- 1 -主文 被告は,原告Aに対し,金165万円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Bに対し,金83万円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Cに対し,金83万円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを15分し,その1を被告の負担とし,その余を原告らの負担とする。 この判決は,第1ないし第3項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 被告は,原告Aに対し,2517万0825円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Bに対し,1258万5413円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Cに対し,1258万5413円及びこれに対する平成19年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 事案の要旨,(「」本件は被告のW支店において旅行関連業務に従事していた亡D以下Dという)が,うつ病に罹患し,自殺したのは,被告の安全配慮義務違反又は。 不法行為(両者は選択的請求)によるものであると主張して,Dの妻である原告A並びに子である原告B及び同Cが,被告に対し,安全配慮義務の債務不履行又は不法行為(民法715条)による損害の賠償として,原告Aにつき25- 2 -17万0825円,原告B及び原告C(以下,両名を合わせて「原告子ら」ともいう)につき各1258万5413円並びにこれらに対する訴状送達の日。 )による損害の賠償として,原告Aにつき25- 2 -17万0825円,原告B及び原告C(以下,両名を合わせて「原告子ら」ともいう)につき各1258万5413円並びにこれらに対する訴状送達の日。 の翌日である平成19年8月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うことを求めた事案である。 前提事実(後掲各証拠及び弁論の全趣旨により認められる前提事実。証拠の記載がない事実は,当事者間に争いがない)。 (1)当事者等アD(昭和25年2月12日生)は,高校卒業後の昭和44年4月に被告に入社し,旅行部門で添乗業務等に従事した後,平成7年9月1日からE株式会社に出向してX空港事業所に勤務し,平成12年10月からは同社のY空港事業所に勤務し,平成13年12月からは,被告の子会社である株式会社Fに出向し,Y空港で勤務した。 Dは,平成16年4月1日からは,被告のX空港支店輸入混載課に配属され,同年10月1日からは,被告のW支店の営業推進グループに配属さ,,(,,れて平成18年11月5日当時は旅行関連業務入金確認予約受付宿泊等施設との折衝,宿泊施設・交通機関等の手配等)に従事していた。 イ原告Aは,Dの妻であり,原告子らは,Dの子である。 ウ被告は,貨物運送事業,航空運送代理店業,旅行業その他の事業を営む株式会社である。 (甲23の2,甲28,43,弁論の全趣旨)(2)DのC型肝炎の治療経過の概略アDは,平成4年6月2日の人間ドック受診時にC型肝炎抗体陽性と診断され,その後,通院治療を受けていた。 イDは,上記異動に伴い,平成16年5月12日にG病院に転院して同内科を受診したところ,インターフェロン治療のための入院をすることになり,同年6月8日に入院,同年7月8日に退院した。 - 3 - イDは,上記異動に伴い,平成16年5月12日にG病院に転院して同内科を受診したところ,インターフェロン治療のための入院をすることになり,同年6月8日に入院,同年7月8日に退院した。 - 3 -ウDは,退院後,H医院に通院を続け,平成17年3月8日まで週3回のインターフェロン治療を継続した。 (甲36,37,乙10)(3)不安・抑うつ状態ないしうつ病の発症(以下「本件発症」という)及。 びその後の経過アDは,入院中のG病院内科から紹介されて,平成16年7月5日に同病院神経科を受診し,I医師の診察を受けたところ,不安・抑うつ状態と診断された。 また,Dは,平成17年3月11日に同科を受診した際,うつ病と診断された。主治医であるI医師の見解によれば,Dの発症時期は,平成16年7月ころである。 (甲13,乙5)イDは,平成16年7月28日にJユニオンを訪れ,加入手続をした(甲3,43,44。 )ウDは,平成16年8月17日に復職した。 エDは,うつ病ないし抑うつ状態との診断で,平成17年3月18日にG病院神経科に入院し,同年4月25日に退院し,同年5月27日に復職した。 ただし被告に提出された同年3月11日付け診断書甲11以下本,(,「件診断書」という)には,診断名が「自律神経失調症」と記載されてい。 た。 (甲11,12,14,17,乙5)(4)Dの自殺D(死亡時56歳)は,平成18年11月5日(日曜日)午後3時ころ,自宅において自殺した。 (甲1,43)- 4 -(5)遺族厚生年金の支給原告Aは,平成18年12月28日ころ,厚生年金保険法による遺族厚生年金の支給決定を受け,同月を支給開始年月として,年額159万4100円を受給している。 (甲46) 争点及び争点に対する当事者の主張(1)本件発 2月28日ころ,厚生年金保険法による遺族厚生年金の支給決定を受け,同月を支給開始年月として,年額159万4100円を受給している。 (甲46) 争点及び争点に対する当事者の主張(1)本件発症前の被告の安全配慮義務違反(原告らの主張)ア出向に関する安全配慮義務違反と出向先社長の違法な退職強要等(ア)Dは,平成7年春ころからC型肝炎に罹患し,通院治療を受けていた。C型肝炎患者にとって,長時間労働や激しい肉体労働は禁忌であるにもかかわらず,被告は,転勤,出向命令に際して医師の意見の聴取等をせず,何らの配慮もしないで,DにE株式会社への出向を命じ,同社において,機内清掃作業や手荷物のハンドリング等の重労働に従事させた。 その後,Dは,E株式会社のY空港事業所に転任した際に,C型肝炎に罹患し,治療を要することを同社に申告したが,同社は,C型肝炎の増悪を防ぐ何らの配慮もしなかった。 さらに,被告は,DのC型肝炎罹患を十分知りながら,平成13年12月から平成16年3月までDを株式会社Fに出向させ,Y空港での手荷物のハンドリング等の身体的負荷の多い業務や不規則なシフト制勤務に従事させた。 被告は,これらの配転において,出向元として,Dの健康状態に応じた労働時間の短縮措置をとったり,肉体労働や深夜業務等身体に負荷の多い業務を避けるための措置・配慮をすべき義務に違反して,Dを肉体労働等身体的負荷の多い過酷な職場に配転させたものである。 - 5 -(イ)Dが平成12年10月に成田に赴任した頃,E株式会社の社長は,Dに対し「君は49歳だから,もう行くところがない。どこも雇って,くれない。君にはその危機感がない」などと,Dの人格を傷つけ,暗に退職を迫るような言辞を浴びせた。 被告は,出向元として,Dに対する安全配慮義務を負っており,このよ くところがない。どこも雇って,くれない。君にはその危機感がない」などと,Dの人格を傷つけ,暗に退職を迫るような言辞を浴びせた。 被告は,出向元として,Dに対する安全配慮義務を負っており,このような社長の下にDを出向させたことは,被告の安全配慮義務違反である。 イ違法な減給Dの年収は,平成8年には844万円であったが,平成15年には676万円,平成16年には656万円,平成17年には621万円と毎年減給された。特に,DがX空港支店に配属された平成16年4月には,基準,。 ,内賃金が5万0700円減額され資格別給も大幅に減額されたこれは降格を意味するものと見られる。 被告が個別労働者の同意を取ったことからすれば,被告は,就業規則の変更をせずに違法な賃下げをしたものと認められる。労働者にとって賃金が最も重要な労働条件であり,賃下げが労働者に致命的な不利益をもたらしうることからすれば,違法な賃下げが,労働者に対する使用者の安全配慮義務に違反することは明らかである。 ウインターフェロン治療のための入院に関する上司の不当な対応等(ア)Dは,平成16年6月8日からインターフェロン治療を受けるため入院したが,事前にこの申し出を受けたX空港支店長は,不快感を露わにした。 また,Dが,退院後の同年7月21日に出社してK課長及びL次長と面談したところ「入院は職場での理解を得られない」と繰り返し言わ,れ「また半年通院の必要があるなら,仕事にならない。会社に迷惑を,かけていると思うなら,この際,自分から身を引いたらどうや」など。 - 6 -と厳しい言葉を浴びせられた。また,L次長は,DをX空港支店に転勤させたことは適切でなかった旨の意見書を上層部に提出し,そのことをDに告げた。 (イ)被告は,労働者のメンタルヘルス面に配慮して,労働者が い言葉を浴びせられた。また,L次長は,DをX空港支店に転勤させたことは適切でなかった旨の意見書を上層部に提出し,そのことをDに告げた。 (イ)被告は,労働者のメンタルヘルス面に配慮して,労働者がいじめやパワーハラスメントを受けない労働環境を作るべく配慮する義務を負っているにもかかわらず,上記のとおり,上司らは,Dに対し,前職場での仕事に対するねぎらい,C型肝炎治療への見舞いや励ましの言葉もなく,労働者の精神状況,メンタルヘルスに対する配慮などもせずに,いきなり退職を強要する言辞を浴びせた。これが,安全配慮義務違反に当たることは明らかであり,Dの解雇に対する怖れを倍加させ,Dのうつ病罹患,自殺への最大の要因となったものである。 (被告の主張)ア出向に関する安全配慮義務違反と出向先社長の違法な退職強要等について(ア)被告は,遅くとも昭和52年5月24日の健康診断時には,Dに血清肝炎の疾病があることを認識し,以後,保健指導員による健康指導を継続しており,Dの状態を考慮の上,出向先での業務に従事可能と判断した。そして,出向先の業務がDにとって過度なものであり,時間短縮や業務内容の変更等の特別な対処が必要であったとはいえない。 ,,,現に出向期間中のDのカルテ等を見ても症状悪化の診断はないしDがインターフェロン治療のため入院する直前までテニスをしていたことなどからも,C型肝炎の悪化があったとは認められない。 また,この時点で,被告において,Dがうつ病に罹患したり,自殺することを予見することは不可能であった。 (イ)出向先社長の違法な退職強要について原告ら主張の出向先社長の発言は否認する。出向先社長には,Dを退- 7 -職させる権限等はないし,その発言内容もDの年齢が誤っているなど不自然である。また,同発言の文言自体を見ても, 強要について原告ら主張の出向先社長の発言は否認する。出向先社長には,Dを退- 7 -職させる権限等はないし,その発言内容もDの年齢が誤っているなど不自然である。また,同発言の文言自体を見ても,一生懸命働いてほしいという意図の発露と読み取れるものであり,退職を強要するものとはいえない。 そもそも,出向を命じた会社が,出向先会社の代表者において,労働者の人格を傷つけるような言動をするかどうかを事前に予見,考慮することは不可能であり,被告にそのような結果回避義務はない。また,被告には,出向社員の申し出がない場合にそのような事実の有無を調査,対処すべき義務があるとはいえない。 イ違法な減給について被告は,厳しい経営環境の中,平成10年8月から平成16年3月までに非組合員全員の基準内賃金の5%相当額の一律減額という措置を実施した。そして,平成16年4月1日から,非組合員の新たな賃金制度が導入されて,従来の減額措置は廃止され,一部が新たな賃金制度に織り込まれる形となった。 被告は,これらの措置及び賃金制度の適正な改訂手続をとり,事前に説,,明を行った上個々の非組合員労働者の同意を得ることとしたものであり強要による違法な賃下げをした事実はない。 また,以上のような改訂並びに異動(株式会社Fの清算による異動)に伴う都市特別手当及び職責手当その他手当の変更等によるDの賃金の変動を見ても,平成16年3月と異動後の同年4月との賃金を比較すると,手取額にして1360円の減額になったにすぎず,賃金が大きく減額された事実もないし,Dのみを対象にした恣意的な措置でもない。 ウインターフェロン治療のための入院に関する上司の不当な対応等について(ア)原告ら主張の入院希望時の上司らの対応について- 8 -原告ら主張の発言等,上司の対応は否認する。 上 置でもない。 ウインターフェロン治療のための入院に関する上司の不当な対応等について(ア)原告ら主張の入院希望時の上司らの対応について- 8 -原告ら主張の発言等,上司の対応は否認する。 上司としては,所属替え直後の入院希望であったため,Dに人事異動の不満があるのかどうか真意を確かめるなどの職務遂行上の必要から,なぜ旅行支店所属中に治療を受けなかったのか,今回の人事異動に不満があるのではないかなどをDに対して確認したものにすぎず,不法行為に当たるものではない。 また,当時のDの状況からも,Dがうつ病に罹患し,自殺に至ることを予見しうるものではなかったから,被告に安全配慮義務違反を生じることはない。 (イ)原告ら主張の復職面談時のやりとりについて退職勧奨それ自体は,直ちに違法となるものではない。そして,本件における発言は,上司の個人的な意見としてされたものであって退職勧奨ともいい難い上,発言状況もC型肝炎という重大疾病罹患に際して,退職して治療に専念するのも1つの方法であると述べたに過ぎないこと,被告が退職勧奨のために出頭命令を出したことがないこと,退職に関する発言時間はごく短く,1回の発言のみであることからすると,執拗に退職を勧めたものでもない。 したがって,以上の上司の発言は,許容される程度を超えた違法なものではない。また,当時,Dによる精神疾患についての申告,診断書等の提出,その他精神疾患の罹患をうかがわせる事情は認められなかったから,被告がDの自殺を予見しうる状態でもなかった。 (2)本件発症の時期及び被告の安全配慮義務違反との相当因果関係等(原告らの主張)ア本件発症の時期Dは,平成16年7月ころ,うつ病を発症したものである。 イ被告の安全配慮義務違反と本件発症との因果関係- 9 -C型肝炎に罹患して治療を要 の相当因果関係等(原告らの主張)ア本件発症の時期Dは,平成16年7月ころ,うつ病を発症したものである。 イ被告の安全配慮義務違反と本件発症との因果関係- 9 -C型肝炎に罹患して治療を要する状態にあり,解雇の恐怖にさらされていたDは,被告の前記安全配慮義務違反により,C型肝炎を増悪させると共に,解雇の恐怖を募らせ,上司らの冷酷な言動等に大きな衝撃を受けたものであり,このような恐怖や衝撃が,Dのうつ病罹患,ひいては自殺の原因となったことは,明らかである。 ウインターフェロンの副作用についてインターフェロン投与の副作用として抑うつ症状などの精神神経症状が出現する頻度は,多くても10%,うつ病が出現するのは1%以下とされている。したがって,Dがインターフェロンの投与を受けていたからといって,それが原因でうつ病に罹患したと見るのは非科学的,かつ短絡的であり,これを裏付ける証拠もない。 インターフェロンの副作用としての抑うつ症状が出現した場合,インターフェロンの薬理作用によるものか,患者の心理的,社会的,職業的要因によるものかを臨床的に区別することは困難であり,そのような要因を見逃すべきではないとされている。Dのうつ症状は,職業的要因によるものであり,他にこれといった要因は見当たらない。 また,インターフェロンの副作用によるうつ症状の出現は,必ずインターフェロンの投与中に出現し,投与を止めてから出現することはないし,うつ症状は,投与を止めれば消失もしくは軽快するものである。Dがインターフェロン投与を受けた時期は,平成16年6月10日から平成17年3月8日までであり,以後は投与を受けていない。本件発症は,平成16年7月ころであり,仮にインターフェロンの副作用により,重篤なうつ病が発症したのであれば,担当医師は,インターフェロンの投与 17年3月8日までであり,以後は投与を受けていない。本件発症は,平成16年7月ころであり,仮にインターフェロンの副作用により,重篤なうつ病が発症したのであれば,担当医師は,インターフェロンの投与を同月以降中止しているはずであるが,投与が続けられている。これは,Dのうつ症状が,発症時から治療終了まで,インターフェロンを中止しなければならないほど重篤ではなかったということである。 - 10 -Dの神経科入院は,インターフェロン投与終了後であり,終了後に入院を要するほどうつ病が増悪したということは,Dのうつ病がインターフェロンの副作用でないことを端的に示すものである。 (被告の主張)ア本件発症の時期本件発症時期は,Dが不安・抑うつ状態と診断された平成16年7月5日以前である。 イ被告の安全配慮義務違反と本件発症との因果関係前記(1)で原告らが主張する事由は,いずれも本件発症の原因とはいえない。 (ア)同事由のうちア(出向に関する安全配慮義務違反と出向先社長の違法な退職強要等)は,いずれも本件発症時期より相当前であり,本件発症に因果力を有していない。 (イ)同イ(違法な減給)は,そもそもDのみに特別な扱いがされたものではなく,全従業員を対象とする基準に従って,措置や,賃金制度の見直しが行われたものであり,手取額の減少も1360円と少額であるこ,。 となどを考慮すると本件発症の原因となるような心理的負担ではない(ウ)同ウ(インターフェロン治療のための入院に関する上司の不当な対応等)も,前記のとおり,Dの大きな心理的負荷となったとは考えられない。また,退院後の面談は,本件発症より後である。 ウ本件発症の原因は,インターフェロン投与等,被告における業務以外の事由にあること(他の要因の寄与)(ア)インターフェロンは,副作用とし られない。また,退院後の面談は,本件発症より後である。 ウ本件発症の原因は,インターフェロン投与等,被告における業務以外の事由にあること(他の要因の寄与)(ア)インターフェロンは,副作用として薬剤性精神障害を引き起こすこ。 ,,,,とが知られているその症状は不眠焦燥不安等の前駆症状がありこれに続いて抑うつ,無気力,自発性低下,興奮,多弁,幻覚,妄想等多彩な精神症状がみられるとされ,同症状は,投与開始後1ないし8週- 11 -の間に発症し,抑うつ気分は投与開始後4週後に明らかとなる例が多いとされ,前駆症状である睡眠障害が出現する場合には,投与開始2週以内に出現することがほとんどであるとされる。 Dは,インターフェロン投与開始1週目の平成16年6月17日に睡眠障害の症状が出始め,以後同症状が見られ,投与開始約4週後に抑うつ状態が発症しているが,これは,上記発症経緯に沿うものである。 (イ)Dは,インターフェロン治療開始時から,副作用につき不安を示していたところ,投与開始後早期から,腹部の腫れや痛み,インフルエンザと同様の症状,脱毛等の副作用の多くが継続的に生じている。 ,,,(ウ)またDは肝生検時の誤穿刺により黄疸等を発症したことにつき生検を受けたことへの後悔や医療への不信,後遺症の不安等を述べている。 (エ)加えて,平成16年12月11日に,Dと仲の良かった父親が逝去したことも,Dに大きな心理的負荷を与えたものといえる。 (オ)以上の事実からすれば,Dの本件発症は,インターフェロン投与の副作用及び同時期に発生した肝生検時の誤穿刺の後遺症等,被告における業務以外の事由による心理的負荷が非常に大きな原因となっているというべきである。 (3)本件発症後の被告の安全配慮義務違反(原告らの主張)ア神経科入 た肝生検時の誤穿刺の後遺症等,被告における業務以外の事由による心理的負荷が非常に大きな原因となっているというべきである。 (3)本件発症後の被告の安全配慮義務違反(原告らの主張)ア神経科入院中の面談要求Dは,上司の言動が原因でうつ病に罹患し,治療のため平成17年3月18日から同年4月25日までG病院神経科に入院したにもかかわらず,被告の総務担当者らは,Dとの直接の面談を要求した。 被告は,Dが,自律神経失調症の病名で,1か月の入院治療と退院後の1か月の休養,休務が必要とされて,神経科病棟に入院し,主治医が神経- 12 -科医師であることを知っていたのであるから,うつ病かそれに近いメンタル関連疾患であることはわかっていた。 解雇におびえていたことが明らかなDに対し,人事関係者が面会を求めることは,解雇の怖れやおびえを倍加させ,精神疾患の増悪をもたらすことが明らかであり,人事関係者が平然と面談を求めたことは,無神経,無配慮も甚だしく,Dに激しいショックを与える結果となった。 イ労組加入についての非難,糾問Dが労働組合に加入したところ,被告は,Dを激しく非難,糾問したため,Dは激しいショックを受けた。労働者が労働組合に加入することは,何ら非難されるべきでないことはいうまでもなく,これに対する不当な非難は,雇用主の安全配慮義務に違反するものである。 ウ社宅の退去通告(ア)被告は,平成17年9月末にDに対し,社宅からの退去を命じ,Dは同年12月に社宅から転居した。 (イ)うつ病で退院してから5か月余であるのに,被告がDに対して社宅退去を命じ,転居させたことは,環境の急激な変化をもたらすものであり,病者に対する安全配慮義務に違反することは明らかである。 エ残業の増加等(ア)C型肝炎の患者には,残業は禁忌とされていることから, を命じ,転居させたことは,環境の急激な変化をもたらすものであり,病者に対する安全配慮義務に違反することは明らかである。 エ残業の増加等(ア)C型肝炎の患者には,残業は禁忌とされていることから,平成16年10月1日にDがW支店に配属された際,保健指導員及び産業医は,Dに対する就業制限として,残業なしとすることを定めた。 ところが,Dは,同支店配属後,特に平成18年3月以降,残業が急増し,帰宅は午後8時か9時となり,月2ないし3回の土曜出勤もしており,就業制限は守られていなかった。そして,被告においては,タイムカード等による就業時間が管理されておらず,就業制限の遵守のチェックもされていなかった。 - 13 -(イ)被告は,DがC型肝炎で治療中であることを知悉しながら,Dに頻繁に残業させ,時間外手当も支払わなかったものであるから,これが安全配慮義務に違反することは明らかであるし,このことが,うつ病での入退院後十分な時間も経たず,精神的にも完全に安定していなかったDの健康に悪影響を与えたことも明らかである。 オイエローカードと題するメールによる威嚇,退職強要被告は,平成18年10月後半に,他の従業員のホテル手配書への記載ミスによるトラブルの責任をDに転嫁した上,Dの上司であるM課長は,Dに対し「イエローカード」と題するメール(以下「本件メール」とい,う)を2通,少なくとも1通送付した「イエローカード」は,一般的。 。 には退場の予告又は退場を迫る趣旨であると解される上,同メールには,「小職の場合2度目はありませんので」という,解雇の最後通牒の意味に,。 とれる文言や30万円という大金の賠償を求める文言が記載されていた仮にメールが1通のみであったとしても,M課長が,このような内容の本件メールをDに送ることは,解雇を最もおそれ,う 牒の意味に,。 とれる文言や30万円という大金の賠償を求める文言が記載されていた仮にメールが1通のみであったとしても,M課長が,このような内容の本件メールをDに送ることは,解雇を最もおそれ,うつ病に罹患していたDの精神面における健康保持に対する配慮を著しく欠いた仕打ちである。 以上によれば,本件メールの送信は,Dに対する威嚇ないし退職の強要であって,Dの精神面の健康保持に対する配慮を欠くものであり,安全配慮義務に違反することは明白である。 (被告の主張)ア神経科入院中の面談要求について当時,被告には,Dの症状を知る手段として,自律神経失調症と記載された本件診断書しかなく,うつ病であったとは認識していなかったから,うつ病を前提とする安全配慮義務を被告に要求することはできない。保健指導員が,突然入院した従業員に対し,本人との面談を実施しようとすることは,安全配慮義務の履行であり,不当な行為ではない。 - 14 -また,保健指導員は,原告Aとの間で面談の話をしたものである。当時のDの状況を把握していた原告Aが,面談を断らず,Dに伝えたのであれば,それは,Dに伝えても問題ないと原告らが判断した結果行ったことであるから,保健指導員に責任が転嫁されるべきものではない。 イ労組加入についての非難,糾問について被告は,DのJユニオン加入について事実を確認したにすぎず,Dを非難・糾問した事実はない。 組合員と非組合員とでは,労働条件の変更等の場面で会社の採るべき手続が異なる場合もあるため,労働組合加入通知があれば,本人に加入の事実の有無を確認することは,むしろ当然のことである。 ウ社宅退去通告について被告は,借り上げ社宅の事業整理で社宅の賃貸借契約を更新できなかったため,Dに対して社宅の転居を求めたものであり,やむを得ないものであったし, は,むしろ当然のことである。 ウ社宅退去通告について被告は,借り上げ社宅の事業整理で社宅の賃貸借契約を更新できなかったため,Dに対して社宅の転居を求めたものであり,やむを得ないものであったし,3か月前にはその旨説明して転居を求めた。 また,被告は,犬を飼える社宅を探してほしいという原告Aからの要望に応えて,当初用意していたマンションとは別の社宅を用意するなど十分な配慮も行った。 以上によれば,被告は,安全配慮義務を尽くしたものである。 エ残業の増加等について,,平成18年3月以降Dの残業及び休日出勤が増えたという事実はなくしたがって,残業代不払の事実もない。 オ本件メールによる威嚇,退職強要について(ア)W支店において発生したホテル手配に関するミスは,係員のNが手配書に曖昧な記載をしたことと,手配内容を再確認するよう促されていたにもかかわらず,確認を怠ったDの不注意とによるものであった。そのため,W支店西日本仕入手配センター課長であったM課長は,N及び- 15 -Dに対し,注意を喚起するため,両名を宛先とする本件メールを1通送った。 (イ)M課長は,その役職に基づく業務として,従業員の不注意に対する注意喚起を行ったものであり,何ら違法な行為ではない。また,本件メールの内容も,注意喚起の趣旨を逸脱するものではなく,退職を迫る内容でもない。 (4)被告の安全配慮義務違反とDの死亡との相当因果関係(原告らの主張)ア安全配慮義務違反前記(3)(原告らの主張)アないしオ記載の被告の行為が安全配慮義務違反に当たることは,前述のとおりである。これに対し,被告は,超過勤務禁止やリハビリ就労のための早退をさせた旨主張するが,被告は,Dに対して残業代も支払わずにいたのであるから,残業をさせないことは当然であるし,リハビリ就労のた りである。これに対し,被告は,超過勤務禁止やリハビリ就労のための早退をさせた旨主張するが,被告は,Dに対して残業代も支払わずにいたのであるから,残業をさせないことは当然であるし,リハビリ就労のための早退は僅かに3日程度であり,安全配慮義務の履行に当たらない。 イ相当因果関係(),前記(3)原告らの主張アないしオ記載の被告の安全配慮義務違反は前記(1)(原告らの主張)アないしウ記載の被告の安全配慮義務違反によりうつ病を発症していたDの健康に悪影響を与え,更に本件メールを送付するなどしたことがDの自殺の直接の引き金となった。したがって,Dの自殺は,被告の安全配慮義務違反と相当因果関係がある。 (被告の主張)ア被告の安全配慮義務についてDの主治医は,平成17年5月のDの復職時,特段の対処は不要との意見であったが,被告は,産業医の意見も踏まえ,1か月の超過勤務禁止とするとともに,Dの申し出により,復職後1週間は午後3時までのリハビ- 16 -リ就労と決定し,その旨実行した。以後もDに対しては,定期的に保健指導員による面談及び適宜の健康指導が行われたが,Dに精神的に不安定な状況はみられなかった。また,原告A自身,平成18年11月5日の時点では,Dの自殺を予測できなかった旨述べている。 これらによれば,被告に対し,Dの自殺を予見し,防止のため特別な配慮をすべき義務を課すことは,被告に過度の負担を強いるものである。 イ相当因果関係についてDは,平成17年4月4日の段階で既にうつ状態が軽快し,立ちくらみ等の自律神経症状が実際の問題である旨診断され,同年5月24日には,就労は特に問題なく可能であると診断され,保健指導員は,Dの復職時,主治医から,特段の対処は不要で,普通に接するよう指導を受けていたこと,同年6月7日の診察時,Dが 旨診断され,同年5月24日には,就労は特に問題なく可能であると診断され,保健指導員は,Dの復職時,主治医から,特段の対処は不要で,普通に接するよう指導を受けていたこと,同年6月7日の診察時,Dが,医師に対し,精神的に問題ないと回答していたことからすれば,Dの精神疾患は寛解していた。 したがって,同日以前にDに生じていた抑うつ状態とその後の自殺との因果関係は認められない。 (5)Dの損害(原告らの主張)ア逸失利益2234万1651円(ア)60歳に達するまで(定年まで)の逸失利益Dは,死亡時56歳9か月であり,定年までの年数は3年(対応するライプニッツ係数2.7232)を下回らないから,死亡時の年収である621万3699円を基礎収入として,生活費控除率を30パーセントとして計算すると,上記期間の逸失利益は,1184万4801円となる。 (計算式)6,213,699円×(1-0.3)×2.7232=11,844,801円(イ)定年後67歳までの逸失利益- 17 -Dの定年後の年収を300万円として,生活費控除率を30パーセントとし,死亡時から67歳までの10年間に対応するライプニッツ係数(7.7217)及び死亡時から60歳までの3年間に対応する同係数(2.7232)を用いて計算すると,上記期間の逸失利益は,1049万6850円となる。 (計算式)3,000,000円×(1-0.3)×(7.7217-2.7232)=10,496,850円イ慰謝料2800万円ウア及びイの合計額は,5034万1651円となる。 エDの死亡により,法定相続分に従い,原告Aは2分の1,原告子らは各4分の1の割合でDを相続した。 したがって,Dの上記損害のうち,原告Aは2517万0825円,原告子らは各1258万5413円を相続した。 (被告 ,法定相続分に従い,原告Aは2分の1,原告子らは各4分の1の割合でDを相続した。 したがって,Dの上記損害のうち,原告Aは2517万0825円,原告子らは各1258万5413円を相続した。 (被告の主張)争う。 (6)損害のてん補(被告の主張)ア原告Aは,Dの死亡により遺族厚生年金を受給しており,本件口頭弁論終結時までに少なくとも464万9458円を受領している。これは,Dの死亡による逸失利益と同質性を有する給付であるから,遺族厚生年金受給額は,逸失利益から控除されるべきである。 イまた,原告Aは,本件口頭弁論終結時点で59歳であり,その平均余命にかんがみれば,26年間に相当する基本年金額及び65歳までの6年間加算される中高齢の加算額を受領する蓋然性が高い。したがって,当事者間の公平の見地から,原告Aが将来受給する蓋然性が認められる額も控除すべきである。 具体的には,基本年金分の年額99万9900円につき,26年間に対- 18 -応するライプニッツ係数14.375を乗じた1437万3562円と,加算額部分につき,年額59万4200円に65歳までの6年間に対応するライプニッツ係数1.913(59歳時のライプニッツ係数14.375-65歳時のライプニッツ係数12.462)を乗じた113万6704円との合計1551万0266円も損害額から控除すべきである。 (原告らの主張)争う。 第3争点に対する判断 Dの業務等及び疾患等に関して認められる事実,(,,前記第2の2の前提事実後掲各証拠ただし以下の認定に反する部分はその余の関係各証拠に照らし,採用できない)及び弁論の全趣旨によれば,。 Dの業務等及び症状等に関し,次の各事実が認められる。 (1)平成16年3月までのDの勤務及び健康状態等アDの配転等D(昭和2 の関係各証拠に照らし,採用できない)及び弁論の全趣旨によれば,。 Dの業務等及び症状等に関し,次の各事実が認められる。 (1)平成16年3月までのDの勤務及び健康状態等アDの配転等D(昭和25年2月12日生)は,高校卒業後の昭和44年4月に被告に入社し,旅行部門で添乗業務等に従事した後,平成7年9月からE株式会社に出向してX空港事業所に勤務し,平成12年10月からはY空港事業所に勤務して,航空機の清掃作業要員の配置や要員確保,指導業務,作業員不足時の機内清掃業務等に従事した。 続いて,Dは,平成13年12月から平成16年3月まで株式会社Fに出向し,Y空港において,手荷物のハンドリング(コンテナーからコンベアベルトに手荷物を下ろす作業,機内販売用のつり銭引渡し,売上金回)収等の業務に従事した。Dの株式会社Fにおける勤務態勢は,時間帯をずらした4種類の早番・遅番のシフト勤務で,4日勤1休日というものであった。 イDのC型肝炎の罹患,治療状況等- 19 -(ア)Dは,高校1年生のときに受けた虫垂炎手術後,血清肝炎を発症して約6か月入院加療し,軽快退院したが,完治しなかった。被告が昭和52年5月24日に実施した定期健康診断記録上,Dに血清肝炎が認められる旨の記載がある。また,昭和61年6月9日の人間ドック受診時には,血小板減少及び対糖能異常が指摘されている。 (イ)平成4年からC型肝炎抗体検査(以下「HCV検査」という)が。 人間ドックの検査項目になったところ,Dは,同年6月2日の人間ドック受診時に陽性と診断され,被告の保健指導員の指導を受けるようになった。 (ウ)Dは,平成9年2月25日ころ主治医からインターフェロン治療を勧められたが,業務を考慮して1か月の入院を決断できず,治療を受けなかった。Dは,平成10年7月20日 導を受けるようになった。 (ウ)Dは,平成9年2月25日ころ主治医からインターフェロン治療を勧められたが,業務を考慮して1か月の入院を決断できず,治療を受けなかった。Dは,平成10年7月20日ころから,C型慢性肝炎の治療として,内服・週2回の静脈注射(強力ミノファーゲン)を受けるようになり,以後定期的に通院していた。 (エ)Dは,Y空港に転勤した平成12年10月からは,Oクリニックに通院して,C型慢性肝炎につき同様の治療を受け,また,不眠につきレンドルミン(睡眠導入剤)の投与を受けた。Dは,治療期間中に2度ほどインターフェロン治療を提案されたが,同治療を受けず,平成13年11月14日にはインターフェロンを使用したくない旨述べている。D,,。 は通院期間中おおむね状態が一定し大きな変化は指摘されていない(甲28ないし30,乙4,10,弁論の全趣旨)(2)Dの賃金等ア被告は,平成10年8月から平成16年3月まで,非組合員全員の基準内賃金を5パーセント減額するという一部減額措置を行った。また,被告は,平成16年4月には,非組合員の賃金制度の一律改訂を行い,資格給を一律増額するが,資格別給は資格ごとに一定額を減額し,職責手当を等- 20 -級ごとに一定額増額するなどの改訂を行った。Dは,これらの措置及び制度の改訂に同意した。 イDの平成8年分の給与金額は844万3560円であったが,平成15年分は676万5360円,平成16年分は656万9180円,平成17年分は621万3699円であった。 Dが被告のX空港支店に配転された平成16年4月分の給与は,株式会社F出向時の同年3月分と比較すると,基準内賃金額が5万0700円の減額となっているが,基準外賃金が増額となったため,支給総額としては1360円の減額となっている。なお, 6年4月分の給与は,株式会社F出向時の同年3月分と比較すると,基準内賃金額が5万0700円の減額となっているが,基準外賃金が増額となったため,支給総額としては1360円の減額となっている。なお,Dが同時期に降格されたことを認めるべき証拠はない。 (甲18の1ないし4,甲19の1・2,乙1,2,弁論の全趣旨)(3)平成16年4月以降のDの勤務及び治療状況等アX空港支店への異動(ア)Dは,株式会社Fの清算に伴い,平成16年4月1日から,被告のX空港支店輸入混載課に配転されたDは上記異動の内示を受けた同。 ,(年3月23日)後,このことに関し「内容を考えると怒りと無念さ,,自分のふがいなさに矢も楯もいられないの心境になり,毎夜よく眠れない(中略)ストレスで体調がみだれているのを感じる」旨,心境等。 。 をノート(甲4:25頁)に記載している。 (イ)Dの異動は,被告が,X空港支店において展開しようとしていた新サービスのため,トーイングトラクター免許を有する人員の配置を必要としたところ,Dが同免許を有していたことから決定されたものであった。しかしながら,Dは,牽引車を実際に運転した経験はなかった。 (ウ)Dは,配転後にその旨を上司に申告するとともに,C型慢性肝炎に罹患しており,後記のとおり入院予定があることを申告した。Dの疾病や治療状況等について,株式会社FからX空港支店への引継ぎはなく,- 21 -被告のX空港支店における当時の衛生管理担当の次長であったL次長,,。 はDからの申告により初めてC型慢性肝炎の罹患の事実等を知った(エ)L次長ら同支店の担当者は,保健指導員に問合わせをした上,平成16年5月中旬にDとの面談をするなどした。Dの業務は,当初予定されたものではなく,上屋での貨物の入出庫時のダメージチェック, た(エ)L次長ら同支店の担当者は,保健指導員に問合わせをした上,平成16年5月中旬にDとの面談をするなどした。Dの業務は,当初予定されたものではなく,上屋での貨物の入出庫時のダメージチェック,データ入力業務,貨物の仕分作業の補助等とされた。 (オ)L次長は,上部組織に対し,DのC型慢性肝炎を重大疾病の発生として報告するとともに,DはX空港支店が求めていた業務を行うことができないことを上申して,Dにつき業務の軽減を含めた職場の配置転換等を依頼する意見書を提出した。 (甲3,4,28,証人L)イインターフェロン治療のための入院(ア)Dは,平成16年5月12日にG病院内科を受診したところ,インターフェロン治療のため入院することを勧められた。 (イ)Dは,同年6月8日から同年7月8日まで入院し,同年6月10日からインターフェロン投与が開始された。ところが,同月9日の肝生検時の穿刺により胆道管出血を生じ,胆のう内にコアグラ(血腫)を生じて疝痛発作,胆のう炎を合併し,黄疸を生じるなどしたため,同月15日には,いったんインターフェロン投与が中止されたが,症状の緩和により同月22日から投与が再開された。 ,,(ウ)Dは入院前からインターフェロンの副作用に不安感を持っており,。 同年6月10日の投与開始日には看護師に対しても不安を伝えていたDは,投与開始後,腰等の関節痛,熱発,頭痛を訴えるなどし,その後も頭重感や熱発傾向等が続いた。インターフェロンの副作用症状と考えられる腹部の圧迫感,関節痛,筋肉痛等は,投与再開後も持続した。 (エ)Dは,前記のとおり元々不眠傾向があり,レンドルミンを処方され- 22 -ていたが,入院中,同月12日ころには不眠を訴え,同月21日ころ以降は不眠の訴えが続いていた。 Dは,家族からみても,入院から半 ,前記のとおり元々不眠傾向があり,レンドルミンを処方され- 22 -ていたが,入院中,同月12日ころには不眠を訴え,同月21日ころ以降は不眠の訴えが続いていた。 Dは,家族からみても,入院から半月ほど経過したころから,インターフェロンの通院治療をしながら仕事ができるかを考えると不安で,夜眠れないと訴えるなど不安定な状態が見られた。 (オ)また,Dは,肝生検時の胆道管出血による胆のう炎等につき,誤穿刺の医療ミスを疑い,肝生検に対する不満や医療への不信を強くして,医師に対してもその旨を述べていた。 (甲7,9,36,44,原告C本人,原告A本人)ウ神経科受診Dは,平成16年7月2日に外泊予定であったが,体調不良のため帰院し,不安による不眠や腹部のはり感など不調を訴え,元気がない様子が続,。 ,,き退院や体調不良についての不安を繰り返し述べたDは同月5日に内科医師の指示に従ってG病院神経科を受診したところ,不安・抑うつ混合状態と診断され,抗不安薬及び抗うつ剤を処方された。その際,Dは,自己の性格を,細かい事に考え込むタイプであると申告した。 Dは,以後,G病院神経科にも通院するようになった。 (甲36,乙5)エ退院後のインターフェロン治療の継続等Dは,平成16年7月8日にG病院を退院したが,同月7日からH医院に通院し,週3回のインターフェロン治療を継続した。 ,,同月21日付けで実施された血液検査の結果担当医師であるP医師はDにつき,就労についての問題はないと判断した(甲16。 )その後,同年12月24日に,H医院のQ医師は,診断書に「インターフェロン療法をおこなっておりますので,勤務時間帯変更等の配慮をお願いします」と指示している(甲10)が,その他に主治医がDの就労に。 - 23 -関する指示を行った事実は認めら 断書に「インターフェロン療法をおこなっておりますので,勤務時間帯変更等の配慮をお願いします」と指示している(甲10)が,その他に主治医がDの就労に。 - 23 -関する指示を行った事実は認められない。 (甲10,16,37)オL次長らとの面談(ア)Dは,少しでも早い職場復帰を希望し,平成16年7月21日に会社を訪れ,L次長,Dの上司であるR次長及び直接の所属長であるS課長と面談した。 (イ)Dは入院前の平成16年5月中旬ころの面談でL次長らからな,,「ぜ疾患を抱えたまま転勤し,直後に入院するのか。人事異動に不満があるのではないか。ほとんど全員Dのことを知らないのに,職場で理解が得られない」旨言われ,退院後の面談でも,再度同旨の発言が繰り返された。 また,Dが,更に半年程度インターフェロン治療のための通院が必要であることを伝えたところ,L次長からは「治療に専念した方がよい,のでないか,これからの長期に及ぶ治療等のため,会社に迷惑をかけていると思うなら,自分から身を引いたらどうか」という趣旨の発言が。 あった。L次長は,同年5月中旬の面談の後に上部組織に対し,Dは予定していた業務ができないので,異動を求めることなどの報告をしたこともDに話した。 (ウ)L次長らは,Dに対し,復職に関しては,保健指導員等と相談の上検討するので,連絡があるまで自宅療養するよう指示した。 (エ)Dは,これらの対応に不満,不安感を抱き,退職せざるを得なくなるという不安を強め,非常に落ち込んだ様子で帰宅し「もう解雇され,る「もう生活できない」などと家族に話した。 。」。 (甲2,43,44,乙20,証人L,原告C本人,原告A本人)カJユニオンへの加入Dは,自宅待機が続く場合の給与面の扱いや待遇等に不安を強め,平成- 24 -16年 と家族に話した。 。」。 (甲2,43,44,乙20,証人L,原告C本人,原告A本人)カJユニオンへの加入Dは,自宅待機が続く場合の給与面の扱いや待遇等に不安を強め,平成- 24 -16年7月28日にJユニオンに加入した。もっとも,Dは,加入通知を被告に送ったり団体交渉を申し入れたりすることには消極的であった。 (甲2,3,20,43,44,原告C本人,原告A本人),(4)Dの復職後の勤務状況及び治療の経過等アDは,平成16年8月17日に復職した。 Dの復職後,被告は,インターフェロン治療の副作用を考慮し,長距離通勤を避ける趣旨でDを国際貨物販売管理課(Z港)勤務とし,請求書発行,仕分け,コピー等のデスクワークを担当させた。 イDは,平成16年10月1日付けで,被告のW支店に配転され,同支店営業推進グループにおいて,旅行関連業務(入金確認,予約受付,宿泊等施設との折衝,宿泊施設・交通機関等の手配等)に従事した。 ウDは,同日にW支店担当の保健指導員のTと面談した。その結果,γ-GTP,総ピリルビン酸以外の肝機能値は正常であるが,貧血により階段を昇ると息切れが強いこと,食欲不振・脱毛といったインターフェロンの副作用があることなどが確認された。ただし,Dは,うつ病その他精神疾患については申告しなかった。 上記面談結果と産業医の意見に基づき,被告では,Dの業務軽減措置として,インターフェロン治療が予定されている3か月間につき,①添乗・出張の禁止,②外出を主とする業務の禁止,③残業なしとすること,④インターフェロン投与日である月,水及び金曜日の就業時間を午後5時までとすることが決定された。 (甲28,43,乙6,10,19,証人T,原告A本人。 )(5)うつ病の診断及び入院,,アDは前記のとおり通院によるインターフェロ 金曜日の就業時間を午後5時までとすることが決定された。 (甲28,43,乙6,10,19,証人T,原告A本人。 )(5)うつ病の診断及び入院,,アDは前記のとおり通院によるインターフェロン治療を継続したところウイルスの減少が認められ,平成17年3月8日にはインターフェロン治療が一応終了とされた。ただし,同日のH医院のカルテには「うつ状態,- 25 -でG神経科へいっている。パキシルのんでいる。→インターフェロンの注射は一応終了とする」と記載されている(甲37:53頁。 。 )イDは,平成17年2月,又は3月初旬ころから,自宅で朝激しく貧乏揺すりをして動き回ったり,会社に行きたくない,死にたいなどというようになった。 原告Cは,同年3月11日にDに同行して,DをG病院神経科に受診させた。Dは,その際,最近特に不安が強くて仕事に行けなかった,動悸も自覚する,最近死にたいと思うようになった,体も疲れやすい,一番の不安は仕事のこと,毎朝つらい,夕方ましになる等と訴えた。Dは,主治医であるI医師により,うつ病ないしうつ状態と診断され,入院を勧められたが,うつ病で入院すると被告における立場が悪くなるなどと言って,入院を拒否した。そこで,I医師は,被告に提出する同日付けの本件診断書には,うつ病との診断名を記載せず,自律神経失調症と記載した。 ウDは,うつ病ないし抑うつ状態との診断で,平成17年3月18日から同年4月25日まで,G病院神経科に入院した。 同科カルテによれば,入院時現症の記載として,Dは元来心配性であっ()。 ,,,たという旨の記載がある乙6:5頁入院当日DはI医師に対し朝5時ころに目が覚めてそれから不安が強まって眠れず,呼吸が速くなって胸が痛くなるなどの症状を訴え,原告Aは,Dが何を悩んでいるのか, という旨の記載がある乙6:5頁入院当日DはI医師に対し朝5時ころに目が覚めてそれから不安が強まって眠れず,呼吸が速くなって胸が痛くなるなどの症状を訴え,原告Aは,Dが何を悩んでいるのか,不安がっているのかわからない旨説明した。 (甲11,17,37,43,44,乙5,6,原告C本人,原告A本人)(6)Tの面談希望等本件診断書を受領した保健指導員のTは,平成17年3月15日にD宅に。 ,,電話をして状況を尋ねたDは不安感が強くなり動悸がしたり頭痛がする身体がしんどいなどの状況を説明し,また,原告AもDの状態や入院の予定があることなどを話したが,うつ病と診断されたことや,医師から病状をど- 26 -う説明されたかなどは話さなかった。Tは,同月18日に再度状況を確認するため,D宅に電話をしたが不在であり,留守番電話を聞いた原告AがTに。 ,,連絡をとったTは状況を確認するための面談をしたいと考えていたため原告Aとの間で,Dとの面談について話をしたが,後日,原告A及びI医師,,。 から治療に専念させたいとの理由でDとの面談を断る旨の連絡があった(甲11,乙6,19,証人T,原告A本人)(7)退院後,復職までの被告担当者とDの面談等アDは,平成17年3月22日に歩行時にふらついた後,意識消失発作を起こして倒れているところを看護師に発見され,同月23日にも検査に向かう途中で意識消失ないし脱力発作のような症状があったが,気分は少し。 ,,,回復傾向がみられた原告Aは同日の発作様の症状の後看護師に対しDは,以前の入院で肝生検時誤穿刺があったことが不安となって現れているのではないかと話した。 イDは,入院後早期に落ち着き,不安が少なくなっていった。I医師は,平成17年4月4日には,Dに対し,同人の自律神経失 院で肝生検時誤穿刺があったことが不安となって現れているのではないかと話した。 イDは,入院後早期に落ち着き,不安が少なくなっていった。I医師は,平成17年4月4日には,Dに対し,同人の自律神経失調症の根本はうつ状態が原因であるが,今は,うつ状態は軽快しており,立ちくらみ等の自律神経症状が実際の問題であることなどを説明した。Dは,同月25日に退院した。 ウDは,平成17年4月28日にTに電話で退院を知らせた。Tは,主治医との面談を申し入れ,同年5月10日にD及びI医師と面談した。I医師は,Dのうつ病について説明せず,就業上特に配慮をする必要はない旨を述べ,Tが,就業時間を制限する必要性を尋ねたのに対し,本人との相談で決めるよう述べた。 I医師は,同年5月24日付け診断書(甲14)において,Dは自律神経失調症で加療中であるが,就労は,特に問題なく可能であることを診断する旨記載している。 - 27 -エ平成17年5月16日付けでJユニオン作成によるDの加入通知書甲,(20)が被告に提出された。 オ産業医,U次長及びTは,平成17年5月26日にDとの面談を行い,その結果を踏まえ,産業医の意見に基づき1か月間の超過勤務の禁止とするとともに,Dの希望により,復職後1週間は午後3時までの時間短縮措置をとることが決定された。 また,同日の面談において,U次長が,Dに対し,上記組合加入を確認した。 (甲5,14,20,乙8,19,証人T)(8)Dの復職後の勤務状況等アDは,平成17年5月27日に復職し,W支店において,宿泊・交通機関等手配業務「○○宿泊券」と称する宿泊プランのコールセンター業務,(入金確認,予約受付等)に従事した。コールセンター業務は,土曜日の割当出勤を含むものであるが,その場合,平日に休暇をとることができるよう 務「○○宿泊券」と称する宿泊プランのコールセンター業務,(入金確認,予約受付等)に従事した。コールセンター業務は,土曜日の割当出勤を含むものであるが,その場合,平日に休暇をとることができるようになっていた。もっとも,Dの平成18年3月から同年11月4日までの勤務日をみると,土曜日出勤の直後に休暇取得がされていない場合もあったことがうかがわれる。 Dは,復職後しばらくは残業をしていなかったが,次第に午後7時ないし7時半ころまで残業をするようになった。被告においては,当時タイムカードによる就業時間管理は行われていなかったが,Dが記載していた出勤簿によれば,午後7時まで(当時の終業時刻は午後6時)の残業は,平成18年4月には4日,同年5月には3日ある。 イTは,Dの復職後,Dと面談し,健康状態,内服状況,残業時間等を口頭で確認した。Tは,平成17年6月9日ころにDと面談した際には,同人が同月6日から定時勤務を始めたが,残業はしていないことを口頭で確。 ,,,認したTは更に約3か月後ころにDを呼び出して面談しそれ以後は- 28 -定期的に会う機会に様子を聞いていた。 Tは,平成18年9月6日に最後にDと会ったが,その時には,朝起きるのがしんどい,残業については午後7時ないし7時半までには帰っている,という趣旨の発言があった。Tは,Dの症状は睡眠導入剤の副作用によるものであると考えた。 (甲43,乙8,19,21,23,証人T,原告A本人)(9)平成17年から18年にかけてのDの健康状態及び環境等の変化アDは,平成17年5月27日の復職後は,入院前に比べ,体調や精神状態は改善し,原告Aからみても,平成18年10月末まで,多少変動はあるものの,徐々に快方に向かっている状態であった。 また,H医院における治療経過をみても,Dは,平 職後は,入院前に比べ,体調や精神状態は改善し,原告Aからみても,平成18年10月末まで,多少変動はあるものの,徐々に快方に向かっている状態であった。 また,H医院における治療経過をみても,Dは,平成18年5月20日まで月一,二度程度の通院をしており,不眠等の記載はあるが,全身状態には大きな変化はない。 ,,,イ一方Dは平成17年4月時点で陰性となっていたHCV検査結果が(),H医院の同年6月11日実施の検査では基準値を超え甲37:61頁G病院内科の同年8月2日の検査で陽性と判断された(乙5:18頁。 )G病院内科の主治医であるP医師は,再度のインターフェロン治療を考えるか,しばらく様子を見るかを検討することとし,同年10月25日の診察日に再度Dに話をする前提として,同年9月27日にI医師に対し,再治療が可能かどうかの意見を尋ねる診療依頼を行った。I医師は,同年10月25日にDについて「本人現在のところ気分は落ちついているよ,,(),うですがIFNインターフェロンの副作用のうつに対して不安強く少し様子を見たいとおっしゃっています」として,更に落ち着きを見せ。 るか,フォローしてから検討することで良いと思う旨の回答をした(乙5:18頁。P医師は,H医院に対し,同年10月25日付けの診療情報)提供書(甲37:67頁)において「また神経科(I医師)の方が十分,- 29 -に落ちついた状況とはいえず,御本人も今すぐの再治療は少し考えたくないとのことであり,私もそんな感覚をもちました」などと連絡した。当。 時,Dは,原告Aに対しても,もうインターフェロン治療は受けたくない旨述べていた。 ウDは,被告の社宅(いわゆる借り上げ社宅)に居住していたが,平成17年8月31日ころ,同所が都市開発地域に当たるなどとして,貸主 に対しても,もうインターフェロン治療は受けたくない旨述べていた。 ウDは,被告の社宅(いわゆる借り上げ社宅)に居住していたが,平成17年8月31日ころ,同所が都市開発地域に当たるなどとして,貸主が被告に対し賃貸借契約を更新しない旨申し出たことから,被告は,同年9月末ころ,Dに対し,他のマンションを社宅として用意し,転居することを求めた。ところが,D及びその家族は,従来の社宅で犬を飼っており,引き続き犬を飼える一軒家又はいわゆる二戸一住宅を希望した。 被告は,予算的に無理と回答して,犬の飼育可能なマンションを新たに社宅として用意し,Dは,同年12月10日に新社宅に転居した。 (甲37,43,乙5,24,原告A本人,弁論の全趣旨)(10)宿泊手配ミス及びM課長からの本件メールの送付アW支店では,営業推進センター課長であったM課長が,平成18年10月1日から同支店西日本仕入手配センター課長を兼務するようになり,Dの業務上の上司となった。 イそのころ,被告の甲支店(以下「営業店」という)からの依頼により。 京都旅行の宿泊手配を行ったNが「新都ホテル」に平成18年11月1,0日からの宿泊の手配をして,手配書に「都ホテル京都」と記載したところ,同手配業務を引き継いだDが,同ホテルが「ウェスティン都ホテル」のことであると思い込み,同年9月29日に同ホテルに手配ができた旨営業店に連絡した。なお,当時京都市内には,都ホテルの名称を持つホテルとしては,JR京都駅前の新都ホテルと京都市a区bのウェスティン都ホテル(旧都ホテル)の2つのホテルがあった。 その後,営業店は,担当者が上記旅行の依頼者(参加者とともに京都あ- 30 -るいは奈良の名所・名刹の特別拝観等を行う企画を主宰しており,同営業店では上得意ともいうべき人物である)から,京都都ホテル の後,営業店は,担当者が上記旅行の依頼者(参加者とともに京都あ- 30 -るいは奈良の名所・名刹の特別拝観等を行う企画を主宰しており,同営業店では上得意ともいうべき人物である)から,京都都ホテル(ウェステ。 ィン都ホテルの趣旨と考えられる)で1泊1万4000円では赤字にな。 る旨指摘され,また,京都には都ホテルが2つあるから確認するようにとの指示を受けたことから,Dに対し,電話で確認を求めたが,Dは,ウェスティン都ホテルについて手配ができた旨回答し,さらに,その旨を明記して,同年10月2日に営業店に連絡した(乙17。 )ところが,同月27日になって,これが間違いであり,W支店が現実に手配できつつあったのは,新都ホテルであり,ウェスティン都ホテルには全く手配ができていなかったことが判明し,トラブルとなった(以下「本件手配ミス」という。 。),,ウM課長は平成18年10月30日にDから本件手配ミスの報告を受けDに対し,同年11月1日及び2日に京都に赴き,部屋の確保についてホテルと直接交渉するよう指示し,電話で途中経過の報告を求めたり,次の指示を与えるなどした。 エM課長は,平成18年11月2日午後1時6分ころ,N及びDの両名に対し,本件メール(乙26と同じもの)を同時に1回送付した。本件メールには,本件手配ミスが,基本動作のミスと集中力の欠落によるものであ,,ることを指摘した上で2度とこのようなことを起こさないように注意し最終的には,乙センターから約45万円の持ち出しで決着する予定であるが,その場合,社内のキャンペーン活動(非営業職従業員が,親族,知人等に声をかけて新たな顧客獲得をしようとする活動)での各自の営業金額をDにつき50万円,Nにつき15万円に変更するので,必ず遂行願うなどの記載をし「小職の場合2度目はあり 営業職従業員が,親族,知人等に声をかけて新たな顧客獲得をしようとする活動)での各自の営業金額をDにつき50万円,Nにつき15万円に変更するので,必ず遂行願うなどの記載をし「小職の場合2度目はありませんのでそこを理解し,作業,お願いします「いずれにしても,週明け(3連休のあとの月曜日であ。」,る同月6日のこと)が勝負ですので今は,あまり本件を考えずに仕事して- 31 -ください。それでは,良い連休をお過ごしください」などの文言が記載。 されていた。 オDは,本件メールを受領後,本件手配ミスに関する事実関係を時系列に従って報告するとともに,思い込みによるミスにより,各方面に多大な迷惑をかけたことを反省し,お詫びするとの内容の平成18年11月2日付け顛末書(乙11)を作成し,M課長に交付している。 (甲22,乙11ないし18,21,25ないし27,証人M,弁論の全趣旨)(11)Dの自殺原告Aは,Dが退院後,徐々に回復してきた様子を感じていたが,Dは,平成18年11月初めになって,急激に非常に落ち込んだ様子になった。原告Aは,そのときにDから,会社でイエローカードを出されたという話とともに,本件手配ミスの話を聞いた。 Dは,同年11月4日に仕事から帰宅した後も,死にたいという言葉を口にし,同月5日朝には食欲がない状態であった。そこで,原告Aは,アメリカ滞在中の原告子らに電話をして,Dを病院に連れて行くことなどを相談した。ところが,原告AもDが同日に自殺をする可能性があるとは思っていなかったにもかかわらず,Dは,原告Aが外出中の午後3時ころ,自宅において自殺した。 (甲1,43,44,原告C本人,原告A本人) インターフェロン治療とうつ症状その他の副作用に関する医学的知見について証拠(甲33,甲34の1・2,甲35,39の ころ,自宅において自殺した。 (甲1,43,44,原告C本人,原告A本人) インターフェロン治療とうつ症状その他の副作用に関する医学的知見について証拠(甲33,甲34の1・2,甲35,39の各1ないし3,甲40,41,甲42の1ないし3,乙3)によれば,以下の事実が認められる。 (1)インターフェロンは,平成4年にC型慢性肝炎に対する健康保険適応が広がり,急激に使用頻度が増大したが,それに伴い,うつ症状を含む様々な- 32 -副作用が指摘されるようになっている。 ,(,,,一般的な副作用としてはほとんどの例で感冒様症状発熱悪寒頭痛,,),,筋肉痛関節痛全身倦怠感等があるとされる他白血球・血小板の減少脱毛,蛋白尿等もみられる。 (2)副作用としてのうつ症状ないし精神症状の発症頻度は,文献によって数値にばらつきがあり,0.1ないし5パーセント程度とされるが,5パーセント以上とする報告もあることを紹介する文献,1ないし2パーセント(うつ病は1パーセント以下)とする文献,また,数パーセントから65パーセントと報告によりさまざまであることを指摘する文献などがある。多くの場合,不眠,焦燥,不安などの前駆症状があり,続いて抑うつ,無気力,自発性低下,興奮,多弁,幻覚,妄想,集中力低下,記憶力減退,不安症状,パ,,,ニック発作等多彩な精神症状がみられ特徴的な症状としては抑うつ気分焦燥,不安,希死念慮などがあるとされる。 (3)うつ病を含めた精神症状の発症時期は,投与開始から2週間ころから数か月後まで様々であるとする文献もあるし,投与開始後1ないし8週の間に発症することが多く,抑うつ気分に関しては,投与開始4週後に明らかとなる例が多いとして,前駆症状である睡眠障害は投与開始2週以内に出現することがほ るとする文献もあるし,投与開始後1ないし8週の間に発症することが多く,抑うつ気分に関しては,投与開始4週後に明らかとなる例が多いとして,前駆症状である睡眠障害は投与開始2週以内に出現することがほとんどであることを指摘する文献もある。 (4)うつ状態は,インターフェロンの中止又は減量で軽快する。しかしながら,インターフェロン中止後もうつ状態が遷延する例が少なからずみられ,高度になると,長期間の向精神病薬投与が必要なこともあるとされている。 出現機序について,インターフェロンの薬理作用以外の外的要因によるものも考えなければならないが,臨床的に厳密に区別することは難しく,精神症状に対する要因別分類には限界があるとして,①臨床疾患(精神疾患の既往,②人格障害,③一般身体疾患(インターフェロン治療を受ける患者が)有する悪性疾患や肝炎について,経過や検査数値が思わしくないことによる- 33 -),(,,影響④心理的・社会的・環境的問題患者という立場家庭の受け入れ社会的な立場の変化,入院という慣れない環境,経済的な事情等,心理的・社会的・環境的要因が多様に変動することが,多かれ少なかれ抑うつ気分に影響を与えること,⑤機能の全般的評定(患者の心理的・社会的・職業的)機能を評価して,治療の計画,効果,転帰の判定に役立てること)など,全体を考慮したうえで,インターフェロン治療患者の抑うつ症状の出現機序を評価することが大切であると指摘する文献もある。 争点(1)(本件発症前の被告の安全配慮義務違反)について(1)被告の出向に関する安全配慮義務違反及び出向先社長の違法な退職強要ア原告らは,DがC型肝炎に罹患し,通院治療を受けており,C型肝炎患者にとって長時間労働や激しい肉体労働が禁忌であるにもかかわらず,被告は,転勤,出向に際し 義務違反及び出向先社長の違法な退職強要ア原告らは,DがC型肝炎に罹患し,通院治療を受けており,C型肝炎患者にとって長時間労働や激しい肉体労働が禁忌であるにもかかわらず,被告は,転勤,出向に際して医師の意見の聴取等をせず,何らの配慮もしないで,Y空港での勤務を含むE株式会社ないし株式会社Fへ配転させ,過酷な職場に従事させたから,Dの出向に関して被告に安全配慮義務違反があった旨主張し,証拠(甲23の1・2,甲30,43,原告A本人)中には,これに沿う部分がある。 しかしながら,原告ら代理人の質問に対する回答書におけるP医師の見解(甲38の1ないし3)も「通常慢性肝炎レベルでは禁忌とまでされ,る事項はない。病状が進展するにつれて,運動や仕事にも少し制限が生じる可能性があり,中等度以上の病状では,選手としての運動や肉体労働は望ましいとはいえない。夜勤については,非代償性肝硬変に至っていなければ,禁忌とまではいえないが,業務内容による」というものであり,。 C型慢性肝炎に罹患しているからといって,当然に就業制限等を要するものとは認められない。 そして,Dが,当時医師から運動制限や就業制限等の指示を受けていた,(,,,)とは認められず上記証拠甲23の1・2甲30 原告A本人- 34 -によっても,Dの出向先での勤務が,Dの健康状態に照らして過重なもの。 ,,であったと的確に認めることはできないそしてC型慢性肝炎の状態が一般的な病状の推移を超えて,勤務状況により悪化したことを認めるに足りる証拠もない。 イまた,原告らは,平成13年10月にE株式会社のY空港事業所に転勤した直後ころ,Dが,同社社長から「君は49歳だからもう行くところがない。どこも雇ってくれない。君にはその危機感がない」などと言われ。 ,(, ,平成13年10月にE株式会社のY空港事業所に転勤した直後ころ,Dが,同社社長から「君は49歳だからもう行くところがない。どこも雇ってくれない。君にはその危機感がない」などと言われ。 ,(,),。 た旨主張し 証拠 甲43原告A本人中にはこれに沿う部分があるしかしながら,上記各証拠は,いずれも原告AがDから聞いた話であるとして述べるものであって,当時の会話内容を正確に再現したものではないうえ,仮に真実そのような発言が行われたとしても,E株式会社社長の発言の趣旨や前後の脈絡を認めることはできないから,上記各証拠をもって,直ちにDの人格を傷つける違法な発言であるとか,退職強要等の違法行為があったものと認定することはできない。そして,他にこれを認めるに足りる証拠もない。 ウしたがって,上記の安全配慮義務違反の事実を認めることはできない。 (2)違法な減給ア原告らは,Dの年収は減額され,特に,DがX空港支店に配属された平成16年4月には,基準内賃金及び資格別給が減額されたが,これは降格を意味するものと見られること,また,被告は,就業規則の変更をせずに違法な賃下げをしたものと認められるが,賃下げが労働者に致命的な不利益をもたらしうることからすれば,これら賃下げは違法であり,労働者に対する使用者の安全配慮義務に違反することは明らかである旨主張する。 そして,前記認定事実のとおり,Dの年収は,平成15年以降は,平成8年のそれと比較して減少していたことが認められる。 しかしながら,Dの平成8年当時の年収は,明細等も明らかでなく,本- 35 -件全証拠に照らしても,単に減収があるとの事実をもって,直ちに被告の安全配慮義務違反ということはできない。 イまた,前記認定のとおり,被告においては,平成10年8月から平成16年3月まで非 -件全証拠に照らしても,単に減収があるとの事実をもって,直ちに被告の安全配慮義務違反ということはできない。 イまた,前記認定のとおり,被告においては,平成10年8月から平成16年3月まで非組合員全員の基準内賃金の一部減額措置,同年4月には非組合員の賃金制度の改訂が行われ,これらに伴って,Dも減収を生じたことが認められる。 しかしながら,当時の経済状況等にかんがみると,被告がこれらの措置等を行ったことは,直ちに違法となるものではなく,本件全証拠に照らしても,上記の措置ないし賃金規則の改訂を違法と認めるに足りる証拠もない。Dの減収が,Dの降格や個人を対象にした降給によるものであることをうかがわせる証拠もない。 ウなるほど,平成16年4月の異動内容をDが不満に思っていたと解されることは前記認定のとおりであり,当時のDが原告Aに対し,異動に伴う処遇の不満等を述べたことは,十分に考えられるところである。しかしながら,これらから直ちに不当な降格等があったことを推認させるものではない。 エしたがって,上記の安全配慮義務違反の事実も認められない。 (3)インターフェロン治療のための入院に対する上司の不当な対応等ア原告らは,Dがインターフェロン治療のために入院する旨告げたことに対する上司の対応が不当であった旨主張する。そして,前記認定事実によれば,Dは,インターフェロン治療のための入院を上司に報告した際に,「なぜ前勤務地で治療を受けずに,転勤直後に入院治療を受けるのか,職場で理解を得られない」などと,転勤直後に入院治療を受けることを非。 難するような発言をされたこと,退院後平成16年7月21日の復職のための面談時にも同様の発言が繰り返され,さらに,L次長からは「治療,に専念した方がよいのではないか。自分から身を引いたらどうか」などと ような発言をされたこと,退院後平成16年7月21日の復職のための面談時にも同様の発言が繰り返され,さらに,L次長からは「治療,に専念した方がよいのではないか。自分から身を引いたらどうか」などと- 36 -退職を示唆する発言がされたこと,これらの発言が,Dに相当の精神的な衝撃を与え,不安症状を強めたことなどが認められる。 イこれに対し,被告は,入院前の上司らの対応は,異動に不満があるかどうかを確認するものであり,また退院後の面談時の発言は,上司の個人的な意見であるし,退職勧奨に当たるとしても違法なものではなく,うつ病罹患や自殺の予見可能性もない旨主張する。 しかしながら,前記認定事実によれば,Dは,平成16年4月1日のX空港支店への配転の相当以前から,C型慢性肝炎に罹患して治療を継続しており,被告の保健指導員の指導も受けていたのであって,被告においてもDの病状等を把握した上で出向を決定していたものであるし,Dは,出向先においても通院治療を続けており,その間にインターフェロン治療が検討されたこともあったことなどの治療経過等は,被告にとっても十分に把握可能であったと考えられる(乙10。これらによれば,Dの株式会)社FからX空港支店への異動時に,DがC型慢性肝炎に罹患していることやその病状について引継ぎ等をしなかったことは,専ら被告の不備というべきである。 そして,被告は,Dの申告を受け,保健指導員に問合わせをするなどして,従前の疾患や治療の経過等を一応把握したはずであるのに,L次長が異動後間もないDに対し,C型慢性肝炎の治療としてインターフェロン治療を受けることを非難するような発言をしたことは,同発言自体が直ちに違法であるとはいえないまでも,従業員に対する衛生管理上,不適切な対応であったといわざるを得ない。 ウその上で,衛生管理 ェロン治療を受けることを非難するような発言をしたことは,同発言自体が直ちに違法であるとはいえないまでも,従業員に対する衛生管理上,不適切な対応であったといわざるを得ない。 ウその上で,衛生管理担当の次長であるL次長が,平成16年7月21日にDが復職を求めた際の面談時に,不用意に上記の趣旨の発言を繰り返す,,とともにDが長期のインターフェロン治療を予定していることに対して治療に専念するため退職することを示唆する発言をしたことは,以上のよ- 37 -うな経過やDの疾病等をも勘案した場合には,インターフェロン治療を継続中で退院直後のDの不安感を増大させ,精神状態を悪化させるものであって,Dの精神面を含む健康管理上の安全配慮義務に違反するものということができる。 エ被告は,このようなDの状況は,当時被告として知りようがなかった旨主張する。なるほど,Dは,平成16年7月5日に不安・抑うつ状態と診断されながらこのことを被告に報告していなかったと認められるから,被告に対し,健康状態に関する適切な情報を与えていなかったものである。 しかしながら,発生頻度はともかくとして,インターフェロンの副作用としてうつ状態等の精神症状を生じうることは,当時の医学的知見として一般的なものであるということができる。被告においては,Dの入院前に保健指導員に相談をしており,当然退院後の対応等についても検討できたはずであるし,少なくとも,衛生管理担当者は,産業医や保健指導員に相談し,場合によっては主治医等に確認するなどして,インターフェロン治療の副作用や予後等を把握した上で,Dに対応することは可能であり,かつ必要であったというべきである。 これらに照らせば,被告は,L次長らの発言やDに対する対応が,インターフェロン治療中のDに対し,うつ状態等の精神症状を発症させ 上で,Dに対応することは可能であり,かつ必要であったというべきである。 これらに照らせば,被告は,L次長らの発言やDに対する対応が,インターフェロン治療中のDに対し,うつ状態等の精神症状を発症させる危険性があることについても,予見可能性,予見義務があったということが相当である。 したがって,被告の上記主張は採用できない。 オもっとも,前記認定にかかる当時のDの病態,症状等を最大限考慮しても,上記時点の被告において,Dが自殺することについてまでは,具体的な予見可能性や予見義務があったと認めることはできない。 () 争点(2)本件発症の時期及び被告の安全配慮義務違反との相当因果関係等について- 38 -(1)本件発症時期前記認定事実に基づけば,Dに不安・抑うつ状態と判断されるような症状が最初に出現したのは,平成16年7月2日ないし5日ころであったと認められるところ,同日の診断時点では,いわゆるうつ病としての症状が持続していると判断されるものではない。むしろ,前記認定事実のとおりのインターフェロン投与経過やDの症状の経過等からすれば,Dは,その頃出現した不安・抑うつ状態が,諸条件により持続,長期化したため,最終的に平成17年3月11日までに,G病院神経科において,うつ病と診断されたものと認められる。 したがって,Dの抑うつ状態ないしうつ病の発症時期としては,平成16年7月ころと認めることができるが,被告の主張するように,これが同月5日までには発症しているから,それ以後に発生した事実等が本件発症に影響するものではないとまではいえない。 (2)上記第3の3(3)に認定した安全配慮義務違反と本件発症との因果関係ア以上に認定,判断したところに基づけば,上記認定にかかる被告の安全配慮義務違反行為は,Dの不安症状を強め,そのころ発症 (2)上記第3の3(3)に認定した安全配慮義務違反と本件発症との因果関係ア以上に認定,判断したところに基づけば,上記認定にかかる被告の安全配慮義務違反行為は,Dの不安症状を強め,そのころ発症した不安・抑うつ状態を持続,長期化させ,うつ病の発症に相当程度の寄与をしたものというべきであるから,本件発症との間に相当因果関係を認めることができる。 イしかしながら,前記認定事実に基づけば,Dに不安・抑うつ状態ないしうつ病という精神疾患を発症させた原因が,専ら被告の前記安全配慮義務違反にあるとまで認めることはできない。 むしろ,Dは,平成16年6月10日からC型慢性肝炎の治療としてインターフェロン投与を受けていたところ,発熱,関節痛等の感冒様症状が現れ,腹部圧迫感,関節痛,筋肉痛,脱毛等の症状が長く続くなど,インターフェロンの副作用が明瞭に現れていたことが認められる。また,Dの- 39 -うつ症状の発症の経過をみると,Dには元々不眠傾向があったことやインターフェロン投与が一時中止されたことから,不眠の発症時期は明らかでないが,入院から半月ほど経過した頃からは不眠も顕著となり,投与開始から約4週ころには不安・抑うつ混合状態と診断され,その後インターフェロン治療を継続中の平成17年2月ないし3月初旬に,抑うつ気分,不安,希死念慮等の症状が現れたが,同月8日にインターフェロン投与を終了し,神経科入院治療を受けたところ,早期にうつ症状が軽快したというものである。このような経過は,インターフェロンの副作用としてのうつ症状の発症時期,発症経過や発現機序と整合するものと考えられる。 ウこれらによれば,Dのうつ症状は,インターフェロンの副作用を重要な要因として発症したものとみることが相当である。 すなわち,Dは,元来心配性・細かい事に考え込みがちな性 整合するものと考えられる。 ウこれらによれば,Dのうつ症状は,インターフェロンの副作用を重要な要因として発症したものとみることが相当である。 すなわち,Dは,元来心配性・細かい事に考え込みがちな性格であり,長年C型慢性肝炎に罹患し,長らくインターフェロンの副作用や仕事への影響に対する不安感を抱いていたことなどの要因があり,インターフェロンの薬理作用が現れたところに,投与開始前の肝生検受検による胆道管出血による体調悪化,医療ミスに対する不信感,インターフェロン治療を受けながら就労することなど退院後の生活に対する不安等の複数の要因及び被告の前記安全配慮義務違反という要因が加わることによって,不安・抑うつ症状が出現して長期化し,うつ病と診断されるに至ったものと認められる。 エ原告らは,インターフェロンの副作用としてのうつ病の発症頻度が低い旨指摘する。 しかしながら,うつ病の発症頻度自体については,様々な報告があり,インターフェロンの副作用としては,必ずしも稀なものであるとはいえない。そして,前記認定事実によれば,本件においては,Dのうつ病の発症とインターフェロン投与との間にも因果関係が認められるところであっ- 40 -て,仮に,発症頻度が低いとしても,そのことは,前記認定,判断を妨げるものではない。 オまた,原告らは,症状経過がインターフェロンの副作用によるうつ病の場合と矛盾するとも主張する。 なるほど,Dは,本件発症後もインターフェロン投与が続けられているが,これは,当時のDの不安・抑うつ症状が,投与を直ちに中止しなければならないような重篤なものではなかったということにすぎず,本件発症がインターフェロンの薬理作用を重要な要因とするものであることと矛盾するものではない。その後,インターフェロン投与が続けられていたところ,Dは,平成 篤なものではなかったということにすぎず,本件発症がインターフェロンの薬理作用を重要な要因とするものであることと矛盾するものではない。その後,インターフェロン投与が続けられていたところ,Dは,平成17年2月ないし3月初旬に明らかなうつ症状を発症しているが,前記認定のとおり,H医院のカルテ記載を見ると,ウイルスの減少のみならず,この点も考慮されてインターフェロン投与が一応終了とされたことが認められるところであり,その経過もうつ症状がインターフェロンの副作用であることと矛盾しない。さらに,平成17年4月25日付けP医師作成の診療情報提供書甲37:55頁を見てもINFイ(),「(ンターフェロン)後のうつ状態にて3月下旬より本日まで当院神経科に入院加療をされていました」との記載があり,同医師もDに対するインタ。 ーフェロン投与とうつ状態を結びつけて考えていたことがうかがわれる。 また,インターフェロン中止後もうつ状態が遷延する例が少なからず見られることや,長期間の向精神病薬投与が必要な場合もあることを指摘する医学文献があることも,前記認定のとおりである。 カなお,証拠(甲38の3:P医師作成の回答書)中には,Dのうつ病罹患は,もともとの性格因子に加えて,外因性のストレス因子の方が原因として大きいと思う旨の見解が示されている。 しかしながら,上記証拠は,その根拠として,平成17年9月にウイルスが再出現した後も,Dの治療意欲は副作用に十分に勝るほどあったと考- 41 -えられるという点を挙げるところ,前記認定事実に基づけば,Dは,むしろ副作用を心配してインターフェロンの再治療を拒否していたことが認められる。また,上記証拠は,もう1つの根拠として,G病院において,Dに投与されていたイントロンAとレベトールという薬剤は,いかにもうつ 副作用を心配してインターフェロンの再治療を拒否していたことが認められる。また,上記証拠は,もう1つの根拠として,G病院において,Dに投与されていたイントロンAとレベトールという薬剤は,いかにもうつ傾向の人には使用していなかったことを指摘するが,それは,G病院においてP医師らがDに同薬剤を投与した時点で,Dに対し,いかにもうつ傾向であるとの評価がされていなかったということにすぎない。 このように,甲38の3に挙げられたいずれの根拠も,前記認定,判断を左右するに足りるものではない。 争点(3)(本件発症後の被告の安全配慮義務違反)について(1)神経科入院中の面談要求ア原告らは,被告が神経科入院中にDに対して面談を強要したことが安全配慮義務違反である旨主張する。そして,Tが,平成17年3月18日にD方に電話をかけ,その留守番電話を聞いた原告AがTに後日電話をした,,,際原告Aを通じてTとDとの面談を予定してもらうことになったこと後日,原告A及び主治医であるI医師から,Dとの面談を断る電話があったことは,前記認定のとおりである。 イしかしながら,従業員が自律神経失調症のために入院したことを知った場合,保健指導員が,状況把握のために,可能な限り本人との面談を求めることは,通常の業務の範囲内というべきであり,これが直ちに安全配慮義務違反と断じられるべきものではない。そして,本人との面談が困難な場合であっても,保健指導員が,面談の可能性や状況を聴取するために従業員の家族に連絡をとることもまた,通常の業務の範囲内というべきであ,。 ,,ってこれが安全配慮義務違反に当たるものではないそして本件ではTは,Dに対して直接面談を申し入れたものではなく,原告Aとの間で面談希望の話をし,当時のDの状態を認識していた原告A及び原告Cが相談 ってこれが安全配慮義務違反に当たるものではないそして本件ではTは,Dに対して直接面談を申し入れたものではなく,原告Aとの間で面談希望の話をし,当時のDの状態を認識していた原告A及び原告Cが相談- 42 -の上,その話をDに伝えたというものである(原告C本人。 )ウ原告らは,被告の総務担当者がDとの面談を強要したとも主張する。しかしながら,たとえDが解雇を恐れていたという事情を被告が認知し得たとしても,総務課に所属する保健指導員であるTが,その職務上面談を求めたことは,直ちに安全配慮義務違反となるものではないし,Tが,他の。 ,総務担当者の出席を特に要求したことを認めるに足りる証拠もないまた当時,被告において,Dが解雇に対する強い不安からうつ病を発症したとか,被告の総務担当者との接触をおそれていることを認識すべきであったことを認めるに足りる証拠はない。 結局,Tが入院中のDとの面談の約束をしようとしたことが,Dに対する安全配慮義務違反となるものとは認められない。 なお,Dの入院中のカルテ(乙6)やD作成の当時のメモ(甲5,6)等をみても,Tからの申入れのためにDが病状を悪化させたことを認めるに足りる証拠もない。 (2)労組加入についての非難,糾問原告らは,被告が,平成17年5月16日及び26日の2回にわたって,なぜ労組に加入したのか,まだ加入しているのか,などと非難,糾問した旨主張し,証拠(甲43,原告A本人)中には,これに沿う部分がある。 しかしながら,上記各証拠も「なぜ労組に加入したのか」と言われたこ,とをDから聞いたというものにとどまり,同月16日という日にちもあいまいなものであって,他の証拠に裏付けられていない部分は,直ちには採用できない。 なお,前記認定のとおり,同月26日に産業医,U次長及びTがDとの面談を行 のにとどまり,同月16日という日にちもあいまいなものであって,他の証拠に裏付けられていない部分は,直ちには採用できない。 なお,前記認定のとおり,同月26日に産業医,U次長及びTがDとの面談を行った際にU次長が,Dに対し,労働組合加入を確認した事実が認めら。 ,,,れるしかしながらその際にU次長らがDに対し同事実の確認を超えて特にDを非難,糾問するなどした事実を認めるに足りる証拠はないというよ- 43 -りほかない。 (3)社宅の退去通告原告らは,Dがうつ病で退院してから5か月余であるのに,被告が社宅か,,らの退去通告をしたことは病者に対する安全配慮義務違反である旨主張し証拠(原告A本人)中には,これに沿う部分がある。そして,Dが平成17年12月に当時の社宅を退去し,転居することを余儀なくされたことは,前記認定のとおりである。 しかしながら,前記認定事実によれば,被告がDに対して,当時居住していた社宅からの退去を求めたのは,被告と家主との賃貸借終了に伴うものであって,やむを得ないものであるというべきである。そして,その転居の経過等をみても,被告は,新たな社宅の確保に当たってDないし原告Aに配慮をし,可能な限りその要望に応じているといえるから,これが安全配慮義務違反に当たるものではないことは明らかである。 したがって,原告らの上記主張は採用できない。 (4)残業の増加等ア原告らは,Dの残業が平成16年10月1日のW支店配属後,特に平成18年3月以降急増し,帰宅が午後8時か9時になり,月2ないし3回は,,土曜出勤をするようになり就業制限が守られていなかったなどと主張し証拠(甲43)中には,これに沿う部分がある。 イしかしながら,前記認定事実に基づけば,Dは,平成16年10月1日の時点で,インターフェロン治療が予 うになり就業制限が守られていなかったなどと主張し証拠(甲43)中には,これに沿う部分がある。 イしかしながら,前記認定事実に基づけば,Dは,平成16年10月1日の時点で,インターフェロン治療が予定されていた3か月間の残業なし等の就業制限措置を受けたことが認められるが,インターフェロン投与終了後,特に平成18年3月以降,同措置がとられたことを認めるに足りる証拠はない。 そして,C型慢性肝炎に罹患しているとはいえ,その具体的症状や職種等にかんがみれば,就業制限措置がとられていなかったDに対する一切の- 44 -残業が当然に禁止されるべきものとまではいい難いし,残業禁止等の就業制限措置がとられるべきであったともいえず,本件全証拠に照らしても,これを認めるに足りる証拠はない。そして,H医院及びG病院内科の主治医等において,インターフェロン投与終了後に,Dの就業制限を指示するなどした事実もうかがわれない。 ウまた,G病院神経科の主治医であるI医師も,Dの退院から間もない平成17年5月の時点で,時間的な就業制限を指示せず,特に問題なく就労可能との意見であったこと,被告は,産業医の意見を聞いて,同月27日のDの復職から1か月間の超過勤務禁止及び復職後1週間につき午後3時までの時間短縮措置をとったことなどが認められるが,その後,主治医等から,就業制限が指示されたこともうかがわれない。 エなるほど,前記認定事実に基づけば,Dは,平成17年5月27日の復職後,しばらくは残業をしなかったが,次第に午後7時ないし7時半ころまでの残業をするようになったこと,平成18年3月以降,月数回程度は残業をすることがあったこと,当時の職務上,土曜日の割当出勤があったものの,その代わりに平日に休暇をとることができたことなどが認められる。 しかしながら,以上に認定, 成18年3月以降,月数回程度は残業をすることがあったこと,当時の職務上,土曜日の割当出勤があったものの,その代わりに平日に休暇をとることができたことなどが認められる。 しかしながら,以上に認定,判断したところに基づけば,このような残業等の就業状況をもって,直ちに被告の安全配慮義務違反があったと認めることは困難である。前記認定のとおり,Dが上記期間において,土曜日出勤後に休暇取得をしていないことがあったこともまた,上記結論を左右するものではない。 オ以上によれば,Dについて就業制限が守られなかったとの原告らの上記主張に沿う上記証拠は,にわかに信用できず,他にこれを認めるに足りる証拠はないから,原告らの同主張は採用できない。 (5)本件メールによる威嚇,退職強要- 45 -ア前記認定事実に基づけば,本件メールは,N及びDの本件手配ミスに対する上司の注意,叱責として送付されたものと認められるところ,その文言は「2度目はありません」などの厳しい表現はあるものの,必ずしも,解雇の最後通牒の趣旨などと解されるものではない。また「イエローカ,ード」というタイトルも,日常的に使用される場合には,警告等の意味があることは格別,原告らが主張するような「退場の予告又は退場を迫る趣旨」とまで当然に理解されるものとはいえない。 W支店の損失額を,同支店における営業活動で成果を達成するよう要求する部分の妥当性はともかくとして,これが,同損失額を直接的かつ具体的に金銭賠償をするよう求める趣旨であるとも認められず,違法なものとまではいえない。 なるほど,本件手配ミス及び本件メールの送付が,結果的に,Dの精神状態に影響を与え,自殺のきっかけとなったことは否めない。しかしながら,本件手配ミスは,N及びDの業務上の基本的なミスを原因とするものであって,原告 配ミス及び本件メールの送付が,結果的に,Dの精神状態に影響を与え,自殺のきっかけとなったことは否めない。しかしながら,本件手配ミスは,N及びDの業務上の基本的なミスを原因とするものであって,原告らの主張するように,NのミスによるトラブルをDに転嫁したというものではなく,しかも,それが営業店等関係各方面に与えた影響も決して軽微なものであるとまではいえないから,職務上の上司に当たるM課長が,NとともにDを注意ないし叱責することは,通常の業務の範囲内の行動として許容される事項であり,本件メールの送付もその範囲を逸脱したものとはいえないというべきである。 イ原告らは,本件メールがDに対して2通送付された旨主張し,証拠(甲24の1・2,甲43ないし45,原告C本人,原告A本人)中には,これに沿う部分がある。 しかしながら,原告子らは,2通のメールそれぞれの内容を確認したものではないし,原告AがDから聞いたという本件メールの内容も,メールが2通あることをうかがわせるものではない。そして,証拠(乙21,2- 46 -2,25ないし27,証人M,証人V)に照らしても,前記認定の本件メール以外に「イエローカード」と題するメールが送付された事実があったと認めることはできない。 ウ原告らは,本件メールの送付についての違法性を主張するので,判断する。 (ア)原告らは,本件メールの送付は,解雇を最も恐れてうつ病に罹患していたDの精神面の健康保持に対する安全配慮義務違反である旨主張する。なるほど,当時,被告は,Dが精神疾患である自律神経失調症と診断され,入院治療を受けたことがあり,睡眠導入剤の服用を続けていたことなどを認識していたことは認められる。 しかしながら,Dは,被告に対し,不安・抑うつ混合状態と診断されたこと,あるいはうつ病に罹患していることや 療を受けたことがあり,睡眠導入剤の服用を続けていたことなどを認識していたことは認められる。 しかしながら,Dは,被告に対し,不安・抑うつ混合状態と診断されたこと,あるいはうつ病に罹患していることや,これに対する治療経過を報告していない。そして,Dの主治医であるI医師も,Dの精神疾患に対する職場の対応としての注意や就業制限等を指示したことはなく,かえって,Dにつき「自律神経失調症で加療中であるが,就労に特に問題はない」旨の診断書を提出している。なお,証拠(原告A本人:474項)中には,原告Aが,Dの神経科入院前の平成17年3月15日にTに対し,不安状態でうつのような感じであるという発言をしたとの部分があるが,仮にそのような事実があるとしても,うつ病であること,具体的症状や医師の診断についてまでも報告したものではないから,上記結論を左右するものではない。 以上によれば,Dが,平成18年10月以前に,特に就業制限や就労上の配慮を要する状態であったと認めることはできないし,被告がDにつき,そのような状態であると認識すべきであったとは認められない。 (イ)また,本件手配ミス等が発生したのは,インターフェロン投与の終了から約1年8か月後であり,Dは,インターフェロン投与終了の直後- 47 -ころには神経科で入院治療を受けたものの,軽快して退院し,その後変動はありつつも徐々に快方に向かっていたことも認められる(なお,平成18年9月6日にTがDと面談した際,朝起きるのがしんどいなどの発言があったことは,前記認定のとおりであるが,その発言内容やDが当時睡眠導入剤を服用していたことなどからみて,必ずしもDのうつ病が悪化したことを認めるに足りるものではない。 。)さらに,Dの精神状態が明らかに悪化したのは,平成18年11月2日の本件メール送付のこ 眠導入剤を服用していたことなどからみて,必ずしもDのうつ病が悪化したことを認めるに足りるものではない。 。)さらに,Dの精神状態が明らかに悪化したのは,平成18年11月2日の本件メール送付のころであったことも認められる(原告A本人。 )(ウ)そうすると,被告において,本件手配ミスが発覚し,M課長が本件メールを送付する時までに,Dの精神疾患の症状が,自殺の危険性を有する状態であり,業務上のミスに対しても特別の配慮をもって対応すべきであったとまではいえない。 (エ)なお,DがC型慢性肝炎や精神疾患を抱えていたことから,解雇の不安を有していたことは推測しうるところではあるが,Dの精神疾患の主たる原因が,解雇に対する不安であるとまで被告が認識し,あるいは認識可能であったと認めるべき証拠はない。前記認定のようなDのG病院神経科入通院時の発言や原告Aの発言をみても,不安や不調の主たる原因として,解雇に対する恐れを訴えていたとは認められないし,Dが組合に加入した事実及びU次長がこのことを確認したこともまた,これを左右するに足るものではない。 (オ)以上,検討したところに基づけば,本件メールの送付に関し,被告が,Dに対し,解雇に対する恐れからうつ病に罹患していることを前提とした処遇をしたり,自殺の危険性等も予見した対応をとるべき義務があったということはできない。 エしたがって,Dの職務上のミスに対し,M課長が本件メールを送付したことが,威嚇や退職強要の違法行為に当たると認めることはできない。 - 48 - 争点(4)(被告の安全配慮義務違反とDの死亡との相当因果関係)について(1)被告の安全配慮義務違反の事実とDの本件発症との間に相当因果関係を認めることができることは,前述のとおりである。 しかしながら,同義務違反行為のあった当時にお の死亡との相当因果関係)について(1)被告の安全配慮義務違反の事実とDの本件発症との間に相当因果関係を認めることができることは,前述のとおりである。 しかしながら,同義務違反行為のあった当時におけるDの症状等からすると,これから直ちに,被告において,Dがうつ病により自殺することまでの具体的予見可能性,予見義務があったとまでいうことができないことも,前述のとおりである。 (2)そして,その後の症状の経過をみても,本件発症からDが自殺するまでには約2年3か月もの期間が経過しているから,Dの自殺は,直ちに本件発症を招来した原因による結果ということができるものではない。 すなわち,前記認定事実に基づけば,Dは,本件発症後,半年以上にわたるインターフェロン治療の継続中にうつ症状の急激な悪化を生じて投与を中止し,神経科に入院したが,早期にうつ症状が軽快して退院し,HCV検査結果が平成17年8月までに再度陽性となるという既往疾病の悪化はあったものの,大きなうつ症状の悪化等もなく徐々に快方に向かっていたにもかかわらず,平成18年10月末に判明した本件手配ミスによる業務上のトラブルにより精神状態が悪化し,同年11月2日の本件メールの受領等も加わって急激に落ち込んだ状態になったことが,自殺のきっかけとなったものと認められるところである。 このような経過の中でのDの自殺は,被告の前記安全配慮義務違反行為を。 ,原因とする通常の因果の流れにある事実と認めることは困難であるそして被告において,本件手配ミスや本件メールの送付等に関し,Dの自殺を予見すべき特段の事情等があったといえないことは前述のとおりである。 (3)結局,被告の安全配慮義務違反とDの自殺との間に相当因果関係を認めるには至らないというよりほかない。 争点(5)(損害)について- 49 等があったといえないことは前述のとおりである。 (3)結局,被告の安全配慮義務違反とDの自殺との間に相当因果関係を認めるには至らないというよりほかない。 争点(5)(損害)について- 49 -(1)慰謝料以上に基づけば,Dは,前記認定の被告の安全配慮義務違反により本件発症を生じたことにつき,精神的損害を被ったものということができる。 そして,被告は,前記認定のとおり,Dの健康に関する情報の把握や,入院治療後のDに対する配慮を怠ったことにより,Dの抑うつ症状を悪化させて本件発症に寄与したものであり,本件発症に相当の影響を与えたものということができる。もっとも,その一方で,本件発症は,インターフェロンの副作用を重要な要因とし,インターフェロン治療自体に対するDの不安,医療ミスに対する疑いや胆のう炎等による体調の悪化等,他の複数の要因が寄与していることなども認められる。 結局,これら諸般の事情を総合考慮すると,Dの本件発症に対する慰謝料としては,300万円とすることが相当である。 (2)原告らの相続原告らは,前記認定のとおりDの相続人であるから,その法定相続分に従い,上記損害につき,原告Aが150万円,原告子らが各75万円ずつ相続した。 (3)弁護士費用本件事案の内容,審理の経過その他一切の事情を考慮し,原告らが本件訴訟の提起・追行のため要した弁護士費用のうち,原告Aにつき15万円,原告子らにつき各8万円の限度で,被告に負担させることを相当と認める。 (4)各原告の損害合計額したがって,原告Aの損害額は165万円,原告子らの損害額は各83万円となる。 第4 結論 以上によれば,原告らの被告に対する請求は,債務不履行による損害賠償請求として,原告Aにつき165万円,原告子らにつき各83万円及びこれに対- 50 -する前記遅 各83万円となる。 第4 結論 以上によれば,原告らの被告に対する請求は,債務不履行による損害賠償請求として,原告Aにつき165万円,原告子らにつき各83万円及びこれに対- 50 -する前記遅延損害金の支払を求める限度で理由があるが,その余の請求は,いずれも理由がない。 よって,上記の限度で原告らの請求を認容し,その余の請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第15民事部裁判長裁判官田中敦裁判官池町知佐子裁判官上村海
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