び平成年月日賦課決定処分異議申立て平成年月日― 255,742,51576,669,100 59,600,000変更決定処分平成年月日――異議決定平成年月日棄却 審査請求平成年月日― 255,742,51576,669,100裁決平成年月日棄却 平成年月期確定申告平成年月日― 537,679,363161,251,000 1,80 裁決 平成年月日棄却 平成年月期確定申告平成年月日― 537,679,363161,251,000 1,809,369,601542,758,00049,160,000 更正処分及び平成年月日賦課決定処分異議申立て平成年月日― 537,679,363161,251,000 異議決定平成年月日棄却 審査請求平成年月日― 537,679,363161,251,000 裁決平成年月日棄却 平成年月期確定申告平成年月日― 256,882,81277,053,300 修正申告平成年月日― 258,637,67477,579,800 1,302,087,006390,614,80043,101,500 更正処分及び平成年月日賦課決定処分異議申立て平成年月日― 258,637,67477,579,800 異議決定平成年月日棄却 審査請求平成年月日― 258,637,67477,579,800 裁決平成年月日棄却
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