-1-平成25年9月27日判決言渡平成24年(行ウ)第229号所得税更正処分取消請求事件 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求四日市税務署長が平成25年3月15日付けで原告に対してした平成21年分所得税の更正処分のうち課税総所得金額2361万7000円,還付金の額に相当する税額182万8105円を超える部分及び四日市税務署長が平成23年7月5日付けで原告に対してした過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,A株式会社(以下「A社」という。)の株式(以下「A社株式」という。)を,株式会社B(以下「B社」という。)に対し,1株当たり550円(以下「本件取引単価」という。)で,①平成21年3月2日に112万株,②同年11月24日に31万7550株を譲渡した(以下,①の譲渡を「本件3月譲渡」,②の譲渡を「本件11月譲渡」といい,これらを併せて「本件譲渡」という。また,A社株式を「本件株式」という。)として,平成21年分の所得税の確定申告をしたところ,四日市税務署長が,本件譲渡に係る収入金額と,A社株式のC市場における終値(①本件3月譲渡時は290円,②本件11月譲渡時は426円。以下,これらを「本件市場単価」という。)を基に算出した本件株式の評価額との差額合計3億3057万6200円(以下「本件差額」という。)は,B社から原告に贈与されたものであり,原告の一時所得に該当するとして,平成23年7月5日付けで更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」という。)をし,更に平成25年3月15日付けで再更正処分(以下「本件再更正処分」という。)-2- 更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」という。)をし,更に平成25年3月15日付けで再更正処分(以下「本件再更正処分」という。)-2-をしたことから,原告が,四日市税務署長の所属する国を被告として,本件再更正処分のうち課税総所得金額2361万7000円,還付金の額に相当する税額182万8105円を超える部分及び本件賦課決定処分の各取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め(1) 所得税法の規定ア所得税法33条1項は,譲渡所得とは,資産の譲渡による所得をいう旨規定し,同条3項は,譲渡所得の金額は,その年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し,その残額の合計額から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする旨規定している。 イ所得税法34条1項は,一時所得とは,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち,営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう旨規定している。 ウ所得税法36条1項は,その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には,その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする旨規定している。 (2) 租税特別措置法(平成22年法律第6号による改正前のもの。以下同じ。)(以下「措置法」という。)の規定ア措置法37条の10第1項は,平成16年1月1日以後に とする旨規定している。 (2) 租税特別措置法(平成22年法律第6号による改正前のもの。以下同じ。)(以下「措置法」という。)の規定ア措置法37条の10第1項は,平成16年1月1日以後にした株式等の譲渡に係る譲渡所得について,他の所得と区分して当該譲渡所得の100分の15に相当する金額の所得税を課し,損失の金額がある場合には当該-3-損失の金額は生じなかったものとみなす旨規定している。 イ措置法37条の11の2第1項は,平成13年9月30日以前から引き続き所有していた上場株式等を平成15年1月1日から平成22年12月31日までの間に譲渡した場合の収入金額から控除する取得費は,当該上場株式等の平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額とすることができる旨規定している。 2 前提事実(証拠等を掲記していない事実は争いがない。)(1) 本件譲渡原告は,B社に対し,平成21年3月2日にA社株式112万株を,同年11月24日にA社株式31万7550株を,いずれも市場外における相対取引により代金1株当たり550円で譲渡した。 A社株式は,C市場に上場された上場株式であるところ,本件譲渡が行われた日の同市場における終値(本件市場単価)は,平成21年3月2日が290円,同年11月24日が426円であった。 (2) 課税処分等の経緯別紙2「課税処分等の経緯」のとおり 3 被告の主張する各処分の根拠及び適法性別紙3「被告の主張する各処分の根拠及び適法性」のとおりなお,原告は,後記4の争点に関する部分のほかに,各処分の根拠及び適法性について争っていない。 4 争点本件株式の譲渡価額のうち,本件市場単価を基に算出された本件株式の評価額を超える部分(本件差額)を原告の譲渡所得ではなく一 る部分のほかに,各処分の根拠及び適法性について争っていない。 4 争点本件株式の譲渡価額のうち,本件市場単価を基に算出された本件株式の評価額を超える部分(本件差額)を原告の譲渡所得ではなく一時所得として課税することの適否 5 争点についての当事者の主張争点についての当事者の主張の要旨は,以下のとおりである(より詳細な主-4-張は,後記「第3 当裁判所の判断」中の適宜の箇所に記載する。)。 (1) 被告の主張の要旨ア資産が高額譲渡された場合の所得区分と所得税法36条の解釈所得税法における譲渡所得課税は,資産の値上がり益を課税対象とするものであり,対価を伴う資産の譲渡の場面において,譲渡価額の全額が総収入金額に算入されるのは,当該譲渡価額が自由競争原理の下で価格形成要因を取り込んで形成された合理的なものであり,全体において資産の価値を表していることを前提にしているからである。したがって,当該譲渡価額に資産の価値を構成しない合理的根拠のない金額が含まれているのであれば,当該金額は譲渡所得課税の対象とはならない。 譲渡所得につき,所得税法36条1項に基づいて課税対象となるのは,対価,すなわち資産の価値を表す価格が限度になると解されるのであって,同項に基づいて実際の譲渡価額の全額が総収入金額に算入されるのは,当該譲渡価額が正常な取引,すなわち自由競争の原理の下で形成されたものとして,全体として資産の価値を表している場合であり,そもそも譲渡所得の対価とならないものについては,これとは別に,改めて36条に基づき総収入金額に算入すべき金額を算定することとなる。 したがって,個人がその有する資産を時価に比して高額な金額で譲渡した場合における,その実際の譲渡価額とその譲渡の時における時価との差額の課税関係について 額に算入すべき金額を算定することとなる。 したがって,個人がその有する資産を時価に比して高額な金額で譲渡した場合における,その実際の譲渡価額とその譲渡の時における時価との差額の課税関係については,その譲渡価額が諸般の事情に照らして合理的な根拠に基づくものと認められるときは,実際の譲渡価額を収入金額とするが,その資産の譲渡の機会にその譲渡の相手方である法人から実質的に贈与を受けたと認められるときは,原則として,譲渡所得等の金額は,通常の取引価額に相当する部分の金額を収入金額とし,実質的に贈与等を受けたと認められる部分の金額については,その譲渡をした者の一時所得等の収入金額とされる。 -5-イ上場株式の高額譲渡の場合の譲渡所得の収入金額の認定方法上場株式を譲渡した場合における譲渡所得の収入金額に計上すべき上場株式の対価の額は,株式の取引が公正な価格により円滑かつ迅速に行われるための流通機構として証券取引所が存在していることからすると,資産の客観的交換価値を当事者間で証券取引所の価格によらないことがあらかじめ約定されていたとしても,当事者間の取引価格が合理的であると客観的に判断されるような特段の事情が認められる場合を除き,証券取引所における終値によるのが相当である。 しかるに,原告は,自らが実質的なオーナーとして最終的な決定権を持つB社との間で相対取引を行えば,自己に都合の良い金額で譲渡することが可能であることを奇貨として,本件株式の譲渡により,課税されることなく自らの借入金の返済及び相続税の納付のための資金を獲得するため,その一存で,本件株式の客観的交換価値である本件市場単価に合理的根拠なく金額を上乗せして本件取引単価を設定したものである。このように,本件取引単価は競争原理が働いて形成されたものではなく,本件 め,その一存で,本件株式の客観的交換価値である本件市場単価に合理的根拠なく金額を上乗せして本件取引単価を設定したものである。このように,本件取引単価は競争原理が働いて形成されたものではなく,本件譲渡の時価を判断するに当たり,上場株式の適正価格である市場価格によらないことの特段の事情は認められない。 そうすると,上場株式の適正価格である本件市場単価と本件取引単価との差額,すなわち,本件差額は,本件株式の対価としての客観的交換価値に含まれるものではなく,本件譲渡に乗じて,B社から原告へ資金を移し,それにより原告の個人的な借入金の返済等をすべく行われた,B社から原告への資金提供,すなわち贈与であると認められる。このように,本件差額は,税法上の譲渡対価とはなり得ない。 したがって,本件差額は,本件譲渡日において,原告が法人であるB社からの贈与により取得した金品であるから所得税の課税対象となり,その所得区分は,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退-6-職所得,山林所得及び譲渡所得のいずれの所得にも該当せず,営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で,労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものであるから,所得税法34条2項に規定する一時所得の総収入金額に計上すべき金額となる。 なお,本件譲渡は,外観ないし形式は単なる本件株式の売買契約であるが,その実体ないし実質は「本件株式の本件市場単価に基づく適正な対価としての価額に,原告の借入金等の返済等に必要となる資金の確保が可能となるよう金額を上乗せして決定された価格による本件株式の売買契約」であると解される。 (2) 原告の主張の要旨ア資産が高額譲渡された場合の所得区分と所得税法36条の解釈所得税法36条は,「 して決定された価格による本件株式の売買契約」であると解される。 (2) 原告の主張の要旨ア資産が高額譲渡された場合の所得区分と所得税法36条の解釈所得税法36条は,「収入金額」を,金銭をもって収入する場合は「その年において収入すべき金額」とすることを基本としつつ,「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合」(同条1項括弧書き)について,特に「当該物若しくは権利を取得し,又は当該利益を享受する時における価額」(同条2項),すなわち,時価を基礎として算定する旨規定している。そして,金銭をもって収入する場合の「その年において収入すべき金額」は,「別段の定め」がない限り,現実に収受されるべき金銭を指す。したがって,金銭をもって対価が支払われる譲渡契約・譲渡取引については,「別段の定め」がない限り,当該譲渡契約に定めた譲渡価額そのものが収入金額となる。 そして,所得税法は,上記の「別段の定め」として,59条1項1号(法人に対する贈与等)及び2号(法人に対する著しく低い価額での譲渡)などを置き,これらの場合は,総収入金額は時価を基準として算定されることになるが,法人に対する高い価額での譲渡の場合については,特に定めた規定はない。 -7-譲渡所得の総収入金額についての特別な規定(別段の定め)がないにもかかわらず,譲渡所得課税の趣旨のみを根拠として,解釈により,時価を基礎として総収入金額を算定することは,租税法律主義に反し,許されない。 イ上場株式の高額譲渡の場合の譲渡所得の収入金額の認定方法仮に株式を譲渡した場合の売主の収入金額が当該株式の時価をもって算出されるとしても,上場株式の時価は必ずしも市場価格に限定されるものではなく,個々の取引ごとに売買の当事者が合意・決定した 方法仮に株式を譲渡した場合の売主の収入金額が当該株式の時価をもって算出されるとしても,上場株式の時価は必ずしも市場価格に限定されるものではなく,個々の取引ごとに売買の当事者が合意・決定した価格も時価となり得る。本件取引単価は,原告及びB社が,A社の1株当たり純資産額,本件譲渡株式数,当時の株式市場の状況等を考慮した上で合意・決定した金額であり,客観的に合理的な範囲内の金額である。 被告は,本件差額がB社から原告に贈与された旨主張するが,被告も認めるとおり,本件譲渡は,本件取引単価を売買価格とする1個の売買契約であるから,このような原告とB社間の私法上の合意内容や法形式を無視した恣意的・一方的認定は許されない。 第3 当裁判所の判断 1 資産が高額譲渡された場合の所得区分と所得税法36条の解釈(1) 所得税法は,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得という所得区分を設けるほか(同法23条ないし34条),それらに含まれない所得を全て雑所得として課税の対象としており(同法35条),人の担税力を増加させる経済的利得は全て所得を構成するという包括的所得概念を採用して,所得がその性質や発生の態様によって担税力が異なるという前提に立って,公平負担の観点から,各種の所得について,それぞれの担税力に応じた計算方法を定め,また,それぞれの態様に応じた課税方法を定めるために,所得をその源泉ないし性質によって10種類に分類している。 -8-また,所得税法は,所得金額の計算の通則として同法36条を置き,同条1項は,その年分の各種所得の総収入金額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合に 36条を置き,同条1項は,その年分の各種所得の総収入金額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には,その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする旨規定している。 (2) 所得税法33条1項は,譲渡所得とは,資産の譲渡による所得をいう旨規定し,同条3項は,譲渡所得の金額は,その年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し,その残額の合計額から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする旨規定している。 そして,譲渡所得に対する課税は,資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として,その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に,これを清算して課税する趣旨のものであり(最高裁昭和47年12月26日第三小法廷判決・民集26巻10号2083頁,最高裁昭和50年5月27日第三小法廷判決・民集29巻5号641頁参照),売買交換等によりその資産の移転が対価の受入れを伴うときは,上記増加益が対価のうちに具体化されるので,法はこれを課税の対象としてとらえたものであると解される。そうすると,有償の譲渡が行われる場合において譲渡所得として課税される対象は,当該資産の譲渡の「対価」たる性格を有する金額であると解することが相当である。したがって,個人がその有する資産を有償で譲渡した場合であっても,当該譲渡金額中に当該資産の譲渡の「対価」たる性格を有しない部分があるときは,当該部分は,譲渡所得の課税対象ではないこととなる。 (3) 所得税法34条は,一時所得とは,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得及び譲渡所得以 部分があるときは,当該部分は,譲渡所得の課税対象ではないこととなる。 (3) 所得税法34条は,一時所得とは,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち,営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その-9-他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう旨規定している。そうすると,資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの,例えば,法人からの贈与により取得する金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)は,一時所得たる性質を有することとなる。 (4) 以上によれば,個人がその有する資産を法人に対して有償で譲渡した場合における課税関係は,当該譲渡価額が,当該資産の譲渡の「対価」たる性格を有する限りにおいて,譲渡所得に係る収入金額として課税されるが,当該譲渡価額中に当該資産の譲渡の「対価」たる性格を有しておらず,法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。 以下同じ。)としての性格を有する部分があると認められるときは,当該部分の金額については,一時所得に係る収入金額として課税されるべきこととなる。 そして,譲渡する資産が上場株式であるときは,その譲渡価額がその資産の譲渡の「対価」たる性格を有しているかどうかは,当該上場株式の市場価格,当該取引の動機ないし目的,当該取引における価格の決定の経緯,当該価格の合理性などの諸点に照らして判断すべきものと解される。 (5) これに対し,原告は,金銭をもって収入する場合の「その年において収入すべき金額」(所得税法36条1項)は,現実に収受されるべき金銭を指すものであり,金銭をもって対価が支払われる譲渡契約については,当該譲渡契約に定めた譲渡価額が直ちに譲渡 場合の「その年において収入すべき金額」(所得税法36条1項)は,現実に収受されるべき金銭を指すものであり,金銭をもって対価が支払われる譲渡契約については,当該譲渡契約に定めた譲渡価額が直ちに譲渡所得における収入金額となると解すべきであると主張する。 しかしながら,前記(1)のとおり,所得税法は,所得をその源泉ないし性質によって10種類に分類して課税することとしているのであり,所得税法36条は,この分類を前提として性質が決定された各種所得につき,所得金額の計算の通則として,その年分の各種所得の総収入金額に算入すべき金額の算定方法を定めたものにすぎない。同条の規定は,所得としての性質決定-10-を経た上で適用されるものであるから,同条の規定の存在は,上記(4)で判示したような所得の性質決定を妨げるものではない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 2 認定事実前記前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 原告とB社との関係ア B社は,石油,ガスその他燃料類の販売等を目的とする株式会社であり,D株式会社が平成16年5月に株式会社Bを吸収合併し,同年6月1日に商号をD株式会社から株式会社Bに変更したものである(乙5の1ないし4)。 イ原告は,D株式会社の昭和55年7月設立当時から同社の代表取締役を務め,平成14年4月10日に代表取締役を一旦辞任したが,上記の吸収合併及び商号変更を経たB社の取締役に,平成18年8月10日に就任した。原告は,財務副大臣に就任する直前である平成20年7月31日に同社の取締役を辞任したが,財務副大臣を辞任した後の平成23年5月25日に再び取締役に就任し,平成24年4月23日には代表取締役に就任した(乙5の1ないし4)。 本件譲渡 る平成20年7月31日に同社の取締役を辞任したが,財務副大臣を辞任した後の平成23年5月25日に再び取締役に就任し,平成24年4月23日には代表取締役に就任した(乙5の1ないし4)。 本件譲渡が行われた平成21年当時のB社の代表取締役は,E及び原告の妻であるFであったが(乙5の1),原告は,B社の実質的なオーナーとして,取締役退任中も就任中と同様に経営に関与し,同社の経営上の意思決定に強い影響力を有していた(乙7・答2,乙8・答6)。 ウ B社の発行済株式の総数は17万株であるところ(乙5の1),原告は,本件3月譲渡の時点において,発行済株式総数の90%以上に当たる15万4000株を保有していた(乙6の1・2枚目)。原告は,本件11月譲渡の時点では,B社の株式を保有していなかったが,保有していた株式-11-の全てを原告の妻子に贈与していた(乙6の2・2枚目)。 (2) 本件譲渡に係る原告の意図ないし動機ア原告は,本件3月譲渡が行われた平成21年3月末時点において,①株式会社G銀行H支店(以下「G銀行」という。)から1億8300万円(乙12・8枚目)を,②株式会社I銀行本店営業部(以下「I銀行」といい,G銀行と併せて「本件各金融機関」という。)から1億7410万円(乙13・6枚目)を借り入れており(以下,原告のG銀行からの借入金を「G銀行原告借入金」といい,原告のI銀行からの借入金を「I銀行原告借入金」という。),上記各借入金の担保として,A社株式をG銀行に63万株,I銀行に37万株を差し入れていた(乙14,15)。 また,原告は,B社からも2億0521万8580円を借り入れていた(乙16の1及び2)。 イ原告の実父・Jは,平成▲年▲月▲日に死亡し,原告は,平成▲年▲月▲日までに相続税を納付する必要があ た,原告は,B社からも2億0521万8580円を借り入れていた(乙16の1及び2)。 イ原告の実父・Jは,平成▲年▲月▲日に死亡し,原告は,平成▲年▲月▲日までに相続税を納付する必要があった。 ウ原告は,A社株式を売却することにより,その譲渡代金をもって,上記アの借入金を解消し,上記イの相続税を納付したいという意図ないし動機を有していた。 (3) 本件譲渡による債務解消スキーム原告は,平成20年11月,G銀行に対し,原告の債務全額をB社に引き受けさせ,B社を原告の資産管理会社にしたい,その際,原告が保有するA社株式をB社に現物出資し,B社の債務超過状態を解消することとしたい旨の申入れをした(乙9・答2,乙33・1枚目)。 原告が申し入れた上記スキームは,A社株式63万株の現物出資によりB社の資本金が増資されることから,B社がその信用を基にG銀行からG銀行原告借入金と同額の融資を受け,当該融資金を原告に貸し付け,原告がB社から貸し付けられた資金によってG銀行原告借入金を返済するというもの-12-であった。 しかし,このスキームによると,原告の借入先がG銀行からB社に替わるだけであり,原告の債務は解消されないことから,原告は,平成21年2月,G銀行に対し,E及びB社の顧問税理士であるK税理士を通じて,原告の債務解消のスキームを,上記現物出資ではなく,本件株式を措置法37条の11の2第1項所定のみなし取得価額でB社に売却し,その代金で借入金を返済するスキームに変更したい旨の申入れを行い,その後,G銀行から上記スキームについて了承を得た(乙9・答2,乙33・9枚目)。 上記のスキームにより原告の債務を解消するためには,原告は,本件株式の譲渡価格を最低でも自己の借入金額を上回る金額とする必要があった(乙8・答9 について了承を得た(乙9・答2,乙33・9枚目)。 上記のスキームにより原告の債務を解消するためには,原告は,本件株式の譲渡価格を最低でも自己の借入金額を上回る金額とする必要があった(乙8・答9)。 (4) 本件取引単価の決定の経緯ア原告,E及びK税理士は,平成21年1月24日,A社株式の譲渡について協議した。 原告は,A社株式の市場単価の動向や業績,純資産価格,原告が平成2年に77万株を取得したときの単価等から,相場価格自体が安すぎると考えており,A社株式を1株1000円でB社に譲渡したい旨の希望を述べた。これに対し,K税理士は,A社株式が上場株式であり,当時の相場が200円台後半であったことから,1株1000円の譲渡価格は高すぎるとして,課税上の問題が生じることを指摘した。(甲15・4頁ないし6頁,甲16・3頁ないし4頁,乙7・答3,乙8・答2)イ K税理士の指摘を受けて,原告は,財務省のL秘書官に対し,上場株式の相対取引の場合の課税関係について確認を依頼した。そうしたところ,平成21年2月6日,L秘書官から,国税庁に確認した結果として,一般論としては,株式を時価を超える価格で売却した場合には,時価に相当する金額が譲渡所得として課税され,時価を超える部分の金額は,一時所得-13-(場合によっては雑所得又は給与所得)として課税されること,上場株式の時価について,基本的には取引所価格が時価となるものの,個々の取引ごとに個別の事情等がある場合には,取引所価格を基準として個別の事情等を勘案して時価を判定することになる(ケース・バイ・ケースである)旨の報告を受けた(甲15・6頁ないし7頁,乙11別紙8)。 ウ原告は,平成21年2月9日,L秘書官からの報告内容をK税理士に伝えた(乙11別紙8)。K税理士が,本件株 ース・バイ・ケースである)旨の報告を受けた(甲15・6頁ないし7頁,乙11別紙8)。 ウ原告は,平成21年2月9日,L秘書官からの報告内容をK税理士に伝えた(乙11別紙8)。K税理士が,本件株式は平成13年9月30日以前に取得されていたもので,みなし取得価額の特例に該当し,平成13年10月1日の終値の80%である1株568円で取引すれば,株式譲渡に係る所得税が課税されないことを原告に伝えたところ,原告は,「その金額ならいい」と述べ,同月10日,K税理士に対し,「①大量の株の取得がB社の営業に有用である」「②百万株単位の取得は通常であれば1500~2000円と思われるが現在価格300円の倍の600円ぐらいでどうか」「③私の取得原価についても念の為568円を確認してほしい」として,上記みなし取得価額が568円で誤りがないかについての確認と,本件株式の取引単価を600円とすることの妥当性を四日市税務署に至急確認するよう指示をした(甲15・7頁,乙8・答2,乙11別紙9)。 エ K税理士が,平成21年2月12日,四日市税務署に相談をしたところ,株式の時価算定には合理的な根拠が必要であり,これがない場合には,売却金額と時価との差額に利益供与等の問題が発生するとの説明を受けた(甲15・7頁,乙8・答2)。 K税理士は,568円はみなし取得価額そのものであるし,これに近い金額でなければ原告も納得しないことから,端数を切った550円を売主買主双方が納得した金額とすればよいと考え,原告にその金額を確認したところ,原告は本件取引単価を550円とすることを了承した(乙8・答2)。 -14-オ Eは,原告から本件取引単価が示されたことを受け,B社が原告からA社株式を本件取引単価で購入することを各取締役に個別に説明し,各取締役から承諾を得た ことを了承した(乙8・答2)。 -14-オ Eは,原告から本件取引単価が示されたことを受け,B社が原告からA社株式を本件取引単価で購入することを各取締役に個別に説明し,各取締役から承諾を得た(乙7・答5)。 なお,本件3月譲渡について,Eから本件株式の指値をしたことはなかった(乙8・答6,乙10・答2)。 カ原告は実父の相続税を納付する資金が足りなかったことから,本件11月譲渡をすることにしたが,その際の取引単価も,原告の申入れに基づき,本件3月譲渡と同じ1株550円とされた。(甲15・8頁ないし9頁,甲16・7頁,乙8・答10,乙11・答9)(5) 本件譲渡原告は,B社に対し,平成21年3月2日にA社株式112万株を,同年11月24日にA社株式31万7550株を,いずれも市場外における相対取引により代金1株当たり550円で譲渡した。C市場における各日の終値は,本件3月譲渡時が290円,本件11月譲渡時が426円であった。 (6) 売買代金の決済状況及び代金の使途ア本件3月譲渡に係る譲渡代金の使途等(ア) 原告の本件各金融機関からの借入金の返済B社は,平成21年7月31日にI銀行から1億7400万円,同年8月19日にG銀行から1億7800万円の融資を受け(乙13・4枚目,乙12・5枚目),それらの金員を本件3月譲渡の譲渡代金として,融資を受けた日のうちに原告に支払い,すなわち,同年7月31日に1億7463万6536円を,同年8月19日に1億7800万円を原告に支払った(乙13・3枚目,乙12・3枚目,乙17)。原告は,B社から支払を受けた上記金員によって,同年7月31日にI銀行原告借入金の全額を,同年8月19日にG銀行原告借入金の全額をそれぞれ返済した(乙13・5枚目及 枚目,乙12・3枚目,乙17)。原告は,B社から支払を受けた上記金員によって,同年7月31日にI銀行原告借入金の全額を,同年8月19日にG銀行原告借入金の全額をそれぞれ返済した(乙13・5枚目及び6枚目,乙12・7枚目及び8枚目)。 -15-また,原告が本件各金融機関からの借入れの担保として差し入れていたA社株式100万株(G銀行63万株,I銀行37万株)は,本件3月譲渡によりB社が取得したが,B社は当該株式を本件各金融機関に対し,原告が借り入れていた借入金と同様に,上記融資の担保としてG銀行に63万株を,I銀行に37万株をそれぞれ差し入れた(乙18,19)。 当時,B社は債務超過の状態にあり,本件各金融機関から融資を受けるには,本件譲渡によって得たA社株式を担保に入れなければならなかったところ,前記のとおり,A社株式は原告の本件各金融機関に対する借入債務の担保に供されていたことから,B社は,原告の本件各金融機関からの借入金返済分とほぼ同額の融資しか受けることができなかった(乙6の1,乙8・答8)。 (イ) 原告のB社からの借入金の返済原告は,平成21年3月31日,本件3月譲渡によってB社に計上された原告への未払金と相殺することにより,原告のB社からの借入金の全額を返済した(乙6の1・3枚目,乙16の1及び2)。 (ウ) B社の未払金本件3月譲渡の譲渡代金から上記(ア)の支払額と上記(イ)の相殺に供された額を控除した残額は,B社の原告に対する未払金とされた(乙8・答7)。 イ本件11月譲渡に係る譲渡代金の使途等(ア) 相続税の納付B社は,平成21年12月4日,G銀行から7000万円の融資を受け(乙12・4枚目及び6枚目),同日,本件11月譲渡の代金として, 11月譲渡に係る譲渡代金の使途等(ア) 相続税の納付B社は,平成21年12月4日,G銀行から7000万円の融資を受け(乙12・4枚目及び6枚目),同日,本件11月譲渡の代金として,上記融資金額と同額の7000万円を原告名義の株式会社M銀行N支店普通預金(口座番号×)に振り込んだ(乙17,乙20・1枚目)。 -16-そして,同日,同口座から,7052万3900円が出金され(乙20・2枚目),原告の相続税の納付が行われた(乙21・3枚目)。 なお,上記G銀行からの融資7000万円は,Eが原告の相続税の納税資金として融資を申し込んだものであり,G銀行からは,当該融資の条件として,債務者(借入先)はB社とすること,並びに原告が相続するA社株式30万株及びB社名義のA社株式を一部担保として差し入れることが条件であると提示された(乙22)。B社は,上記提示を了承して,当該条件のとおり債務者となって融資を受け,本件譲渡によって同社が取得した30万株を含むA社株式35万株を担保として差し入れた(乙18)。 (イ) B社の未払金本件11月譲渡の譲渡代金から上記(ア)の支払額を控除した残額1億0465万2500円は,B社の原告に対する未払金とされた(乙8・答10)。 3 検討(1) 前記2の認定事実によれば,①A社株式はC市場に上場されており,同市場におけるA社株式の終値(本件市場単価)は,本件3月譲渡時が290円,本件11月譲渡時が426円であったこと,②原告は,自己の借入債務の解消及び相続税の納付に必要な資金を調達するという目的を実現するために本件譲渡を企図したこと,③原告は,A社株式に係る市場価格が安すぎるとして,当初1株1000円での譲渡を希望したが,K税理士から市場価格を大きく上回る価格での譲渡には課税 という目的を実現するために本件譲渡を企図したこと,③原告は,A社株式に係る市場価格が安すぎるとして,当初1株1000円での譲渡を希望したが,K税理士から市場価格を大きく上回る価格での譲渡には課税上問題がある旨を指摘されたことから,本件株式のみなし取得価額(568円)を基準として本件取引単価を550円と決定したものであり,本件取引単価によっても,上記②の目的を実現するに足りる資金調達が可能であったことが認められる。さらに,④原告は,B社の実質的なオーナーとして,同社の経営上の意思決定に強い影響力を有-17-していたことからすると,B社における本件株式の価格決定には原告の意向が強く反映されたことが推認される。他方,⑤後記(2)ア(イ)で判示するとおり,当時債務超過の状態にあったB社に,多額の借入れをしてまで市場価格よりも高い価格で本件株式を購入すべき事情があったとは認められない。 これらの点を総合勘案すれば,原告は,自己の借入金の返済及び相続税の納付のために必要な一定規模の資金を調達するという目的を達成するための手段として,本件譲渡時におけるA社株式の市場価格の水準(本件市場単価)をあえて無視して,本件市場単価に一定の金額を上乗せして本件取引単価を設定し,本件譲渡を行ったものと認めることができる。 そして,以上のような本件株式の市場価格,本件譲渡の動機ないし目的,本件譲渡における価格の決定の経緯,当該価格の合理性などの諸点に照らせば,本件譲渡における本件株式の譲渡の対価たる性格を有するのは,本件取引単価のうち,本件市場単価の部分に限られると解される。 そうすると,本件市場単価と本件取引単価との差額部分である本件差額は,本件株式の譲渡の対価たる性格を有するとはいえず,法人であるB社から贈与された金員としての性格を有するものと られると解される。 そうすると,本件市場単価と本件取引単価との差額部分である本件差額は,本件株式の譲渡の対価たる性格を有するとはいえず,法人であるB社から贈与された金員としての性格を有するものというべきである。 (2) 原告の主張についての検討ア本件譲渡の動機について(ア) 原告の動機についてa 原告は,自己の借入金返済の動機に関し,本件譲渡当時,本件各金融機関から借入金の返済督促を受けるような切迫した事情は一切なかった旨主張する。 しかし,前記2(3)で認定したとおり,原告がG銀行に債務の解消に向けたスキームを提案して交渉を進め,その後,同銀行に対して,原告の債務が残ることとなる現物出資スキームから原告の債務が清算される売買スキームへの変更を申し出ていたことからすれば,原告-18-にとって本件各金融機関に対する債務の清算が本件譲渡の強い動機となっていたことは明らかであり,本件各金融機関から返済の督促があったか否かは,上記の認定判断を左右するものではない。 b 原告は,原告の各借入債務の合計金額と本件3月譲渡の譲渡価格が一致していないことを指摘して,原告が自己の借入債務額を基準として取引単価を設定したものではない旨主張する。 しかし,前記2(3)及び(4)で認定した事実関係によれば,本件取引単価は,本件譲渡価額が少なくとも原告の債務額を上回るように設定されたことが明らかであり,本件譲渡価格と原告の借入債務額が一致しないことは,この認定判断を何ら左右するものではない。 (イ) B社の動機について原告は,B社にも本件株式を取得する動機があったと主張し,Eも,原告にA社株式の譲渡を持ちかけた理由として,A社の大株主となることでB社の対外的な信用を得ることが目的であり,そうすることで,仕入先 原告は,B社にも本件株式を取得する動機があったと主張し,Eも,原告にA社株式の譲渡を持ちかけた理由として,A社の大株主となることでB社の対外的な信用を得ることが目的であり,そうすることで,仕入先との交渉が有利になり,与信の枠を広げるといったメリットがあった旨申述し(乙10・答2),実際にA社株式を取得して大株主となった後の効果については,価額交渉が楽になったとか,支払期限を1か月くらい猶予してもらえるようになった旨説明する(同答3)。しかし,Eの上記申述内容は具体性に欠けている上,B社がそのようなメリットを享受したことを示す客観的な証拠は何ら提出されていない。その他,本件に顕れた全証拠によっても,本件譲渡当時,債務超過状態にあったB社が,多額の融資を受けてまで,本件市場単価よりも高い本件取引単価でA社株式の購入を急がなければならないような具体的な事情があったとは認められない。 この点,原告は,A社がB社との一切の取引を解消するようなことがあれば,B社は経営が成り立たなくなる,いわば依存関係にあったと主-19-張し,Eもその旨供述する(甲16・2頁)。しかし,仮にB社がA社に依存する関係にあったとしても,原告が,A社の大株主であるとともにB社の大株主でもあったことや,原告自身,A社の大株主が原告であってもB社であっても,A社に対する原告の影響力は変わらないと考えていた旨申述していたこと(乙11・答2)からすれば,B社がA社から取引を打ち切られたり,取引上不利に取り扱われたりするような事態は容易に想定されなかったというべきである。 また,原告は,将来,原告がA社株式を第三者に譲渡する可能性は否定できないし,原告が不慮の事故等で急死するようなことがあればA社株式が相続により分散するおそれがあるとも主張する。しかし,原告が主張する ,原告は,将来,原告がA社株式を第三者に譲渡する可能性は否定できないし,原告が不慮の事故等で急死するようなことがあればA社株式が相続により分散するおそれがあるとも主張する。しかし,原告が主張するようなおそれは極めて抽象的なものにすぎず,債務超過状態にあったB社が多額の融資を受けてまで,本件市場単価より高い本件取引単価でA社株式の取得を急がなければならないような具体的な事情があったとは認められない。 イ価格決定のプロセスの合理性について(ア) 原告は,K税理士に相談したり,L秘書官や四日市税務署に本件譲渡の課税関係について照会するなどして,自身の当初の希望価格から妥協して本件取引単価を決定しており,原告が恣意的に本件取引単価を設定したわけではない旨主張する。 しかし,前記2(4)アで認定したとおり,原告の譲渡希望価格は市場価格を大きく上回っており,課税上の問題点が指摘されていたのであるから,原告の当初の希望額から譲歩して本件取引単価が設定されたとしても,それにより本件取引単価の合理性が基礎付けられるものではない。 (イ) 原告は,本件譲渡については,B社の取締役会で適切に意思決定がされており,原告の意向のみで本件取引単価が決定されたものではない旨主張し,Eもこれに沿う陳述をする(甲16・5ないし8頁)。 -20-しかし,Eが,税務調査の際,B社の取締役会を開催して審議した事実はなく,Eが各取締役に個別に説明をして承諾を得た上で,事後に取締役会議事録を作成して各取締役から署名押印をもらった旨申述していたこと(乙7・答5)に照らすと,これと異なるEの上記陳述をにわかに採用することはできず,他に,B社において,原告の強い影響力を排除して,同社の事業上の必要性等の観点から,本件譲渡について適切に意思決 と(乙7・答5)に照らすと,これと異なるEの上記陳述をにわかに採用することはできず,他に,B社において,原告の強い影響力を排除して,同社の事業上の必要性等の観点から,本件譲渡について適切に意思決定がされたことを認めるに足りる証拠はない。 ウ本件取引単価の合理性について(ア) 原告は,本件取引単価の決定に当たり,平成21年3月期のA社株式の1株当たりの純資産額が約925円であったことを考慮した旨主張する。 しかし,前記のとおり,本件取引単価はみなし取得価額を基準として設定されたものであるし,原告自身,税務調査の際に,当時のA社株式の時価と純資産から算出した単価との平均から本件取引単価を算出したというのは,いわゆる後付けの単価設定根拠である旨申述していたこと(乙11・答7及び8)に照らすと,原告がA社株式の1株当たりの純資産価格を考慮して本件取引単価を設定したとは認め難い。 (イ) また,原告は,C市場の規模及びA社株式の出来高に比して本件譲渡が大量の取引であることや,本件譲渡が自益権のみならず,A社の会社支配にも影響を及ぼし得る共益権をも目的とした取引であったことから,本件取引単価が客観的に合理的な価格であった旨主張する。 しかし,本件譲渡が大量取引であったことは,原告とB社が市場外での相対取引を選択した理由にはなっても,本件取引単価が本件市場単価から乖離して高額となった理由を合理的に説明するものではない。この点について,原告は,市場取引の約4年分にも及ぶ大量の株式を時間や手間をかけずに確実に取得することについて付加価値が加わるのは当-21-然であると主張するが,前記のとおり本件取引単価はみなし取得価額を基準として設定されたものであり,本件市場単価に上乗せされた金額が原告の主張するような付加価値に相当するものであ わるのは当-21-然であると主張するが,前記のとおり本件取引単価はみなし取得価額を基準として設定されたものであり,本件市場単価に上乗せされた金額が原告の主張するような付加価値に相当するものであると評価することはできない。 また,A社の会社支配に影響を及ぼし得る共益権を目的とした取引であったとする点についても,原告自身,A社の支配関係について,大株主が原告であってもB社であっても原告のA社に対する影響力は変わらないとして,A社の支配関係が本件譲渡によって特段影響を受けないという趣旨の申述をしていたこと(乙11・答2)に照らすと,本件取引単価の合理性を基礎付けるものとはいえない。 (ウ) 原告は,本件3月譲渡時の株式市場は,平成20年9月のリーマンショックの影響により,現実の株式価値と市場価格が乖離していると考えられていた時期であり,A社株式の市場価格をリーマンショック以前及び平成23年当時の市場価格の水準と比較すれば,本件取引単価が高額すぎるとの評価は当を得たものではなく,平成21年中の市場価格の変動のみを取り上げてみても,本件3月譲渡時点の市場価格290円は同年の安値に程近い水準であり,本件11月譲渡時点まででも市場価格は426円まで回復していたから,本件譲渡の取引当事者が,本件市場単価が安すぎると認識したことが正しかったことは明らかである,平成24年10月1日現在のA社株式の市場価格(終値)は540円であり(甲14),本件取引単価と同等の水準まで株価が回復したことからも,本件取引単価が何ら高額にすぎなかったことが実証されているなどと主張する。 しかし,リーマンショックによる景気動向及び株式市場への影響は,A社株式に特有の事情ではなく,リーマンショック後の市場価格も,リーマンショックの景気動向や企業業績への影響 るなどと主張する。 しかし,リーマンショックによる景気動向及び株式市場への影響は,A社株式に特有の事情ではなく,リーマンショック後の市場価格も,リーマンショックの景気動向や企業業績への影響等を踏まえた一般投資-22-家の判断に基づき,自由競争原理の下で形成されたものであるというべきであるから,リーマンショックがあったからといって,C市場におけるA社株式の価格が現実の株式価値と乖離していたと直ちにいうことはできない。また,本件譲渡時における本件取引単価が合理的であるか否かを判断するに当たり,平成20年9月以前から平成24年10月までの前後4年にもわたる市場価格の変動を参照することに合理性があるとはいえないし,仮にこの点を措くとしても,本件譲渡後にA社株式の市場価格の終値が本件取引単価(550円)まで回復したのは,本件3月譲渡から2年以上も経過した平成23年3月31日であったのであるから(甲10・3枚目),原告の上記主張は,単なる結果論をいうものにすぎず,採用することができない。 この点について,原告は,本件譲渡当時,A社株式の市場価格が少なくとも本件取引単価の水準まで回復することが合理的に予測されていたと主張する。しかし,本件譲渡当時,リーマンショックの影響により日本経済が大幅な景気後退の状況にあったことは公知の事実であり,また,A社が営業利益を大幅に減額修正するなど業績の悪化が指摘されていたこと(乙36の1及び2)からすれば,本件譲渡時において,市場価格が本件取引単価の水準まで回復することが合理的に予測される状況にあったとは認められず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 (エ) 原告は,O(以下「O社」という。)が,①平成19年12月5日,本件譲渡と同様の市場外取引にて,単価614円でA社株式102万4 められず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 (エ) 原告は,O(以下「O社」という。)が,①平成19年12月5日,本件譲渡と同様の市場外取引にて,単価614円でA社株式102万4000株を購入したこと,②本件11月譲渡の3か月後である平成22年2月25日に,単価700円でA社株式121万株の第三者割当を受けたことも,本件取引単価の合理性を基礎付けるものである旨主張する。 しかし,①については,譲渡当日におけるA社株式のC市場における終値が譲渡価格と同じ614円であったこと(乙27),②については,-23-当該第三者割当が,A社の意向により,大株主であるO社との業務提携・資本提携の強化を目的として実施されたものであること(乙11別紙7)からすれば,O社に対する譲渡価格及び割当価格をもって本件取引単価の合理性を基礎付けることはできないというべきである。 4 小括以上のとおり,本件差額は,本件株式の譲渡の対価たる性質を有するとはいえず,その所得区分としては,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得及び譲渡所得のいずれの所得にも該当せず,営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものに該当するから,所得税法34条所定の一時所得となるというべきである。 なお,以上のように解することは,本件譲渡における譲渡金額につき,所得税法上の所得の性質決定を行うものにすぎず,私法上の法律関係から離れて課税庁において独自の法律行為を設定してそれを前提にして課税することを許容するものではない。 5 本件再更正処分及び本件賦課決定処分の適法性(1) 原告は,争点に関する部分のほかに本件再更正処分の根拠及び適法性を争っていないところ, 前提にして課税することを許容するものではない。 5 本件再更正処分及び本件賦課決定処分の適法性(1) 原告は,争点に関する部分のほかに本件再更正処分の根拠及び適法性を争っていないところ,平成21年分所得税について原告の納付すべき税額は別紙3の第1の1(9)記載のとおりであると認められ,本件再更正処分における原告の納付すべき税額はこれと同額であるから,本件再更正処分は適法である。 (2) また,原告は,争点に関する部分のほかに本件更正処分の根拠及び適法性を争っていないところ,本件更正処分における原告の納付すべき税額は上記の平成21年分所得税について原告の納付すべき税額を下回っているから,本件更正処分は適法である。そして,本件更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額に基づいて計算した過少申告加算税の額は別-24-紙3の第2の1記載のとおりであると認められ,本件賦課決定処分における過少申告加算税の額はこれと同額であるから,本件賦課決定処分は適法である。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官中丸隆 裁判官竹林俊憲-25-(別紙2)課税処分等の経緯 1 確定申告及び修正申告原告は,平成22年3月11日,四日市税務署長に対して,平成21年分の所得税の確定申告をし(以下「本件確定申告」という。),また,同年10月6日,本件確定申告における課税総所得金額の金額に雑所得の金額4 は,平成22年3月11日,四日市税務署長に対して,平成21年分の所得税の確定申告をし(以下「本件確定申告」という。),また,同年10月6日,本件確定申告における課税総所得金額の金額に雑所得の金額4000円を加算する平成21年分の所得税の修正申告をした(以下,当該修正申告を「本件修正申告」といい,提出された修正申告書を「本件修正申告書」という。)。 2 確定申告及び修正申告における譲渡所得金額原告は,本件確定申告及び本件修正申告における株式譲渡に係る譲渡所得の金額について,次のとおり計算していた。 (1) 総収入金額について株式譲渡に係る総収入金額について,原告は,C市場に上場されているA社株式の1株当たりの単価を550円(本件取引単価)として,平成21年3月2日に112万株を,同年11月24日に31万7550株をB社に譲渡したとして,本件3月譲渡及び本件11月譲渡に係る各収入金額(それぞれ6億1600万円及び1億7465万2500円)の合計金額7億9065万2500円を計上した。 (2) 取得費について原告は,本件譲渡に係る総収入金額から控除する取得費の金額について,措置法37条の11の2の規定に基づき,①本件3月譲渡に係る取得費を6億3616万円(本件3月譲渡による譲渡株式数112万株に,平成13年10月1日におけるA社株式の終値に相当する金額710円に100分の80を乗じた金額568円を乗じた金額),②本件11月譲渡に係る取得費を1億8023万6000円(本件11月譲渡による譲渡株式数31万7550株のうち,30万1000株については同株数に上記みなし取得価額〔568円〕を乗じ-26-た金額1億7096万8000円とし,残りの1万6550株については実際の取得金額926万8000円〔1株当たり560円 0万1000株については同株数に上記みなし取得価額〔568円〕を乗じ-26-た金額1億7096万8000円とし,残りの1万6550株については実際の取得金額926万8000円〔1株当たり560円〕とした金額。)とし,上記①及び②の合計金額8億1639万6000円を取得費として計上した。 (3) 譲渡所得の金額について本件譲渡に係る譲渡所得の金額について,原告は,上記(1)の合計金額7億9065万2500円から上記(2)の合計金額8億1639万6000円を差し引いた△2574万3500円とした(△はマイナスの金額を表す。以下同じ。) 3 本件更正処分及び本件賦課決定処分四日市税務署長は,原告の平成21年分の所得税について,平成23年7月5日付けで,本件譲渡に係る譲渡所得の計算上,総収入金額に計上すべき金額は,①本件3月譲渡におけるA社株式の1株当たりの単価を本件市場単価(290円)で譲渡したとして計算した収入金額3億2480万円と②本件11月譲渡におけるA社株式の1株当たりの単価を本件市場単価(426円)で譲渡したとして計算した収入金額1億3527万6300円の合計額4億6007万6300円であり,原告の申告における本件3月譲渡に係る収入金額(6億1600万円)と上記①の金額(3億2480万円)との差額2億9120万円及び原告の申告における本件11月譲渡に係る収入金額(1億7465万2500円)と上記②の金額(1億3527万6300円)との差額3937万6200円の合計金額3億3057万6200円(本件差額)は,譲渡所得の総収入金額に計上すべきものでなく,一時所得の総収入金額に計上すべき金額であるとして,一時所得の所得金額1億6503万8100円,納付すべき税額6393万0700円(差引納付すべき税額6609万38 収入金額に計上すべきものでなく,一時所得の総収入金額に計上すべき金額であるとして,一時所得の所得金額1億6503万8100円,納付すべき税額6393万0700円(差引納付すべき税額6609万3800円)とする本件更正処分及び過少申告加算税の金額を963万7000円とする本件賦課決定処分を行った。 4 異議申立て原告は,平成23年8月11日,名古屋国税局長に対し,本件更正処分等の全-27-部取消しを求める異議申立てをしたところ,同局長は,同年11月30日付けで,原告に対し,上記異議申立てを棄却する旨の決定をした。 5 審査請求及び本件訴訟提起原告は,平成23年12月27日,国税不服審判所長に対し,本件更正処分等の全部取消しを求めて審査請求をしたが,審査請求の日から3か月を経過しても裁決がされなかったため,平成24年4月16日,本件訴訟を提起し,同年5月1日,上記審査請求を取り下げた。 6 本件再更正処分四日市税務署長は,原告の平成21年分の所得税について,平成25年3月15日付けで,原告が申告した雑所得の金額等に誤りがあるとして,課税総所得金額1億8865万5000円,納付すべき税額6422万6400円とする本件再更正処分を行った(乙37,38)。 7 訴えの変更原告は,平成25年6月25日付け訴えの変更申立書により,前記「第1 請求」欄記載のとおり請求の趣旨を変更した(記録上明らかな事実)。 以上-28-(別紙3)被告の主張する各処分の根拠及び適法性第1 本件再更正処分の根拠及び適法性 1 被告主張額の根拠本訴において被告が主張する原告の平成21年分の所得税に係る納付すべき税額等は,以下のとおりである。 (1) 総所得金額 1億9145万7994円上記金額は,次のアない 額の根拠本訴において被告が主張する原告の平成21年分の所得税に係る納付すべき税額等は,以下のとおりである。 (1) 総所得金額 1億9145万7994円上記金額は,次のアないしエの合計金額である。 なお,総所得金額の計算において,後記(2)の譲渡損失の金額を他の所得金額から差し引くことはできない。 ア配当所得の金額 1440万4980円上記金額は,本件修正申告書(甲2・1枚目)において,原告が「所得金額」の「配当 5」欄に記載した金額と同額である。 イ給与所得の金額 1122万4167円上記金額は,本件修正申告書(甲2・1枚目)において,原告が「所得金額」の「給与 6」欄に記載した金額と同額である。 ウ雑所得の金額 79万0747円上記金額は,本件修正申告書(甲2・1枚目)において,原告が「所得金額」の「雑所得 7」欄に記載した金額に,原告が受給した公的年金に係る所得金額78万6747円を加算した金額である。 エ一時所得の金額 1億6503万8100円上記金額は,所得税法22条2項2号の規定により,次の(ア)から(イ)を控除した金額3億3007万6200円の2分の1に相当する金額である。 (ア) 一時所得の総収入金額 3億3057万6200円上記金額は,本件差額と同額である。 -29-なお,一時所得の総収入金額から控除すべき当該総収入金額を得るために支出した金額は,本件においては零円である。 (イ) 一時所得の特別控除額 50万円上記金額は,所得税法34条3項に規定する一時所得の特別控除額である。上記(ア)の一時所得の総収入金額から当該総収入金額を得るために支出した金額(零円)を控除した金額は 除額 50万円上記金額は,所得税法34条3項に規定する一時所得の特別控除額である。上記(ア)の一時所得の総収入金額から当該総収入金額を得るために支出した金額(零円)を控除した金額は,50万円以上となることから,同特別控除額は50万円となる。 (2) 株式等の譲渡所得の金額 △3億5631万9700円上記金額は,次のアからイを控除した金額である。 ア総収入金額 4億6007万6300円上記金額は,本件差額が一時所得の総収入金額に計上すべき金額となることから,本件修正申告における譲渡所得の総収入金額7億9065万2500円(甲2・7枚目「未公開分チ」欄)から本件差額の金額3億3057万6200円を減算した金額である。 イ取得費の金額 8億1639万6000円上記金額は,本件確定申告及び本件修正申告において,原告が本件譲渡に係る取得費として計上した金額と同額である(乙1・6枚目④の金額)。 (3) 所得控除の額の合計額 280万2626円上記金額は,社会保険料控除の額99万3934円,生命保険料控除の額5万円,寄附金控除の額137万8692円及び基礎控除の額38万円の合計額であり,本件修正申告書(甲2・2枚目)において,原告が「所得から差し引かれる金額」の「合計 25」欄に記載した金額と同額である。 (4) 課税総所得金額 1億8865万5000円上記金額は,前記(1)から(3)を控除した金額(ただし,通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。)である。 (5) 課税総所得金額に対する税額 7266万6000円-30-上記金額は,前記(4)の課税総所得金額1億8865万5000円に所得税法89条1項規定の税率を乗 てた後のもの。)である。 (5) 課税総所得金額に対する税額 7266万6000円-30-上記金額は,前記(4)の課税総所得金額1億8865万5000円に所得税法89条1項規定の税率を乗じた金額である。 (6) 配当控除の金額 72万0249円上記金額は,前記(1)ア記載の配当所得1440万4980円に所得税法92条1項規定の割合である100分の5を乗じた金額である。 (7) 差引所得税額 7194万5751円上記金額は,前記(5)から(6)を控除した金額である。 (8) 源泉徴収税額 771万9257円上記金額は,本件修正申告書(甲2・1枚目)において,原告が「税金の計算」の「源泉徴収税額 39」欄に記載した金額に,原告が受給した公的年金に係る源泉所得税額1万9086円を加算した金額である。 (9) 納付すべき税額 6422万6400円上記金額は,前記(7)から(8)を差し引いた金額(ただし,通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。)である。 2 本件再更正処分の適法性本訴において被告が主張する原告の平成21年分の所得税に係る納付すべき税額は,上記1(9)のとおりであるところ,当該金額は,本件再更正処分の金額と同額であるから,本件再更正処分は適法である。 第2 本件賦課決定処分の根拠及び適法性 1 本件更正処分は適法であるところ,原告には,本件更正処分により新たに納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうち,本件更正処分前における税額の計算の基礎とされていなかったことについて,通則法65条4項に規定する正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告に課されるべき過少申告加算税の額は,①本件更正処分により原告が新たに納付すべき 礎とされていなかったことについて,通則法65条4項に規定する正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告に課されるべき過少申告加算税の額は,①本件更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった所得税額6609万円(本件更正処分による納付すべき税額6393万0700円に,本件修正申告における還付-31-金の額に相当する税額216万3169円を加算した金額6609万3869円について,通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの。)に,通則法65条1項の規定に基づき100分の10の割合を乗じた金額660万9000円と,②通則法65条2項の規定に基づき,本件更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額6609万3800円と本件修正申告によって増加した税額1800円(本件修正申告における還付金の額に相当する税額216万3169円と本件確定申告における還付金の額に相当する税額216万4969円の差額)の合計額6609万5600円のうち,期限内申告税額553万5202円(期限内申告である本件確定申告の還付金の額に相当する税額216万4969円に源泉徴収税額770万0171円を加算した金額)を超える部分に相当する税額6056万円(通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの。)に100分の5を乗じた金額302万8000円の合計額963万7000円である。 2 本訴において被告が主張する原告に課されるべき過少申告加算税の額は,上記1のとおりであるところ,当該金額は,本件賦課決定処分における過少申告加算税の額と同額であるから,本件賦課決定処分は適法である。 以上 る過少申告加算税の額と同額であるから,本件賦課決定処分は適法である。 以上
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