主文 1 原判決中、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gの各敗訴部分をいずれも取り消す。 2 前項の各部分につき、1審原告東芝の各請求をいずれも棄却する。 3 1審原告東芝の控訴を棄却する。 4 訴訟費用は、第1、2審を通じて、1審原告東芝と1審被告らとの間に生じたものは、1審原告東芝の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 1審原告東芝 (1) 原判決主文第1項から第3項まで及び第6項を次のとおり変更する。 (2) 亡H関係ア主位的請求(ア) 1審被告Aは、1審原告東芝に対し、9億5000万円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員 (ただし、①うち2億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち7億5000万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E及び1審被告Fと、それぞれ連帯して)を支払え。 (イ) 1審被告B及び1審被告Cは、1審原告東芝に対し、それぞれ4億7500万円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち1億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち3億7500万円及びこれに 対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告 D、1審被告E及び1審被告Fと、それぞれ連帯して)を支払え。 イ予備的請求(ア) 1審被告Aは、1審原告東芝に対し、9億5000万円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合によ 被告E及び1審被告Fと、それぞれ連帯して)を支払え。 イ予備的請求(ア) 1審被告Aは、1審原告東芝に対し、9億5000万円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち2億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分 の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち7億5000万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E及び1審被告Fと、それぞれ連帯して)を、1審被告Aが亡Hから相続した財産の存する限度において、支払え。 (イ) 1審被告B及び1審被告Cは、1審原告東芝に対し、それぞれ4億7500万円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち1億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち3億7500万円及びこれに 対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E及び1審被告Fと、それぞれ連帯して)を、1審被告B及び1審被告Cがそれぞれ亡Hから相続した財産の存する限度において、支払え。 (3) 1審被告D関係 1審被告Dは、1審原告東芝に対し、32億円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち2億円(1審被告A)、1億円(1審被告B及び1審被告C)又は4億円(1審被告E、1審被告F及び1審被告G)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、 1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち8億円及びこれに対す 告F及び1審被告G)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、 1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、②うち8億円及びこれに対する 同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告E、1審被告F及び1審被告Gと、③うち7億5000万円(1審被告A)、3億7500万円(1審被告B及び1審被告C)又は15億円(1審被告E及び1審被告F)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、1審被告E及び1審被告Fと、 ④うち1億円(1審被告E)又は4億円(1審被告G)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告E及び1審被告Gと、⑤うち1億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告Gと、それぞれ連帯して)を支払え。 (4) 1審被告E関係 1審被告Eは、1審原告東芝に対し、28億円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち2億円(1審被告A)、1億円(1審被告B及び1審被告C)又は4億円(1審被告D、1審被告F及び1審被告G)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、 1審被告D、1審被告F及び1審被告Gと、②うち8億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告F及び1審被告Gと、③うち7億5000万円(1審被告A)、3億7500万円(1審被告B及び1審被告C)又は15億円(1審被告D及び1審被告F)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の 限度 ③うち7億5000万円(1審被告A)、3億7500万円(1審被告B及び1審被告C)又は15億円(1審被告D及び1審被告F)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の 限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、1審被告D及び1審被告Fと、④うち1億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D及び1審被告Gと、それぞれ連帯して)を支払え。 (5) 1審被告F関係1審被告Fは、1審原告東芝に対し、27億円及びこれに対する平成28 年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち2億 円(1審被告A)、1億円(1審被告B及び1審被告C)又は4億円(1審被告D、1審被告E及び1審被告G)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gと、②うち8億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被 告E及び1審被告Gと、③うち7億5000万円(1審被告A)、3億7500万円(1審被告B及び1審被告C)又は15億円(1審被告D及び1審被告E)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、1審被告D及び1審被告Eと、それぞれ連帯して)を支払え。 (6) 1審被告G関係1審被告Gは、1審原告東芝に対し、17億円及びこれに対する平成28年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、①うち2億円(1審被告A)、1億円(1審被告B及び1審被告C)又は4億円(1審被告D、1審被告E及び1審被告F)及びこれに対する同日から支払済みま で年5分の割合に 割合による金員(ただし、①うち2億円(1審被告A)、1億円(1審被告B及び1審被告C)又は4億円(1審被告D、1審被告E及び1審被告F)及びこれに対する同日から支払済みま で年5分の割合による金員の限度で1審被告A、1審被告B、1審被告C、1審被告D、1審被告E及び1審被告Fと、②うち8億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告D、1審被告E及び1審被告Fと、③うち4億円(1審被告D)又は1億円(1審被告E)及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度 で1審被告D及び1審被告Eと、④うち1億円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で1審被告Dと、それぞれ連帯して)を支払え。 2 1審被告D(1) 原判決中、1審被告Dの敗訴部分を取り消す。 (2) 前項の取消部分につき、1審原告東芝の請求を棄却する。 3 1審被告E(1) 原判決中、1審被告Eの敗訴部分を取り消す。 (2) 前項の取消部分につき、1審原告東芝の請求を棄却する。 4 1審被告G(1) 原判決中、1審被告Gの敗訴部分を取り消す。 (2) 前項の取消部分につき、1審原告東芝の請求を棄却する。 第2 事案の概要(当事者等の略称及び略語は、本判決本文及び別紙当事者等略称一覧表記載のほかは、原判決のとおりである。以下同じ。) 1 本件は、1審原告東芝が、その取締役兼代表執行役であった亡H、1審被告D、1審被告E、1審被告F及び1審被告Gの在任中に行われた会計処理 が会社法431条に違反する違法なものであり、1審被告らには取締役又は執行役としての善管注意義務違反があったと主張して、会社法423条1項に基づき、亡Hに対しては19億円、1審被告 会計処理 が会社法431条に違反する違法なものであり、1審被告らには取締役又は執行役としての善管注意義務違反があったと主張して、会社法423条1項に基づき、亡Hに対しては19億円、1審被告Dに対しては32億円、1審被告Eに対しては28億円、1審被告Fに対しては27億円、1審被告Gに対しては17億円及びその遅延損害金の支払(ただし、一部連帯支払を求め るものである。)を求めた事案である。なお、亡Hは原審係属中に死亡し、訴訟手続を1審被告Aらが承継した。これに伴い、1審原告東芝は、1審被告Aらに対する予備的請求として、亡Hから相続した財産の存する限度において法定相続分に応じた支払を求める旨の訴えの追加的変更をしている。 原審は、1審被告Aら及び1審被告Fに対する各請求をいずれも棄却し、 1審被告Dに対する請求を1億円及び遅延損害金(ただし、1審被告Gとの連帯債務)、1審被告Eに対する請求を1億円及び遅延損害金(ただし、1審被告Gとの連帯債務)、1審被告Gに対する請求を2億円及び遅延損害金(ただし、うち1億円及び遅延損害金については1審被告Dとの連帯債務、うち1億円及び遅延損害金については1審被告Eとの連帯債務)の限度で認 容したところ、1審原告東芝、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gが、 敗訴部分を争って、それぞれ控訴を提起した。 なお、本件は、原審において、①1審原告東芝の株主であったIが、1審原告東芝の共同訴訟人として本件に共同訴訟参加をした事件(東京地方裁判所平成28年(ワ)第329号参加申出事件)、②1審原告東芝の株主であったJが、1審原告東芝の共同訴訟人として本件に共同訴訟参加をした事件 (同裁判所同年(ワ)第16367号参加申出事件)、③1審原告東芝の株主であったJが、1審原告東 、②1審原告東芝の株主であったJが、1審原告東芝の共同訴訟人として本件に共同訴訟参加をした事件 (同裁判所同年(ワ)第16367号参加申出事件)、③1審原告東芝の株主であったJが、1審原告東芝の取締役等であったK、L、M、N、O、P、Q、R、S及びTに対し、その在任中の会計処理が違法なものであったと主張して、会社法847条3項に基づき、同法423条1項に基づく損害金等の一部を1審原告東芝に連帯して支払うよう求めた事件(同裁判所同年(ワ) 第16322号損害賠償請求事件。以下「株主代表訴訟」ということがある。)と併合して審理及び判決がされたものの、上記①~③の各事件については、原判決言渡し後に1審原告東芝において株式併合が行われ、I及びJの保有する株式はいずれも1株に満たない端数となり、上記両名は原告適格を喪失したことから、令和6年3月6日、上記①及び②の各共同訴訟参加申 出並びに上記③の訴えをいずれも却下する旨の判決が言い渡されている。なお、K、L、M、N、O、P、Q、R、S及びTについては、原判決の記載を引用する部分では、いずれも被告として表示されているが、第1審では被告であったので、いずれも訂正しない。 2 前提事実、争点及び当事者の主張は、原判決「事実及び理由」欄の第2章 及び第3章に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。 (1) 原判決16頁14行目から21行目までを次のとおり改める。 「 1審原告東芝は、各種電気機械器具製造業等を目的とする株式会社であり、本件当時、平成26年法律第90号による改正前会社法(以下 「改正前会社法」という。)の委員会設置会社かつ取締役会設置会社かつ 会計監査人設置会社であって、株式会社東京証券取引所(以下「東証」 平成26年法律第90号による改正前会社法(以下 「改正前会社法」という。)の委員会設置会社かつ取締役会設置会社かつ 会計監査人設置会社であって、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という。)の市場第一部及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名証」という。)の市場第一部に上場していた。1審原告東芝の決算期は、毎年3月末日である。」(2) 原判決16頁22行目から17頁3行目までを削除し、5行目及び12 行目の各「会社提起訴訟」をいずれも「本件訴訟」と改め、22行目と23行目の間に次のとおり加える。 「 本件対象期間における1審原告東芝の連結決算(ただし、後記第5節第1の4の過年度決算等の修正後のもの)は、次のとおりである。(甲A291の5枚目) ① 平成20年度営業損益損失約3092億円税引前損益損失約3361億円② 平成21年度営業損益利益約718億円 税引前損益損失約143億円③ 平成22年度営業損益利益約2445億円税引前損益利益約2018億円④ 平成23年度 営業損益利益約1149億円税引前損益利益約614億円⑤ 平成24年度営業損益利益約921億円税引前損益利益約749億円 ⑥ 平成25年度 営業損益利益約2571億円税引前損益利益約1823億円⑦ 平成26年度(第1四半期~第3四半期累計)営業損益利益約2018億円税引前損益利益約1882億円」 (3) 原判決24頁16行目の「甲A157」を「甲A73の2、甲A157」と改め、21行目と22行目の間に次のとおり加え、同行目の「甲A73の2、157」を「甲A157」と改める。 「 このような手順を経て作成された翌3か年度分 A157」を「甲A73の2、甲A157」と改め、21行目と22行目の間に次のとおり加え、同行目の「甲A73の2、157」を「甲A157」と改める。 「 このような手順を経て作成された翌3か年度分の中期経営計画及び翌年度の予算大綱が、取締役会において承認されることとされていた(取 締役会規則〔甲A73の2〕8条、グループ・ガバナンス基本規程〔甲A157〕18頁)。」(4) 原判決25頁25行目から26頁2行目までを削除する。 (5) 原判決31頁8行目の「このうち、」から14行目末尾までを削除し、18行目の「販売しており、」から19行目末尾までを「販売していた。」 と改める。 (6) 原判決33頁5行目の「会社提起訴訟」を「本件訴訟」と改め、22行目末尾に「(令和6年内閣府令第29号による改正前のもの)」を加え、26行目の「法」を「金融商品取引法」と改める。 (7) 原判決34頁6行目末尾に「(令和6年内閣府令第29号による改正前 のもの)」を加え、7行目及び15行目の各「法」をいずれも「金融商品取引法」と改め、24行目の「2009」の次に「年」を加える。 (8) 原判決40頁19行目の「会社提起訴訟及び株主代表訴訟の各提起」を「本件訴訟の提起」と改める。 (9) 原判決42頁1行目の「平成24年度(2012年度)」を「平成22 年度(2010年度)」と、5行目の「同年」を「平成27年」とそれぞ れ改め、6行目から11行目までを削除し、12行目の「6」を「5」と改め、21行目から43頁15行目までを削除する。 (10) 原判決45頁25行目の「会社提起訴訟を」から46頁1行目の「であり、」までを削除し、5行目と6行目の間に次のとおり加える。 「1 インフラ案件に係る公正な会計慣行」 ( する。 (10) 原判決45頁25行目の「会社提起訴訟を」から46頁1行目の「であり、」までを削除し、5行目と6行目の間に次のとおり加える。 「1 インフラ案件に係る公正な会計慣行」 (11) 原判決46頁6行目の「1」を「2」と、7行目の「2」を「3」と、8行目の「3」を「4」と、9行目の「4」を「5」と、10行目の「5」を「6」とそれぞれ改め、22行目の「及び株主原告ら」を削除する。 (12) 原判決47頁20行目の「likeiy」を「likely」と改める。 (13) 原判決48頁18行目の「収取」を「収集」と改め、22行目から4 9頁20行目までを削除する。 (14) 原判決49頁22行目の「及び株主原告ら」を削除する。 (15) 原判決54頁9行目から57頁19行目まで及び21行目の「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (16) 原判決60頁19行目から63頁8行目まで及び10行目の「及び株 主原告ら」をいずれも削除する。 (17) 原判決68頁10行目から70頁23行目まで及び25行目の「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (18) 原判決82頁19行目の「義務けられている」を「義務付けられている」と改める。 (19) 原判決92頁6行目の「により」を「によるものと」と改める。 (20) 原判決93頁12行目から97頁12行目まで及び14行目の「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (21) 原判決101頁10行目の「(ただし」から11行目の「主張しない。)」まで及び20行目から22行目までをいずれも削除する。 (22) 原判決106頁14行目から108頁5行目までを削除する。 (23) 原判決108頁8行目の「会社提起訴訟」を「本件訴訟」と改め、同行目の「(株 をいずれも削除する。 (22) 原判決106頁14行目から108頁5行目までを削除する。 (23) 原判決108頁8行目の「会社提起訴訟」を「本件訴訟」と改め、同行目の「(株主原告らの主張も同旨)」を削除する。 (24) 原判決110頁10行目から112頁2行目までを削除し、3行目の「(3)」を「(2)」と、7行目の「(4)」を「(3)」と、14行目の「(5)」を「(4)」と、26行目の「(6)」を「(5)」とそれぞれ改める。 (25) 原判決113頁13行目の「(7)」を「(6)」と改め、23行目から116頁2行目までを削除する。 (26) 原判決116頁4行目の「(株主原告らの主張も同旨)」を削除する。 (27) 原判決123頁17行目から132頁21行目までを削除し、22行目の「(3)」を「(2)」と改める。 (28) 原判決133頁1行目の「(4)」を「(3)」と、6行目の「(5)」を「(4)」と、9行目から10行目にかけての「TIC米地下鉄案件」を「ETC案件」と、13行目の「(6)」を「(5)」と、18行目の「(7)」を「(6)」とそれぞれ改める。 (29) 原判決133頁25行目から136頁8行目まで及び10行目の「及 び株主原告ら」をいずれも削除する。 (30) 原判決137頁3行目の「①」、4行目の「並びに②被告N、被告O及び被告P」及び17行目の「、③被告K」から20行目の「善管注意義務違反」までをいずれも削除する。 (31) 原判決138頁8行目の「、③被告K」から11行目の「善管注意義 務違反」までを削除する。 (32) 原判決142頁18行目から143頁11行目までを削除する。 (33) 原判決143頁23行目から144頁7行目までを削除する。 (34) 「善管注意義 務違反」までを削除する。 (32) 原判決142頁18行目から143頁11行目までを削除する。 (33) 原判決143頁23行目から144頁7行目までを削除する。 (34) 原判決147頁7行目から150頁14行目までを削除する。 (35) 原判決158頁19行目から161頁15行目までを削除する。 (36) 原判決340頁10行目の「4月」を「6月」と、13行目の「6月」 を「4月」とそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 TIC米地下鉄案件について(1) 当裁判所は、TIC米地下鉄案件について、平成26年度第1四半期末において約6430万米ドルの損失の発生が見込まれることを前提とした 引当金を計上すべきであったところ、損失見積額を約38億8900万円(1米ドル100円で換算すると約3889万米ドル)とすることを前提として引当金を計上した可能性があるが、その余の期については違法な会計処理が行われたとは認められないと判断する。その理由は、次のとおりである。 (2) 認定事実原判決「事実及び理由」欄の第4章第1節第1に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。 ア原判決165頁7行目から16行目までを次のとおり改める。 「(ベース分) ① 実査時点の見込額損失約8560万米ドル(収益約1億2910万米ドル、費用約2億1470万米ドル)② 実査時点の目標額損失約2590万米ドル(収益約1億2910万米ドル、費用約1億5500万米ドル)(オプション分) ③ 実査時点の見込額損失約4150万米ドル(収益約1億2150万米ドル、費用約1億6250万米ドル)④ 実査時点の目標額利益約2590万米ドル(収益 万米ドル)(オプション分) ③ 実査時点の見込額損失約4150万米ドル(収益約1億2150万米ドル、費用約1億6250万米ドル)④ 実査時点の目標額利益約2590万米ドル(収益約1億2150万米ドル、費用9560万米ドル)」イ原判決174頁22行目の「⑤においては、」の次に「ベース分につ いて、」を加える。 ウ原判決177頁17行目の「請求する」を「請求し、同年12月中旬までにSPアップ全体を見極める」と改め、20行目の「添付されていた。」の次に「この資料2には、同月31日に川崎重工に対しSPアップ要求項目の請求根拠の詳細及び価格内訳を説明したところ、川崎重工から、仕様変更分については項目の妥当性は理解したので、書類を整備 しKRC経由でWMATAへ請求を進めるよう指示があった旨の記載がされていた。」を加える。 エ原判決178頁4行目の「利益」を「収益」と改める。 オ原判決180頁1行目の「目標を」から2行目の「あること」までを「複数の項目で目標を達成し、更にコスト削減額の上積みを目指すこと、 目標を達成していない項目についても目標の達成を目指す予定であること」と改める。 カ原判決181頁13行目末尾に「(乙E101)」を加える。 キ原判決182頁10行目から16行目までを次のとおり改める。 「⑤ 利益約2580万米ドル(収益約1億3400万米ドル(目標 額)、費用約1億0820万米ドル(目標額))併せて、上記資料には、SPアップ施策は川崎重工との交渉頼みであることや、更なるコスト削減はトップ交渉頼みの厳しい状況であることが記載されていた。 これに対し、1審被告Gは、平成25年度上期、同年度下期及び平 成26年度の3回に分けて引当金を計上する案 ことや、更なるコスト削減はトップ交渉頼みの厳しい状況であることが記載されていた。 これに対し、1審被告Gは、平成25年度上期、同年度下期及び平 成26年度の3回に分けて引当金を計上する案を提案し、Lもこれに賛同する意見を述べた(甲A237)。 上記報告後、SIS社の経理部担当者は、鉄道システム統括部(RS)の担当者に宛てて、上記報告の結果とともに、上記経理部担当者個人の意見としては、営業の負荷の増大、説明の機会の増加及び監査 上のリスクがあるため、別の方策を模索するつもりであることなどを 記載したメールを送信した(甲A237)。」ク原判決183頁8行目の「1~3」の次に「、乙E98の1、乙E101」を加え、26行目の「計上」を「追加計上」と改め、同行目末尾に「(乙E98の2、乙E101)」を加える。 ケ原判決184頁10行目の「計上」を「追加計上」と改め、同行目の 「127頁」の次に「、乙E98の3、乙E101」を加える。 コ原判決185頁8行目と9行目の間に次のとおり加える。 「 また、上記書面には、ベース分については「CR活動実行するも、▲64.3Mドルの赤字計上見込み」との説明が、オプション分については「Baseの施策完遂+Option追加施策により、損益ゼ ロ化を目標とする」との説明が付記されていた。」サ原判決185頁10行目及び11行目を次のとおり改める。 「 1審原告東芝は、平成26年度第1四半期末において、TIC米地下鉄案件に関し、損失額を約38億8900万円と見積もった上で、引当金を追加計上しなかった。(乙E98の4)」 (3) 会計処理の違法性についてア平成23年度第4四半期(ア) 検討1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成23年 で、引当金を追加計上しなかった。(乙E98の4)」 (3) 会計処理の違法性についてア平成23年度第4四半期(ア) 検討1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成23年度第4四半期末においては、少なくとも2600万米ドルの損失が発生する可 能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも2600万米ドルの引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、①平成24年3月16日付け資料(乙F44)においては、ベース分について、現状では約7800万米ドルの損失、目標が約400万米ドルの利益とされ(認定事実4(2)シ)、②平成23年12月 15日付け監査報告書(甲A78)では、オプション分について、成 行値として約4150万米ドルの損失が見込まれるものの、コスト削減等の施策に取り組み、約2590万米ドルの利益を目標とすることとされ(認定事実4(1)エ)、③平成24年1月26日付け資料(甲A79)及び同年2月7日付け資料(乙F39)においても、ベース分とオプション分とを合わせて黒字化を目指すことが記載されている (認定事実4(2)ウ、カ)。そして、これらの資料に目標値として記載された見積値が、当時既に達成困難な状況にあったと認めるに足りる証拠はない。また、TIC米地下鉄案件に関する平成23年度第4四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 1審原告東芝の主張についてa これに対し、1審原告東芝は、上記の目標値は、SPアップを実 現することを前提とするものであると て引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 1審原告東芝の主張についてa これに対し、1審原告東芝は、上記の目標値は、SPアップを実 現することを前提とするものであるところ、①受注後にTIC米がKRCに対しSPアップを要求しても、WMATAが認めない限り、KRCはこれに応じない旨の合意(本件負担拒否合意)が存在していたこと、②SIS社担当部署(RS)においても、当初はSPアップを考えておらず、これを考えるようになったのは、コスト削減 だけでは黒字化が困難と判断した平成24年2月下旬以降のことであること、③実際のSPアップ交渉をみても、当初は同年9月までに結論を出すとされていたにもかかわらず、同月7日時点での達成率が約4%にとどまったことから、平成25年12月まで結論が先延ばしにされ、同年1月には、WMATAからSPアップの承認を 確定的に拒否されるに至っていること、④その後、川崎重工との交 渉に絞ったものの、その対象はWMATAの承認(WMATAへの求償)を前提とせずに、KRC自身の費用負担でSPアップを受諾してもらえる金額に限定されていたこと、⑤実際にも、平成26年度第1四半期末時点で達成が見込まれていたSPアップ額は450万米ドルにすぎず、平成24年3月時点でのSPアップ額の目標値 (4300万米ドル)の1割強に過ぎなかったことなどから、SPアップは実現困難であったと主張する。 しかし、1審原告東芝の上記主張は、前記の目標値がどのような検討過程を経て得られたものであるのか何ら具体的に主張、立証していない点において失当といわざるを得ず、上記①~⑤を踏まえて も、前記の目標値が達成可能性に乏しいものであることが立証されたとはいえない。 上記各主張を個別に検討して 体的に主張、立証していない点において失当といわざるを得ず、上記①~⑤を踏まえて も、前記の目標値が達成可能性に乏しいものであることが立証されたとはいえない。 上記各主張を個別に検討しても、上記①及び②は、いずれも直ちに平成23年度第4四半期末の時点において、WMATAや川崎重工側(KRC等)とのSPアップ交渉が成功する見込みがなかった ことを基礎付けるものとはいえない。また、上記③~⑤は、同四半期末より後の事情であるから、これをもって同四半期末において既に、SPアップの可能性が乏しく、損失の発生が不可避であったと直ちにいうことはできない。 かえって、SIS社のカンパニー社長であったLは、「インフラ 案件においては、受注後に、種々の事情により外部仕様が変更、追加されることがあり、SPアップが行われることは珍しくない。」「ETC案件でも、当初は97.4億円だったものが、その後のSPアップにより約174億円にまで増額されている。」などと述べているところであって(乙F76の2の17~18頁)、これを覆 すに足りる証拠は見当たらない。そして、本件においても、平成2 4年8月31日時点では、SPアップについて川崎重工側から一定の理解が得られていたのであるし(認定事実4(4)ウ)、WMATAとの交渉についても、平成25年1月17日まで継続されていたのであるから(認定事実4(6)ア)、平成23年度第4四半期末の時点において、SIS社が目標としていたSPアップの可能性が乏しか ったと認めることはできない。 b 1審原告東芝は、米国会計基準(FASBASC605-35-25-15)を指摘した上で、オプション契約は、WMATAとKRCのいずれもが追加発注を選択しなければ成立し得ないものであったこと、平 b 1審原告東芝は、米国会計基準(FASBASC605-35-25-15)を指摘した上で、オプション契約は、WMATAとKRCのいずれもが追加発注を選択しなければ成立し得ないものであったこと、平成23年度第4四半期当時オプションが行使されることが確実であったと はいえないことから、オプション分を考慮して収益を見積もることは許されないと主張する。 しかし、そもそも上記米国会計基準は、見積収入総額の決定については、事象の発生時等に定期的に見直さなければならないこと等をいうものにすぎず(前提事実第4節第2の2(5))、収益の発生が オプション権の行使に係る場合には当該収益を認識してはならないことをいうものとは認められない。 そして、オプション契約がWMATAとKRCのいずれもが追加発注を選択しなければ成立し得ないものであったとしても、そのことからTIC米地下鉄案件においてオプション契約の成立の可能性 が乏しかったと直ちにいうことはできないし、WMATAがオプション権を行使したにもかかわらずKRCがTIC米以外の業者に発注するというのも、にわかに想定し難い事態である(実際にも、オプション4はベース契約と共に発効済みであり、オプション1~3、5も、最終的には全て発効していることがうかがわれる。)。 そうすると、1審原告東芝の主張、立証を考慮しても、TIC米 地下鉄案件において、オプション契約の成立の可能性が乏しかったと認めるに足りる証拠はないというべきであって、オプション分の収益も考慮して損失の見積りを行ったことが不合理であるということはできない。 なお、1審原告東芝は、オプション分の収益額がベース分の損失 額とほぼ同額に設定されていることから、上記収益額はベース分の損失額を埋め合わ を行ったことが不合理であるということはできない。 なお、1審原告東芝は、オプション分の収益額がベース分の損失 額とほぼ同額に設定されていることから、上記収益額はベース分の損失額を埋め合わせる数値として便宜上使用されたものと評価せざるを得ず、合理的な数値とはいえないとも主張する。しかし、TIC米地下鉄案件においては、平成22年8月頃には、ベース分とオプション分とを合わせて損益ゼロを目指すとの方針が採用されてい るのであるから(認定事実4(1)イ)、SIS社において、ベース分の損失を埋め合わせるようオプション分の収益目標を立てることは当然であって、オプション分の収益額がベース分の損失額とほぼ同額に設定されていることだけを理由に、上記収益額に合理性がないということはできない。 また、1審原告東芝は、仮にオプション分を考慮するとしても、平成25年3月29日付け書面(甲A114)によれば、オプション分においても損失発生が見込まれていたから、オプション分を考慮しても、損失発生が見込まれていたと主張する。 しかし、上記書面は、平成25年3月29日に作成されたもので あって、平成23年度第4四半期末(平成24年3月31日)当時においても上記書面と同様の見積りが行われていたことを示す証拠ではないから、上記書面をもって平成23年度第4四半期末における会計処理が違法であったことを基礎付けることはできない。この点を措くとしても、上記書面(甲A114)では、オプション分に ついて、現状の見積値としては損失の発生が見込まれる旨の記載が あるものの、目標の見積値としては約1925万米ドルの利益の発生が見込まれる旨記載されている(認定事実4(6)ウ)。そして、他に、オプション分の目標としても損失が見込まれる旨 旨の記載が あるものの、目標の見積値としては約1925万米ドルの利益の発生が見込まれる旨記載されている(認定事実4(6)ウ)。そして、他に、オプション分の目標としても損失が見込まれる旨記載された資料は見当たらないから、1審原告東芝の上記主張はその前提を欠くものである。 (ウ) 小括そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成23年度第4四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 イ平成24年度第1四半期 (ア) 検討1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成23年度第4四半期末までに少なくとも2600万米ドルの損失が発生する可能性が高いと認められる状況にあったから、平成24年度第1四半期末においても、少なくとも2600万米ドルの引当金を計上すべきであった と主張する。 しかし、平成23年度第4四半期末までに損失の発生が見込まれたといえないことは、前記アに説示したとおりである。 そして、平成24年4月16日付け資料(乙B4)においては、ベース分の損益について、SPアップ交渉等が成功することを前提に、 「全て良い結果が出た場合」には400万米ドルの利益が見込まれると記載されているところ(認定事実4(3)ア)、この目標とされた見積値が、当時既に達成困難な状況にあったと認めるに足りる証拠はない。 また、TIC米地下鉄案件に関する平成24年度第1四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうか がわれない。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 1審 したこともうか がわれない。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 1審原告東芝の主張についてこれに対し、1審原告東芝は、平成24年7月5日付け資料(乙F 46)によれば、コスト削減施策は目標の32%、SPアップ施策は目標の4%しか達成できていないから、これらの施策を考慮することは許されないと主張する。 しかし、これらの施策が上記資料の作成時点で実現できる(すなわち達成率100%となる)と見込まれていたのに上記の達成率にとど まっていたと認めるに足りる証拠はない(なお、1審原告東芝は、平成24年3月16日に実施されたK及び1審被告Gへの報告の結果を記載した書面(甲A234)の記載を根拠に、SPアップ交渉は同年9月までに結論を出すとされていたとも主張するが、上記書面には、Kの発言として、「SPアップ交渉の結論を9月までに出すのであれ ば、」と記載されているにすぎない上、他に同月がSPアップ交渉の期限であったと認めるに足りる証拠もないから、1審原告東芝の上記主張を採用することはできない。)。実際のSPアップ交渉をみても、同年12月中旬までにSPアップ全体を見極めることとされている(認定事実4(4)ウ)。そもそもTIC米地下鉄案件は、数か年にわた って取り組むことが予定されていた案件であるから(同年2月24日付け資料(甲A80)の第4項のスケジュール参照)、前記資料(乙F46)に記載されたコスト削減施策及びSPアップ施策の達成率から直ちに、これらの施策の実現可能性が乏しかったと結論付けることはできない。 (ウ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄 ト削減施策及びSPアップ施策の達成率から直ちに、これらの施策の実現可能性が乏しかったと結論付けることはできない。 (ウ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第1四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 ウ平成24年度第2四半期(ア) 検討 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第2四半期末において、約4100万米ドルの損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも4100万米ドルの引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、平成24年度第2四半期末において、損失の発生の可能性 が高いと認められる状況にあったと認めるに足りる証拠はない上、TIC米地下鉄案件に関する同四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできな い。 (イ) 1審原告東芝の主張についてこれに対し、1審原告東芝は、平成24年9月7日付け資料(甲A81)によれば、SPアップの達成率は平成24年度第1四半期と同様4%と進展がなく、かつ、4100万米ドルの損失が見込まれてい たと主張する。 しかし、そもそも、上記資料に記載された「4100万米ドルの損失」との見積値は、平成24年9月7日時点で達成されたSPアップとコスト削減を前提とした金額にすぎず(認定事実4(4)ウ)、最終的にTIC米地下鉄案件において4100万米ドルの損失が見込まれる ことをいうものではないから、1 日時点で達成されたSPアップとコスト削減を前提とした金額にすぎず(認定事実4(4)ウ)、最終的にTIC米地下鉄案件において4100万米ドルの損失が見込まれる ことをいうものではないから、1審原告東芝の上記主張は失当である。 また、SPアップの達成率が低水準にとどまっているからといってSPアップの実現可能性が乏しかったと直ちに結論付けることができないことは、前記イ(イ)に説示したとおりであるし、かえって上記資料によれば、コスト削減施策の達成率は約90%に達していることが認められる(認定事実4(4)ウ)。 したがって、上記資料から、平成24年度第2四半期末において、4100万米ドルの損失の発生が見込まれていたと認めることはできず、他に、同四半期末において損失が発生する可能性が高いと判断すべき状況にあったと認めるに足りる証拠はない。 (ウ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第2四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 エ平成24年度第3四半期(ア) 検討 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第3四半期末において、約4100万米ドルの損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも4100万米ドルの引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、平成24年度第3四半期末において、損失の発生の可能性 が高いと認められる状況にあったと認めるに足りる証拠はない上、TIC米地下鉄案件に関する同四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。かえって、同四半期においては、同年10月3 あったと認めるに足りる証拠はない上、TIC米地下鉄案件に関する同四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。かえって、同四半期においては、同年10月3日にオプション1が発効していること(認定事実4(5)ア)も踏まえると、オプション分を踏まえて損益 評価を行うことが不合理とはいえないことが、より一層明らかになっ たというべきである。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第3四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 オ平成24年度第4四半期(ア) 検討 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成24年度第4四半期末において、約4100万米ドルの損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも4100万米ドルの引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、平成24年度第4四半期末において、損失の発生の可能性 が高いと認められる状況にあったと認めるに足りる証拠はない上、TIC米地下鉄案件に関する同四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできな い。 (イ) 1審原告東芝の主張についてこれに対し、1審原告東芝は、平成25年1月17日にはWMATAにSPアップ交渉を拒絶されていることを 金を計上すべきであったということはできな い。 (イ) 1審原告東芝の主張についてこれに対し、1審原告東芝は、平成25年1月17日にはWMATAにSPアップ交渉を拒絶されていることを指摘して、SPアップは困難であったと主張する。 しかし、平成25年3月29日付け書面(甲A114)によれば、 SIS社は改めて川崎重工(KRC)との交渉に臨むこととされている上、コスト削減施策については、複数の項目で従前の目標を達成した上、更なる削減を目指すこととされていたのであって(認定事実4(6)ウ)、これらの施策が実現困難であったと認めるに足りる証拠はないから、ベース分での損失の発生が確実であったとまでは認められな い。仮にベース分での損失の発生が確実であったとしても、上記書面によれば、オプション分(1~3、5)においては、約1925万米ドルの利益を目標額とするとの記載があり(認定事実4(6)ウ)、これが達成困難であったと認めるに足りる証拠はない。したがって、同年1月17日にWMATAにSPアップ交渉を拒絶されていることを踏 まえても、平成24年度第4四半期末において、損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったと認めるには足りないというべきである。 (ウ) 小括そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成2 4年度第4四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 カ平成25年度第1四半期(ア) 検討1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成25年度第1四 半期末において、約4100万米ドルの損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも41 審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、平成25年度第1四 半期末において、約4100万米ドルの損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったから、同四半期末において、少なくとも4100万米ドルの引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、平成25年度第1四半期末において、損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったと認めるに足りる証拠はない上、T IC米地下鉄案件に関する同四半期末の会計処理について、新日本監 査法人が何らかの問題を指摘したこともうかがわれない。かえって、同四半期においては、同年5月28日にオプション3が発効していること(認定事実4(7)イ)も踏まえると、オプション分を踏まえて損益評価を行うことが不合理とはいえないことが、より一層明らかになったというべきである。 したがって、1審原告東芝において、TIC米地下鉄案件につき、同四半期末において引当金を計上すべきであったということはできない。 (イ) 小括そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成2 5年度第1四半期末において引当金を計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 キ平成25年度第2四半期(ア) 検討平成25年度第2四半期末においては、TIC米地下鉄案件につき、 25億円の引当金が計上されているところ、1審原告東芝は、同年7月8日付け資料(甲A82)において、「実現可能ケース」の損益見通しが48億2000万円の損失とされていることから、同四半期末において少なくとも48億2000万円の引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、上記資料には、ベース分については、最も損失が少ないケースの損益見通しが約20億円の ら、同四半期末において少なくとも48億2000万円の引当金を計上すべきであったと主張する。 しかし、上記資料には、ベース分については、最も損失が少ないケースの損益見通しが約20億円の損失(1米ドル100円で換算すると約2000万米ドルの損失)と記載されている上、オプション分については、目標の損益見通しが約2580万米ドルの利益と記載されているのであるから(認定事実4(8)ア)、ベース分において上記ケー スの損益(約2000万米ドルの損失)を達成し、かつ、オプション 分において上記目標(約2580万米ドルの利益)を達成すれば、約580万米ドルの利益となり、損失は回避できることになる。また、仮に上記の目標値の前提となる施策に実現困難なものが含まれており損失の発生が避けられなかったとしても、それによって発生する損失が25億円の引当金で賄えないほどの額であったと認めるに足りる証 拠はない。 そして、これらの目標値の前提となるSPアップやコスト削減について、上記資料では、SPアップ施策は川崎重工との交渉頼みであることや、更なるコスト削減はトップ交渉頼みの厳しい状況であることが記載されていたものの(認定事実4(8)ア)、SIS社は、こうした 状況を踏まえつつ上記の目標値を算出したものであって、1審原告東芝がその算出過程について何ら主張、立証していないことも考慮すると、上記の目標値が達成困難なものであったと認めることはできない。 加えて、TIC米地下鉄案件に関する平成25年度第2四半期末の会計処理について、新日本監査法人が何らかの問題を指摘したことも うかがわれない。 したがって、仮に平成25年度第2四半期末において、損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったとしても、その額が25億 新日本監査法人が何らかの問題を指摘したことも うかがわれない。 したがって、仮に平成25年度第2四半期末において、損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったとしても、その額が25億円の引当金で賄えないものであったと認めることはできない。 (イ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成25年度第2四半期末において25億円の引当金を計上した会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 ク平成25年度第3四半期(ア) 検討 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、前記の平成25年7 月8日付け資料(甲A82)の記載を根拠に、同年度第3四半期末においても、少なくとも48億2000万円の引当金を計上すべきであったと主張する(なお、1審原告東芝は、同四半期末において引当金が一切計上されなかったと主張しているが、前記認定事実4(9)ウによれば、同四半期末においては、同年度第2四半期末に計上された25 億円の引当金を前提に、その追加計上が行われなかったにすぎないと認められる。)。 しかし、上記資料から48億2000万円の損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったと認めることができないことは、前記キに説示したとおりである。 他方で、平成25年11月22日付け書面(甲A83の1)及び同年12月19日付け書面(甲A83の2)には、ベース分について、60億円の損失が見込まれる旨の記載があるものの、上記各書面には、「影響額▲60億~▲50億円に対し、更に圧縮をチャレンジ中。」とも記載されており(認定事実4(9)ア、イ)、60億円の損失という 見積値が確定的なものではないことがうかがわれる上、上記各書面では、オプショ ~▲50億円に対し、更に圧縮をチャレンジ中。」とも記載されており(認定事実4(9)ア、イ)、60億円の損失という 見積値が確定的なものではないことがうかがわれる上、上記各書面では、オプション分についての損益見通しは何ら明らかにされていないから、上記各書面の記載から直ちに、平成25年度第3四半期末において、25億円の引当金では不足するほどの損失が発生する可能性が高いと認められる状況にあったと認めることはできない。 (イ) 小括そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成25年度第3四半期末において引当金を追加計上しなかった会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 ケ平成25年度第4四半期 (ア) 検討 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、前記の平成25年7月8日付け資料(甲A82)の記載を根拠に、同年度第4四半期末においても、少なくとも48億2000万円の引当金を計上すべきであったと主張する(なお、1審原告東芝は、同四半期末においては引当金が6億円しか計上されなかったと主張しているが、前記認定事実4 (8)ウ、(10)イのとおり、同四半期末においては、同年度第2四半期末に25億円の引当金が計上されたことを前提に、6億円の引当金が追加計上されたものと認められる。)。 しかし、上記資料から48億2000万円の損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったと認めることができないことは、前記 キに説示したとおりである。 なお、平成26年2月20日付け書面(甲A83の3)にも、ベース分について60億円の損失が見込まれるとの記載があるものの、TIC米地下鉄案件に関する記載内容は、前記ク(ア)の平成25年11月22日付け書面(甲 6年2月20日付け書面(甲A83の3)にも、ベース分について60億円の損失が見込まれるとの記載があるものの、TIC米地下鉄案件に関する記載内容は、前記ク(ア)の平成25年11月22日付け書面(甲A83の1)及び同年12月19日付け書面(甲 A83の2)と同一であるから(認定事実4(10)ア)、これをもって同年度第4四半期末において、6億円の引当金の追加計上では不足するほどの損失が発生する可能性が高いと認められる状況にあったと認めることはできない。 (イ) 小括 そうすると、1審原告東芝が、TIC米地下鉄案件につき、平成25年度第4四半期末において6億円の引当金を追加計上した会計処理が米国会計基準に違反する違法なものであったということはできない。 コ平成26年度第1四半期(ア) 1審原告東芝は、TIC米地下鉄案件につき、前記の平成25年7 月8日付け資料(甲A82)の記載を根拠に、平成26年度第1四半 期末においても、少なくとも48億2000万円の引当金を計上すべきであったと主張する(なお、1審原告東芝は、同四半期末において引当金が一切計上されなかったと主張しているが、前記認定事実4(11)イのとおり、同四半期末においては、平成25年度第4四半期末までに計上された引当金を前提に、その追加計上が行われなかったにす ぎないと認められる。)。 しかし、上記資料から48億2000万円の損失の発生の可能性が高いと認められる状況にあったと認めることができないことは、前記キに説示したとおりである。 (イ) 他方で、平成26年6月20日付け書面(甲A117)には、ベー ス分について約6430万米ドルの損失が発生する見込みであり、オプション分について損益ゼロを目標とする旨の記載があるところ、ベ 他方で、平成26年6月20日付け書面(甲A117)には、ベー ス分について約6430万米ドルの損失が発生する見込みであり、オプション分について損益ゼロを目標とする旨の記載があるところ、ベース分については「CR活動実行するも、▲64.3Mドルの赤字計上見込み」との説明が、オプション分については「Baseの施策完遂+Option追加施策により、損益ゼロ化を目標とする」との説 明が付記されていること(認定事実4(11)ア)からすれば、上記書面は、各種の施策を実行しても、TIC米地下鉄案件全体で約6430万米ドルの損失の発生が避けられないことをいう趣旨のものとみる余地がある。 そうだとすると、平成26年度第1四半期末においては、約643 0万米ドルの損失の発生が見込まれることを前提とした引当金を計上すべきであったということになるが、実際に計上された引当金額は、損失見積額を約38億8900万円(1米ドル100円で換算すると約3889万米ドル)とすることを前提としたものであったから(認定事実4(11)イ)、同四半期末に計上された引当金額は、本来計上す べきであった額に不足している可能性がある。 このことが米国会計基準に違反する違法なものであったか否かについては、後記6で判断する。 2 ETC案件について(1) 当裁判所は、ETC案件について、平成25年度第1四半期末には少なくとも約36億円、同年度第2四半期末には少なくとも約45億円、同年 度第3四半期末には少なくとも約87億円の損失が発生することを前提とした引当金を計上すべきであったと判断する。その理由は、次のとおりである。 (2) 認定事実原判決「事実及び理由」欄の第4章第2節第1に記載のとおりであるか ら、これを引用する 前提とした引当金を計上すべきであったと判断する。その理由は、次のとおりである。 (2) 認定事実原判決「事実及び理由」欄の第4章第2節第1に記載のとおりであるか ら、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。 ア原判決219頁7行目末尾に「同チームは、ETC案件について、コスト増加により収益の悪化が見込まれる状況となったことから、コストについて、より詳細な報告と検討を行うために立ち上げられたものであった(甲A88の2頁)。」を加え、17行目の「Aは」から18行目 の「Dは」までを「いずれも実現が見込まれるが、Aは確度が最も高く、確実に実現が見込めるもの、B及びCは比較的確度が高いもの、Dは確度が最も低く、」と改め、20行目の「甲A」の次に「86、」を加える。 イ原判決223頁10行目の「ソリューション」から11行目の「チー ム)」までを「CS社のコスト管理プロジェクトチーム」と、15行目の「なお、」から16行目末尾までを「なお、上記資料においては、SPアップ施策及びコスト削減施策につき、その確度に応じてA~Dの4段階の区分がされており、その意味について、「改善額の見込分。確定していないが実現が見込まれるもの。確度はAが最も高く、Dが最も低 い。」との注記がされていた。コスト管理プロジェクトチームは、コス ト削減施策のうち、Cも実現に努力を要するものと考え、上記資料において、Cが実現しない場合の損益の見積額も併せて記載した(甲A88)。」とそれぞれ改める。 ウ原判決224頁25行目の「同日」を「同月16日」と改める。 エ原判決226頁6行目から17行目までを次のとおり改める。 「 平成25年11月22日に開催された社長月例では、CS社から、ETC案件における損 目の「同日」を「同月16日」と改める。 エ原判決226頁6行目から17行目までを次のとおり改める。 「 平成25年11月22日に開催された社長月例では、CS社から、ETC案件における損失見込額が約35億円であるとの報告がされた(乙C54)。 ク平成25年12月6日に送受信されたメール(乙C48の1~3)CS社の経理部担当者は、平成25年12月6日、その経理部長に 宛てて、ETC案件における引当金の計上の時期及び額について、検討した六つの案のうち平成25年度第4四半期に損失見込額を116億円とする引当てを行う案が妥当であるとの意見を付記した資料を添付したメールを送信した(乙C48の1)。 これに対し、上記経理部長は、同日、上記担当者に宛てて、上記6 案とは異なる三つの案(①平成25年度第3四半期に35億円の引当てを行い、平成26年度第4四半期に52億円の引当てを行う案、②平成25年度第3四半期に87億円の引当てを行う案及び③平成26年度第4四半期に87億円の引当てを行う案)を示すとともに、①の案を推奨する内容に修正するよう指示する内容のメールを返信した (乙C48の2)。」オ原判決227頁5行目から6行目にかけての「引当金35億円を計上する」を「35億円の引当てを行う」と、15行目の「引当金35億円の計上時期」を「損失35億円の引当て時期」とそれぞれ改める。 カ原判決228頁12行目の「SIS社」を「CS社」と、21行目の 「引当金35億円を計上した」を「約35億円の損失を前提とする引当 金を計上した(乙E118)」とそれぞれ改める。 (3) 会計処理の違法性についてア平成25年度第1四半期1審原告東芝は、平成25年度第1四半期末においては、少なくとも約36 金を計上した(乙E118)」とそれぞれ改める。 (3) 会計処理の違法性についてア平成25年度第1四半期1審原告東芝は、平成25年度第1四半期末においては、少なくとも約36億円の損失が発生する可能性が高かったから、少なくとも約36 億円の引当金を計上すべきであったと主張する。 この点、ソリューション・自動化機器事業部(AFジ)の担当者(コスト管理プロジェクトチーム)が作成した平成25年6月27日付け資料(甲B37)には、A~Dの改善策を全て実現した場合でも約35億9600万円の損失が見込まれる旨の記載があったところ(認定事実4 (4)ア)、上記見積値は、ETC案件においてコスト増加により収益の悪化が見込まれる状況となったことを踏まえ、SIS社に立ち上げられたコスト管理プロジェクトチームが検討の上算出したものである上(認定事実4(4)ア)、これがカンパニー社長のLやコーポレート社長の1審被告Eにも報告されていること(認定事実4(4)ア、(5)イ)からすれば、 相応の信頼性を有する数値であったことが推認される。 したがって、ETC案件においては、平成25年度第1四半期末の時点で、少なくとも約36億円の損失が発生する可能性が高い状況にあったことは明らかである。 これに対し、1審被告Eや1審被告Gは、SIS社が算出した見積値 の信用性に疑義を呈する旨の主張をしているが、上記資料(甲B37)には、記載された見積値が暫定的なものであるとか、とりあえずリスク発生の可能性があるので報告するといった記載はないのであって、上記見積値の信用性を否定するような事情は見当たらない。 したがって、1審原告東芝は、平成25年度第1四半期末において、 ETC案件につき、少なくとも約36億円の損失を前提 ないのであって、上記見積値の信用性を否定するような事情は見当たらない。 したがって、1審原告東芝は、平成25年度第1四半期末において、 ETC案件につき、少なくとも約36億円の損失を前提とした額の引当 金を計上すべきであったというべきである。 このことが米国会計基準に違反する違法なものであったか否かについては、後記6で判断する。 イ平成25年度第2四半期1審原告東芝は、平成25年度第2四半期末においては、少なくとも 約45億円の損失が発生する可能性が高かったから、少なくとも約45億円の引当金を計上すべきであったと主張する。 この点、SIS社が作成した1審被告G及びKへの平成25年8月22日付け報告資料(甲A240、乙C46の2)には、現時点で45億円の損失が発生するリスクを抱えているため、45億円の損失引当を実 施したい旨の記載があり、その前提となる同日時点での損益の見積額は、A~Dの施策を実現した場合でも約45億4800万円の損失が見込まれていたところ(認定事実4(5)エ)、上記アのとおり、この見積値は相応の信頼性があると考えられる。 他方で、上記資料には、引当金の計上時期につき、平成25年度下期 との記載はあるものの、同年度第2四半期末において引当金を計上するのが適当ではない旨の記載はなく、本件全証拠によっても、同四半期末に引当金の計上をする必要がなかったと認めるに足りる証拠は見当たらない。 したがって、ETC案件においては、平成25年度第2四半期末の時 点で、少なくとも約45億円の損失が発生する可能性が高い状況にあったと認められる。 これに対し、1審被告E及び1審被告Gは、SIS社による見積りの信用性に疑義を呈する旨の主張をしているが、これを採用することがで 45億円の損失が発生する可能性が高い状況にあったと認められる。 これに対し、1審被告E及び1審被告Gは、SIS社による見積りの信用性に疑義を呈する旨の主張をしているが、これを採用することができないことは、上記アのとおりである。 そうすると、1審原告東芝は、平成25年度第2四半期末において、 ETC案件につき、少なくとも約45億円の損失を前提とした額の引当金を計上すべきであったというべきである。 このことが米国会計基準に違反する違法なものであったか否かについては、後記6で判断する。 ウ平成25年度第3四半期 1審原告東芝は、平成25年度第3四半期末においては、少なくとも約87億円の損失が発生する可能性が高かったから、少なくとも約87億円の引当金を計上すべきであったと主張する。 この点、平成25年11月13日付け資料(甲A87)、同月15日付け資料(乙E47)、同月19日付け資料(乙G3)は、いずれもC S社担当者が作成した資料であるところ、上記各資料には、SPアップ施策及びコスト削減施策をほとんど実現した場合でも約87億円の損失が見込まれる旨が記載されていたことが認められる(認定事実4(6)イ、ウ、カ)。この見積りは、同年12月5日付け資料(乙C48の1の2枚目)や、同月9日付け資料(乙G4)においても維持されているので あって(認定事実4(6)ク、ケ)、上記アのとおり、この見積値は相応の信頼性があると考えられる。なお、CS社は、同年11月22日頃、コーポレート側からの指示を受けて、ETC案件の損益見込額を約87億円の損失から約35億円の損失に訂正し、同日の社長月例においても同様の報告をしているが(認定事実4(6)キ)、この訂正が合理的な根拠に 基づくものだったと認めるに C案件の損益見込額を約87億円の損失から約35億円の損失に訂正し、同日の社長月例においても同様の報告をしているが(認定事実4(6)キ)、この訂正が合理的な根拠に 基づくものだったと認めるに足りる証拠は見当たらないのであって、むしろ、同月16日に1審被告EがTに対し、「出来るだけ3Qではなく4Qに認識をする方向でお願いします。」とのメールを送信していること(認定事実4(6)エ)に照らすと、1審被告Eをはじめとするコーポレート側が、損失発生を先送りにしたいという動機に基づき、CS社側に 働き掛けを行ったことによるものである可能性が高いというべきである から、上記訂正をもって、ETC案件における損失見込額が約35億円にとどまる可能性が高かったと認めることはできない。 そして、引当金の計上時期については、CS社は、当初、平成25年度第3四半期に引当金を計上する案を検討していたものの、その後、これを同年度第4四半期に計上する旨方針を変更し、実際にも同四半期に 約35億円の損失を前提とする引当金が計上されているが(認定事実4(6)ク、(7)イ)、これを同年度第3四半期に計上しない旨の会計処理の合理性を基礎付ける事情は見当たらないのであって、CS社の上記方針変更は、上記動機に基づくコーポレート側からの働き掛けを受けたものとみるほかないから、これを合理的なものということはできない。 したがって、ETC案件においては、平成25年度第3四半期末の時点で、少なくとも約87億円の損失が発生する可能性が高いと見込まれる状況にあったことは明らかである。 これに対し、1審被告E及び1審被告Gは、CS社による見積りの信用性に疑義を呈する旨の主張をしているが、これを採用することができ ないことは、上記アのとおりであ あったことは明らかである。 これに対し、1審被告E及び1審被告Gは、CS社による見積りの信用性に疑義を呈する旨の主張をしているが、これを採用することができ ないことは、上記アのとおりである。 そうすると、1審原告東芝は、平成25年度第3四半期末において、ETC案件につき、少なくとも約87億円の損失を前提とした額の引当金を計上すべきであったというべきである。 このことが米国会計基準に違反する違法なものであったか否かについ ては、後記6で判断する。 3 WEC案件について(1) 当裁判所は、WEC案件について、違法な会計処理が行われたとは認められないと判断する。その理由は、次のとおりである。 (2) 認定事実 原判決「事実及び理由」欄の第4章第3節第1に記載のとおりであるか ら、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。 ア原判決253頁16行目の「14、」を削除する。 イ原判決260頁16行目及び18行目から19行目にかけての各「乙E1」の次にいずれも「、85」を加える。 ウ原判決261頁6行目及び8行目から9行目にかけての各「甲A76」 の次にいずれも「、乙E86」を加え、19行目と20行目の間に次のとおり加える。 「 なお、新日本監査法人がこの頃作成した書面(乙E84)には、WECによる見積りは、1審原告東芝の今後の各種取組みが反映される前のWEC独自の追加コストの見積りであること、1審原告東芝は過 去何十年にわたり新規原発建設に取り組んできており、新規原発建設に関する多くの経験及び知見を有していること、コスト管理、新規原発建設の知見に関しては、WECの技術者と比較して、1審原告東芝の技術者は明らかに優れており、今後のコスト削減が確実に見込まれる状況に に関する多くの経験及び知見を有していること、コスト管理、新規原発建設の知見に関しては、WECの技術者と比較して、1審原告東芝の技術者は明らかに優れており、今後のコスト削減が確実に見込まれる状況にあるという1審原告東芝の主張は合理的であると考えられる ことなどが記載されていた。」エ原判決263頁5行目冒頭に「上記ソの専門家チームが」を加え、同行目から6行目にかけての「上記ソの専門家チーム」を「同チーム」と改める。 オ原判決264頁15行目の「被告Gは、」から16行目の「指示とし て、」までを「1審被告Eは、平成26年1月7日頃、1審被告Gに対し、」と改め、23行目の「などを」の次に「指示した。1審被告Gは、同日、Mに宛てて、上記指示を」を加える。 カ原判決266頁23行目から24行目にかけての「「コストオーバーラン」」から24行目から25行目にかけての「解される。)が」まで を「更なるコスト低減が可能であること、最新の見積値(損益インパク トの趣旨であると解される。)は」と改める。 キ原判決270頁19行目の「対応等ついて」を「対応等について」と改める。 ク原判決272頁4行目及び6行目から7行目にかけての各「乙E3」の次にいずれも「、87」を加える。 ケ原判決273頁12行目及び14行目の各「甲A77」の次にいずれも「、乙E88」を加える。 コ原判決274頁24行目の「提示した」の次に「7000万米ドルという」を加える。 (3) 会計処理の違法性について ア平成25年度第2四半期1審原告東芝は、①WECは、外部アドバイザーのレビューも経て損益見積りを取りまとめたこと、②WECの見積値は、根拠資料と共に米国EYに提供され、その確認を経ていること、③新日本監査 第2四半期1審原告東芝は、①WECは、外部アドバイザーのレビューも経て損益見積りを取りまとめたこと、②WECの見積値は、根拠資料と共に米国EYに提供され、その確認を経ていること、③新日本監査法人も、平成25年11月11日、1審原告東芝に対し、平成25年度第2四半期 末の財務諸表に反映されている6900万米ドル分のコストオーバーランに加えて、更に1億6740万米ドルが反映される必要があるとの指摘をしていること、④WECの経営陣は、同年10月29日、コストオーバーランを3億8500万米ドルとするレップレターに署名し、これを米国EYに提出していることから、工事原価総額の増加見積値(コス トオーバーランの見積値)を6900万米ドルとした1審原告東芝の見積値(以下、WEC案件における工事原価総額の増加見積値については、1審原告東芝の算出した見積値を「東芝見積値」と、WECの算出した見積値を「WEC見積値」という。)は、「最も可能性の高い金額」とも「最も低い利益額」ともいえないので、1審原告東芝のWEC案件に ついての平成25年度第2四半期末における会計処理は米国会計基準に 違反すると主張する。 しかし、上記①及び④については、WEC見積値の具体的な算定根拠や算定経過は不明である上、「外部アドバイザーのレビュー」の具体的内容も明らかではないのであって、上記①及び④の事実から直ちに、東芝見積値の信頼性や合理性が否定されるとはいえない。 また、上記②については、仮に米国EYがWEC見積値を合理的なものと判断していたとしても、米国EYは監査法人にすぎず、原子炉の専門家ではない上、米国EYにどのような資料が提供され、米国EYにおいてどのような検討がされた結果、上記判断に至ったのかは、何ら明らかではない。 ていたとしても、米国EYは監査法人にすぎず、原子炉の専門家ではない上、米国EYにどのような資料が提供され、米国EYにおいてどのような検討がされた結果、上記判断に至ったのかは、何ら明らかではない。そもそも、監査法人としては、企業が保守的な見積りをし てきたのを、あえて是正させる動機も必要性もないと考えられることも併せ考慮すると、米国EYがWEC見積値を合理的なものと判断していたとしても、そのことから直ちに東芝見積値に合理性がないと結論付けることは相当ではない。 このことは上記③についてもいえるのであって、新日本監査法人は原 子炉の専門家ではない上、監査法人としては、東芝見積値と、その子会社(WEC)が算定したWEC見積値とが相違しているのであれば、より保守的な見積値であるWEC見積値を採用するよう働き掛けるのは、その立場上当然ともいえるのであって、新日本監査法人の意見から直ちに、東芝見積値に合理性がないと結論付けることは相当ではない。 かえって、①東芝見積値は、平成25年9月27日頃までに行われた1審原告東芝の専門家チームとWECとの協議の結果合意されたものであること(認定事実4(3)エ)、②WEC見積値は、上記合意から1か月足らずで、上記合意の見積値を5倍以上に増加させるというものであったこと(認定事実4(3)エ、(4)オ)、③新日本監査法人も、1審原告東 芝が新規原発建設に関し多くの経験及び知見を有しているため、東芝見 積値が合理的であるとの見解を有していたのであって、追加コストの反映が必要であるとの見解を示していたものの、結論としてはこれを「レビュー差異」と扱うにとどめ、四半期レビュー報告書においては、平成25年度第2四半期決算について、無限定の結論を述べていること(認定事実4(4) るとの見解を示していたものの、結論としてはこれを「レビュー差異」と扱うにとどめ、四半期レビュー報告書においては、平成25年度第2四半期決算について、無限定の結論を述べていること(認定事実4(4)サ、シ)を考慮すると、WEC見積値が、東芝見積値より信 頼性や合理性の高いものであったと直ちに認めることはできない。 そうすると、東芝見積値が「見積もった金額の中で最も可能性の高い金額」にも「見積もった金額の範囲内で最も低い利益額」にも当たらないと認めることはできない。 したがって、平成25年度第2四半期決算において、WEC案件につ き工事原価総額の増加見積値を6900万米ドルとすることを前提とした会計処理が、米国会計基準に違反するものであったとは認められない。 イ平成25年度第3四半期1審原告東芝は、①WECが、平成25年度第3四半期においても、米国会計基準に沿って慎重にコストオーバーランの見積りをしていたこ と、②新日本監査法人は、1審原告東芝に対し、平成26年1月24日に、1審原告東芝とWECとの間で合意ができない限り、監査報告書を提出できないという指摘をし、同月28日にも、1審原告東芝とWECとの間で合意ができない場合には、その差額を損益認識すべきであるという指摘をし、四半期レビューにおいても、東芝見積値の前提となるコ スト削減策の効果につき、十分な説明や資料が得られていないと指摘していたこと、③米国EYも、WEC見積値を支持していたこと、④コーポレート財務部が作成した同月24日付け書面(甲A254の2枚目)に「新日本との交渉の土俵に乗る金額規模感としては1億7500万米ドル(東芝の見積り7500万米ドル+1億米ドル)」と記載されてい るように、東芝見積値は具体的根拠を伴うものではなかったこ )に「新日本との交渉の土俵に乗る金額規模感としては1億7500万米ドル(東芝の見積り7500万米ドル+1億米ドル)」と記載されてい るように、東芝見積値は具体的根拠を伴うものではなかったこと、⑤W ECが同月31日、コストオーバーランを4億8200万米ドルとするレップレターを作成していること、⑥同月29日、1審原告東芝の専門家チームも、コストオーバーランのうちリスクレジスターの評価につき、WECの算定根拠の多くが合理的であるとして、これに同意していたことから、工事原価総額の増加見積値(コストオーバーランの見積値)を 2億9300万米ドルとした東芝見積値は、「最も可能性の高い金額」とも「最も低い利益額」ともいえないので、1審原告東芝のWEC案件についての平成25年度第3四半期末における会計処理は米国会計基準に違反すると主張する。 しかし、上記①及び⑥については、WEC見積値の具体的な算定根拠 や算定経過は不明であって、これらの事実から直ちに、東芝見積値の信頼性や合理性が否定されるとはいえないのは、前記アと同様である。 また、上記②については、新日本監査法人の指摘は、東芝見積値及びWEC見積値には差があるのでこれを解消するよう合意を働き掛けるとともに、合意ができないのであればその差額を損益認識すべきであると いうものにすぎず、WEC見積値に合理性があり、東芝見積値に合理性がないことまで積極的に指摘するものではないことは、その文言上明らかである。また、新日本監査法人は、原子炉の専門家ではない上、監査法人としては、東芝見積値と、その子会社(WEC)が算出したWEC見積値とが相違しているのであれば、より保守的な見積値であるWEC 見積値を採用するよう働き掛けるのは、その立場上当然ともいえるので しては、東芝見積値と、その子会社(WEC)が算出したWEC見積値とが相違しているのであれば、より保守的な見積値であるWEC 見積値を採用するよう働き掛けるのは、その立場上当然ともいえるのであって、新日本監査法人の意見から直ちに、東芝見積値に合理性がないと結論付けることは相当ではない。 上記③については、米国EYの判断をもって、東芝見積値に合理性がないと結論付けることが相当でないのは、前記アのとおりである。 上記④については、前記書面(甲A254)からは、コーポレート財 務部長が提示した1億7500万米ドルという数字に特段の根拠がないとはいえても、1審原告東芝が最終的に採用した数字は2億9300万米ドルであるから(認定事実4(5)ツ、ニ)、前記書面は、この見積値に合理的根拠がないことを裏付けるものではない。 なお、WECのCFOは、平成26年2月28日、1審被告Gらに送 信したメールで、電力社が出した7000万米ドルという数字は、MCPからのチャレンジに応えるために、無理やり作りこんだ側面もあり、合理的とはいい難いとの見解を示している(認定事実4(5)ヌ)。しかし、上記メールは、これが送信された経緯等は判然としない上、その内容をみても、7000万米ドルという数字に関するものであって、平成25 年度第3四半期末において最終的に採用された東芝見積値(2億9300万米ドル)に関するものではないから、上記メールの記載から、上記の2億9300万米ドルという東芝見積値に合理性がないことを基礎付けることはできない。 かえって、新日本監査法人が、最終的には見積値の差異を判断上の差 異と評価するにとどめ、平成25年度第3四半期決算について無限定の結論を付していること(認定事実4(5)ト、ナ)も考慮す 。 かえって、新日本監査法人が、最終的には見積値の差異を判断上の差 異と評価するにとどめ、平成25年度第3四半期決算について無限定の結論を付していること(認定事実4(5)ト、ナ)も考慮すると、WEC見積値が、東芝見積値より信頼性や合理性の高いものであったと認めるに足りるだけの証拠はないといわざるを得ない。そうすると、東芝見積値が「見積もった金額の中で最も可能性の高い金額」にも「見積もった金 額の範囲内で最も低い利益額」にも当たらないと認めることはできない。 したがって、WEC案件について、平成25年度第3四半期決算において、工事原価総額の増加見積値を2億9300万米ドルとすることを前提とした会計処理が、米国会計基準に違反するものであったとは認められない。 4 バイセル案件について (1) 当裁判所も、バイセル案件について、違法な会計処理が行われたとは認められないと判断する。その理由は、次のとおりである。 (2) 商流②及び③についてア認定事実原判決「事実及び理由」欄の第4章第4節第1の1に記載のとおりで あるから、これを引用する。ただし、原判決296頁11行目と12行目の間に次のとおり加える。 「 ク新日本監査法人は、1審原告東芝のPC事業では、四半期最後の月(6月、9月、12月及び3月)に営業利益が大幅に上昇し、その翌月(7月、10月、1月及び4月)には営業利益が大幅に減 少する傾向がみられるとして、遅くとも平成21年4月頃には、その理由について1審原告東芝に尋ねていたが、1審原告東芝は、四半期末に一括してコスト削減が得られたためであるなどと説明し、新日本監査法人もこれを受け入れていた(乙D33、34)。 (3) 収益認識に関する我が国における議論等 ア 1審原告東芝は、四半期末に一括してコスト削減が得られたためであるなどと説明し、新日本監査法人もこれを受け入れていた(乙D33、34)。 (3) 収益認識に関する我が国における議論等 ア日本公認会計士協会の会計制度委員会は、平成21年7月9日付けで、「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)(会計制度委員会研究報告第13号)」と題する報告書(甲A15。以下「平成21年報告書」という。)を公表した。平成21年報告書においては、メーカー等が外注先に材料等を有償支給する場合の会計処理 について、有償支給元においては、有償支給材料等を有償支給先に引き渡したとしても、その支給時において買戻しを予定している限り、収益認識要件の一つである「財貨の移転の完了」要件を実質的に満たしておらず、収益は認識できないとの見解が示されていた。 なお、日本公認会計士協会においては、「研究報告」とは、委員会 における研究の成果をいうものとされている(乙C6)。 イ平成24年に出版された新日本有限責任監査法人自動車産業研究会編『業種別会計シリーズ自動車産業』(第一法規)という書籍(甲A118、乙A4)においては、完成車メーカーが部品等を有償支給した場合の会計処理につき、当該部品等は一旦有償支給先の所有となるため、支給時に支給単価に基づき債権を認識し、買戻し 時に支給額に加工賃を加えた単価で仕入計上を行う旨の記載がされ、併せて、支給時に売上・売上原価を用いない方法もある旨の記載がされていた。 ウ企業会計基準委員会(日本の企業会計の基準や指針の開発、制定を行うために設立された民間組織)は、平成29年7月20日付け で、「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)(企業会計基準適用指針公開草案第61号)」と題する指針 計の基準や指針の開発、制定を行うために設立された民間組織)は、平成29年7月20日付け で、「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)(企業会計基準適用指針公開草案第61号)」と題する指針案(甲A265。以下「本件指針案」という。)を公表した。本件指針案においては、A社(支給元)がB社(支給先)と製品の購入契約を締結した上で、B社に対して部品を有償支給し、加工後の製品をB社から購入した という取引の設例が掲げられた上で、上記取引の会計処理として、部品の支給時には、B社に対する法的な債権を認識するとともに、加工後の製品に対する支払義務に含まれる部品相当額として有償支給取引に係る負債を認識し、部品の帳簿価額はA社の棚卸資産として認識されるとの見解が示されていた。 エ本件指針案で示された上記見解に対しては、複数の企業や団体から、部品に対する支配が実質的に支給先に移転している有償支給取引等にまで上記会計処理が求められるおそれがあり適切ではない、有償支給取引では業種や業態ごとに様々な会計処理が定着しており、その実態からかい離する形で一律的な会計処理が求められるおそれ がある、我が国製造業で行われている有償支給取引は、現物資産と 法的所有権の移転を伴い、対価を適切に受領している物の引渡取引とみるのが実態に即しているなどとして、これに反対する意見が寄せられた(甲A227、228、乙A12、13)。 オ企業会計基準委員会は、平成30年3月30日付けで、「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」(乙C53。以下 「本件会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第30号)」(甲A226。以下「本件適用指針」という。)を公表した。本件会計基準においては、 3。以下 「本件会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第30号)」(甲A226。以下「本件適用指針」という。)を公表した。本件会計基準においては、企業は資産を顧客に移転することにより履行義務を充足した時等に収益を認識すること、資産が移転するのは顧客が当該資産に対する 支配を獲得した時等であること、資産に対する支配とは当該資産の使用を指図し、当該資産からの残りの便益のほとんど全てを享受する能力をいうこと、支配の移転を検討する際には、例えば顧客への法的所有権の移転や顧客の検収等の指標を考慮すること等の見解が示されていた。また、本件適用指針においては、企業が外部に原材 料等を支給し、支給先における加工後、当該支給先から製品等を購入する取引に関する会計処理について、①企業が支給品を買い戻す義務を負っていない場合、企業は当該支給品の消滅を認識することとなるが、当該支給品の譲渡に係る収益は認識しない、②企業が支給品を買い戻す義務を負っている場合、企業は支給品の譲渡に係る 収益を認識せず、当該支給品の消滅も認識しないとの見解が示されていた。企業会計基準委員会は、本件会計基準及び本件適用指針を公表するに当たり、我が国においては収益認識に関する包括的な会計基準はこれまで開発されておらず、買戻契約に関する収益認識についても、従来の日本基準又は実務において一般的な定めはなかっ たとの認識を明らかにした(乙C33)。 (4) 1審原告東芝における会計処理ア 1審原告東芝は、本件対象四半期4において、バイセル取引につき、マスキング値差につき収益を認識して利益を計上する旨の会計処理を行う一方で、同一四半期末までにバイセル部品を用いて製造した完成品をODMから買い取ら 、本件対象四半期4において、バイセル取引につき、マスキング値差につき収益を認識して利益を計上する旨の会計処理を行う一方で、同一四半期末までにバイセル部品を用いて製造した完成品をODMから買い取らなかった場合であっても、当該利 益を取り消す処理をしていなかった(甲A1の208~215頁、甲A119の2~8頁、甲A120、乙A5、乙B9)。 イ 1審原告東芝は、平成27年6月25日、「第176期定時株主総会におけるご報告事項の内容等についてのお知らせ」と題する書面(乙B9)において、バイセル取引につき、契約上は部品取引と 完成品取引は独立しているものの、ODMに売却した部品の相当部分が完成品に組み込まれて戻ってきている可能性があること等から、部品を販売した際に計上した利益相当額に係る会計処理の適切性について懸念があるとの見解を表明した。 ウ 1審原告東芝は、平成27年度第1四半期当時においてもバイセ ル取引を行っていたものの、同四半期末において上記利益を取り消す会計処理をせず、同年9月7日に至って、借方に「製造原価」、貸方に「パソコン繰延原価控除」という仕訳を立てて上記利益を消去する旨の会計処理を行った上で、有価証券報告書等の訂正報告書を公表した(甲A2、119の10~12頁、乙A5、6)。」 イ会計処理の違法性について(ア) 検討1審原告東芝は、部品取引と完成品取引は一連一帯の取引であったから、平成20年度第2四半期から平成26年度第3四半期までの各四半期末において、バイセル部品の売却に係る利益を計上する一方で、 PCをODMから買い取らなかった分の利益を消去しなかった会計処 理は、米国会計基準に違反する違法なものであると主張する。 確かに、前記認定事実(1)のとおり、1審原 る一方で、 PCをODMから買い取らなかった分の利益を消去しなかった会計処 理は、米国会計基準に違反する違法なものであると主張する。 確かに、前記認定事実(1)のとおり、1審原告東芝がODMに売却したバイセル部品は、ODMにおいて完成品の製造に用いられ、1審原告東芝がODMから完成品を購入していたこと、ODMがマスキング価格という高値で1審原告東芝からバイセル部品を購入していたのは、 1審原告東芝が完成品を買い取ってくれることを期待していたからであると考えられ、実際にも1審原告東芝は、それが契約上の義務に基づくものといえるかどうかはともかくとしても、ODMから実際に完成品を買い取っていたこと(認定事実(1)イ)からすると、部品取引と完成品取引が密接な関連性を有する取引であったことは否定し難い。 しかし、我が国においては、本件会計基準及び本件適用指針が公表された平成30年3月30日より前においては、部品等を有償支給して完成品を買い戻すという取引については、従前明らかにされていた基準においても、実務においても、一般的な会計基準はなく、各企業において独自の会計処理が行われていたものである(認定事実(3))。 また、新日本監査法人も、四半期末に利益が急増して翌四半期初に急落するという傾向に気付き、その理由を1審原告東芝に尋ねていたものの(認定事実(2)ク)、他案件(例えばWEC案件)と異なり、その会計処理(すなわち、1審原告東芝が本件訴訟で主張するような利益の消去が行われていないこと)を問題視していたとはうかがわれない。 さらに、1審原告東芝自身も、遅くとも平成27年6月25日までには、部品取引における利益計上に係る会計処理の適切性について問題があり得ると認識していたにもかかわらず、同年度第 かがわれない。 さらに、1審原告東芝自身も、遅くとも平成27年6月25日までには、部品取引における利益計上に係る会計処理の適切性について問題があり得ると認識していたにもかかわらず、同年度第1四半期末(同月30日)の会計処理においては、それまでの会計処理を見直さず、これを見直したのは同年9月7日であった(認定事実(4))。 そうすると、日本の会計基準についていえば、本件対象四半期4の 当時、1審原告東芝の主張する会計処理が「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」として確立していたということができないことは明らかである。そして、本件対象四半期4の当時、バイセル取引のような部品及び完成品の各取引について、米国会計基準が日本の会計基準と異なる基準を採用しており、1審原告東芝の主張する会計処理 を行わないことが米国会計基準に違反するものであったと認めるに足りる証拠はない。 (イ) 1審原告東芝の主張についてこれに対し、1審原告東芝は、①米国財務会計基準審議会(FASB)が平成22年9月に公表したSFACNo.8においては、「実質優先主 義」、すなわち、会計処理においては、法律や契約書に書かれている形式的な要件よりも、経済的実態を重視し、取引の全体像の実態を誤りなく伝えることが求められていること、②米国会計基準(FASBASC105-10-05-6)においては、「このFASBASCの規定は、重要性のないことに適用する必要がない」との原則、すなわち重要性の原則を定めて いること、③FASBの財務会計概念書によると、企業会計は「表現が忠実であること」が求められており、これは企業会計の正確性、すなわち真実性の原則を意味すること、④米国会計基準では、収益を認識するためには、当該収益が「実現 務会計概念書によると、企業会計は「表現が忠実であること」が求められており、これは企業会計の正確性、すなわち真実性の原則を意味すること、④米国会計基準では、収益を認識するためには、当該収益が「実現しているか、実現可能であること」及び「稼得されていること」という要件を満たす必要があるところ(FAS BASC 605-10-25-1)、商流②及び③については、その経済的実態をみると、ODMに対する完成品製造の外部委託に付随する取引であって、本来の収益を認識すべき取引ではないから、上記の2要件を満たさないこと、⑤日本公認会計士協会の会計制度委員会が公表した平成21年報告書においては、有償支給取引における会計処理の考え方として、 「有償支給下においては、有償支給材料等を有償支給先に引き渡した としても、その支給時において買戻しを予定している限り、収益認識要件の一つと解される『財貨の移転の完了』要件を実質的に満たしておらず、収益は認識できないと考えられる。」等と記載されていることから、バイセル取引におけるバイセル部品の売却に係るマスキング値差分の利益を消去しなかった会計処理は米国会計基準に違反すると 主張する。 しかし、上記①については、「実質優先主義」の考え方から直ちに、1審原告東芝の主張する会計処理が唯一の会計処理であるとの結論が導かれるわけではない。かえって、バイセル取引においては、1審原告東芝からODMにバイセル部品が現に引き渡され、その所有権もO DMに移転し、その代金も支払われ、1審原告東芝はODMに売却したバイセル部品の管理を行っていなかったのであるから(認定事実(2)ウ、オ)、バイセル部品の売却は、実態を伴った取引であって、その利益を認識することが実質優先主義の考え方に直ちに反するという 売却したバイセル部品の管理を行っていなかったのであるから(認定事実(2)ウ、オ)、バイセル部品の売却は、実態を伴った取引であって、その利益を認識することが実質優先主義の考え方に直ちに反するということはできない。 また、上記②から④までについては、「重要性の原則」及び「真実性の原則」の考え方や、1審原告東芝の指摘する米国会計基準から直ちに、1審原告東芝の主張する会計処理が唯一の会計処理であるとの結論が導かれるわけではない。 さらに、上記⑤については、平成21年報告書は、会計制度委員会 における研究の成果にすぎず(認定事実(3)ア)、同報告書の記載内容から直ちに、同報告書が公表された当時、買戻しが予定されている有償支給取引においては収益を認識することができないという会計処理が「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」として実務に受け入れられていたということはできない(かえって、我が国では各企業 において独自の会計処理が行われていたと認められることは、上記(ア) のとおりである。)。 (ウ) 小括したがって、本件対象四半期4(平成20年度第2四半期から平成26年度第3四半期まで)の各四半期末において、バイセル部品の売却に係るマスキング値差分の利益を計上し、これを消去しなかった会 計処理が、米国会計基準に違反する違法なものであったとは認められない。 (3) 商流⑤についてア検討1審原告東芝は、米国会計基準(FASBASC 810-10-45-1)によれば、 グループ内に残存する資産に関する未実現利益は消去しなければならないところ、商流⑤においては、1審原告東芝からTTIへのバイセル部品売却及びTTIからTIHへのバイセル部品売却は、いずれも東芝グループ内における取 する資産に関する未実現利益は消去しなければならないところ、商流⑤においては、1審原告東芝からTTIへのバイセル部品売却及びTTIからTIHへのバイセル部品売却は、いずれも東芝グループ内における取引であったにもかかわらず、平成24年度第2四半期から同年度第4四半期までの各四半期末の会計処理において、これが 適切に消去されなかったという米国会計基準違反があったと主張し、商流⑤があったことを裏付ける証拠として、「仕訳データ」、「TTI売却リスト」などと題する資料(甲A130、131、309~312)や、東芝クライアントソリューション株式会社所属の担当者の陳述書(甲A119)を提出している。 確かに、コーポレート調達部兼PCカンパニーの調達担当者が平成24年9月28日に1審被告Eに宛てて送信したメール(甲A215)には、「TIHへ押し込み」という文言があり、TIH総経理が同年12月26日に上記担当者に宛てて送信したメール(甲A199)には、TIHへの部品売却が計画されていることを非難する内容が記載されてい ることが認められる。 しかし、上記各メールは、1審原告東芝が主張する各四半期において商流⑤が実際に行われたことを直接裏付けるものではないし、仮にこれが行われたとしても、消去されなかった未実現利益の有無や額については、上記各メールからは全く不明である。 また、上記陳述書によれば、上記各資料は、1審原告東芝における会 計処理が問題視されるようになった平成27年に作成されたものにすぎないというのであり、その内容をみても、日付、金額、部品名等が列挙されているにすぎない。また、そもそも上記陳述書を作成した担当者は、1審原告東芝の会計処理が問題視されるようになった平成27年に過年度決算の修正作業を行っ の内容をみても、日付、金額、部品名等が列挙されているにすぎない。また、そもそも上記陳述書を作成した担当者は、1審原告東芝の会計処理が問題視されるようになった平成27年に過年度決算の修正作業を行った者にすぎず、前記各四半期において商流⑤に 直接携わった者ではない上、上記陳述書には、上記資料の作成過程が極めて抽象的かつ概略的に記載されているにすぎない。 さらに、新日本監査法人が、商流⑤について、未実現利益が消去されていないとしてこれを問題視したこともうかがわれない。 そうすると、上記各メール並びに上記各資料及び上記陳述書から直ち に商流⑤の各取引が行われたと認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。仮に、商流⑤の各取引が行われ、その未実現利益が消去されなかったとしても、これが1審原告東芝の企業規模(前提事実第2節第1の1参照)に照らして重要な事項についての虚偽記載といえる程度のものであったと認めるに足りる証拠もない。 イ小括以上によれば、商流⑤に係る会計処理の違法をいう1審原告東芝の主張を採用することはできない。 5 キャリーオーバー案件について当裁判所も、キャリーオーバー案件について、違法な会計処理が行われた とは認められないと判断する。その理由は、原判決「事実及び理由」欄の第 4章第5節に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。この判断は、当審における1審原告東芝の主張を踏まえても左右されない。 (1) 原判決303頁25行目の「及び株主原告ら」を削除する。 (2) 原判決304頁10行目の「上記第4節」から19行目の「すなわち、」 まで及び25行目の「また、」から26行目末尾までをいずれも削除する。 (3) 原判決30 株主原告ら」を削除する。 (2) 原判決304頁10行目の「上記第4節」から19行目の「すなわち、」 まで及び25行目の「また、」から26行目末尾までをいずれも削除する。 (3) 原判決305頁2行目の「及び日本の会計基準」、4行目、6行目及び18行目の各「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (4) 原判決306頁17行目から21行目までを次のとおり改める。 「 したがって、1審原告東芝の上記主張は、前提を欠くものといわざる を得ないから、重要性の原則の適用の有無について判断するまでもなく、「日本BD特許引当」と称する会計処理が違法であるということはできない。」(5) 原判決306頁23行目及び307頁11行目から12行目にかけての各「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (6) 原判決308頁4行目から9行目までを次のとおり改める。 「 したがって、1審原告東芝の上記主張は、上記第2と同様、前提を欠くものといわざるを得ないから、重要性の原則の適用の有無について判断するまでもなく、「米国特許引当」と称する会計処理が違法であるということはできないことも、上記第2と同様である。」 (7) 原判決308頁12行目、21行目から22行目にかけて、309頁6行目、8行目、12行目、16行目から17行目にかけて及び21行目から22行目にかけての各「及び株主原告ら」をいずれも削除する。 (8) 原判決310頁10行目の「原告東芝」から11行目の「基礎づける」までを「1審原告東芝が主張する」と改め、25行目から26行目にかけ ての「及び株主原告ら」を削除する。 (9) 原判決311頁1行目から5行目までを削除する。 6 TIC米地下鉄案件及びETC案件についての引当金計上が過少であったことが け ての「及び株主原告ら」を削除する。 (9) 原判決311頁1行目から5行目までを削除する。 6 TIC米地下鉄案件及びETC案件についての引当金計上が過少であったことが重要な事項についての虚偽記載に当たるかについて前記1及び2のとおり、TIC米地下鉄案件につき、平成26年度第1四半期末において約6430万米ドルの損失の発生が見込まれることを前提と した引当金を計上すべきところ、損失見積額を約38億8900万円(1ドル100円で換算すると約3889万米ドル)とすることを前提として引当金を計上した可能性があり、ETC案件につき、平成25年度第1四半期末には少なくとも約36億円、同年度第2四半期末には少なくとも約45億円、同年度第3四半期末には少なくとも約87億円の損失が発生することを前提と した引当金を計上すべきであったのに、これを計上しなかったことが認められるが、前記前提事実第2節第1の1で認定した1審原告東芝の企業規模に照らせば、これらの引当金の計上に係る会計処理が、投資者の判断に影響を与えるという観点に照らし、有価証券報告書等に重要な事項につき虚偽の記載をしたものということができないので、米国会計基準に違反する違法なも のであったということはできない。 7 結論以上のとおり認定判断したところは、1審原告東芝の当審におけるその余の補充主張を考慮しても左右されない。 以上の次第で、1審原告東芝の請求は、その余の点について判断するまで もなく、いずれも理由がないから、これらを棄却すべきところ、原判決中、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gに対する各請求を一部認容した部分は相当ではないから、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gの各控訴に基づき、上記各部分をいずれも取り消し、 べきところ、原判決中、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gに対する各請求を一部認容した部分は相当ではないから、1審被告D、1審被告E及び1審被告Gの各控訴に基づき、上記各部分をいずれも取り消し、同部分につき1審原告東芝の各請求をいずれも棄却し、1審原告東芝の控訴を棄却すべきである。 よって、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第15民事部 裁判官齊藤充洋 裁判官武藤貴明 裁判長裁判官中村也寸志は退官のため署名押印することができない。 裁判官齊藤充洋 (別紙省略)
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