【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人山田一夫、同三橋完太郎、同並河匡彦、同松井清志、同西元信夫、同石川 元也、同前川信夫の上告趣意第一点及び同第三点一
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人山田一夫、同三橋完太郎、同並河匡彦、同松井清志、同西元信夫、同石川元也、同前川信夫の上告趣意第一点及び同第三点一、三について所論は憲法二一条違反を主張するが、昭和二三年大阪市条例第七七号行進及び集団示威運動に関する条例(以下、「本条例」という。)が、その四条、五条を含めて、憲法二一条に違反するものでないことは、最高裁昭和二六年(あ)第三一八八号同二九年一一月二四日大法廷判決・刑集八巻一一号一八六六頁、同昭和二八年(あ)第四八四一号同三五年七月二〇日大法廷判決・刑集一四巻九号一一九七頁、同昭和三五年(あ)第一一二号同年七月二〇日大法廷判決・刑集一四巻九号一二四三頁、同昭和四〇年(あ)第一一八七号同四四年一二月二四日大法廷判決・刑集二三巻一二号一六二五頁、同昭和四八年(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判決の各趣旨に徴し明らかである(最高裁昭和四六年(あ)第四九九号同五〇年九月二五日当小法廷判決参照)。所論は、理由がない。 同第二点及び同第三点二のうち、「いわゆるフランス式デモなど、一般公衆に対し、迷惑を及ぼすような行為をしないこと」という条件が憲法二一条、三一条に違反すると主張する点について所論は違憲をいうが、いわゆるフランス式デモは、公衆との間にまさつを生じ公衆に対する危害に発展する可能性があるから、本条例四条三項により「群集の無秩序、又は暴行から一般公衆を保護するため」これらの行為の制限、禁止が許されるものと解すべきであり、又これは、定型的行為であつてこれを制限、禁止する条件は明確性に欠けるところはなく(最高裁昭和四八年(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判決参照)、記録によれば、被告人は本件のいわゆるフランス式デモ- 1 -が右条 つてこれを制限、禁止する条件は明確性に欠けるところはなく(最高裁昭和四八年(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判決参照)、記録によれば、被告人は本件のいわゆるフランス式デモ- 1 -が右条件によつて禁止されていたことを知つていたことが明らかであるから、所論は前提を欠き、適法な上告理由とならない。 同第二点のうち、道路交通法一一九条一項一三号により処罰したことが憲法三一条に違反すると主張する点について所論は違憲をいうが、記録によれば、被告人は本件のいわゆるフランス式デモが道路交通法七七条に基づいて警察署長が付した道路使用許可条件によつて禁止されていたことを知つていたことが明らかであるから、所論は前提を欠き、適法な上告理由とならない。 同第二点及び同第三点二のうち、その余の点について所論のうち、憲法二一条、三一条違反をいう点は、被告人の参加した本件集団行動に付された条件は、個々独立の意味を有し、個々に構成要件を補充するものであつて、被告人は、自己の行為と法律上及び事実上関連のない許可条件につきその違憲性を争う適格を欠くものであるから、不適法であり、その余は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由とならない。 同第四点について所論は、憲法二一条違反をいう点もあるが、実質はすべて本条例五条の解釈、適用の誤りをいう単なる法令違反の主張にすぎず、適法な上告理由とならない。 同第五点のうち、違憲をいう点について所論は、本件各行為について道路交通法一一九条一項一三号の罪の成立を認めたことは憲法に違反すると主張するが、被告人はいわゆるフランス式デモを行つたものであり、かかる行為は、秩序正しく平穏な集団行進等に随伴する交通秩序阻害の程度を超えて、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為にあたるものであり、したがつて、かかる行 るフランス式デモを行つたものであり、かかる行為は、秩序正しく平穏な集団行進等に随伴する交通秩序阻害の程度を超えて、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為にあたるものであり、したがつて、かかる行為を道路交通法一一九条一項一三号によつて処罰することが違憲でないことは最高裁昭和四八年(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判- 2 -決の趣旨に徴し明らかである。所論は、理由がない。 同第五点のうち、その余の点について所論は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由とならない。 同第六点について所論は、憲法三一条、三九条前段違反を主張するが、本条例にいう「公安委員会」とは、「大阪市公安委員会」を意味するものではなく管轄の公安委員会という意味であり、警察法(昭和二九年法律第一六二号)施行後は当然同法に基づく大阪府公安委員会が本条例の許可管掌機関に当るものというべきであつて、本条例は許可管掌機関が廃止されて失効したものではない(最高裁昭和三六年(あ)第一四二七号同三九年九月二九日第三小法廷判決・刑集一八巻七号四七二頁参照)から、所論は前提を欠き、適法な上告理由とならない。 同第七点について所論のうち、判例違反をいう点は、裁判所名及び言渡日のみを指摘するにとどまるものであつて判例の具体的な摘示を欠き、その余は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由とならない。 よつて、刑訴法四〇八条により、主文のとおり判決する。 この判決は、上告趣意第四点について、裁判官団藤重光の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見によるものである。 裁判官団藤重光の補足意見は、次のとおりである。 わたくしは多数意見に全面的に同調するものであるが、弁護人上告趣意第四点についての判旨に関連して、補足的に意見を述べておきたい。 論旨は、原判決が本条 判官団藤重光の補足意見は、次のとおりである。 わたくしは多数意見に全面的に同調するものであるが、弁護人上告趣意第四点についての判旨に関連して、補足的に意見を述べておきたい。 論旨は、原判決が本条例五条の罪を抽象的危険犯と解したことをもつて違憲であると主張する。わたくしは、徳島市条例事件(最高裁昭和四八年(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判決)における補足意見の中で述べたとおり、表現の自- 3 -由の制約の問題については、表現そのものと表現の態様とを区別して考えるべきものと解するのであり(これは表現の中に「純粋な言論」と「行動」とを区別する見解とは異なる。)、もし表現そのものを制約することとなるばあいには、原判決のいうような抽象的危険の発生を理由とすることは、憲法二一条の解釈上、とうてい許されないものと考える。しかし、本件は、そのような事案とは認められない。多数意見が、所論をもつて単なる法令違反の主張にすぎないものとしているのは、私見においても完全に支持されうるのである。 昭和五一年四月八日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官藤林益三裁判官下田武三裁判官岸盛一裁判官岸上康夫裁判官団藤重光- 4 -
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