昭和49(オ)708 堤防加工部分収去、不当利得返還及損害賠償等

裁判年月日・裁判所
昭和53年3月30日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 大阪高等裁判所 昭和42(ネ)236
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【DRY-RUN】主    文      原判決中上告人らに対し被上告人への金銭支払を命じた部分を破棄し、 右部分につき本件を大阪高等裁判所に差し戻す。      その余の上告を棄却する。      前項に関する上告費

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判決文本文3,780 文字)

主文 原判決中上告人らに対し被上告人への金銭支払を命じた部分を破棄し、右部分につき本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 その余の上告を棄却する。 前項に関する上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告人国指定代理人貞家克己、同高橋欣一、同伊藤瑩子、同宝金敏明、同舟越俊雄、同北川直彦、上告人滋賀県指定代理人沢慶一郎、同松村敢、同中嶋太郎次、同関河道夫の上告理由第一及び第二について本件堤防及びその地盤である本件土地が被上告人の所有に属するとの原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、是認しえないものではなく、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう原審の専権に属する事実の認定、証拠の取捨を非難するものであつて、採用することができない。 同第三について一原判決の認定判断の要旨は、「本件河川である安曇川は、旧河川法(明治二九年法律七一号、昭和四〇年四月一日廃止)の準用河川であり、現行河川法の一級河川であるところ、被上告人先々代は、明治二五年頃右河川の氾濫による水害から本件土地付近にある同人所有の田地を守るため自己所有の本件土地内に本件堤防を築造し、その後一〇余年にわたつて補強を重ね、ほぼ現状のとおりの堤防(ただし、昭和二八年以後a町ないし滋賀県知事において復旧補修した東端部分は現状と異なる。)を完成し、以後被上告人先代及び被上告人においてその補修、管理を続けていたものであつて、本件堤防及びその地盤である本件土地は被上告人の所有に属するところ、上告人らは、始期は明らかではないがおそくとも昭和三四年一一月一日以降本件堤防を河川管理施設である堤防と誤信して補修を加えたり、堤防上の竹を- 1 -伐採したりして本件堤防を利用している。そして、本件堤防は、右のように被上告 いがおそくとも昭和三四年一一月一日以降本件堤防を河川管理施設である堤防と誤信して補修を加えたり、堤防上の竹を- 1 -伐採したりして本件堤防を利用している。そして、本件堤防は、右のように被上告人所有の田地を本件河川の氾濫による災害から守るために築造され、以来現在にいたるまで本件土地付近の農地を右水害から守る役割を果しており、本件河川の管理上本件堤防の設置又はこれに代るべき施設の設置が必要不可欠と認められるところ、河川管理者として堤防を築造する義務を有することの明らかな上告人国及びその費用を負担すべき上告人滋賀県は、他人の設置した堤防を権原なく利用することにより、みずから堤防を築造する費用の支出を免れ、法律上の原因なく利得し、かつ所有者に損失を与えているものということができ、右利得及び損失は、一年につき、昭和三四年頃の本件堤防に相当する堤防を新に築造するための費用二五〇〇万円の年六パーセントにあたる一五〇万円と認めるのを相当とし、右利得及び損失は上告人らにおいて本件堤防の買受け又は代替堤防を築造するにいたるまで続くものと推認されるから、上告人らは各自被上告人に対し昭和三四年一一月一日以降本件堤防の買受け又は代替堤防の築造にいたるまで一年につき一五〇万円の割合による金員の支払義務がある。」というのである。 二1 原判決は、右のように上告人国及び上告人滋賀県は、本件堤防を利用することによつて不当利得しているものとするところ、上告人国は本件堤防を占有することを明らかには争わないが(原判決理由七(一)(2))、上告人滋賀県が本件堤防を占有することは認められないのであつて(同七(一)(1))、原判決のいう上告人らの本件堤防利用の内容及びこれを前提とする同人らの不当利得の内容は、明確を欠くといわなければならないところ、仮に原判決の趣旨が、本件河 認められないのであつて(同七(一)(1))、原判決のいう上告人らの本件堤防利用の内容及びこれを前提とする同人らの不当利得の内容は、明確を欠くといわなければならないところ、仮に原判決の趣旨が、本件河川の河川管理者である上告人国において、被上告人所有の本件堤防を河川管理施設としての堤防として占有、使用するというのであれば、本来右堤防付近の土地を河川区域と認定したうえ同堤防につき所有権、使用権を取得する等の手続を経て占有、使用すべきであるのに、同上告人がそのような手続をとることなく本件堤防を事実上河川管理施- 2 -設としての堤防として占有、使用していることをもつて、不当利得とするというのであれば、それは他人の物を権原なく占有することによる不当利得を認めたものであつて、その限りにおいてその判断は正当である。しかし、原判決は、その利得を一年につき昭和三四年頃の本件堤防に相当する堤防の新設に要する費用二五〇〇万円の六パーセントと認定するところ、右堤防の利用による上告人らの利得の算定にあたり、他に適切な方法がないときは、原判決のようにその建設費の利回り計算によつて算定することもあながち不合理とはいえないとしても、建設費については、鑑定をするなど客観的な資料によつて認定すべきであるにもかかわらず、原判決は「本件堤防に相当する堤防を新に築造するには予算二五〇〇万円を要する。」旨の証言のみに依拠してこれを認定し、また、不動産による利潤について利回り計算をするにあたつて商事法定利率に等しい年六パーセントの利率を用いることは高きにすぎて正当ではないばかりでなく、上告人国が堤防を使用しているとすれば通常これに伴い必要費、有益費を支出しているのであつてこれを控除すべき筋合であるのに、原判決はなんらそのことを考慮にいれていない。更に、他人の物の不法占有による 上告人国が堤防を使用しているとすれば通常これに伴い必要費、有益費を支出しているのであつてこれを控除すべき筋合であるのに、原判決はなんらそのことを考慮にいれていない。更に、他人の物の不法占有による不当利得の発生はその占有をやめることによつて終るのが通常であるところ、原判決は、本件堤防が本件河川の管理上必要不可欠であり、上告人らに右堤防の買受け又は代替堤防を築造する義務があることを前提として、上告人国の不当利得は上告人らにおいて右堤防を買い受け又は代替堤防を築造するまで継続して発生するとするのであるが、河川管理のため河川のどの地点にいかなる管理施設を設置すべきかは、河川管理者がその河川の特性、河川全流域の自然的・社会的条件、河川工事の経済性等あらゆる観点から総合的に判断して決めるべきことであり、単にある特定の地点に河川の氾濫による災害の生ずるおそれがあるとか、災害が生じたとか、あるいは河川管理者がたまたま住民私有の堤防を占有、使用していた等の事実があることから直ちに河川管理者に右地点に堤防を築造する義務又は既存の住民私有の- 3 -堤防を買い受ける義務があるとはいえないのであつて、河川管理者にそのような義務があるというためには、前述のようなあらゆる観点から総合的に判断して、河川管理上その地点に河川管理施設を設置することが必要不可欠であることが明らかであり、これを放置することがわが国における河川管理の一般的水準及び社会通念に照らして河川管理者の怠慢であることが明白であるといえるような特別な事情のあることを必要とするといわなければならない。ところが、原判決は、右特別の事情の存在を考慮することなく漫然上告人らの本件堤防買受け又は代替堤防築造義務を認め、上告人らが右義務を果たすまで不当利得の発生が継続するとするものであつて、その点においても、 、原判決は、右特別の事情の存在を考慮することなく漫然上告人らの本件堤防買受け又は代替堤防築造義務を認め、上告人らが右義務を果たすまで不当利得の発生が継続するとするものであつて、その点においても、不当利得の法理の適用を誤つたものといわなければならない。 2 上告人滋賀県については、前述のように、原判決は、右上告人が本件堤防の占有をしないとしながら、同人は堤防の築造費の支出を免れ不当利得するとするところ、原審の右判断は、上告人国の本件堤防買受け又は代替堤防築造義務を前提としてこれに伴う河川管理費用の分担者である上告人滋賀県のその費用の支出義務を認めたものと解されるが、前述のように、なお上告人国の右義務を認めるには足りないのであり、したがつて上告人滋賀県の右費用支出義務を認めることもできないから、同上告人の不当利得を認めた原判決は違法といわなければならない。 3 右のとおりであるから、論旨は理由があり、原判決中上告人らに対し被上告人への金銭支払を命じた部分は破棄を免れないところ、叙上に指摘した各点について当事者双方に攻防を尽くさせたうえ十分な審理を遂げるため、右破棄部分につき本件を原審に差し戻すのを相当とする。 (結論)よつて、民訴法四〇七条一項、三九六条、三八四条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 - 4 -最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岸盛一裁判官岸上康夫裁判官団藤重光裁判官下田武三は退官のため評議に関与しない。 裁判長裁判官岸盛一- 5 - 団藤重光裁判官 下田武三は退官のため評議に関与しない。 裁判長裁判官岸盛一

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