平成14(行ケ)70

裁判年月日・裁判所
平成14年6月18日 東京高等裁判所
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判決文本文3,578 文字)

平成14年(行ケ)第70号特許取消決定取消請求事件口頭弁論終結日平成14年6月11日判決原告日本電気株式会社訴訟代理人弁理士鈴木康夫同臼田保伸被告特許庁長官及川耕造指定代理人松本悟同板谷一弘同森田ひとみ同大橋良三 主文 1 特許庁が異議2000-73509号事件について平成13年12月17日にした決定を取り消す。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 1 原告の請求(1) 主文第1項と同旨(2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 当事者間に争いのない事実(1) 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「非水電解液二次電池」とする特許第3024636号(平成10年8月27日出願,平成12年1月21日設定登録,以下「本件特許」といい,その発明を「本件発明」という。)の特許権者である。 本件特許の請求項1ないし6の全部に関し,平成12年9月13日,特許異議の申立てがあり,特許庁は,これを異議2000-73509号事件として審理し,その結果,平成13年12月17日,「特許第3024636号の請求項1ないし の全部に関し,平成12年9月13日,特許異議の申立てがあり,特許庁は,これを異議2000-73509号事件として審理し,その結果,平成13年12月17日,「特許第3024636号の請求項1ないし6に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件取消決定」という。)をし,平成14年1月15日に,その謄本を原告に送達した。 (2) 決定の理由決定の理由は,要するに,本件請求項1ないし6に係る発明は,刊行物1(特開平9-293538号公報)に記載された発明であるから,本件特許は,特許法29条1項3号の規定に違反してされたものである,というものである。 (3) 訂正審決の確定原告は,本訴係属中,平成14年3月22日付けで,本件特許出願の願書に添付した明細書につき,特許請求の範囲請求項1ないし6の訂正を含む審判を請求した。特許庁は,これを訂正2002-39079号事件として審理し,その結果,平成14年5月17日に上記訂正をすることを認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,これが確定した。 (4) 本件訂正審決による請求項1ないし6の訂正の内容(ア) 本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲請求項1ないし6「【請求項1】正極電極に,(A)リチウム・マンガン複合酸化物と,(B1)比表面積Xが0.3≦ X(m2/g)であって,LiNiO2,Li2NiO2,LiNi2O4,Li2Ni2O4,およびLiNi1-xMxO2(0<x≦ 0.5であり,Mは,Co,Mn,Al,Fe,Cu,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッケル複合酸化物とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池【請 ,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッケル複合酸化物とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池【請求項2】前記リチウム・ニッケル複合酸化物の比表面積Xが,さらにX≦3.0(m2/g)であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。 【請求項3】正極電極に,(A)リチウム・マンガン複合酸化物と,(B2)D50粒径が40μm以下かつ3μm以上であって,LiNiO2,Li2NiO2,LiNi2O4,Li2Ni2O4,およびLiNi1-xMxO2(0<x≦ 0.5であり,Mは,Co,Mn,Al,Fe,Cu,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。但し,リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物を除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッケル複合酸化物とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池。 【請求項4】前記リチウム・マンガン複合酸化物とリチウム・ニッケル複合酸化物との重量比率を[LiMn複合酸化物]:[LiNi複合酸化物]=(100-a):aで表したとき,3≦a≦45であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の非水電解液二次電池。 【請求項5】前記リチウム・マンガン複合酸化物は,スピネル構造のマンガン酸リチウムである請求項1~4のいずれかに記載の非水電解液二次電池。 【請求項6】電解液中の支持塩が,LiPF6またはLiBF4である請求項1~5のいずれかに記載の非水電解液二次電池。」(イ) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲請求項1 請求項6】電解液中の支持塩が,LiPF6またはLiBF4である請求項1~5のいずれかに記載の非水電解液二次電池。」(イ) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲請求項1ないし5(下線部が訂正個所である。)「【請求項1】正極電極に,(A)リチウム・マンガン複合酸化物と,(B1)比表面積Xが0.71≦ X(m2/g)であって,LiNiO2,Li2NiO2,LiNi2O4,Li2Ni2O4,およびLiNi1-xMxO2(0<x≦ 0.5であり,Mは,Co,Mn,Al,Fe,Cu,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッケル複合酸化物とを含み,前記リチウム・マンガン複合酸化物とリチウム・ニッケル複合酸化物との重量比率を[LiMn複合酸化物]:[LiNi複合酸化物]=(100-a):aで表したとき,10≦a≦20であることを特徴とする非水電解液二次電池【請求項2】前記リチウム・ニッケル複合酸化物の比表面積Xが,さらにX≦3.0(m2/g)であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。 【請求項3】正極電極に,(A)リチウム・マンガン複合酸化物と,(B2)D50粒径が15μm以下かつ3μm以上であって,LiNiO2,Li2NiO2,LiNi2O4,Li2Ni2O4,およびLiNi1-xMxO2(0<x≦ 0.5であり,Mは,Co,Mn,Al,Fe,Cu,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。但し,リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物を除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッ e,Cu,およびSrからなる群より選ばれる1種類以上の金属元素を表す。但し,リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物を除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるリチウム・ニッケル複合酸化物とを含み,前記リチウム・マンガン複合酸化物とリチウム・ニッケル複合酸化物との重量比率を[LiMn複合酸化物]:[LiNi複合酸化物]=(100-a):aで表したとき,10≦a≦20であることを特徴とする非水電解液二次電池。 【請求項4】前記リチウム・マンガン複合酸化物は,スピネル構造のマンガン酸リチウムである請求項1~3のいずれかに記載の非水電解液二次電池。 【請求項5】電解液中の支持塩が,LiPF6またはLiBF4である請求項1~4のいずれかに記載の非水電解液二次電池。」 3 当裁判所の判断上記当事者間に争いのない事実の下では,本件特許請求の範囲請求項1ないし6ついては,特許法29条1項3号に違反して登録された特許であることを理由にこれらの特許を取り消した本件取消決定の取消しを求める訴訟の係属中に,特許請求の範囲の文言に係る訂正を含む訂正の審判の請求がなされ,特許庁は,同請求を認めるとの本件訂正審決をし,これが確定した,ということができる。本件取消決定は,これにより,結果として,請求項1ないし6について,判断の対象となるべき発明を特定すべき特許請求の範囲の文言の認定を誤ったことになる。この誤りが本件取消決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,本件特許請求の範囲請求項1ないし6に係る特許を取り消した本件取消決定は,取消しを免れない。 4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認 主文 の範囲請求項1ないし6に係る特許を取り消した本件取消決定は,取消しを免れない。 理由 4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官山下和明 裁判官阿部正幸 裁判官高瀬順久

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