平成27(行ウ)8

裁判年月日・裁判所
平成28年2月23日 広島地方裁判所
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判決文本文9,382 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,(仮称)a第二小学校の建設事業に関して,一切の公金を支出し,契約を締結し,又は債務その他の義務を負担してはならない。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,東広島市の住民である選定者らが,同市が新しく建設する予定の(仮称)東広島市立a第二小学校(以下「本件小学校」という。)について,建設候補地として選定された場所が不適切である等と主張して,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,被告が本件小学校の建設事業(以下「本件事業」という。)に関する公金の支出等の一切の財務会計上の行為を行うことの差止めを請求している住民訴訟である。 2 関係法令の定め 教育委員会は,当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で,次に掲げるものを管理し,及び執行する(平成24年法律第67号による改正前の地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下,上記改正前の同法を単に「法」という。)23条)。 1号教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関(以下「学校その他の教育機関」という。)の設置,管理及び廃止に関すること。 2号学校その他の教育機関の用に供する財産(以下「教育財産」という。)の管理に関すること。 地方公共団体の長は,次の各号に掲げる教育に関する事務を管理し,及び 執行する(法24条)。 3号教育財産を取得し,及び処分すること。 教育財産は,地方公共団体の長の総括の下に,教育委員会が管理するものとする(法28条1項)。 地方公共団体の長は,教育委員会の申出をまつて,教育財産の取得を行うものとする(法28条2項)。 地方公共団体は,その事務を処 の総括の下に,教育委員会が管理するものとする(法28条1項)。 地方公共団体の長は,教育委員会の申出をまつて,教育財産の取得を行うものとする(法28条2項)。 地方公共団体は,その事務を処理するに当つては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない(地方自治法2条14項)。 普通地方公共団体の執行機関は,当該普通地方公共団体の条例,予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令,規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を,自らの判断と責任において,誠実に管理し及び執行する義務を負う(地方自治法138条の2)。 地方公共団体の経費は,その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて,これを支出してはならない(地方財政法4条1項)。 3 前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない。)ア選定者らは,いずれも東広島市の住民である。 イ東広島市教育委員会は,東広島市が処理する教育に関する事務のうち,学校の設置に関する事務及び教育財産の管理に関する事務等を管理及び執行する権限を有する(法23条1号,2号)。 ウ被告は,東広島市長であり,東広島市教育委員会の申出をまって,教育財産の取得を行う権限を有する(法24条3号,28条2項)。 東広島市立a小学校は,同市b町cに所在する小学校である。同校の児童数は,平成21年以降は1年間に約60人から70人の割合で増加しており,平成30年頃には約1480人となると予想されている(甲2,13,17)。 東広島市教育委員会は,a小学校の規模が過大であるとして,a小学校か ら分離する形で本件小学校を設置することとし,平成23年頃から建設候補地の選定作業を行った。 東広島市は,平成24年10月,一般社団法人 は,a小学校の規模が過大であるとして,a小学校か ら分離する形で本件小学校を設置することとし,平成23年頃から建設候補地の選定作業を行った。 東広島市は,平成24年10月,一般社団法人公共建築協会(以下「公共建築協会」という。)に対し,a地区小学校適正配置基本構想策定業務を委託した(乙12)。 東広島市教育委員会は,平成25年2月頃,本件小学校の建設候補地としてA,B及びC候補地の3箇所を選定し,その旨を市議会の文教厚生委員会において報告した(甲3,20)。 東広島市教育委員会は,同年3月末,公共建築協会の成果を受け,a地区小学校適正配置基本構想を策定し公表した。同構想では,A候補地が候補地として有望であるとされていた(甲31,32)。 平成25年5月頃,本件小学校の建設候補地として新たにD候補地が浮上し,さらに,E候補地が浮上した(甲22ないし甲24)。 東広島市は,本件事業に関し,同年7月頃,訴外甲株式会社(以下「訴外会社」という。)に対し,本件事業の建設候補地検討調査業務(以下「本件調査業務」という。)を委託した(乙13,14)。 東広島市教育委員会は,平成26年2月,本件小学校の建設予定地としてD候補地を選定し,同月5日,その旨を市議会の文教厚生委員会において報告した(甲6,50)。 選定者らは,平成27年1月27日,東広島市監査委員に対し,被告,東広島市学校教育部長及び東広島市学校教育部次長兼教育総務課長について,地方自治法242条1項に基づく職員措置請求をした(甲1。以下「本件請求」という。)。 東広島市監査委員は,同年2月5日,本件請求が不適法であるとして却下する決定をした(甲16)。 原告は,平成27年3月3日,本件訴訟を提起した。 当裁判所は,同年9月7日,別紙判決書写し記載 市監査委員は,同年2月5日,本件請求が不適法であるとして却下する決定をした(甲16)。 原告は,平成27年3月3日,本件訴訟を提起した。 当裁判所は,同年9月7日,別紙判決書写し記載のとおり,原告の本件訴えに関する被告の本案前の主張(本件訴訟は適法な住民監査請求を経ていないため不適法であるとの主張)は理由がない旨の中間判決をした。 4 争点(被告が行う財務会計上の行為の違法性の有無)及びこれに対する当事者の主張本件小学校の建設予定地をD候補地とすることを前提とした本件事業に関し被告が財務会計上の行為を行うことが,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反するか。 (原告の主張)本件小学校の建設予定地をA候補地とする場合,本件事業の事業費は33億円であり,また,a小学校と同様に規模が過大となっているb小学校の児童のうち,200人を受け入れることができた。しかし,D候補地とした場合は事業費が41億円となるだけでなく,同地は鉄道の線路に接しているため線路沿いに防音壁を設置する必要がある上,b小学校の児童を受け入れることができないため,近い将来,b小学校から分離する小学校を三,四十億円かけて新設する必要がある。 したがって,本件小学校の建設予定地をA候補地ではなくD候補地とすることによって,本件事業について38億円以上の金額が無駄遣いされることになるから,本件事業に関して被告が財務会計上の行為を行うことは,地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に反する。 (被告の主張)D候補地浮上前に最も優位性があるとされていたA候補地については,a小学校の過大規模が解消できるような校区設定をすると,一部の児童が現在よりも相当遠くに通学する必要があること,改めて計算し直すと事業費は33億円でなく40億円が必要となること A候補地については,a小学校の過大規模が解消できるような校区設定をすると,一部の児童が現在よりも相当遠くに通学する必要があること,改めて計算し直すと事業費は33億円でなく40億円が必要となること,また,隣接するため池を造成する必要があるが,ため池の所有者確定には時間を要するので本件小学校の開校 時期が遅延する可能性があることといった問題点がある。 D候補地は,a小学校区のほぼ中央に位置するため児童取り込みが容易で,他の候補地に比して校区設定が合理的となる。また,敷地全体として高低差がないため造成工事費用を安く抑えることができる上,洪水調整池の設置についても従前の計画を利用できるため,市の事業の合理化にもなる。他方で,D候補地については,道路により敷地が分かれていること,鉄道の線路に隣接するため騒音が予想されることといった問題点はあるものの,これらはいずれも解決可能であるから,結局,事業費が41億円になるとしても,候補地の中ではD候補地が最も優位性がある。 確かに,D候補地とした場合はb小学校の児童を受け入れることはできないが,b小学校の児童数はほぼ横ばいか微増程度と見込まれるから,当面仮設教室を建設することで対応可能であり,現時点で分離校を新設する必要性はない。 したがって,被告が本件事業について財務会計上の行為を行うことは,地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に反しない。 東広島市教育委員会が本件小学校の建設予定地としてD候補地を選定したことにつき,地方自治法138条の2(「自らの判断と責任において」)に反するなどの違法があるか。 (原告の主張)東広島市教育委員会が本件小学校の建設予定地としてD候補地を選定したことは,次のとおり違法であり,この意見を受けて,被告が本件土地を取得する等の公金の支出を行うこと 法があるか。 (原告の主張)東広島市教育委員会が本件小学校の建設予定地としてD候補地を選定したことは,次のとおり違法であり,この意見を受けて,被告が本件土地を取得する等の公金の支出を行うことは,違法な財務会計上の行為である。 ア東広島市教育委員会は,自らの判断と責任においてD候補地を選定したものではないため,地方自治法138条の2に反する。 すなわち,東広島市教育委員会は,平成25年3月には,本件小学校の建設予定地をA候補地に決定していたのに,被告の裏の後援会組織の会長 が,自宅等の建物があるD候補地か,これに近いE候補地に本件小学校を誘致したいと考えて被告に働きかけたため,被告が,東広島市都市部に指示をして,本件小学校の建設予定地をD候補地に決定させた。 このように,被告は,本件小学校の建設予定地の選定にあたり,東広島市教育委員会の構成員に対して特定の候補地を選択するよう非公然の影響力を行使して不当な介入を行い,建設予定地をD候補地と決定させたものである。 イ東広島市教育委員会が,最善の建設地を選択すべきという注意義務を怠り,他の候補地と比較して周辺環境が劣後するD候補地を選定したことは,東広島市教育委員会の裁量権の範囲の逸脱である。 (被告の主張)原告の主張は否認し,又は争う。 第3 当裁判所の判断 本件小学校の建設予定地をD候補地とすることを前提とした本件事業に関し被告が財務会計上の行為を行うことが,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反するかどうかについて検討する。 D候補地の取得は教育財産の取得に該当することから,被告がその取得を行う権限を行使するについては,法28条2項の規定により,東広島市教育委員会の申出が前提となる。同規定の趣旨に鑑みれば,被告は,東広島市教育委員会の申出 産の取得に該当することから,被告がその取得を行う権限を行使するについては,法28条2項の規定により,東広島市教育委員会の申出が前提となる。同規定の趣旨に鑑みれば,被告は,東広島市教育委員会の申出を尊重することが求められていると解される。 したがって,被告が,東広島市教育委員会の申出のあるD候補地を尊重して本件事業に関し財務会計上の行為を行うことは,法28条2項に照らして正当であると解される。 以上を前提にすれば,D候補地を前提とした本件事業に関し被告が財務会計上の行為を行うことが,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反 するといえるためには,その前提として,少なくとも,東広島市教育委員会の申出内容自体が,上記条項に反する必要があると解される。 次に,教育委員会が学校の建設予定地をどこに決定するかは,教育行政の観点から諸般の事情を総合考慮した合理的裁量に委ねられていると解され,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反して違法となるのは,その判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価されるときに限られると解するのが相当である(市長の行う賃貸借契約の締結判断につき地方自治法2条14項等に反するとの主張について判断したものとして,最高裁平成23年(行ヒ)第452号同25年3月28日第一小法廷判決・裁判集民事243号241頁参照)。 証拠(甲50)によれば,東広島市教育委員会がD候補地を選定した理由は,次のとおりと認められる。 ア A,B及びC候補地については,土地の造成形態,建物配置などの検討を行う中で,想定していた土地の範囲内では,学校運営が可能な敷地面積が確保できない懸念が生じた。 イ学校区の検討を行う中では,多くの児童が居住している上c及びd地区の一部については,現在のa小学校より遠方に通学 ていた土地の範囲内では,学校運営が可能な敷地面積が確保できない懸念が生じた。 イ学校区の検討を行う中では,多くの児童が居住している上c及びd地区の一部については,現在のa小学校より遠方に通学することなど,将来にわたってc地区の児童数の増加が見込まれる中,上記3候補地では学校区の設定が容易ではないと判断された。 ウ D候補地であれば,a小学校区のほぼ中央に位置し,a小学校の半数程度の児童数を取り込め,また,b中学校の学校区と同様の学校区設定となること,さらに,cの地区計画区域に近接していることから,人口が増加する地域への分離新設校となるため,合理性があると判断された。 エ D候補地は,敷地が市道c南6号線で分断される形状となっているが,高低差がなく平坦な敷地形状のため,造成工事が比較的容易であるほか,c区浸水対策事業で整備する計画である調整池と合併して施工ができ,災 害の心配も少ない土地であると考えられた。 オ D候補地は,JR山陽本線が隣接しており,列車や踏切の音の問題があるが,防音壁の設置や建物配置の工夫といった技術的対応によって音を低減できると判断され,敷地が分断されていることについても,市道c南6号線の上に敷地をつなぐ連絡通路を設置することで,通学や校内移動が安全に行えるものと考えられた。 カ訴外会社による本件調査業務の成果を踏まえ,学校区の設定,児童の安全,早期の開校,宅地開発や土地利用の動向等を総合的に評価し,その結果としてD候補地が最適地とされた。 上記選定理由自体からは,東広島市教育委員会は,考慮すべき事情を考慮したものと考えられ,その判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価される事情は見当たらない。 原告は,A候補地の事業費は33億円であるにもかかわらず,D候補地の事業 べき事情を考慮したものと考えられ,その判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価される事情は見当たらない。 原告は,A候補地の事業費は33億円であるにもかかわらず,D候補地の事業費は41億円となるだけではなく,防音壁工事を要するほか,b小学校の児童の受け入れることができないため,近い将来,b小学校から分離する小学校を新設する費用もかかるなどの主張をして,裁量権の範囲を逸脱,濫用するものであると主張する(上記第2の4 しかしながら,証拠(甲30,乙14,15)によれば,本件事業の事業費の見積額は,A候補地の場合は約40億円であり,D候補地の事業費(防音壁工事込み)は約42億7000万円と認められるから,原告の主張は前提が異なる。また,証拠(甲31)によれば,b小学校については児童数の増加が見込まれているが,その増加指数はa小学校より低いから(平成30年度において,a小学校の児童数は平成24年度の1.3倍となるのに対し,b小学校は1.1倍である。),近い将来にb小学校から分離する形で小学校を新設することが確実とはいえない。そして,仮に,A候補地の事業費が約33億円であり,かつ,近い将来,b小学校から分離する新設校を建築する 必要があるとしても,その他の事情である学校区の設定,早期の開校の必要性といった要素等を考慮するとすれば,D候補地を選定した東広島市教育委員会の判断が裁量権の範囲の逸脱,濫用に該当するとは解されない。その他,原告が主張する,A候補地が相当で,D候補地が不相当であるとする事情は,証拠によって認めるに足りない事情か,仮に認められるとしても,東広島市教育委員会が考慮した事情の一部を取り上げるものに過ぎず,裁量権の範囲の逸脱,濫用と評価するに足りるものとはいえないので採用できない。 以上より, 足りない事情か,仮に認められるとしても,東広島市教育委員会が考慮した事情の一部を取り上げるものに過ぎず,裁量権の範囲の逸脱,濫用と評価するに足りるものとはいえないので採用できない。 以上より,東広島市教育委員会の判断が,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に違反するものとは認められず,これを前提とする被告の財務会計行為が,上記各条項に違反するものとも認められない。 東広島市教育委員会がD候補地を選定したことが,地方自治法138条の2に規定する「自らの判断と責任において」執行する義務に反していないかどうかについて検討する。 地方自治法138条の2が「自らの判断と責任において」と規定した趣旨は,議会と執行機関,また,各執行機関が相互に独立対等の関係にあることから,執行機関が全て自らの意思決定に基づいて行うべきことを明らかにしたものと解される。 もっとも,法24条3号が,教育財産の取得を地方公共団体の長の権限としつつも,法28条2項によって,教育委員会の申出をまって取得することとしていることからすれば,地方公共団体の長が,教育財産の取得に関し,教育委員会の独立性を侵さない限度で教育委員会と協議を行うことは,否定されていないと解される。 末尾に掲げた証拠によれば,以下の事実が認められる。 ア東広島市都市部は,平成25年5月,東広島市教育委員会に対し,D候補地を候補地として選定した旨を記載した書面を提出した(甲22,35)。 イ東広島市都市部は,同年6月頃,東広島市教育委員会との協議資料として,本件小学校建設候補地選定のための作業項目に,候補地確定より前の段階で,市長説明を組み入れた書面を作成して交付した(甲23,36)。 ウ東広島市は,本件事業に関し,同年7月頃,訴 資料として,本件小学校建設候補地選定のための作業項目に,候補地確定より前の段階で,市長説明を組み入れた書面を作成して交付した(甲23,36)。 ウ東広島市は,本件事業に関し,同年7月頃,訴外会社に対し,本件調査業務を委託した。その後,発注者側の関係課として,東広島市都市部区画整理課が,教育総務課と共に,訴外会社との打ち合わせに複数回にわたり関与した(乙14)。 とおり,東広島市都市部は,候補地の選定に関して,東広島市教育委員会に対し,情報提供をしたり意見を述べたりしたものであるが,これらの事実によっても,被告又は被告の意を受けた東広島市の部署が東広島市教育委員会の独立性を侵したと認めるに足りるものは見当たらない。 原告は,D候補地に被告の裏の後援会組織の会長の不動産があり,同会長が被告に働きかけたため,東広島市教育委員会は,被告から不当な介入を受けて,既に決定していたA候補地をD候補地に変更させられたなどの主張をする(上記第2の4 しかしながら,証拠(甲20)によれば,東広島市教育委員会は,平成25年2月8日の時点でA候補地にほぼ決定していたものの,最終決定はしていなかったことが認められるから,原告の主張は前提が異なる。また,従前の候補地の中ではA候補地にほぼ決定しており,D候補地がその後候補に上がったという経過をたどったとしても,同日時点でA候補地を選定する旨の最終的な決定がされていたわけではないこと,すなわち変更があり得ることは,東広島市教育委員会が自認していたというのであるから,この経過をとらえて,被告が東広島市教育委員会の独立性を侵したものであるとは認め難い。原告が指摘するその他の点(一度公共建築協会に調査委託をしているにもかかわらず,訴外会社に調査委託をした点,現時点においてA候補地が相 告が東広島市教育委員会の独立性を侵したものであるとは認め難い。原告が指摘するその他の点(一度公共建築協会に調査委託をしているにもかかわらず,訴外会社に調査委託をした点,現時点においてA候補地が相当ではない理由として被告が主張している事情については,A候補地が最も 優位性のある候補地とされた時点において既に織り込み済みであり,D候補地への変更に理由がないとする点等)についても,同様であって,被告又は被告の意を受けた東広島市の部署が東広島市教育委員会の独立性を侵したものであるとは認め難い。 さらに,D候補地には被告の裏の後援会組織の会長の自宅等の建物があり,同会長が被告に働きかけたとの主張に関しては,原告指摘の人物がD候補地に不動産を所有していることは争いがないものの,その余の事実についてこれを認めるに足りる証拠はない。また,仮にこれらの事実が認められるとしても,被告と東広島市教育委員会との関係は別であって,直ちに,被告が東広島市教育委員会の独立性を侵したと推認できるものではない。 原告が指摘するその他の点(教育長がD候補地を最初に聞いた時,「考えられない」と述べたとする点)については,被告は教育長の発言を否認しており,これを認めるに足りる証拠はない。仮に,上記発言があったとしても,教育長の最初の発言のみで,最終的にD候補地を選定したことにつき,不当な介入を被告から受け決定をさせられたと認めるに足りるものではない。 結局,被告が東広島市教育委員会に対して独立性を侵す指示をしたことや,東広島市教育委員会において不当な介入を受け決定をさせられたことを認めるに足りる証拠はない。 以上より原告の主張は採用できない。 原告は,東広島市教育委員会がD候補地を選定したことに注意義務違反やの理由を見ても,東広島市教育委員会の られたことを認めるに足りる証拠はない。以上より原告の主張は採用できない。 原告は,東広島市教育委員会がD候補地を選定したことに注意義務違反やの理由を見ても,東広島市教育委員会の注意義務違反や,裁量権の範囲の逸脱,濫用は認められない。以上より,東広島市教育委員会がD候補地を選定したことに違法な点は認められない。 3 結論 よって,原告の本件請求は理由がない。 広島地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官小西洋 裁判官財賀理行 裁判官内藤陽子

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