令和6年6月12日判決言渡令和6年(行コ)第4号各在留期間更新不許可処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和2年(行ウ)第428号、第437号、第438号、第439号) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決主文第3項及び第4項を取り消す。 2 前項の取消部分に係る被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要1⑴ 本件は、いずれもエチオピア連邦民主共和国(以下「エチオピア」という。)の国籍を有する被控訴人らが、法務大臣に対して出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)21条2項に基づく在留期間更新許可申請をしたところ、法務大臣から権限の委任を受けた出入国在留管理庁長官から更に権限の委任を受けた東京出入国在留管理局長(以下「東京入管局長」という。)からそれぞれ不許可処分を受けたため、同各不許可処分の取消しを求めた事案である。 ⑵ 原審は、被控訴人らの請求をいずれも認容したため、これを不服とする控訴人が本件控訴を提起した(被控訴人らは、上記と併せて、上記各不許可処分後に東京入管局長に対してした同項に基づく各在留期間更新許可申請が受理されなかったことの取消しを求めたところ、原審は、被控訴人らの訴えのうち被控訴人らが求める上記部分は不適法であるとしていずれも却下したが、被控訴人らは控訴をしていないため、本件では、上記各在留期間更新許可申請に係る不許可処分の適法性が争点となる。)。 ⑶ なお、被控訴人らの父親のA(以下「原審原告父」という。)及び被控訴 人らの母親で原審原告父の妻であるB(以下「原審原告母」といい、原審原告父と併せて「原審原告 性が争点となる。)。 ⑶ なお、被控訴人らの父親のA(以下「原審原告父」という。)及び被控訴 人らの母親で原審原告父の妻であるB(以下「原審原告母」といい、原審原告父と併せて「原審原告父母」という。)は、それぞれ法務大臣に対する入管法20条2項に基づく在留資格変更許可申請をしたところ、東京入管局長がこれらをいずれも不許可としたこと、同各不許可処分を受けた後に原審原告父母が東京入管局長に対して同法21条2項に基づく在留期間更新許可申請をしたところ、東京入管局長によってこれらが受理されなかったことから、上記の各不許可処分及び上記の各不受理処分をいずれも取り消すことを求めたが、原審は、原審原告父母の訴えのうち上記の各不受理処分の取消しを求める部分は不適法であるとしていずれも却下し、原審原告父母のその余の請求をいずれも棄却した(原審原告父母は原判決を不服として控訴を提起しなかったため、原判決中原審原告父母に関する部分は確定した。)。 2 法務省における難民認定制度の運用の推移、前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、次項のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1ないし4に記載のとおりであるから、これを引用する。 3 原判決の補正⑴ 原判決6頁24行目の「原告ら」を「原審原告父母及び被控訴人ら」に改め、以下、「原告ら」とあるのをいずれも「原審原告父母及び被控訴人ら」に改め、同頁25行目の「第1事件原告(以下「原告父」いう。)」を「原審原告父」に改め、以下、「原告父」とあるのをいずれも「原審原告父」に改める。 ⑵ 原判決7頁10行目の「第2事件原告」から11行目の「いう。)は」までを「原審原告母は」に改め、以下、「原告母」とあるのをいずれも「原審原告母」に改め、同頁12行目 審原告父」に改める。 ⑵ 原判決7頁10行目の「第2事件原告」から11行目の「いう。)は」までを「原審原告母は」に改め、以下、「原告母」とあるのをいずれも「原審原告母」に改め、同頁12行目の「原告父母」を「原審原告父母」に改め、以下、「原告父母」とあるのをいずれも「原審原告父母」」に改め、同行目から13行目にかけての「第3事件原告及び第4事件原告」を「被控訴人 ら」に、同頁19行目の「第3事件原告(以下「原告長男」という。)」を「被控訴人長男」にそれぞれ改め、以下、「原告長男」とあるのをいずれも「被控訴人長男」に改め、同頁25行目の「第4事件原告」から末行の「いう。)は」までを「被控訴人三男は」に改め、以下、「原告三男」とあるのをいずれも「被控訴人三男」に改める。 ⑶ 原判決10頁4行目の「原告子ら」を「被控訴人ら」に改め、以下「原告子ら」とあるのをいずれも「被控訴人ら」に改める。 ⑷ 原判決13頁15行目から17行目までを次のとおり改める。 「 本件の争点は、本件各在留期間更新不許可処分の適法性である。」⑸ 原判決13頁19行目から同25頁15行目までを次のとおり改める。 「⑴ 被控訴人らの主張」⑹ 原判決28頁18行目を次のとおり改める。 「⑵ 控訴人の主張」⑺ 原判決29頁初行の「原告らが」を「被控訴人らが」に改め、同頁2行目の「主張していること」の次に「(乙3の3、4)」を加える。 ⑻ 原判決30頁15行目から同32頁5行目までを削る。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も、被控訴人らの請求をいずれも認容するのが相当であると判断する。その理由は、次項のとおり補正し、3項のとおり当審における補充説示を加えるほかは、原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の 当裁判所も、被控訴人らの請求をいずれも認容するのが相当であると判断する。その理由は、次項のとおり補正し、3項のとおり当審における補充説示を加えるほかは、原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の1及び3(補正後の2)に記載のとおりであるから、これを引用する。 2 原判決の補正⑴ 原判決32頁12行目の「EPRDF」を「エチオピア人民革命民主戦線(以下「EPRDF」という。)」に改める。 ⑵ 原判決34頁21行目及び23行目の各「原告ら」をいずれも「原告父及びその家族」に改める。 ⑶ 原判決35頁初行の「本件添付書面」を「原告父難民認定申請書に添付された令和元年6月17日付けの「Subject:-ApplicationforREFUGEESTATUS」と題する書面(以下「本件添付書面」という。)」に改める。 ⑷ 原判決37頁5行目の「証人○○」を「原審証人○○」に、同頁6行目の「○○」を「○○」にそれぞれ改める。 ⑸ 原判決38頁23行目の「原告子らは」を「被控訴人らは当時」に改める。 ⑹ 原判決53頁6行目の「3 争点2」を「2 争点」に改め、同頁8行目の「上記2⑴イで説示したとおり、入管法は」を次のとおり改める。 「ア憲法上、外国人は、本邦に入国する自由を保障されているものでないことはもとより、本邦に在留する権利ないし引き続き在留することを要求し得る権利を保障されているものでもなく、入管法に基づく外国人在留制度の枠内においてのみ本邦に在留し得る地位を認められているものと解すべきである(最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月4日大法廷判決・民集32巻7号1223頁、最高裁昭和29年(あ)第3594号同32年6月19日大法廷判決・刑集11巻6号1663頁参 すべきである(最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月4日大法廷判決・民集32巻7号1223頁、最高裁昭和29年(あ)第3594号同32年6月19日大法廷判決・刑集11巻6号1663頁参照)。 イ入管法は、上記アの理解を前提として」⑺ 原判決53頁23行目の冒頭に「ウ」を加える。 ⑻ 原判決54頁5行目冒頭に「エ」を加え、同頁13行目及び20行目の各「原告ら」を「被控訴人ら」に、同頁末行の「前提事実⑴ウ、⑵イ及び」を「前提事実⑴ウ及びエ、⑵イないし並びに」にそれぞれ改める。 ⑼ 原判決55頁2行目から3行目にかけての「生活していたなど」を「生活し、後記⑷ウ(原判決補正後のもの)のとおり入管法上強制送還が停止される当面の間、原審原告父母の監護下にあることなど」に改め、同頁21行目の「上記2⑵ウbで説示したとおり、」を削り、同頁22行目の「であ り」の次に「(前提事実⑵ア及びイ)」を、同頁23行目の「であるから」の次に「(前提事実⑶イ)」をそれぞれ加える。 ⑽ 原判決56頁9行目の「本件訴訟の」から10行目の「時点でも」までを「本件各在留期間更新不許可処分時(令和2年5月14日付け)、さらには当審口頭弁論終結日(令和6年4月24日)の時点においても」に改める。 ⑾ 原判決58頁5行目から6行目にかけての「求めていたものであり」から同行目の「説示したとおり」までを「求めていたが」に、同頁7行目から8行目までの「理解していなかった可能性があり」を「理解していたかは定かでなく(原審原告父及び原審原告母の各原審供述)」にそれぞれ改める。 3 当審における補充説示⑴ 控訴人は、①本件各在留期間更新許可申請の許否に際しては、被控訴人らを監護養育する原審原告父母が各在留資格変 父及び原審原告母の各原審供述)」にそれぞれ改める。 3 当審における補充説示⑴ 控訴人は、①本件各在留期間更新許可申請の許否に際しては、被控訴人らを監護養育する原審原告父母が各在留資格変更不許可処分を受けたために、被控訴人らが原審原告父母による安定的で継続的な監護養育を受けられなくなり、被控訴人らにおいて在留資格を認めるべき基盤が失われることを考慮すべきところ、原審はこれを考慮していない旨、②原審原告父母は、就労可能な在留資格を得ることに固執して、在留期間更新のみとすることに耳を傾けず、原審原告父は、本件各在留資格変更不許可処分を告知されると大声で叫ぶなど、被控訴人らの在留資格を失わせるような被控訴人らの監護養育を顧みない態度であり、子らを監護養育する適格性に欠ける親であるから、このような親の監護下にある被控訴人らについて在留期間更新許可申請を許可すべきでない旨を主張する。 ⑵ しかしながら、上記①についてみると、本件各在留期間更新不許可処分とともに、被控訴人らの監護者である原審原告父母について、入管法20条2項に基づく在留資格変更許可申請が不許可とされたとしても、そのことから直ちに被控訴人らが在留資格を喪失するものではなく、実際、補正の上引用した原判決の説示のとおり、原審原告父母は、入管法上強制送還が停止され る当面の間は、本邦に在留し、被控訴人らの監護養育をすることができる状況にあったというべきである。そして、本件各在留期間更新申請における「希望在留期間」は「6月以上」とされるところ、本件各在留期間更新許可申請時、さらには本件各在留期間更新不許可処分時までの間において、原審原告父母の難民認定申請に係る処分はされておらず、原審原告父母は、上記の期間において本邦に在留し、被控訴人らの監護養育をしていたのであっ さらには本件各在留期間更新不許可処分時までの間において、原審原告父母の難民認定申請に係る処分はされておらず、原審原告父母は、上記の期間において本邦に在留し、被控訴人らの監護養育をしていたのであって、このことは、本件各在留期間更新不許可処分時において十分に見込まれていたというべきである。したがって、かかる事情の下で、被控訴人らにおいて、在留資格を認めるべき基盤が失われていたということはできず、控訴人の上記①の主張は採用することができない(なお、本件各在留期間更新申請に係る処分に際し、更新の対象となるべき期間を超えて「安定的で継続的な」監護養育の見込みがあるかどうかを考慮することは相当性を欠くものといわざるを得ない。)。 また、上記②について検討するに、上記許否の判断において原審原告父母の行動態度を考慮事情の一つとするとしても、原審原告父の担当官(○○)に対するそれは、原審原告父母が本邦での在留中の生活の糧を安定的に得て、子らを日本国内で就学させたいとの強い思いに基づくものと解され(原審における原審原告父及び原審原告母の各原審供述)、被控訴人らの在留期間更新を軽視したものとまではいえないから、原審原告父母の担当官に対する言動等をもって、原審原告父母の被控訴人らに対する監護養育能力に疑念を差し挟むことは相当ではなく、控訴人の上記主張②も採用することはできない。 第4 結論以上によれば、被控訴人らの請求はいずれも理由があるから認容すべきであり、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第23民事部 裁判長裁判官舘内比佐志 裁判官渡邉 おり判決する。 東京高等裁判所第23民事部 裁判長裁判官 舘内比佐志 裁判官 渡邉和義 裁判官 松本明敏
▼ クリックして全文を表示