平成28(行ウ)218 不動産取得税賦課決定処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年1月24日 大阪地方裁判所 租税
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判決文本文18,431 文字)

平成30年1月24日判決言渡平成28年(行ウ)第218号不動産取得税賦課決定処分取消請求事件主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求大阪府泉北府税事務所長が原告に対して平成27年11月5日付けでした原告に対する別紙物件目録記載1の土地の取得に係る不動産取得税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,別紙物件目録記載1の土地(以下「本件土地1」という。)の共有者であった原告が,共有物分割により同土地の他の共有者の共有持分を取得したところ(以下,この共有持分の取得を「本件取得」という。),大阪府泉北府税事務所長から,本件取得について,不動産取得税賦課決定処分(以下「本 件処分」という。)を受けたため,本件取得は地方税法(以下「法」という。)73条の7第2号の3(以下「本件非課税規定」という。)により不動産取得税を課することができないものであるなどと主張して,本件処分の取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め ⑴ 法の定めア不動産取得税の納税義務者法73条の2第1項は,不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産所在の道府県において,当該不動産の取得者に課する旨定めている。 イ形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税 法73条の7第2号の3(本件非課税規定)は,共有物の分割による不 動産の取得については,当該不動産の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分(以下「持分超過部分」という。)の取得を除き,不動産取得税を課することができない旨定めている。 ウ不動産取得税の課税標準法73条の13第1項及び73 る持分の割合を超える部分(以下「持分超過部分」という。)の取得を除き,不動産取得税を課することができない旨定めている。 ウ不動産取得税の課税標準法73条の13第1項及び73条5号は,不動産取得税の課税標準は, 不動産を取得した時における不動産の価格とし,不動産の価格とは適正な時価をいう旨定めている。 エ不動産の価格の決定法73条の21第1項は,道府県知事は,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については,当該価格により当該不動産に 係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨定め,同条2項は,道府県知事は,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産については,法388条1項の固定資産評価基準(以下「評価基準」という。)によって,当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨定めている。なお,大阪府にお いては,法3条の2及び大阪府税条例(昭和25年大阪府条例75号。乙2)2条の2により,価格決定の権限は大阪府知事から府税事務所長に委任されている。 オ固定資産税に係る総務大臣の任務法388条1項は,総務大臣は,固定資産の評価の基準並びに評価の実 施の方法及び手続を定め,これを告示しなければならない旨定めている。 ⑵ 評価基準の定め(ただし,本件の争点に関する部分。乙3)ア宅地の評価(第1章第3節一)宅地の評価は,各筆の宅地について評点数を付設し,当該評点数を評点1点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものとす る。 イ市街地宅地評価法による宅地の評点数の付設(第1章第3節二)各筆の宅地の評点数は,主 を評点1点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものとす る。 イ市街地宅地評価法による宅地の評点数の付設(第1章第3節二)各筆の宅地の評点数は,主として市街地的形態を形成する地域における宅地については,市街地宅地評価法によって付設するものとし,評点数の付設の順序は次によるものとする。 (ア) 市町村の宅地を商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等に区分 し,当該各地区について,その状況が相当に相違する地域ごとに,その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定するものとする。 (イ) 標準宅地について,売買実例価額から評定する適正な時価を求め,これに基づいて当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設し,これに比準して主要な街路以外の街路の路線価を付設するものと する。 (ウ) 路線価を基礎とし,「画地計算法」を適用して,各筆の宅地の評点数を付設する。 ウ画地計算法(別表第3の1・2)(ア) 各筆の宅地の評点数は,各筆の宅地の立地条件に基づき,路線価を 基礎とし,奥行価格補正割合法,側方路線影響加算法,二方路線影響加算法,不整形地・無道路地・間口が狭小な宅地等評点算出法を適用して求めた評点数によって付設するものとする。 (イ) 各筆の宅地の評点数は,一画地の宅地ごとに画地計算法を適用して求めるものとする。この場合において,一画地は,原則として,土地課 税台帳又は土地補充課税台帳に登録された1筆の宅地によるものとする。 ただし,1筆の宅地又は隣接する2筆以上の宅地について,その形状,利用状況等からみて,これを一体をなしていると認められる部分に区分し,又はこれらを合わせる必要がある場合においては,その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とす 2筆以上の宅地について,その形状,利用状況等からみて,これを一体をなしていると認められる部分に区分し,又はこれらを合わせる必要がある場合においては,その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする。 ⑶ 地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)(乙1。以下「取 扱通知」という。)取扱通知第5章第1の5の2⑵は,本件非課税規定の取扱いに関し,複数の共有地で互いに隣接し,その共有者が同一で,かつ,持分割合が同じである場合において,合筆することなく当該隣接する複数の共有地を一体としてとらえて当該持分に応じた分割をしたと認められるときは,一の共有物を分 割した場合に準じて非課税として取り扱って差し支えない旨定めている。 2 前提事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により認めることができる。 ⑴ 本件取得の経緯等 ア原告及び原告の弟であるCは,遺贈により,分筆前の堺市(住所省略)の土地(以下「分筆前土地」という。)の共有持分2分の1をそれぞれ取得し,その旨の登記を経由した。(甲3)イ原告及びCは,平成26年11月11日,分筆前土地を本件土地1と別紙物件目録記載2の土地(以下「本件土地2」といい,本件土地1と本件 土地2を併せて「本件各土地」という。)に分筆した。本件土地1及び本件土地2の形状及び位置関係は別紙図面のとおりであり(青線で囲まれた範囲が本件土地1,赤線で囲まれた範囲が本件土地2である。本件土地1と本件土地2とはその境界の全部が接している。),前記分筆により,原告及びCは,本件各土地をそれぞれ持分2分の1の割合で共有することとなり, その旨の登記が経由された。(甲3,4)ウ原告及びCは,平成26年11月30日,本件 いる。),前記分筆により,原告及びCは,本件各土地をそれぞれ持分2分の1の割合で共有することとなり, その旨の登記が経由された。(甲3,4)ウ原告及びCは,平成26年11月30日,本件各土地についてそれぞれ共有物分割を行い,本件土地1については原告がCの共有持分全部を取得し(本件取得),本件土地2についてはCが原告の共有持分全部を取得した。 これにより,本件土地1は原告の,本件土地2はCの各単独所有となり, その旨の登記が経由された。(甲3,4) ⑵ 本件処分に至る経緯等ア大阪府泉北府税事務所長は,本件土地1が本件取得時において固定資産課税台帳に価格が登録されていない不動産であったことから,評価基準に基づいて本件土地1の価格を決定し,本件取得には本件非課税規定の持分超過部分があるとして,本件取得につき,課税標準額101万3000円, 税額3万0300円とする不動産取得税賦課決定処分(本件処分)をした。 (甲1)イ原告は,平成27年12月22日,大阪府知事に対し,本件処分を不服として審査請求をしたところ,大阪府知事から,平成28年7月1日付けで,原告の審査請求を棄却する裁決を受け,同月2日,その旨が原告に通 知された。(甲6)ウ原告は,平成28年9月6日,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実) 3 本件処分の根拠及び適法性に関する被告の主張本件処分の根拠及び適法性に関する被告の主張は,別紙「本件処分の根拠及 び適法性」のとおりである。なお,原告は,後記5の争点に関する部分のほかに,本件処分の根拠及び適法性は争っていない。 4 争点⑴ 持分超過部分の有無の判断基準を法73条の21により決定される価格とすることの適否(争点1) ⑵ 本件各土地を のほかに,本件処分の根拠及び適法性は争っていない。 4 争点⑴ 持分超過部分の有無の判断基準を法73条の21により決定される価格とすることの適否(争点1) ⑵ 本件各土地を一画地と認定することの適否(争点2) 5 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1(持分超過部分の有無の判断基準を法73条の21により決定される価格とすることの適否)(被告の主張) ア持分超過部分の有無は,不動産の価格の割合を基準として判断すべきも のであり,その価格とは,適正な時価(法73条5号)をいうものと解される。法73条の21第1項が固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については原則として当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとしているのは,不動産の価格の評価の統一と徴税事務の簡素合理化を図るためであると考 えられるのであり,固定資産課税台帳に登録された固定資産の価格が,不動産取得税の課税標準である当該不動産の適正な時価を表していると認められるからにほかならない。このことからすると,法73条の21第2項により固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産についても,評価基準によって決定された価格が適正な時価となるというべき である。したがって,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格は,法73条の21により決定される価格,すなわち,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については当該価格をいい,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産については評価基準によって決定される価格をいうものと解すべきである。 イ原告は,法における本件非課税規定の規定位置から持分超過部分の 課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産については評価基準によって決定される価格をいうものと解すべきである。 イ原告は,法における本件非課税規定の規定位置から持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格には,法73条の13及び73条の21が適用されず,当該価格は同条による価格ではないと主張する。しかしながら,本件非課税規定が,形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税に関する法73条の7に定められているのは,立法技術によるもの にすぎず,法における本件非課税規定の規定位置から,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格につき,法73条の13及び73条の21が適用されないということはできない。 ウ原告は,持分超過部分の有無の判断基準を法73条の21により決定される価格とすると,同条2項の場合には評価基準によって決定される価格 ということになるが,適正な時価と評価基準による価格は常に一致するも のではないから,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格(適正な時価)は評価基準によって決定される価格とはいえないと主張する。 しかしながら,最高裁平成13年(行ヒ)第224号同16年10月29日第二小法廷判決・裁判集民事215号485頁(以下「平成16年判決」という。)及び平成24年(行ヒ)第79号同25年7月12日第二小法 廷判決・民集67巻6号1255頁(以下「平成25年判決」という。)によれば,不動産取得税の課税標準となる不動産の価格,すなわち適正な時価は,常に評価基準によって決定されるべきものとされていると解されるから,評価基準によって決定される価格が適正な時価と一致しないからといって,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格が評価基準 によって決 よって決定されるべきものとされていると解されるから,評価基準によって決定される価格が適正な時価と一致しないからといって,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格が評価基準 によって決定される価格でないということはできない。 (原告の主張)ア持分超過部分の有無は,不動産の価格を基準として判断すべきものであり,その価格とは,適正な時価をいうものと解されるから(法73条5号),持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格は,当該不動産の適正 な時価をいうものと解すべきである。そして,原告とCは,国税庁長官が発出している財産評価基本通達を参考にして,本件土地1と本件土地2の各価格が同一となるように計算して分筆したのであり,本件土地1の適正な時価は分筆前土地の適正な時価の2分の1を超えないものというべきであるから,持分超過部分の有無の判断基準を不動産の適正な時価とした場 合には本件取得には持分超過部分は存在しないということになる。 イ被告は,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格は,法73条の21により決定される価格であると主張する。しかし,法73条の13及び法73条の21は課税標準に関する規定であるのに対し,法73条の7は,課税標準や税額を算出する前段階として不動産取得税が賦課され るか否かに関する規定であるから,持分超過部分の有無の判断基準となる 不動産の価格について,法73条の13及び法73条の21を適用する余地はなく,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格が法73条の21により決定される価格であるということはできない。このことは,①法73条の7が「第一款通則」に定められているのに対し,法73条の13が「第二款課税標準及び税率」に,法73条の21が「 3条の21により決定される価格であるということはできない。このことは,①法73条の7が「第一款通則」に定められているのに対し,法73条の13が「第二款課税標準及び税率」に,法73条の21が「第三款賦 課及び徴収」に定められていること,②本件非課税規定が「当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得」と規定し,「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部分の取得」と規定していないことからも明らかである。 また,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格を法73条の 21により決定される価格であるとすると,同条2項の場合には評価基準によって決定される価格ということになるが,不動産の適正な時価は評価基準によって決定される価格と必ずしも一致するものではなく,このことは,平成16年判決及び平成25年判決からも明らかである。そうすると,この点からも,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格を法7 3条の21により決定される価格とすることはできないというべきである。 ⑵ 争点2(本件各土地を一画地と認定することの適否)(被告の主張)ア評価基準によれば,画地の認定は,土地課税台帳等に登録された1筆の宅地によることを原則としつつ,例外として,隣接する2筆以上の宅地に ついて,その形状,利用状況等からみてこれらを合わせる必要がある場合においては,その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とすると定めている。これを本件各土地についてみると,①本件各土地には,本件各土地を区分するための塀等は設けられていないこと,②本件各土地には,隣接地との間に本件各土地にまたがった形でブロック塀ないしフェンスが設 置され,隣接地と明確に区別されていること,③本件各土地は,共に舗装 されコインパ いないこと,②本件各土地には,隣接地との間に本件各土地にまたがった形でブロック塀ないしフェンスが設 置され,隣接地と明確に区別されていること,③本件各土地は,共に舗装 されコインパーキング(8台分)及び月極駐車場(51台分)の駐車場として一体利用されており,本件土地1に設置された照明器具は,本件各土地の双方を照らすように設置されていることが認められ,このような本件各土地の利用状況からすれば,本件各土地は一画地として認定するのが相当である。 イ原告は,高松高裁平成23年12月20日判決(甲8。以下「高松高裁判決」という。)を引用して,①本件土地1は利用状況を比較的容易に変更し得るものであること,②本件土地1が本件土地2に比して不整形地であることから本件各土地を一区画とすることはできないと主張する。しかしながら,高松高裁判決の画地認定の判断枠組みは,当該裁判例における 事実関係の下でのものであり,本件とは事案を異にするものである上,仮に高松高裁判決の画地認定の判断枠組みに沿って検討したとしても,①本件各土地は駐車場として一体利用されているところ,その駐車スペースは本件各土地の境界線にまたがるように設置され,本件土地1に設置されている照明器具も本件各土地を照らすように設置されているのであって,本 件各土地の利用状況を変更し各別に利用するためには相当規模の工事が必要となること,②本件各土地は,接道状況は同一であり,形状もほぼ同一であって,相互に完全に隣接していることなどからすれば,本件各土地は一画地として評価するのが相当であるということができる。 ウ原告は,角地である駐車場を角地であるA土地とこれに隣接する角地で ないB土地に分筆した場合において,両土地を各別に評価すればA土地の方 評価するのが相当であるということができる。 ウ原告は,角地である駐車場を角地であるA土地とこれに隣接する角地で ないB土地に分筆した場合において,両土地を各別に評価すればA土地の方が高額になるが,A土地とB土地を一画地として評価すればA土地とB土地の評価額が等しいということになり不合理であるとして本件各土地を一画地として評価することは相当でないと主張する。しかしながら,2筆の土地を一画地と評価するか否かと個別に評価した場合に価格差が生ずる ことは別個の問題であるから,原告の前記主張は理由がない。 (原告の主張)ア被告は,評価基準により本件土地1の価格を算定するに当たり,本件各土地を一画地と認定しているが,①本件各土地は所有者を異にしていること,②本件各土地は利用状況等を容易に変更することができるものであること,③本件土地1は本件土地2に比して不整形であることなどに照らす と,本件各土地を一画地と認定することはできないというべきである。 イ高松高裁判決は,隣接する3筆の土地のうちの1筆の土地の所有者が,同土地を残り2筆の土地の所有者に賃貸し,当該2筆の土地の所有者において合計3筆の土地を商業施設の敷地として利用していたという事案において,①当該1筆の土地の所有者において土地の利用状況等を比較的容易 に変更し得ること,②当該1筆の土地の接道状況,形状,面積等を考慮し,所有者を異にするにもかかわらず3筆の土地を一体として取引の対象とするのが社会通念に照らして合理的であるとまで認めることはできないとして,当該1筆の土地と残り2筆の土地を別個に評価すべきであるとしているのであって,この裁判例に照らしても,本件各土地を一画地と認定する ことはできないというべきである。 ることはできないとして,当該1筆の土地と残り2筆の土地を別個に評価すべきであるとしているのであって,この裁判例に照らしても,本件各土地を一画地と認定する ことはできないというべきである。 ウ例えば,角地である駐車場を角地であるA土地とこれに隣接する角地でないB土地に分筆した場合において,両土地を各別に評価すればA土地の方が高額になるが,A土地とB土地を一画地として評価すればA土地とB土地の評価額が等しいということになって不合理であり,このことからす れば,本件各土地を一画地と認定することは相当でないというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(持分超過部分の有無の判断基準を法73条の21により決定される価格とすることの適否)について⑴ 不動産取得税は,いわゆる流通税に属し,不動産の移転の事実自体から担 税力の存在を推定し課税するものであって,法73条の2第1項の「不動産 の取得」とは,所有権移転の形式により不動産を取得する全ての場合をいうものと解すべきである(最高裁昭和43年(行ツ)第90号同48年11月16日第二小法廷判決・民集27巻10号1333頁,最高裁昭和51年(行ツ)第55号同53年4月11日第三小法廷判決・民集32巻3号583頁参照)。そうすると,共有物の分割による不動産の取得も前記の「不動産の 取得」に当たり不動産取得税の課税対象となり得るものではあるが,本件非課税規定は,共有物の分割による不動産の取得は,当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分(持分超過部分)の取得を除き,不動産取得税を課することができない旨を規定している。これは,共有不動産の共有者が,共有物の分割により,(a)分割前の当該共有物に係る持 分の割合の範囲内で不動 (持分超過部分)の取得を除き,不動産取得税を課することができない旨を規定している。これは,共有不動産の共有者が,共有物の分割により,(a)分割前の当該共有物に係る持 分の割合の範囲内で不動産を取得した場合には,当該取得は,形式的なものにすぎず,当該取得の事実から担税力の存在を推定することができないことから,当該取得については,不動産取得税を非課税とする一方,(b)当該持分の割合の範囲を超えて不動産を取得した場合には,当該持分の割合を超える部分(持分超過部分)の取得は,新たに不動産を取得するものであって,当 該部分の取得の事実から担税力の存在を推定することができるものであることから,当該部分の取得については,法73条の2第1項の「不動産の取得」として不動産取得税の課税対象とする趣旨であると解される。このような本件非課税規定の趣旨からすれば,共有物の分割による不動産の取得に持分超過部分の取得が存在するか否かは,当該取得の事実から担税力の存在を推定 することができるものか否かの観点から判断されるべきであるところ,法は,不動産取得税の課税標準を不動産の価格としており,その価格をもって不動産の移転の事実から推定される担税力の指標としているものと解される。以上によれば,共有物の分割により分割前の当該共有物に係る持分の割合の範囲を超えて取得した部分(持分超過部分)の有無については,当該持分の割 合の価格(当該共有物の価格の持分割合相当額)と当該分割により取得した 不動産の価格とを比較して判断すべきであり,当該各価格は不動産取得税の課税標準となるべき価格と解するのが相当である。 ⑵ そして,法は,固定資産税と不動産取得税における不動産の価格の評価の統一と徴税事務の簡素合理化を図るため,不動産取得税の課税標準となる 産取得税の課税標準となるべき価格と解するのが相当である。 ⑵ そして,法は,固定資産税と不動産取得税における不動産の価格の評価の統一と徴税事務の簡素合理化を図るため,不動産取得税の課税標準となるべき不動産の価格について,①不動産を取得した時における適正な時価をいう 旨規定し(法73条5号,73条の13第1項),固定資産税の課税標準である土地又は家屋の価格の意義について定める法341条5号及び349条1項と同様の規定を置くとともに,②固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については,道府県知事は,原則として当該価格により不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定し, 固定資産課税台帳に固定 資産の価格が登録されていない不動産については,評価基準によって不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨規定している(法73条の21第1項及び第2項)。このような法の趣旨等に照らせば,法73条の21第1項により決定されるべき「不動産取得税の課税標準となるべき価格」は,固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格であるが,同条 2項により決定されるべき「不動産取得税の課税標準となるべき価格」は,固定資産税の課税標準である土地又は家屋の価格と同様に,正常な条件の下に成立する当該不動産の取得時におけるその取引価格,すなわち客観的な交換価値をいうと解される(最高裁昭和46年(行ツ)第9号同51年3月26日第二小法廷判決・裁判集民事117号309頁,平成16年判決参照)。 もっとも,前記のような法の趣旨等に照らせば,同項が,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産について,道府県知事は,評価基準によって当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとするとしている らせば,同項が,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産について,道府県知事は,評価基準によって当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとするとしているのは,固定資産税の課税標準である土地又は家屋の価格と同様に,全国一律の統一的な評価基準による評価によって道府 県全体の評価の均衡を図り,評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均 衡を解消するために,評価基準によって不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする趣旨であると解されるところ,このような同項の趣旨に鑑みれば,不動産取得税の課税においてこのような全国一律の統一的な評価基準に従って公平な評価を受ける利益は法において保護されるべきものということができるから,同項により決定されるべき不動産取得税の課税 標準となるべき価格は,評価基準によって決定されることを要するというべきである(平成25年判決参照)。 以上によれば,持分超過部分の有無は,不動産取得税の課税標準となる価格を基準として判断すべきものであり,その価格は,法73条の21第1項の場合には,固定資産課税台帳に登録された価格であり,同条2項の場合に は,評価基準によって決定される価格であると解するのが相当である。 ⑶ これに対して,原告は,持分超過部分の有無は不動産の価格(適正な時価)を基準として判断すべきであるとしつつ,①本件非課税規定が「第一款通則」に定められているのに対し,法73条の13が「第二款課税標準及び税率」に,法73条の21が「第三款賦課及び徴収」に定められているこ と,②本件非課税規定が「当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得」と規定し,「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部分の取得」と規定していないことを 賦課及び徴収」に定められているこ と,②本件非課税規定が「当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得」と規定し,「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部分の取得」と規定していないことを根拠として,本件非課税規定は,課税標準や税額を算出する前段階として不動産取得税を賦課するか否かに関する規定であり,課税標準又は賦課徴収に関する規定である法73条の13及び法73条の21は適 用されないから,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格は不動産取得税の課税標準となるべき価格ではなく,同条により決定される価格ではないと主張する。 しかしながら,①については,法は,73条の2第1項において,全ての不動産の移転を不動産取得税の課税対象とする旨規定した上で,73条の3 から73条の7までにおいて,不動産の移転のうち例外的に非課税とすべき 場合を規定しており,法は,このような条文配列に従って本件非課税規定を非課税とすべき場合を定める73条の7に規定したにすぎないと解されるのであって,本件非課税規定の適用が除外される持分超過部分の取得は原則どおり不動産取得税の課税対象となることからすれば,当該取得に関し法73条の13及び法73条の21の適用が排除されるとする理由はないというべ きである。また,②については,本件非課税規定は,本件非課税規定を適用しない取得を「当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得」と規定し,「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部分の取得」とは規定していないものの,法には本件非課税規定の「当該共有物に係る持分の割合を超える部分」(持分超過部分)の基準を定める規定がない以上,この点は解釈に委 ねられているというべきであって,本件非課税規定に「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部 有物に係る持分の割合を超える部分」(持分超過部分)の基準を定める規定がない以上,この点は解釈に委 ねられているというべきであって,本件非課税規定に「当該共有物に係る課税標準の割合を超える部分の取得」と規定されていないことから持分超過部分の有無を不動産取得税の課税標準となる価格とは異なる基準で判断すべきであるということはできない。 以上のことからすれば,原告の主張する①及び②をもって,本件非課税規 定に法73条の13及び法73条の21の適用がなく,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格が同条により決定される価格ではないということはできない。 したがって,原告の前記主張は採用することができない。 ⑷ また,原告は,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格を法7 3条の21により決定される価格であるとすると,同条2項の場合には評価基準によって決定される価格ということになるが,不動産の適正な時価は,評価基準によって決定される価格とは必ずしも一致しないから,持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格を同条により決定される価格とすることはできないと主張する。 確かに,法73条の21第2項は,固定資産課税台帳に固定資産の価格が 登録されていない不動産について,評価基準を不動産取得税の課税標準に係る適正な時価を算定するための1つの合理的な方法とするものであり,評価基準によって決定される価格が適正な時価と必ずしも一致するとはいえない(平成16年判決)。しかしながら,前記⑵で説示したとおり,同項は,全国一律の統一的な評価基準による評価によって道府県全体の評価の均衡を図 り,評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均衡を解消するために,評価基準によって不動産取得税の課税標準と り,同項は,全国一律の統一的な評価基準による評価によって道府県全体の評価の均衡を図 り,評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均衡を解消するために,評価基準によって不動産取得税の課税標準となるべき不動産の価格を決定するものとする趣旨であり,不動産取得税の課税においてこのような全国一律の統一的な評価基準に従って公平な評価を受ける利益は法において保護されるべきものと解されるところ,この利益は,その内容,性質等に照らすと,適 正な時価と一致するか否かの問題とは別にそれ自体が法において保護されるべきものということができる(平成25年判決参照)。そうすると,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産については,評価基準によって決定される価格が常に適正な時価と一致するわけではないとしても,不動産取得税の課税標準となる価格は評価基準によって決定されることを要 するというべきである(不動産取得税の課税標準となる価格が評価基準によって決定された場合において,評価基準によって決定された価格が適正な時価と一致しないときは,当該価格決定は違法となるが〔平成16年判決参照〕,評価基準によって決定された価格が適正な時価を超えているかという問題と不動産取得税の評価基準となる価格がいかなる方法により算定されるべきか の問題とは別個の問題である。)。以上のことからすれば,評価基準によって決定される価格が適正な時価と一致しないことをもって持分超過部分の有無の判断基準となる不動産の価格を法73条の21により決定される価格でないということはできない。 したがって,原告の前記主張は採用することができない。 2 争点2(本件各土地を一画地と認定することの適否) ⑴ 画地の認定について評価基準は,画地計 できない。 したがって,原告の前記主張は採用することができない。 2 争点2(本件各土地を一画地と認定することの適否) ⑴ 画地の認定について評価基準は,画地計算法を適用する場合において,一画地は,原則として,土地課税台帳等に登録された1筆の宅地によるものとし,ただし,1筆の宅地又は2筆以上の宅地において,その形状,利用状況等からみて,これを一体をなしていると認められる部分に区分し,又はこれらを合わせる必要があ る場合においては,その一体をなしている宅地ごとに一画地とする旨定めている(前記第2の1⑵ウ(イ))。これは,土地の価格が1筆ごとに土地課税台帳に登録されること,同一所有者に属する筆の分合はその利用状況に関係なく所有者の自由意思でできること,評価すべき固定資産の全てについて現実の利用状況により画地の認定をすることは事務的,技術的に困難であること 等に鑑み,原則として,土地課税台帳等に登録された1筆の宅地をもって一画地とすることとした上,その形状や現実の利用状況等によっては,前記の原則により画地認定したのでは客観的な交換価値を合理的に算定することができず,各筆の宅地の評価額に大きな不均衡を生ずる場合も考えられることから,その例外を設け,その形状,利用状況等からみて,これを一体をなし ていると認められる部分をもって一画地とすることとしたものと解される。 以上のような評価基準の趣旨に照らすと,評価基準が隣接する2筆以上の宅地を一画地とする場合として定める「その形状,利用状況等からみて,(中略)これらを合わせる必要がある場合」に該当するのは,その土地の形状,利用状況等に照らして,1筆の宅地を一画地とする原則を適用したのでは, 各筆の客観的な交換価値を合理的に算定することができず 略)これらを合わせる必要がある場合」に該当するのは,その土地の形状,利用状況等に照らして,1筆の宅地を一画地とする原則を適用したのでは, 各筆の客観的な交換価値を合理的に算定することができず,その評価額に大きな不均衡を生ずるため,その不均衡を解消する必要がある場合をいうものと解するのが相当である。そして,土地の客観的な交換価値とは,前記1⑵のとおり,正常な条件の下において成立する取引価格を意味することからすれば,前記のような場合に該当するか否かは,隣接する2筆以上の宅地がそ の具体的な形状,利用状況等に照らして通常一体として取引の対象となると みることが適切か否かという観点から,社会通念に照らして判断すべきである。 ⑵ 検討ア前記のような観点から本件各土地が一画地と認められるかについて検討すると,前記前提事実⑴イ,証拠(甲6,乙4,16)及び弁論の全趣旨 によれば,①本件各土地は隣接しており,本件各土地を物理的に区分する構造物等は存在せず,本件各土地全体が連続して舗装され駐車場として利用されていること,②本件各土地にはコインパーキング8台分及び月極駐車場51台分の駐車区画が設けられており,その一部は本件各土地の分筆線にまたがって存在していること,③本件土地1には本件土地2との境界 付近(本件各土地の中央部分)に本件各土地の照明となるように照明器具が設置されていること,④分筆前土地においても同様の利用状態が相当期間続いていたこと,⑤本件各土地と隣地との間に設置されているブロック塀ないしフェンスは本件各土地にまたがって設置されていることが認められる。これらの事実に照らすと,本件各土地はその全体が駐車場として一 体的に利用されていると認められ,しかも,そのような本件各土地の利用状態は一時的な 地にまたがって設置されていることが認められる。これらの事実に照らすと,本件各土地はその全体が駐車場として一 体的に利用されていると認められ,しかも,そのような本件各土地の利用状態は一時的なものではなく,相当長期間続くものであるということができる。 また,前記前提事実⑴及び弁論の全趣旨によれば,原告及びCは,兄弟であり,遺贈により分筆前土地の共有持分2分の1を取得した後,財産評 価通達を参考にして本件各土地の価格が同一となるように本件土地1と本件土地2との分筆線を定めて本件各土地を分筆したことが認められ,このことに前記アの本件各土地の利用状況を併せ考慮すると,本件各土地の分筆線は,価格を同じくする2筆の土地を作出するよう定められたものであって,本件各土地の現実の形状ないし利用状況に着目して定められたもの ではないということができる。 以上のような本件各土地の形状及び利用状況並びに本件各土地の分筆の経緯を総合すると,本件各土地は,社会通念に照らして通常一体のものとして取引の対象となるとみることが適切であり,本件各土地を別個に画地として認定し,評価したのでは,客観的な交換価値を合理的に算定することができず,本件各土地の評価額に大きな不均衡が生じ得るものと考えら れる。したがって,本件各土地を一画地と認定することは評価基準に適合するものであり適法というべきである。 イ以上に対して,原告は,①本件各土地が所有者を異にしていること,②本件土地1は利用状況等を容易に変更することができるものであること,③本件土地1は本件土地2に比して不整形であることに照らすと,本件各 土地を一画地と認定することはできないというべきであり,このことは,高松高裁判決に照らしても明らかであると主張する。 しかしながら,前 は本件土地2に比して不整形であることに照らすと,本件各 土地を一画地と認定することはできないというべきであり,このことは,高松高裁判決に照らしても明らかであると主張する。 しかしながら,前記アの本件各土地の利用状況等からすると,本件各土地の所有者が異なることをもって本件各土地が個別に取引対象となるとは考え難い。 また,前記アの本件各土地の利用状況等からすると,本件土地1の利用状況等を容易に変更することができるかは疑問である上,この点を措いても,本件土地1を駐車場以外の用途に利用することが本件土地1の有効利用となることを認めるに足りる客観的かつ的確な証拠はないことからすれば,前記アの本件各土地の利用状況等にかかわらず,本件土地1の利用状 況が容易に変更することができることをもって本件各土地が個別に取引対象となるとまでは認められない。 さらに,前記前提事実⑴イによれば,本件土地1が本件土地2に比してやや不整形であることは認められるものの,本件土地1が本件土地2に比して不整形な土地であれば,本件土地1を単独で利用するよりも本件土地 2と合わせて利用する方がその利用価値が高くなるとも考え得るから,本 件土地1が本件土地2に比してやや不整形であることをもって直ちに本件各土地が個別に取引対象となるとはいえない。 加えて,原告が引用する高松高裁判決(甲8)は,東西に並んで隣接する甲土地及び乙土地の所有者が,西側の甲土地とのみ隣接する丙土地の所有者から丙土地を賃借し,甲土地及び乙土地上の店舗等の駐車場として使 用していたという事案において,①丙土地の所有者は,丙土地を自ら駐車場用地として整備した上,これを甲土地及び乙土地に設けられた駐車場を拡張するものとして使用させているにとどまるものであり,その利用状 用していたという事案において,①丙土地の所有者は,丙土地を自ら駐車場用地として整備した上,これを甲土地及び乙土地に設けられた駐車場を拡張するものとして使用させているにとどまるものであり,その利用状況等を比較的容易に変更し得るものともいえること,②丙土地は甲土地のみと隣接するにすぎないこと,③丙土地は道路に接した724㎡の整形地で あって,更地としての最有効使用は共同宅地である旨の判定がされていることなどを考慮して,丙土地と甲土地及び乙土地を一画地と認定しなかったものである。これに対して,本件においては,(a)前記アの本件各土地の利用状況等からすると本件土地1の利用状況等を容易に変更することができるかは疑問であること,(b)本件土地1と本件土地2はその境界の全部が 接していること(前記前提事実⑴イ),(c)本件土地1を駐車場以外の用途に利用することが本件土地1の有効利用となることを認めるに足りる客観的かつ的確な証拠はないことなどの事情があり,これらの点において本件と高松高裁判決とは事案を異にするというべきである。 ウまた,原告は,例えば,角地である駐車場を角地であるA土地とこれに 隣接する角地でないB土地に分筆した場合において,両土地を各別に評価すればA土地の方が高額になるが,A土地とB土地を一画地として評価すればA土地とB土地の評価額が等しいということになり不合理であり,このことからすれば,本件各土地を一画地として評価することは相当でないというべきであると主張する。 しかしながら,前記⑴のとおり,2筆以上の土地を一画地と認定するの は,各筆を一画地としたのでは,各筆の客観的な交換価値を合理的に算定することができず,その評価額に大きな不均衡を生ずるため,その不均衡を解消する必要がある場合であっ を一画地と認定するの は,各筆を一画地としたのでは,各筆の客観的な交換価値を合理的に算定することができず,その評価額に大きな不均衡を生ずるため,その不均衡を解消する必要がある場合であって,そのような場合か否かは,社会通念に照らして,通常一体として取引の対象となるとみることが適切か否かという観点から判断されるというべきである。そうすると,A土地とB土地 が一画地と認定される場合は,両土地は1つの取引対象の構成部分にすぎないとみることができるのであるから,両土地が一画地全体の単価により均等に評価されることも不合理であるとはいえない。 したがって,原告の前記主張は採用することができない。 3 本件処分の適法性について 以上説示したところ及び弁論の全趣旨によれば,持分超過部分の有無は法73条の21により決定される価格を基準として判断すべきであり,評価基準の適用に当たっては本件各土地を一画地と評価すべきであって,これらを前提とすれば,本件取得に対する不動産取得税の課税標準及び税額は,別紙「本件処分の根拠及び適法性」に記載するとおりであると認められる。したがって,本 件処分は適法というべきである(なお,弁論の全趣旨によれば,本件処分は,前記第2の1⑶の取扱通知第5章第1の5の2⑵の定めに従い,本件土地1の共有物の分割による本件取得を分筆前土地の共有物の分割による取得に準じたものとしていることが認められるところ,前記の取扱通知の定める場合は,複数の共有地を合筆して1個の土地とすることも可能な場合であって,1筆の共 有地を分割する場合と異なるところはないから,前記の取扱通知の定める場合を1筆の共有地に準じて本件非課税規定を適用することは,本件非課税規定の趣旨に合致し,本件非課税規定の文言に反するものではなく 有地を分割する場合と異なるところはないから,前記の取扱通知の定める場合を1筆の共有地に準じて本件非課税規定を適用することは,本件非課税規定の趣旨に合致し,本件非課税規定の文言に反するものではなく,本件非課税規定の正しい解釈に合致するものであるということができる。したがって,本件処分における前記のような取扱いも適法である。)。 第4 結論 以上のとおり,原告の請求は,理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官三輪方大 裁判官角谷昌毅 裁判官稲岡奈桜は差し支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官三輪方大(別紙物件目録省略)(別紙図面省略) (別紙「本件処分の根拠及び適法性」省略)

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