昭和27(あ)6091 昭和二五年政令第三二五号違反

裁判年月日・裁判所
昭和30年11月2日 最高裁判所大法廷 判決 その他 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決及び第一審判決を破棄する。      被告人を免訴する。          理    由  弁護人岡崎一夫、同山内忠吉の上告趣意は、末尾添附のとおりである。  裁判官真野

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主文 原判決及び第一審判決を破棄する。 被告人を免訴する。 理由 弁護人岡崎一夫、同山内忠吉の上告趣意は、末尾添附のとおりである。 裁判官真野毅、同小谷勝重、向島保、同藤田八郎、同谷村唯一郎、同入江俊郎の意見は、昭和二五年政令三二五号「占領目的阻害行為処罰令」は、平和条約発効と同時に当然失効し、その後に右政令の効力を維持することは、憲法上許されないから本件については犯罪後の法令により刑が廃止された場合にあたるとするものであること、昭和二七年(あ)第二八六八号同二八年七月二二日言渡大法廷判決及び昭和二七年(あ)第六六九号同二八年一二月一六日言渡大法廷判決各記載の右六裁判官の意見のとおりである。 裁判官岩松三郎、同河村又介、同小林俊三の意見は、右政令三二五号は、平和条約発効後においては、本件に適用されている昭和二〇年九月一〇日附連合国最高司令官の「言論及び新聞の自由」と題する覚書第三項の「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議すること」を禁止する部分及び「連合国に対する虚偽又は破壊的批評及び風説」を「論議すること」を禁止する部分はいずれも憲法二一条に違反するから、右指令を適用するかぎりにおいて、平和条約発効と共に失効し、従つて、本件は犯罪後の法令により刑の廃止があつた場合にあたるとすること、昭和二七年(あ)第六六九号同二八年一二月一六日言渡大法廷判決記載の河村、小林両裁判官の意見及び昭和二七年(あ)第二〇一一号同三〇年四月二七日言渡大法廷判決記載の岩松、河村、小林各裁判官の意見のとおりである。 裁判官栗山茂の意見は、前記連合国最高司令官の覚書第三項の「連合国に対する虚偽又は破壊的批評及び風説」を「論議すること」を禁止する部分は憲法二一条に- 1 -違反するから、右指令を適用 である。 裁判官栗山茂の意見は、前記連合国最高司令官の覚書第三項の「連合国に対する虚偽又は破壊的批評及び風説」を「論議すること」を禁止する部分は憲法二一条に- 1 -違反するから、右指令を適用するかぎりにおいて右政令三二五号は平和条約発効と共に失効し従つて、右覚書の部分に違反した行為に対しては犯罪後の法令により刑の廃止があつた場合にあたるとすることは右岩松、河村、小林三裁判官と同意見(前記昭和二七年(あ)第二〇一一号の大法廷判決記載のわたくしの意見参照)であるが、右覚書第三項のうち「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議すること」を禁止する部分は、憲法二一条その他憲法の条規に違反するものではなく、従つて、右覚書の右部分を適用する限りにおいては、平和条約発効前にこれに違反した行為を平和条約発効後において右政令三二五号違反の罪として処罰することも許されるとすること、前記昭和二七年(あ)第六六九号大法廷判決記載のわたくしの意見のとおりである。しかし、本件第一審判決の確定した事実は、前記覚書の「連合国に対する破壊的批評」を「論議」したものにはあたるけれども、同覚書の「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議」したものということはできないから、原判決が被告人の所為を右覚書の「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議すること」を禁止した部分に違反すると同時に、右覚書の「連合国に対する破壊的批評」を「論議すること」を禁止した部分に違反するものと判示したのは法令の適用を誤つた違法がある。しかし、右「連合国に対する破壊的批評」を「論議」したとの点は前記のごとく犯罪後の法令により刑の廃止があつたときにあたり、被告人に対し免訴の言渡をなすべきであり、「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議」したとの点は罪とならないけれども右 したとの点は前記のごとく犯罪後の法令により刑の廃止があつたときにあたり、被告人に対し免訴の言渡をなすべきであり、「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議」したとの点は罪とならないけれども右は一個の行為で数個の罪名に触れるものとして、起訴されたものと認められるから、特に主文において無罪の言渡をなすべきものではないというのである。 よつて以上一〇裁判官の意見によれば本件は犯罪後に刑が廃止されたときにあたるものとして、刑訴四一一条、四一三条、三三七条二号により主文のとおり判決する。 - 2 -裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔、同本村善太郎の反対意見は、次のとおりである。 平和条約発効前に犯した昭和二五年政令三二五号違反の罪に対する刑罰は平和条約発効後といえども、廃止されたものといえないことは前記昭和二七年(あ)第二〇一一号の大法廷判決記載のとおりである。 なお、本件に対する各裁判官の補足意見は前記昭和二七年(あ)第二〇一一号の大法廷判決に記載乃至引用したとおりである。 裁判官霜山精一、同井上登は退官につき評議に関与しない。 検察官安平政吉、同竹原精太郎、同宮崎三郎、同神山欣治出席昭和三〇年一一月二日最高裁判所大法廷裁判長裁判官田中耕太郎裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官小谷勝重裁判官島保裁判官斎藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三 保裁判官斎藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三郎裁判官河村又介裁判官谷村唯一郎裁判官小林俊三裁判官本村善太郎裁判官入江俊郎- 3 -

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