平成24(行ウ)223等 と畜場設置許可取消処分取消請求事件(第1事件),と畜検査員任命等義務付け請求事件(第2事件),追加的併合申立事件(第3事件)

裁判年月日・裁判所
平成25年2月26日 東京地方裁判所 公物・公企業など
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判決文本文33,742 文字)

平成25年2月26日判決言渡平成24年(行ウ)第223号と畜場設置許可取消処分取消請求事件(第1事件)平成24年(行ウ)第293号と畜検査員任命等義務付け請求事件(第2事件)平成24年(行ウ)第457号追加的併合申立事件(第3事件) 主文 1 本件訴えのうち,八王子市長に対し,東京都八王子市α×番地2ほか土地所在のと畜場(A食肉処理場)において,と畜検査員に,原告が平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けでした各申請に係るもの以外のと畜場法14条に規定する検査を行わせるよう求める部分を却下する。 2 八王子市長が平成24年4月5日付けで原告に対してした一般と畜場設置許可取消処分を取り消す。 3 原告が平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けでした東京都八王子市α×番地2ほか土地所在のと畜場(A食肉処理場)におけると畜検査員によると畜場法14条に規定する検査の各申請について,八王子市長が何らの処分をしないことが違法であることを確認する。 4 八王子市長は,東京都八王子市α×番地2ほか土地所在のと畜場(A食肉処理場)において,と畜検査員に,原告が平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けでした各申請に係ると畜場法14条に規定する検査を行わせよ。 5 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第2項及び第3項と同旨 2 八王子市長は,東京都八王子市α×番地2ほか土地所在のと畜場(A食肉処理場)において,と畜検査員に,と畜場法14条に規定する検査を行わせよ。 第2 事案の概要本件は,と畜場法4条1項に基づく一般と畜場設置許可処分を受け,被告から借り受けた建物においてと畜場を運営していた原告が,八王子市長から,上記建物の貸付期間が満了し原告がこれを使用すること 本件は,と畜場法4条1項に基づく一般と畜場設置許可処分を受け,被告から借り受けた建物においてと畜場を運営していた原告が,八王子市長から,上記建物の貸付期間が満了し原告がこれを使用することができなくなったとの理由により,上記設置許可処分を取り消す旨の処分を受け,その後,八王子市長に対して同法14条に規定するとさつ等の検査の申請をしたが,八王子市長がと畜検査員に上記検査を行わせなかったことから,上記建物に係る貸付契約は終了していないので設置許可を取り消すべき事由は存在せず,上記設置許可取消処分は違法であり,八王子市長はと畜検査員に上記検査を行わせるべき義務を負っているなどと主張して,上記設置許可取消処分の取消し,上記検査の申請について八王子市長が何らの処分をしないことの違法確認,及び八王子市長がと畜検査員に上記検査を行わせることの義務付けを求める事案である。 1 関係法令の定め本件に関係する法令の定めは,別紙「関係法令の定め」記載のとおりである。 2 争いのない事実等(証拠等により容易に認められる事実は,末尾に証拠等を掲記した。)(1) 当事者等ア原告は,組合員のためにすると畜場の運営に関する事業や共同と畜解体処理事業等を目的として,東京都知事から中小企業等協同組合法27条の2第1項に基づく認可を受け,平成16年3月4日に設立された事業協同組合である。 イ被告が,平成19年4月1日,地域保健法5条1項及び地域保健法施行令1条3号に基づき,保健所を設置する市となったことにより,八王子市長は,と畜場法に規定する都道府県知事の権限を東京都知事から承継した。 (2) 原告に対する一般と畜場設置許可処分及びその取消処分の経緯等ア原告は,平成16年3月29日付けで,東京都知事から,と畜場法4条1項の規定に基づき,原告 の権限を東京都知事から承継した。 (2) 原告に対する一般と畜場設置許可処分及びその取消処分の経緯等ア原告は,平成16年3月29日付けで,東京都知事から,と畜場法4条1項の規定に基づき,原告の住所地をと畜場所在地,同年4月1日を許可開始日として,一般と畜場設置許可処分(以下「本件設置許可処分」という。)を受けた。 原告は,平成16年4月1日,被告との間で,被告が所有する東京都八王子市α×番地2ほかの土地及び同土地上に存在する建物(以下,併せて「本件建物」という。)について,貸付期間を同日から平成17年3月31日まで,貸付料を定額貸付料135万9759円及び頭数割貸付料(と畜頭数に1頭当たりの金額を乗じて算出されるもの)の合計額と定めて,市有財産貸付契約(以下「本件貸付契約」という。)を締結した(甲3)。 また,原告は,被告との間で,平成16年4月1日に本件貸付契約を締結するに当たり,「貸付期間は1年間とする。ただし,平成15年度までの協議経過を踏まえて,平成16年度から5年間を目途として更新できるものとする。」との条項,並びに,原告及び被告は「東京都が主催するB協議会における議論を踏まえつつ,前項の更新期間満了までにその後の食肉処理施設のあり方について協議していくものとする。」との条項が含まれた覚書(以下「本件覚書①」という。)を締結した(乙10)。 原告は,平成16年4月1日から,本件貸付契約に基づき借り受けた本件建物をと畜場(A食肉処理場。以下「本件と畜場」という。)として利用し,組合員のためにと畜業を行っていた。 イ本件貸付契約は,平成17年以降毎年更新され,平成23年4月1日に更新された契約(以下,この更新に係る契約書を「本件更新契約書」という。)では,貸付期間が同日から平成24年3月31日まで,貸付料が 本件貸付契約は,平成17年以降毎年更新され,平成23年4月1日に更新された契約(以下,この更新に係る契約書を「本件更新契約書」という。)では,貸付期間が同日から平成24年3月31日まで,貸付料が定額貸付料138万2821円及び頭数割貸付料の合計額と定まっていた(甲4,甲36から甲41まで)。 なお,原告は,被告との間で,平成21年1月8日に「貸付期間は1年間とする。ただし,平成20年度までの協議経過を踏まえて,平成21年度から3年間に限り更新できるものとする。」との条項,並びに,原告及び被告は「東京都が主催するB協議会における議論を踏まえつつ,前項の更新期間満了までにその後の食肉処理施設のあり方について協議していくものとする。」との条項が含まれた覚書(以下「本件覚書②」といい,本件覚書①と併せて「本件各覚書」という。)を締結した(乙12)。 ウ被告は,原告に対し,平成23年6月30日付けで,平成24年4月1日以降の本件貸付契約の更新には応じられない旨の通知(以下「本件更新拒絶通知」という。)をした(乙13)。 また,八王子市長は,平成24年4月5日付けで,原告に対し,「と畜場設置許可に係る土地・建物等について,八王子市からの貸付期間が平成24年3月31日に満了し,C協同組合がこれらの施設を使用できなくなったため」との理由で,本件設置許可処分の取消処分をした(以下「本件取消処分」という。)。 エ八王子市長は,平成24年4月1日以降,本件と畜場にと畜検査員を派遣せず,本件と畜場において,と畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせていない。 また,原告は,平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで,被告の健康福祉部(八王子市保健所)生活衛生課の窓口に,と畜場法施行規則15条に定める事項を八王子市と畜場法施 査を行わせていない。 また,原告は,平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで,被告の健康福祉部(八王子市保健所)生活衛生課の窓口に,と畜場法施行規則15条に定める事項を八王子市と畜場法施行細則17条の書式に記載して作成した各検査申請書を提出する方法で,八王子市長に対し,それぞれ豚1頭について,と畜場法14条に規定する検査の各申請(以下「本件各申請」という。)をしたが,八王子市長は,本件と畜場において,と畜検査員に本件各申請に係る上記検査を行わせていない(甲61の1,甲63,甲68の1,甲70,原告代表者)。 (3) 仮処分申立事件原告は,被告を債務者として,東京地方裁判所立川支部に対し,本件建物について賃借権を有することを仮に定めることなどを求める仮処分を申し立て(同支部平成○年(ヨ)第○号仮の地位を定める仮処分申立事件),同支部は,平成24年4月9日,本件貸付契約は,借地借家法26条1項に基づき,同月1日以降も法定更新されて期間の定めのないものとして存続しているとして,原告が本件建物について同日から平成25年3月31日まで賃借権を有することを仮に定める旨の仮処分決定(以下「本件仮処分決定」という。)をした(甲7)。 (4) 本件訴訟の提起等ア原告は,平成24年4月12日,本件取消処分の取消しを求める訴え(第1事件)を提起した上,本件取消処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると主張して,当裁判所に対し,行政事件訴訟法25条2項本文に基づき,本件取消処分の効力停止を求め(当庁平成○年(行ク)第○号執行停止の申立て事件),当裁判所は,同月19日,上記訴えの第一審判決言渡しまで本件取消処分の効力を停止する旨の決定(以下「本件執行停止決定」という。)をし,同決定は確定した(当裁判所に顕著な事実 執行停止の申立て事件),当裁判所は,同月19日,上記訴えの第一審判決言渡しまで本件取消処分の効力を停止する旨の決定(以下「本件執行停止決定」という。)をし,同決定は確定した(当裁判所に顕著な事実)。 イ原告は,平成24年5月1日,行政事件訴訟法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えとして,八王子市長に対して本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせるよう義務付けることを求める訴え(第2事件。以下「本件義務付けの訴え」という。)を提起したが,同年7月10日,原告がした上記検査の申請について八王子市長が何らの処分をしないことが違法であることの確認を求める訴え(第3事件。以下「本件不作為の違法確認の訴え」という。)を追加的に併合して提起するとともに,本件義務付けの訴えは行政事件訴訟法3条6項2号に規定するいわゆる申請型の義務付けの訴えである旨の主張に変更した(当裁判所に顕著な事実)。 なお,原告は,平成24年5月1日,本件義務付けの訴えを提起した上,本件と畜場においてと畜場法14条に規定する検査がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があると主張して,当裁判所に対し,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき,上記検査の仮の義務付けを求め(当庁平成○年(行ク)第○号仮の義務付けの申立て事件。以下「本件仮の義務付け事件」という。),当裁判所は,同年10月23日,八王子市長に対し,本件義務付けの訴えの第一審判決言渡しまでの間,本件と畜場においてと畜検査員に上記検査を仮に行わせることを命じる旨の決定(以下「本件仮の義務付け決定」という。)をし,被告は同決定に対して即時抗告をしたが,東京高等裁判所は同年12月19日に同抗告を棄却する旨の決定をし,本件仮の義務付け決定は せることを命じる旨の決定(以下「本件仮の義務付け決定」という。)をし,被告は同決定に対して即時抗告をしたが,東京高等裁判所は同年12月19日に同抗告を棄却する旨の決定をし,本件仮の義務付け決定は確定した(当裁判所に顕著な事実)。 3 争点(1) 本件取消処分の実体上の適法性。具体的には,本件取消処分について,本件貸付契約が法定更新により存続しているにもかかわらず,本件設置許可処分に係る本件建物について,被告からの貸付期間が平成24年3月31日で満了し原告がこれを使用することができなくなったという理由で本件設置許可処分を取り消したという違法があるか否か。 (2) 本件取消処分の手続上の適法性。具体的には,本件取消処分に当たり原告に対する聴聞手続(行政手続法13条1項1号)がされなかったことなどが手続上違法であり,これにより本件取消処分が違法となるか否か。 (3) 本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの適法性。具体的には,と畜場法14条に規定する検査が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当し,原告は上記検査について法令に基づく申請権を有するか否か。 (4) 本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの本案要件充足性。 具体的には,八王子市長が本件各申請についてと畜場法14条に規定する検査をしないことが違法であり,かつ,上記検査をすべきことがと畜場法上明らかであるか又は上記検査をしないことが裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となるか否か。 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(本件取消処分の実体上の適法性)についてア原告の主張以下のとおり,本件貸付契約は借地借家法26条1項に基づき法定更新され,原告は平成24年4月1日以降も本件建物の使用権原を 1) 争点(1)(本件取消処分の実体上の適法性)についてア原告の主張以下のとおり,本件貸付契約は借地借家法26条1項に基づき法定更新され,原告は平成24年4月1日以降も本件建物の使用権原を有しているので,本件設置許可処分を取り消すべき事由は存在しないから,本件取消処分は違法なものとして取り消されるべきである。 (ア) 本件貸付契約が賃貸借契約に該当すること原告と被告は,平成16年に本件貸付契約を締結した当初から,本件貸付契約が有償での貸借であることを確認していたものであるし,本件貸付契約に係る契約書の形式や条項も賃貸借契約を想定したものとなっているから,本件貸付契約は,使用貸借契約ではなく賃貸借契約に該当し,借地借家法が適用されることは明らかである。 また,本件貸付契約における貸付料は年間約300万円であって,原告がと畜業という公益性の高い事業を営んでおり,附帯設備の整備等も全て原告が行ってきていることも考えれば,その貸付料が本件建物の賃貸借の対価に該当することは明らかである。 (イ) 本件貸付契約が一時使用目的の賃貸借契約ではないこと原告と被告は,平成16年に本件貸付契約を締結した際,本件覚書①において,本件と畜場について,今後施設移転を含め,どのような形で多摩地域でと畜業を維持していくかについて,B協議会等で協議して決めていくことを相互に確認したものであり,短期間で本件貸付契約を終了したり,本件と畜場を完全廃止したりすることを合意したことはない。 そして,原告は,被告から,本件と畜場が完全廃止になるという話を 聞いたことはないし,今後も本件と畜場が長期間存続することを想定して本件貸付契約を締結していたものである。 したがって,本件貸付契約は,一時使用目的の賃貸借契約(借地借家法40条)には該当せず,借地 いたことはないし,今後も本件と畜場が長期間存続することを想定して本件貸付契約を締結していたものである。 したがって,本件貸付契約は,一時使用目的の賃貸借契約(借地借家法40条)には該当せず,借地借家法の適用があることが明らかである。 (ウ) 本件貸付契約の更新を拒絶する正当事由は存在しないこと賃借人である原告には,本件建物以外にと畜業を営むことができる施設はないので,本件建物を使用することができなくなれば,原告は,と畜業を営んでと畜料収入を得ることができず,事業協同組合としても存続することができなくなる。 これに対し,賃貸人である被告には本件建物の使用を必要とする事情は存在しない。また,賃貸借に関する従前の経過をみても,原告のと畜業が継続する限り賃貸借の継続が必要であることを前提に本件貸付契約が締結されたものである。本件建物の利用状況及び現況をみても,本件建物は原告がと畜業を営むことを前提とするものであり,それ以外の用途は考えられないし,老朽化も進んでいない。そのほか,被告から立退料の申出がされたこともない。 したがって,本件更新拒絶通知に「正当の事由」(借地借家法28条)は存在しないから,本件貸付契約は,平成24年4月1日以降も法定更新(同法26条1項)されて存続しているものというべきである。 イ被告の主張以下のとおり,本件取消処分は,本件貸付契約が平成24年3月31日の経過によって終了し,原告が同年4月1日以降と畜場となり得る構造設備を喪失したことを理由として,と畜場法18条1項1号に基づいてされたものであるから,適法なものというべきである。 (ア) 本件貸付契約が使用貸借契約に該当すること本件貸付契約については,貸付料が貸付けの対象となる土地に賦課さ れる固定資産税及び都市計画税に比べて著しく低額であるこ のというべきである。 (ア) 本件貸付契約が使用貸借契約に該当すること本件貸付契約については,貸付料が貸付けの対象となる土地に賦課さ れる固定資産税及び都市計画税に比べて著しく低額であること,貸主である被告の修繕義務が免除されていることからすれば,使用貸借契約に該当することが明らかである。 そうすると,本件貸付契約は,平成24年3月31日の期間満了をもって終了したものというべきである。 (イ) 本件貸付契約が一時使用目的の賃貸借契約に該当すること原告と被告は,平成16年4月1日に本件貸付契約を締結するのと同時に本件覚書①を締結し,本件貸付契約の契約期間は原則として5年間であることを相互に確認している。そして,原告は,平成24年3月末日をもって本件貸付契約が確定的に終了し,本件建物を使用することができなくなることに合意しており,原告と被告が平成21年1月8日に締結した本件覚書②においても,本件貸付契約の更新が平成23年度までに限定され,平成24年度以降は更新されないことが明確にされている。 本件建物はと畜場以外の用途に利用することが困難であるところ,被告は,平成14年2月には,八王子市行財政改革大綱において本件と畜場廃止の方針を発表し,平成15年頃には,数年で本件と畜場を完全に廃止する方針を決めていたから,平成16年4月1日に本件貸付契約を締結した時点では,本件建物は,短期間のうちにと畜場としての機能を喪失し,取り壊されることが予定されていた。そして,原告は,本件と畜場が短期間に限って存続するにすぎないことを認識しつつ,それまでに投下した資本を回収するために,本件建物をと畜場として使用してきたものである。 また,本件貸付契約における貸付料は著しく低額であるところ,このように低額な貸付料が定められたのは,貸付期間が1 でに投下した資本を回収するために,本件建物をと畜場として使用してきたものである。 また,本件貸付契約における貸付料は著しく低額であるところ,このように低額な貸付料が定められたのは,貸付期間が1年と短期間で,更新回数も最大で5年間と限定されているなど,賃借人にとって不利益であることを考慮したからである。 さらに,原告は,被告に対し,平成24年2月8日付けの「賃貸契約延長のお願い」と題する書面を送付し,本件貸付契約が賃貸人である被告の承諾がない限り更新されない一時使用目的の賃貸借契約であることを自認する行動をしている。 そうすると,本件貸付契約は,仮に賃貸借契約に該当するとしても,一時使用目的の賃貸借契約に該当することが明らかであるから,借地借家法が適用されることはなく,平成24年3月31日の期間満了をもって終了したものというべきである。 (ウ) 更新拒絶の正当事由があること本件貸付契約が終了したとしても,原告が新たにと畜場を取得してと畜業を継続することは何ら妨げられないし,原告は,被告との間で締結した本件覚書②において,平成23年度をもって本件貸付契約が終了することを確認していたのであるから,本件建物を使用する必要がないことを自認していたものといわざるを得ない。 一方,八王子市内の畜産農家の減少に伴い,市内農家による本件と畜場の利用率が著しく低下しているため,本件と畜場の維持を被告のみで担うことは行財政政策上著しく困難な状況となっていること,平成23年度をもって東京都によると畜検査業務費の補助及び職員の派遣が打ち切られることが決定しており,平成24年度以降,東京都が本件と畜場に派遣していたのと同程度のと畜検査員等を被告が確保することは極めて困難であったこと,と畜検査員の派遣等により被告に年間約1億2000万円 ることが決定しており,平成24年度以降,東京都が本件と畜場に派遣していたのと同程度のと畜検査員等を被告が確保することは極めて困難であったこと,と畜検査員の派遣等により被告に年間約1億2000万円の負担が生じることからすれば,上記のような行財政政策上の支障を回避し,被告が本件建物を適正に管理する必要は高いといえる。 また,本件建物の賃貸借に関する従前の経過をみても,原告と被告は,本件と畜場を閉鎖するまでの短期間に限って本件貸付契約を存続させることを合意していたものであるし,本件建物は,相当程度老朽化して,耐震補強工事の実施が必要な状況であり,周辺の住環境への悪影響も懸念されている。 そうすると,本件更新拒絶通知に「正当の事由」(借地借家法28条)があることは明らかであり,本件貸付契約は,本件更新拒絶通知により,平成24年3月31日の期間満了をもって終了したものというべきである。 (2) 争点(2)(本件取消処分の手続上の適法性)についてア原告の主張以下のとおり,本件取消処分には手続上の違法があり,この手続上の違法は本件取消処分の違法事由となるから,本件取消処分は違法なものとして取り消されるべきである。 (ア) 聴聞手続(行政手続法13条1項1号)がされていないこと本件取消処分は,許認可等を取り消す不利益処分(行政手続法13条1項1号イ)に該当し,聴聞手続を行わなくともよい例外的な場合(同条2項各号)に該当しないにもかかわらず,聴聞手続が行われていない。 聴聞手続は,行政手続に憲法31条の適正手続保障の趣旨を及ぼすため,行政庁が不利益処分を行う際に,あらかじめその内容を告知して弁明と防御の機会を与えるために設けられたものである。 そうすると,本件取消処分をするに当たり聴聞手続が行われなかったという手続上の違 め,行政庁が不利益処分を行う際に,あらかじめその内容を告知して弁明と防御の機会を与えるために設けられたものである。 そうすると,本件取消処分をするに当たり聴聞手続が行われなかったという手続上の違法は,本件取消処分の違法事由となるというべきである。 (イ) 処分理由の提示(行政手続法14条1項)が不十分であること行政手続法14条1項本文が不利益処分の理由の提示を定めた趣旨は,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名あて人に知らせて不服申立ての便宜を与えるところにある。 そうすると,処分理由の提示において,どの法令のどの条文に基づく処分であるのかという適用法条の記載は,行政の恣意の抑制及び名あて人の防御のいずれの観点からも不可欠である。 本件取消処分の理由には適用法条の記載はないし,その記載内容からも適用法条が一義的に明らかではないから,本件取消処分は処分理由の提示が不十分であるところ,この手続上の違法は,本件取消処分の違法事由となるというべきである。 イ被告の主張以下のとおり,本件取消処分には手続上の違法は存在しない。 (ア) 本件取消処分は,本件貸付契約が終了した結果,原告がと畜場となり得る構造設備を喪失するに至ったためにされたものであり,本件貸付契約が平成24年3月31日をもって終了したことについては,原告と被告が締結した本件更新契約書及び本件覚書②により明らかである。 そうすると,本件取消処分は,行政手続法において聴聞手続が必要ないとされている場合として規定されている「法令上必要とされる資格がなかったこと・・・(略)・・・が判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって,その資格の不存在又は喪失の事実が・・・(略)・・・客観的な資料により直接証明されたも 上必要とされる資格がなかったこと・・・(略)・・・が判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって,その資格の不存在又は喪失の事実が・・・(略)・・・客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき」(同法13条2項2号)に該当するから,聴聞手続を行う必要はない。 (イ) また,本件取消処分は,本件貸付契約が終了した結果,原告がと畜場となり得る構造設備を喪失するに至ったためにされたものであって,と畜場の運営にはと畜場となり得る構造設備が当然必要となるものであることからすれば,本件貸付契約の帰趨と本件取消処分は連続性をもったものである。 そして,原告と被告は,本件貸付契約の終了について何度となく協議を重ねてきたものであるし,被告は,本件取消処分に先立つ仮処分申立て事件において,原告の弁解等を既に了知していた。 そうすると,本件貸付契約の終了については,原告は十分な意見の陳述を行う機会があり,被告も原告の弁解等を了知していたことからすれば,聴聞手続を経ていなくとも,行政手続法の趣旨には反しない。 (3) 争点(3)(本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの適法性)についてア原告の主張以下のとおり,本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えはいずれも適法なものというべきである。 (ア) と畜場法14条に規定する検査が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当することと畜場法14条1項から同条3項までの規定によれば,都道府県知事又は市長(以下,単に「市長」という。)がと畜検査員に検査を行わせなければ,とさつ等を行うことは一切できず,国民がと畜場を運営することはできなくなる。 このように,市長がと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせることは,と畜場設置者が有す 検査を行わせなければ,とさつ等を行うことは一切できず,国民がと畜場を運営することはできなくなる。 このように,市長がと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせることは,と畜場設置者が有すると畜場運営という権利を直接かつ確定的に形成するものである。 したがって,原告が不作為の違法確認及び義務付けの対象としているところのと畜場法14条に規定する検査は,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当する。 (イ) 法令に基づく申請権があることと畜場法によれば,獣畜のとさつ等を行おうとする者は,市長に対して検査を申請しなければならないとされている(と畜場法14条,と畜場法施行令7条,と畜場法施行規則15条)。 したがって,本件と畜場を運営する原告がとさつ等を行うためには,八王子市長に対して検査の申請をすることが不可欠であり,原告は,と畜場法に基づき,八王子市長に対してと畜場法14条に規定する検査の申請をする権利を有している。 (ウ) 原告が法令に基づく申請をしたこと原告は,平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで,八王子市長に対し,と畜場法及びと畜場法施行令に基づく本件各申請をしたが,八王子市長は,事務処理をするのに相当な期間が経過しているにもかかわらず,現在まで,本件と畜場においてと畜検査員による検査を行わせていない。 イ被告の主張以下のとおり,本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えはいずれも不適法なものというべきである。 (ア) と畜場法14条に規定する検査が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しないこと市長が,その職員のうちからと畜検査員を命ずる行為(と畜場法19条1項)は,行政組織の純然たる内部における任命行為にすぎず,国民 が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しないこと市長が,その職員のうちからと畜検査員を命ずる行為(と畜場法19条1項)は,行政組織の純然たる内部における任命行為にすぎず,国民の権利義務に対して確定的な法的影響を何ら及ぼすものではないし,そのことは,と畜検査員にと畜場法14条に規定する検査等を行わせる旨規定する同法19条2項についても同様である。 したがって,本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えは,不作為の違法確認及び義務付けの対象となる行為が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当しないから,いずれも不適法なものというべきである。 (イ) 法令に基づく申請権がないことと畜場法14条,と畜場法施行令7条及びと畜場法施行規則15条は,検査を受けようとする者に対して検査の申請を義務付けているにすぎず,検査を受けようとする者に対して検査を申請する権利まで認めたものではない。 また,と畜場法14条等に則った申請がされたとしても,市長が行うのは,申請を受け付け,と畜検査員に同法14条に規定する検査を行わせるだけであることからすれば,上記申請は,行政機関に対し,行政機関の純然たる内部における任命行為をする端緒を与えるにすぎず,上記申請を行ったものに対して,検査を受ける権利を認めたものとは解されない。 したがって,原告には法令に基づく申請権がないから,本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えは,いずれも不適法なものというべきである。 (4) 争点(4)(本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの本案要件の有無)についてア原告の主張以下のとおり,八王子市長が本件各申請にもかかわらず本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する 不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの本案要件の有無)についてア原告の主張以下のとおり,八王子市長が本件各申請にもかかわらず本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせないことは違法であるとともに,八王子市長は上記検査を行わせるべき義務を負っているというべきである。 (ア) 八王子市長による不作為が違法であること八王子市長は,原告が平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで本件各申請をして以降,事務処理をするのに相当な期間が経過しているにもかかわらず,現在まで,本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせておらず,その不作為は違法である。 (イ) 八王子市長が処分をすべきことが明らかであること本件取消処分が違法であり,かつ,本件執行停止決定により本件取消処分の効力が停止されているのであるから,と畜場法上,八王子市長がと畜検査員に同法14条に規定する検査を行わせなければならないことは明らかであって,このことについて八王子市長に裁量の余地はない。 また,仮に裁量の余地があるとしても,八王子市長が本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査をさせない合理的な理由はなく,これをしないことが裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであることは明らかである。 イ被告の主張本件取消処分によって本件設置許可処分が有効に取り消されている以上,八王子市長が本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせるべき義務を負うことはない。 したがって,八王子市長が本件各申請に対してと畜場法14条に規定する検査を行わせないことは何ら違法ではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件取消処分の実体上の適法性)について(1) したがって,八王子市長が本件各申請に対してと畜場法14条に規定する検査を行わせないことは何ら違法ではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件取消処分の実体上の適法性)について(1) 原告は,本件貸付契約は借地借家法26条1項に基づき法定更新されて終了しておらず,原告は本件建物について使用権原を有しているから,本件貸付契約終了によって原告が本件設置許可処分に係る本件建物を使用することができなくなったとしてされた本件取消処分は違法であると主張するので,以下,本件貸付契約は終了しておらず原告が本件建物について使用権原を有しているか否かについて検討する。 ア(ア) 本件貸付契約が終了したか否かを判断する前提として,本件貸付契約の法的性質について検討するに,本件貸付契約及びその更新に係る各「市有財産貸付契約書」(甲3,甲4,甲36から甲41まで)においては,冒頭に,原告と被告は,被告所有財産の貸付けに関し,次のとおり契約を締結する旨記載された上で,被告が原告に貸付けをする対象物件,貸付料の金額,貸付料の納入時期及び納入方法等がいずれも明確に規定されており,本件貸付契約は,本件建物を被告が原告に使用収益させ,原告がこれに対してその対価として貸付料を支払うという賃貸借契約の要件(民法601条参照)を満たすものであって,特段の事情がない限り,本件建物についての賃貸借契約に該当すると解するのが当事者の合理的意思に合致するというべきである。 (イ) これに対し,被告は,本件貸付契約における貸付料が著しく低額であることからすれば,本件貸付契約は使用貸借契約に該当すると主張するところ,確かに,証拠(甲3,甲4,甲36から甲41まで,乙15,乙16の1から7まで)によれば,本件貸付契約における貸付料は,貸付けの対象である土地に賦 貸付契約は使用貸借契約に該当すると主張するところ,確かに,証拠(甲3,甲4,甲36から甲41まで,乙15,乙16の1から7まで)によれば,本件貸付契約における貸付料は,貸付けの対象である土地に賦課される固定資産税及び都市計画税の額の半額程度となっていることが認められる。 しかしながら,そもそも貸主である被告は,固定資産税及び都市計画税を支払う必要がないだけでなく(地方税法348条1項,702条の2第1項参照),証拠(甲3,甲4,甲36から甲41まで,乙15,乙16の1から7まで)によれば,低額といっても,本件貸付契約における貸付料の額は年間で約240万円から約320万円であって無償と同視することができる金額であるとはいい難いことはもとより,この金額については,被告において,本件建物を有償で貸し付けることを前提としつつ,本件建物がと畜場として利用されるという公共的性格を考慮して低額に定めたものであること,本件貸付契約においては,本件建物の維持,保存,改良その他の行為をするために支出する経費は借主である原告の負担とすることが合意されていることがそれぞれ認められる。 これらの事実によれば,原告と被告は,本件建物の使用収益の対価として貸付料を支払うという合意をしつつ,本件建物の特殊性・公共性や賃貸人の義務が軽減されていることなどを踏まえて貸付料の額を決めたものと認められるから,被告の上記主張は採用することができない。 (ウ) したがって,本件貸付契約は,本件建物の賃貸借を目的とする賃貸借契約に該当するものというべきである。 イ(ア) 一方,被告は,本件貸付契約が賃貸借契約に該当するとしても,一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかであるから,借地借家法の適用を受けず(同法40条),期間満了により本件貸付契約は終了したと 一方,被告は,本件貸付契約が賃貸借契約に該当するとしても,一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかであるから,借地借家法の適用を受けず(同法40条),期間満了により本件貸付契約は終了したと主張する。 そこで検討するに,前記争いのない事実等及び証拠(末尾に掲記する。)によれば,以下の各事実が認められる。 a 被告は,昭和11年から本件と畜場を運営してきたが,市内の畜産農家の減少に伴って,これらの畜産農家による本件と畜場の利用率が著しく低下したことに加え,施設の老朽化や周辺の住環境への影響も考慮すると,被告のみで本件と畜場の運営を継続することは困難な状況であると判断し,平成14年2月に作成した八王子市行財政改革大綱において,平成15年度に本件と畜場を廃止し,施設を有効活用する方針を打ち出した(乙3,乙4,乙24,乙26の1から3まで)。 被告の上記方針を受け,東京都,被告及び生産者団体が参加するD委員会が平成14年10月3日に設置され,同検討委員会は,平成15年3月20日付けで,東京都及び被告に対し,本件と畜場が廃止された場合,都内畜産農家及び家畜商の経営に深刻な影響を及ぼすことが想定されることから,都内に食肉処理場を何らかの方法で維持する必要があるが,本件と畜場廃止までの段取りに一定の期間を要するため,平成18年3月までの当面の間,本件と畜場の運営を行うべきこと,現在地における食肉処理場の長期運営は困難であることから,将来的には新たな場所での施設整備を視野に入れながら,広域的な対応について,東京都が新たに立ち上げる協議会で検討していくことなどを内容とする最終報告を提出した(乙3,乙24,乙29)。 東京都は,平成15年10月2日に,都内畜産農家の経営の安定を図るために本件と畜場の運営主体の移管及び新たな食肉処理場 検討していくことなどを内容とする最終報告を提出した(乙3,乙24,乙29)。 東京都は,平成15年10月2日に,都内畜産農家の経営の安定を図るために本件と畜場の運営主体の移管及び新たな食肉処理場の整備について検討する目的で,被告を含む多摩地区の自治体,生産者団体及び原告の前身であるE組合(任意組合)等が参加するB協議会を設置した(乙30)。上記協議会では,平成16年4月以降の本件と畜場の運営は,E組合に移管するのが適当であるとの方針が議論され,これを受けて,同組合は,東京都に対し,平成15年10月24日付けで,本件と畜場の運営を行うため事業協同組合の設立を目指すこと,本件と畜場の整備等に係る諸経費を償還しながら新たな経営を行うためには,原告が本件と畜場の運営を8年程度継続していくことを要望することなどを内容とする書面を提出した(乙7,乙8,乙29,乙30)。 東京都は,上記書面が提出されたことから,被告に対し,E組合への運営移管後は同組合の要望に添った期間の事業継続が実現するよう配慮することを要望する旨の書面を送付した(乙9)。 bE組合の組合員であった中小零細の畜産農家及び家畜商(以下「畜産農家等」という。)等は,東京都知事から認可を受けて,平成16年3月4日に事業協同組合である原告を設立し,同月29日付けで,東京都知事から本件設置許可処分を受けた(前記争いのない事実等(1),(2),甲16,乙25)。 そして,原告は,被告との間で本件貸付契約を締結して,本件と畜場の運営の移管を受けたところ,平成16年4月1日に本件貸付契約を締結するに当たり,「貸付期間は1年間とする。ただし,平成15年度までの協議経過を踏まえて,平成16年度から5年間を目途として更新できるものとする。」との条項,並びに,原告及び被告は「東 締結するに当たり,「貸付期間は1年間とする。ただし,平成15年度までの協議経過を踏まえて,平成16年度から5年間を目途として更新できるものとする。」との条項,並びに,原告及び被告は「東京都が主催するB協議会における議論を踏まえつつ,前項の更新期間満了までにその後の食肉処理施設のあり方について協議していくものとする。」との条項が含まれた本件覚書①の内容について合意した(前記争いのない事実等(2)ア)。 c 原告は,本件と畜場の運営を移管された平成16年4月以降,B協議会に参加しており,同運営協議会においては,原告に対する金銭的な運営支援や新たな施設整備の見通し等について議論されていたが,平成20年4月までに,本件と畜場の廃止については議題に上がっていなかった(乙32の1及び2,証人F)。 d 東京都は,被告による照会があったことから,平成20年2月14日付けで,被告に対し,B協議会において食肉処理場の今後の運営や代替施設の可能性について議論しているが,東京都としては,と畜場法上人家の密集しているところでの新たなと畜場設置許可は困難であること,東京都中央卸売市場食肉市場の処理能力に余裕があること,新たな食肉処理場の整備をしても集荷の向上は困難と思われることから,新たな食肉処理場の整備をしない方針である旨の書面を送付した(乙18)。 被告は,平成20年3月26日の経営会議(八王子市長,副市長,部長等で構成される行財政の最高方針等の審議調整機関)において,本件建物の貸付期間について,東京都の全額負担でと畜検査が行われる平成23年度まで延長し,平成24年度以降は本件と畜場を完全廃止することを決定した(乙11,乙35,証人F)。 e 原告と被告は,平成21年1月8日に「貸付期間は1年間とする。 ただし,平成20年度までの協議経 まで延長し,平成24年度以降は本件と畜場を完全廃止することを決定した(乙11,乙35,証人F)。 e 原告と被告は,平成21年1月8日に「貸付期間は1年間とする。 ただし,平成20年度までの協議経過を踏まえて,平成21年度から3年間に限り更新できるものとする。」との条項,並びに,原告及び被告は「東京都が主催するB協議会における議論を踏まえつつ,前項の更新期間満了までにその後の食肉処理施設のあり方について協議していくものとする。」との条項が含まれた本件覚書②を締結した(前記争いのない事実等(2)イ)。 本件覚書②を締結した時点において,原告は,本件建物以外にと畜場を設置することができる施設を所有又は賃借しておらず,近い将来にこのような施設を所有又は賃借することができる見込みもないだけでなく,東京都が新たな食肉処理場の整備をしない方針であったことから,原告が本件建物を使用することができなくなった場合,原告の組合員である中小零細の畜産農家等は遠方のと畜場を利用することを余儀なくされ,その経営に深刻な影響が生じるおそれがあった(甲16,乙3,原告代表者)。しかし,原告と被告は,本件覚書②が締結された後も,本件と畜場閉鎖後の食肉処理施設の在り方について具体的な協議を行っていない(甲17,甲18)。 f 原告及び被告は,平成23年4月1日付けで本件貸付契約を更新したが,その更新に係る本件更新契約書には,更新前の契約書と全く同様に,第17条(契約更新の申請)として,「乙(注:原告)は,貸付期間満了後引き続いて貸付物件を借り受けようとするときは,貸付期間満了の1か月前までに普通財産貸付申請書で甲(注:被告)に申請しなければならない」との条項(以下「本件契約更新条項」という。)が含まれている(甲3,甲4,甲36から甲41まで)。 そ は,貸付期間満了の1か月前までに普通財産貸付申請書で甲(注:被告)に申請しなければならない」との条項(以下「本件契約更新条項」という。)が含まれている(甲3,甲4,甲36から甲41まで)。 そして,被告は,原告との間で本件更新契約書を締結するに当たり,被告内部において,本件契約更新条項を削除する方向で検討をし,原告に対し,本件契約更新条項の削除を申し入れたが,原告が本件契約更新条項を残すことを強く要望したため,被告はこれを受け容れて,本件契約更新条項が含まれた本件更新契約書が締結された(証人F,原告代表者)。 g 被告は,平成23年6月30日付けで,原告に対し,同年度をもって本件と畜場の完全閉鎖を決定したので,平成24年以降の本件貸付契約の更新はしないことを内容とする本件更新拒絶通知をした(乙13)。 h 東京都は,平成23年11月30日に開催されたB協議会において,初めて,本件と畜場が閉鎖された場合に原告の組合員である畜産農家等が被る影響に対する激変緩和措置として,運搬費用についての補助金事業を平成24年度予算で要求中であることを説明した(乙22)。 (イ)a 以上を前提として検討するに,一般に,借地借家法40条に規定する一時使用の建物賃貸借といえるかどうかについては,必ずしもその期間の長短だけを標準として決せられるべきものではなく,賃貸借の目的,動機,その他諸般の事情から,当該賃貸借契約を短期間に限り存続させる趣旨のものであるかを客観的に判断すべきものと解される(最高裁昭和36年10月10日第三小法廷判決・民集15巻9号2294頁参照)。 そして,上記のような,被告が昭和11年から運営してきた本件と畜場を平成15年に廃止して施設を有効活用しようとした方針,本件と畜場の運営が原告に移管されることとなった経緯, 号2294頁参照)。 そして,上記のような,被告が昭和11年から運営してきた本件と畜場を平成15年に廃止して施設を有効活用しようとした方針,本件と畜場の運営が原告に移管されることとなった経緯,本件と畜場の運営期間についてE組合が東京都に送付した書面の内容,東京都の全額負担でと畜検査が行われるのは平成23年度末までであったこと,原告と被告の間で締結された本件各覚書の内容等に照らすと,本件貸付契約は,本件と畜場を直ちに廃止した場合に畜産農家等の経営に深刻な影響を及ぼすことから,廃止に至るまでの当面の措置として本件と畜場の運営を継続するために締結されたものであって,その意味では,被告としては,一定期間で終了する旨の賃貸借契約を締結したいという思惑があったように見受けられる。 b しかしながら,D委員会及びB協議会においては,一定の年限の経過により無条件で本件と畜場を閉鎖することを前提に議論が行われていたものではなく,畜産農家等の経営を保護するため,新たな施設整備の可能性等も含め,食肉処理施設の在り方について検討されてきたものであるし,原告と被告が締結した本件各覚書にも,B協議会における議論を踏まえつつ,更新期間満了までにその後の食肉処理施設のあり方について協議していく旨の条項が含まれているところ,本件貸付契約が更新された平成23年4月1日の段階までに,上記協議会や原告と被告の間の協議において,今後の食肉処理施設の在り方について一定の方向性が出ていたり,東京都による畜産農家等に対する激変緩和措置の内容が決まっていたりしてはいなかった。そして,原告が本件建物以外にと畜場を運営することができる施設を確保することができる見込みはなく,原告が本件建物を使用することができなくなった場合には,原告の組合員である畜産農家等の経営に深刻 た。そして,原告が本件建物以外にと畜場を運営することができる施設を確保することができる見込みはなく,原告が本件建物を使用することができなくなった場合には,原告の組合員である畜産農家等の経営に深刻な影響が生じるおそれがあったことなどから,原告は,平成23年4月1日付けの本件更新契約書においても,本件契約更新条項を存続させるように強く要望し,被告はこれを受け容れて同契約書に本件契約更新条項を存続させたものである。 そうすると,これらの事実を考え合わせれば,本件各覚書を締結した平成16年4月1日及び平成21年1月8日,あるいは本件貸付契約を更新した平成23年4月1日のいずれの時点においても,原告及び被告の両当事者が,平成24年3月末日をもって本件貸付契約が確定的に終了し,本件建物を利用することができなくなることを認識し,そのように合意をしていたとは認められない。 c これに対し,被告は,原告は平成24年3月末日をもって本件貸付契約が確定的に終了して本件建物を利用することができなくなることに合意していた旨主張し,被告の農林課長として本件と畜場の貸付けに係る業務を担当していたFは,平成20年4月2日にFら被告の担当者が原告代表者と面談した際,本件貸付契約は平成23年度まで継続するが,同年度をもって本件と畜場は全ての業務を終了して閉鎖することを明確に伝えた旨記載した陳述書(乙33)を作成するとともに,同旨の証言をしている。 確かに,Fが原告代表者との間で上記面談を行った際の面談メモ等(乙34,乙35)の記載によれば,被告の担当者は原告代表者に対して平成23年度をもって本件と畜場を閉鎖する旨述べたものと認められる。 しかしながら,Fの証言によっても,原告代表者は被告の担当者の上記発言に対して特段異論や反論を述べなかったのみで 代表者に対して平成23年度をもって本件と畜場を閉鎖する旨述べたものと認められる。 しかしながら,Fの証言によっても,原告代表者は被告の担当者の上記発言に対して特段異論や反論を述べなかったのみで,これを積極的に了承したわけではないし,かえって,証拠(甲4,乙10,乙12,証人F,原告代表者)によれば,上記面談の後にFが内容を確認した上で締結された本件覚書②には,本件覚書①と全く同様に,B協議会における議論を踏まえつつ,更新期間満了までにその後の食肉処理施設の在り方について協議していく旨の条項が含まれていただけでなく,平成23年4月1日付けで本件貸付契約を更新した際には,原告代表者が本件更新契約書に本件契約更新条項を残すよう強く要望したため,本件貸付契約の更新を担当していたFは,本件契約更新条項を残すことを了承していることが認められることからすれば,原告において,平成23年度末をもって本件貸付契約が確定的に終了し,本件建物を利用することができなくなることを了承し,これに合意していたものとは認め難く,被告の上記主張は採用することができない。 d また,被告は,原告が八王子市長に対して平成24年2月8日付けの「賃貸契約延長のお願い」と題する書面(乙19)を送付したことをもって,本件貸付契約が一時使用目的の賃貸借契約であることを自認する行動をしていたと主張するが,同書面には,本件貸付契約が本件建物の一時使用目的で締結されたことをうかがわせる記載は存在しないし,一般に,借地借家法が適用され法定更新がされ得る建物賃貸借契約であっても,当事者の合意により更新されることはよく見られるところであり,このような場合に賃借人が賃貸人に対して上記のような書面を送付等することは何ら不自然ではないから,原告が上記書面を送付したからといって,本 事者の合意により更新されることはよく見られるところであり,このような場合に賃借人が賃貸人に対して上記のような書面を送付等することは何ら不自然ではないから,原告が上記書面を送付したからといって,本件貸付契約が一時使用目的の賃貸借契約であると認識していたと推認することはできず,被告の上記主張は採用することができない。 (ウ) 以上によれば,本件貸付契約については,本件建物の一時使用のために締結されたことが明らかである(借地借家法40条)とは認められないから,借地借家法の適用を受けるものというべきである。 ウまた,被告は,本件貸付契約について借地借家法が適用されるとしても,被告が原告に対してした本件更新拒絶通知には「正当の事由」(借地借家法28条)があるから,本件貸付契約は法定更新されずに期間満了で終了したと主張する。 そこで検討するに,この「正当の事由」があるか否かについては,建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情を基本的要素とし,建物賃貸借に関する従前の経過,建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人による立退料の支払の申出を補完的要素として考慮して判断する必要がある(借地借家法28条参照)ところ,被告は,本件建物を被告が使用する必要性があることについて何ら主張立証していないし,本件全証拠によっても被告にそのような必要性があったとは認められない。 他方で,前記争いのない事実等(1)ア及び証拠(甲11,甲16,乙3,原告代表者)によれば,原告は,本件と畜場の運営を目的に,畜産農家等を組合員として設立された事業協同組合であって,原告はその収入のほとんどを本件と畜場から得られると畜料等に依存しているだけでなく,本件建物以外にと畜場を設置することができる施設を所有又は賃借しておらず,近い将来にこのような施設 同組合であって,原告はその収入のほとんどを本件と畜場から得られると畜料等に依存しているだけでなく,本件建物以外にと畜場を設置することができる施設を所有又は賃借しておらず,近い将来にこのような施設を所有又は賃借することができる見込みもないため,本件建物を使用することができなくなった場合,原告の存続自体が危機に瀕するだけでなく,原告の組合員である中小零細の畜産農家等は,遠方のと畜場を利用することを余儀なくされ,その経営に深刻な影響が生じることが認められるから,原告が本件建物を使用する必要性は非常に高いものであることが認められる。 なお,被告は,と畜検査員の派遣等に伴う財政上の負担増等を回避するために,本件貸付契約の更新を拒絶する必要性が高いと主張するが,このような事情は,被告が本件建物を使用する必要性があることを示す事情とはいい難いし,そもそもと畜検査員の派遣が必要となるのは,原告に対して本件設置許可処分がされているからであって,本件貸付契約が更新されるか否かと直接的な関係を有するわけでもないから,被告の主張は採用することができない。 そうすると,双方の使用の必要性についてのいわば補完的要素であるところの建物賃貸借に関する従前の経過等について検討するまでもなく,そもそも本件更新拒絶通知に「正当の事由」があるとは認め難いというべきである。 また,補完的要素について検討しても,上記イで認定したような本件貸付契約に関する従前の経過のみをもって,本件貸付契約の更新を拒絶する「正当の事由」があるとまで認めることは困難であるし,本件建物が老朽化しており取壊し等を要する状況にあることや,被告が立退料の支払を申し出たという事情も見当たらないことからすれば,本件更新拒絶通知に「正当の事由」があると認めることはできない。 エ以上によれ おり取壊し等を要する状況にあることや,被告が立退料の支払を申し出たという事情も見当たらないことからすれば,本件更新拒絶通知に「正当の事由」があると認めることはできない。 エ以上によれば,本件貸付契約は借地借家法26条1項により法定更新されて継続しており,原告は,本件建物の使用権原を有しているから,原告がと畜場の構造設備を喪失したとは認められない。 したがって,本件取消処分は,処分事由を欠く違法なものというべきである。 2 争点(2)(本件取消処分の手続上の適法性)について(1) 原告は,本件取消処分について,聴聞手続を経ていないから,本件取消処分は手続的にも違法であるとも主張するので,この点について検討する。 ア本件取消処分は,原告にされていた本件設置許可処分を取り消すものであるから,「許認可等を取り消す不利益処分」(行政手続法13条1項1号イ)に該当し,本件取消処分をしようとするときは,聴聞手続を行わなければならないところ,被告が本件取消処分をするに当たって聴聞手続を行っていないことは当事者間に争いがない。 イこれについて,被告は,本件取消処分は,行政手続法において意見陳述手続が不要とされている場合である「法令上必要とされる資格がなかったこと・・・(略)・・・が判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって,その資格の不存在又は喪失の事実が・・・(略)・・・客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき」(同法13条2項2号)に該当するから,聴聞手続を行う必要はないと主張する。 しかしながら,被告は,本件貸付契約が終了し原告がと畜場の構造設備を喪失したから,と畜場法18条1項1号に基づき本件取消処分をしたと主張しているところ,同条項は,同項各号に規定する事由が存在する場合であっても,設置 は,本件貸付契約が終了し原告がと畜場の構造設備を喪失したから,と畜場法18条1項1号に基づき本件取消処分をしたと主張しているところ,同条項は,同項各号に規定する事由が存在する場合であっても,設置許可の取消し,施設の使用制限又は使用停止の処分を行うかどうか,また,いかなる処分を行うかについて市長に裁量があることを前提としていることがその文言上明らかであるから,同項に基づく一般と畜場設置許可取消処分が,行政手続法13条2項2号にいう「法令上必要とされる資格がなかったこと・・・(略)・・・が判明した場合に必ずするとされている不利益処分」に該当するとはいえない。 また,行政手続法13条2項が,同項2号に該当する場合に聴聞手続を不要とした趣旨は,同号所定の場合には,処分の相手方の意見を考慮するまでもなく処分の要件に該当していることを確認し得るから,聴聞手続を省略しても同法の趣旨に反するものではないことにあるものと解される。 そうすると,行政手続法13条2項2号にいう「客観的な資料により直接証明されたもの」とは,処分の相手方の意見を聴かなくてもその証明力に十分な信頼を置ける資料によって,客観的かつ明確に証明されたものを指すと解するのが相当であるところ,被告が,上記「客観的な資料」に該当すると主張するものは,原告と被告の間で締結された本件覚書②及び本件更新契約書にすぎず,これらの資料に記載された条項自体も解釈の余地があるものであるし,上記1で述べたとおり,これらの資料からは被告が主張する本件貸付契約の終了が認められないことからしても,これらの資料から客観的かつ明確に,本件貸付契約が終了したことが証明されているとはいえないことは明らかである。 したがって,本件取消処分について,行政手続法13条2項2号に基づき聴聞手続を省略することはで 料から客観的かつ明確に,本件貸付契約が終了したことが証明されているとはいえないことは明らかである。 したがって,本件取消処分について,行政手続法13条2項2号に基づき聴聞手続を省略することはできないというべきである。 ウまた,被告は,本件貸付契約の帰趨と本件取消処分は連続性をもったものであり,本件貸付契約の終了については,原告は十分な意見の陳述を行う機会があり,被告も原告の弁解等を了知していたことからすれば,聴聞手続を経ていなくとも,行政手続法の趣旨には反しないと主張する。 しかし,行政手続法は,行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り,もって国民の権利利益の保護に資することを目的に制定されたものであり(同法1条1項),不利益処分を行うに当たっては,公正・透明な手続を法的に保障しつつ,処分の原因となる事実について,処分の相手方に対して自らの防御権を行使する機会を付与する必要があるという観点から,13条以下に,不利益処分をしようとする場合の手続に関する規定を置き,特に,処分の相手方に及ぼす不利益の程度が大きい不利益処分をしようとする場合には聴聞手続を要求し,公正・透明な聴聞手続を保障するため,15条から28条までに様々な手続規定を置いているものである。 したがって,被告が主張するように,行政庁が実質的に処分の相手方の意見を聴取していれば,聴聞手続を全く行わなくともよいと解することは,上記のような行政手続法の趣旨・目的を没却するものというほかない。 まして,本件においては,被告は,本件貸付契約の終了について原告とやり取りをしてきたにすぎず,本件設置許可処分の取消しについては,何ら原告の意見を聴取していないのであるから,このような被告の行った手続が行政手続法の趣旨に反しないと解すべき余地はない。 エ以上によれば, してきたにすぎず,本件設置許可処分の取消しについては,何ら原告の意見を聴取していないのであるから,このような被告の行った手続が行政手続法の趣旨に反しないと解すべき余地はない。 エ以上によれば,本件取消処分は,行政手続法13条1項1号イが要求する聴聞手続を欠くという違法な手続により行われたものである。 そして,行政手続法が不利益処分を行うに当たって聴聞手続を必要とした趣旨は上記ウで述べたとおりであり,聴聞手続が全く行われないままで不利益処分がされたような場合には,その瑕疵は手続全体の公正を害するものといえるから,当該不利益処分も違法となるものと解するのが相当である。 (2) したがって,本件取消処分については,理由の提示が十分であったか否かについて検討するまでもなく,手続上の瑕疵によって違法なものとなるというべきである。 3 争点(3)(本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの適法性)について(1) 原告は,本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えにおいて,本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせることを求める本件各申請について八王子市長が何らの処分をしないことが違法であることの確認を求めるとともに,八王子市長に上記検査を行わせることの義務付けを求めているところ,不作為の違法確認の訴えにおける違法確認の対象及び義務付けの訴えにおける義務付けの対象は,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項),すなわち,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているもの(最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)でなければならない。 その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているもの(最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)でなければならない。 そこで,原告が不作為の違法確認及び義務付けの対象としていると畜場法14条に規定する「検査」が「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当するか否かについて検討するに,と畜場法の規定をみると,同法13条1項及び同条2項は,と畜場以外の場所において,食用に供する目的で獣畜をとさつ又は解体することを禁止するとともに,同法14条1項から同条3項までは,と畜場においては,市長の行う「検査」を経た後でなければ,獣畜のとさつ,解体又は解体後の肉等の持ち出しをしてはならないと規定している。そして,と畜場法は,上記「検査」は,家畜伝染病予防法等に規定する家畜伝染病等の有無について,獣医師の資格を有する職員のうちから市長が命じたと畜検査員が,望診,検温,触診,解剖検査,顕微鏡検査その他の必要な方法により行う(同法19条1項,と畜場法施行令8条1項,10条)とし,市長が,上記「検査」の結果,獣畜が疾病にかかり,若しくは異常があり食用に供することができないと認めたとき,又は当該獣畜により若しくは当該獣畜のとさつ若しくは解体により病毒を伝染させるおそれがあると認めたときは,公衆衛生上必要な限度において,当該獣畜のとさつ又は解体を禁止することができる(同法16条)と規定している。 そうすると,これらのと畜場法及びと畜場法施行令の規定によれば,同法14条に規定する「検査」とは,市長が,獣畜の肉等を食品として流通させることが適当か否かという公衆衛生上の観点から,専門的知識を有すると畜検査員をして家畜伝染病等の有無を調べさせるものであって,市長による公権 する「検査」とは,市長が,獣畜の肉等を食品として流通させることが適当か否かという公衆衛生上の観点から,専門的知識を有すると畜検査員をして家畜伝染病等の有無を調べさせるものであって,市長による公権力の行使として行われるものであるということができ,また,と畜場を運営してと畜業を行う者は,市長がと畜検査員に上記「検査」を行わせない限り,畜産農家等からの依頼を受けて食用に供する目的での獣畜のとさつ,解体等を行って,その対価を得ることができないのであるから,市長がと畜検査員に行わせる上記「検査」は,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものということができる。 したがって,市長がと畜検査員に行わせると畜場法14条に規定する「検査」は,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当するものと解される。 (2) 次に,本件義務付けの訴えが,いわゆる申請型義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項2号)又はいわゆる非申請型義務付けの訴え(同項1号)のいずれに該当するかについてみるに,両者の訴えは一定の処分を求める「法令に基づく申請」がされたか否かで区別される。そして,ここでいう「法令に基づく申請」がされたというためには,その申請者が法令に基づく申請権を有することが必要であると解される。 そこで,原告が法令に基づく申請権を有するか否かについて検討するに,上記(1)で述べたとおり,と畜場を運営してと畜業を行う者は,市長がと畜検査員に検査を行わせない限り,畜産農家等からの依頼を受けて食用に供する目的での獣畜のとさつ,解体等を行って,その対価を得ることができないところ,と畜場法及びと畜場法施行令は,と畜場法14条に規定する検査を受けようとする者は申請書を都道府県知事に提出 けて食用に供する目的での獣畜のとさつ,解体等を行って,その対価を得ることができないところ,と畜場法及びと畜場法施行令は,と畜場法14条に規定する検査を受けようとする者は申請書を都道府県知事に提出しなければならないとしている(同法14条,同施行令7条)。また,と畜場法及びと畜場法施行令には,検査の申請があった場合以外に,市長が職権で上記検査を行うことがあり得ることをうかがわせる規定はないから,申請による場合しか上記検査は行われないことになる。 したがって,と畜場法及びと畜場法施行令は,同法14条に規定する検査を受けようとする者に検査の申請権を付与しているものと解するのが相当であり,本件義務付けの訴えは,いわゆる申請型義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項2号)に該当するものというべきである。 (3) また,不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項)及びいわゆる申請型義務付けの訴え(同法3条6項2号)は,法令に基づく申請をした者に限り提起することができるとされている(同法37条,37条の3第1項及び第2項)。 そこで,原告が法令に基づく申請をしたといえるか否かについて検討するに,前記争いのない事実等(2)ウ及び(4)アによれば,原告は,本件設置許可処分を取り消す旨の本件取消処分を受けたものの,本件執行停止決定により本件取消処分の効力が停止されていることが認められるから,原告は,一般と畜場設置許可処分を受けている者として,八王子市長に対し,と畜場法14条に規定する検査の申請権を有するものということができる。そして,前記争いのない事実等(2)エによれば,原告は,平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで,と畜場法施行規則15条1項所定の事項を記載した検査申請書を八王子市健康福祉部(八王子市保健所)生活衛生課に提出 ない事実等(2)エによれば,原告は,平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで,と畜場法施行規則15条1項所定の事項を記載した検査申請書を八王子市健康福祉部(八王子市保健所)生活衛生課に提出する方法で,八王子市長に対し,と畜場法14条及びと畜場法施行令7条に基づき,それぞれ豚1頭について,と畜場法14条に規定する検査を行うことを求める本件各申請をしたことが認められる。 したがって,原告は,八王子市長に対し,と畜場法14条及びと畜場法施行令7条に基づく申請を行ったものと認められる。 (4) さらに,いわゆる申請型義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項2号)は,法令に基づく申請に対し相当の期間内に何らの処分がされないなどの要件を満たす場合に限り,提起することができるとされている(同法37条の3第1項1号)。 そこで,原告による本件各申請について,相当の期間内に何らの処分がされないといえるか否かについて検討するに,前記争いのない事実等(2)エ及び弁論の全趣旨によれば,八王子市長は,原告が平成24年10月4日付け及び同年11月1日付けで行った本件各申請に対し,現在に至るまで,本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせておらず,また,今後も上記検査を行わないとの意思を明らかにしていることが認められる。 そして,八王子市長が現在まで上記検査を行わないことについて正当な理由が存在すると認めるに足りる主張立証はないから,八王子市長は,原告による本件各申請に対して,正当な理由なく相当の期間内に何らの処分をしていないものというべきである。 (5) なお,原告は,本件義務付けの訴えにおいて,本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査に限定することなく,本件と畜場においてと畜検査員に上記検査を行わせることを いものというべきである。 (5) なお,原告は,本件義務付けの訴えにおいて,本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査に限定することなく,本件と畜場においてと畜検査員に上記検査を行わせることを義務付けるよう求めているが,いわゆる申請型義務付けの訴えにおいては,申請に係る処分以外の処分の義務付けを求めることはできないから,本件義務付けの訴えのうち,本件各申請に係るもの以外の検査を行わせるよう求める部分は不適法なものというべきである。 (本件義務付けの訴えに係る原告の請求の趣旨については,本件各申請に係る検査の義務付けを求めるものと善解する余地もないではないが,念のため上記のとおり判断したものである。)(6) 以上によれば,八王子市長が本件各申請に対して何らの処分をしないことが違法であることの確認を求める本件不作為の違法確認の訴え,及び本件義務付けの訴えのうち,八王子市長に対して本件と畜場においてと畜検査員に本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査を行わせるよう求める部分は,いずれも適法なものというべきである。 4 争点(4)(本件不作為の違法確認の訴え及び本件義務付けの訴えの本案要件の有無)について(1) 上記3(4)で述べたとおり,八王子市長は正当な理由なく原告による本件各申請に対して相当の期間内に何らの処分をしていないものと認められるから,その不作為は違法なものというべきである。 (2) そして,と畜場法及びと畜場法施行令には,と畜場設置許可処分を受けた者が,同設置許可処分に係ると畜場において,と畜場法14条に規定する検査を受けるための適法な検査の申請(と畜場法施行令7条)をした場合に,市長が検査を拒否することがあり得ることや検査を行うか否かについて裁量権を有することを前提とする規定は見当たらないことからす る検査を受けるための適法な検査の申請(と畜場法施行令7条)をした場合に,市長が検査を拒否することがあり得ることや検査を行うか否かについて裁量権を有することを前提とする規定は見当たらないことからすれば,と畜場の設置許可がされている場合に,市長が検査の申請に応じて検査を行うべきことはと畜場法の規定から明らかというべきであって,「行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかである」(行政事件訴訟法37条の3第5項)というべきである。なお,被告も,本件仮の義務付け事件に係る審尋期日において,と畜場設置許可処分がされている場合に,行政庁がと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせないという裁量権はなく,本件において,本件仮処分決定及び本件執行停止決定がされているにもかかわらず,八王子市長が本件と畜場においてと畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせていないことは違法であると自認していたことは当裁判所に顕著である。 そうすると,八王子市長は,本件と畜場において,と畜検査員に,原告がした本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査を行わせる義務を負うものというべきである。(なお,上記で述べたことは,本件各申請に限って該当するものではなく,八王子市長は,原告からと畜場法14条に規定する検査の適法な申請があれば,本件と畜場において,と畜検査員に同検査を行わせるべき義務を負っているものである。)(3) したがって,本件各申請について八王子市長が何らの処分をしないことは違法であり,八王子市長は,本件と畜場において,と畜検査員に,本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査を行わせる義務を負うものというべきである。 第4 結論よって,本件訴えのうち,八王子市長に対してと畜検査員に本件各申請に 場において,と畜検査員に,本件各申請に係ると畜場法14条に規定する検査を行わせる義務を負うものというべきである。 第4 結論よって,本件訴えのうち,八王子市長に対してと畜検査員に本件各申請に係るもの以外のと畜場法14条に規定する検査を行わせるよう求める部分は不適法であるからこれを却下することとし,その余の原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条ただし書を適用して,主文のとおり判決する。 なお,付言するに,被告の訴訟代理人らは,本件仮の義務付け事件における審尋期日において,裁判所が仮の義務付け決定や義務付け判決をしたとしても,その判断に従って,と畜検査員にと畜場法14条に規定する検査を行わせる意思はない旨明言し,当裁判所が平成24年10月23日に本件仮の義務付け決定をして同決定の効力が生じ,しかもその即時抗告に対して東京高等裁判所が同年12月19日に同抗告を棄却する旨の決定をし,本件仮の義務付け決定は確定したにもかかわらず,これに従った措置をしていないことは当裁判所に顕著である。およそ行政機関の訴訟代理人らが,裁判所の判断が出ても従うつもりはない旨の発言をし,実際にそのような行動を取っていること自体,法治国家における行政機関として通常考え難い事態であるといわざるを得ないことはもとより,平成17年に施行された改正行政事件訴訟法が義務付けの訴え及び仮の義務付け決定を新設したにもかかわらずこの実効性を確保するための手段を明示的に規定することまでしなかったのは,行政機関や行政庁は,法律に則った司法手続に基づき判断された事項については適切に履行することが当然の前提とされていたからにほかならず,本件の被告のような対応はおよそ想定されていなかった事 行政機関や行政庁は,法律に則った司法手続に基づき判断された事項については適切に履行することが当然の前提とされていたからにほかならず,本件の被告のような対応はおよそ想定されていなかった事態である。被告である八王子市及び八王子市長は,法治国家である我が国の地方公共団体あるいはその長として,法律による行政の原理を踏まえ,本件仮の義務付け決定の内容に沿って速やかに対処すべきであることを付言する次第である。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官定塚誠 裁判官竹林俊憲 裁判官馬場俊宏別紙関係法令の定め第1 と畜場法 1 3条(定義)(1) 1項この法律で「獣畜」とは,牛,馬,豚,めん羊及び山羊をいう。 (2) 2項この法律で「と畜場」とは,食用に供する目的で獣畜をとさつし,又は解体するために設置された施設をいう。 (3) 3項この法律で「一般と畜場」とは,通例として生後1年以上の牛若しくは馬又は1日に10頭を超える獣畜をとさつし,又は解体する規模を有すると畜場をいう。 2 4条(と畜場の設置の許可)(1) 1項一般と畜場又は簡易と畜場は,都道府県知事(保健所を設置する市にあっては,市長。以下同じ。)の許可を受けなければ,設置してはならない。 (2) 2項前項の規定による許可を受けようとする者は,構造設備その他厚生労働省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。 3 5条1項柱書都道府県知事は,前条第1項の規定による許可の申請があった場合において,当該と畜場の設置の場所が次の各号のいずれかに該当するとき,又は当該と畜場の構造設備が政令で定める一般と畜場 3 5条1項柱書都道府県知事は,前条第1項の規定による許可の申請があった場合において,当該と畜場の設置の場所が次の各号のいずれかに該当するとき,又は当該と畜場の構造設備が政令で定める一般と畜場若しくは簡易と畜場の基準に合わないと認めるときは,同項の許可を与えないことができる。 4 13条(獣畜のとさつ又は解体)(1) 1項本文何人も,と畜場以外の場所において,食用に供する目的で獣畜をとさつしてはならない。 (2) 2項本文何人も,と畜場以外の場所において,食用に供する目的で獣畜を解体してはならない。 5 14条(獣畜のとさつ又は解体の検査)(1) 1項と畜場においては,都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外の獣畜をとさつしてはならない。 (2) 2項と畜場においては,とさつ後都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外の獣畜を解体してはならない。 (3) 3項本文と畜場内で解体された獣畜の肉,内臓,血液,骨及び皮は,都道府県知事の行う検査を経た後でなければ,と畜場外に持ち出してはならない。 (4) 6項前各項の規定による検査は,次に掲げるものの有無について行うものとする。 一家畜伝染病予防法(・・・(略)・・・)第2条第1項に規定する家畜伝染病及び同法第4条第1項に規定する届出伝染病二前号に掲げるもの以外の疾病であって厚生労働省令で定めるもの三潤滑油の付着その他の厚生労働省令で定める異常(5) 7項前項に定めるもののほか,第1項から第5項までの規定により都道府県知事及び厚生労働大臣の行う検査の方法,手続その他検査に関し必要な事項は,政令で定める。 6 16条(とさつ解体の禁止等)都道府県知事は,第14条の規定による検査の結果,獣畜が疾病にかかり,若しくは異常があり食用に供することが 法,手続その他検査に関し必要な事項は,政令で定める。 6 16条(とさつ解体の禁止等)都道府県知事は,第14条の規定による検査の結果,獣畜が疾病にかかり,若しくは異常があり食用に供することができないと認めたとき,又は当該獣畜により若しくは当該獣畜のとさつ若しくは解体により病毒を伝染させるおそれがあると認めたときは,公衆衛生上必要な限度において,次に掲げる措置をとることができる。 一当該獣畜のとさつ又は解体を禁止すること。 二当該獣畜の所有者若しくは管理者,と畜場の設置者若しくは管理者,と畜業者その他の関係者に対し,当該獣畜の隔離,と畜場内の消毒その他の措置を講ずべきことを命じ,又は当該職員にこれらの措置を講じさせること。 三当該獣畜の肉,内臓等の所有者若しくは管理者に対し,食用に供することができないと認められる肉,内臓その他の獣畜の部分について廃棄その他の措置を講ずべきことを命じ,又は当該職員にこれらの措置を講じさせること。 7 18条(と畜場の設置の許可の取消し等)1項都道府県知事は,次に掲げる場合には,第4条第1項の規定による許可を取り消し,又はと畜場の設置者若しくは管理者に対し,期間を定めて,当該と畜場の施設の使用の制限若しくは停止を命ずることができる。 一当該と畜場の構造設備が第5条第1項の規定による基準に合わなくなったとき。 二以下 ・・・(略)・・・ 8 19条(と畜検査員)1項第14条に規定する検査の事務に従事させ,並びに第16条及び第17条第1項に規定する当該職員の職務並びに食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保に関する指導の職務を行わせるため,都道府県知事は,当該都道府県の職員のうちからと畜検査員を命ずるものとする。 第2 と畜場法施行令 1 7条(検査の申請)法第 めに行う獣畜の処理の適正の確保に関する指導の職務を行わせるため,都道府県知事は,当該都道府県の職員のうちからと畜検査員を命ずるものとする。 第2 と畜場法施行令 1 7条(検査の申請)法第14条の規定による検査を受けようとする者は,厚生労働省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。 2 8条(検査の方法)1項法第14条の規定による検査は,望診,検温,触診,解剖検査,顕微鏡検査その他の必要な方法により行うものとする。 3 10条(と畜検査員の資格)法第19条第1項に規定すると畜検査員は,獣医師でなければならない。 第3 と畜場法施行規則15条(検査申請書の記載事項)1項令第7条の規定により申請書に記載すべき事項は,次のとおりとする。 一申請者の住所,氏名及び生年月日(法人にあっては,その名称,主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)二とさつしようとする年月日(法第13条第1項第2号又は第3号の規定によりとさつした獣畜を解体しようとする場合にあっては,解体しようとする年月日)三検査を受けようとする獣畜の種類,性別,品種,年令(不明のときは,推定年令),特徴及び産地四検査を受けようとする獣畜の病歴に関する情報五検査を受けようとする獣畜に係る動物用医薬品その他これに類するものの使用の状況六法第13条第1項第2号又は第3号の規定によりとさつした獣畜を解体しようとする場合にあっては,当該獣畜をと畜場以外の場所でとさつした理由,日時及び場所

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